JP6144740B2 - ディスプレイ用ガラス基板の製造方法 - Google Patents
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Description
下部に尖端を有する断面楔状の成形体の上部からオーバーフローさせた熔融ガラスを両側面に沿って流下させた後、前記成形体の下方で熔融ガラスを合流させてガラス板を成形する成形工程と、
成形されたガラス板を下方に搬送しながら冷却する冷却工程と、
冷却されたガラス板の表面に発生する凸部のガラス板の幅方向位置とともに、前記凸部によるガラス板の板厚偏差を検出する検出工程と、を備え、
前記板厚偏差が基準値よりも高い場合、
前記ガラス板が軟化点よりも高い温度領域において、前記凸部が検出された幅方向位置におけるガラス板の粘度を下げることにより、前記凸部による板厚偏差が前記基準値以下となるように調整することを特徴とする。
前記板厚偏差が基準値よりも高い場合、
前記ガラス板が軟化点よりも高い温度領域において、前記凹部が検出された幅方向位置におけるガラス板の粘度を上げることにより、前記凹部および前記凸部による板厚偏差が前記基準値以下となるように調整することが好ましい。
下部に尖端を有する断面楔状の成形体の上部からオーバーフローさせた熔融ガラスを両側面に沿って流下させた後、前記成形体の下方で熔融ガラスを合流させてガラス板を成形する成形工程と、
前記成形体の下方に設けられた仕切り板により前記成形工程が行われる空間と仕切られた空間において、成形されたガラス板を下方に搬送しながら冷却する冷却工程と、
冷却されたガラス板の表面に発生する凹部および凸部のガラス板の幅方向位置とともに、前記凹部および凸部によるガラス板の板厚偏差を検出する検出工程と、を備え、
前記板厚偏差が基準値よりも高い場合、
前記成形工程において、前記凹部が検出された幅方向位置におけるガラス板の冷却を促進することで粘度を上げるとともに、
前記冷却工程において、前記凸部が検出された幅方向位置におけるガラス板の冷却を抑制することで粘度を下げることで、
前記凹部および凸部による板厚偏差が前記基準値以下となるように調整することを特徴とする。
(ガラス基板の製造方法の全体概要)
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の工程の一例を示す図である。ガラス基板の製造方法は、熔解工程(ST1)、清澄工程(ST2)、均質化工程(ST3)、供給工程(ST4)、成形工程(ST5)、徐冷工程(ST6)、および、切断工程(ST7)を主に有する。この他に、研削工程、研磨工程、洗浄工程、検査工程、梱包工程等を有してもよい。製造されたガラス基板は、必要に応じて梱包工程で積層され、納入先の業者に搬送される。
清澄工程(ST2)では、熔融ガラスが昇温されることにより、熔融ガラス中に含まれる酸素、CO2あるいはSO2を含んだ泡が発生する。この泡が熔融ガラス中に含まれる清澄剤(酸化スズ等)の還元反応により生じた酸素を吸収して成長し、熔融ガラスの液面に浮上して放出される。その後、清澄工程では、熔融ガラスの温度を低下させることにより、清澄剤の還元反応により得られた還元物質が酸化反応をする。これにより、熔融ガラスに残存する泡中の酸素等のガス成分が熔融ガラス中に再吸収されて、泡が消滅する。
供給工程(ST4)では、撹拌された熔融ガラスが成形装置に供給される。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをシートガラスに成形し、シートガラスの流れを作る。成形には、オーバーフローダウンドロー法が用いられる。
徐冷工程(ST6)では、成形されて流れるシートガラスが所望の厚さになり、内部歪が生じないように、さらに、反りが生じないように冷却される。
切断工程(ST7)では、徐冷後のシートガラスを所定の長さに切断することで、板状のガラス基板を得る。切断されたガラス基板はさらに、所定のサイズに切断され、目標サイズのガラス基板が作られる。
図2に示す熔解槽101には、図示されないバーナー等の加熱手段が設けられている。熔解槽には清澄剤が添加されたガラス原料が投入され、熔解工程(ST1)が行われる。熔解槽101で熔融した熔融ガラスは、移送管104を介して清澄管102に供給される。
清澄管102では、熔融ガラスMGの温度を調整して、清澄剤の酸化還元反応を利用して熔融ガラスの清澄工程(ST2)が行われる。清澄後の熔融ガラスは、移送管105を介して撹拌槽103に供給される。
