以下、本発明を、電子写真方式の画像形成装置である複写機に適用した一実施形態について説明する。なお、本発明は、本実施形態の画像形成装置に限らず、例えばインクジェット方式の画像形成装置などにも適用することができることは言うまでもない。
図2は、本実施形態に係る複写機100を示す模式図である。
この複写機100は、自動原稿搬送装置59や、原稿読取部58や画像形成部50や給紙部52などを備えている。自動原稿搬送装置59は、原稿トレイ59aに載置された原稿束から原稿を1枚ずつ分離して原稿読取部58上のコンタクトガラスに自動給紙するものである。原稿読取部58は、自動原稿搬送装置59によってコンタクトガラス上に搬送された原稿を読み取るものである。画像形成部50は、給紙部52から給紙された記録材であるシートに対して、原稿読取部58によって読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成手段である。給紙部52は、複数枚のシートが積層されたシート束1を収容していて、このシート束1からその最上位に位置する最上位シート1aを画像形成部50に給紙する。
画像形成部50は、潜像担持体として感光体61のまわりに、帯電装置62、現像装置64、転写装置54、感光体クリーニング装置65等を備えている。また、画像形成部50は、感光体61にレーザー光63を照射するための光書込ユニット(不図示)、シート上のトナー画像を定着する定着装置55等を備えている。
上記構成の画像形成部50では、感光体61の回転とともに、まず帯電装置62で感光体61の表面を一様に帯電する。次いで、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等から入力される画像データや、原稿読取部58によって読み取った原稿の画像データに基づく光書込ユニット(不図示)からのレーザー光63を照射して感光体61上に静電潜像を形成する。その後、現像装置64によりトナーを付着させ静電潜像を可視像化することで感光体61上にトナー画像を形成する。
一方、給紙部52は、シートを1枚づつ分離して搬送して、レジストローラ53に突き当てて止める。そして、画像形成部50のトナー画像形成のタイミングに合わせて、レジストローラ53に突き当てて止めたシートを、感光体61と転写装置54とが対向する転写部に送り出す。転写部では、感光体61上のトナー画像が供給されたシートに転写される。トナー画像が転写されたシートは、定着装置55によりトナー画像を定着後、排紙ローラ対56により排紙トレイ57へ排出される。一方、トナー画像転写後の感光体61の表面は、感光体クリーニング装置65で残留トナーを除去して清掃して再度の画像形成に備える。
図3は、給紙部52の概略構成を示す斜視図であり、図4は、給紙部52を示す模式図であり、図5は、吸着分離ユニット110の要部構成を示す図である。
給紙部52は、複数枚のシートを積載して収容するシート材収容部としての給紙カセット11と、給紙カセット11上の複数枚のシートからなるシート束1から最上位に位置する最上位シート1aを分離して搬送するシート搬送装置200とを含んで構成されている。
図4に示すように、給紙カセット11には、積層された複数枚のシート束1を積載する底板7を有している。給紙カセット11の底部と底板7との間には、底板7を支持する支持部材8が回動自在に取り付けられている。また、図3に示すように、給紙部52には、シート束1の最上位シート1aが、所定の位置に到達したことを検知するシート検知手段140が設けられている。
シート検知手段140は、装置本体に設けられた軸142に回転自在に支持されたフィラー144と、透過型光学センサ143とで構成されている。支持部材8を不図示の駆動モータにより回動させ、底板7を上昇させると、底板7に積載されたシート束1が上昇し、最上位シート1aがフィラー144と当接する。このとき、透過型光学センサ143の受光部143aは、発光部143bからの光を受光している。さらに、底板7を上昇させると、フィラー144が、発光部143bの光を遮り、受光部143aが光を受光しなくなる。これにより、シート束1の最上位シート1aが、所定の位置に到達したことが検知され、支持部材8の回転を停止する。
シート搬送装置200は、吸着分離ユニット110、この吸着分離ユニット110を揺動させる揺動手段たる揺動機構120、及び、吸着ベルト2を無端移動させる駆動機構130などを備えている。吸着分離ユニット110は、図5に示すように、下流側張架ローラ5と上流側張架ローラ6とに張架される吸着ベルト2を備えている。
吸着ベルト2は、108[Ω・cm]以上の抵抗を有する50[μm]程度の厚さのポリエチレンテレフタレートからなる表層と、アルミ蒸着により形成された106[Ω・cm]以下の抵抗を有する導電層とを有する2層構造となっている。
吸着ベルト2を上記のような2層構造とすることで、導電層を接地された対向電極として使用することができ、吸着ベルト2に電荷を与える帯電手段としての帯電部材3を、吸着ベルト2の表層に接した位置であればどこでも設けることができる。また、吸着ベルト2の幅方向両側端縁の内側には、寄止め用のリブ23が設けられており、下流側張架ローラ5や上流側張架ローラ6の両側端面とリブ23とが係合し、吸着ベルト2の寄りを防止している。
下流側張架ローラ5は、抵抗値が106[Ω・cm]の導電性ゴム層が表面に設けられ、上流側張架ローラ6は金属ローラである。下流側張架ローラ5及び上流側張架ローラ6は、ともに接地されている。
下流側張架ローラ5は、吸着ベルト2からシートを曲率により分離するのに適した小径にされている。すなわち、下流側張架ローラ5の径を小さく設定して曲率を大きくすることにより、吸着ベルト2に吸着されて搬送されたシートが、下流側張架ローラ5から離れて搬送方向下流側のガイド部材10により形成される搬送路Hに入ることができるようになっている。
また、図5に示すように、下流側張架ローラ5の軸5aは、ハウジング20に回転自在に支持されている。上流側張架ローラ6の軸6aは、ハウジング20のハウジング本体部20aに対してシート搬送方向に摺動可能に保持された軸受22に回転支持されている。軸受22は、スプリング21によりシート搬送方向上流側へ付勢されている。これにより、上流側張架ローラ6が、シート搬送方向上流側に付勢され、吸着ベルト2に張力を付与している。
図6は、ハウジング20の分解図である。ハウジング20に設けられた下流側張架ローラ5の軸5aを軸支する2つの軸孔部20bのうち一方は、ハウジング20のハウジング本体部20aとは別体で設けられており、固定用ビス20cによって、その一方の軸孔部20bをハウジング本体部に取り付けている。
下流側張架ローラ5の軸5aにハウジング20を組み付け時には、ハウジング本体部に対して一方の軸孔部20bを取り外し、他方の軸孔部20bに下流側張架ローラ5の軸5aを軸支させる。その後、取り外している一方の軸孔部20bに下流側張架ローラ5の軸5aを軸支させつつ、前記一方の軸孔部20bをハウジング本体部20aに固定用ビス20cで取り付け固定する。
図3、図4に示すように、吸着分離ユニット110は、吸着ベルト2を揺動自在に保持するためのブラケット12がベルト幅方向両端に設けられている。各ブラケット12は、上流側張架ローラ6よりもシート搬送方向上流側に設けられた支持軸14に回転自在に支持されている。これにより、吸着分離ユニット110は、後述する揺動機構120により、吸着位置と搬送位置との間を、支持軸14を支点にして揺動することができる。
なお、吸着位置とはシート束1の最上位シート1aを吸着ベルト2に吸着させる位置であり、搬送位置とは吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを搬送する位置である。
