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JP6274566B2 - シート搬送装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description

本発明は、シート搬送装置および画像形成装置に関するものである。
積載された原稿や記録紙等のシートを分離して搬送する方法として、吸着ベルトに電界を形成し、これをシートに接触させて吸着し分離する静電吸着分離方式のシート搬送装置が知られている。
特許文献1に記載の静電吸着分離方式のシート搬送装置は、二本のローラに巻き掛けられた誘電体の吸着ベルトと、この吸着ベルトに当接する帯電部材たる帯電ブレードを有し帯電ブレードに交番電圧を印加して吸着ベルトに交番電荷を付与する電荷付与手段とを備えている。
給紙の前段階においては、吸着ベルトは、シート束から離間した位置に位置している。シート束の最上位シートを分離して搬送するときは、まず、吸着ベルトを回転させて、吸着ベルトに帯電ブレードを介して交番電荷を付与する。吸着ベルトに交番電荷を付与したら、吸着ベルトの回転を停止し、吸着ベルトをシート束側へ移動させ、吸着ベルトをシート束の最上位シートに接触させ、シート束の最上位シートを吸着ベルトに吸着させる。
シート束上面に接触させた吸着ベルトの表面部分に、シート束の最上位シートが吸着ベルトに吸着したら、吸着ベルトをシート束から離間する方向へ移動させ、吸着ベルトに吸着した最上位シートをシート束から分離する。そして、吸着ベルトを回転駆動させ、吸着ベルトに吸着した最上位シートを狭持搬送手段たる搬送ローラ対へ向けて搬送する。
上記特許文献1に記載のシート搬送装置においては、吸着ベルトの寿命が短いという課題があった。
本発明は以上の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、吸着ベルトの寿命を延ばすことができるシート搬送装置および画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数のローラに張架され、積載されたシート束の上面に対向配置される吸着ベルトと、帯電部材および該帯電部材に電圧を印加する電圧印加手段とを備え該吸着ベルト表面を帯電させる帯電手段とを備え上記帯電手段により帯電した吸着ベルトで上記シート束の最上位シートを静電吸着して、上記最上位シートを挟持搬送手段のニップに向けて搬送するシート搬送装置において、上記吸着ベルトと上記挟持搬送手段との間に配置され、シートを検知するシート検知手段と、上記シート検知手段の検知結果に基づいて、上記帯電部材への電圧印加を停止するよう上記電圧印加手段を制御する制御手段とを備え、上記帯電手段による上記吸着ベルトの帯電位置から、上記吸着ベルトの上記シート束と対向する対向部のシート搬送方向上流側端部までの距離をL1、上記シート検知手段から上記挟持搬送手段のニップまでの距離をL2としたとき、L2≦L1とし、上記シート検知手段がシートを検知したら、上記帯電部材への電圧印加を停止することを特徴とするものである。
本発明によれば、吸着ベルトの寿命を延ばすことができる。
本実施形態に係る複写機を示す模式図。 給紙部の概略構成を示す斜視図。 給紙部を示す模式図。 吸着分離ユニットの要部構成を示す図。 ハウジングの分解図。 吸着ベルトを回転駆動する駆動機構の概略構成図。 吸着分離ユニットの要部構成を示す斜視図。 シート搬送装置を用いたシート搬送動作について説明する図。 本実施形態の特徴部を示すシート搬送装置の模式図。 帯電電源のON/OFF制御の制御フロー図。 シート検知センサが、シートを検知したときの様子を説明する図。 シートの先端が搬送ローラ対のニップに到達したときの吸着ベルトの帯電領域と帯電なし領域とを示す図。
以下、本発明を、電子写真方式の画像形成装置である複写機に適用した一実施形態について説明する。なお、本発明は、本実施形態の画像形成装置に限らず、例えばインクジェット方式の画像形成装置などにも適用することができることは言うまでもない。
図1は、本実施形態に係る複写機100を示す模式図である。
この複写機100は、自動原稿搬送装置59や、原稿読取部58や画像形成部50や給紙部52などを備えている。自動原稿搬送装置59は、原稿トレイ59aに載置された原稿束から原稿を1枚ずつ分離して原稿読取部58上のコンタクトガラスに自動給紙するものである。原稿読取部58は、自動原稿搬送装置59によってコンタクトガラス上に搬送された原稿を読み取るものである。画像形成部50は、給紙部52から給紙された記録材であるシートに対して、原稿読取部58によって読み取った原稿画像に基づいて画像を形成する画像形成手段である。給紙部52は、複数枚のシートが積層されたシート束1を収容していて、このシート束1からその最上位に位置する最上位シート1aを画像形成部50に給紙する。
画像形成部50は、潜像担持体として感光体61のまわりに、帯電装置62、現像装置64、転写装置54、感光体クリーニング装置65等を備えている。また、画像形成部50は、感光体61にレーザー光63を照射するための光書込ユニット(不図示)、シート上のトナー画像を定着する定着装置55等を備えている。
上記構成の画像形成部50では、感光体61の回転とともに、まず帯電装置62で感光体61の表面を一様に帯電する。次いで、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等から入力される画像データや、原稿読取部58によって読み取った原稿の画像データに基づく光書込ユニット(不図示)からのレーザー光63を照射して感光体61上に静電潜像を形成する。その後、現像装置64によりトナーを付着させ静電潜像を可視像化することで感光体61上にトナー画像を形成する。
一方、給紙部52は、シートを1枚づつ分離して搬送して、レジストローラ53に突き当てて止める。そして、画像形成部50のトナー画像形成のタイミングに合わせて、レジストローラ53に突き当てて止めたシートを、感光体61と転写装置54とが対向する転写部に送り出す。転写部では、感光体61上のトナー画像が供給されたシートに転写される。トナー画像が転写されたシートは、定着装置55によりトナー画像を定着後、排紙ローラ対56により排紙トレイ57へ排出される。一方、トナー画像転写後の感光体61の表面は、感光体クリーニング装置65で残留トナーを除去して清掃して再度の画像形成に備える。
図2は、給紙部52の概略構成を示す斜視図であり、図3は、給紙部52を示す模式図であり、図4は、吸着分離ユニット110の要部構成を示す図である。
