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JP6155699B2 - 熱処理装置 - Google Patents
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JP6155699B2 - 熱処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱処理装置に関する。
従来、電子部品やセラミック品などの被処理物の熱処理を行う技術として、例えば、特許文献1に示すものがある。この特許文献1には、リフロー炉(1)本体内に、電子部品が搭載され半田ペーストが塗布された基板(17)を搬送するチェーンコンベア(2)と、このチェーンコンベア(2)に沿って順次設けられた加熱炉(3)と、チェーンコンベア(2)の上方に設けられるヒータ(14)及びファン(13)とを備えたリフロー炉(1)が記載されている。そして、このリフロー炉(1)では、ヒータ(14)の熱を、ファン(13)によって、下方にある基板(17)の半田処理面である上側のみに照射することで、リフロー面(半田処理面)の半田が溶融し、電子部品が基板(17)に半田付けされるようになっている。
特許第4082462号公報
ところで、このような被処理物の熱処理を行う構成において、複数の被処理物を棚状に形成されたマガジンに所定の間隔を空けて収容し、このマガジン全体を加熱炉で熱処理することで、一度に多くの被処理物の熱処理を行う場合がある。そして、このように複数の被処理物がマガジンに収容されている構成では、これら複数の被処理物を効率よく均一に昇温させる構成が求められている。
しかしながら、上記特許文献1のように、基板(17)(被処理物)の上方に設けられるヒータからの熱風を基板表面に単に吹き付けるだけの構成では、マガジンに搭載される複数の被処理物全体に熱風を行き渡らせることは難しく、マガジン内で昇温度合いにバラツキが発生しやすくなり、昇温効率が低下するといった問題があった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、複数のワークにおいて昇温のばらつきが生じにくく、昇温効率を効果的に高めることが可能な熱処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、複数の被処理物(50)を所定の高さ方向に並べて配置し且つ互いに間隔をあけて保持する保持部材(30,230)と、前記保持部材(30,230,330)を収容し、前記保持部材(30,230)に保持された前記被処理物(50)に対して熱処理を行う熱処理室(10)と、前記熱処理室(10)内の内部気体を加熱する加熱部(4)と、前記内部気体が前記加熱部(4)により加熱されてなる加熱気体を送風可能に構成され、前記熱処理室(10)内において前記加熱気体を循環させる流れを発生させる送風部(6)と、前記加熱気体を導入可能な気体導入口(22)と、前記気体導入口(22)から導入された前記加熱気体を放出する吹き出し口(24)と、を備えた誘導流路(20)と、少なくとも所定時間の間、前記保持部材(30,230)に保持された複数の前記被処理物と、前記誘導流路(20)の前記吹き出し口(24)とが対向した状態で前記保持部材(30,230)を配置する配置部(70)と、を備え、前記配置部(70)は、前記熱処理室(10)内において前記保持部材(30,230)を前記高さ方向と直交する所定の前後方向に移動させる構成であり、前記保持部材(30,230)は、複数の前記被処理物(50)を前記高さ方向に間隔をあけて保持する構成をなし、且つ前記前後方向及び前記高さ方向と直交する横方向の少なくとも一方側は当該保持部材(30,230)の内部と外部とが連通する開放形態となっており、前記配置部(70)により前記保持部材(30,230)が前記熱処理室(10)内の所定位置に配置されたとき、当該保持部材(30,230)における前記開放形態となっている側に前記吹き出し口(24)が対向し、前記保持部材(230)は、前記前後方向の一方側及び他方側にそれぞれ支持壁(33b,33d)が対をなして設けられ、前記配置部(70)により前記保持部材(230)が前記熱処理室(10)内の所定位置に配置されたときに、前記吹き出し口(24)から吹き出される前記加熱気体が一対の前記支持壁(33b,33d)の間を流れる構成となっており、更に、一対の前記支持壁(33b,33d)の少なくともいずれかに、前記保持部材(230)の内部から外部へと前記加熱気体を導出可能な導出口が形成されていることを特徴とする。
請求項1の発明では、熱処理室(10)内に存在する内部気体が加熱部(4)により加熱され、その加熱気体が送風部(6)によって送風されることで、熱処理室(10)内において加熱気体を循環させる流れが発生する。更に、加熱気体を導入可能な気体導入口(22)と、気体導入口(22)から導入された加熱気体を放出する吹き出し口(24)とを備えた誘導流路(20)が設けられ、少なくとも所定時間の間、保持部材(30,230)に保持された複数の被処理物と、誘導流路(20)の吹き出し口(24)とが対向するように、保持部材(30,230)が配置されるようになっている。つまり、誘導流路(20)は、取り込んだ加熱気体を保持部材(30,230)に保持された複数の被処理物に向けて放出するように加熱気体の流れを生じさせるため、複数の被処理物間に構成される隙間に向けて加熱気体を積極的に流すことができる。従って、複数の被処理物に対し、より満遍なく効果的に加熱気体を行き渡らせることができ、ひいては、複数の被処理物をより均一に且つより効率的に昇温させることが可能となる。