各ブラケット12には、長孔12aが設けられており、この長孔12aに上流側張架ローラ6の軸6aが貫通している。これにより、上流側張架ローラ6は、ブラケット12に対して移動可能に保持される。一方、下流側張架ローラ5の軸5aは、ブラケット12に設けられた不図示の孔に貫通し、下流側張架ローラ5は、ブラケット12に対して移動不能に保持される。図4に示すように、吸着分離ユニット110が搬送位置にあるとき、上流側張架ローラ6の軸6aは、長孔12aの下端面41aに突き当たっている。
ブラケット12に設けられた長孔12aは、上流側張架ローラ6の軸6aが長孔12a内を移動しても、上流側張架ローラ6の回転中心と下流側張架ローラ5の回転中心との距離が変化しないように、下流側張架ローラ5の回転中心を中心とする円弧形状となっている。その結果、上流側張架ローラ6が、長孔12a内を移動しても、吸着ベルト2の張力が変化することがない。
通常、吸着ベルト2の張力は、5[N]以下でも下流側張架ローラ5及び上流側張架ローラ6と吸着ベルト2との間でスリップすることなく、吸着ベルト2を回転駆動して、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを搬送することが可能である。
一方で、密着力の高いシートなど、特殊な条件のシートを搬送する場合には、下流側張架ローラ5及び上流側張架ローラ6と吸着ベルト2との間にてスリップが起こることが考えられる。そのため、上流側張架ローラ6の表面や下流側張架ローラ5の表面の吸着ベルト2に対する摩擦係数を高くして、スリップを生じにくくしておくことが好ましい。
図7は、吸着ベルト2を回転駆動する駆動機構130の概略構成図である。
各ブラケット12を回転自在に支持する支持軸14の一端には、従動第1プーリ26aと、駆動第2プーリ26bとが固定されている。下流側張架ローラ5の一端には従動第2プーリ25が固定されており、従動第1プーリ26aと従動第2プーリ25とには、従動タイミングベルト28が巻き掛けられている。
また、支持軸14よりもシート搬送方向上流側には、駆動モータ24が設けられており、駆動モータ24のモータ軸24aには、駆動第1プーリ27が固定されている。駆動第1プーリ27と駆動第2プーリ26bとには、駆動タイミングベルト29が巻き掛けられている。
駆動モータ24が駆動すると、駆動タイミングベルト29及び従動タイミングベルト28を介して下流側張架ローラ5が回転駆動する。これにより、吸着ベルト2が回転駆動し、上流側張架ローラ6が、吸着ベルト2の内周面の摩擦により従動回転する。
また、本実施形態においては、ブラケット12を支持する支持軸14を中継して、下流側張架ローラ5に駆動モータ24の駆動力が伝達されるようになっている。このように構成することにより、後述するように、吸着分離ユニット110は、支持軸14を支点にして揺動するため、吸着分離ユニット110が揺動しても、下流側張架ローラ5と支持軸14との距離が変動しない。よって、従動タイミングベルト28の張りは維持されて良好に下流側張架ローラ5に駆動力を伝達することができる。
なお、駆動モータ24から上流側張架ローラ6に駆動力が伝達されるように駆動機構130を構成し、吸着ベルト2を回転させる駆動ローラとして上流側張架ローラ6を用いても良い。
また、図3、図4に示すように、給紙部52のシート搬送方向下流側には、ブラケット12を揺動させる揺動手段としての揺動機構120が設けられている。揺動機構120は、各ブラケット12のシート搬送方向下流側端部に形成された第1駆動伝達部としてのラックギヤ部13と、回転軸16に固定され、ラックギヤ部13にそれぞれ噛み合う第2駆動伝達部材たるピニオンギヤ15とを有している。また、揺動機構120は、揺動モータ30を備えている。回転軸16の一端には、揺動モータ30のモータ軸30aに固定されたモータギヤ31と噛み合う従動ギヤ32が設けられている。
また、各ブラケット12に対応させて設けられた各ピニオンギヤ15を、同一の軸部材である回転軸16に固定することにより、揺動モータ30で回転軸16を回転させることで、各ピニオンギヤ15を回転させることができる。これにより、一つの揺動モータ30で、ベルト幅方向両端に設けられた2つのピニオンギヤ15を回転駆動することができ、部品点数を削減することができ、装置を安価にすることができる。また、簡単な構成で、ベルト幅方向両端に設けられたラックアンドピニオンの駆動を同期することができる。
ラックギヤ部13は、支持軸14を中心としたR形状となっている。ブラケット12に形成されたラックギヤ部13は、吸着分離ユニット110の揺動時、支持軸14を中心にして揺動する。よって、ラックギヤ部13を、支持軸14を中心としたR形状とすることにより、吸着分離ユニット110の揺動時もラックギヤ部13とピニオンギヤ15との噛み合いを維持することができる。また、ブラケット12のシート搬送方向下流側端部にラックギヤ部を形成することにより、ブラケット12と別体のラックギヤをブラケット12に取り付ける場合に比べて、部品点数を削減でき、構成を簡素化することができる。また、揺動機構120のラックアンドピニオンのうち、装置側にピニオンを設けることにより、ピニオンへ駆動を伝達するための構成を、ピニオンを吸着分離ユニット110に設けた場合に比べて、簡単にすることができる。
このような構成の揺動機構120では、揺動モータ30を駆動することにより、各ピニオンギヤ15が回転し、ラックギヤ部13が、シート束1に対して接離する方向へ移動する。これにより、各ブラケット12が、支持軸14を支点にして揺動する。
また、各ブラケット12は、補強部材70により連結固定されている。各ブラケット12を、補強部材70により連結固定することにより、一方のブラケット12と他方のブラケット12とを一体的に揺動させることができる。これにより、ブラケット揺動時に各ブラケット12に保持された吸着ベルト2が、捩れてしまうのを抑えて、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aが、吸着ベルト2から分離するのを抑制することができる。
図8に示すように、吸着ベルト2の表面には、吸着ベルト2の表面を帯電させる帯電手段としてのローラ状の帯電部材3が当接している。帯電部材3は吸着分離ユニット110に回転可能に設けられており、吸着ベルト2に対する位置は一意的に決定している。また、帯電部材3は、交流を発生する帯電電源4に接続されている。
なお、本実施形態では、帯電手段としてローラ状の帯電部材3を用いているが、図9に示すようなブレード状の電極部材103を用いてもよい。電極部材103をブレード状にすることで、ローラ状の帯電部材3に比べ、ピッチ幅の小さい電荷パターンを形成することが可能となる。これにより、積載されたシート束の最上位シート1aに対する吸着力増加が早く、また、2枚目以降のシートに作用する吸着力の減少が早くなる。そのため、分離動作に要する時間の短縮が図れる点で有利である。また、交番した帯電間隔を小ピッチ化しやすく、吸着ベルト2に微小な波うちなどがあっても、安定した帯電を行えなうことができる。
次に、本実施形態のシート搬送装置200を用いたシート搬送動作について、図10を用いて説明する。
図10(a)に示すように、通常、底板7は下降位置にあり、吸着分離ユニット110は吸着位置にある。まず、給紙信号が入ると、揺動モータ30(図3参照)を駆動して、ピニオンギヤ15を図中時計回りに回転駆動させ、支持軸14を支点して図中反時計回り(シート束1から離れる方向)に吸着分離ユニット110を揺動させる。そして、吸着分離ユニット110が搬送位置まで揺動したら、揺動モータ30の駆動を停止する。
図10(b)に示すように、吸着分離ユニット110が搬送位置で停止したら、駆動モータ24(図3参照)を駆動させて、吸着ベルト2を無端移動させる。次に、無端移動する吸着ベルト2に帯電部材3を介して帯電電源4により交番電圧を印加する。そして、吸着ベルト2の表面に交流電源周波数と吸着ベルト2の周動速度に応じたピッチ(ピッチは5[mm]〜15[mm]程度とするのがよい)で交番する電荷パターンを形成する。帯電電源4は交流の他、直流を高低交互の電位に変化させたものでもよく、矩形波、正弦波などが考えられる。本実施形態では、吸着ベルト2の表面に対して4[kV]の振幅を持った矩形波を印加している。
