JP6095540B2 - 積層体 - Google Patents
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Description
例えば、高速度でのヒートシール成形および内容物の高速充填が可能となる二重包装体の製造方法として、二層フィルムからなる包装容器を準備し、そのフィルムの内層は外層樹脂よりも低融点かつ外層樹脂とは相溶性に乏しい樹脂で形成されており、次いでその包装容器に内容物を充填すると共に内層樹脂のみが溶融する条件下で開口部をヒートシールすることによって密封された包装体となし、その後外層フィルムを引き剥して内層フィルムのみからなる単層の内挿包装体へと変え、一方前記の内挿包装体とヒートシール可能な樹脂からなる包装容器を準備して前記とは別の内容物を充填して外部包装体となし、次いで外部包装体中に少なくとも1個の内挿包装体を挿入し、外部包装体の開口部に内挿包装体の端部を重ね合わせてヒートシールすることによって両者を一体化しかつ外部包装体を密封する二重包装体の製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、酸素透過度を調節することができるポリ4−メチル−1−ペンテン系樹脂積層体として、(I)4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)からなる層と、(II)接着性樹脂(B)からなる中間層と、(III)ポリアミド樹脂(C)からなる層とからなり、4−メチル−1−ペンテン系重合体(A)からなる層とポリアミド樹脂(C)からなる層との接着強度が0.1〜1.0N/15mmの範囲にあり、前記(III)層が剥離可能であるポリ4−メチル−1−ペンテン系樹脂積層体が知られている(例えば、特許文献2参照)。
<1> 4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を70モル%〜95モル%、及びプロピレンに由来する構成単位を5モル%〜30モル%含む共重合体を含む熱可塑性重合体Aを含有する基材層と、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、及びブテン系重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体を含む熱可塑性重合体Bを含有し、かつ、少なくとも一部が前記基材層と接触している表面層と、を備え、前記熱可塑性重合体Aと前記熱可塑性重合体Bとの23℃での引張弾性率の差(絶対値)が、500MPa以上である、積層体。
<2> 前記共重合体中における4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位の比率が、80モル%〜93モル%である、<1>に記載の積層体。
<3> 前記共重合体における4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位の比率が、70モル%〜84.1モル%であり、前記共重合体におけるプロピレンに由来する構成単位の比率が、15.9モル%〜30モル%である、<1>に記載の積層体。
<4> 前記熱可塑性重合体Aと前記熱可塑性重合体Bとの密度の差(絶対値)が、50kg/m3以上である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の積層体。
<5> 前記熱可塑性重合体A及び前記熱可塑性重合体Bの少なくとも一方の密度が、830kg/m3〜940kg/m3である、<1>〜<4>のいずれか1項に記載の積層体。
<6> 前記熱可塑性重合体Aと前記熱可塑性重合体Bとの融点の差(絶対値)が、100℃以下である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の積層体。
<7> 前記熱可塑性重合体Bが、エチレン系重合体である、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の積層体。
<8> 前記基材層と前記表面層との剥離強度が、4.0N/cm以下である、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の積層体。
また、本明細書において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本発明の積層体は、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を70モル%〜95モル%、及び4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位を5モル%〜30モル%含む共重合体を含む熱可塑性重合体Aを含有する基材層と、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、及びブテン系重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体を含む熱可塑性重合体Bを含有し、かつ、少なくとも一部が前記基材層と接触している表面層と、を備え、前記熱可塑性重合体Aと前記熱可塑性重合体Bとの23℃での引張弾性率の差(絶対値)が、500MPa以上である。
本明細書中における「成形性」には、積層体を共押出成形によって成形する際の成形性だけでなく、基材層及び表面層を別個に成形する際の成形性も包含される。
