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JP6118202B2 - 柱梁部材の施工方法 - Google Patents
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Description

本発明は、柱梁部材の施工方法に関する。
木造梁の梁端部に形成された溝に木造柱の側面から張り出す継手金物を挿入し、梁端部及び継手金物にドリフトピン等を貫通させることにより、木造柱と木造梁とを接合する木造構造物の接合構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−8574号公報
ところで、柱の傾きや梁の位置の調整(以下、この調整を「建直し」という)は、例えば、柱や梁に複数の緊張材を巻き付け、これらの緊張材によって複数方向から柱または梁を引っ張ることにより行われる。
しかしながら、柱や梁に対する緊張材の巻き付け作業には手間がかかる。
本発明は、上記の事実を考慮し、緊張材の取り付け作業の手間を低減することができる柱梁部材の施工方法を得ることを目的とする。
請求項1に記載の柱梁部材の施工方法は、柱部材から張り出すガセットプレートに対し、側面視にて梁端部が重なるように梁部材を設置する梁設置工程と、前記梁端部の側面及び前記ガセットプレートにそれぞれ形成された貫通孔に棒状仮留部材を挿入して該梁端部の両側に緊張材取付治具をそれぞれ固定し、該緊張材取付治具に取り付けられた緊張材を緊張させる建直し工程と、前記梁端部から前記緊張材取付治具及び前記棒状仮留部材を撤去し、前記貫通孔に棒状本設部材を挿入して前記柱部材と前記梁端部とを接合する柱梁部材接合工程と、を有している。
請求項1に係る柱梁部材の施工方法によれば、梁設置工程において、柱部材から張り出すガセットプレートに対し、側面視にて梁端部が重なるように梁部材を設置する。
次に、建直し工程において、梁端部の側面及びガセットプレートにそれぞれ形成された貫通孔に棒状仮留部材を挿入して梁端部の両側に緊張材取付治具をそれぞれ固定する。このとき、棒状仮留部材によって梁端部とガセットプレートとが仮接合される。そして、両側の緊張材取付治具に取り付けられた緊張材を緊張させ、梁端部を両側から引っ張ることにより、梁部材及び当該梁部材に仮接合された柱部材の建直しを行う。
次に、柱梁部材接合工程において、梁端部から緊張材取付治具及び棒状仮留部材を撤去する。そして、梁端部の側面及びガセットプレートにそれぞれ形成された貫通孔に棒状本設部材を挿入して柱部材と梁端部とを接合(本接合)する。
このように本発明では、建直し工程において、梁端部の側面及びガセットプレートにそれぞれ形成された貫通孔に棒状仮留部材を挿入して梁端部の両側に緊張材取付治具をそれぞれ固定する。したがって、梁部材に対する緊張材の取り付け作業の手間が低減される。
また、棒状本設部材用の貫通孔を流用して梁端部に緊張材取付治具を固定するため、梁端部に新たな貫通孔を形成する必要がない。
しかも、緊張材取付治具は、梁端部の両側に固定される。そのため、例えば、梁部材の上に鉄筋コンクリート造等のスラブを施工する際に、緊張材取付治具及び緊張材が邪魔にならず、緊張材取付治具及び緊張材を撤去する必要がない。したがって、スラブの施工性が向上する。
さらに、緊張材取付治具及び緊張材を梁端部に取り付けた状態で、すなわち緊張材によって梁部材及び柱部材を所定位置に拘束した状態でスラブを施工することにより、スラブの施工に伴う柱部材及び梁部材の位置ずれ等が低減される。したがって、柱部材及び梁部材の施工精度が向上する。
請求項2に記載の柱梁部材の施工方法は、請求項1に記載の柱梁部材の施工方法において、前記梁部材が、少なくとも外周部に木質部を有し、前記緊張材取付治具が、前記棒状仮留部材及び前記棒状本設部材が固定される固定プレートを有し、前記梁設置工程において、前記梁端部に上下方向に形成されたスリットに前記ガセットプレートを挿入し、前記建直し工程において、前記梁端部の側面に前記固定プレートを重ねた状態で固定する。
請求項2に係る柱梁部材の施工方法によれば、梁部材は、少なくとも外周部に木質部を有している。この場合、例えば、梁部材に緊張材を巻き付けて緊張させると、緊張材が梁部材の外周部に食い込み、当該外周部に傷等が付く可能性がある。