吸着ベルト2への帯電が完了したら、図10(c)に示すように、吸着ベルト2の回転を停止するとともに、下降位置で待機していた底板7の上昇を開始する。また、これと前後して、揺動モータ30を逆回転させ、ピニオンギヤ15を図中反時計回りに回転させて、支持軸14を支点にして図中時計回り(シート束1に近接する方向)に吸着分離ユニット110を揺動させる。
底板7が上昇し、吸着分離ユニット110が下降していくと、シート束1の最上位シート1aが、吸着ベルト2を介して上流側張架ローラ6に当接する。さらに、底板7を上昇させ、吸着分離ユニット110を下降させていくと、上流側張架ローラ6が、シート束1により押し上げられ、長孔12aの下端面41aに突き当たっていた上流側張架ローラ6は、長孔12aに案内されながら、上方へ移動していく。また、底板7の上昇に伴い、フィラー144が図中反時計回りに回転する。そして、シート束1の最上位シート1aが所定の位置にくると、このフィラー144が、透過型光学センサ143の発光部143bの光を遮り、透過型光学センサ143がシート束1の最上位シート1aが所定の位置に到達したことを検知し、底板7の上昇を停止する。
また、吸着分離ユニット110が、吸着位置に到達したら、揺動モータ30の回転を停止する。揺動モータ30がステッピングモータの場合は、回転角度(パルス数)に基づいて揺動モータ30を制御することにより、吸着分離ユニット110を吸着位置に精度よく停止することができる。揺動モータ30がDCモータの場合は、駆動時間に基づいて揺動モータ30を制御することにより、吸着分離ユニット110を吸着位置に精度よく停止することができる。
図10(d)に示すように、底板7の上昇が停止し、吸着分離ユニット110の下降(揺動)が停止すると、吸着ベルト2のシート束1と対向する領域が、シート束1の最上位シート1aと当接する。吸着ベルト2が最上位シート1aと当接すると、誘電体であるシートには吸着ベルト2の表面の電荷パターンにより形成される不平等電界により、Maxwellの応力が働き、シート束1の最上位シート1aが吸着ベルト2に吸着する。
図10(d)に示す状態にて所定時間待機し、吸着ベルト2に最上位シート1aが吸着したら、揺動モータ30を駆動して、ピニオンギヤ15を時計回りに回転駆動させ、吸着分離ユニット110を、支持軸14を支点にして図中反時計回りに揺動させる。すると、下流側張架ローラ5は、ブラケット12とともにシート束1から離間する方向へ移動する。
一方、上流側張架ローラ6は、自重により、シート束1の上面から動かず、ブラケット12に対して相対的にシート束方向へ移動する。これにより、シート束上面に接触させた吸着ベルト2の表面部分がシート束上面に対して傾斜するように、その表面部分がシート束上面から離間する。これにより、シートが曲げられて、吸着ベルト2の表面部分に吸着している最上位シート1aの部分が、吸着ベルト2の揺動動作に伴ってシート束上面からめくられる。この際、吸着ベルト2に吸着したシートに復元力が働き、最上位シート1aのみを吸着ベルト2に吸着させ、二番目のシート1bをシートの復元力により分離させることができる。
吸着分離ユニット110が、支持軸14を支点にしてさらに図中反時計回りに回動すると、上流側張架ローラ6の軸6aが、長孔12aの下端面41aに突き当たる。このように、上流側張架ローラ6が、長孔12aの下端面41aに突き当たった状態から、さらに吸着分離ユニット110を回動させると、上流側張架ローラ6もブラケット12とともに移動し、上流側張架ローラ6が、シート束1の上面から離間する。
図10(e)に示すように、吸着分離ユニット110がシートを搬送する搬送位置に到達すると、揺動モータ30の駆動を停止する。そして、駆動モータ24を駆動して、吸着ベルト2を無端移動させて、吸着ベルト2に吸着している最上位シート1aを、搬送ローラ対9へ向けて搬送する。吸着ベルト2に静電吸着した最上位シート1aの先端が、吸着ベルト2の下流側張架ローラ5の巻き回し部分に到達すると、曲率分離により吸着ベルト2から分離し、ガイド部材10に案内されながら、搬送ローラ対9へ向けて移動する(図10(e)参照)。
搬送ローラ対9と吸着ベルト2との線速は同一にされており、搬送ローラ対9がタイミングを取って間欠駆動されているような場合は、吸着ベルト2も間欠駆動されるように駆動モータ24を制御する。また、駆動機構130に電磁クラッチを設け、電磁クラッチを制御することにより、吸着ベルト2の駆動を制御してもよい。
電荷パターンによる用紙吸着力は最上位シート1aにのみ作用し、二番目のシート1b以下の紙には作用しない。本給紙方式ではピックアップ手段と用紙との間の摩擦力を利用しないので、吸着ベルト2とシート束1との接触圧は充分小さくすることができるので、摩擦による重送を起こさない。
吸着ベルト2は、最上位シート1aの後端が上流側張架ローラ6の対向位置に達する前に、シート束1より離間され二番目のシート1bが吸着ベルト2に吸着されないようにしている。
なお、吸着分離ユニット110を揺動させる揺動機構としては、図11や図12に示すような構成を採用してもよい。図11は吸着分離ユニット110を揺動させる他例の揺動機構を備えたシート搬送装置200を示す模式図であり、図12は前記他例の揺動機構を備えたシート搬送装置200の概略構成を示す斜視図である。図11及び図12で、図4などで示した符号と同じものは、特に説明が無い限り同一部材を示す。
図11、図12において、吸着分離ユニット110を揺動させる揺動機構は、ブラケット112、回転ギヤ113、回動軸114、回転ギヤ115及び回転モータ117などを有している。
下流側張架ローラ5と上流側張架ローラ6とのローラ軸と平行で、且つ、繰り出し方向とは反対側の位置に回動軸114を設ける。そして、下流側張架ローラ5と上流側張架ローラ6との両端部を回転可能に支持するブラケット112により、吸着分離ユニット110を上下に揺動させる。回動軸114の軸方向一端側には、回転モータ117のモータ軸116に設けられた回転ギヤ115と噛み合う、回転ギヤ113が設けられている。そして、回転モータ117の回転駆動方向に応じてブラケット112を上下方向に回動させる。
以下、本実施形態に係る複写機100に設けられたシート搬送装置200の特徴部について説明する。
[構成例1]
図13は、構成例1に係る吸着分離ユニット110の模式図である。詳しくは、図13(a)は吸着分離ユニット110が吸着位置に位置する状態を示す模式図である。図13(b)は吸着分離ユニット110が搬送位置に位置する状態を示す模式図である。図13(c)は吸着分離ユニット110のシート搬送方向と直交するシート幅方向の一端側を上方から見た場合の模式図である。また、図14は、吸着ベルト2の内側に設けられ、吸着分離ユニット110が吸着位置に位置するときに、吸着ベルト2をシート束1に向かって押圧する押圧部材35の斜視図である。
図14に示すように押圧部材35は、吸着ベルト2に接触させる板状の押圧部材本体部35aと、押圧部材本体部35aのシート幅方向両端部に設けられ、ブラケット12の長孔12bで保持される2つの保持部35bを有している。この2つの保持部35bそれぞれの上面には、押圧部材35を弾性的に付勢する弾性部材である圧縮スプリング36が設置される、凸形状の圧縮スプリング設置部35cが設けられている。また、押圧部材本体部35aのシート搬送方向下流側には、下流側張架ローラ5の軸5aが挿入される軸孔が開けられた2つの軸孔部35dが設けられている。