即ち、基材層と表面層との易剥離性が低下する現象(即ち、基材層と表面層とが剥離し難くなる現象)の原因は、基材層及び表面層の両方の表面に存在する微小な凹凸同士が、基材層と表面層との接触界面においてかみ合うことにより、基材層と表面層とが局所的に強固に接着するためと考えられる。
この原因に鑑み、本発明の積層体では、熱可塑性重合体Aと熱可塑性重合体Bとの23℃での引張弾性率の差(絶対値)が500MPa以上となっている。これにより、引張弾性率が小さい方の重合体を含有する層の表面が平滑となり、上記凹凸同士のかみ合いが抑制され、その結果、基材層と表面層との易剥離性が向上すると考えられる。
更に、本発明の積層体では、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を70モル%以上含む(即ち、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を主体とする)共重合体を含む熱可塑性重合体Aを含有する基材層と、上述の熱可塑性重合体Bを含有する表面層と、を備える構成としたことにより、基材層と表面層との相溶性が低くなり、このことによっても基材層と表面層との易剥離性が向上すると考えられる。
更に、熱可塑性重合体Aが、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位に加え、4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位を含むことにより、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位のみからなる重合体と比較して、重合体の融点が低くなる。このため、積層体又は基材層の成形後において、未溶融物に由来する外観異常(ブツ等)の発生が抑制されると考えられる。同様の理由により、積層体又は基材層を押出成形によって成形する際、押出時における溶融重合体の圧力のバラつきが抑制されると考えられる。即ち、熱可塑性重合体Aが、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位に加え、4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位を含むことにより、積層体又は基材層の成形性が向上すると考えられる。
本明細書中において、「低温の成形温度」とは、例えば250℃以下、好ましくは150℃以上230℃以下、より好ましくは170℃以上220℃以下、更に好ましくは180℃以上220℃以下である。
また、成形温度は、押出成形時のダイス温度及びシリンダー温度を指す。ダイス温度及びシリンダー温度は、溶融した重合体の温度と実質的に等しい。
ここで、4−メチル−1−ペンテン系重合体とは、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を含む重合体の総称である。以下、4−メチル−1−ペンテン系重合体を「4MP1系重合体」ということがある。更に、「4MP1系重合体」の中でも、特に、熱可塑性重合体A中の上記共重合体を「特定4MP1系共重合体」ということがある。
なお、本発明の積層体を成形(製造)する方法は、共押出法には限定されず、例えば、共押出法以外の方法(熱融着法、押出コーティング法、等)であってもよい。本発明の積層体の製造方法の例については後述する。
これにより、密度が低い方の重合体を含有する層の表面がより平滑となるため、基材層の表面の凹凸と表面層の表面の凹凸とがかみ合うことによる易剥離性の低下(即ち、剥離し難くなる現象)が抑制される。これにより、基材層と表面層との易剥離性がより向上する。
この態様では、熱可塑性重合体Aの密度及び熱可塑性重合体Bの密度は、いずれが低くてもよいが、熱可塑性重合体Aの密度の方が熱可塑性重合体Bの密度よりも低い方が好ましい。これにより、熱可塑性重合体Aの表面をより平滑にして易剥離性をより向上させることができ、かつ、熱可塑性重合体Aにおいて、4MP1系重合体の優れた性質をより好適に維持できる。
上記密度が830kg/m3以上であると、層が硬くなることにより、層表面に微小な凹凸ができ易くなる。即ち、上記密度が830kg/m3以上であると、上述した凹凸同士がかみ合いにより、基材層と表面層との易剥離性が悪くなる傾向(即ち、基材層と表面層との易剥離性の低下という課題がより顕在化する傾向)となる。
従って、熱可塑性重合体A及び熱可塑性重合体Bの少なくとも一方の密度が830kg/m3以上である場合には、熱可塑性重合体A及び熱可塑性重合体Bの両方の密度が830kg/m3未満である場合と比較して、本発明による易剥離性向上の効果(詳細には、熱可塑性重合体Aと熱可塑性重合体Bとの引張弾性率の差(絶対値)を500MPa以上とするという手段、及び、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を70モル%以上含む共重合体を含む熱可塑性重合体Aを含有する基材層と、上述の熱可塑性重合体Bを含有する表面層と、を備えるという手段による、易剥離性向上の効果)がより効果的に発揮される。
一方、上記密度が940kg/m3以下であると、層表面を平滑にし易い(即ち、微小な凹凸を低減し易い)点で有利である。
また、熱可塑性重合体Bの密度は、880kg/m3〜940kg/m3であることがより好ましく、900kg/m3〜940kg/m3であることが特に好ましい。