撹拌槽103では、撹拌子110によって熔融ガラスが撹拌されて均質化工程(ST3)が行われる。撹拌槽103で均質化された熔融ガラスは、ガラス供給管106を介して成形装置200に供給される(供給工程ST4)。
成形装置200では、オーバーフローダウンドロー法により、熔融ガラスからシートガラスSGが成形され(成形工程ST5)、徐冷される(徐冷工程ST6)。
切断装置300では、シートガラスSGから切り出された板状のガラス基板が形成される(切断工程ST7)。
次に、本実施形態に係る成形装置200について説明する。図3は成形装置200を示す概略図であり、図4は図3のIV−IV矢視断面図である。
上部成形炉201Aには、成形体210と、複数の冷却材220とが設けられている。
成形体210には、図2に示すガラス供給管106を通して熔解装置100から熔融ガラスが供給される。
成形体210は、耐火レンガ等によって構成された細長い構造体であり、図4に示すように断面が楔形状を成している。成形体210の上部には、熔融ガラスMGを導く流路となる溝212が設けられている。溝212は、第3配管106と接続され、第3配管106を通して流れてくる熔融ガラスMGは、溝212を伝って流れる。溝212の深さは、熔融ガラスMGの流れの下流ほど浅くなっているため、溝212を流れる熔融ガラスMGは徐々に溝212から溢れ出し、成形体210の両側の側壁を伝わって流下し、成形体210の下方端部213で合流し、融合して鉛直下方に流下する。これにより、成形装置200内で成形体210から鉛直下方に向かうシートガラスSGが作られる。
なお、成形体210の下方端部213の直下におけるシートガラスSGの温度は、105.7〜107.5poiseの粘度に相当する温度であり、例えば1000〜1130℃である。
冷却材220は、上部成形炉201A内に設けられた図示しないヒータからの輻射熱を遮蔽することで、シートガラスSGの加熱量を局所的に抑える。また、シートガラスSGからの輻射熱が冷却材220により吸収されることで、シートガラスSGの局所的な冷却が促進される。
冷却材220と同じ高さの位置におけるシートガラスSGを構成するガラスの粘度は105.7〜107.5Poiseの範囲にあることが好ましい。
なお、冷却材220はシートガラスSGの一方の面側のみに設けてもよいし、両側に設けてもよい。
各冷却材220の形状、位置および冷却材220の数は、後述する検出装置290により検出される凹部および凸部の位置、凹部の基準面からの凹み量および凸部の基準面からの突出量に応じて、適宜変更される。
ここで、「基準面」とは、後述する光学式の表面検査装置によりシートガラスSGの板厚偏差を計測したときに、板厚偏差が所定の基準値の範囲内となる平坦領域を基準とする面である。平坦領域を基準とする面は、例えば平坦領域の平均面であってもよいし、平坦領域における突出量が基準値以下の凸部又は凹み量が基準値以下の凹部を通過し平均面と平行な面であってもよい。
なお、「基準値」とは、ガラス板に要求されるスペックによって任意に決定されるものである。基準値は、例えば0.06μmとすることができる。
冷却ローラ230および冷却装置240は、雰囲気仕切り部材260(0)の下方に設けられている。
1対の冷却ローラ230は、図3、図4に示すように、シートガラスSGを厚さ方向の両側から挟むように、シートガラスSGの厚さ方向の両側に設けられている。冷却ローラ230は、シートガラスSGの幅方向両端部を、約109・0poise以上の粘度に相当する温度(例えば900℃)以下の温度に低下するように、冷却する。冷却ローラ230は中空であり、内部に冷却媒体(例えば空気等)が供給されることにより急冷されている。冷却ローラ230は後述する搬送部材2501、2502、…、250nよりも径が小さく、炉内への挿入長さも短く、また急冷されているため、変形(偏芯)が生じるおそれが少ない。
端部冷却ユニット241は、シートガラスSGの幅方向両端部を、1014.5poise以上の粘度に相当する温度に低下するように、冷却する。
中央冷却ユニット242は、成形体210の下端213から離れたシートガラスSGを軟化点近傍まで急冷し、その後、シートガラスSGを軟化点近傍から徐冷点近傍まで緩やかに冷却する。例えば、中央冷却ユニット242は、流れ方向に複数に区画され、シートガラスSGの流れ方向の冷却速度が調整される。
保温材243は耐熱性、耐侵食性に優れ、かつ、上部成形炉201A内の雰囲気よりも熱伝導率が低い材料(例えば、耐火断熱レンガ、ファイバー系断熱材等の断熱材)からなる。保温材243をシートガラスSGの幅方向の任意の位置に設けることで、シートガラスSGの幅方向の任意の位置からの放熱を局所的に抑制することができる。
