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JP6123779B2 - エンジンの潤滑装置 - Google Patents
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JP6123779B2 - エンジンの潤滑装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの潤滑装置に関する。
下記の特許文献1には、ターボ過給機(T/C)を潤滑したリターンオイル(戻りオイル)を2層のオイルパンのうちの内層オイルパンに導入して、オイルの昇温を図る技術が開示されている。
ところで、エンジン及びターボ過給機を潤滑するオイルには、燃料の燃焼により発生した水分が混入し、混入した水分がオイルを希釈することにより、オイルの潤滑性能が低下するという現象が生じる。
特開2014−005768号公報
近年、排気中の有害成分を低減する目的で、水素ガスを燃料として利用するエンジンの開発が進められている。しかしながら、水素ガスを燃料とするエンジンでは、水素ガスの燃焼により水分が多く生成されるため、オイルに混入する水分量も増加する。その結果、ガソリン及び軽油を燃料とするエンジンと比べてオイルの希釈率が高くなるので、オイルの潤滑性能がより低下するという課題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされ、その課題とするところは、ターボ過給機を備えたエンジンにおいて、該ターボ過給機で加熱された高温のオイルを貯留して水分を分離する水分離用装置を備えたエンジンの潤滑装置を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、ターボ過給機を潤滑した後の高温のリターンオイルを貯留することにより、オイルに混入した水分を分離することを特徴とする。
具体的には、本発明は、エンジンの潤滑装置を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、エンジン本体と、エンジン本体の潤滑用のオイルを循環させるオイルポンプと、エンジン本体からの排気を受けて該エンジン本体への吸気を圧縮し、オイルポンプによって供給されるオイルにより潤滑されるターボ過給機と、オイル経路におけるターボ過給機の下流側にオイルを貯留し、貯留したオイルから水分を分離する水分離用装置とを備えているものである。
これによれば、エンジン潤滑用のオイル経路におけるターボ過給機の下流側に設けられた水分離用装置により、ターボ過給機の軸受部の発熱及びターボ過給機のハウジングに伝達される排気ガスの熱によって加熱された高温のオイルを貯留し、オイルに混入した水分を高温のオイルによって蒸気化して分離することを容易に行うことができる。なお、蒸気化した水分を含むガスは、例えば、吸気系路に接続される放出路により吸気系に還流して処理することができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、水分離用装置はオイルを貯留する貯留タンクを有し、貯留タンクにはオイルを保温する保温装置が設けられており、保温されたオイルがエンジン本体に循環されるものである。
これによれば、例えば、エンジン本体が連続して作動しない環境下で用いられる場合に、オイルの温度低下を抑制して該オイルの粘性を低下させ、再始動時のエンジン回転の抵抗の低減を図ることができる。
第3の発明は、上記第2の発明において、車両を駆動する駆動用モータと、駆動用モータを駆動する電気エネルギーを貯蔵する蓄電装置と、エンジン本体により発電する発電機とをさらに備え、発電機は蓄電装置又は駆動用モータに給電し、保温装置は、蓄電装置から給電され貯留タンクに貯留されたオイルを加熱するヒータを有しているものである。
これによれば、いわゆるシリーズ式ハイブリッド車両(HV)においても、エンジン本体の非作動時には、蓄電装置の給電によりヒータを作動させることにより、オイルの温度低下を抑制することができる。
第4の発明は、上記第3の発明において、ヒータは蓄電装置における充電率により制御されるものである。