本発明の積層体では、熱可塑性重合体Aの引張弾性率及び熱可塑性重合体Bの引張弾性率は、いずれが低くてもよいが、熱可塑性重合体Bの引張弾性率の方が熱可塑性重合体Aの引張弾性率よりも低い方が好ましい。これにより、熱可塑性重合体Bの表面をより平滑にして易剥離性をより向上させることができ、かつ、熱可塑性重合体Aにおいて4MP1系重合体の優れた性質をより好適に維持できる。
熱可塑性重合体Bの引張弾性率は、50MPa〜1000MPaであることが好ましく、50MPa〜500MPaであることがより好ましく、50MPa〜400MPaであることが特に好ましい。
融点の差(絶対値)の下限には特に制限はなく、融点の差(絶対値)は0℃であってもよいが、融点の差(絶対値)は好ましくは5℃以上である。
約5mgの重合体を、セイコーインスツル(株)製の示差走査熱量計(DSC220C型)の測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで200℃まで加熱する。重合体を完全融解させるために、200℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで−50℃まで冷却する。−50℃で5分間置いた後、10℃/minで200℃まで2度目の加熱を行ない、この2度目の加熱でのピーク温度(℃)を重合体の融点(Tm)とする。なお、複数のピークが検出される場合には、最も高温側で検出されるピークを採用する。
熱可塑性重合体Bの融点(Tm)は、80℃〜150℃であることが好ましく、90℃〜130℃であることがより好ましい。
熱可塑性重合体Bの融点(Tm)は、前述の熱可塑性重合体Aの融点(Tm)と同様の方法によって測定される値である。
剥離強度の下限には特に制限はないが、層同士の接触状態を維持する観点から、剥離強度は、0.5N/cm以上であることが好ましい。
基材層は、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を70モル%〜95モル%、及び4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位を5モル%〜30モル%含む共重合体(即ち、前述の「特定4MP1系共重合体」)を含む熱可塑性重合体Aを含有する。
特定4MP1系共重合体における4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位の比率は、70モル%〜95モル%であり、75モル%〜95モル%が好ましく、80モル%〜93モル%がより好ましい。
4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位の比率が70モル%未満であると、基材層と表面層との易剥離性が低下する(即ち、剥離し難くなる)場合がある。また、熱可塑性重合体Aにおいて、4MP1系重合体(4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を含む重合体)の優れた物性が損なわれる場合がある。
一方、4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位の比率が95モル%を超えると、積層体(又は基材層)の成形性が損なわれる場合がある。
4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位の比率が5モル%未満であると、積層体(又は基材層)の成形性が損なわれる場合がある。
一方、4−メチル−1−ペンテン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンに由来する構成単位の比率が30モル%を超えると、基材層と表面層との易剥離性が低下する(即ち、剥離し難くなる)場合がある。また、熱可塑性重合体Aにおいて、4MP1系重合体(4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を含む重合体)の優れた物性が損なわれる場合がある。
上記その他の構成単位を形成するモノマーとしては、環状オレフィン、芳香族ビニル化合物、共役ジエン、非共役ポリエン、官能ビニル化合物、水酸基含有オレフィン、ハロゲン化オレフィン等が含まれる。
末端水酸化オレフィン化合物としては、例えば、ビニルアルコール、アリルアルコール、水酸化−1−ブテン、水酸化−1−ペンテン、水酸化−1−ヘキセン、水酸化−1−オクテン、水酸化−1−デセン、水酸化−1−ドデセン、水酸化−1−テトラデセン、水酸化−1−ヘキサデセン、水酸化−1−オクタデセン、水酸化−1−エイコセン等の炭素数4〜20(好ましくは2〜10)の直鎖状の水酸化α−オレフィン;水酸化−3−メチル−1−ブテン、水酸化−4−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−メチル−1−ペンテン、水酸化−3−エチル−1−ペンテン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ペンテン、水酸化−4−メチル−1−ヘキセン、水酸化−4,4−ジメチル−1−ヘキセン、水酸化−4−エチル−1−ヘキセン、水酸化−3−エチル−1−ヘキセン等の好ましくは炭素数5〜20(より好ましくは5〜10)の分岐状の水酸化α−オレフィンなどが挙げられる。
特定4MP1系共重合体に、上記その他の構成単位が含まれる場合、上記その他の構成単位は、1種のみ含まれていてもよく、また、2種以上含まれていてもよい。
測定装置:核磁気共鳴装置(ECP500型、日本電子(株)製)
観測核:13C(125MHz)