これに対して本発明では、建直し工程において、梁端部の両側の側面に緊張材取付治具の固定プレートを重ねた状態でそれぞれ固定する。これにより、例えば、一方の緊張材取付治具に取り付けられた緊張材を緊張させたときに、当該緊張材の緊張力が他方の緊張材取付治具の固定プレートを介して梁端部の側面に分散して伝達される。したがって、梁端部の外周部の傷等を抑制することができる。
請求項3に記載の柱梁部材の施工方法は、請求項1または請求項2に記載の柱梁部材の施工方法において、前記建直し工程において、前記梁端部の少なくとも一方側に、前記梁端部を斜め下方へ引っ張る緊張材が取り付けられる斜め下方用の前記緊張材取付治具と、前記梁端部を横方向へ引っ張る緊張材が取り付けられる横方向用の前記緊張材取付治具を並べて固定する。
請求項3に係る柱梁部材の施工方法によれば、建直し工程において、梁端部の少なくとも一方側に、斜め下方用の緊張材取付治具と、横方向用の緊張材取付治具を並べて固定する。斜め下方用の緊張材取付治具には、梁端部を斜め下方へ引っ張る緊張材が取り付けられ、横方向用の緊張材取付治具には、梁端部を横方向へ引っ張る緊張材が取り付けられる。これらの緊張材を緊張させることにより、梁端部を斜め下方及び横方向へ引っ張ることができるため、柱部材及び梁部材の建直し精度が向上する。
以上説明したように、本発明に係る柱梁部材の施工方法によれば、緊張材の取り付け作業の手間を低減することができる。
本発明の一実施形態における木質柱と木質梁との接合部を示す側面図(立面図)である。 図1の2−2線断面図である。 図1の3−3線断面図である。 本発明の一実施形態における斜め下方用の緊張材取付治具を示す斜視図である。 木質梁の梁端部の側面に斜め下方用の緊張材取付治具を固定した状態を示す縦断面図である。 本発明の一実施形態における梁設置工程を説明する側面図(立面図)である。 本発明の変形例における横方向用の緊張材取付治具を示す斜視図である。 図7に示される横方向用の緊張材取付治具を示す平面図である。 本発明の変形例における鉄骨柱と木質梁との接合部を示す側面図(立面図)である。
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態に係る柱梁部材の施工方法について説明する。先ず、本実施形態における木質柱と木質梁との接合構造について説明する。
図1に示されるように、木質梁40は、木質柱10と図示しない木質柱との間に架設されており、その両側の梁端部40Tが木質柱10の仕口部10Aに接合されている。
木質梁40の上には、鉄筋コンクリート造のスラブ60が構築される。このスラブ60と交差する木質柱10の部位には、後述する心部12を露出させる切欠き部36が形成されている。この切欠き部36に、スラブ60を構成するスラブコンクリートを打設することにより、スラブ60によって心部12が被覆されるようになっている。
図2に示されるように、柱部材の一例としての木質柱10には、耐火構造が適用されている。この木質柱10は、断面略矩形に形成されており、心部12と、燃え止まり層14と、燃え代層20とを有している。
心部12は、板状や角柱状の複数の木製単材を接着剤等で一体化させた集成材によって断面矩形に形成されており、木質柱10が負担する荷重等を支持可能に構成されている。この心部12の外側には、燃え止まり層14が配置されている。
燃え止まり層14は、火災時における燃え代層20の燃焼を停止(自然鎮火)させ、心部12の燃焼を抑制する層であり、心部12を囲んでいる。つまり、燃え止まり層14は、心部12を耐火被覆している。この燃え止まり層14は、心部12の外周面に沿って交互に配列された複数のモルタル板16及び複数の木板18を有している。モルタル板16及び木板18は、木質柱10の材軸方向に沿って配置され、接着剤等によって心部12の外周面に接合されている。
モルタル板16は、木板18よりも熱容量が大きくなっており、このモルタル板16と木板18とを交互に配列することにより、燃え止まり層14の熱容量が全体として心部12及び燃え代層20の熱容量よりも大きくなっている。この燃え止まり層14の外側には、燃え代層20が配置されている。
木質部としての燃え代層20は、火災時に燃焼して炭化層(断熱層)を形成することにより、心部12への火災熱の浸入を抑制する層であり、燃え止まり層14を囲んでいる。つまり、燃え代層20は、燃え止まり層14を耐火被覆している。この燃え代層20は集成材によって形成されており、接着剤等によって燃え止まり層14に接合されている。なお、燃え代層20の厚み(層厚)は、木質柱10に求められる要求耐火性能(耐火時間)や燃え代層20の燃焼速度等に応じて適宜設定されている。
