JP6041706B2 - 鶏肉用電子レンジ調理用組成物及び該鶏肉用電子レンジ調理用組成物を用いる電子レンジ調理による鶏肉の不快臭抑制方法 - Google Patents
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Description
また、本開示は、前記組成物を用いる、電子レンジ調理による鶏肉の不快臭抑制方法を提供する。
本開示に係る鶏肉用電子レンジ調理用組成物は、2−エチル−3−メチルピラジンを含有する電子レンジ調理用組成物であり、当該組成物1g中の2−エチル−3−メチルピラジン含有量が、固相マイクロ抽出法において内部標準物質(10ppm 3−オクタノン 2μl)のピークエリアを1としたときの相対比で0.1以上であることを特徴とするものである。
注入口:スプリットレス
カラム流量:ヘリウム 0.98ml/min
サンプリング時間:2min
本開示に係る電子レンジ調理による鶏肉の不快臭抑制方法とは、上述した本開示に係る鶏肉用電子レンジ調理用組成物を用いることによって、電子レンジ調理された鶏肉の喫食時に感じる不快臭を低減する方法である。
本実験例では、特許文献1に記載されているスクラロースによる食肉の臭みのマスキングが、電子レンジを用いた鶏肉の調理においても有効であるか、官能評価によって検証した。
スクラロース単品を試験例1とし、30±2gの鶏もも肉(6個)にまぶした。この鶏肉を、電子レンジを用いて、出力500Wで5分加熱し、から揚げ様食品を得た。試験例1については、3人のパネルが喫食し、評価した。
また、特許文献1の記載に基づき、スクラロース0.1質量%、コーングリッツ99.9質量%の、各々の配合からなる衣用組成物を調製し、試験例2とした。試験例2を30±2gの鶏もも肉(6個)にまぶし、出力500Wで5分、電子レンジを用いて加熱し、から揚げ様食品を得た。試験例2については、4人のパネルが喫食し、評価した。
試験例1については、3人とも、甘味が強すぎ、かつ、鶏肉の臭みが十分に感じられたと評価した。試験例2では、1人が鶏肉の臭みが低減されていると評価したが、3人は鶏肉の臭みが低減されていないと評価した。
鶏肉の電子レンジ調理によって生じる臭みに対して、低減する効果を有する素材を検討した。
表1に示す配合の衣用組成物を調製し、実施例1〜3及び比較例1〜5とした。これらの衣用組成物と鶏もも肉6切れ(30±2g×6個)とをビニル袋内に入れ、ビニル袋を振ることによって鶏肉にまぶした。紙製シートを敷いた皿の上に、この衣用組成物をまぶした鶏肉(6個)を載せ、ラップをせずに電子レンジ(出力500W)で5分間調理し、から揚げ様食品を得た。
実施例1:
表1に示す配合比の薄力粉(昭和産業「クレオパトラ」)、砂糖、食塩、卵白粉及びグルタミン酸ナトリウムに、ほうじ茶(国太楼「炒り立てほうじ茶」)を4.4質量%配合したものを衣用組成物とした。
実施例2:
表1に示す配合比の薄力粉、砂糖、食塩、卵白粉及びグルタミン酸ナトリウムに、ココア(片岡物産「バンホーテンピュアココア」)を5.0質量%配合したものを衣用組成物とした。
実施例3:
表1に示す配合比の薄力粉、砂糖、食塩、卵白粉及びグルタミン酸ナトリウムに、コーヒー(レギュラー)(味の素ゼネラルフーヅ「ちょっと贅沢な珈琲店(レギュラー)」を5.0質量%配合したものを衣用組成物とした。
比較例1:
表1に示す配合比の薄力粉、砂糖、食塩、卵白粉、グルタミン酸ナトリウムが配合されたものを衣用組成物とした。比較例1には、ほうじ茶、ココア、コーヒー(レギュラー)、バナナチップ、紅茶(三井農林「日東紅茶ティーバッグ」)、未ローストアーモンド及び生ピーナッツの何れも配合されていない。
比較例2:
表1に示す配合比の薄力粉、砂糖、食塩、卵白粉及びグルタミン酸ナトリウムに、バナナチップを5.0質量%配合したものを衣用組成物とした。
比較例3:
表1に示す配合比の薄力粉、砂糖、食塩、卵白粉及びグルタミン酸ナトリウムに、紅茶を5.0質量%配合したものを衣用組成物とした。
比較例4:
表1に示す配合比の薄力粉、砂糖、食塩、卵白粉及びグルタミン酸ナトリウムに、未ローストアーモンドを5.0質量%配合したものを衣用組成物とした。
比較例5:
表1に示す配合比の薄力粉、砂糖、食塩、卵白粉及びグルタミン酸ナトリウムに、生ピーナッツを5.0質量%配合したものを衣用組成物とした。