シーケンス:シングルパルスプロトンデカップリング
パルス幅:4.7μ秒(45°パルス)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:1万回以上
溶媒:オルトジクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(容量比:80/20)混合溶媒
試料濃度:55mg/0.6mL
測定温度:120℃
ケミカルシフトの基準値:27.50ppm
特定4MP1系共重合体の、密度、融点、引張弾性率の好ましい範囲については、前述した、熱可塑性重合体Aの、密度、融点、引張弾性率の好ましい範囲と同様である。
以下、特定4MP1系共重合体のその他の物性の好ましい範囲について説明する。
特定4MP1系共重合体の極限粘度[η]は、ウベローデ粘度計を用い、下記の方法により測定される値である。
約20mgの特定4MP1系共重合体をデカリン25mlに溶解させた後、ウベローデ粘度計を用い、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリンを5ml加えて希釈した後、上記と同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作を更に2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位:dl/g)として求める(下記の式1参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)・・・式1
また、特定4MP1系共重合体の、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、べたつき抑制及び外観の観点から、1.0〜3.5であることが好ましく、1.1〜3.0であることがより好ましい。
−条件−
測定装置:GPC(ALC/GPC 150−C plus型、示唆屈折計検出器一体型、Waters製)
カラム:GMH6−HT(東ソー(株)製)2本、及びGMH6−HTL(東ソー(株)製)2本を直列に接続
溶離液:o−ジクロロベンゼン
カラム温度:140℃
流量:1.0mL/min
特定4MP1系共重合体のメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し、230℃で2.16kgの荷重にて測定される値である。
上記含有量が50質量%以上であると、基材層と表面層との易剥離性がより向上する。また、熱可塑性重合体Aにおいて、4MP1系重合体の優れた物性がより好適に維持される。
その他の重合体としては特に制限はないが、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、及びブテン系重合体からなる群から選択される少なくとも1種の重合体であることが好ましい。
エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体としては、後述の熱可塑性重合体Bにおいて説明する、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、ブテン系重合体と同様のものを用いることができる。
その他の重合体としては、エチレン系重合体が特に好ましい。
その他の重合体の含有量が50質量%以上であると、基材層と表面層との易剥離性がより向上する。また、熱可塑性重合体Aにおいて、4MP1系重合体の優れた物性がより好適に維持される。
熱可塑性重合体Aの、密度、融点、引張弾性率の好ましい範囲については前述したとおりである。
また、熱可塑性重合体Aの、極限粘度、MFR、Mw、Mw/Mnの好ましい範囲については、それぞれ、特定4MP1系共重合体の、極限粘度、MFR、Mw、Mw/Mnの好ましい範囲と同様である。
但し、本発明の効果がより効果的に奏される点から、基材層における熱可塑性重合体Aの含有量は、基材層の全質量に対して、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%(即ち、基材層が熱可塑性重合体Aからなること)が最も好ましい。
ここでいう押出成形には、基材層単層を押出成形することだけでなく、基材層と表面層とを共押出成形によって成形すること(即ち、共押出成形によって積層体を成形すること)も含まれる。
押出成形の方法としては、例えば、インフレーション法、Tダイ法等が挙げられる。
本発明における表面層は、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、及びブテン系重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体を含む熱可塑性重合体Bを含有する。
また、本発明における表面層は、少なくとも一部が基材層と接触している層である。
本発明の積層体は、表面層を、基材層の片面側にのみ(即ち、1層のみ)備えていてもよいし、基材層の両面側に(即ち、合計で2層)備えていてもよい。
ここで、「少なくとも一部が基材層と接触している」とは、表面層が基材層の一部分と接触しているか、或いは、表面層が基材層の全体と接触していることを意味し、基材層と表面層との接触割合が、基材層の総面積に対して、30%〜100%であることが好ましく、50%〜100%であることがより好ましい。
エチレン系重合体が共重合体である場合、該共重合体としては、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体であることが好ましく、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であることがより好ましい。
