以下に、本発明に係る走行制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
[実施例]
本発明に係る走行制御装置の実施例を図1から図5に基づいて説明する。
本実施例の走行制御装置は、設定された自車の走行経路を走行する際の走行モードを計画し、この計画された走行モードに基づいて走行モードの切り替えを実施する。この例示では、走行モードの計画を行う電子制御装置(以下、「走行計画ECU」と云う。)1と、走行モードの切り替えや走行モードに応じた自車の走行を制御する電子制御装置(以下、「走行制御ECU」と云う。)2と、によって走行制御装置を構成している。
本実施例においては、この走行制御装置の適用対象として、機関と回転機が動力源のハイブリッド車両を例に挙げる。これが為、ここで云う走行モードとは、機関の動力のみ又は機関及び回転機の夫々の動力で走行するハイブリッド走行モード(以下、「HV走行モード」と云う。)のことと、回転機の動力のみで走行する電気自動車モード(以下、「EV走行モード」と云う。)のことと、を指している。尚、機関とは、所謂エンジンであって、内燃機関や外燃機関のことを云う。また、回転機とは、電動機や電動発電機等のことを云う。
先ず、この走行制御装置に関わるシステム構成についての説明を行う。
本システムは、車両に設けた自車位置検出装置11と地図情報データベース12と走行経路演算装置13とを備える。自車位置検出装置11は、自車の存在している位置を検出する装置である。この自車位置検出装置11としては、所謂GPS(Global Positioning System)を利用すればよい。地図情報データベース12は、車両の通行が可能な道路の地図情報と、交差点等の様な道路関連施設の地図情報と、その道路を所定の条件下で予め区分した区間情報と、その区間毎の車両の走行状態情報と、が少なくとも記憶されたものである。また、この地図情報データベース12には、その道路の種別(高速道路や一般道等の種別、平坦路と登坂路と降坂路の種別など)や形状(勾配など)を表す道路情報を記憶させておいてもよい。走行経路演算装置13は、操作者に指定された目的地までの自車の走行経路を演算する。
区間とは、例えば、隣り合う2つの交差点で区分された道路(つまり、隣り合う2つの交差点の間に存在している道路)、平坦路と登坂路と降坂路とで区分された道路、登坂路や降坂路の中でも勾配の大小に基づき区分された道路、所定の距離毎に区分された道路等のことである。ここで、2つの交差点の間の道路は、長短様々であり、平坦路や坂路が混在している場合もある。これが為、区間は、2つの交差点の間や所定の距離等の上記の諸条件の組み合わせによって予め決めておくことが望ましい。以下においては、この区間をリンクとも云い、また、区間の端部(例えば隣接する区間の接続部分等)をノードとも云う。地図情報データベース12には、その区間(リンク)や当該区間の端部(ノード)の情報と共に、区間に対して一意に対応させた識別情報(リンクID)や区間の端部に対して一意に対応させた識別情報(ノードID)も記憶させている。
走行状態情報とは、区間の道路状態(例えば勾配等)に応じた車両の走行状態を表す情報のことである。この走行状態情報は、該当する区間のリンクIDに対応させて地図情報データベース12に記憶させている。この走行状態情報としては、例えば、区間を走行する際の車両の走行負荷の情報、区間を走行する際に消費される消費エネルギ(具体的には燃費や電費)の情報等が該当する。走行計画ECU1は、区間における少なくとも1つの走行状態情報に基づいて、この区間を走行する際の走行モードを決める。
具体的に、例えば、区間が登坂路の場合には、平坦路や降坂路と比べて、走行負荷が高く、また、消費エネルギも大きい(燃費や電費が悪い)。更に、この場合には、勾配が大きいほど、走行負荷が高く、また、消費エネルギも大きい(燃費や電費が悪い)。一方、区間が降坂路の場合には、平坦路や登坂路と比べて、走行負荷が低く、また、消費エネルギも小さい(燃費や電費が良い)。更に、この場合には、勾配が大きいほど、走行負荷が低く、また、消費エネルギも小さい(燃費や電費が良い)。これが為、地図情報データベース12には、区間の走行状態情報として、その様な道路情報に応じた走行負荷や消費エネルギを予め記憶させておく。例えば、区間が登坂路の場合、走行計画ECU1には、勾配が大きいほど、燃費や電費よりも、高い走行負荷による走行性能の低下を回避すべく、EV走行モードよりもHV走行モードを選択させる。これに対して、区間が降坂路の場合、走行計画ECU1には、勾配が大きいほど、燃費や電費の向上を重視して、HV走行モードよりもEV走行モードを選択させる。