軸孔部35dのうち一方は、押圧部材本体部35aとは別体で設けられており、固定用ビス35eによって、その一方の軸孔部35dを押圧部材本体部35aに取り付けている。下流側張架ローラ5の軸5aに押圧部材35を組み付け時には、押圧部材本体部35aに対して一方の軸孔部35dを取り外し、他方の軸孔部35dに下流側張架ローラ5の軸5aを軸支させる。その後、取り外した一方の軸孔部35dに下流側張架ローラ5の軸5aを軸支させつつ、押圧部材本体部35aに前記一方の軸孔部35dを固定用ビス35eで取り付け固定する。
圧縮スプリング36の一端は押圧部材35の凸形状をなす圧縮スプリング設置部35cに嵌り込んで接続され、圧縮スプリング36の他端は吸着分離ユニット110のブラケット12に設けられた長孔12b内の上端面に接続されている。そして、図15に示すように、吸着分離ユニット110のシート幅方向両端部、言い換えれば、ブラケット12の位置に設けられた圧縮スプリング36により押圧部材35を押す構成となっている。
押圧部材本体部35aのシート搬送方向上流側には、押圧部材本体部35aに対してシート束から離れる方向に屈曲した屈曲部35gが設けられている。押圧部材本体部35aは、少なくとも吸着位置に位置するときに吸着ベルト2と接触し吸着ベルト2をシート束1に向かって押圧する。一方、屈曲部35gは、吸着位置から搬送位置に向けて吸着分離ユニット110を揺動させたときに吸着ベルト2と接触し吸着ベルト2をシート束1に向かって押圧する。
また、図13(c)に示すように、押圧部材35は構成が簡素になるため、下流側張架ローラ5の軸5aに軸孔部35dを介して回転可能に設けられている。シート吸着時、押圧部材35は、押圧部材自身の自重と圧縮スプリング36の付勢力とにより、吸着ベルト2の内側から外側に向かって吸着ベルト2を押圧し、吸着ベルト2を最上位シート1aの上面に押し付ける。これにより、吸着ベルト2や最上位シート1aのうねりなどによる隙間が、吸着ベルト2と最上位シート1aとの間に生じるのを抑えて、吸着ベルト2と最上位シート1aとの接触性を確保することができる。
押圧部材35のシート幅方向における長さは、シート束以上であれば効果は変わらないが全域を覆える際に最も効果が高いため、シート幅同等以上が理想的である。そのため、本実施形態では、シート幅方向における押圧部材35の幅は、シート搬送装置200が対応する最大シート幅よりも大きくしている。
また、シート束1の最上位シート1aをめくる際には、シートの端からめくることで、空気抵抗を抑えられることや、シートを曲げたり変形させたりしなくて済むため、最も力を掛けずに最上位シート1aをシート束からめくることができる。そのため、シート幅方向における押圧部材35の幅を、シート搬送装置200が対応する最大シート幅よりも大きくすることで、シート搬送装置対応の全サイズのシートに対して、押圧部材35の効果を発揮することができる。
また、シート搬送方向における押圧部材35の幅は、できるだけ広くとるのが好ましく、例えば、下流側張架ローラ5と上流側張架ローラ6とによる吸着ベルト2の張架領域の7割から8割程度にするのが良い。これにより、押圧部材35としてローラ部材を用いた場合よりも、押圧部材35による吸着ベルト2の押圧面積を確保することができる。
また、図14に示すように、押圧部材35の屈曲部35gが、所定の曲率形状を有することで、最上位シート1aと二番目のシート1bを分離する際に、最上位シート1aを狙いの屈曲形状にすることができる。なお、屈曲部35gの曲率形状としては、上流側張架ローラ6の曲率よりも大きな曲率を有するように形成すれば良い。
押圧部材35の屈曲部35gの曲率形状は一定である必要はない。一方で、例えば、曲率形状を一定にすることにより、吸着分離ユニット110の上昇量によらず、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aは、ある一定の曲率半径によりシート束1の二番目のシート1bから屈曲させて分離することが可能である。
図1に、吸着時から搬送時までの吸着分離ユニット110の動作について示す。なお、図中のブラケット12に隠れている部分にある部材は、基本的に点線で描いているが、吸着ベルト2に関しては、ブラケット12で隠れている部分も外周を実線で描くことで、吸着ベルト2の形状をわかり易くしている。
また、図16においては、吸着分離ユニット110で押圧部材35や圧縮スプリング36などの図示を省略し、ハウジング20に着目した場合の模式図を示している。詳しくは、図16(a)は吸着分離ユニット110が吸着位置に位置する状態を示す模式図である。図16(b)は吸着分離ユニット110が搬送位置に位置する状態を示す模式図である。図16(c)は吸着分離ユニット110のシート幅方向一端側を上方から見た場合の模式図である。
図17においては、吸着分離ユニット110で上流側張架ローラ6やハウジング20や吸着ベルト2などの図示を省略して、押圧部材35や圧縮スプリング36に着目した場合の模式図を示している。詳しくは、図17(a)は吸着分離ユニット110が吸着位置に位置する状態を示す模式図である。図17(b)は吸着分離ユニット110が搬送位置に位置する状態を示す模式図である。図17(c)は吸着分離ユニット110のシート幅方向一端側を上方から見た場合の模式図である。
図1(a)に示すように、吸着位置では、押圧部材35によって吸着ベルト2が最上位シート1aに押し当てられている。このとき、上流側張架ローラ6の軸6a及び押圧部材35の保持部35bは、ブラケット12に設けられた長孔12a及び長孔12bそれぞれの下端面41a,41bから離間している。
吸着分離ユニット110を揺動させ吸着位置から搬送位置へ持ち上げていくと、上流側張架ローラ6の軸6aと押圧部材35の保持部35bそれぞれが、長孔12a,12b内を下方に移動していく。そして、図1(b)に示すように、上流側張架ローラ6の軸6aよりも先に押圧部材35の保持部35bが長孔12bの下端面41bに突き当たって保持される。
これにより、押圧部材35の回転中心である軸5aよりもシート搬送方向上流側に設けられた長孔12bの下端面41bが、押圧部材35の図中反時計回り方向への所定量以上の回転を規制する規制部材として機能する。
また、このとき押圧部材35の屈曲部35gが、吸着ベルト2と接触し吸着ベルト2をシート束1に向かって押圧する。このように、押圧部材35の屈曲部35gで吸着ベルト2をシート束1に向けて押圧することで、屈曲部35gと上流側張架ローラ6との間にある吸着ベルト2の部分がシート束1の上面と接触する。また、このとき、上流側張架ローラ6の曲率よりも大きな曲率を有する屈曲部35gの曲率形状に吸着ベルト2が巻き付く。
これにより、屈曲部35gと上流側張架ローラ6との間の吸着ベルト2の部分が、シート束1の上面に対して平行な面で接し、前記曲率形状の曲率で吸着ベルトが曲げられるため、上流側張架ローラ6の曲率で吸着ベルト2が大きく曲り過ぎるのを抑制できる。よって、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aが上流側張架ローラ6の曲率で大きく曲げられるのを抑えられ、高剛性のシートを用いた場合に、最上位シート1aがコシにより吸着ベルト2から剥がれてしまうのを抑制することができる。
さらに、吸着分離ユニット110を搬送位置に向けて揺動させ、吸着分離ユニット110が上昇すると、それとともに押圧部材35が圧縮スプリング36の付勢力に抗して上方に移動する。これにより、押圧部材35の保持部35bが長孔12bの下端面41bから離間する。また、このような押圧部材35の移動とともに、図1(c)に示すように、上流側張架ローラ6の軸6aが、長孔12a内を下方に移動し下端面41aに突き当たって保持されることで、吸着ベルト2の内周面から押圧部材35が離間する。
そして、図1(d)に示すように、吸着分離ユニット110が搬送位置に到達し、吸着ベルト2とシート束1とが完全に離間した状態で、吸着ベルト2を回転させて吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを搬送する。