プロピレン系重合体が共重合体である場合、該共重合体としては、プロピレンと炭素数2〜20のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く。)との共重合体であることが好ましい。
ブテン系重合体が共重合体である場合、該共重合体としては、1−ブテンと1−ブテンを除くオレフィンとの共重合体であることが好ましい。
その他の重合体としては特に制限はないが、例えば、スチレン系共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等が挙げられる。
但し、本発明の効果がより効果的に奏される点から、熱可塑性重合体Bにおける、エチレン系重合体、プロピレン系重合体、及びブテン系重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体の含有量は、熱可塑性重合体Bの全質量に対し、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%(即ち、熱可塑性重合体Bが上記少なくとも1種の重合体からなること)が最も好ましい。
熱可塑性重合体Bの、密度、引張弾性率、融点の好ましい範囲については前述したとおりである。
熱可塑性重合体Bのメルトフローレート(MFR)は、フィルム成形性及びフィルムの機械物性の観点から、0.1g/10min〜100g/10minであることが好ましく、0.5g/10min〜50g/10minであることがより好ましい。
熱可塑性重合体Bのメルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し、エチレン系重合体及びブテン系重合体は、190℃で2.16kgの荷重にて測定される値であり、プロピレン系重合体は、230℃で2.16kgの荷重にて測定される値である。
但し、本発明の効果がより効果的に奏される点から、表面層における熱可塑性重合体Bの含有量は、表面層の全質量に対して、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、100質量%(即ち、表面層が熱可塑性重合体Bからなること)が最も好ましい。
ここでいう押出成形には、表面層単層を押出成形することだけでなく、基材層と表面層とを共押出成形によって成形すること(即ち、共押出成形によって積層体を成形すること)も含まれる。
押出成形の方法としては、例えば、インフレーション法、Tダイ法等が挙げられる。
本発明の積層体は、本発明の目的を損なわない範囲内において、基材層及び表面層以外のその他の層を含んでいてもよい。
本発明の積層体の製造方法(成形方法)には特に限定はなく、例えば、
(1)基材層成形用の材料及び表面層成形用の材料を共押出し、基材層及び表面層を備える積層体を製造する方法(以下、「共押出法」ともいう)、
(2)予め基材層及び表面層を個別に成形しておき、成形された基材層及び表面層を熱融着させる方法(以下、「熱融着法」ともいう)、
(3)予め基材層及び表面層のうちの一方の層を成形しておき、成形された上記一方の層の表面に他方の層を、押出コーティングによって積層させる方法(以下、「押出コーティング法」ともいう)、
等が挙げられる。
中でも、製造の容易さの点から、共押出法が好ましい。
本発明の積層体の厚さは、取り扱い性が容易である点で、20μm〜500μmであることが好ましく、20μm〜350μmであることがより好ましく、50μm〜300μmであることが更に好ましい。
以下、本発明の積層体の好ましい使用形態について説明する。
本発明の積層体は、表面層によって基材層の表面が、汚染(例えば菌などによる汚染)や傷つき等から保護されている。このため、基材層を使用する段階で表面層を剥離除去して基材層を残すことにより、表面の汚染や傷つきが低減された基材層を得ることができる。そして表面の汚染や傷つきが低減された基材層を各種の用途に使用することができる。本発明の積層体は、前述したとおり、表面層を剥離除去する際の易剥離性に優れている。
即ち、本発明の積層体の好ましい使用形態は、基材層を使用する段階で表面層を剥離除去して基材層を残し、残った基材層を使用する使用形態である。
また、本発明の積層体の別の好ましい使用形態は、表面層を使用する段階で基材層を剥離除去して表面層を残し、残った表面層を使用する使用形態である。
本発明の積層体の具体的な用途には特に制限はないが、例えば、包装材、保護材等の各種用途に好適に用いることができる。
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn−ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した後、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.19MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.01mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlをオートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、130℃で12時間乾燥させて、44.0gの粉末状の共重合体A−1を得た。