給紙部52は、複数枚のシートを積載して収容するシート材収容部としての給紙カセット11と、給紙カセット11上の複数枚のシートからなるシート束1から最上位に位置する最上位シート1aを分離して搬送するシート搬送装置200とを含んで構成されている。
図3に示すように、給紙カセット11には、積層された複数枚のシート束1を積載する底板7を有している。給紙カセット11の底部と底板7との間には、底板7を支持する支持部材8が回動自在に取り付けられている。また、図2に示すように、給紙部52には、シート束1の最上位シート1aが、所定の位置に到達したことを検知するシート検知手段140が設けられている。
シート検知手段140は、装置本体に設けられた軸142に回転自在に支持されたフィラー144と、透過型光学センサ143とで構成されている。支持部材8を不図示の駆動モータにより回動させ、底板7を上昇させると、底板7に積載されたシート束1が上昇し、最上位シート1aがフィラー144と当接する。このとき、透過型光学センサ143の受光部143aは、発光部143bからの光を受光している。さらに、底板7を上昇させると、フィラー144が、発光部143bの光を遮り、受光部143aが光を受光しなくなる。これにより、シート束1の最上位シート1aが、所定の位置に到達したことが検知され、支持部材8の回転を停止する。
シート搬送装置200は、吸着分離ユニット110、この吸着分離ユニット110を揺動させる揺動手段たる揺動機構120、及び、吸着ベルト2を無端移動させる駆動機構130などを備えている。吸着分離ユニット110は、図4に示すように、下流側張架ローラ5と上流側張架ローラ6とに張架される吸着ベルト2を備えている。
吸着ベルト2は、10[Ω・cm]以上の抵抗を有する50[μm]程度の厚さのポリエチレンテレフタレートからなる表層と、アルミ蒸着により形成された10[Ω・cm]以下の抵抗を有する導電層とを有する2層構造となっている。
吸着ベルト2を上記のような2層構造とすることで、導電層を接地された対向電極として使用することができ、吸着ベルト2に電荷を与える帯電手段の帯電部材3を、吸着ベルト2の表層に接した位置であればどこでも設けることができる。また、吸着ベルト2の幅方向両側端縁の内側には、寄止め用のリブ23が設けられており、下流側張架ローラ5や上流側張架ローラ6の両側端面とリブ23とが係合し、吸着ベルト2の寄りを防止している。
下流側張架ローラ5は、抵抗値が10[Ω・cm]の導電性ゴム層が表面に設けられ、上流側張架ローラ6は金属ローラである。下流側張架ローラ5及び上流側張架ローラ6は、ともに接地されている。
下流側張架ローラ5は、吸着ベルト2からシートを曲率により分離するのに適した小径にされている。すなわち、下流側張架ローラ5の径を小さく設定して曲率を大きくすることにより、吸着ベルト2に吸着されて搬送されたシートが、下流側張架ローラ5から離れて搬送方向下流側のガイド部材10により形成される搬送路Hに入ることができるようになっている。
また、図4に示すように、下流側張架ローラ5の軸5aは、ハウジング20に回転自在に支持されている。上流側張架ローラ6の軸6aは、ハウジング20のハウジング本体部20aに対してシート搬送方向に摺動可能に保持された軸受22に回転支持されている。軸受22は、スプリング21によりシート搬送方向上流側へ付勢されている。これにより、上流側張架ローラ6が、シート搬送方向上流側に付勢され、吸着ベルト2に張力を付与している。
吸着ベルト2の張りは吸着ベルト2と駆動ローラである下流側張架ローラ5とが空回りしない程度に、吸着ベルト2のシート束1と対向する面が弛められている。このように、吸着ベルト2のシート束1と対向する面を弛めることで、シート束の最上位シートに波打ちがあった場合でも、吸着ベルト2を最上位シートの波打ちに追随させることができ、吸着ベルト2と最上位シートとの接触面積を確保することができる。その結果、最上位シートに波打ちがあっても、最上位シートを良好に吸着ベルト2に吸着させることができる。
図5は、ハウジング20の分解図である。ハウジング20に設けられた下流側張架ローラ5の軸5aを軸支する軸孔を有する2つの軸孔部20bのうち一方は、ハウジング20のハウジング本体部20aとは別体で設けられている。この別体の軸孔部20bは、固定用ビス20cによって、その一方の軸孔部20bをハウジング本体部に取り付けている。
下流側張架ローラ5の軸5aにハウジング20を組み付け時には、ハウジング本体部に対して一方の軸孔部20bを取り外し、他方の軸孔部20bに下流側張架ローラ5の軸5aを軸支させる。その後、取り外している一方の軸孔部20bに下流側張架ローラ5の軸5aを軸支させつつ、前記一方の軸孔部20bをハウジング本体部20aに固定用ビス20cで取り付け固定する。
図2、図3に示すように、吸着分離ユニット110は、吸着ベルト2を揺動自在に保持するためのブラケット12がベルト幅方向両端に設けられている。各ブラケット12は、上流側張架ローラ6よりもシート搬送方向上流側に設けられた支持軸14に回転自在に支持されている。これにより、吸着分離ユニット110は、後述する揺動機構120により、吸着位置と搬送位置との間を、支持軸14を支点にして揺動することができる。
なお、吸着位置とはシート束1の最上位シート1aを吸着ベルト2に吸着させる位置であり、搬送位置とは吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを搬送する位置である。
各ブラケット12には、長穴12aが設けられており、この長穴12aに上流側張架ローラ6の軸6aが貫通している。これにより、上流側張架ローラ6は、ブラケット12に対して移動可能に保持される。一方、下流側張架ローラ5の軸5aは、ブラケット12に設けられた不図示の孔に貫通し、下流側張架ローラ5は、ブラケット12に対して移動不能に保持される。図3に示すように、吸着分離ユニット110が搬送位置にあるとき、上流側張架ローラ6の軸6aは、長穴12aの下端面41aに突き当たっている。
ブラケット12に設けられた長穴12aは、上流側張架ローラ6の軸6aが長穴12a内を移動しても、上流側張架ローラ6の回転中心と下流側張架ローラ5の回転中心との距離が変化しないように、下流側張架ローラ5の回転中心を中心とする円弧形状となっている。その結果、上流側張架ローラ6が、長穴12a内を移動しても、吸着ベルト2の張力が変化することがない。
