以下、添付図面を参照して、本願の開示する接合装置、接合システムおよび接合方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
<1.接合システムの構成>
まず、第1の実施形態に係る接合システムの構成について、図1および図2を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る接合システムの構成を示す模式平面図である。また、図2は、被処理基板および支持基板の模式側面図である。なお、以下においては、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1に示す第1の実施形態に係る接合システム1は、被処理基板Wおよび支持基板S(図2参照)を、接着剤Gを介して接合することによって重合基板Tを形成する。
以下では、図2に示すように、被処理基板Wの板面のうち、接着剤Gを介して支持基板Sと接合される側の板面を「接合面Wj」といい、接合面Wjとは反対側の板面を「非接合面Wn」という。また、支持基板Sの板面のうち、接着剤Gを介して被処理基板Wと接合される側の板面を「接合面Sj」といい、接合面Sjとは反対側の板面を「非接合面Sn」という。
被処理基板W(第1基板の一例に相当)は、たとえば、シリコンウェハや化合物半導体ウェハなどの半導体基板に複数の電子回路が形成された基板であり、電子回路が形成される側の板面を接合面Wjとしている。かかる被処理基板Wは、支持基板Sとの接合後、非接合面Wnが研磨処理されることによって薄型化される。
一方、支持基板S(第2基板の一例に相当)は、被処理基板Wと略同径の基板であり、被処理基板Wを支持する。支持基板Sとしては、たとえばガラス基板の他、シリコンウェハや化合物半導体ウェハなどの半導体基板等を用いることができる。また、接着剤Gとしては、たとえば熱可塑性樹脂が用いられる。
図1に示すように、接合システム1は、搬入出ステーション2と、第1搬送領域3と、接合ステーション4とを備える。搬入出ステーション2、第1搬送領域3および接合ステーション4は、X軸正方向にこの順番で一体的に接続される。
搬入出ステーション2は、複数枚(たとえば、25枚)の基板を水平状態で収容するカセットCw,Cs,Ctが載置される場所である。かかる搬入出ステーション2には、たとえば4つのカセット載置台21が一列に並べて載置される。各カセット載置台21には、被処理基板Wを収容するカセットCw、支持基板Sを収容するカセットCsおよび重合基板Tを収容するカセットCtがそれぞれ載置される。
なお、カセット載置台21の個数は、任意に決定することが可能である。また、ここでは、4つのカセット載置台21のうち2つにカセットCtが載置される場合の例を示したが、このうちの1つに、たとえば不具合が生じた基板を回収するためのカセットを載置してもよい。
第1搬送領域3には、Y軸方向に延在する搬送路31と、この搬送路31に沿って移動可能な第1搬送装置32とが配置される。第1搬送装置32は、X軸方向にも移動可能かつZ軸周りに旋回可能であり、カセット載置台21に載置されたカセットCw,Cs,Ctと、後述する接合ステーション4の第1受渡部41との間で被処理基板W、支持基板Sおよび重合基板Tの搬送を行う。
接合ステーション4は、第1受渡部41と、第2搬送領域42とを備える。また、接合ステーション4は、塗布・熱処理ブロックG1と、接合処理ブロックG2とを備える。
第1受渡部41は、第1搬送領域3と第2搬送領域42との間に配置される。かかる第1受渡部41では、第1搬送領域3の第1搬送装置32と、後述する第2搬送領域42の第2搬送装置420との間で被処理基板W、支持基板Sおよび重合基板Tの受け渡しが行われる。
第2搬送領域42には、第2搬送装置420が配置される。第2搬送装置420は、X軸方向およびY軸方向に移動可能かつZ軸周りに旋回可能であり、第1受渡部41、塗布・熱処理ブロックG1および接合処理ブロックG2間での被処理基板W、支持基板Sおよび重合基板Tの搬送を行う。
塗布・熱処理ブロックG1と接合処理ブロックG2とは、第2搬送領域42を挟んで対向配置される。すなわち、第2搬送領域42、塗布・熱処理ブロックG1および接合処理ブロックG2は、Y軸正方向に沿って、接合処理ブロックG2、第2搬送領域42および塗布・熱処理ブロックG1の順番で並べて配置される。
塗布・熱処理ブロックG1には、2つの塗布装置43と1つの熱処理装置44とが、それぞれ第2搬送領域42に隣接して並べて配置される。塗布装置43は、被処理基板Wの接合面Wjに接着剤Gを塗布する装置である。熱処理装置44は、接着剤Gが塗布された被処理基板Wを所定の温度に加熱する装置である。