木質柱10の仕口部10Aの側面には、心部12を露出させる溝部22が形成されている。溝部22は上下方向に延びる矩形の長溝とされており、この溝部22を介してブラケット24が心部12に固定されている。なお、溝部22の内側面には、モルタル板38が接着剤等によって接合されている。
ブラケット24は平断面視にて略T字形状に形成されており、心部12に固定されるフランジ24Aと、フランジ24Aから外側(木質梁40側)へ張り出すガセットプレート24Bとを有している。フランジ24Aは、心部12の側面に重ねられており、心部12を貫通する複数のボルト26及びナット28,32によって当該心部12に固定されている。なお、心部12における溝部22と反対側の側面には、支圧板30及びナット32を収容する溝部34が形成されている。
木質柱10と同様に、木質梁40にも耐火構造が適用されている。この木質梁40は、図3に示されるように、断面略矩形に形成されており、心部42と、燃え止まり層44と、木質部としての燃え代層46とを有している。これらの心部42、燃え止まり層44、及び燃え代層46の基本的構成は、前述した木質柱10の心部12、燃え止まり層14、及び燃え代層20と同様であるため、説明を省略する。なお、木質梁40では、心部42の上面がスラブ60(図1参照)によって被覆されるため、心部42の上側には燃え止まり層44及び燃え代層46が設けられていない。
木質梁40の梁端部40Tには、上下方向に延びると共に上方からガセットプレート24Bが挿入可能なスリット48が形成されている。スリット48は、木質梁40の上面から心部42の下部へ延びると共に、木質梁40の上面及び端面を開口している。
スリット48には、木質梁40の上面側からガセットプレート24Bが挿入されている。また、梁端部40Tの側面40S及びガセットプレート24Bには、複数の貫通孔50,52がそれぞれ形成されている。これらの貫通孔50,52に挿入された棒状本設部材としてのドリフトピン54によって、ガセットプレート24Bと梁端部40Tとが接合されている。
なお、貫通孔50には、ドリフトピン54を隠す木栓を挿入しても良い。また、図2に示されるように、木質柱10の側面と木質梁40の端面との隙間には、木製の目地材56が挿入されている。また、心部12の端面は、モルタル板58によって被覆されている。
次に、緊張材取付治具の構成について説明する。
図4に示されるように、梁端部40Tの側面40Sには、斜め下方用の緊張材取付治具70が取り付けられる。斜め下方用の緊張材取付治具(以下、「下方用取付治具」という)70は、梁端部40Tに当該梁端部40Tを斜め下方へ引っ張るワイヤー等の緊張材86(図5参照)を取り付ける治具である。この下方用取付治具70は、梁端部40Tの側面40Sに固定される固定部としての固定プレート70Aと、緊張材86が取り付けられる取付部としての縦取付リブ70Bとを有している。
固定プレート70Aは略矩形に形成されており、ベニア板等の保護プレート72を介して梁端部40Tの側面40Sに重ねられる。これらの固定プレート70A及び保護プレート72の両側には、梁端部40Tの所定の貫通孔50に対応する複数(本実施形態では各2つ)の固定孔74,76がそれぞれ形成されている。
固定プレート70A及び保護プレート72の固定孔74,76には、図5に示されるように、梁端部40T及びガセットプレート24Bの貫通孔50,52(図3参照)を貫通する棒状仮留部材としてのボルト78の端部が挿入可能になっている。このボルト78及びナット80によって固定プレート70Aが保護プレート72を介して梁端部40Tの側面40Sに固定される。なお、保護プレート72は、必要に応じて設ければ良く、適宜省略可能である。
縦取付リブ70Bは固定プレート70Aの中央部から張り出すと共に、その中央部に取付孔82が形成されている。この取付孔82には、フック84を介して緊張材86が取り付けられる。また、縦取付リブ70Bは、緊張材86の緊張力によって発生するモーメントに対して抵抗し易いように、上下方向に沿って配置されている。
次に、本実施形態に係る柱梁部材の施工方法の一例について説明する。
