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JP7087263B2 - 木製梁の接合構造 - Google Patents
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本発明は、木製梁の接合構造に関する。
従来、木製梁と柱との固定度を大きくするために、木製梁と柱との仕口部を金属で補強する場合がある。例えば下記特許文献1には、木造建築物の柱と梁との仕口部に、金属板で形成した仕口金物を配置し、この仕口金物を介して柱と梁とを接合した構造が開示されている。
特開2000-192555号公報
上記特許文献1のような構造においては、予め金属板を梁や柱の配置に合せて加工しておく必要がある。このため柱や梁の施工誤差を吸収し難い。
本発明は上記事実を考慮して、木製梁の固定度を高めると共に、施工誤差を吸収し易い木製梁の接合構造を提供することを目的とする。
請求項1の木製梁の接合構造は、柱と、木製梁と、前記柱と前記木製梁との接合部に形成されたコンクリート製の仕口部と、一端が前記木製梁に埋設され他端が前記木製梁の端面から突出して前記仕口部に埋設された定着具と、前記木製梁の端部、かつ、前記定着具が埋設された部分を被覆する繊維補強シートと、を備え、前記繊維補強シートで被覆された前記木製梁の端部が前記仕口部へ挿入されて耐火被覆されている。
請求項1の木製梁の接合構造によると、木製梁が定着具を介して仕口部に接合される。仕口部はコンクリート製とされている。このため木製の仕口部と比較して剛性が高く、木製梁の固定度が大きい。また、柱及び木製梁の配置や寸法に施工誤差があっても、仕口部がコンクリート製とされているため施工誤差を吸収することができる。
一態様の木製梁の接合構造は、請求項1の木製梁の接合構造において、前記木製梁の端部を被覆する被覆部材を備えている。
一態様の木製梁の接合構造によると、木製梁の端部が被覆部材で被覆されている。このため定着具にせん断力が作用した際に、当該せん断力によって木製梁の端部が損傷することを抑制できる。
一態様の木製梁の接合構造は、請求項2の木製梁の接合構造において、前記被覆部材は繊維補強シートである。
一態様の木製梁の接合構造によると、木製梁の端部が繊維補強シートとされているため、せん断耐力を確保し易い。また、繊維補強シートの巻き付け回数を調整することで、せん断耐力を調整できる。
一態様の木製梁の接合構造は、前記繊維補強シートで被覆された前記木製梁の端部が前記仕口部へ挿入されている。
一態様の木製梁の接合構造によると、木製梁の端部が仕口部のコンクリートへ挿入されている。このため、木製梁の端部はコンクリートで被覆される。これにより木製梁のせん断耐力が向上する。
本発明に係る木製梁の接合構造は、木製梁の固定度を高めると共に、施工誤差を吸収し易い。
(A)は本発明の実施形態に係る木製梁の接合構造を示す側断面図であり、(B)は(A)におけるB-B線断面図であり、(C)は(A)におけるC-C線断面図である。 本発明の実施形態に係る木製梁を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る木製梁の接合構造においてラグスクリューボルトに代えてアンカー筋を用いた変形例を示す側断面図である。 (A)は本発明の実施形態に係る木製梁の接合構造において被覆部材として仕口部のコンクリートを使用した変形例を示す側断面図であり、(B)は被覆部材として仕口部のコンクリートと補強シートとを併用した変形例を示す側断面図であり、(C)は被覆部材として仕口部のコンクリートと鉄筋とを併用した変形例を示す側断面図であり、(D)は被覆部材としてのコンクリートを繊維補強コンクリートとした変形例を示す側断面図である。
以下、本発明に係る木製梁の接合構造の実施形態について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。なお、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。また、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
(接合部構造)
本発明の実施形態に係る木製梁の接合構造は、図1(A)に示す木製柱20(以下、柱20と称す)に対して木製梁40(以下、梁40と称す)を接合するための構造である。柱20と梁40の接合部にはコンクリート製の仕口部30が配置されており、この仕口部30を介して、柱20と梁40とが接合されている。
(木製梁)
図1(B)に示すように梁40は、芯材42、燃え止まり層44及び燃え代層46を含んで形成された木製の構造材料である。
芯材42は、一例としてLVL(Laminated Veneer Lumber)を用いて形成された梁本体であり、燃え止まり層44及び燃え代層46は芯材42の耐火被覆である。なお、芯材42としては集成材、CLT、無垢材、樹脂材料と木材との合成材等を用いる事ができる。
燃え止まり層44は、芯材42の外周面において芯材42の延設方向(図1(A)におけるX方向)に沿って配置された複数の耐火性のプラスター44A(SLプラスター)と、それぞれのプラスター44Aの間に設けられた木質の繋ぎ材44Bと、で構成されている。