通常、吸着ベルト2の張力は、5[N]以下でも下流側張架ローラ5及び上流側張架ローラ6と吸着ベルト2との間でスリップすることなく、吸着ベルト2を回転駆動して、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを搬送することが可能である。
一方で、密着力の高いシートなど、特殊な条件のシートを搬送する場合には、下流側張架ローラ5及び上流側張架ローラ6と吸着ベルト2との間にてスリップが起こることが考えられる。そのため、上流側張架ローラ6の表面や下流側張架ローラ5の表面の吸着ベルト2に対する摩擦係数を高くして、スリップを生じにくくしておくことが好ましい。
図6は、吸着ベルト2を回転駆動する駆動機構130の概略構成図である。
各ブラケット12を回転自在に支持する支持軸14の一端には、従動第1プーリ26aと、駆動第2プーリ26bとが固定されている。下流側張架ローラ5の一端には従動第2プーリ25が固定されており、従動第1プーリ26aと従動第2プーリ25とには、従動タイミングベルト28が巻き掛けられている。
また、支持軸14よりもシート搬送方向上流側には、駆動モータ24が設けられており、駆動モータ24のモータ軸24aには、駆動第1プーリ27が固定されている。駆動第1プーリ27と駆動第2プーリ26bとには、駆動タイミングベルト29が巻き掛けられている。
駆動モータ24が駆動すると、駆動タイミングベルト29及び従動タイミングベルト28を介して下流側張架ローラ5が回転駆動する。これにより、吸着ベルト2が回転駆動し、上流側張架ローラ6が、吸着ベルト2の内周面の摩擦により従動回転する。
また、本実施形態においては、ブラケット12を支持する支持軸14を中継して、下流側張架ローラ5に駆動モータ24の駆動力が伝達されるようになっている。このように構成することにより、後述するように、吸着分離ユニット110は、支持軸14を支点にして揺動するため、吸着分離ユニット110が揺動しても、下流側張架ローラ5と支持軸14との距離が変動しない。よって、従動タイミングベルト28の張りは維持されて良好に下流側張架ローラ5に駆動力を伝達することができる。
なお、駆動モータ24から上流側張架ローラ6に駆動力が伝達されるように駆動機構130を構成し、吸着ベルト2を回転させる駆動ローラとして上流側張架ローラ6を用いても良い。
また、図2、図3に示すように、給紙部52のシート搬送方向下流側には、ブラケット12を揺動させる揺動手段としての揺動機構120が設けられている。揺動機構120は、各ブラケット12のシート搬送方向下流側端部に形成された第1駆動伝達部としてのラックギヤ部13と、回転軸16に固定され、ラックギヤ部13にそれぞれ噛み合う第2駆動伝達部材たるピニオンギヤ15とを有している。また、揺動機構120は、揺動モータ30を備えている。回転軸16の一端には、揺動モータ30のモータ軸30aに固定されたモータギヤ31と噛み合う従動ギヤ32が設けられている。
また、各ブラケット12に対応させて設けられた各ピニオンギヤ15を、同一の軸部材である回転軸16に固定することにより、揺動モータ30で回転軸16を回転させることで、各ピニオンギヤ15を回転させることができる。これにより、一つの揺動モータ30で、ベルト幅方向両端に設けられた2つのピニオンギヤ15を回転駆動することができ、部品点数を削減することができ、装置を安価にすることができる。また、簡単な構成で、ベルト幅方向両端に設けられたラックアンドピニオンの駆動を同期することができる。
ラックギヤ部13は、支持軸14を中心としたR形状となっている。ブラケット12に形成されたラックギヤ部13は、吸着分離ユニット110の揺動時、支持軸14を中心にして揺動する。よって、ラックギヤ部13を、支持軸14を中心としたR形状とすることにより、吸着分離ユニット110の揺動時もラックギヤ部13とピニオンギヤ15との噛み合いを維持することができる。また、ブラケット12のシート搬送方向下流側端部にラックギヤ部を形成することにより、ブラケット12と別体のラックギヤをブラケット12に取り付ける場合に比べて、部品点数を削減でき、構成を簡素化することができる。また、揺動機構120のラックアンドピニオンのうち、装置側にピニオンを設けることにより、ピニオンへ駆動を伝達するための構成を、ピニオンを吸着分離ユニット110に設けた場合に比べて、簡単にすることができる。
このような構成の揺動機構120では、揺動モータ30を駆動することにより、各ピニオンギヤ15が回転し、ラックギヤ部13が、シート束1に対して接離する方向へ移動する。これにより、各ブラケット12が、支持軸14を支点にして揺動する。
また、各ブラケット12は、補強部材70により連結固定されている。各ブラケット12を、補強部材70により連結固定することにより、一方のブラケット12と他方のブラケット12とを一体的に揺動させることができる。これにより、ブラケット揺動時に各ブラケット12に保持された吸着ベルト2が、捩れてしまうのを抑えて、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aが、吸着ベルト2から分離するのを抑制することができる。
図7に示すように、吸着ベルト2の表面には、吸着ベルト2の表面を帯電させるためのブレード状の帯電部材3が当接している。また、帯電部材3は、交流を発生する電圧印加手段としての帯電電源4に接続されている。
ブレード状の電極部材103を用いることにより、ピッチ幅の小さい電荷パターンを形成することが可能となる。これにより、積載されたシート束の最上位シート1aに対する吸着力増加が早く、また、2枚目以降のシートに作用する吸着力の減少が早くなる。そのため、分離動作に要する時間の短縮を図ることができる。また、交番した帯電間隔を小ピッチ化しやすく、吸着ベルト2に微小な波うちなどがあっても、安定した帯電を行えなうことができる。
次に、本実施形態のシート搬送装置200を用いた基本的なシート搬送動作について、図8を用いて説明する。
図8(a)に示すように、通常、底板7は下降位置にあり、吸着分離ユニット110は吸着位置にある。まず、給紙信号が入ると、揺動モータ30(図2参照)を駆動して、ピニオンギヤ15を図中時計回りに回転駆動させ、支持軸14を支点して図中反時計回り(シート束1から離れる方向)に吸着分離ユニット110を揺動させる。そして、吸着分離ユニット110が搬送位置まで揺動したら、揺動モータ30の駆動を停止する。
