JP6071835B2 - キャスト塗工紙及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本実施形態に係るキャスト塗工紙の支持体は紙支持体が好ましい。紙支持体に使用するパルプ繊維はLBKP(広葉樹さらしクラフトパルプ)、NBKP(針葉樹さらしクラフトパルプ)などの化学パルプ、TMP(サーモメカニカルパルプ)、GP(砕木パルプ)、CTMP(ケミサーモメカニカルパルプ)、RMP(リファイナーメカニカルパルプ)、などの機械パルプ、DIP(脱インキパルプ)などの木材パルプ及びコットン、ケナフ、竹、バガスなどの非木材パルプである。これらは、単独で使用するか、又は任意の割合で混合して使用することができる。また、本発明の目的とする効果を損なわない範囲において、合成繊維を更に配合することができる。環境保全の観点から、ECF(Elemental Chlorine Free)パルプ、TCF(Total Chlorine Free)パルプを含有することが好ましい。
顔料としては、一般に印刷用塗工紙に使用されている公知の白色顔料が例示できる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン(クレーを含む)、水酸化アルミニウム、焼成クレー、酸化チタン、プラスチックピグメントなどの有機高分子微粒子などであり、これらの中から目的に応じて1種あるいは2種以上が適宜選択して使用される。
本実施形態によるキャスト塗工紙の製造方法としては、前記再湿潤キャスト法が製造効率の観点から好ましい。再湿潤液とは、一旦乾燥したキャスト塗工層を膨潤させ、キャストドラムに塗工層を適度に密着させる作用のある再湿潤用の処理液(水溶液)のことをいう。例えば、蟻酸などの酸、ヘキサメタリン酸塩などのリン酸塩、クエン酸塩などのヒドロキシ酸塩、硫酸亜鉛、ジシアンジアミド、尿素などの、可塑剤としての機能を有する化合物の中から選ばれる1種以上の水溶液である。本実施形態においては、再湿潤液に離型剤として(A)脂肪酸及びその塩、及びそれらの誘導体から選ばれる1種以上を添加することが好ましい。離型剤の添加量を最小限度にすることが可能であり、インキ着肉性を向上させることが可能である。離型剤(A)の再湿潤液への添加量は0.001〜1.0%が好ましく、より好ましくは0.005〜0.8%であり、さらに好ましくは、0.007〜0.5%である。0.001%未満では離型性に劣る場合があり、1.0%を超える場合はインキ着肉性に劣る場合がある。
キャスト塗工層に耐水化剤として炭酸亜鉛のアンモニア錯体を含有させるために、キャスト塗工層の塗料に炭酸亜鉛のアンモニア錯体を含有させることが好ましい。再湿潤用の処理液に炭酸亜鉛のアンモニア錯体を含有させると、添加量を最小限にできるところ、キャスト塗工層の塗料に含有させることで、キャストドラム汚れ防止の点で有利である。また、離型剤(A)は、再湿潤用の処理液に含有させることが好ましい。再湿潤用の処理液に含有させることで、キャストドラム汚れ防止の点で有利である。さらに、離型剤(B)は、キャスト塗工層の塗料又は再湿潤用の処理液のいずれか一方又はその両方を含有させる。すなわち、離型剤(B)をキャスト塗工層の塗料にのみ含有させる形態、再湿潤用の処理液のみに含有させる形態、キャスト塗工層の塗料及び再湿潤用の処理液の両方に含有させる形態があるが、この中でキャスト塗工層の塗料にのみ含有する形態が好ましい。
サイズプレスにて酸化澱粉を表面処理した坪量80g/m2の上質紙を紙支持体とした。次いで、顔料としてカオリン(ウルトラコート:エンゲルハード社製)75部と軽質炭酸カルシウム(タマパールTP−123CS、奥多摩工業製)25部、結着剤として顔料100質量部に対してカゼイン7質量部、大豆タンパク2部、スチレン・ブタジエン系ラテックス(スマーテックスPA−9176、日本エイアンドエル社製)15質量部、炭酸亜鉛のアンモニア錯体水溶液(ハードナーA12、旭化成ケミカルズ社製)を亜鉛換算で0.5質量部、離型剤としてポリエチレンエマルジョン(SNコート287、サンノプコ社製)0.5質量部からなる固形分濃度50%のキャスト用塗工液を調製した。次いでこのキャスト用塗工液をエアーナイフコーターにて前記紙支持体の片面に絶乾塗工量20g/m2となるように塗工して乾燥した。次いで、クエン酸ナトリウム0.1%、離型剤として脂肪酸塩であるオレイン酸カリウム0.1%、からなる固形分濃度0.2%の再湿潤液(水溶液)をキャスト塗工層表面にウェット塗布量30g/m2となるように塗布した後、塗布面が湿潤状態にあるうちにキャストドラムに圧接し、乾燥後キャストドラムから剥離してキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.11g/m2であった。)
実施例1において、ポリエチレンエマルジョンを2.0部とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.35g/m2であった。)
実施例1において、ポリエチレンエマルジョンを4.0部とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.65g/m2であった。)
実施例1において、オレイン酸カリウムを1.0%とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.38g/m2であった。)
実施例1において、オレイン酸カリウムを0.01%とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.083g/m2であった。)
実施例1において、ポリエチレンエマルジョンを0.1部、オレイン酸カリウムを0.01%とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.019g/m2であった。)
実施例1において、ポリエチレンエマルジョンを2.0部、オレイン酸カリウムを1.0%とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.62g/m2であった。)
実施例1において、再湿潤液の離型剤をオレイン酸アンモニウムに変更した以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.11g/m2であった。)
実施例1において、キャスト塗工層の離型剤として、ポリエチレンエマルジョンを0.5部、オレイン酸カリウムを0.2部とし、再湿潤液の離型剤を無添加とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.11g/m2であった。)