本構成例では、吸着位置から搬送位置への吸着分離ユニット110の揺動動作による、上流側張架ローラ6の移動量が押圧部材35の移動量よりも小さくなっている。そして、このような移動量の差を設けて、上流側張架ローラ6の軸6aと長孔12aの下端面41aとの接触タイミングと、押圧部材35の保持部35bと長孔12bの下端面41bとの接触タイミングとを異ならせている。これにより、吸着ベルト2の内周面に対して押圧部材35が離間するように構成している。つまり、吸着分離ユニット110が吸着位置から搬送位置まで移動する間で、上流側張架ローラ6よりも押圧部材35が、相対位置で上方に移動することにより、吸着ベルト2の内周面から押圧部材35が離間する。
吸着ベルト2の内側から押圧部材35によってシート束上面に向けて押圧をかける場合、搬送時等の吸着ベルト2が回転する際に吸着ベルト内側と押圧部材35とが接触していると、吸着ベルト2の内周面と押圧部材35とが摺擦し合うことになる。このとき、吸着ベルト2と押圧部材35との間で生じる摩擦力が、吸着ベルト2と下流側張架ローラ5との間で生じる摩擦力よりも大きいと、次のような問題が生じ得る。すなわち、吸着ベルト2と押圧部材35との間に生じる摩擦力によって吸着ベルト2に回転負荷がかかり、吸着ベルト2と下流側張架ローラ5との間でスリップが発生して、吸着ベルト2が回転不良を起こしてしまう。
そのため、「押圧部材35に摺動抵抗が小さい素材を用いる」、「吸着ベルト2に対する押圧部材35の接触面積を小さくする」、「吸着ベルト2への押圧部材35の押圧力を小さくする」等の対策を施すと採用可能な構成に制限が発生してしまう。このような制限があると、本来の押圧部材35で吸着ベルト2を押圧することによる、吸着ベルト2と最上位シート1aとの接触性の確保が実現困難になってしまう。
一方、本構成例においては、押圧部材35の吸着ベルト2に対する接触状態と離間状態とを切り替え可能に構成している。すなわち、吸着分離ユニット110が吸着位置に位置するときには、吸着ベルト2に押圧部材35を接触させて押圧し、吸着分離ユニット110が搬送位置に位置するときには、吸着ベルト2から押圧部材35を離間させる。
これにより、搬送位置で最上位シート1aを搬送するときに、押圧部材35を吸着ベルト2から離間させた状態で吸着ベルト2を回転させることができる。よって、吸着ベルト2と押圧部材35との間で生じる摩擦力の影響を受けず、吸着ベルト2に回転負荷がかからないようにし、吸着ベルト2と下流側張架ローラ5との間でスリップが発生して吸着ベルト2の回転不良が生じてしまうのを抑制できる。
したがって、上記制限の発生を起こすことなく、吸着ベルト2と最上位シート1aとの接触性の確保に必要な押圧部材35の面積と圧力とが設定可能となる。ゆえに、吸着ベルト2の回転不良を抑えつつ、吸着ベルト2と最上位シート1aとの接触性を確保することができる。
ここで、吸着位置から搬送位置へ吸着分離ユニット110を揺動させて、最上位シート1aをシート束1からめくる際、押圧部材35が吸着ベルト2の内周面から離間するまでの間は、押圧部材35と吸着ベルト2の内周面との間で擦れが生じる。そして、この擦れにより吸着ベルト2を回転させようとする回転力が発生する。
このとき、吸着ベルトの内周面に対する押圧部材35の摩擦係数よりも、吸着ベルト2の内周面に対する下流側張架ローラ5の外周面の摩擦係数が低いと、前記回転力により下流側張架ローラ5に対して吸着ベルト2が滑り、吸着ベルト2が少し回転する虞がある。このように、吸着ベルト2が回転してしまうと、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aの先端位置が適切な位置からズレてしまい、搬送不良の原因となってしまう。
そのため、本構成例においては、吸着ベルト2の内周面に対する押圧部材35の接触面の摩擦係数よりも、吸着ベルト2の内周面に対する下流側張架ローラ5の外周面の摩擦係数を高くしている。これにより、前記回転力が発生したとしても、下流側張架ローラ5に対して吸着ベルト2が滑らず、吸着ベルト2が回転するのを抑制することができる。よって、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aの先端位置が適切な位置からズレてしまい、搬送不良が生じるのを抑制することができる。
[構成例2]
図18は本構成例のシート搬送装置200で用いられる、延在部35fを有する押圧部材35の斜視図である。図19は、押圧部材35の図中反時計回り方向への所定量以上の回転を規制する規制部材である突き当て部材44について説明する図である。
本構成例においては、図18に示すように、押圧部材35の回転中心である軸5aよりもシート搬送方向下流側に軸孔部35dから延びた延在部35fが押圧部材35に設けられている。また、図19に示すように、押圧部材35の回転中心である軸5aよりもシート搬送方向下流に、押圧部材35の図中反時計回り方向への所定量以上の回転を規制する規制部材である突き当て部材44を設けている。この突き当て部材44は、吸着分離ユニット110の揺動に伴って、押圧部材35の延在部35fと接離可能な位置で、シート搬送装置200の側板内側面に設けられている。
さらに、押圧部材35の回転中心である軸5aよりもシート搬送方向上流側に設けられた長孔12bの下端面41bが、押圧部材35の図中反時計回り方向への所定量以上の回転を規制する規制部材として機能する。
図20に、本構成例における吸着時から搬送時までの吸着分離ユニット110の動作について示す。
図20(a)に示すように、吸着位置では、押圧部材35によって吸着ベルト2が最上位シート1aに押し当てられている。このとき、上流側張架ローラ6の軸6a及び押圧部材35の保持部35bは、ブラケット12に設けられた長孔12a及び長孔12bそれぞれの下端面41a,41bから離間している。また、押圧部材35の延在部35fは、突き当て部材44から離間している。
吸着分離ユニット110を揺動させ吸着位置から搬送位置へ持ち上げていくと、上流側張架ローラ6の軸6aと押圧部材35の保持部35bそれぞれが、長孔12a,12b内を下方に移動していく。そして、図20(b)に示すように、上流側張架ローラ6の軸6aよりも先に押圧部材35の保持部35bが長孔12bの下端面41bに突き当たって保持される。また、押圧部材35は圧縮スプリング36からの付勢力によって軸5aを中心に図中反時計回り方向に回転する。
また、このとき押圧部材35の屈曲部35gが、吸着ベルト2と接触し吸着ベルト2をシート束1に向かって押圧する。このように、押圧部材35の屈曲部35gで吸着ベルト2をシート束1に向けて押圧することで、屈曲部35gと上流側張架ローラ6との間にある吸着ベルト2の部分がシート束1の上面と接触する。
これにより、屈曲部35gと上流側張架ローラ6との間の吸着ベルト2の部分が、シート束1の上面に対して平行な面で接するので、前記吸着ベルト2の部分が上流側張架ローラ6の曲率に従って大きく曲るのを抑制することができる。よって、厚紙など高剛性のシートを用いた場合に、上流側張架ローラ6の曲率により吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aが大きく曲げられ、コシにより最上位シート1aが吸着ベルト2から剥がれてしまうのを抑制することができる。
さらに、吸着分離ユニット110を搬送位置に向けて揺動させ、吸着分離ユニット110が上昇すると、それとともに押圧部材35が圧縮スプリング36の付勢力に抗して上方に移動する。
また、このような押圧部材35の移動とともに、図20(c)に示すように、押圧部材35の屈曲部35gが、吸着ベルト2をシート束1に向かって押圧した状態で、上流側張架ローラ6の軸6aが、長孔12a内を下方に移動し下端面41aに突き当たって保持される。これにより、吸着ベルト2がシート束1に対して完全に離間するときにも、厚紙など高剛性のシートを用いた場合に、上流側張架ローラ6の曲率により最上位シート1aが大きく曲げられ、コシにより最上位シート1aが吸着ベルト2から剥がれるのを抑制できる。