図8(b)に示すように、吸着分離ユニット110が搬送位置で停止したら、駆動モータ24(図2参照)を駆動させて、吸着ベルト2を無端移動させる。次に、無端移動する吸着ベルト2に帯電部材3を介して帯電電源4により交番電圧を印加する。そして、吸着ベルト2の表面に交流電源周波数と吸着ベルト2の周動速度に応じたピッチ(ピッチは2[mm]〜16[mm]程度とするのがよい)で交番する電荷パターンを形成する。帯電電源4は交流の他、直流を高低交互の電位に変化させたものでもよく、矩形波、正弦波などが考えられる。本実施形態では、吸着ベルト2の表面に対して4[kV]の振幅を持った矩形波を印加している。
吸着ベルト2への帯電が完了したら、図8(c)に示すように、吸着ベルト2の回転を停止するとともに、下降位置で待機していた底板7の上昇を開始する。また、これと前後して、揺動モータ30を逆回転させ、ピニオンギヤ15を図中反時計回りに回転させて、支持軸14を支点にして図中時計回り(シート束1に近接する方向)に吸着分離ユニット110を揺動させる。
底板7が上昇し、吸着分離ユニット110が下降していくと、シート束1の最上位シート1aが、吸着ベルト2を介して上流側張架ローラ6に当接する。さらに、底板7を上昇させ、吸着分離ユニット110を下降させていくと、上流側張架ローラ6が、シート束1により押し上げられ、長穴12aの下端面41aに突き当たっていた上流側張架ローラ6は、長穴12aに案内されながら、上方へ移動していく。また、底板7の上昇に伴い、フィラー144が図中反時計回りに回転する。シート束1の最上位シート1aが所定の位置にくると、このフィラー144が、透過型光学センサ143の発光部143bの光を遮る。これにより、透過型光学センサ143がシート束1の最上位シート1aが所定の位置に到達したことを検知し、底板7の上昇を停止する。
また、吸着分離ユニット110が、吸着位置に到達したら、揺動モータ30の回転を停止する。揺動モータ30がステッピングモータの場合は、回転角度(パルス数)に基づいて揺動モータ30を制御することにより、吸着分離ユニット110を吸着位置に精度よく停止することができる。揺動モータ30がDCモータの場合は、駆動時間に基づいて揺動モータ30を制御することにより、吸着分離ユニット110を吸着位置に精度よく停止することができる。
図8(d)に示すように、底板7の上昇が停止し、吸着分離ユニット110の下降(揺動)が停止すると、吸着ベルト2のシート束1と対向する領域が、シート束1の最上位シート1aと当接する。吸着ベルト2が最上位シート1aと当接すると、誘電体であるシートには吸着ベルト2の表面の電荷パターンにより形成される不平等電界により、Maxwellの応力が働き、シート束1の最上位シート1aが吸着ベルト2に吸着する。
図8(d)に示す状態にて所定時間待機し、吸着ベルト2に最上位シート1aが吸着したら、揺動モータ30を駆動して、ピニオンギヤ15を時計回りに回転駆動させ、吸着分離ユニット110を、支持軸14を支点にして図中反時計回りに揺動させる。すると、下流側張架ローラ5は、ブラケット12とともにシート束1から離間する方向へ移動する。
一方、上流側張架ローラ6は、自重により、シート束1の上面から動かず、ブラケット12に対して相対的にシート束方向へ移動する。これにより、シート束上面に接触させた吸着ベルト2の表面部分がシート束上面に対して傾斜するように、その表面部分がシート束上面から離間する。これにより、シートが曲げられて、吸着ベルト2の表面部分に吸着している最上位シート1aの部分が、吸着ベルト2の揺動動作に伴ってシート束上面からめくられる。この際、吸着ベルト2に吸着したシートに復元力が働き、最上位シート1aのみを吸着ベルト2に吸着させ、二番目のシート1bをシートの復元力により分離させることができる。
吸着分離ユニット110が、支持軸14を支点にしてさらに図中反時計回りに回動すると、上流側張架ローラ6の軸6aが、長穴12aの下端面41aに突き当たる。このように、上流側張架ローラ6が、長穴12aの下端面41aに突き当たった状態から、さらに吸着分離ユニット110を回動させると、上流側張架ローラ6もブラケット12とともに移動し、上流側張架ローラ6が、シート束1の上面から離間する。
図8(e)に示すように、吸着分離ユニット110がシートを搬送する搬送位置に到達すると、揺動モータ30の駆動を停止する。そして、駆動モータ24を駆動して、吸着ベルト2を無端移動させて、吸着ベルト2に吸着している最上位シート1aを、狭持搬送手段たる搬送ローラ対9へ向けて搬送する。吸着ベルト2に静電吸着した最上位シート1aの先端が、吸着ベルト2の下流側張架ローラ5の巻き回し部分に到達すると、曲率分離により吸着ベルト2から分離し、ガイド部材10に案内されながら、搬送ローラ対9へ向けて移動する(図8(e)参照)。
搬送ローラ対9と吸着ベルト2との線速は同一にされており、搬送ローラ対9がタイミングを取って間欠駆動されているような場合は、吸着ベルト2も間欠駆動されるように駆動モータ24を制御する。また、駆動機構130に電磁クラッチを設け、電磁クラッチを制御することにより、吸着ベルト2の駆動を制御してもよい。
また、本実施形態においては、ブラケット12に長穴12aを設けて、この長穴12aに上流側張架ローラ6の軸6aを保持しているが、以下の構成であればよい。すなわち、上流側張架ローラ6が、ブラケット12に対して、下流側張架ローラ5を中心にして揺動可能に保持されている構成であること。また、吸着分離ユニット110が給送位置にあるとき、吸着ベルト2のシート束の上面に対する傾斜角度が、所定の角度となるよう、上流側張架ローラ6を支持する構成であること。この2つの構成を備えていればよい。
電荷パターンによる用紙吸着力は最上位シート1aにのみ作用し、二番目のシート1b以下の紙には作用しない。本給紙方式ではピックアップ手段と用紙との間の摩擦力を利用しないので、吸着ベルト2とシート束1との接触圧は充分小さくすることができるので、摩擦による重送を起こさない。
吸着ベルト2は、最上位シート1aの後端が上流側張架ローラ6の対向位置に達する前に、シート束1より離間され二番目のシート1bが吸着ベルト2に吸着されないようにしている。
また、本実施形態においては、ピニオンギヤ15とラックギヤ部13とのギヤの噛み合いにより、吸着分離ユニット110を揺動させる。よって、吸着位置から給送位置への揺動および給送位置から吸着位置の揺動いずれも、揺動モータ30の駆動力により行うことができる。これにより、吸着分離ユニット110の自由落下の速度よりも早く、吸着分離ユニットを、吸着位置まで下降させることができる。よって、1枚目のシート搬送後、すばやく、次のシートの吸着動作を開始することができ、シート間隔を短くすることができる。これにより、生産性を高めることができる。