これによれば、保温装置を構成するヒータは、蓄電装置における充電率(SOC:充電残量の充電容量に対する比の値)により制御されるため、例えば、蓄電装置の充電率が所定量よりも低い場合は、ヒータの作動を停止できるため、蓄電装置に対するヒータの負荷を軽減することができる。
第5の発明は、上記第2〜4の発明において、保温装置は、貯留タンクを保温する保温材を有しているものである。
これによれば、貯留タンクを保温材により保温するという簡単な構成で、オイルの保温を行うことができる。
第6の発明は、上記第2〜5の発明において、エンジン本体は、その下部にオイルを貯留するオイルパンを有し、貯留タンクは、オイルパンの一部を仕切り板により区画されてなり、オイルパンの残部とはオイルが流通可能に構成されているものである。
これによれば、貯留タンクを別途設ける必要がなくなるので、省スペース化を図ることができる。
第7の発明は、上記第6の発明において、仕切り板には、仕切りバルブが設けられており、仕切りバルブは、エンジン本体における回転数及び負荷によって制御されるものである。
これによれば、例えば、エンジン本体の回転数及び負荷の少なくとも一方が所定値よりも高い場合は、オイルの温度が迅速に上昇するため、仕切り板に設けられた仕切りバルブを開けることにより、オイルの全容量を潤滑及び冷却に用いることができる。
第8の発明は、上記第1〜7の発明において、エンジン本体は、少なくとも水素ガスを燃料として燃焼させるものである。
これによれば、水素ガスを燃料とする場合に、該水素ガスの燃焼により発生する水分がオイルに混入しても、簡単な構成の水分離用装置によって容易に水分の分離を行うことができる。
本発明によれば、ターボ過給機を備えたエンジンにおいて、該ターボ過給機で加熱された高温のオイルを貯留することにより、該オイルに混入した水分を分離することができる。
図1は第1の実施形態に係るロータリピストンエンジン及び該エンジンの潤滑装置を含む模式的な構成図である。 図2は第2の実施形態に係るロータリピストンエンジン及び該エンジンの潤滑装置を含む模式的な構成図である。 図3は第2の実施形態に係るエンジンの潤滑装置を構成する水分離装置の概略的な制御フロー図である。 図4は本発明のエンジンの潤滑装置を構成する水分離装置を用いてエンジンオイルの温度と熱効率との関係を測定したグラフである。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物又はその用途を制限することを意図しない。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るロータリピストンエンジン及び該エンジンの潤滑装置を含むシステム構成を模式的に表している。
図1に示すように、本実施形態においては、ロータリピストンエンジン(以下、エンジン本体と呼ぶ。)1は、例えばツインロータ式(2気筒構成)であり、プライマリ側のロータハウジング11を左側に、セカンダリ側のロータハウジング11を右側に互いに対称となるように展開して図示している。
プライマリ側のみを説明すると、エンジン本体1における繭状のロータハウジング11内に形成されるロータ収容室11aに、ほぼ三角形状の1つのロータ12が収容されて構成されている。プライマリ及びセカンダリの2つのロータハウジング11は、3つのサイドハウジング(図示せず)の間に挟み込まれて該サイドハウジングと一体化されてなり、各ロータハウジング11とその両側のサイドハウジングとによって、各ロータ収容室11aが形成される。ロータハウジング11内の中央部にはエキセントリックシャフト13が配設される。
ロータ12は、その三角形の各頂部にアペックスシール(図示せず)が付設され、これらアペックスシールがロータハウジング11のトロコイド内周面と摺接する。これにより、ロータ12によりロータ収容室11a(気筒)内に3つの作動室(燃焼室に相当)が画成される。ロータ12は、該ロータ12の3つのアペックスシールがそれぞれロータハウジング11のトロコイド内周面に当接した状態でエキセントリックシャフト13の周りを自転しながら、該エキセントリックシャフト13の軸心の周りに公転する。ロータ12が1回転する間に、該ロータ12の各頂部間にそれぞれ形成された作動室が周方向に移動しながら、吸気、圧縮、膨張(燃焼)及び排気の各行程を行い、これにより発生する回転力がロータ12を介して出力軸としてのエキセントリックシャフト13から出力される。