接合処理ブロックG2には、4つの接合装置45が第2搬送領域42に隣接して並べて配置される。接合装置45は、被処理基板Wと支持基板Sとの接合を行う装置である。接合装置45の具体的な構成については後述する。
また、接合システム1は、制御装置5を備える。制御装置5は、接合システム1の動作を制御する。かかる制御装置5は、たとえばコンピュータであり、制御部6と記憶部7とを備える。記憶部7には、接合処理等の各種処理を制御するプログラムが格納される。制御部6は、たとえばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部7に格納されたプログラムを読み出して実行することによって接合システム1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録されていたものであって、その記録媒体から制御装置5の記憶部7にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記録媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。また、制御部6は、プログラムを用いずにハードウェアのみで構成されてもよい。
上記のように構成された接合システム1では、まず、第1搬送領域3の第1搬送装置32が、カセット載置台21に載置されたカセットCwから被処理基板Wを取り出し、取り出した被処理基板Wを第1受渡部41へ搬送する。このとき、被処理基板Wは、非接合面Wnが下方を向いた状態で搬送される。
第1受渡部41へ搬送された被処理基板Wは、第2搬送装置420によって第1受渡部41から取り出され、塗布・熱処理ブロックG1の塗布装置43へ搬入される。塗布装置43は、たとえばスピンチャックを備え、かかるスピンチャックで被処理基板Wの非接合面Wnを吸着保持する。そして、塗布装置43は、吸着保持した被処理基板Wを回転させながら被処理基板Wの接合面Wjに液体状の接着剤Gを供給する。これにより、被処理基板Wの接合面Wjに接着剤Gが塗り広げられる。
塗布装置43によって接着剤Gが塗布された後、被処理基板Wは、第2搬送装置420によって塗布装置43から搬出されて、熱処理装置44へ搬入される。熱処理装置44は、たとえば不活性雰囲気に保たれた内部で被処理基板Wを加熱することにより、接着剤Gに含まれる有機溶剤等の溶媒を揮発させて接着剤Gを塗布時よりも硬くする。その後、被処理基板Wは、熱処理装置44によって所定の温度、たとえば常温に温度調節される。
熱処理装置44によって熱処理が施された後、被処理基板Wは、第2搬送装置420によって熱処理装置44から搬出されて、接合装置45へ搬入される。
一方、支持基板Sは、第1搬送装置32によってカセットCsから取り出されて第1受渡部41へ搬送され、さらに、第2搬送装置420によって第1受渡部41から取り出されて接合装置45へ搬入される。
被処理基板Wおよび支持基板Sが接合装置45へ搬入されると、接合装置45によって被処理基板Wおよび支持基板Sの接合処理が行われる。これにより、重合基板Tが形成される。その後、重合基板Tは、第2搬送装置420によって第1受渡部41へ搬送され、第1搬送装置32によってカセットCtへ搬送される。こうして、一連の処理が終了する。
<2.接合装置の構成>
次に、接合装置45の構成について図3を参照して説明する。図3は、接合装置45の構成を示す模式平断面図である。
図3に示すように、接合装置45は、内部を密閉可能な処理室50を備える。処理室50の第2搬送領域42側の側面には、被処理基板W、支持基板Sおよび重合基板Tの搬入出口51が形成される。搬入出口51には、開閉シャッタ(図示せず)が設けられる。
処理室50の内部には、処理室50内の領域を前処理領域D1と接合領域D2とに区画する内壁52が設けられてもよい。内壁52を設ける場合、内壁52には、被処理基板W、支持基板Sおよび重合基板Tの搬入出口53が形成され、搬入出口53には、図示しない開閉シャッタが設けられる。なお、前述の搬入出口51は、前処理領域D1における処理室50の側面に形成される。
前処理領域D1には、接合装置45の外部との間で被処理基板W、支持基板Sおよび重合基板Tの受け渡しを行う受渡部60が設けられる。受渡部60は、搬入出口51に隣接して配置される。
受渡部60は、受渡アーム61と支持ピン62とを備える。受渡アーム61は、第2搬送装置420(図1参照)と支持ピン62との間で被処理基板W、支持基板Sおよび重合基板Tの受け渡しを行う。支持ピン62は、複数、例えば3箇所に設けられ、被処理基板W、支持基板Sおよび重合基板Tを支持する。