また、本実施形態においては、揺動機構120を、吸着分離ユニット110の揺動の支点である支持軸14から離れたシート搬送方向下流側に設けている。よって、吸着分離ユニット110のシート搬送方向下流側を、ピニオンギヤ15とラックギヤ部13との噛み合いにより支持することができる。その結果、吸着分離ユニット110が、支持軸14と、揺動機構120とにより両持ち支持され、吸着分離ユニット110を片持ち支持する場合に比べて、吸着分離ユニット110の振動を抑制することができる。これにより、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aが、吸着分離ユニット110の振動により、吸着ベルト2から分離してしまうのを抑制することができる。また、吸着分離ユニット110の揺動の支点である支持軸14から最も離れたシート搬送方向下流側端部で、吸着分離ユニット110に駆動力を伝達して、吸着分離ユニット110を揺動させている。このように、駆動力を伝達する箇所を、支持軸14から離すことで、てこの原理により支持軸側(吸着分離ユニット110のシート搬送方向上流側)で駆動力を伝達する場合に比べて、小さい負荷で、吸着分離ユニット110の揺動を行うことができる。これにより、揺動モータ30の大型化を回避することができ、装置の大型化を抑制することができる。また、ピニオンギヤ15とラックギヤ部13との噛み合い部の磨耗を抑制することができる。
先の図7に示したように、帯電部材3は、ブレード部材であり弾性体である。ブレード部材の先端稜線部を吸着ベルト2に押し当てることによって吸着ベルト2上に電荷を与える。帯電部材3として、弾性体を用いることにより、帯電部材3を隙間なく吸着ベルト2当接させることができ帯電不良がおきにくくなる。しかし、ブレードで吸着ベルト2を帯電する場合、ブレードと吸着ベルト2との微小隙間で放電現象が起こり、酸化物をはじめとする帯電生成物が発生し、この帯電発生物が吸着ベルト2に付着する。この帯電生成物がベルトに付着すると、帯電能力を減少させ静電吸着力が落ちる原因となる。従って、帯電生成物が吸着ベルト2に付着するほど、静電吸着力が落ち、吸着ベルト2によりシートを静電吸着して搬送できなくなり、吸着ベルト2の寿命をむかえてしまう。従って、シートの搬送中、絶えず吸着ベルト2に電荷を付与して帯電させ続けた場合、搬送性能上は問題ないが、吸着ベルト2の静電吸着力の低下が早く、吸着ベルト2が早期に寿命をむかえることになる。よって、本実施形態では、少なくともシートが吸着ベルト2から分離する位置から搬送ローラ対9のニップまでの長さ分、帯電電源4をONにして吸着ベルト2に電荷を付与して帯電させる。それ以降は、帯電電源4をOFFにして、吸着ベルト2に電荷を付与しないようにし、帯電生成物の発生を抑制した。これにより、帯電生成物による吸着ベルトの劣化を抑制することができ、吸着ベルトの寿命向上を図ることができる。以下に、本実施形態の特徴部を、図面を用いて説明する。
図9は、本実施形態の特徴部を示すシート搬送装置の模式図である。
図9に示すように、本実施形態においては、吸着ベルト2のシート分離位置から、搬送ローラ対9までの間に、シート検知手段たるシート検知センサ17が配置されている。シート検知センサ17のシート検知位置から、搬送ローラ対9のニップまでの距離をL2、帯電部材3の吸着ベルト2の帯電位置から、吸着ベルトのシート束と対向するシート束対向部のシート搬送方向上流側端部までの距離をL1としたとき、L2≦L1とする。また、L2=L1とするのがより好ましい。帯電部材3の吸着ベルト2の帯電位置は、帯電部材3と吸着ベルト2との接点である。また、シート束対向部のシート搬送方向上流側端部は、吸着ベルト2の上流側張架ローラ6に巻きついた箇所におけるシート搬送方向最下流側の箇所である。
また、シート検知センサ17と、帯電電源4とは、制御手段としての制御部18に接続されている。制御部18は、CPUや各種プログラムを記憶したROMなどを有しており、シート検知センサ17の検知結果に基づいて、帯電電源4を制御する。
図10は、帯電電源のON/OFF制御の制御フロー図である。
先の図8に示したようにして、シート束の最上位シート1aを吸着させた吸着ベルト2を搬送位置に位置させて、吸着ベルト2の駆動を開始(S1)したら、制御部18は、帯電電源をONにする(S2)。次に、図11に示すように、シートの先端が、シート検知センサ17に到達して、シート検知センサ17がシートを検知したら、(S3のYES)、その検知結果に基づいて、帯電電源4をOFFにする。これにより、帯電部材3から吸着ベルト2への電荷付与が停止し、吸着ベルト2の帯電が停止する。その結果、これ以降は、吸着ベルト2と帯電部材3との微小隙間で放電が発生することがなくなり、帯電生成物が生成されない。その結果、シートの搬送中絶えず、帯電ブレードに交番電圧が印加され、吸着ベルト2を帯電させ続ける場合に比べて、帯電生成物の発生量を格段に少なくできる。これにより、吸着ベルト2に付着する帯電生成物の量を、減らすことができ、帯電生成物の付着により吸着ベルト2の劣化を抑制することができる。その結果、吸着ベルト2の寿命を延ばすことができる。
図12(a)に示すように、L2=L1とした場合は、シート検知センサ17がシートを検知したら、帯電電源4をOFFにする。これにより、吸着ベルト2の帯電箇所を、吸着ベルト2からシートが分離する位置から、搬送ローラ対9のニップまでの長さと同じにできる。すなわち、図12(a)に示すように、シート1aの先端が、搬送ローラ対9のニップに到達したとき、吸着ベルト2の帯電無しの領域の先端が、吸着ベルト2のシート束対向部の上流側端部に到達する。従って、シート1aが搬送ローラ対9のニップに到達して搬送ローラ対9から搬送力を受けた後は、シートが吸着ベルト2に静電吸着しない。シート1aが吸着ベルト2に静電吸着しないことで、吸着ベルト2から搬送力が得られなくなるが、シート1aは搬送ローラ対9から搬送力を受けるので、シートは良好に搬送される。
L2<L1の場合、シート検知センサ17がシートを検知したら、帯電電源4をOFFにした場合は、次のとおりとなる。すなわち、図12(b)に示すように、シート先端が搬送ローラ対9のニップに到達したとき、吸着ベルト2の帯電無しの領域の先端が、吸着ベルト2のシート束対向部の上流側端部にまで到達しないのである。従って、L2<L1の場合は、L2=L1の場合に比べて、吸着ベルト2に少し無駄な帯電が生じる。よって、L2=L1にした方が、より帯電生成物の発生を抑えることができ、好ましい。