ロータ収容室11aには、吸気行程にある作動室に開口する吸気口11bと連通するように吸気通路14が接続されていると共に、排気行程にある作動室に開口する排気口11cと連通するように排気通路15が接続されている。吸気通路14は、上流側では1つであるが、下流側では、2つの分岐路に分岐してそれぞれのロータ収容室11aと連通している。吸気通路14の分岐部よりも上流側には、ステッピングモータ等のスロットル弁アクチュエータ90により駆動されて吸気通路14の断面積(弁開度)を調節するスロットル弁16が配設されている。該スロットル弁16により、ロータ収容室11a内への吸気量が調節される。
吸気通路14の分岐部よりも下流側の各分岐路には、燃料ガスである、例えば水素ガスを、吸気通路14内に噴射するポート噴射弁17(セカンダリ側のみ図示)が配設されている。ポート噴射弁17により噴射された水素ガスは空気と混合された状態で、吸気行程にある作動室に供給される。また、ロータハウジング11には、供給された水素ガスをロータ収容室11aの圧縮行程にある作動室内に直接噴射する直噴噴射弁18(プライマリ側のみ図示)と、ポート噴射弁17又は直噴噴射弁18から噴射された水素ガスに点火する2つの点火プラグ19(セカンダリ側のみ図示)とがそれぞれ設けられている。なお、ポート噴射弁17と直噴噴射弁18とは、エンジン本体1の負荷によって、いずれか一方又は双方を適宜用いることができる。
排気通路15は、上流側では、各ロータ収容室11aにそれぞれ連通するように2つ設けられているが、下流側では1つに合流されている。排気通路15の該合流部よりも下流側には、排気ガスを浄化するための触媒81及び触媒82が配設されている。なお、図1において、吸気通路14及び排気通路15に図示した矢印は、吸気及び排気の流れをそれぞれ表している。
ターボ過給機85は、吸気通路14におけるスロットル弁16よりも上流側に配設されたコンプレッサ85aと、排気通路15における上記合流部よりも下流で且つ触媒81よりも上流側に配設されたタービン85bとから構成されている。タービン85bが排気流により回転し、該タービン85bの回転により、タービン85bと同軸上に連結されたコンプレッサ85aが作動して、吸気通路14に吸入された空気を圧縮する。圧縮された空気は、吸気通路14におけるコンプレッサ85aよりも下流に配設されたインタークーラ86によって冷却される。コンプレッサ85aの上流には、エアクリーナ70が配設されている。
また、運転時に高温となるターボ過給機85は、その軸受けをオイル(エンジンオイル)により潤滑し且つ冷却するための給油管6と接続されている。給油管6は、上流端がエンジン本体1に設けられ、ターボ過給機85の軸受けと、水分離用装置としてオイルを貯留する貯留タンク7とを介して、その下流端がエンジン本体1のオイルパン11dと接続されている。
貯留タンク7の内部には、ヒータ8が配設されている。ヒータ8は保温装置の一例である。また、図示はしていないが、貯留タンク7における上面及び底面を含む内壁面の少なくとも一部には、セラミック又は樹脂等からなる保温材を貼り付けてもよい。
貯留タンク7の内部は、ターボ過給機85を通過した高温のオイルが充満しないように、すなわち、高温のオイルに混入した水分が蒸発した水蒸気を含む気体を閉じ込める空間が貯留タンク7の上部に形成されるように構成される。該空間には、オイル分及び水分を含む気体が衝突して、該オイル分の凝結を促進する、いわゆる迷路(ラビリンス)構造を設けてもよい。
貯留タンク7の上部には、オイル分と分離された水分(水蒸気)をブローバイガスに混入するための水分離管9が配設されている。ロータ収容室11aから取り出されたブローバイガスは、吸気通路14に還流される。
ここで、貯留タンク7、ヒータ8及び水分離管9は、オイルにおける水分離用装置の構成の一例である。
本実施形態においては、エンジン本体1のエキセントリックシャフト13は、発電機2と接続されており、該発電機2は、エンジン本体1によって作動する。
発電機2は、インバータ3を介して、車軸を駆動する駆動用モータ4と該駆動用モータ4を作動する電気エネルギーを貯蔵するバッテリ(蓄電装置)5とに接続されている。発電機2は、バッテリ5の充電率(SOC)とエンジン本体1における回転数及びその負荷とに応じて、バッテリ5又は駆動用モータ4に適宜給電することができる。