先ず、梁設置工程について説明する。
図6に示されるように、一対の木質柱10の各々から張り出すガセットプレート24Bの下側に木質梁40を配置すると共に、当該木質梁40を図示しない揚重機等によって吊り上げ、両側の梁端部40Tに形成されたスリット48にガセットプレート24Bをそれぞれ挿入する。これにより、ガセットプレート24Bに対し、側面視にて梁端部40Tが重ねられる。
次に、建直し工程について説明する。
図4に示されるように、梁端部40T及びガセットプレート24Bの所定の貫通孔50,52に仮設のボルト78を挿入する。次に、梁端部40Tの両側に保護プレート72及び下方用取付治具70を配置し、ボルト78の端部を保護プレート72及び固定プレート70Aの固定孔76,74に挿入する。そして、ボルト78の両端部にナット80を締め込むことにより、梁端部40Tの両側の側面40Sに保護プレート72を介して固定プレート70Aを重ねた状態で下方用取付治具70をそれぞれ固定する。なお、下方用取付治具70の固定に使用しない他の貫通孔50,52には、ドリフトピン54を挿入しても良い。
次に、図5に示されるように、各下方用取付治具70の縦取付リブ70Bにフック84を介して緊張材86を取り付ける。そして、図示しないレバーブロック(登録商標)等によって各緊張材86を緊張させ、梁端部40Tを両側から引っ張ることにより、木質梁40の位置や木質柱10の傾きを調整する。なお、緊張材86が予め取り付けられた下方用取付治具70を梁端部40Tの側面40Sに固定しても良い。
その後、スラブ構築工程において、木質梁40の上にスラブ60(図1参照)用の型枠を仮設すると共にスラブ筋を配筋し、スラブコンクリートを打設して硬化させる。これにより、スラブ60を構築する。
次に、柱梁部材接合工程について説明する。
スラブコンクリートの硬化後、梁端部40Tの両側から下方用取付治具70及びボルト78を撤去する。次に、ボルト78に換えて梁端部40Tの側面40S及びガセットプレート24Bの貫通孔50,52に本設のドリフトピン54を挿入し、ガセットプレート24Bと梁端部40Tとを接合(本接合)する。
次に、本実施形態の効果について説明する。
前述したように、本実施形態では、建直し工程において、梁端部40Tの側面40S及びガセットプレート24Bにそれぞれ形成された貫通孔50,52にボルト78を挿入し、梁端部40Tの両側に下方用取付治具70をそれぞれ固定する。したがって、梁端部40Tに対する緊張材86の取り付け作業の手間が低減される。
また、ボルト78によって梁端部40Tとガセットプレート24Bとが仮接合される。この状態で、各下方用取付治具70に取り付けられた緊張材86を緊張させ、梁端部40Tを両側から斜め下方へ引っ張ることにより、仮接合された木質梁40及び木質柱10の建直しを行うことができる。
さらに、本設のドリフトピン54用の貫通孔50,52を流用して梁端部40Tに下方用取付治具70を固定するため、梁端部40Tに新たな貫通孔を形成する必要がない。
しかも、下方用取付治具70は、梁端部40Tの側面40Sに固定される。すなわち、下方用取付治具70は、木質梁40の上に構築されるスラブ60よりも下側に配置される。そのため、例えば、木質梁40の上にスラブ60を施工する際に、これらの下方用取付治具70及び当該下方用取付治具70に取り付けられた緊張材86が邪魔にならず、下方用取付治具70及び緊張材86を撤去する必要がない。したがって、スラブ60の施工性が向上する。一方、例えば、木質梁40の梁端部40Tや木質柱10の切欠き部36に緊張材を巻き付けた場合は、スラブ60の施工時に緊張材が邪魔になる。そのため、緊張材を撤去しなければならず、スラブ60の施工に手間がかかる。
さらに、下方用取付治具70及び緊張材86を梁端部40Tに取り付けた状態で、すなわち緊張材86によって木質梁40及び木質柱10を所定位置に拘束した状態で、スラブ60を施工することにより、スラブ60の施工に伴う木質梁40及び木質柱10の位置ずれ等が低減される。したがって、木質梁40及び木質柱10の施工精度が向上する。
ここで、木質梁40の外周部は、木質部としての燃え代層46が設けられている。そのため、木質梁40に緊張材86を巻き付けて緊張させると、緊張材86が燃え代層46に食い込み、当該燃え代層46に傷等が付く可能性がある。この対策として、木質梁40の外周に緩衝材等を巻き付け、その上から緊張材86を巻き付けることも考えられるが、この場合、緩衝材の巻き付け作業に手間がかかる。