L2>L1の場合は、シート検知センサ17がシートを検知したら、帯電電源4をOFFにすると、図12(c)に示すように、シート1aの先端が搬送ローラ対9のニップに到達する前に、吸着ベルト2の帯電無しの領域が、シート束対向部に到達する。従って、L2>L1の場合は、シート検知センサ17がシートを検知したら、帯電電源4をOFFにする制御を行うと、シートが搬送ローラ対9のニップに到達する前に、シートが吸着ベルト2から剥がれて、搬送不良が生じるおそれがある。よって、L2>L1の場合は、シート検知センサ17がシートを検知したら、制御部18でタイマーをスタートさせ、所定時間経過したら、帯電電源4をOFFにする。具体的には、シート検知センサ17がシートを検知してから、図12(c)の距離L3分、吸着ベルト2を帯電させてから、帯電電源4ををOFFにする。
L2>L1とした場合は、帯電電源のONからOFFへの制御に、タイマー制御が加わるため、L2=L1のように、シート検知センサがシートを検知したら帯電電源をOFFにする制御に比べて、制御が複雑になる。よって、L2=L1にした方が、L2>L1にする場合に比べて、帯電電源のONからOFFへの制御を簡単にでき、好ましい。
また、吸着ベルト2の駆動を開始してから、シート先端が搬送ローラ対のニップに到達するまでの時間を予め実験などで求めて、その時間に基づいて、帯電電源4のONからOFFの制御することも考えられる。しかし、この場合、以下の不具合が生じる。すなわち、給紙カセットへのシート束のセットの仕方や、搬送中のシートがシート束に接触するなどして、シート束のシートの先端位置にばらつきが生じる。その結果、吸着ベルト2にシート束の最上位シートを吸着させたときのシートの先端位置にばらつきが生じる。また、湿度などの環境条件や、シートの種類により、吸着ベルト2からの分離位置にもばらつきが生じる。このようなことから、吸着ベルト2を駆動開始してから、シート先端が搬送ローラ対のニップに到達するまでの時間にばらつきが生じる。従って、吸着ベルト2を駆動開始してから、シート先端が搬送ローラ対のニップに到達するまでの時間に基づいて帯電電源4のONからOFFの切り替えを行うと、次のような不具合が発生するおそれがある。すなわち、シート先端が搬送ローラ対9のニップに到達するまえに、吸着ベルト2の帯電なしの領域がシート束対向部に到達するおそれがある。この場合、搬送ローラ対9にシートが到達する前に、シートが吸着ベルトから剥がれるおそれがあり、搬送不良となるおそれがある。
一方、本実施形態においては、上述したように、吸着ベルト2から搬送ローラ対の間にシート検知センサ17を設けて、その検知結果に基づいて帯電電源4のONからOFFの切り替えを行っている。シート検知センサ17のシート検知位置から搬送ローラ対9までの間は、吸着ベルト2からの分離位置のばらつきや、吸着ベルト2に吸着したシートの先端位置のばらつきの影響を受けない。その結果、シートが搬送ローラ対のニップに到達したときに、吸着ベルト2の帯電なし領域の先端が、シート束対向部のシート搬送方向上流側端部にくるように、帯電電源4の電源をOFFにすることが可能となる。
先の図10に示すように、帯電電源4をOFF(S4)にしたら、制御部18は、次のシートがあるか否かをチェックする(S5)。次のシートがある場合(S5のYes)は、シート検知センサ17がシートを検知してから所定時間経過したら(S6のYes)、再び帯電電源をONにする(S7)。そして、吸着ベルト2の駆動が停止(S8)したら、帯電電源4をOFFにする(S9)。
帯電電源を再びONにするタイミングは、吸着ベルト2の駆動を停止したとき、吸着ベルト2の帯電箇所の先端が、シート束対向部のシート搬送方向下流側端部にくるようなタイミングにするのが好ましい。こうすることで、余計な放電を抑制することができ、放電生成物の発生を抑制することができる。また、吸着ベルト2の駆動停止のタイミングは、シートの後端が、シート束と吸着ベルト2との間を抜けたときにするのが好ましい。これにより、シートの後端が抜けたらすぐに、吸着ベルト2をシート束の最上位シートに接触させて吸着させる吸着動作を行うことができる。その結果、紙間を短くでき、生産性の向上を図ることができる。
また、上記では吸着分離ユニット110を揺動させることで、シート束1の最上位シート1aと接触する吸着位置と、シート束1から離間した搬送位置との間を、吸着ベルト2が移動するように構成している。しかし、シート束1を昇降させて、吸着位置と搬送位置とを吸着ベルト2がシート束1に対して相対的に移動するように構成してもよい。この場合は、通常、シート束1を積載する底板7は、シート束1が吸着ベルト2から離間した下降位置にある。給紙信号が入り、吸着ベルト2の表面に交番電荷を付与したら、底板7を上昇させ、シート束1の最上位シート1aを吸着ベルト2に接触させる。吸着ベルト2に最上位シート1aが吸着したら、底板7を下降させ、シート束1と吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aとを離間させる。シート束1と吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aとが離間したら、吸着ベルト2を無端移動させて、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを搬送ローラ対9へ向けて搬送する。このように、シート束1を積載する底板7を昇降させることにより、吸着ベルト2とシート束とが離間した位置関係の搬送位置関係と、吸着ベルト2がシート束1の最上位シートと接触する位置関係の吸着位置関係をとらせることができる。
また、吸着分離ユニット110を揺動させながら、底板7を下降させることで、シート束と吸着ベルト2とが離間した搬送位置関係をとらせてもよい。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
複数のローラに張架され、積載されたシート束1の上面に対向配置された吸着ベルト2と、帯電部材3および帯電部材3に電圧を印加する帯電電源4などの電圧印加手段を備え吸着ベルト表面を帯電させる帯電手段とを備え、上記帯電手段により帯電した吸着ベルト2でシート束1の最上位シートを静電吸着して、最上位シートを搬送ローラ対のニップに向けて搬送するシート搬送装置200において、吸着ベルト2と搬送ローラ対9との間にシートを検知するシート検知センサ17などのシート検知手段を設け、シート検知手段の検知結果に基づいて、帯電部材3への電圧印加を停止するよう電圧印加手段を制御する制御部18などの制御手段を備えた。