ここで、走行計画ECU1には、地図情報データベース12の走行状態情報と実際に走行した際の走行情報とにずれが生じている場合、その地図情報データベース12の走行状態情報を実際に得た走行情報に更新させてもよい。この走行状態情報の学習の要否は、区間毎に判断する。その際、実際に走行した際の走行情報は、走行中の車両運転情報等に基づいて演算すればよい。その車両運転情報とは、例えば、車速センサ14の検出値(車速)、アクセル開度センサ15の検出値(アクセル開度)、ブレーキセンサ16の検出値(ブレーキペダル操作量)、バッテリセンサ17の検出値(SOC:State of Charge)等の車両運転状態の判断が可能な情報のことである。また、実際に走行した際の走行情報は、走行中の前後加速度センサ18の検出値を利用して演算してもよい。前後加速度センサ18の検出値に基づいて走行路の勾配を推定できるからである。
また、走行経路における区間毎の走行状態情報は、路車間通信によってセンタから取得してもよく、車車間通信によって他車から取得してもよい。本システムには、かかる通信を担う車載器19が用意されている。
ここで、本システムにおいては、その自車位置検出装置11と地図情報データベース12と走行経路演算装置13とを包含するカーナビゲーションシステムを利用してもよい。
走行計画ECU1は、走行経路上の或る区間(リンク)を基準区間{基準リンクNo(0)}として設定し、この基準区間{基準リンクNo(0)}よりも目的地側に存在している区間(リンク)が当該基準区間{基準リンクNo(0)}との統合対象となるのか否かを判断する。
この走行計画ECU1には、車両の走行経路上の夫々の区間の中から基準区間{基準リンクNo(0)}を決める基準区間演算部が設けられている。この例示の基準区間演算部は、走行経路設定時に自車の存在している区間又は駐車場等から走行経路へと進入した際の最初の区間を最初の基準区間{基準リンクNo(0)}に決める。
ここで、その最初の基準区間{基準リンクNo(0)}よりも目的地側の区間(リンク)については、統合要否を判断する際の基準区間{基準リンクNo(0)}との比較対象になり得るものであり、この基準区間{基準リンクNo(0)}との統合候補になる。これが為、以下においては、その目的地側の区間(リンク)を統合候補区間{統合候補リンクNo(n)}と称する(n=1,2,…,m)。リンクNo(m)は、目的地の存在している区間又は目的地がノードの場合における当該目的地の手前の区間であって、走行経路の最終区間を表す。
走行計画ECU1は、基準区間{基準リンクNo(0)}の走行状態情報と統合候補区間{統合候補リンクNo(n)}の走行状態情報との差分を演算し、その差分の絶対値と所定の閾値とを比較することで、その基準区間{基準リンクNo(0)}と統合候補区間{統合候補リンクNo(n)}との統合の要否を判定する。これが為、この走行計画ECU1には、その比較の結果による統合要否の判定結果に応じて基準区間と統合候補区間の統合を行う統合演算部を設けている。以下においては、その閾値のことを統合判定閾値と云う。例えば、走行状態情報が走行負荷情報の場合には、基準区間{基準リンクNo(0)}と統合候補区間{統合候補リンクNo(n)}の走行負荷の差の絶対値を求め、この絶対値と統合判定閾値とを比較させる。また、走行状態情報が消費エネルギ情報の場合には、基準区間{基準リンクNo(0)}と統合候補区間{統合候補リンクNo(n)}の消費エネルギの差の絶対値を求め、この絶対値と統合判定閾値とを比較させる。