表1に示すように、ほうじ茶が配合された実施例1では、鶏肉の臭みが極僅かに感じられる程度で、とても良好であった。ココアが配合された実施例2では、鶏肉の臭みが殆ど感じられず、非常に良好であった。コーヒー(レギュラー)が配合された実施例3では、鶏肉の臭みが全く感じられず、極めて良好であった。
上述した実験例2において、鶏肉の電子レンジ調理によって生じる臭みに対し低減効果が認められたコーヒー(レギュラー)、ココア、ほうじ茶に含まれる揮発性成分を調べた。
素材(コーヒー(レギュラー)、ココア、ほうじ茶)からの揮発性成分の抽出は、SPME法(固相マイクロ抽出法)により行った。ヘッドスペース用バイアル瓶(容量20ml)に素材1gを取り、超純水10mlを加えてバイアル瓶を密封した後、これを40℃で10分間加温した。加温後、40℃で20分間ヘッドスペース中の揮発性成分をSPMEファイバーに吸着させた。SPMEファイバーには、スペルコ社の65μmPDMS/DVBを用いた。
上記の素材から得られた揮発性成分の検出・測定には、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS、島津製作所製 GC/MSQP2010)を用い、カラムには、GLサイエンス社製InertCap Pure Wax 60m×0.25mmID×0.25μmを用いた。
カラム温度:40℃,5min−(4℃/min)−260℃,10min
注入口:スプリットレス
カラム流量:ヘリウム 0.98ml/min
サンプリング時間:2min
上記の測定方法で得られたマススペクトルにおける各々のピークの同定は、付属のライブラリーソフトによるマススペクトルの検索と、標準物質の保持時間に基づいて行い、検出されたピークを同定した。2−エチル−3−メチルピラジンを同定するための標準物質には、市販の2−エチル−3−メチルピラジン(東京化成工業、GR 製品コードE0361)を用いた。
図1に本実験例で測定されたマススペクトルの一部を示す。図1A及び図1Bの横軸は、m/zを示し、縦軸は、最も高い強度で測定されたピークの強度を100%とした場合の、ピーク強度を示す。図1Aは、標準物質として用いた上記の2−エチル−3−メチルピラジンを上記方法で測定して得られた、保持時間25.8分におけるマススペクトルである。図1Bは、ほうじ茶の揮発性成分を上記方法で測定して得られた、保持時間25.8分におけるマススペクトルである。図1Bに示すほうじ茶の揮発性成分のマススペクトルには、図1Aに示す標準物質の2−エチル−3−メチルピラジンのマススペクトルに存在するピークと一致するピーク(m/z121)が見られた。
上記実験例3で同定された2−エチル−3−メチルピラジンについて、上述したコーヒー(レギュラー)、ココアなどの素材における含有量を測定した。
素材からの揮発性成分の抽出は、上記実験例3と同様に行った。また、本実験例では、2−エチル−3−メチルピラジン含有量を測定するため、内部標準物質としてメタノール(和光純薬、特級 製品コード137−01823)に溶解させた濃度10ppmの3−オクタノン2μl(CAS番号:106−68−3、和光純薬、特級 製品コード150−01452)を、試料が入ったヘッドスペース用バイアル瓶に添加した。
2−エチル−3−メチルピラジンの検出及び含有量の測定には、上記実験例3と同様に行った。試料の測定によって得られたマススペクトルにおける3−オクタノン及び2−エチル−3−メチルピラジンの各々のピークの同定は、付属のライブラリーソフトによる検索と、標準物質として市販の2−エチル−3−メチルピラジン(東京化成工業、GR 製品コードE0361)と3−オクタノンを測定し、その標準物質の保持時間に基づき、各々、行った。同定された各々のピークについて、ピークエリアを算出し、内部標準物質(10ppm 3−オクタノン、2μl)のピークエリアを「1」とした時の2−エチル−3−メチルピラジンのピークエリアの相対比を、2−エチル−3−メチルピラジン含有量とした。
3−オクタノン:m/z 99のピーク(保持時間:20.3分)
2−エチル−3−メチルピラジン: m/z 121のピーク(保持時間:25.8分)
表4に、本実験例で2−エチル−3−メチルピラジンの含有量を測定した素材と、これらの素材に含まれる2−エチル−3−メチルピラジン含有量を示す。なお、含有量は、内部標準物質(10ppm 3−オクタノン、2μl)のピークエリアを「1」とした時の相対比で示した。また、2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、2回の測定の平均を用いた。