本発明者らは、吸着ベルトの寿命が短い要因について鋭意研究を行った。その結果、次のことがわかった。すなわち、吸着ベルト2に帯電部材3を介して交番電荷を付与する際、吸着ベルト2と帯電部材3との間の放電により発生した酸化物をはじめとした帯電生成物などが吸着ベルト2に付着するなどして吸着ベルト2を劣化させていたことがわかったのである。そこで、本発明者らは、帯電部材3の交番電荷付与による吸着ベルト2の劣化を抑制すべく、鋭意検討を行い、次のことを見出した。すなわち、従来においては、吸着ベルト2に吸着したシートの搬送開始からシートの搬送終了まで絶えず、吸着ベルト2に交番電荷を付与して帯電させていた。しかしながら、シートの搬送においては、吸着ベルト2に吸着したシートが搬送ローラ対9などの狭持搬送手段のニップに挟まれ、狭持搬送手段から搬送力を受けるようになった後は、吸着ベルト2でシートを搬送する必要がなく、シートを吸着ベルト2に吸着させておく必要がない。よって、少なくとも、シートの先端が狭持搬送手段に到達するまでの間、シートを吸着ベルト2に吸着させておけばよいことを見出したのである。
(態様1)は、上記のような背景によりなされたものであり、吸着ベルト2と狭持搬送手段との間に設けられたシート検知センサ17などのシート検知手段の検知結果に基づいて、帯電部材3への電圧印加を停止するようにした。これにより、シート検知手段の検知結果から、シート検知手段がシートを検知してからシートの先端が狭持搬送手段のニップに到達するまでの時間を把握することができる。よって、シート検知手段の検知結果に基づいて、搬送ローラ対9でシートが搬送されるまでの間は、シートが吸着ベルト2に静電吸着するように帯電部材3に電圧を印加してベルトを帯電させ、それ以降は、帯電部材3への電圧印加を停止する制御を行うことができる。これにより、シート搬送中絶えず帯電部材3に電圧を印加するものに比べて、帯電部材3と吸着ベルト2との間の放電による帯電生成物の発生を抑えることができる。これにより、吸着ベルト2に付着する帯電生成物の量を減らすことができ、吸着ベルト2の帯電生成物による劣化を抑えることができる。その結果、吸着ベルト2の寿命を延ばすことができる。
また、(態様1)では、吸着ベルト2と搬送ローラ対9との間にシート検知センサ17などのシート検知手段を設けて、その検知結果に基づいて、電圧印加の停止の制御を行うことで、以下の効果を得ることができる。すなわち、実施形態で説明したように吸着ベルト2に吸着するシートの先端位置のばらつきや、吸着ベルト2からの分離位置のばらつきにより、吸着ベルト2の駆動を開始してから、シートが狭持搬送手段に到達するまでの時間にばらつきが生じる。従って、シート検知手段を設けずに、吸着ベルト2の駆動開始からシートが狭持搬送手段のニップに到達するまでの時間に基づいて、印加電圧の停止を行うと、上述のばらつきの影響で、シートの先端が狭持搬送手段のニップに到達する前に、吸着ベルト2の帯電されていない箇所が、吸着ベルト2のシート束と対向する対向部に来てしまうおそれがある。吸着ベルト2のシート束と対向する対向部に帯電されていない箇所がくると、その箇所では、シートが吸着ベルト2に吸着しない。その結果、シートの先端が狭持搬送手段のニップに到達する前に、シートが吸着ベルト2から剥離するおそれがあり、用紙ジャムとなるおそれがある。
一方、シート検知手段のシート検知位置から狭持搬送手段にシートが到達するまでの時間は、上述したばらつきの影響を受けない。従って、シート検知手段を設けて、その検知結果に基づいて、電圧印加を停止することにより、シートの先端が狭持搬送手段のニップに到達してから、吸着ベルト2の帯電されていない箇所を、吸着ベルト2のシート束と対向する対向部に到達させることができる。よって、シートの先端が、狭持搬送手段のニップに到達するまで良好にシートを吸着ベルト2に静電吸着させておくことができ、用紙ジャムが発生するのを抑制することができるという効果を得ることができる。
(態様2)
(態様1)において、帯電手段による吸着ベルト2の帯電位置から、吸着ベルト2のシート束1と対向する対向部のシート搬送方向上流側端部までの距離をL1、シート検知センサ17などのシート検知手段から搬送ローラ対9のニップ部までの距離をL2としたとき、L2≦L1とし、シート検知手段がシートを検知したら、帯電部材3への電圧印加を停止する。
かかる構成とすることで、先の図12(a)、(b)に示したように、シート検知手段がシートを検知したら、帯電部材3への電圧印加を停止する制御を行っても、シートの先端が搬送ローラ対のニップに到達する前に、吸着ベルト2の帯電なしの先端が、シート束対向部に到達することがない。これにより、シート検知手段が、シートを検知したら、タイマーのカウントを開始し、所定時間経過したら、電圧印加手段を停止するような複雑な制御を行う必要がなくなり、制御を簡単にすることができる。
(態様3)
(態様2)において、L2=L1とした。
かかる構成とすることで、先の図12(a)に示したように、シート検知手段がシートを検知したら、帯電部材3への電圧印加を停止する制御を行うと、シートが搬送ローラ対のニップに到達したとき、吸着ベルトの帯電なしの領域の先端が、シート束対向部のシート搬送方向上流側端部となる。これにより、簡単な制御で、余計な帯電動作をなくすことができ、放電生成物の発生をより一層抑制でき、吸着ベルト2の寿命を向上させることができる。
(態様4)
(態様1)乃至(態様3)いずれかにおいて、帯電部材3は、ブレード部材であり、ブレード部材の先端稜線部を前記吸着ベルトに当接させた。
かかる構成とすることで、実施形態で説明したように、ピッチ幅の小さい電荷パターンを吸着ベルトに形成することができ、積載されたシート束の最上位シート1aに対する吸着力をすばやく増加させることができる。また、2枚目以降のシートに作用する吸着力の減少を早くすることができる。これにより、分離動作に要する時間の短縮を図ることができる。また、交番した帯電間隔を小ピッチ化しやすく、吸着ベルト2に微小な波うちなどがあっても、安定した帯電を行えなうことができる。
(態様5)
(態様1)乃至(態様4)いずれかにおいて、上記吸着ベルト2と、この吸着ベルト2を張架する下流側張架ローラ5などの第1張架ローラと、この第1張架ローラのシート搬送方向上流側に位置する上流側張架ローラ6などの第2張架ローラとを有する吸着分離ユニット110と、シート束1の最上位シート1aを吸着ベルト2に接触させ吸着させる吸着位置と、この吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを搬送する、吸着位置よりもシート束1から離れた搬送位置との間を吸着ベルト2が往復移動するように、吸着分離ユニット110を移動させる揺動機構120などの移動手段とを備えており、上記移動手段は、上記第2張架ローラよりもシート搬送方向上流側に設けられた支点を中心にして上記吸着分離ユニット110を揺動させることで、上記搬送位置と上記吸着位置とを取るように構成した。