この走行計画ECU1には、その走行状態情報の差の絶対値が統合判定閾値以下の場合には、走行モードの変更の必要が無いと判断させるので、その統合候補リンクNo(n)が基準リンクNo(0)との統合対象であると判定させる。一方、その差の絶対値が統合判定閾値よりも大きい場合には、走行モードの変更の必要があると判断させるので、その統合候補リンクNo(n)が基準リンクNo(0)との統合対象ではないと判定させる。従って、統合判定閾値は、走行モードの変更の要否、つまり区間(リンク)の統合の要否に基づいて決める。走行状態情報が走行負荷情報の場合には、例えば、基準区間{基準リンクNo(0)}と統合候補区間{統合候補リンクNo(n)}の走行負荷の差の絶対値の内、走行モードの変更の必要が無い差の絶対値における最大値又は当該最大値の補正値(演算誤差やセンサの検出誤差等を考慮に入れて最大値を補正した値)を統合判定閾値に決める。また、走行状態情報が消費エネルギ情報の場合には、例えば、基準区間{基準リンクNo(0)}と統合候補区間{統合候補リンクNo(n)}の消費エネルギの差の絶対値の内、走行モードの変更の必要が無い差の絶対値における最大値又は当該最大値の補正値(演算誤差やセンサの検出誤差等を考慮に入れて最大値を補正した値)を統合判定閾値に決める。
走行計画ECU1は、その統合判定閾値を用いた基準区間{基準リンクNo(0)}と統合候補区間{統合候補リンクNo(n)}との比較を、基準区間{基準リンクNo(0)}に対する走行経路の目的地側の統合候補区間{統合候補リンクNo(n)}の内、手前側から目的地側へと順番に統合不要と判定されるまで繰り返す。そして、この走行計画ECU1は、統合対象であると判定された全ての統合候補区間{統合候補リンクNo(n)}と基準区間{基準リンクNo(0)}とを統合する。これらの統合された区間(リンク)は、結果として或る走行状態における1つの区間(リンク)として判断される。これが為、その結果が得られればよいので、統合の捉え方としては、夫々の区間(リンク)を統合するとの考えに立ってもよく、夫々の区間(リンク)の走行状態情報を統合するとの考えに立ってもよい。尚、前者の場合には、例えば、統合前の各区間(各リンク)の走行状態情報の平均値を統合後の区間(リンク)の走行状態情報としてもよく、基準区間{基準リンクNo(0)}の走行状態情報を統合後の区間(リンク)の走行状態情報としてもよい。また、後者の走行状態情報の統合については、その平均値等と同じ考え方で実施すればよい。
この統合後にも統合候補区間{統合候補リンクNo(n)}が残っている場合には、統合された区間{リンクNo(n−1)}の次の目的地側の統合候補区間{統合候補リンクNo(n)}を新たな基準区間{基準リンクNo(0)}に設定し、上記と同じ様にして統合の要否を繰り返す。
例えば、平坦路が続く高速道路などにおいては、走行状態情報の差の絶対値が統合判定閾値以下となるので、その統合候補リンクNo(n)と基準リンクNo(0)とを統合させる。この場合、走行計画ECU1の走行モード計画部は、その統合された区間(平坦路)の走行負荷や消費エネルギが小さいので、この点を考慮に入れて当該平坦路の走行モードを計画する。例えば、EV走行モードの選択される走行領域が広い車種においては、EV走行モードと計画する。また、EV走行モードの選択される走行領域が走行開始時等の特定の領域に限られている車種においては、HV走行モードと計画する。一方、例えば、平坦路から急勾配の登坂路へと経路が変移する場合には、走行状態の差の絶対値が統合判定閾値よりも大きくなるので、その統合候補リンクNo(n)と基準リンクNo(0)とを統合させない。この場合、走行計画ECU1の走行モード計画部は、その平坦路や登坂路の走行負荷や消費エネルギに応じて走行モードを計画する。例えば、走行計画ECU1は、その平坦路をEV走行モードと計画し、その登坂路をHV走行モードと計画する。但し、走行モード計画部は、その計画された道路に自車が到達したとき又は到達する直前に、例えばSOCがバッテリの充電を要するほど小さければ、EV走行モードが計画されていたとしてもHV走行モードを選択し、SOCがバッテリの満充電を示していれば、HV走行モードが計画されていたとしてもEV走行モードを選択してもよい。
ここで、本実施例の走行計画ECU1には、上述した統合判定閾値を基準区間{基準リンクNo(0)}の走行状態情報に応じて変更させる。この為、この走行計画ECU1には、統合判定閾値を決める閾値演算部を設けている。ここでは、大別すると、その基準区間{基準リンクNo(0)}の走行状態情報が所定の閾値よりも大きいのか否かに応じて統合判定閾値を使い分ける。以下においては、その閾値を走行状態判定閾値と云う。