燃え代層46は、プラスター44A及び繋ぎ材44Bを覆う木質の板材によって構成されており、繋ぎ材44Bに接合されている。
燃え止まり層44及び燃え代層46は、芯材42の上方には配置されておらず、代わりにコンクリート製のスラブ50が配置されている。つまり、芯材42の上面側にはスラブ50によって耐火被覆が形成され、芯材42の側面及び下面側には燃え止まり層44及び燃え代層46によって耐火被覆が形成されている。
図2に示すように、梁40の端部において、芯材42には定着具としてのラグスクリューボルト60の一端が捩じ込まれている。ラグスクリューボルト60の他端は、図1(A)に示すように、仕口部30を形成するコンクリートに埋設され定着されている。
また、芯材42においてラグスクリューボルト60が捩じ込まれている部分には、図1(C)に示すように、被覆部材として補強シート70が巻き付けられている。補強シート70は炭素繊維補強シートによって形成され、図2に示すように、芯材42の周囲に複数回、螺旋状に巻回されている。
なお、「ラグスクリューボルト60が捩じ込まれている部分」とは、図1(A)における芯材42の延設方向(X方向)において、ラグスクリューボルト60が配置される部分のこと(幅W1で示した領域)である。
本実施形態においては、ラグスクリューボルト60が捩じ込まれている部分(幅W1)の「全て」を補強シート70で巻き付けているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば図1(A)に二点鎖線で示したラグスクリューボルト60Aが捩じ込まれている部分(幅W2)の「一部」を補強シート70で巻き付ける構成としてもよい。但し何れの態様においても、補強シート70は少なくとも芯材42の最端部に巻き付けるものとする。
なお、本発明における「木製梁の端部を被覆する被覆部材」とは、補強シート70のように、梁40の端部において芯材のみの外周を被覆する構成を含む。また、芯材42、燃え止まり層44及び燃え代層46を含んだ梁40全体の外周を被覆する構成も含む。
(梁の製造方法)
梁40を製造するためには、まず、芯材42を、燃え止まり層44及び燃え代層46で被覆する。このとき、芯材42において補強シート70を巻き付ける端部を残して、燃え止まり層44及び燃え代層46を形成する。
次に芯材42の端面からラグスクリューボルト60を捩じ込む。ラグスクリューボルト60の捩じ込みに先行して、適宜下穴を開けてもよい。そして、芯材42に補強シート70を巻き付ける。補強シート70の巻き付けに際し、補強シート70にはエポキシ樹脂等を含浸させることが好適である。
補強シート70の巻き付け後においてエポキシ樹脂が硬化した後、図2に破線で示した部分、つまり補強シート70の周囲を、燃え止まり層44及び燃え代層46で被覆する。
なお、補強シート70の周囲は、燃え止まり層44及び燃え代層46に代えて、例えばケイ酸カルシウム板等の不燃材料で被覆してもよい。また、ラグスクリューボルト60の捩じ込みと、補強シート70の巻き付けは、順序を入れ替えてもよい。
(仕口部)
上述のように形成された梁40は、図1(A)に示すように、仕口部30に接合される。仕口部30は、上下の柱20(下柱20A、上柱20B)に挟まれて配置されたコンクリート部材であり、下柱20Aにおける上端面から突出したラグスクリューボルト62によって、下柱20Aと接合されている。
また、仕口部30には、アンカー筋64の下端部が埋設されている。一方、アンカー筋64の上端部は仕口部30の上端面から突出し、上柱20Bの下端面に形成された挿入孔22に挿入されている。挿入孔22とアンカー筋64との間の隙間には樹脂製の接着剤が注入されている。これにより、仕口部30と柱20とが接合される(所謂グルードインロッド工法)。
(木製梁の接合方法)
仕口部30を形成して梁40を柱20に接合する方法の一例を説明する。まずラグスクリューボルト62が捩じ込まれた下柱20Aを所定の位置に配置し、同様にラグスクリューボルト62が捩じ込まれた梁40を、図示しない支保工等で支持して所定の位置に配置する。
下柱20A及び梁40が所定の位置に配置された状態で、下柱20A及び梁40を型枠の一部あるいは全部としてコンクリートを打設し、仕口部30を形成する。この際、アンカー筋64を所定の位置に配置しておく。なお、仕口部30を形成するコンクリートとスラブ50を形成するコンクリートとは、同時に打設することができる。
コンクリートが硬化したら、仕口部30の上部に上柱20Bを配置する。この際、仕口部30の上端面から突出したアンカー筋64が、上柱20Bの下端面に形成された挿入孔22に挿入されるようにして、上柱20Bを配置する。その後、挿入孔22とアンカー筋64との間の隙間に接着剤を注入する。
なお、梁40の芯材42に埋設する定着具及び下柱20Aに埋設する定着具としては、図3に示すように、ラグスクリューボルト62に代えて、上柱20Bと同様のアンカー筋64を用いる事ができる。
定着具としてアンカー筋64を用いることで、予め仕口部30と一体化させたアンカー筋64を、芯材42の端面に形成した挿入孔に挿入して接合することができる。これにより、仕口部30は現場打ちコンクリートだけでなく、プレキャストコンクリートによって形成することもできる。
さらに、仕口部30及び柱20をプレキャストコンクリートによって形成し、互いに一体化することができる。すなわち、アンカー筋64を用いることで施工方法の選択性が向上する。なお、本発明における柱は、このように、木製以外の柱を含むものとする。