上記の実験例3において同定された2−エチル−3メチルピラジンが、鶏肉の電子レンジ調理において生じる臭みの低減に有効であるか検証した。
以下に本実験例で用意した試験例3及び試験例4について説明する。
2−エチル−3−メチルピラジン(CAS番号:15707−23−0、東京化成工業株式会社製、等級GR)5mgをヒマワリ油(オレインリッチ、昭和産業製)200gに添加して、2−エチル−3−メチルピラジン含有ヒマワリ油を調製した。薄力粉(クレオパトラ、昭和産業製)99質量%に、上記の2−エチル−3−メチルピラジン含有ヒマワリ油1質量%を加え、乳鉢で粉砕混合し、衣用組成物を調製した。この衣用組成物を試験例3とした。試験例3に含まれる2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、前述の内部標準物質に対する相対比で0.54であった(2−エチル−3−メチルピラジン含有量の測定方法については、実験例4(2)参照)。この衣用組成物20gと鶏もも肉6切れ(30±2g×6個)とをビニル袋内に入れ、ビニル袋を振ることによって、衣用組成物を鶏肉にまぶした。紙製シートを敷いた皿の上に、この衣用組成物をまぶした鶏肉(6個)を載せ、ラップをせずに電子レンジ(出力500W)で5分間調理し、から揚げ様食品を得た。
試験例4では、試験例3で用いた2−エチル−3−メチルピラジン含有ヒマワリ油の替わりにヒマワリ油を用い、衣用組成物を調製した。これを試験例4とした。同様に衣用組成物を鶏肉にまぶした後、電子レンジで調理し、から揚げ様食品を得た。
試験例3及び試験例4について、実験例2と同様に、表2に示す5段階で点数を付け、評価した。2−エチル−3−メチルピラジンを含む試験例3では、7名が5点評価(鶏肉の臭みを全く感じない)、1名が4点評価(鶏肉の臭みを殆ど感じない)であった。一方、2−エチル−3−メチルピラジンが含まれていない試験例4では8名全員が1点評価(鶏肉の臭みを強く感じる)であった。
本実験例では、2−エチル−3−メチルピラジンについて、鶏肉を電子レンジで調理した際に生じる臭みの低減に有効な組成物中の含有量を検討した。
本実験例では、薄力粉(昭和産業「クレオパトラ」)、砂糖、食塩、卵白粉、及びグルタミン酸ナトリウムに、表5に示す量の2−エチル−3−メチルピラジンを含む衣用組成物を調製し、実施例4〜13、比較例6〜9及び試験例5〜7とした。
実施例4:
2−エチル−3−メチルピラジンを含む素材として、ココア(片岡物産「バンホーテンピュアココア」)を2.6質量%配合した。2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、0.11であった。
実施例5:
2−エチル−3−メチルピラジンを含む素材として、ココアを3.1質量%配合した。2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、0.13であった。
実施例6:
2−エチル−3−メチルピラジンを含む素材として、ほうじ茶(国太楼「炒り立てほうじ茶」)を4.4質量%配合した。2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、0.16であった。なお、実施例6に含まれる素材及びその配合比は、実験例2の実施例1と同じである。
実施例7:
2−エチル−3−メチルピラジンを含む素材として、ココアを5.0質量%配合した。2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、0.21であった。なお、実施例7に含まれる素材及びその配合比は、実験例2の実施例2と同じである。
実施例8:
2−エチル−3−メチルピラジンを含む素材として、コーヒー(レギュラー)(味の素ゼネラルフーヅ「ちょっと贅沢な珈琲店(レギュラー)」を2.5質量%配合した。2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、0.28であった。
実施例9:
2−エチル−3−メチルピラジンを含む素材として、ほうじ茶を10.0質量%配合した。2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、0.36であった。