得られた共重合体A−1の各種物性の測定結果を表1に示す。
なお、共重合体A−1は、前述の特定4MP1系共重合体の例である。
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、750mlの4−メチル−1−ペンテンを23℃で装入した後、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.15MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.005mmolのジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlをオートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、130℃で12時間乾燥させて、45.9gの粉末状の共重合体A−2を得た。
得られた共重合体A−2の各種物性の測定結果を表1に示す。
なお、共重合体A−2は、前述の特定4MP1系共重合体の例である。
国際公開第2006/054613号パンフレットの比較例7において、4−メチル1−ペンテンと1−デセンとの割合を変更することによって、共重合体A−3を得た。
得られた共重合体A−3の各種物性の測定結果を表1に示す。
なお、共重合体A−3は、前述の特定4MP1系共重合体以外の4MP1系重合体(比較共重合体)の例である。
共重合体中の各構成単位の含有率(モル%)は、13C−NMRにより測定した。測定条件の詳細は前述したとおりである。
なお、表1において、「4−メチル−1−ペンテン(4MP1)の含有率」は、4−メチル−1−ペンテン(4MP1)に由来する構成単位の含有率を表し、「α−オレフィン種の含有率」は、α−オレフィン種に由来する構成単位の含有率を表す。
共重合体の極限粘度[η]は、測定装置としてウベローデ粘度計を用い、デカリン溶媒中、135℃で測定した。測定方法及び測定条件の詳細は前述したとおりである。
共重合体の重量平均分子量(Mw)、及び重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。測定方法及び測定条件の詳細は前述したとおりである。
共重合体のメルトフローレート(MFR:Melt Flow Rate)は、ASTM D1238に準拠し、230℃で2.16kgの荷重にて測定した。単位は、g/10minである。
共重合体の密度は、JIS K7112(密度勾配管法)に準拠して、測定した。この密度(kg/m3)を軽量性の指標とした。
共重合体の融点(Tm)は、測定装置として示差走査熱量計(DSC220C型、セイコーインスツル(株)製)を用いて測定した。測定方法及び測定条件の詳細は前述したとおりである。
〔積層体の成形〕
熱可塑性重合体Aとしての共重合体A−1からなる基材層と、熱可塑性重合体Bとしてのエチレン系重合体(エボリュー(登録商標)SP2540、直鎖状低密度ポリエチレン、密度:924kg/m3、MFR(190℃):3.8g/10min、(株)プライムポリマー製)からなる表面層と、からなる二層構成の積層体(厚さ130μm)を、リップ幅200mmのTダイを設置した20mmφの単軸押出機(単軸二種三層シート成形機、(株)テクノベル製)を用い、共押出しによって成形した。ここで、シリンダー温度は200℃、ダイス温度は200℃に設定した。
また、共重合体A−1及びSP2540の量は、厚さの比〔基材層の厚さ/表面層の厚さ〕が表2に示す比となるように調整した。表2中では、厚さの比〔基材層の厚さ/表面層の厚さ〕を、「厚さの比〔基材層/表面層〕」と略記している。
熱可塑性重合体A、熱可塑性重合体B、及び成形体について、以下の測定及び評価を行った。
熱可塑性重合体A及び熱可塑性重合体Bのそれぞれについて、引張弾性率を測定した。
まず、重合体(熱可塑性重合体A又は熱可塑性重合体B)を、リップ幅240mmのTダイを設置した20mmφの単軸押出機(単軸シート形成機、(株)田中鉄工所製)のホッパーに投入した。そして、シリンダー温度を230℃、ダイス温度を250℃に設定し、Tダイから溶融混練物を押し出し、キャスト成形することにより、厚さ200μmのフィルムを得た。
次に、厚みが200μmのフィルムを、JIS K6251に準拠する、幅25mm×長さ115mmの5号ダンベル形状に切断し、引張弾性率測定用の試験片とした。
次に、JIS K7127(1999)に準拠し、引張試験機(万能引張試験機3380、インストロン製)を用いて、チャック間距離50mm、引張速度200mm/min、及び温度23℃の条件で、試験片の引張弾性率(単位:MPa)を測定した。
結果を下記の表2に示す。
熱可塑性重合体A(ここでは共重合体A−1)について、前述したとおり、密度及び融点をそれぞれ測定した。同様の測定方法により、熱可塑性重合体Bについても、密度及び融点をそれぞれ測定した。
結果を下記の表2に示す。
上記「積層体の成形」において、共押出時の溶融重合体の圧力のバラつきの有無を確認し、更に、得られた積層体の外観を目視で観察し、下記評価基準に従って成形温度200℃でのフィルム成形性を評価した。
結果を下記の表2に示す。
−評価基準−
A:共押出時の溶融重合体の圧力のバラつきが認められず、かつ、得られた積層体の外観に未溶融物由来のブツ等も確認されなかった。
B:共押出時の溶融重合体の圧力のバラつきは認められないものの、得られた積層体の外観に未溶融物由来のブツ等が確認された。
C:共押出時の溶融重合体の圧力のバラつきが認められ、かつ、得られた積層体の外観に未溶融物由来のブツ等が確認された。