(態様5)によれば、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを、シート搬送方向下流側からめくるようにしてシート束1から離間させることができる。これにより、シートのコシで最上位シート1aを分離させることができ、良好に最上位シート1aをシート束から分離することができる。
(態様6)
(態様1)乃至(態様5)いずれかにおいて、上記シート束1の最上位シート1aを上記吸着ベルト2に接触させ吸着させる吸着位置関係と、吸着ベルト2に吸着した最上位シート1aを搬送する、シート束1から上記吸着ベルトが離間した搬送位置との間を上記シート束1が往復移動するように、シート束1を昇降させる昇降手段(本実施形態では、底板7、支持部材8、支持部材8を回動させる手段で構成)を設けた。
(態様6)によれば、昇降手段を下降させることで、吸着ベルト2に吸着したシート束1の最上位シート1aをシート束1から離間させることができる。
(態様7)
複数のローラに張架され、積載されたシート束1の上面に対向配置された吸着ベルト2と、帯電部材3および帯電部材3に電圧を印加する帯電電源4などの電圧印加手段を備え吸着ベルト表面を帯電させる帯電手段とを備え、上記帯電手段により帯電した吸着ベルト2でシート束1の最上位シートを静電吸着して、最上位シートを搬送ローラ対のニップに向けて搬送するシート搬送装置200において、シート搬送中に帯電部材3への電圧印加を停止して、少なくともシートの後端が吸着ベルト2に静電吸着することなく搬送されるよう構成した。
(態様7)によれば、シート搬送中絶えず帯電部材3に電圧を印加し続けるものに比べて、帯電生成物の発生を抑えることができる。これにより、吸着ベルト2の帯電生成物による劣化を抑制することができ、吸着ベルト2の寿命低下を抑制することができる。
(態様8)
シートに画像を形成する画像形成部50などの画像形成手段と、積載されたシート束から最上位シートを分離し、前記画像形成手段へ最上位シートを搬送するシート搬送装置200などのシート搬送手段とを備えた複写機100などの画像形成装置において、シート搬送手段として、(態様1)乃至(態様7)いずれかのシート搬送装置を有する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、良好なシート搬送を行って画像形成を行うことができる。
1:シート束
1a:最上位シート
2:吸着ベルト
3:帯電部材
4:帯電電源
5:下流側張架ローラ
6:上流側張架ローラ
7:底板
8:支持部材
9:搬送ローラ対
11:給紙カセット
12:ブラケット
12a:長穴
13:ラックギヤ部
14:支持軸
15:ピニオンギヤ
17:シート検知センサ
18:制御部
30:揺動モータ
50:画像形成部
100:複写機
103:導電性ブレード
104:ホルダ
110 :吸着分離ユニット
120:揺動機構
130:駆動機構
140:シート検知手段
200:シート搬送装置
特開2011−63391号公報

Claims (6)

  1. 複数のローラに張架され、積載されたシート束の上面に対向配置される吸着ベルトと、
    帯電部材および該帯電部材に電圧を印加する電圧印加手段とを備え該吸着ベルト表面を帯電させる帯電手段とを備え
    上記帯電手段により帯電した吸着ベルトで上記シート束の最上位シートを静電吸着して、上記最上位シートを挟持搬送手段のニップに向けて搬送するシート搬送装置において、
    上記吸着ベルトと上記挟持搬送手段との間に配置され、シートを検知するシート検知手段と、
    上記シート検知手段の検知結果に基づいて、上記帯電部材への電圧印加を停止するよう上記電圧印加手段を制御する制御手段とを備え
    上記帯電手段による上記吸着ベルトの帯電位置から、上記吸着ベルトの上記シート束と対向する対向部のシート搬送方向上流側端部までの距離をL1、
    上記シート検知手段から上記挟持搬送手段のニップまでの距離をL2としたとき、L2≦L1とし、
    上記シート検知手段がシートを検知したら、上記帯電部材への電圧印加を停止することを特徴とするシート搬送装置
  2. 求項1に記載のシート搬送装置であって、
    L2=L1としたことを特徴とするシート搬送装置。
  3. 請求項1または2に記載のシート搬送装置において、
    上記帯電部材は、ブレード部材であり、該ブレード部材の先端稜線部を前記吸着ベルトに当接させたことを特徴とするシート搬送装置。
  4. 請求項1乃至いずれかに記載のシート搬送装置であって、
    上記吸着ベルトと、該吸着ベルトを張架する第1張架ローラと、該第1張架ローラのシート搬送方向上流側に位置する第2張架ローラとを有する吸着分離ユニットと、
    上記シート束の最上位シートを上記吸着ベルトに接触させ吸着させる吸着位置と、該吸着ベルトに吸着した最上位シートを搬送する、該吸着位置よりもシート束から離れた搬送位置との間を該吸着ベルトが往復移動するように、上記吸着分離ユニットを移動させる移動手段とを備えており、
    上記移動手段は、上記第2張架ローラよりもシート搬送方向上流側に設けられた支点を中心にして上記吸着分離ユニットを揺動させることで、上記搬送位置と上記吸着位置とを取るように構成したことを特徴とするシート搬送装置。
  5. 請求項1乃至いずれかのシート搬送装置において、
    上記シート束の最上位シートを上記吸着ベルトに接触させ吸着させる吸着位置関係と、該吸着ベルトに吸着した最上位シートを搬送する、シート束から上記吸着ベルトが離間した搬送位置との間を上記シート束が往復移動するように、シート束を昇降させる昇降手段を設けたことを特徴とするシート搬送装置
  6. ートに画像を形成する画像形成手段と、
    積載されたシート束から最上位シートを分離し、上記画像形成手段へ上記最上位シートを搬送するシート搬送手段とを備えた画像形成装置において、
    上記シート搬送手段として、請求項1乃至いずれかに記載のシート搬送装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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