なお、受渡部60は、鉛直方向に複数、たとえば2段に配置され、被処理基板W、支持基板Sおよび重合基板Tのいずれか2つを同時に受け渡すことができる。たとえば、一の受渡部60で接合前の被処理基板W又は支持基板Sを受け渡し、他の受渡部60で接合後の重合基板Tを受け渡してもよい。あるいは、一の受渡部60で接合前の被処理基板Wを受け渡し、他の受渡部60で接合前の支持基板Sを受け渡してもよい。
前処理領域D1のY軸負方向側、すなわち搬入出口53側には、たとえば被処理基板Wの表裏面を反転させる反転部70が設けられる。
反転部70は、被処理基板Wまたは支持基板Sを挟み込んで保持する保持アーム71を備える。保持アーム71は、水平方向(図3においてはX軸方向)に延在しており、水平軸周りに回動自在であり、かつ、水平方向(X軸方向およびY軸方向)および鉛直方向(Z軸方向)に移動可能である。
また、反転部70は、被処理基板Wまたは支持基板Sの水平方向の向きを調節する調節機能も備える。具体的には、反転部70は、支持基板Sまたは被処理基板Wのノッチ部の位置を検出する検出部72を備える。そして、反転部70では、保持アーム71に保持された支持基板Sまたは被処理基板Wを水平方向に移動させながら、検出部72でノッチ部の位置を検出することで、当該ノッチ部の位置を調節して被処理基板Wまたは支持基板Sの水平方向の向きを調節する。
接合領域D2のY軸正方向側には、受渡部60、反転部70および後述する接合部90に対して、被処理基板W、支持基板Sおよび重合基板Tを搬送する搬送部80が設けられる。搬送部80は、搬入出口53に隣接して配置される。
搬送部80は、2本の搬送アーム81,82を備える。これら搬送アーム81,82は、鉛直方向に下からこの順で2段に配置され、図示しない駆動部によって水平方向および鉛直方向に移動可能である。
搬送アーム81,82のうち、搬送アーム81は、たとえば支持基板S等の裏面、すなわち非接合面Snを保持して搬送する。また、搬送アーム82は、反転部70で表裏面が反転された被処理基板Wの表面、すなわち接合面Wjの外周部を保持して搬送する。
そして、接合領域D2のY軸負方向側には、被処理基板Wと支持基板Sとを接合する接合部90が設けられる。
上記のように構成された接合装置45では、第2搬送装置420によって被処理基板Wが受渡部60の受渡アーム61に受け渡されると、受渡アーム61が被処理基板Wを支持ピン62へ受け渡す。その後、被処理基板Wは、搬送部80の搬送アーム81によって支持ピン62から反転部70に搬送される。
反転部70に搬送された被処理基板Wは、反転部70の検出部72によってノッチ部の位置が検出されて水平方向の向きが調節される。その後、被処理基板Wは、反転部70によって表裏が反転される。すなわち、接合面Wjが下方に向けられる。
その後、被処理基板Wは、搬送部80の搬送アーム82によって反転部70から接合部90へ搬送される。このとき、搬送アーム82は、被処理基板Wの外周部を保持するため、たとえば搬送アーム82に付着したパーティクル等によって接合面Wjが汚損することを防止することができる。
一方、第2搬送装置420によって支持基板Sが受渡部60の受渡アーム61に受け渡されると、受渡アーム61が支持基板Sを支持ピン62へ受け渡す。その後、支持基板Sは、搬送部80の搬送アーム81によって支持ピン62から反転部70に搬送される。
反転部70に搬送された支持基板Sは、反転部70の検出部72によってノッチ部の位置が検出されて水平方向の向きが調節される。その後、支持基板Sは、搬送部80の搬送アーム81によって反転部70から接合部90へ搬送される。
被処理基板Wおよび支持基板Sの接合部90への搬入が完了すると、接合部90によって被処理基板Wと支持基板Sとが接合され、重合基板Tが形成される。形成された重合基板Tは、搬送部80の搬送アーム81によって接合部90から受渡部60に搬送された後、支持ピン62を介して受渡アーム61へ受け渡され、さらに受渡アーム61から第2搬送装置420へ受け渡される。
<3.接合部の構成>
次に、接合部90の構成について図4を参照して説明する。図4は、接合部90の構成を示す模式側断面図である。なお、図4では、接合部90の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
図4に示すように、接合部90は、上チャック101と、下チャック201とを備える。上チャック101は、被処理基板Wを上方から保持する。また、下チャック201は、上チャック101の下方において上チャック101と対向配置され、支持基板Sを下方から保持する。上チャック101および下チャック201は、被処理基板Wおよび支持基板Sよりも大径の略円板形状を有する。
上チャック101および下チャック201は、静電チャックであり、それぞれ被処理基板Wおよび支持基板Sを静電吸着により保持する。