これに対して本実施形態では、建直し工程において、梁端部40Tの両側の側面40Sに保護プレート72を介して下方用取付治具70の固定プレート70Aを重ねた状態でそれぞれ固定する。これにより、例えば、一方の下方用取付治具70に取り付けられた緊張材86を緊張させたときに、当該緊張材86の緊張力が他方の下方用取付治具70の固定プレート70Aを介して梁端部40Tの側面40Sに分散して伝達される。
したがって、梁端部40Tの燃え代層46の傷等を抑制することができる。これに加え、本実施形態では、梁端部40Tの側面40Sと固定プレート70Aとの間に保護プレート72を配置したことにより、燃え代層46の傷等をさらに抑制することができる。
また、下方用取付治具70の縦取付リブ70Bは、緊張材86の緊張力によって発生するモーメントに対して抵抗し易いように、上下方向に沿って配置されている。したがって、縦取付リブ70Bの変形等が抑制されるため、下方用取付治具70の耐久性が向上する。さらに、下方用取付治具70及びボルト78等は、他の木質梁や木質柱の建直しにも使用することができる。したがって、コスト削減を図ることができる。
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、梁端部40Tの側面40Sに下方用取付治具70を固定した例を示したが、これに限らない。例えば、梁端部40Tの側面40Sには、梁端部40Tを横方向へ引っ張る緊張材を取り付ける横方向用の緊張材取付治具を固定しても良い。
具体的には、図7に示されるように、梁端部40Tの側面40Sには、下方用取付治具70及び横方向用の緊張材取付治具(以下、「横方向用取付治具」という)90が上下方向に並んで取り付けられている。横方向用取付治具90は、梁端部40Tの側面40Sに固定される固定部としての固定プレート90Aと、緊張材92が取り付けられる取付部としての横取付リブ90Bとを有し、下方用取付治具70の上側に配置されている。
固定プレート90Aは、下方用取付治具70の固定プレート70Aと同じ構成とされているが、横取付リブ90Bは、下方用取付治具70の縦取付リブ70Bとは向きが異なっている。具体的には、横取付リブ90Bは、緊張材92の横方向(斜め横方向)の緊張力によって発生するモーメントに対して抵抗し易いように、木質梁40の材軸方向に沿って配置されている。なお、横取付リブ90Bの他の構成は、縦取付リブ70Bと同じである。
この横方向用取付治具90には、例えば、図8に示されるように、隣接する木質梁40の対向する側面40Sにそれぞれ固定される。そして、各々の横取付リブ90Bに取り付けられた横方向用の緊張材92をレバーブロック(登録商標)94によって緊張させ、梁端部40Tを横方向に引っ張ることにより、木質梁40の位置や木質柱10の傾きを調整することができる。なお、二点鎖線で示されるように、一方の木質梁40の梁端部40Tと、他方の木質梁40の反対側の梁端部(図示省略)とに緊張材92を取り付け、梁端部40Tを斜め横方向へ引っ張っても良い。
このように梁端部40Tの側面40Sに下方用取付治具70及び横方向用取付治具90を固定することにより、梁端部40Tを斜め下方及び横方向へ引っ張ることができるため、木質柱10及び木質梁40の建直し精度を向上させることができる。
なお、本変形例では、梁端部40Tの両側の側面40Sに、下方用取付治具70及び横方向用取付治具90をそれぞれ固定した例を示したが、これに限らない。例えば、梁端部40Tの一方の側面40Sに下方用取付治具70及び横方向用取付治具90を固定し、梁端部40Tの他方の側面40Sに下方用取付治具70及び横方向用取付治具90の何れかを固定しても良い。また、梁端部40Tの側面40Sには、横方向用取付治具90のみを固定しても良い。さらに、下方用取付治具70及び横方向用取付治具90の数や配置は、必要に応じて適宜変更可能である。
また、緊張材取付治具としては、例えば、一つの固定プレート70Aに対して複数の縦取付リブ70Bを設けても良いし、縦取付リブ70B及び横取付リブ90Bを設けても良い。また、取付部としての縦取付リブ70B及び横取付リブ90Bの向きや形状も適宜変更可能である。さらに、取付部としては、例えば、U字状のフック等を用いても良い。