なお、屈曲部35gと上流側張架ローラ6との間の吸着ベルト2の部分が、シート束1の上面と平行な状態、または、略平行な状態で、シート束1から吸着ベルト2を離間させるようにするのが好ましい。これにより、吸着ベルト2から最上位シート1aが剥がれるのを抑制できる。
そして、さらに、吸着分離ユニット110を搬送位置に向けて揺動させ、吸着分離ユニット110が上昇すると、図20(d)に示すように、押圧部材35の延在部35fが突き当て部材44に突き当たって、押圧部材35の図中反時計回り方向への回転が規制される。
そして、図20(e)に示すように、吸着分離ユニット110が搬送位置に到達すると、吸着ベルト2の内周面から押圧部材35が離間し、この状態で吸着ベルト2を回転させて吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを搬送する。
また、搬送位置において、押圧部材35がベルト接触から離れことでベルト上面と下面が平行状態になると、吸着ベルト2にストレスがなく、耐久面で効果的かつ、搬送されるシートにも曲げのストレスがないので剥がれを防止できる。
[構成例3]
本構成例においては、押圧部材35の回転中心である軸5aよりもシート搬送方向下流に、押圧部材35の図中反時計回り方向への所定量以上の回転を規制する規制部材である突き当て部材44を設けている。
図21に、本構成例における吸着時から搬送時までの吸着分離ユニット110の動作について示す。
図21(a)に示すように、吸着位置では、押圧部材35によって吸着ベルト2が最上位シート1aに押し当てられている。このとき、上流側張架ローラ6の軸6aは、ブラケット12に設けられた長孔12aの下端面41aから離間しており、押圧部材35の延在部35fは、突き当て部材44から離間している。
吸着分離ユニット110を揺動させ吸着位置から搬送位置へ持ち上げていくと、上流側張架ローラ6の軸6aが、長孔12a内を下方に移動していく。また、押圧部材35は圧縮スプリング36からの付勢力によって軸5aを中心に図中反時計回り方向に回転する。
そして、図21(b)に示すように、上流側張架ローラ6の軸6aが長孔12aの下端面41aに突き当たる前に、押圧部材35の延在部35fが突き当て部材44に突き当たって、押圧部材35の図中反時計回り方向への回転が規制される。
また、このとき押圧部材35の屈曲部35gが、吸着ベルト2と接触し吸着ベルト2をシート束1に向かって押圧する。このように、押圧部材35の屈曲部35gで吸着ベルト2をシート束1に向けて押圧することで、屈曲部35gと上流側張架ローラ6との間にある吸着ベルト2の部分がシート束1の上面と接触する。これにより、屈曲部35gと上流側張架ローラ6との間の吸着ベルト2の部分が、シート束1の上面に対して平行な面で接するので、前記吸着ベルト2の部分が上流側張架ローラ6の曲率に従って大きく曲るのを抑制することができる。よって、厚紙など高剛性のシートを用いた場合に、上流側張架ローラ6の曲率により吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aが大きく曲げられ、コシにより最上位シート1aが吸着ベルト2から剥がれてしまうのを抑制することができる。
さらに、吸着分離ユニット110を搬送位置に向けて揺動させ、吸着分離ユニット110が上昇すると、それとともに押圧部材35が圧縮スプリング36の付勢力に抗して上方に移動する。
また、このような押圧部材35の移動とともに、図21(c)に示すように、押圧部材35の屈曲部35gが、吸着ベルト2をシート束1に向かって押圧した状態で、上流側張架ローラ6の軸6aが、長孔12a内を下方に移動し下端面41aに突き当たって保持される。これにより、吸着ベルト2がシート束1に対して完全に離間するときにも、厚紙など高剛性のシートを用いた場合に、上流側張架ローラ6の曲率により最上位シート1aが大きく曲げられ、コシにより最上位シート1aが吸着ベルト2から剥がれるのを抑制できる。
なお、屈曲部35gと上流側張架ローラ6との間の吸着ベルト2の部分が、シート束1の上面と平行な状態、または、略平行な状態で、シート束1から吸着ベルト2を離間させるようにするのが好ましい。これにより、吸着ベルト2から最上位シート1aが剥がれるのを抑制できるとともに、吸着ベルト2の耐久性の面で効果的である。
そして、図21(d)に示すように、吸着分離ユニット110が搬送位置に到達すると、吸着ベルト2の内周面から押圧部材35が離間し、この状態で吸着ベルト2を回転させて吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを搬送する。
[構成例4]
本構成例では、は吸着位置−搬送位置間において、押圧部材35を弾性部材である圧縮スプリング43で付勢する。
本構成例においては、図22に示すように、押圧部材35の回転中心である軸5aよりもシート搬送方向下流に、押圧部材35の図中反時計回り方向への所定量以上の回転を規制する規制部材である突き当て部材45を設けている。この突き当て部材45は、圧縮スプリング43によって図中下方に付勢されており、押圧部材35の軸5aよりもシート搬送方向下流側に延びた延在部35fと接しつつ、シート搬送装置200の側板に形成された長孔内で変位可能に設けられている。
下流側張架ローラ5の軸5aに回転可能に支持された押圧部材35に作用する回転モーメントの合力は次の関係から決まる。すなわち、軸5aよりもシート搬送方向上流側での圧縮スプリング36からの付勢力と、軸5aよりもシート搬送方向下流側での圧縮スプリング43からの付勢力と、押圧部材自身の自重との関係から、押圧部材35に作用する回転モーメントの合力が決まる。そして、その回転モーメントの合力から下流側張架ローラ5の軸5aを回転中心とした、ベルト内部付勢方向とベルト内部離間方向とのいずれかへの押圧部材35の回転方向が決まる。
なお、「ベルト内部付勢方向」とは、図22の矢印Aで示すように、下流側張架ローラ5の軸5aを回転中心に、押圧部材35が吸着ベルト2の内周面を押圧する回転方向のことである。また、「ベルト内部離間方向」とは、図22の矢印Bで示すように、下流側張架ローラ5の軸5aを回転中心に、押圧部材35が吸着ベルト2の内周面から離間する回転方向のことである。
図23に、本構成例における吸着時から搬送時までの吸着分離ユニット110の動作について示す。
図23(a)に示すように、吸着位置では、押圧部材35によって吸着ベルト2が最上位シート1aに押し当てられている。このとき、上流側張架ローラ6の軸6aは、ブラケット12に設けられた長孔12aの下端面41aから離間しており、押圧部材35の延在部35fは、突き当て部材44と接している。
このとき、(圧縮スプリング36からの付勢力+軸5aよりもシート搬送方向上流側における押圧部材の自重)>(圧縮スプリング43からの付勢力+軸5aよりもシート搬送方向下流側における押圧部材の自重)の関係を満たしている。そのため、押圧部材35には、ベルト内部付勢方向に回転する力が作用し、押圧部材35がベルト内周面を押圧する。
吸着分離ユニット110を揺動させ吸着位置から搬送位置へ持ち上げていくと、上流側張架ローラ6の軸6aが、長孔12a内を下方に移動していく。また、押圧部材35は圧縮スプリング36からの付勢力によって軸5aを中心に図中反時計回り方向に回転する。
そして、さらに吸着分離ユニット110を揺動させて持ち上げていくと、図23(b)に示すように、上流側張架ローラ6の軸6aが長孔12aの下端面41aに突き当たる前の状態では、ベルト内部離間方向に押圧部材35が回転する。このとき、(圧縮スプリング36からの付勢力+軸5aよりもシート搬送方向上流側における押圧部材の自重)<(圧縮スプリング43からの付勢力+軸5aよりもシート搬送方向下流側における押圧部材の自重)の関係を満たしている。