ここで、上チャック101および下チャック201の構成について図5および図6を参照して説明する。図5は、上チャック101の構成を示す模式側断面図であり、図6は、下チャック201の構成を示す模式側断面図である。
図5および図6に示すように、上チャック101および下チャック201は、ジョンソン・ラーベック型の静電チャックであり、静電吸着部111,211を備える。
静電吸着部111,211は、それぞれ複数の内部電極111a,211aを備えており、これらの内部電極111a,211aによって保持面113,213に発生する静電気力を利用して、被処理基板Wの非接合面Wnおよび支持基板Sの非接合面Snをそれぞれ吸着させる。
このように、上チャック101および下チャック201として静電チャックを用いることで、減圧雰囲気下においても被処理基板Wおよび支持基板Sを保持しておくことが可能となる。
すなわち、被処理基板Wおよび支持基板Sの保持部としては、負圧を利用して吸着保持を行うバキュームチャックを用いることも考えられる。しかしながら、バキュームチャックは減圧環境下において吸着力が低下するため、被処理基板Wおよび支持基板Sの落下や位置ずれ等が生じるおそれがある。これに対し、静電チャックは、真空環境下でも吸着力が低下することがないため、被処理基板Wおよび支持基板Sを確実に保持しておくことができる。
また、機械的な保持を行うメカチャック等を保持部として用いた場合には、被処理基板Wおよび支持基板Sが傷つくおそれがあるのに対し、静電チャックによれば、メカチャック等と比べて被処理基板Wおよび支持基板Sを傷つけにくい。
なお、下チャック201についてはバキュームチャックとし、その保持面にゴムパッドを設けることで、減圧雰囲気下での支持基板Sの位置ずれを防止することとしてもよい。ただし、ゴムパッドの耐熱温度を超える高温環境下で接合処理を行う場合には、下チャック201についても静電チャックを用いることが好ましい。
また、上チャック101および下チャック201は、静電吸着部111,211に加え、真空吸着部112,212を備える。
図5および図6に示すように、真空吸着部112,212は、吸気空間112a,212aと、保持面113,213から吸気空間112a,212aへ連通する複数の貫通孔112b,212bとを備える。吸気空間112a,212aには、吸気管114,214を介して真空ポンプ等の吸気装置115,215が接続される。
かかる真空吸着部112,212は、吸気装置115,215の吸気によって発生する負圧を利用し、被処理基板Wの非接合面Wnおよび支持基板Sの非接合面Snをそれぞれ吸着させることによって、被処理基板Wおよび支持基板Sを保持する。
なお、上チャック101および下チャック201は、たとえば窒化アルミニウムなどのセラミックスにより形成される。
また、上チャック101および下チャック201は、それぞれ加熱機構117,217を内蔵する。加熱機構117は、上チャック101によって保持された被処理基板Wを加熱し、加熱機構217は、下チャック201によって保持された支持基板Sを加熱する。
また、下チャック201は、複数の支持ピン301を内蔵する。支持ピン301は、下チャック201の保持面213から突出可能であり、かかる保持面213から突出することによって重合基板Tを保持面213から浮かせた状態で支持する。なお、下チャック201は、スペーサー204によって所定の高さに支持される。
また、接合部90は、ベース部材105と、加圧機構106とを備える。ベース部材105は、後述する第1チャンバ部511内部の天井面に取り付けられる。
加圧機構106は、上チャック101を鉛直下方に移動させることにより、被処理基板Wを支持基板Sに接触させて加圧する。かかる加圧機構106は、圧力容器161と、気体供給管162と、気体供給源163とを備える。
圧力容器161は、たとえば鉛直方向に伸縮自在なステンレス製のベローズにより構成される。圧力容器161の下端部は、上チャック101の上面に固定され、上端部は、ベース部材105の下面に固定される。
気体供給管162は、その一端がベース部材105および後述する第1チャンバ部511を介して圧力容器161に接続され、他端が気体供給源163に接続される。
かかる圧力容器161では、気体供給源163から気体供給管162を介して圧力容器161の内部に気体が供給されることにより、圧力容器161が伸長して上チャック101が降下する。これにより、被処理基板Wは、支持基板Sと接触して加圧される。被処理基板Wおよび支持基板Sの加圧力は、圧力容器161に供給する気体の圧力を調節することで調節される。
また、接合部90は、チャンバ501と、移動機構502と、減圧部503と、第1撮像部504と、第2撮像部505とを備える。