また、棒状仮留部材としては、両端部に雄ねじが切られたボルト78に限らず、一方の端部にのみ雄ねじが切られたボルト等を用いても良い。また、棒状固定部材としては、ドリフトピン54に限らず、他の棒状部材を用いても良い。
また、上記実施形態では、耐火構造が適用された木質梁40を例に梁部材を説明したが、これに限らない。梁部材としては、集成材で形成された無耐火構造の木質梁や、集成材の中心部に形鋼を埋設したハイブリッド木質梁を用いても良い。このように少なくとも外周部に木質部を有する木質梁に、上記実施形態は特に有効である。さらに、梁部材としては、鉄骨造の鉄骨梁を用いても良い。柱部材についても同様である。
例えば、図9に示される木質梁100は全体が集成材で形成されており、中央部び外周部に木質部を有すると共に、その梁端部100Tに上下方向に延びるスリット102が形成されている。このスリット102は、木質梁100の下面から上面に亘って形成されている。
一方、鉄骨柱110は、H形鋼で形成されている。この鉄骨柱110の仕口部110Aには、上下一対の補強プレート112が設けられる。また、鉄骨柱110のフランジ部110Fからは、梁端部100Tのスリット102に挿入されるガセットプレート114が張り出している。このガセットプレート114及び梁端部100Tの側面100Sには図示しない貫通孔がそれぞれ形成されており、これらの貫通孔に挿入されたドリフトピン54によってガセットプレート114と梁端部100Tとが接合されている。このような梁端部100Tの側面100Sに対しても、下方用取付治具70等を取り付けることができる。
また、図示を省略するが、上記実施形態は、鉄骨柱から張り出すガセットプレートと鉄骨梁の梁端部との接合部にも適用可能である。例えば、鉄骨柱から張り出すガセットプレートをH形鋼の鉄骨梁のウェブ部に重ね合わせ、これらのガセットプレート及びウェブ部にそれぞれ形成された貫通孔に挿入された高力ボルト(本設棒状部材)及びナットによって鉄骨柱と鉄骨梁とを接合する接合構造において、高力ボルトに替えて仮設棒状部材としてのボルト等によりウェブ部またはガセットプレートの側面に緊張材取付治具を取り付けても良い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 木質柱(柱部材)
24B ガセットプレート
40 木質梁(梁部材)
40T 梁端部
40S 側面
46 燃え代層(木質部)
48 スリット
50 貫通孔
52 貫通孔
54 ドリフトピン(棒状本設部材)
70 斜め下方用の緊張材取付治具
70A 固定プレート
78 ボルト(棒状仮留部材)
86 緊張材
90 横方向用の緊張材取付治具
90A 固定プレート
92 緊張材
100 木質梁(梁部材)
100T 梁端部
100S 側面
102 スリット
110 鉄骨柱(柱部材)
114 ガセットプレート

Claims (3)

  1. 柱部材から張り出すガセットプレートに対し、側面視にて梁端部が重なるように梁部材を設置する梁設置工程と、
    前記梁端部の側面及び前記ガセットプレートにそれぞれ形成された貫通孔に棒状仮留部材を挿入して該梁端部の両側に緊張材取付治具をそれぞれ固定し、該緊張材取付治具に取り付けられた緊張材を緊張させる建直し工程と、
    前記梁端部から前記緊張材取付治具及び前記棒状仮留部材を撤去し、前記貫通孔に棒状本設部材を挿入して前記柱部材と前記梁端部とを接合する柱梁部材接合工程と、
    を有する柱梁部材の施工方法。
  2. 前記梁部材が、少なくとも外周部に木質部を有し、
    前記緊張材取付治具が、前記棒状仮留部材及び前記棒状本設部材が固定される固定プレートを有し、
    前記梁設置工程において、前記梁端部に上下方向に形成されたスリットに前記ガセットプレートを挿入し、
    前記建直し工程において、前記梁端部の側面に前記固定プレートを重ねた状態で固定する、
    請求項1に記載の柱梁部材の施工方法。
  3. 前記建直し工程において、前記梁端部の少なくとも一方側に、前記梁端部を斜め下方へ引っ張る緊張材が取り付けられる斜め下方用の前記緊張材取付治具と、前記梁端部を横方向へ引っ張る緊張材が取り付けられる横方向用の前記緊張材取付治具を並べて固定する、
    請求項1または請求項2に記載の柱梁部材の施工方法。
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