(作用・効果)
本発明の実施形態に係る木製梁の接合構造によると、梁40が、定着具であるラグスクリューボルト60又はアンカー筋64を介して、仕口部30に接合されている。また、仕口部30はコンクリート製とされている。このため木製の仕口部と比較して剛性が高く、梁40の固定度が大きい。また、柱20や梁40の配置や寸法に施工誤差があっても、仕口部30がコンクリート製とされているため施工誤差を吸収することができる。
また、本実施形態においては、梁40の端部が補強シート70で被覆されている。このため定着具(ラグスクリューボルト60又はアンカー筋64)にせん断力が作用した際に、当該せん断力によって梁40の端部が損傷することを抑制できる。
具体的には、例えば図2に示すラグスクリューボルト60にせん断力Tが作用した際、当該せん断力Tにより、芯材42には破線で示した割裂Vが発生しようとする。しかし、芯材42は補強シート70で被覆されているため変形が拘束され、割裂Vの発生を抑制できる。これにより、ラグスクリューボルト60は引き抜き耐力を十分に発揮することができ、仕口部30の耐力が低下し難い。
また、本実施形態においては、芯材42を補強する補強シート70は、炭素繊維補強シートとされている。このため、他の繊維補強シートを使用する場合と比較して軽量でありせん断耐力を確保し易い。また、シート状の補強シート70は巻き付け回数を調整することができるため、例えばシート状以外の被覆部材を用いる場合と比較して、せん断耐力を調整できる。
なお、芯材42の被覆部材としては、補強シート70以外に、アラミド繊維補強シートやその他の繊維補強シートを用いてもよい。これらの繊維補強シートを用いても、被覆部材が無い構成と比較して、梁40の端部が損傷することを抑制できる。
また、芯材42の被覆部材としては、繊維補強シート以外に、例えばコンクリートとすることができる。具体的には、例えば図4(A)に示すように、仕口部30を形成するコンクリートで芯材42の端部を被覆する。つまり、梁40の端部を仕口部30へ挿入することで、繊維補強シートを用いなくてもコンクリートにより拘束効果を得ることができる。
さらに、図4(B)に示すように、被覆部材として仕口部30のコンクリートと繊維補強シート(一例として補強シート70)とを併用してもよい。複数の被覆部材を用いることで、被覆部材による芯材42の拘束効果が向上する。また、仕口部30のコンクリートと併用する被覆部材としては、図4(C)に示すように、鉄筋72を用いる事ができる。鉄筋72は、芯材42の四周に巻きつけることが好ましい。また、芯材42の延設方向に沿って複数本設けることがさらに好ましい。
またさらに、仕口部30を形成するコンクリートとしては、図4(D)に示すように、繊維補強コンクリート(鋼繊維補強コンクリート、ガラス繊維補強コンクリート、炭素繊維補強コンクリート等)を用いると、拘束効果が向上する。なお、図4(A)~(D)においては、図示を簡略化するため、柱20と仕口部30との定着具は省略している。
また、本実施形態において、梁40が芯材42、燃え止まり層44及び燃え代層46で形成されている。そして補強シート70を燃え止まり層44及び燃え代層46で被覆することにより、火災時等において補強シート70が直接炎に晒されることを抑制できる。これにより火災に起因する梁40の耐力低下を抑制できる。
なお、本実施形態においては、梁40を芯材42、燃え止まり層44及び燃え代層46を含んで形成したが本発明の実施形態はこれに限らない。例えば燃え止まり層44及び燃え代層46を備えない木製梁の端部を、被覆部材で被覆してもよい。このような構成でも、被覆部材を設けない構成と比較して、梁40の端部が損傷することを抑制できる。
さらに、本実施形態においては被覆部材を設けているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば被覆部材を省略してもよい。具体的には、図1、図3に示した実施例において、補強シート70は省略することができる。補強シート70を省略しても、定着具としてのラグスクリューボルト60又はアンカー筋64がコンクリート製の仕口部30に埋設されているため、木製の仕口部と比較して梁40の固定度を向上することができる。このように、本発明は様々な態様で実施できる。
20 柱
20A 下柱(柱)
20B 上柱(柱)
30 仕口部(被覆部材)
40 木製梁
60 ラグスクリューボルト(定着具)
60A ラグスクリューボルト(定着具)
64 アンカー筋(定着具)
70 補強シート(被覆部材)
72 鉄筋(被覆部材)

Claims (1)

  1. 柱と、
    木製梁と、
    前記柱と前記木製梁との接合部に形成されたコンクリート製の仕口部と、
    一端が前記木製梁に埋設され他端が前記木製梁の端面から突出して前記仕口部に埋設された定着具と、
    前記木製梁の端部、かつ、前記定着具が埋設された部分を被覆する繊維補強シートと、
    を備え、
    前記繊維補強シートで被覆された前記木製梁の端部が前記仕口部へ挿入されて耐火被覆されている、
    木製梁の接合構造。
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