その走行状態判定閾値は、例えば、走行状態の変動が大きいと推定されるエリア(例えば山間部)と走行状態の変動が小さいと推定されるエリア(例えば高速道路や市街地)とを判別する為のものである。換言するならば、この走行状態判定閾値は、走行モードの切り替えが要求され易いエリアと走行モードの切り替えが要求され難いエリアとを判別する為のものである。例えば、平坦路や平坦路と同等に扱うことのできる走行モードの変更の必要が無い登坂路の存在しているエリアは、走行状態(走行負荷や消費エネルギ)の変動の小さいエリアであり、走行モードの切り替えが要求されないと推定できる。これに対して、その登坂路よりも勾配の大きい登坂路の存在しているエリアは、走行状態の変動が大きいエリアであり、走行モードの切り替えが要求されると推定できる。これが為、例えば、平坦路から車両が移動した際に走行モードの変更の必要が無い登坂路を決めた場合には、この登坂路の走行状態情報の最大値又は当該最大値の補正値(演算誤差やセンサの検出誤差等を考慮に入れて最大値を補正した値)を走行状態判定閾値として決めてもよい。
この例示では、説明の便宜上、上述した統合判定閾値を基準統合判定閾値と称する。そして、ここでは、基準区間{基準リンクNo(0)}の走行状態が走行状態判定閾値よりも大きい場合(つまり、その走行状態に基づいて走行モードの切り替えが要求される位にまで走行状態の変動が大きいエリアであると推定できる場合)に、その基準統合判定閾値を統合判定閾値として用いることにする。その基準統合判定閾値は、予め固定値として設定しておいたものでもよく、基準区間{基準リンクNo(0)}の走行状態情報に基づいた変動値であってもよい。変動値とする場合には、例えば、その走行状態に応じた基準統合判定閾値(統合判定閾値)のマップを予め用意しておけばよい。
一方、基準区間{基準リンクNo(0)}の走行状態が走行状態判定閾値以下の場合(つまり、その走行状態に基づいて走行モードの切り替えが要求されない程度の走行状態の変動の小さいエリアであると推定できる場合)には、その基準統合判定閾値よりも小さい値を統合判定閾値として用いる。この場合の統合判定閾値についても、予め固定値として設定しておいたものでもよく、基準区間{基準リンクNo(0)}の走行状態情報に基づいた変動値であってもよい。固定値とする場合には、例えば、基準統合判定閾値と所定の係数との乗算値を統合判定閾値としてもよい。その係数は、走行状態情報の何割分を統合判定閾値にするのかを決めるものである。また、変動値とする場合には、例えば、その走行状態に応じた統合判定閾値のマップを予め用意しておけばよい。
以下、この走行制御装置における統合に係る演算処理動作を図2のフローチャートに基づき説明する。ここでは、走行状態情報として走行負荷情報を例に挙げて説明する。
走行計画ECU1は、走行経路演算装置13によって設定された走行経路の情報を取得する(ステップST5)。ここでは、少なくとも走行経路における夫々の区間と夫々の区間の端部とに対応しているリンクIDとノードIDとを取得する。
そして、走行計画ECU1は、走行経路における夫々の区間{最初の基準リンクNo(0)、統合候補リンクNo(n)}毎に走行負荷情報を取得する(ステップST10)。つまり、このステップST10では、そのリンクIDに基づいて、走行経路における夫々の区間の走行負荷情報{走行負荷P0,P(n)}を地図情報データベース12から読み込む。
走行計画ECU1は、その基準リンクNo(0)を0、nを1にセットする(ステップST15)。つまり、ここでは、その基準リンクNo(0)との最初の比較対象として、この基準リンクNo(0)にノードを介して接続している統合候補リンクNo(1)がセットされる。
走行計画ECU1は、基準リンクNo(0)の走行負荷P0が走行状態判定閾値(ここでは走行負荷に関する閾値)αよりも大きいのか否かを判定する(ステップST20)。
走行計画ECU1は、走行負荷P0が走行状態判定閾値αよりも大きい場合、統合判定閾値Kとして基準統合判定閾値βを設定し(ステップST25)、走行負荷P0が走行状態判定閾値α以下の場合、統合判定閾値Kとしてγ(<β)を設定する(ステップST30)。ここでは、図3に示す様に、走行負荷の大きさに応じて変動するマップに基づき統合判定閾値K(=β,γ)を演算する。この図3のマップでは、走行状態判定閾値αを境にして、走行負荷P0が走行状態判定閾値α以下であれば、走行負荷P0が高いほど大きくなるγ(P0)を統合判定閾値Kに設定し、走行負荷P0が走行状態判定閾値αよりも大きければ、走行負荷P0が高いほど大きくなるβ(P0)を統合判定閾値Kに設定する。つまり、この例の統合判定閾値Kは、基準区間の走行負荷が高いほど大きくなる。