また、このとき押圧部材35の屈曲部35gが、吸着ベルト2と接触し吸着ベルト2をシート束1に向かって押圧する。このように、押圧部材35の屈曲部35gで吸着ベルト2をシート束1に向けて押圧することで、屈曲部35gと上流側張架ローラ6との間にある吸着ベルト2の部分がシート束1の上面と接触する。
これにより、屈曲部35gと上流側張架ローラ6との間の吸着ベルト2の部分が、シート束1の上面に対して平行な面で接するので、前記吸着ベルト2の部分が上流側張架ローラ6の曲率に従って大きく曲るのを抑制することができる。よって、厚紙など高剛性のシートを用いた場合に、上流側張架ローラ6の曲率により吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aが大きく曲げられ、コシにより最上位シート1aが吸着ベルト2から剥がれてしまうのを抑制することができる。
さらに、吸着分離ユニット110を搬送位置に向けて揺動させ、吸着分離ユニット110が上昇すると、それとともに押圧部材35が圧縮スプリング36の付勢力に抗して上方に移動する。
また、このような押圧部材35の移動とともに、図23(c)に示すように、押圧部材35の屈曲部35gが、吸着ベルト2をシート束1に向かって押圧した状態で、上流側張架ローラ6の軸6aが、長孔12a内を下方に移動し下端面41aに突き当たって保持される。これにより、吸着ベルト2がシート束1に対して完全に離間するときにも、厚紙など高剛性のシートを用いた場合に、上流側張架ローラ6の曲率により最上位シート1aが大きく曲げられ、コシにより最上位シート1aが吸着ベルト2から剥がれるのを抑制できる。
なお、屈曲部35gと上流側張架ローラ6との間の吸着ベルト2の部分が、図23(c)に示すようにシート束1の上面と平行な状態、または、略平行な状態で、シート束1から吸着ベルト2を離間させるようにするのが好ましい。これにより、吸着ベルト2から最上位シート1aが剥がれるのを抑制できる。
そして、図23(d)に示すように、吸着分離ユニット110が搬送位置に到達すると、吸着ベルト2の内周面から押圧部材35が離間し、この状態で吸着ベルト2を回転させて吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを搬送する。
本構成例においては、図23(a)に示すように吸着分離ユニット110の上昇開始から所定位置までは、ベルト内部付勢方向のモーメントが優勢となる。そして、図23(b)前記所定位置からベルト内部離間方向のモーメントが優勢となる。なお、このようなモーメントの関係を満たすように、圧縮スプリング36と圧縮スプリング43の長さやバネ定数などを決定すれば良い。
これにより、図23(d)に示すように、搬送位置で最上位シート1aを搬送するときに、押圧部材35を吸着ベルト2から離間させた状態で吸着ベルト2を回転させることができる。
また、搬送位置において、押圧部材35がベルト接触から離れことでベルト上面と下面が平行状態になると、吸着ベルト2にストレスがなく、耐久面で効果的かつ、搬送されるシートにも曲げのストレスがないので剥がれを防止できる。
[構成例5]
図24は、構成例5に係る吸着分離ユニット110の模式図である。詳しくは、図24(a)は吸着分離ユニット110が吸着位置に位置する状態を示す模式図である。図24(b)は吸着分離ユニット110が搬送位置に位置する状態を示す模式図である。図24(c)は吸着分離ユニット110のシート幅方向一端側を上方から見た場合の模式図である。また、図25(a)に、構成例5に係る押圧部材35の斜視図を示しており、図25(b)に、押圧部材35を保持したブラケット12の長孔12b近傍の拡大図を示している。
本構成例においては、シート搬送装置200の基本的な構成や、吸着ベルト2に対する押圧部材35の離間の仕方は、構成例1と同じであるが、押圧部材35の保持の仕方が構成例1とは異なる。すなわち、本構成例では、図24、図25に示すように、押圧部材35の保持部35bのシート搬送方向両端面が、ブラケット12の長孔12b内の両側面上に設けられた凸形状の摺動部37と摺動可能なように、保持部35bが長孔12bに保持されている。吸着分離ユニット110に対する押圧部材35の保持の仕方は、吸着分離ユニット110に対する上流側張架ローラ6の角度やレイアウトによって、構成を決定すれば良い。
[構成例6]
本構成例においては、図26に示すように、各ブラケット12よりもシート幅方向内側で、吸着ベルト2の内側に位置するハウジング20の部分に圧縮スプリング36を設けて、圧縮スプリング36により押圧部材35を押す構成となっている。
圧縮スプリング36の設置位置は、構成例1などのように、吸着分離ユニット110のブラケット12などに設ける構成が最も組立てや交換には向いている。しかしながら、シート幅が297[mm]ある、A4ヨコシートやA3タテシートのようなカット紙を吸着しようとする場合、前記カット紙のシート幅方向両端部あるいはその付近を押圧可能なように圧縮スプリング36を設けたほうが良い。すなわち、吸着ベルト2の内側に位置するハウジング20の部分に圧縮スプリング36を設けることで、吸着分離ユニット110のシート幅方向両端部のブラケット12に圧縮スプリング36を設けて押圧をかけるよりも、吸着性確保の効果が高くなる。
この構成のとき、ハウジング20及びハウジング20に保持されるものの総重量(以下、ハウジング総重量という)と圧縮スプリング36の力の総量との大小関係により、次のような差異がある。
ハウジング総重量の方が大きい場合、圧縮スプリング36の圧力は、下流側張架ローラ5及び上流側張架ローラ6から圧縮スプリング36の圧力は抜けるが、下流側張架ローラ5及び上流側張架ローラ6、押圧部材35ともに吸着ベルト2を介して最上位シート1aの上面に接触する。一方、圧縮スプリング36の力の総量の方が大きい場合、下流側張架ローラ5及び上流側張架ローラ6の下部部分の圧力は抜ける形となり、押圧部材35の下部のみを強く接触させることとなる。
このような、ハウジング総重量に対する圧縮スプリング36の力の設計は、吸着ベルト2と最上位シート1aとの位置関係や接触に必要な位置から設定することも可能である。本実施形態では、圧縮スプリング36の力の総量の方が、ハウジング総重量よりも大きくなるように設計するのが好ましい。
圧縮スプリング36の直下は、最も吸着ベルト2と最上位シート1aとの接触が確保されるため、吸着ベルト2に対する最上位シート1aの吸着も確実となる。また、吸着ベルト2に最上位シート1aが吸着した後、吸着分離ユニット110の揺動により最上位シート1aを持ち上げて、シート束1から最上位シート1aをめくりあげるときには、シート束1に対して最上位シート1aの端から離間していく。そのため、吸着ベルト2の吸着不足による持ち上げ失敗や、誤ってシートを2枚持ち上げてしまうことを抑制するためにも、シート搬送方向下流側端部の吸着性確保は最も重要と言える。
そこで、本構成例のように、圧縮スプリング36を最上位シート1aのシート搬送方向下流側端部に対応させて配置する。これにより、圧縮スプリング36の直下での吸着ベルト2と最上位シート1aとの接触が強くなるため、シート搬送方向下流側端部での吸着ベルト2と最上位シート1aとの吸着性確保に関して最適となる。
また、シート搬送方向と直交するシート幅方向における吸着ベルト2の幅を、シート束1のシート幅に近くしている場合などでは、シート搬送方向における吸着ベルト2の幅が300[mm]程と長くなるため、押圧部材35もシート幅方向で長い形状となる。そのため、押圧部材35のシート幅方向両端部を圧縮スプリング36によって押圧しても、押圧部材35がシート幅方向で反るように変形し、押圧部材35のシート幅方向中央部では圧抜けが発生する。そこで、吸着ベルト2内のハウジング20を圧縮スプリング36の台座にして圧縮スプリング36により押圧荷重を押圧部材35にかけることにより、吸着ベルト中央部もしくは各必要な位置に対して直接荷重をかけることが可能となる。