チャンバ501は、内部を密閉可能な処理容器であり、第1チャンバ部511と、第2チャンバ部512とを備える。第1チャンバ部511は、下部が開放された有底筒状の容器であり、内部には、上チャック101、圧力容器161等が収容される。また、第2チャンバ部512は、上部が開放された有底筒状の容器であり、内部には、下チャック201、スペーサー204等が収容される。
第1チャンバ部511は、エアシリンダ等の図示しない昇降機構によって鉛直方向に昇降可能に構成される。かかる昇降機構によって第1チャンバ部511を降下させて第2チャンバ部512に当接させることで、チャンバ501の内部に密閉空間が形成される。なお、第1チャンバ部511の第2チャンバ部512との当接面には、チャンバ501の機密性を確保するためのシール部材513が設けられる。シール部材513としては、たとえばOリングが用いられる。
移動機構502は、第1チャンバ部511の外周部に設けられ、第1チャンバ部511を介して上チャック101を水平方向に移動させる。かかる移動機構502は、第1チャンバ部511の外周部に対して複数(たとえば、5つ)設けられ、5つの移動機構502のうちの4つが上チャック101の水平方向の移動に用いられ、残りの1つが上チャック101の鉛直軸まわりの回転に用いられる。
移動機構502は、第1チャンバ部511の外周部に当接して上チャック101を移動させるカム521と、シャフト522を介してカム521を回転させる回転駆動部523とを備える。カム521はシャフト522の中心軸に対して偏心して設けられている。そして、回転駆動部523によりカム521を回転させることで、上チャック101に対するカム521の中心位置が移動し、上チャック101を水平方向に移動させることができる。
減圧部503は、たとえば第2チャンバ部512の下部に設けられ、チャンバ501内を減圧する。かかる減圧部503は、チャンバ501内の雰囲気を吸気するための吸気管531と、吸気管531に接続された真空ポンプなどの吸気装置532とを備える。
第1撮像部504は、上チャック101の下方に配置されて、上チャック101に保持された被処理基板Wの表面を撮像する。また、第2撮像部505は、下チャック201の上方に配置されて、下チャック201に保持された支持基板Sの表面を撮像する。
第1撮像部504および第2撮像部505は、図示しない移動機構によって水平方向に移動可能に構成されており、第1チャンバ部511を降下させる前にチャンバ501内に侵入して、被処理基板Wおよび支持基板Sを撮像する。第1撮像部504および第2撮像部505の撮像データは、制御装置5へ送信される。なお、第1撮像部504および第2撮像部505としては、たとえば広角型のCCDカメラがそれぞれ用いられる。
なお、接合部90は、図示しない処理容器の内部に設けられており、かかる処理容器の天井部には、FFUが設けられる。
<4.接合部の動作>
次に、接合部90が実行する接合処理の処理手順について図7および図8を参照して説明する。図7は、接合処理の処理手順を示すフローチャートである。また、図8は、接合処理の動作例を示す説明図である。なお、接合部90は、制御装置5の制御に従って、図7に示す各処理手順を実行する。
図7に示すように、接合部90は、上チャック101の静電吸着部111への電圧印加をオンすることにより、上チャック101で被処理基板Wを保持する(ステップS101)。また、接合部90は、下チャック201の静電吸着部211への電圧印加をオンすることにより、下チャック201で支持基板Sを保持する(ステップS102)。なお、上チャック101および下チャック201は、加熱機構117および加熱機構217によって予め所定の温度に加熱された状態となっている。所定の温度は、たとえば300℃以上の温度である。
つづいて、接合部90は、アライメント処理を行う(ステップS103)。かかるアライメント処理では、図4に示す第1撮像部504および第2撮像部505が水平方向に移動してチャンバ501内に侵入し、被処理基板Wおよび支持基板Sの表面をそれぞれ撮像する。
その後、第1撮像部504によって撮像された画像に表示される被処理基板Wの基準点の位置と、第2撮像部505によって撮像された画像に表示される支持基板Sの基準点の位置とが一致するように、移動機構502によって被処理基板Wの水平方向の位置が調節される。こうして被処理基板Wの支持基板Sに対する水平方向の位置が調節される。
つづいて、接合部90は、第1撮像部504および第2撮像部505をチャンバ501内から退出させた後、第1チャンバ部511を降下させる(ステップS104)。これにより、第1チャンバ部511が第2チャンバ部512に当接して、チャンバ501内に密閉空間が形成される。
つづいて、接合部90は、減圧部503を用いてチャンバ501内の雰囲気を吸気することによってチャンバ501内を減圧する(ステップS105)。