走行計画ECU1は、基準リンクNo(0)の走行負荷P0と基準リンクNo(0)よりも先の統合候補リンクNo(n)の走行負荷P(n)との差ΔPを演算し(ステップST35)、その差ΔPの絶対値が統合判定閾値K以下になっているのか否かを判定する(ステップST40)。
走行計画ECU1は、差ΔPの絶対値が統合判定閾値K以下の場合、その統合候補リンクNo(n)が基準リンクNo(0)との統合対象に該当する(即ち走行モードの変更の必要が無い)と判断して、nをn+1にセットする(ステップST45)。つまり、ここでは、その統合候補リンクNo(n)に目的地側でノードを介して接続されている次の統合候補リンクNo(n+1)が基準リンクNo(0)との比較対象としてセットされる。
一方、差ΔPの絶対値が統合判定閾値Kよりも大きい場合、走行計画ECU1は、その統合候補リンクNo(n)が基準リンクNo(0)との統合対象に該当しない(即ち走行モードの変更の必要がある)と判断して、基準リンクNo(0)から統合候補リンクNo(n−1)までの全てのリンク又は当該各リンクの走行負荷情報を1つに統合する(ステップST50)。つまり、ここでは、その基準リンクNo(0)から統合候補リンクNo(n−1)までの全てのリンクを、走行モードの同じ1区間に統合する。
しかる後、走行計画ECU1は、基準リンクNo(0)との統合対象にならなかった統合候補リンクNo(n)を新たな基準リンクNo(0)に設定し、且つ、nをn+1にセットする(ステップST55)。つまり、ここでは、新たな基準リンクNo(0)に目的地側で接続されている統合候補リンクNo(n+1)が当該基準リンクNo(0)との比較対象としてセットされる。
走行計画ECU1は、ステップST45又はステップST55でセットしたn(=n+1)がm−1であるのか否かを判定する(ステップST60)。前述した様に、リンクNo(m)は、走行経路の最終区間である。従って、この判定は、基準リンクNo(0)との比較対象である統合候補リンクNo(n+1)が、走行経路の最後のリンクNo(m)の1つ手前の統合候補リンク(m−1)であるのか否かを判断するものである。
走行計画ECU1は、「n=m−1」でない場合、統合候補リンクNo(n+1)が走行経路の最後のリンクNo(m)の1つ手前の統合候補リンク(m−1)ではないので、その統合候補リンクNo(n+1)が新たな基準リンクNo(0)との統合対象であるのか否かを判断するべく、ステップST20に戻り、新たな基準リンクNo(0)の走行負荷P0が所定の閾値αよりも大きいのか否かを判定する。以降、走行計画ECU1は、ステップST60で「n=m−1」であると判定されるまで、上述した演算処理を繰り返す。
走行計画ECU1は、ステップST60で「n=m−1」であると判定された場合、基準リンクNo(0)から統合候補リンクNo(n−1)までの全てのリンク又は当該各リンクの走行負荷情報を1つに統合する(ステップST65)。
図4には、その演算処理の実施前後の走行負荷情報の一例を示している。この図4では、上図が演算処理の実施前の状態を表し、下図が演算処理の実施後の状態を表している。その上図は、走行経路の走行負荷情報について地図情報を基に視覚化した概念図であり、統合前の夫々の区間(リンク)の走行負荷情報を表している。一方、下図は、走行経路の走行負荷情報について各区間(各リンク)の走行負荷を基に統合した概念図である。この例示では、リンクNo(0)〜No(2)が統合されて新たなリンクNo(0)となり、リンクNo(3)〜No(4)が統合されて新たなリンクNo(1)となり、リンクNo(5)〜No(7)が統合されて新たなリンクNo(2)となる。