また、構成例1のように吸着分離ユニット110のブラケット12に圧縮スプリング36を設けると、圧縮スプリング36による押圧部材35への押圧力に逆らって吸着分離ユニット110を吸着位置に移動させる必要がある。そのため、前記押圧力が強すぎると、吸着分離ユニット110を揺動させるのに要するトルク負荷が増大する。そこで、下流側張架ローラ5の軸5aに回転可能に保持されたハウジング20に、圧縮スプリング36を設けることで、前記トルク負荷の増加を抑えつつ、ハウジング20と下流側張架ローラ5との荷重分を押圧部材35の面に分布させ、吸着性確保に利用できる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
積載されたシート束1などのシート束の上面に対向配置された無端状の吸着ベルト2などの吸着ベルトと、吸着ベルトを張架する下流側張架ローラ5などの第1張架ローラと、第1張架ローラのシート搬送方向上流側に位置する上流側張架ローラ6などの第2張架ローラとを有する吸着分離ユニット110などの吸着分離ユニットと、第1張架ローラまたは第2張架ローラを回転駆動させる張架ローラ駆動手段と、吸着ベルトの表面を帯電させる帯電部材3などの帯電手段と、シート束の最上位シート1aなどの最上位シートを吸着ベルトに接触させ吸着させる吸着位置と、吸着ベルトに吸着した最上位シートを搬送する、吸着位置よりもシート束から離れた搬送位置との間を吸着ベルトが往復移動するように、第2張架ローラよりもシート搬送方向上流側に設けられた支持軸14などの支持部材を支点にして吸着分離ユニットを揺動させる揺動機構120などの揺動手段とを備えたシート搬送装置200などのシート搬送装置において、吸着ベルトの内側に設けられ、吸着位置から搬送位置に向けて吸着ベルトを揺動させたときに、吸着ベルトの第2張架ローラ近傍をシート束に押し付ける押圧部材35などの押し付け部材を設け、前記押し付け部材は、押圧部材本体部35aなどの平行部と、該平行部とシート搬送方向上流側で接続され該平行部に対してシート束から離れる方向に屈曲した屈曲部35gとを有し、前記吸着位置から前記搬送位置に向けて前記吸着分離ユニットを揺動させたときに、前記屈曲部によって前記吸着ベルトの第2張架ローラ近傍をシート束に向かって押圧する。これによれば、上記実施形態について説明したように、吸着ベルトに吸着した最上位シートが第2張架ローラの曲率で大きく曲げられるのを抑えられ、高剛性のシートを用いた場合に、最上位シートがコシにより吸着ベルトから剥がれてしまうのを抑制することができる。
(態様B)
(態様A)において、上記押し付け部材は上記吸着分離ユニットに対して回転可能であり、押し付け部材の回転中心よりもシート搬送方向下流側とシート搬送方向上流側との少なくとも一方に、押し付け部材の所定量以上の回転を規制する突き当て部材44などの規制部材を少なくとも1つ以上設けた。これによれば、上記実施形態について説明したように、押し付け部材による内側の吸着ベルトの接触から離間を任意に設定することができる。よって、吸着位置での押し付け部材による内側の吸着ベルトの接触、屈曲によるシートの分離、押し付け部材の吸着ベルトからの離間という動作が可能となる。
(態様C)
(態様A)において、上記押し付け部材は上記吸着分離ユニットに対して回転可能であり、押し付け部材の回転中心よりもシート搬送方向下流に、押し付け部材を付勢する突き当て部材45などの付勢部材を少なくとも1つ以上設けた。これによれば、上記実施形態について説明したように、吸着位置から吸着分離ユニットの所定の上昇位置までは、吸着ベルトを押圧する方向に押し付け部材を回転させることが可能となる。これにより、前記所定の上昇位置からは押し付け部材が吸着ベルトから離間する方向に回転させることが可能となる。よって、吸着位置での押し付け部材による内側の吸着ベルトの接触、屈曲によるシートの分離、押し付け部材の吸着ベルトからの離間という動作が可能となる。
(態様D)
(態様A)、(態様B)または(態様C)において、上記屈曲部が曲率形状を有する。これによれば、上記実施形態について説明したように、吸着ベルトに吸着したシートが、前記曲面形状にならうことで、狙いの曲率分離が可能となる。
(態様E)
(態様D)において、上記曲率形状は、上記第2張架ローラの曲率よりも大きな曲率を有しており、上記吸着位置から上記搬送位置に向けて上記吸着ベルトを揺動させたときに、前記曲率形状に吸着ベルトを巻き付けつつ、吸着ベルトの第2張架ローラ近傍を上記屈曲部でシート束に押し付ける。これによれば、上記実施形態について説明したように、前記曲率形状の曲率で吸着ベルトが曲げられるため、第2張架ローラの曲率で吸着ベルトが大きく曲り過ぎるのを抑制することができる。
(態様F)
(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)または(態様E)において、上記搬送位置では上記押し付け部材が上記吸着ベルトから離間するように構成した。これによれば、上記実施形態について説明したように、吸着ベルトの回転不良を抑えつつ、吸着ベルトと最上位シートとの接触性を確保できる。
(態様G)
(態様F)において、上記第2張架ローラと上記押し付け部材とを、シート束の上面に対して所定範囲上下方向に移動可能に支持しており、上記吸着位置から上記搬送位置への上記吸着分離ユニットの揺動動作による、前記第2張架ローラの移動量は前記押し付け部材の移動量よりも小さい。これによれば、上記実施形態について説明したように、吸着分離ユニットを吸着位置から搬送位置に揺動させることで、吸着ベルトの内側から押し付け部材を離間させることができる。
(態様H)
(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)、(態様F)または(態様G)において、上記第1張架ローラの軸5aなどの回転軸に対して回動可能に設けられたハウジング20などのハウジングと、一端を押し付け部材に接触させ他端をハウジングに接触させて設けられ、押し付け部材を弾性的に付勢する圧縮スプリング36などの弾性部材を有する。これによれば、上記実施形態について説明したように、良好な吸着性を確保することができる。
(態様I)
(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)、(態様F)または(態様G)において、シート搬送方向と直交するシート幅方向における上記押し付け部材の幅が、シート搬送装置が対応する最大シート幅よりも大きい。これによれば、上記実施形態について説明したように、シート搬送装置対応の全サイズのシートに対して、押し付け部材による接触性確保の効果を発揮することができる。
(態様J)
(態様I)において、シート束のシート搬送方向下流側端部に対応させて、上記押し付け部材を弾性的に付勢する圧縮スプリング36などの弾性部材を設けた。これによれば、上記実施形態について説明したように、吸着ベルトへのシートの吸着不足によるシート持ち上げの失敗や、誤ってシート束からシートを2枚持ち上げてしまうことを抑制することができる。
(態様K)
シートに画像を形成する画像形成部50などの画像形成手段と、積載されたシート束から最上位シートを分離し、前記画像形成手段へ最上位シートを搬送するシート搬送装置200などのシート搬送手段とを備えた複写機100などの画像形成装置において、前記シート搬送手段として、(態様A)、(態様B)、(態様C)、(態様D)、(態様E)、(態様F)、(態様G)、(態様H)、(態様I)または(態様J)のシート搬送装置を有する。これによれば、上記実施形態について説明したように、高剛性のシートを用いた場合に吸着ベルトに吸着したシートが剥がれてしまうのを抑制することができ、良好なシート搬送を行って画像形成を行うことができる。