−効果−
例えば水素ガスを燃料とし、ターボ過給機を備えた発電用エンジンにおいて、水素は燃焼時にガソリン及び軽油と比べて水分によるオイル希釈率が高くなる。そこで、本実施形態に係るエンジンの潤滑装置は、ターボ過給機で加熱された高温のオイルを貯留して水分を分離する水分離装置を構成する貯留タンクを備えているため、オイルの潤滑性能の低下を防止することができる。また、貯留タンクには保温材とヒータとが設けられており、エンジンの始動時又は休止中には、ヒータを適宜作動することにより、貯留タンクに貯留されたオイルの温度を保持することが可能となる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態のように水分離装置を構成する貯留タンクをエンジン本体から独立させるのではなく、エンジン本体におけるオイルパンの一部を貯留タンクとして用いる構成である。他の構成については、第1の実施形態と同様の構成であり、以下の説明では、第1の実施形態に係る構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を用いて説明を行う。
図2は第2の実施形態に係るロータリピストンエンジン及び該エンジンの潤滑装置を含むシステム構成を模式的に表している。
図2に示すように、本実施形態に係るエンジンの潤滑装置は、水分離装置を構成するオイルの貯留タンク71が、エンジン本体1のオイルパン11dの一部、例えば全容積の半分程度が仕切り板71aにより仕切られて構成されている。仕切り板71aの下部には、オイルを貯留タンク71とオイルパン11dとの間で流通可能とするオイルパンバルブ(仕切りバルブ)72aが設けられている。仕切り板71aの上部には、貯留タンク71に、ターボ過給機85からの戻りオイルが充満しないように、すなわち、貯留タンク71の上部に空間が形成されるように、余剰のオイルを貯留タンク71からオイルパン11dに流すフロー71bが設けられている。また、該空間には、オイル分及び水分を含む気体が衝突して、該オイル分の凝結を促進する、いわゆる迷路(ラビリンス)構造を設けてもよい。
貯留タンク71の底面には、ターボ過給機85の軸受けを通過したオイルを流通する給油管6の下流端が接続される。さらに、貯留タンク71の底面には、吸い口分配バルブ72bを介してオイルポンプ73と接続される流通管61が接続され、また、オイルパン11dの貯留タンク71を除く底面には、吸い口分配バルブ72bを介してオイルポンプ73と接続される流通管61bが接続されている。なお、オイルポンプ73は、機械式のオイルポンプであってもよく、また、電気式のオイルポンプであってもよい。ここでは、制御が容易な電気式のオイルポンプを用いる。
貯留タンク71の内部には、ヒータ8が配設されている。また、図示はしていないが、貯留タンク71における上面及び底面を含む内壁面の少なくとも一部には、セラミック又は樹脂等からなる保温材を貼り付けてもよい。
−水分離装置の制御方法−
図3は本実施形態に係るエンジンの潤滑装置を構成する水分離装置の概略的な制御フローを示している。
図3に示すように、ステップST10において、エンジン本体1のオイルの温度、エンジン回転数(負荷)及びバッテリ5の充電状態を所定の油温センサ、エンジン回転数センサ及び電流電圧センサにより検出して判定する。ここでは、主に4通りの制御方法について説明する。
まず、オイル温度が90℃以上又はエンジン回転数が2500rpm以上の高負荷を判定するステップST11において、真と判定された場合は、ステップST21において、ヒータ8をオフ状態とする。これにより、エンジン本体1の稼働と、貯留タンク71内に設けられた保温材とによってオイル温度を維持する。このとき、吸い口分配バルブ72bは、エンジン回転数に応じて、オイルパン11dの残部からの流量を増やす。これにより、オイルパン11dの残部からの、貯留タンク71内のオイルの温度よりも低いオイルの混入による急激なオイル温度の低下を防ぐことができる。また、オイル温度が120℃以上の場合は、オイルパンバルブ72aを開状態としてオイルの全量を使用する。これにより、オイルの冷却が促進される。なお、この状態から、エンジン本体1が停止した場合は、オイルパンバルブ72aを閉状態として、保温材が設けられた貯留タンク71内のオイルを保温する。