走行計画ECU1は、上記の如く統合された走行経路の新たな区間(リンク)の走行状態情報に基づいて、その新たな区間の走行モードがHV走行モードであるのかEV走行モードであるのかを設定する。また、走行計画ECU1は、そのHV走行モードと計画される区間において、その走行状態情報に応じて機関と回転機の夫々の動力の出力比を設定する。この走行モードの計画時には、バッテリのSOCを考慮して、例えば、バッテリ残量が少なければHV走行モードに設定し、バッテリ残量が満充電又は満充電に近ければEV走行モードに設定してもよい。また、自車が例えば前方の他車への追従走行制御や前方の他車との車間制御等を実行している場合には、他車との車間、他車の車速や加減速度等の情報も考慮に入れて走行モードの設定を行ってもよい。かかる情報は、例えば、撮像装置20の撮影した自車の前方の画像、レーダ装置21の検出値等を用いて取得する。
走行計画ECU1は、走行経路上の各経路における走行モードの計画情報を走行制御ECU2に渡す。そして、走行制御ECU2は、その各経路へと進入する際に、変更の必要が無ければ現状の走行モードでの走行を継続させ、変更の必要があれば走行モードを切り替えて走行させる。
ここで、この例示では走行状態情報として走行負荷情報を例に挙げたが、例えば消費エネルギ情報を走行状態情報として利用する場合には、基準区間{基準リンクNo(0)}の消費エネルギに基づいて統合判定閾値Kを変更させればよい。その統合判定閾値Kは、例えば、基準区間の消費エネルギが多いほど大きくする。そして、この場合には、基準リンクNo(0)の消費エネルギと統合候補リンクNo(n)の消費エネルギとの差を求め、この差の絶対値が統合判定閾値K以下であれば、その統合候補リンクNo(n)を基準リンクNo(0)との統合対象として設定し、その差の絶対値が統合判定閾値Kよりも大きければ、その統合候補リンクNo(n)を基準リンクNo(0)との統合対象として設定しない。尚、統合対象とならない統合候補リンクNo(n)は、走行負荷の例示と同じ様に、次の新たな基準リンクNo(0)とする。
以上示した様に、本実施例の走行制御装置は、基準区間{基準リンクNo(0)}の走行状態情報に基づいて統合判定閾値Kを変更するので、隣接する区間の間における走行状態の差(走行負荷の差、消費エネルギの差)の大小に拘わらず(つまり、山間部の一般道の様な走行状態の変動が大きい経路であっても、高速道路の様な走行状態の変動が小さい経路であっても)、過剰な区間の統合(走行状態情報の統合)の抑制が図れると共に、区間の統合不足(走行状態情報の統合不足)の抑制も図れる。この様に、この走行制御装置は、区間の統合(走行状態情報の統合)が過不足になることを抑えることができるので、走行経路上の過剰な走行モードの変更が抑制されると共に、走行経路上で必要な走行モードの変更が可能になる。従って、この走行制御装置は、動力源を適宜切り替えながら、例えば走行性能と燃費性能及び電費性能との両立に適した走行負荷や消費エネルギの管理等を実施することができる。
[変形例]
例えば、高速道路等の様に長い経路に渡って走行状態の変動が小さい場合でも、上述した実施例の走行制御装置では、その走行状態の変動が小さい全ての区間又は当該各区間の走行状態情報を統合する。これが為、統合後の区間長が長くなりすぎてしまうことも考えられ、過度に長い区間長が存在するときは、走行モードを変更することができず、統合によって却って走行性能の低下、燃費性能及び電費性能の低下等を引き起こしてしまう可能性がある。従って、この変形例の走行制御装置においては、統合後の区間長が所定の長さ(以下、「所定区間長」と云う。)Dx以上にならないように、基準区間{基準リンクNo(0)}の区間長D(0)と統合対象候補の各統合候補区間{統合候補リンクNo(n)}の区間長D(n)の合計値(以下、「総区間長」と云う。)Dall(n)が所定区間長Dx以上になると判定した場合、統合候補区間{統合候補リンクNo(n)}の1つ手前の統合候補区間{統合候補リンクNo(n−1)}までを統合対象と決める。その総区間長Dall(n)は、「Dall(n)=Dall(n−1)+D(n)」の演算式を用いて求める。従って、統合演算部には、前述した走行状態情報の差分と統合判定閾値との比較結果に加えて、更に基準区間から統合候補区間までの総区間長Dall(n)が所定区間長Dxを超えないときに、その統合候補区間を基準区間に統合させる。
以下、この走行制御装置における統合に係る演算処理動作を図5のフローチャートに基づき説明する。ここでは、実施例と同じ様に、走行状態情報として走行負荷情報を例に挙げて説明する。また、図2と同じ「ST〜」の工程については、図5でも同じ演算処理を行うので、その説明を省略又は簡略化する。