つづいて、接合部90は、図示しない移動機構を用いて上チャック101を降下させる(ステップS106)。これにより、被処理基板Wと支持基板Sとが接触する。なお、このとき被処理基板Wおよび支持基板Sには加圧力は加わっていない。
つづいて、接合部90は、圧力容器161に気体をさらに供給して圧力容器161内を所望の圧力にすることにより、被処理基板Wと支持基板Sとを加圧する(ステップS107)。
被処理基板Wの接合面Wjに塗布された接着剤Gは、加熱によって軟化しており、被処理基板Wが支持基板Sに所望の圧力で所定時間押圧されることによって、被処理基板Wと支持基板Sとは接合される(図8参照)。このとき、チャンバ501内は減圧雰囲気であるため、被処理基板Wと支持基板Sとの間にボイドが生じるおそれがない。
つづいて、接合部90は、上チャック101への電圧印加をオフする(ステップS108)。これにより、上チャック101による被処理基板Wの保持が解除される。
つづいて、接合部90は、圧力容器161へ供給された気体を圧力容器161から排出して圧力容器161の圧力を低くすることにより、被処理基板Wと支持基板Sとの加圧処理を終了する(ステップS109)。
つづいて、接合部90は、図示しない移動機構によって上チャック101を上昇させた後(ステップS110)、減圧部503による減圧状態を解除してチャンバ501内を大気開放する(ステップS111)。
つづいて、接合部90は、下チャック201への電圧印加をオフする(ステップS112)。これにより、下チャック201による支持基板Sの保持が解除される。そして、接合部90は、第1チャンバ部511を上昇させた後(ステップS113)、支持ピン301を上昇させて(ステップS114)、一連の接合処理を終了する。
被処理基板Wと支持基板Sとが接合されることによって形成された重合基板Tは、搬送部80によって接合部90から搬出され、上述した手順でカセットCtまで搬送される。
このように、第1の実施形態に係る接合部90は、加圧処理が終了した後で上チャック101への電圧印加を停止するのではなく、加圧処理が終了する前に上チャック101への電圧印加を停止することとしたため、接合処理を最適化することができる。
すなわち、上チャック101および下チャック201として用いられる静電チャックは、電圧印加を停止した後も静電吸着力がしばらく残留する性質を有する。このため、加圧処理が終了した後で上チャック101への電圧印加を停止した場合、その後、上チャック101を上昇させた際に、上チャック101および下チャック201に残留する静電吸着力(以下、「残留吸着力」と記載する)によって重合基板Tに不要な力が加わるおそれがある。
重合基板Tに不要な力、具体的には、被処理基板Wおよび支持基板Sを剥がす方向の力が加わると、たとえば被処理基板Wと支持基板Sとの間にボイドが生じたり、被処理基板Wおよび支持基板Sのアライメントずれが生じたり、重合基板Tの周縁部の接着剤Gが被処理基板Wと支持基板Sとの間に引き込まれてカバレジ不足が生じたりするなど、重合基板Tの特性を悪化させるおそれがある。
そこで、第1の実施形態に係る接合部90は、加圧処理が終了する前に上チャック101への電圧印加を停止することとした。残留吸着力は、上チャック101への電圧印加を停止してからの時間が長いほど小さくなる傾向がある。このため、加圧処理が終了する前に上チャック101への電圧印加を停止することで、加圧処理の終了後に上チャック101への電圧印加を停止する場合と比較して、上チャック101を上昇させる前までに上チャック101の残留吸着力を小さくすることができる。したがって、第1の実施形態に係る接合部90によれば、加圧処理の終了後に上チャック101を上昇させた際に、重合基板Tに不要な力が加わることを防止することができる。
ここで、上チャック101への電圧印加を停止させるタイミングについて図9を参照して具体的に説明する。図9は、上チャック101への電圧印加の停止タイミングの一例を示すタイミングチャートである。
図9に示すように、接合部90では、チャンバ501内の圧力が減圧部503によって大気圧から所定の圧力Paに減圧された後、上チャック101が上昇位置から降下位置まで降下し、その後、被処理基板Wおよび支持基板Sの加圧力が所望の加圧力Pbに上昇して加圧処理が開始される。また、接合部90では、加圧処理が終了して被処理基板Wおよび支持基板Sの加圧力が0に戻った後、上チャック101が降下位置から上昇位置まで上昇し、その後、チャンバ501内が大気開放される。
上チャック101への電圧印加は、加圧処理が開始された後すぐに停止される。具体的には、加圧処理が開始されてから上チャック101への電圧印加が停止されるまでの時間をT1、加圧処理が開始されてから終了するまでの時間をT2とすると、T1はT2の半分よりも短い時間である。たとえば、T2が200秒の場合、T1は10秒程度である。