次に、オイル温度が90℃未満、エンジン回転数が2500rpm未満で且つバッテリ5の充電率(SOC)が40%以上の場合を判定するステップST12において、真と判定された場合は、ステップST22において、ヒータ8をオン状態とする。さらに、オイルパンバルブ72aを閉状態とすると共に、吸い口分配バルブ72bは、貯留タンク71からのオイルのみを流通させる。このときのオイル温度の目標値は、例えば90℃〜100℃である。このように、ヒータ8を稼働させると共に、貯留タンク71のオイルのみを潤滑及び冷却に用いることから、オイル温度の上昇が促進される。その結果、エンジン本体1及びターボ過給機85を構成する構成部材等における金属同士の摺動抵抗の低減と、ロータリピストン12に付設されたガスシールの摺動抵抗の低減とが図られ、オイルの低温時の熱効率の低下を防止することができる。
次に、オイル温度が90℃未満、エンジン回転数が2500rpm未満で且つバッテリ5の充電率(SOC)が35%以上40%未満の場合を判定するステップST13において、真と判定された場合は、ステップST23において、ヒータ8を間欠でオン状態とする。このときのオイル温度の目標値は、例えば70℃〜80℃であり、ヒータ8のオン状態の長さ及びオフ状態の長さ、並びにその長さの比は、この目標温度を満たす限りは任意に設定可能である。さらに、オイルパンバルブ72aを閉状態とすると共に、吸い口分配バルブ72bは、貯留タンク71からのオイルのみを流通させる。このように、バッテリ5の充電率が低い場合であっても、ヒータ8を間欠で作動することにより、オイル温度の極端な低下を防止することができる。
なお、バッテリ5の充電率(SOC)が35%未満の場合は、バッテリ5の電気エネルギーを車両の走行用(電装機器用)に保存しておく必要があるため、ヒータ8はオフ状態とし、オイルパンバルブ72aを閉状態として、エンジン本体1の始動によるターボ過給機85からの、保温材付き貯留タンク71への高温の戻りオイルの貯留によりオイル温度を上昇させる。
次に、車両が外部充電器と接続された場合を判定するステップST14において、真と判定された場合は、ステップST24において、ヒータ8をオン状態とする。さらに、オイルパンバルブ72aを閉状態とすると共に、吸い口分配バルブ72bは、貯留タンク71からのオイルのみを流通させる。このときのオイル温度の目標値は、例えば100℃〜105℃、又は100℃〜110℃である。このときのヒータ8の作働は、外部電源により行ってもよい。このように、ヒータ8を作働させると共に、貯留タンク71のオイルのみを潤滑及び冷却に用いることから、オイル温度の上昇が促進される。これにより、外部充電器によりバッテリ5が充電された場合は、充電の完了後に直ちに車両を走行させても、オイルの低温時の種々の熱効率の低下を防止することができる。
また、車両から運転者(操作者)が離れた際に、運転の再開時をタイマで設定できるようにしてもよい。例えば、バッテリ5の充電率(SOC)が40%以上又は充電時である場合に限定して、ヒータ8を作働し、運転再開時には、あらかじめオイルの温度が例えば90℃〜100℃に保持されるようにしてもよい。また、充電時でない場合は、タイマに設定された運転再開時の、例えば30分前からヒータ8を作動させるようにしてもよい。
図4に、エンジンオイルの温度と熱効率との関係を実機で測定したグラフを示す。図4は、エンジンオイルにおけるオイルパン11dの出口での温度と、エンジンの熱効率との関係を示しており、縦軸は任意単位(a.u.)である。バッテリ5にはリチウムイオン電池を用い、該イオン電池の充電率は20%〜90%である。貯留タンク71の内部には、保温材が設けられている。図4に示すように、オイル温度が95℃程度以上であれば、エンジンの熱効率は変わらないことが分かる。
−効果−