本変形例の走行計画ECU1は、実施例と同じ様に各種情報を取得した後(ステップST5,ST10)、基準リンクNo(0)を0、nを1、Dall(0)を基準区間{基準リンクNo(0)}の区間長D(0)にセットする(ステップST16)。
そして、この走行計画ECU1は、基準リンクNo(0)の走行負荷P0に応じて統合判定閾値Kを設定し(ステップST20〜ST30)、その走行負荷P0と基準リンクNo(0)よりも先の統合候補リンクNo(n)の走行負荷P(n)との差ΔPを演算すると共に(ステップST35)、その基準リンクNo(0)から統合候補リンクNo(n)までに存在する全てのリンクの総区間長Dall(n)を求める(ステップST36)。
走行計画ECU1は、その差ΔPの絶対値が統合判定閾値K以下であり、且つ、その総区間長Dall(n)が所定区間長Dxよりも短いのか否かを判定する(ステップST41)。所定区間長Dxは、例えば道路種別で変更してもよい。例えば、走行状態の変動が大きくなっている可能性の高い一般道では、数キロメートルを所定区間長Dxとして設定する。一方、これよりも走行状態の変動が小さくなっている可能性の高い高速道路においては、数十キロメートルを所定区間長Dxとして設定する。
走行計画ECU1は、差ΔPの絶対値が統合判定閾値K以下であり、且つ、総区間長Dall(n)が所定区間長Dxよりも短い場合、その統合候補リンクNo(n)を基準リンクNo(0)との統合対象に決めて、nをn+1にセットする(ステップST45)。
一方、走行計画ECU1は、差ΔPの絶対値が統合判定閾値Kよりも大きい場合、又は、総区間長Dall(n)が所定区間長Dx以上になる場合、その統合候補リンクNo(n)が基準リンクNo(0)との統合対象に該当しない(即ち走行モードの変更の必要がある)と判断して、基準リンクNo(0)から統合候補リンクNo(n−1)までの全てのリンク又は当該各リンクの走行負荷情報を1つに統合する(ステップST50)。この為、差ΔPの絶対値が統合判定閾値K以下であり、統合候補リンクNo(n)が基準リンクNo(0)との統合対象になり得るものであったとしても、総区間長Dall(n)が所定区間長Dx以上になる場合には、その統合候補リンクNo(n)を基準リンクNo(0)との統合対象にしない。従って、この走行制御装置においては、区間長が過度に長くなってしまうと云う事態を回避することができる。
しかる後、走行計画ECU1は、基準リンクNo(0)との統合対象にならなかった統合候補リンクNo(n)を新たな基準リンクNo(0)に設定し、且つ、nをn+1にセットすると共に、この統合候補リンクNo(n)の区間長D(n)を総区間長Dall(n)にセットする(ステップST56)。このときの総区間長Dall(n)は、新たな基準リンクNo(0)の区間長D(0)に相当する。
以降、走行計画ECU1は、ステップST45又はステップST56でセットしたn(=n+1)がm−1であるのか否かを判定し(ステップST60)、「n=m−1」であると判定されたならば、基準リンクNo(0)から統合候補リンクNo(n−1)までの全てのリンク又は当該各リンクの走行負荷情報を1つに統合する(ステップST65)。
以上示した様に、本変形例の走行制御装置は、実施例と同じ様に、基準区間{基準リンクNo(0)}の走行状態情報に基づいて統合判定閾値Kを変更するので、隣接する区間の間における走行状態の差(走行負荷の差、消費エネルギの差)の大小に拘わらず、過剰な区間の統合(走行状態情報の統合)の抑制が図れると共に、区間の統合不足(走行状態情報の統合不足)の抑制も図れる。更に、この走行制御装置は、過度に長い区間長の統合を回避することもできるので、このことからも過剰な区間の統合(走行状態情報の統合)を抑制することができる。従って、この走行制御装置は、実施例と比較して、区間の統合(走行状態情報の統合)が過不足になることを更に抑えることができるので、走行経路上の過剰な走行モードの変更が抑制されると共に、走行経路上で必要な走行モードの変更が可能になる。故に、この走行制御装置は、動力源を適宜切り替えながら、実施例よりも例えば走行性能と燃費性能及び電費性能との両立に適した走行負荷や消費エネルギの管理等を実施することができる。