このように、加圧処理が開始された後すぐに上チャック101への電圧印加を停止することで、上チャック101の残留吸着力を十分に小さくすることができるため、その後に上チャック101を上昇させた際に、重合基板Tに不要な力が加わることを確実に防止することができる。
また、第1の実施形態に係る接合部90によれば、加圧処理が開始された後で上チャック101への電圧印加を停止するため、上チャック101への電圧印加を停止しても、被処理基板Wが位置ずれを起こすおそれがない。
上述してきたように、第1の実施形態に係る接合部90は、チャンバ501と、上チャック101(第1保持部の一例に相当)と、下チャック201と、減圧部503と、加圧機構106と、制御部6とを備える。上チャック101は、チャンバ501内に配置され、被処理基板Wを静電吸着により保持する。下チャック201は、チャンバ501内に配置され、支持基板Sを保持する。減圧部503は、チャンバ501内を減圧する。加圧機構106は、減圧部503によってチャンバ501内が減圧された後、上チャック101を上昇させることによって、被処理基板Wと支持基板Sとを接触させて加圧する。制御部6は、被処理基板Wと支持基板Sとの加圧処理が開始されてから終了する前までの期間内に、上チャック101への電圧印加を停止する。
これにより、第1の実施形態に係る接合部90は、加圧処理後に上チャック101への電圧印加を停止する場合と比較して、上チャック101を上昇させる時点における上チャック101の残留吸着力を小さくすることができるため、上チャック101を上昇させた際に重合基板Tに不要な力が加わることを防止することができる。したがって、第1の実施形態に係る接合部90によれば、接合処理を最適化することができる。
ところで、上チャック101への電圧印加の停止タイミングは、上述した例に限定されない。そこで、以下では、上チャック101への電圧印加の停止タイミングの他の例について図10〜図12を参照して説明する。図10〜図12は、上チャック101への電圧印加の停止タイミングの他の一例を示すタイミングチャートである。
上述した例では、加圧処理が開始された後すぐに上チャック101への電圧印加を停止する場合の例を示したが、上チャック101への電圧印加を停止するタイミングは、必ずしも加圧処理の開始後すぐであることを要しない。
すなわち、図10に示すように、接合部90は、上チャック101の残留吸着力が消失するまでの時間T3と、加圧処理が終了してから上チャック101を上昇させるまでの時間T4とに基づいて決定されるオフセット時間T5だけ加圧処理の終了タイミングよりも前のタイミングまでに、上チャック101への電圧印加を停止すればよい。これにより、上チャック101の残留吸着力が確実になくなった状態で、上チャック101を上昇させることができる。
なお、オフセット時間T5は、上チャック101の残留吸着力が消失するまでの時間T3から、加圧処理が終了してから上チャック101を上昇させるまでの時間T4を差し引いた時間であってもよいし、かかる時間に所定の係数を乗じ、若しくは、足した時間であってもよい。
また、上述した例では、加圧処理の開始後に、上チャック101への電圧印加を停止することとしたが、被処理基板Wと支持基板Sとが接触していれば、少なくとも被処理基板Wの落下は防止することができる。そこで、図11に示すように、接合部90は、加圧処理が開始される前に上チャック101への電圧印加を停止してもよい。具体的には、接合部90は、上チャック101が降下して被処理基板Wと支持基板Sとが接触した後、加圧処理が開始される前までに、上チャック101への電圧印加を停止させてもよい。
また、上述した例では、上チャック101への電圧印加を直ちに停止することとしたが、接合部90は、上チャック101への印加電圧を徐々に低下させてもよい。
たとえば、図12に示すように、接合部90は、オフセット時間T6までに上チャック101の電圧印加が停止するように、上チャック101の印加電圧を段階的に低下させてもよい。なお、印加電圧の下げ方は、段階的でなくてもよく、たとえば直線的であってもよいし曲線的であってもよい。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、下チャック201への電圧印加の停止タイミングについて説明する。図13は、下チャック201への電圧印加の停止タイミングの一例を示すタイミングチャートである。
図13に示すように、接合部90は、上チャック101と同様、加圧処理が開始されてから終了するまでの期間内に、下チャック201への電圧印加を停止してもよい。