実施例1において、キャスト塗工層の炭酸亜鉛のアンモニア錯体水溶液の添加量を0.03質量部(亜鉛換算)とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.11g/m2であった。)
実施例1において、キャスト塗工層の炭酸亜鉛のアンモニア錯体水溶液の添加量を1.0質量部(亜鉛換算)とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.11g/m2であった。)
実施例1において、カゼインを無添加、大豆タンパクを9質量部とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.11g/m2であった。)
実施例1において、キャスト塗工層の炭酸亜鉛のアンモニア錯体水溶液の添加量を0.01質量部(亜鉛換算)とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.11g/m2であった。)
実施例1において、キャスト塗工層の炭酸亜鉛のアンモニア錯体水溶液の添加量を2.0質量部(亜鉛換算)とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.11g/m2であった。)
実施例1において、オレイン酸カリウムをラウリン酸ナトリウムに変更した以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.11g/m2であった。)
実施例1において、再湿潤液の離型剤をオレイン酸カリウム0.1%、ポリエチレンエマルジョン0.27%に変更し、キャスト塗工層の塗料のポリエチレンエマルジョンを無添加とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.11g/m2であった。)
実施例1において、オレイン酸カリウムを無添加とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.080g/m2であった。)
実施例1において、ポリエチレンエマルジョンを無添加とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.030g/m2であった。)
実施例1において、ポリエチレンエマルジョンをパラフィンワックスエマルジョン(ダイジットEY、互応化学社製)とし、再湿潤液の離型剤を無添加とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.080g/m2であった。)
実施例1において、炭酸亜鉛のアンモニア錯体水溶液を無添加とした以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.11g/m2であった。)
実施例1において、耐水化剤として、炭酸亜鉛のアンモニア錯体を硝酸亜鉛に変更した以外は実施例1と同様にしてキャスト塗工紙を得た。(この時のキャスト塗工層中の離型剤の合計含有量は0.11g/m2であった。)
JIS−Z8741−1997「鏡面光沢度−測定方法」に準じ、60度光沢度計を用いて測定を行った。数値が高い方が高級感に優れていて好ましい。65%以上が好ましい。
得られたキャスト塗工紙の光沢面の反対面をタック加工してラベル紙を作成した。このラベル紙の光沢面に樹脂凸版印刷機(SANJYO NS−250、三條機械製作所社製)にて高速でバーコード印刷を行い、着肉不良による白抜けを目視で評価した。
◎:白抜けが全くなく、実用できる。
○:白抜けが僅かにあるが、実用できる。
△:白抜けがあり、実用不可。
×:白抜けが著しくあり、実用不可。
キャスト塗工紙のキャスト面に0.05ccの水を滴下し、さらに同じ種類のキャスト塗工紙をキャスト面同士が対向するように重ね、その上に一定量の重り(200g/cm2)を載せ、24時間放置したのち、両キャスト塗工紙を剥がし、一方のキャスト塗工紙のキャスト面の状態を以下の基準にて、目視判定した。
◎:キャスト塗工紙の塗工層の剥離付着が全く認められず、実用できる。
○:キャスト塗工紙の塗工層の剥離付着が僅かに認められるが、実用できる。
△:キャスト塗工紙の塗工層の剥離付着が認められ、実用不可。
×:キャスト塗工紙の塗工層の剥離付着が著しく認められ、実用不可。
キャスト塗工層表面の白紙面感を目視評価した。キャストドラムからの離型性が悪い場合は、キャスト塗工層表面に剥離ムラが発生する。
◎:離型性すこぶる良好。剥離ムラがなく、実用できる。
〇:離型性良好。剥離ムラがごく僅かにあるが目立たず、実用できる。
△:離型性やや不良。剥離ムラが目立ち、実用不可。
×:離型性不良。剥離ムラが著しく目立ち、実用不可。
Claims (4)
- 支持体上に顔料と結着剤とを主成分とするキャスト塗工層を設け、該キャスト塗工層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接して強光沢仕上げするキャスト塗工紙において、
前記キャスト塗工層が、耐水化剤として炭酸亜鉛のアンモニア錯体を含有し、更に離型剤として(A)脂肪酸及びその塩、及びそれらの誘導体から選ばれる1種以上と、(B)ポリエチレンエマルジョンとを含有することを特徴とするキャスト塗工紙。 - 前記キャスト塗工層中の(A)脂肪酸及びその塩、及びそれらの誘導体から選ばれる1種以上と(B)ポリエチレンエマルジョンとの合計含有量が1.0g/m2以下であることを特徴とする請求項1に記載のキャスト塗工紙。
- 前記キャスト塗工層がカゼインを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のキャスト塗工紙。
- 支持体上に顔料と結着剤とを主成分とするキャスト塗工層を設け、乾燥させた後に、前記キャスト塗工層の表面に処理液を塗布して再湿潤させ、前記キャスト塗工層が湿潤状態にある間に加熱された鏡面ドラムに圧接して強光沢仕上げする、再湿潤キャスト法によるキャスト塗工紙の製造方法おいて、
前記キャスト塗工層の塗料に耐水化剤として炭酸亜鉛のアンモニア錯体を含有させ、前記再湿潤用の処理液に離型剤として(A)脂肪酸及びその塩、及びそれらの誘導体から選ばれる1種以上を含有させ、前記キャスト塗工層の塗料又は前記再湿潤用の処理液のいずれか一方又はその両方に離型剤として(B)ポリエチレンエマルジョンを含有させることを特徴とするキャスト塗工紙の製造方法。
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