保温材243と同じ高さの位置におけるシートガラスSGを構成するガラスの粘度は107.5〜109.67Poiseの範囲にあることが好ましい。
シートガラスSGの幅方向における保温材243を設ける位置については、後述する。
保温材243の形状および保温材243の数は、後述する検出装置290により検出される凹部および凸部の位置、凹部の基準面からの凹み量および凸部の基準面からの突出量に応じて、適宜変更される。
徐冷炉202は、仕切り板260(1)により下部成形炉201Bと仕切られており、徐冷炉202の内部空間は、仕切り板260(1)以外の複数の仕切り板2022、…、202nにより高さ方向に複数の空間に仕切られている。複数の仕切り板260(1)、260(2)、…、260(n)により仕切られた各空間にそれぞれ搬送部材250(1)、250(2)、…、250(n)、複数の温度調整装置270(1)、270(2)、270(n)が設けられている。具体的には、仕切り板260(1)および仕切り板260(2)により仕切られた空間に搬送部材250(1)および温度調整装置270(1)が設けられ、仕切り板260(2)および図示しない仕切り板260(3)により仕切られた空間に搬送部材250(2)および温度調整装置270(2)が設けられている。
仕切り板260(3)と仕切り板202nの間も図示されない仕切り板260(4)〜260(n−1)により仕切られており、仕切られた各空間に他の図示されない搬送部材250(4)〜250(n−1)および温度調整装置270(4)〜270(n−1)が同様に設けられている。なお、最も下部の搬送部材250nおよび温度調整装置270nは最も下部の仕切り板260(n)の下部の空間に設けられている。
粘性領域では、例えば、シートガラスSGの幅方向の端部の温度が中央領域の温度より低く、且つ、中央領域の温度が均一になるような温度プロファイル(第1プロファイル)に設計される。これにより、幅方向の収縮を抑えつつ、シートガラスSGの板厚を均一にすることができる。
粘弾性領域では、例えば、シートガラスSGの温度が中央部から端部に向かって幅方向に漸減するような温度プロファイル(第2プロファイル)に設計される。
ガラス歪点の近傍の温度領域では、シートガラスSGの幅方向の端部の温度と中央部の温度とが略均一になるような温度プロファイルに設計される。
上記の設計された温度プロファイルに従うようにシートガラスSGの温度を管理することにより、シートガラスSGの反り及び歪(残留応力)を低減することができる。なお、シートガラスSGの中央領域は、板厚を均一にする対象の部分を含む領域であり、シートガラスSGの端部は、製造後に切断される対象の部分を含む領域である。
このときの冷却材220とシートガラスSGとの距離は、検出された凹部の基準面からの凹み量によって調節する。
このときの保温材243の厚さや材質、保温材243とシートガラスSGとの距離は、検出された凸部の基準面からの突出量によって調節する。
また、図7に示すように、凸部Cが検出された幅方向位置の、中央部よりも突出量が小さい両端部を冷却材220より局所的に冷却してもよい。この場合、凸部Cが検出された幅方向位置の両端部のシートガラスSGが伸びにくくなり、凸部Cが検出された幅方向位置の両端部に凸部Cよりも突出量が小さい凸部C1、C2(図7に一点鎖線で示す)が形成される。これにより、凸部Cの幅方向位置の両端部の突形状を緩やかにすることができる。
例えば、本実施形態においては、上部成形炉201A内に、コイルを巻きつけた磁性体からなる管(磁性管)をシートガラスSGの幅方向に複数配置し、コイルに交流電流を流すことで渦電流を磁性管に流し、渦電流によるジュール熱により磁性管を発熱させることでシートガラスSGを局所的に加熱してもよい。この場合、磁性管に電流を供給しないときには、磁性管を本実施形態の冷却材220として使用することができる。
SiO2:56−65質量%
Al2O3:15−19質量%
B2O3:8−13質量%
MgO:1−3質量%
CaO:4−7質量%
SrO:1−4質量%
BaO:0−2質量%
Na2O:0−1質量%
K2O:0−1質量%
As2O3:0−1質量%
Sb2O3:0−1質量%
SnO2:0−1質量%
Fe2O3:0−1質量%
ZrO2:0−1質量%
特に、ポリシリコンTFTを用いた液晶ディスプレイ用ガラス基板、IGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素)等の酸化物半導体を使用した酸化物半導体ディスプレイ用ガラス基板及びLTPS(低温度ポリシリコン)半導体を使用したLTPSディスプレイ用ガラス基板に好適である。