以上より、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果を得られる上に、ターボ過給機85からの高温の戻りオイルを貯留する貯留タンク71を通常のオイルパン11dの内部に仕切りを設けて構成するため、貯留タンク71を別途設けるスペースを省くことができる。また、貯留タンク71の仕切り板71aに仕切りバルブ72aを設けると共に、オイルパン11dの外部で且つオイルポンプ73との間に、貯留タンク71からのオイルとオイルパン11dの残部からのオイルとのそれぞれの流量を調整可能な吸い口分配バルブ72bを設けているため、オイルの容量とオイルの温度とを同時に且つ適宜調整することができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記の各実施形態では、エンジン本体1を、水素ガスを燃料とする水素ロータリエンジンとしたが、水素ガスを燃料とする往復動型エンジンであってもよく、水素ガス以外の気体(例えば、天然ガス(CNG))を燃料とするロータリエンジン又は往復動型エンジンであってもよい。
また、上記の各実施形態では、エンジン本体1及び潤滑装置を、シリーズ式ハイブリッド車両(レンジエクステンダーEV車両)に搭載したが、これに限られず、エンジン及び車両駆動用モータを備えた、他のどのような形式のハイブリッド車両に搭載することも可能であり、エンジンのみで駆動される車両に搭載することも可能である。
本発明に係るエンジンの潤滑装置は、ターボ過給機を備えたエンジンにおいて、エンジンオイルに混入した水分を分離することを望まれる用途等に適用することができる。
1 エンジン本体
2 発電機
3 インバータ
4 駆動用モータ
5 バッテリ(蓄電装置)
6 給油管(オイル経路)
7 貯留タンク(水分離用装置)
71 貯留タンク(水分離用装置)
71a 仕切り板
72a オイルパンバルブ(仕切りバルブ)
72b 吸い口分配バルブ
73 オイルポンプ
8 ヒータ(保温装置)
9 水分離管
11 ロータハウジング
11d オイルパン
13 エキセントリックシャフト
85 ターボ過給機
85a コンプレッサ
85b タービン

Claims (6)

  1. エンジン本体と、
    前記エンジン本体の潤滑用のオイルを循環させるオイルポンプと、
    前記エンジン本体からの排気を受けて前記エンジン本体への吸気を圧縮し、前記オイルポンプによって供給されるオイルにより潤滑されるターボ過給機と、
    オイル経路における前記ターボ過給機の下流側にオイルを貯留し、貯留したオイルから水分を分離する水分離用装置とを備え
    前記水分離用装置は、オイルを貯留する貯留タンクを有し、
    前記貯留タンクには、オイルを保温する保温装置が設けられており、保温されたオイルが前記エンジン本体に循環され、
    車両を駆動する駆動用モータと、
    前記駆動用モータを駆動する電気エネルギーを貯蔵する蓄電装置と、
    前記エンジン本体により発電する発電機とをさらに備え、
    前記発電機は、前記蓄電装置又は前記駆動用モータに給電し、
    前記保温装置は、前記蓄電装置から給電され、前記貯留タンクに貯留されたオイルを加熱するヒータを有していることを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  2. 請求項において、
    前記ヒータは、前記蓄電装置における充電率により制御されることを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記保温装置は、前記貯留タンクを保温する保温材を有していることを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか1項において、
    前記エンジン本体は、その下部にオイルを貯留するオイルパンを有し、
    前記貯留タンクは、前記オイルパンの一部を仕切り板により区画されてなり、前記オイルパンの残部とはオイルが流通可能に構成されていることを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  5. 請求項において、
    前記仕切り板には、仕切りバルブが設けられており、
    前記仕切りバルブは、前記エンジン本体における回転数及び負荷によって制御されることを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  6. 請求項1〜のうちのいずれか1項において、
    前記エンジン本体は、少なくとも水素ガスを燃料として燃焼させることを特徴とするエンジンの潤滑装置。
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