実施例10:
2−エチル−3−メチルピラジンを含む素材として、コーヒー(レギュラー)を0.25質量%、粉末醤油(仙波糖化工業「NO.12」)を10.0質量%、各々、配合した。2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、0.38であった。
実施例11:
2−エチル−3−メチルピラジンを含む素材として、ほうじ茶を15.0質量%配合した。2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、0.52であった。
実施例12:
2−エチル−3−メチルピラジンを含む素材として、コーヒー(レギュラー)を5.0質量%配合した。2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、0.54であった。なお、実施例12に含まれる素材及びその配合比は、実験例2の実施例3と同じである。
実施例13:
2−エチル−3−メチルピラジンを含む素材として、ほうじ茶を18.0質量%配合した。2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、0.67であった。
比較例6
本実験例において衣用組成物のベースとなる素材のみが配合されている。ベースとなる素材に2−エチル−3−メチルピラジンが含まれていないことを確認するため、上記の実施例と同様に含有量の測定を行った結果、2−エチル−3−メチルピラジンは検出されなかった。表5における「N.D.」は、2−エチル−3−メチルピラジンが検出されなかったことを示す。なお、比較例6に含まれる素材及びその配合比は、実験例2の比較例1と同じである。
比較例7
2−エチル−3−メチルピラジンを含む素材として、コーヒー(レギュラー)を0.25質量%配合した。2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、0.016であった。
比較例8
2−エチル−3−メチルピラジンを含む素材として、コーヒー(レギュラー)を0.25質量%、粉末醤油(仙波糖化工業「P−7A」)を10.0質量%、各々、配合した。2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、0.04であった。
比較例9
2−エチル−3−メチルピラジンを含む素材として、ほうじ茶を2.0質量%配合した。2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、0.09であった。
試験例5:
2−エチル−3−メチルピラジンを含む素材として、ほうじ茶を20.0質量%配合した。2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、0.73であった。
試験例6:
2−エチル−3−メチルピラジンを含む素材として、ココアを17.6質量%配合した。2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、0.86であった。
試験例7:
2−エチル−3−メチルピラジンを含む素材として、コーヒー(レギュラー)を10.0質量%配合した。2−エチル−3−メチルピラジン含有量は、0.98であった。
表5に示すように、2−エチル−3−メチルピラジン含有量が0(不検出)から0.09である比較例6〜9では、鶏肉の臭みの低減は不十分であり、鶏肉の臭みが感じられ、好ましくない、又は極めて好ましくないという評価結果となった。一方、2−エチル−3−メチルピラジン含有量が0.11である実施例4では、鶏肉の臭みが僅かに感じられる程度で、良好という評価結果となった。
Claims (2)
- 2−エチル−3−メチルピラジンを含有する電子レンジ調理用組成物であり、当該組成物1g中の2−エチル−3−メチルピラジン含有量が、固相マイクロ抽出法において内部標準物質(10ppm 3−オクタノン 2μl)のピークエリアを1としたときの相対比で0.1以上1.0以下であることを特徴とする、鶏肉用電子レンジ調理用組成物。
- 請求項1の組成物を用いる、電子レンジ調理による鶏肉の不快臭抑制方法。
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