101 熔解槽
102 清澄槽
103 攪拌槽
104、105 移送管
106 ガラス供給管
200 成形装置
201 成形炉
202 徐冷炉
210 成形体
212 溝
213 下方端部
220 冷却材
230 冷却ローラ
240 冷却装置
241 端部冷却ユニット
242 中央冷却ユニット
243 保温材
244 冷却管
250(1)、250(2)、…、250(n) 搬送部材
260(0) 雰囲気仕切り部材
260(1)、260(2)、…、260(n) 仕切り材
270(1)、270(2)、270(n) 温度調整装置
290 検出装置
300 切断装置
Claims (8)
- 下部に尖端を有する断面楔状の成形体の上部からオーバーフローさせた熔融ガラスを両側面に沿って流下させた後、前記成形体の下方で熔融ガラスを合流させてガラス板を成形する成形工程と、
成形されたガラス板を下方に搬送しながら冷却する冷却工程と、
冷却されたガラス板の表面に発生する凸部のガラス板の幅方向位置とともに、前記凸部によるガラス板の板厚偏差を検出する検出工程と、を備え、
前記板厚偏差が基準値よりも高い場合、前記ガラス板の粘度が10 7.5 〜10 9.67 Poiseの範囲に相当する温度領域において、前記凸部が検出された幅方向位置におけるガラス板の温度を調整して粘度を下げることにより、前記凸部による板厚偏差が前記基準値以下となるように調整する、ディスプレイ用ガラス基板の製造方法。 - 前記冷却工程において、前記凸部が検出された幅方向位置におけるガラス板の冷却を抑制することで粘度を下げる、請求項1に記載のディスプレイ用ガラス基板の製造方法。
- 前記冷却工程において、前記凸部が検出された幅方向位置に保温材を配置することでガラス板の冷却を抑制する、請求項2に記載のディスプレイ用ガラス基板の製造方法。
- 前記検出工程において、冷却されたガラス板の表面に発生する凹部のガラス板の幅方向位置とともに、前記凹部および前記凸部によるガラス板の板厚偏差を検出し、
前記板厚偏差が基準値よりも高い場合、
前記ガラス板が軟化点よりも高い温度領域において、前記凹部が検出された幅方向位置におけるガラス板の温度を調整して粘度を上げることにより、前記凹部および前記凸部による板厚偏差が前記基準値以下となるように調整する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のディスプレイ用ガラス基板の製造方法。 - 前記熔融ガラスの合流部において、前記凹部が検出された幅方向位置におけるガラス板の冷却を促進することで粘度を上げる、請求項4に記載のディスプレイ用ガラス基板の製造方法。
- 前記熔融ガラスの合流部において、前記凹部が検出された幅方向位置にガラス板の冷却を促進する冷却材を近接させる、請求項5に記載のディスプレイ用ガラス基板の製造方法。
- 前記ガラス板の温度を調整して前記ガラス板の粘度を上げることは、前記ガラス板の粘度が105.7〜107.5Poiseの範囲にある温度領域で行う、請求項4〜6のいずれか一項に記載のディスプレイ用ガラス基板の製造方法。
- 下部に尖端を有する断面楔状の成形体の上部からオーバーフローさせた熔融ガラスを両側面に沿って流下させた後、前記成形体の下方で熔融ガラスを合流させてガラス板を成形する成形工程と、
前記成形体の下方に設けられた仕切り板により前記成形工程が行われる空間と仕切られた空間において、成形されたガラス板を下方に搬送しながら冷却する冷却工程と、
冷却されたガラス板の表面に発生する凹部および凸部のガラス板の幅方向位置とともに、前記凹部および凸部によるガラス板の板厚偏差を検出する検出工程と、を備え、
前記板厚偏差が基準値よりも高い場合、
前記成形工程において、前記凹部が検出された幅方向位置におけるガラス板の冷却を促進することで粘度を上げるとともに、
前記冷却工程において、前記凸部が検出された幅方向位置におけるガラス板の冷却を抑制することで粘度を下げることで、
前記凹部および凸部による板厚偏差が前記基準値以下となるように調整し、
前記ガラス板の冷却を促進する前記ガラス板の搬送方向の位置は、前記ガラス板の冷却を抑制する前記ガラス板の搬送方向の位置に比べて、前記ガラス板の搬送方向の上流側にある、ディスプレイ用ガラス基板の製造方法。
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