静電チャックである下チャック201は、上チャック101と同様、電圧印加を停止した後も静電吸着力がしばらく残留する性質を有する。このため、加圧処理の終了後に下チャック201への電圧印加を停止することとした場合、その後に、支持ピン301(図4参照)を上昇させて重合基板Tを下チャック201の保持面213から浮かせた際に、下チャック201の残留吸着力によって重合基板Tに不要な力が加わるおそれがある。
これに対し、第2の実施形態に係る接合部90は、加圧処理が終了する前に下チャック201への電圧印加を停止することで、加圧処理の終了後に下チャック201への電圧印加を停止する場合と比較して、支持ピン301を上昇させる前までに下チャック201の残留吸着力を小さくすることができる。したがって、第2の実施形態に係る接合部90によれば、加圧処理の終了後、支持ピン301を上昇させた場合に、重合基板Tに不要な力が加わることを防止することができる。
なお、少なくとも被処理基板Wと支持基板Sとが接触していれば、支持基板Sの位置ずれが抑制される。このため、接合部90は、上チャック101が上昇位置から降下位置まで降下して被処理基板Wと支持基板Sとが接触してから加圧処理が開始されるまでの間に、下チャック201への電圧印加を停止することとしてもよい。
また、加圧処理の終了後において、支持ピン301が上昇するタイミングは、上チャック101が上昇するタイミングよりも後である。言い換えれば、下チャック201の残留吸着力を0にすべきタイミングは、上チャック101の残留吸着力を0にすべきタイミングよりも後である。したがって、図13に示すように、接合部90は、上チャック101への電圧印加を停止した後に、下チャック201への電圧印加を停止することとしてもよい。
また、上記のように、上チャック101は、下チャック201よりも早期に残留吸着力を0にすることが好ましい。ここで、残留吸着力は、電圧印加時の静電吸着力が小さいほど早期に無くなる傾向にある。そこで、接合部90は、上チャック101の静電吸着力を下チャック201の静電吸着力よりも小さく設定してもよい。言い換えれば、上チャック101は、下チャック201よりも小さい静電吸着力で被処理基板Wを保持することとしてもよい。これにより、上チャック101および下チャック201の電圧印加の停止タイミングをずらさなくても、上チャック101の残留吸着力を下チャック201よりも早期に0にすることが可能となる。
また、下チャック201への電圧印加の停止タイミングは、必ずしも加圧処理の終了前であることを要しない。以下では、加圧処理の終了後に下チャック201への電圧印加を停止させる場合の例について図14を参照して説明する。図14は、下チャック201への電圧印加の停止タイミングの他の一例を示すタイミングチャートである。
図13および図14に示すように、接合部90は、被処理基板Wと支持基板Sとが接触してから、支持ピン301が突出して重合基板Tが下チャック201の保持面213から離れるよりも前までの期間内に、下チャック201への電圧印加を停止すればよい。
具体的には、図14に示すように、接合部90は、支持ピン301が降下位置から上昇位置へ移動することによって重合基板Tが下チャック201の保持面213から離れるタイミングよりも、下チャック201の残留吸着力が消失するまでの時間T7だけ前のタイミングまでに、下チャック201への電圧印加を停止すればよい。これにより、支持ピン301を上昇させた際に、下チャック201の残留吸着力によって重合基板Tに不要な力が加わることを防止することができる。
(その他の実施形態)
上述してきた各実施形態では、上チャック101や下チャック201の残留吸着力を自然に消失させる場合の例について示したが、接合部90は、静電吸着と逆極性の逆バイアスを残留電荷量に応じて印加することによって、残留電荷を積極的に消失させてもよい。
また、接合部90は、所望の加圧力Pb(図9参照)よりも低い加圧力で仮張り合わせを行った後に、上チャック101や下チャック201への電圧印加を停止し、その後、所望の加圧力Pbで本張り合わせを行うこととしてもよい。
また、上述してきた各実施形態では、第1基板が被処理基板Wであり、第2基板が支持基板Sである場合について説明したが、第1基板が支持基板Sであり、第2基板が被処理基板Wであってもよい。すなわち、上チャック101で支持基板Sを保持し、下チャック201で被処理基板Wを保持することとしてもよい。
また、上述してきた各実施形態では、加圧機構106が、上チャック101を降下させることによって被処理基板Wと支持基板Sとを接触させて加圧する場合について説明したが、加圧機構106は、下チャック201を上昇させることによって被処理基板Wと支持基板Sとを接触させて加圧してもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。