上記積層体を、幅15mm×長さ100mmの短冊状に切断し、試験片とした。
カッターを用いて、試験片の表面(一方の面)に傷を付けた後、該試験片の両端に強粘着テープを貼り付け、該強粘着テープを手で引っ張り、基材層と表面層との間を剥離させる試みを行なった。この際、剥離しなかった積層体については、下記の表2の該当欄に、「剥離しない」と記載した。剥離した積層体に関しては、別途、引張試験機(万能引張試験機3380、インストロン製)を用い、チャック間距離80mm、引張速度300mm/min、及び温度23℃の条件で、基材層と表面層との接着面に対して180°の方向に引っ張り、基材層と表面層との間を剥離させ、剥離強度(層間剥離強度)を測定した。剥離強度は、5個の試験片について測定し、平均値を算出した。
なお、言うまでもないが、剥離強度が小さい程、基材層と表面層との易剥離性に優れている。
結果を下記の表2に示す。
熱可塑性重合体Aと熱可塑性重合体Bとの組み合わせを、下記表2に示す組み合わせに変更したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
測定及び評価の結果を下記表2に示す。
・「PE」は、エチレン系重合体を指す。
・「PP」は、プロピレン系重合体を指す。
・「SP2540」は、エチレン系重合体(エボリュー(登録商標)SP2540、直鎖状低密度ポリエチレン、密度:924kg/m3、MFR(190℃):3.8g/10min、(株)プライムポリマー製)を表す。
・「SP0540」は、エチレン系重合体(エボリュー(登録商標)SP0540、直鎖状低密度ポリエチレン、密度:903kg/m3、MFR(190℃):3.8g/10min、(株)プライムポリマー製)を表す。
・「Uz2520F」は、エチレン系重合体(ウルトゼックス(登録商標)2520F、直鎖状低密度ポリエチレン、密度:922kg/m3、MFR(190℃):2.4g/10min、(株)プライムポリマー製)を表す。
・「DF605」は、エチレン系重合体(タフマー(登録商標)DF605、エチレン・ブテン共重合体(エチレンに由来する構成単位の比率:50モル%以上)、密度:861kg/m3、MFR(230℃):0.9g/10min、三井化学(株)製)を表す。
・「F327」は、プロピレン系重合体(プライムポリプロ(登録商標)F327、プロピレン・エチレン・ブテンランダム共重合体、密度:907kg/m3、MFR(230℃):7g/10min、(株)プライムポリマー製)を表す。
・実施例5では、熱可塑性重合体Aとして、共重合体A−1(75質量部)とDF605(25質量部)とをドライブレンドしたブレンド物を用いた。
・表2の比較例2では、便宜上、熱可塑性重合体Aの欄に数値を記載しているが、比較例2の共重合体A−3(比較共重合体)は、本発明における熱可塑性重合体Aには該当しない。
これに対し、比較例1及び3では、基材層と表面層とを剥離することができなかった(即ち、易剥離性が低下した)。
また、比較例2では、成形温度200℃での成形性が低下した。
Claims (8)
- 4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位を70モル%〜95モル%、及びプロピレンに由来する構成単位を5モル%〜30モル%含む共重合体を含む熱可塑性重合体Aを含有する基材層と、
エチレン系重合体、プロピレン系重合体、及びブテン系重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合体を含む熱可塑性重合体Bを含有し、かつ、少なくとも一部が前記基材層と接触している表面層と、
を備え、
前記熱可塑性重合体Aと前記熱可塑性重合体Bとの23℃での引張弾性率の差(絶対値)が、500MPa以上である、積層体。 - 前記共重合体における4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位の比率が、80モル%〜93モル%である、請求項1に記載の積層体。
- 前記共重合体における4−メチル−1−ペンテンに由来する構成単位の比率が、70モル%〜84.1モル%であり、前記共重合体におけるプロピレンに由来する構成単位の比率が、15.9モル%〜30モル%である、請求項1に記載の積層体。
- 前記熱可塑性重合体Aと前記熱可塑性重合体Bとの密度の差(絶対値)が、50kg/m3以上である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記熱可塑性重合体A及び前記熱可塑性重合体Bの少なくとも一方の密度が、830kg/m3〜940kg/m3である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記熱可塑性重合体Aと前記熱可塑性重合体Bとの融点の差(絶対値)が、100℃以下である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記熱可塑性重合体Bが、エチレン系重合体である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記基材層と前記表面層との剥離強度が、4.0N/cm以下である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の積層体。
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