図1は、第1実施形態に係る熱処理装置の構成を概念的に例示する斜視図である。 図2は、第1実施形態の熱処理装置で用いられる熱処理室の内部を平面視した構成を概念的に説明する説明図である。 図3は、第1実施形態の熱処理装置で用いられる熱処理室の構成に関し、図2とは異なる別例を説明する説明図である。 図4は、第1実施形態の熱処理装置で用いられる誘導流路及び保持部材等の構成を概略的に例示する斜視図である。 図5は、第1実施形態の熱処理装置で用いられる吹き出し口の形状を説明する説明図である。 図6は、第1実施形態の熱処理装置で用いられる吹き出し口の形状と配置位置を説明する説明図である。 図7は、第1実施形態の熱処理装置に関し、吹き出し口から吹き出された加熱気体と保持部材に保持された複数の被処理物との位置関係を説明する説明図である。 図8は、第1実施形態の熱処理装置で用いられる熱処理室の内部での加熱気体の流れを説明する説明図である。 図9は、図8のA−A位置での誘導流路及び保持部材等の断面を拡大して示す概略断面図である。 図10は、第1実施形態に係る熱処理装置の熱処理室内で測定した被処理物の昇温特性の測定結果を示すグラフである。 図11は、誘導流路を備えていない熱処理装置の熱処理室内で測定した被処理物の昇温特性の測定結果を比較例として示すグラフである。 図12(A)は、第1実施形態の第1変形例に係る熱処理装置で用いる保持部材及びそれに保持される被処理物を概略的に示す斜視図であり、図12(B)は、その保持部材を前方から見た概略図であり、図12(C)は、その保持部材を側方からみた概略図である。 図13は、第1実施形態の第2変形例に係る熱処理装置で処理対象となる被処理物の構成を説明する説明図である。 図14は、第2実施形態に係る熱処理装置で用いる保持部材の構成を概略的に例示する斜視図である。 図15は、第2実施形態に係る熱処理装置での加熱気体の流れを説明する説明図である。 図16は、第2実施形態の変形例に係る熱処理装置で用いる保持部材等の構成を概略的に例示する斜視図である。
[第1実施形態]
以下、本発明の熱処理装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
本第1実施形態に係る熱処理装置1は、例えば、エポキシ樹脂やポリアミドイミドなどの硬化やAgペーストなど熱処理、セラミック基板の加熱、セラミックの焼成、ウエハの酸化工程等に用いることが可能な加熱炉(乾燥炉、硬化炉、リフロー炉等)として構成されている。この熱処理装置1は、図1に示すように、熱処理を行う熱処理室10と、熱処理室10内の内部気体を加熱するヒータ4と、ヒータ4により加熱された加熱気体Hを誘導流路20へ送風するファン6を備えている。このうち、熱処理室10は、図2又は図3のように、複数のマガジン30を収容可能に構成され、室内ではヒータ4によって加熱された加熱空気が、例えば図8のようにファン6によって所定の経路に送り出されて循環するようになっており、その循環する経路の途中に各マガジン30が配置される構成となっている。そして、複数のマガジン30に保持された被処理物50が加熱空気を受けて加熱され、熱処理が行われるようになっている。熱処理室10内に収容されるマガジン30には、複数の被処理物50が高さ方向に並び且つ被処理物間に隙間を構成するように所定の間隔を空けて保持されている。そして、熱処理装置1の昇温領域12では、後述するファン6及び誘導流路20により、マガジン30に保持される被処理物50間の隙間位置(特に上下の隙間位置)に対して加熱気体Hを誘導し、当該加熱気体Hによって被処理物50の昇温を促進している。なお、図1では、熱処理室10の外殻をなす周壁や循環路8、9(図8)などを省略して示している。
ヒータ4は、「加熱部」の一例に相当し、熱処理室10内の内部気体を加熱する機能を有する。また、ファン6は、「送風部」の一例に相当し、内部気体がヒータ4により加熱されてなる加熱気体を送風可能に構成され、熱処理室10内において加熱気体を循環させる流れを発生させるように機能する。また、マガジン30は、「保持部材」の一例に相当し、複数の被処理物50を所定の高さ方向に並べて配置し且つ互いに間隔をあけて保持するように機能する。なお、マガジン30は、複数の被処理物50を、間隔をあけて並べて保持する構成であれば良く、複数の被処理物50の並べ方は図7のように高さ方向に1列であってもよく、図12のように高さ方向に複数列(図12では2列)であってもよい。また、本明細書では、マガジン30の搬送方向(マガジン搬送部70の動作によってマガジン30が移動する方向)が前後方向であり、この搬送方向と直交する所定の方向(図1の例では、マガジン30内で被処理物50が並ぶ方向)が高さ方向である。また、これら前後方向及び高さ方向と直交する方向が横方向(左右方向)である。
熱処理室10は、図2、図3、図8等に示すように、周囲を取り囲む外壁によって内部が閉鎖された空間として構成されており、ヒータ4によって加熱された加熱空気がファン6によって送られることで室内を循環するようになっている。この熱処理室10は、予備加熱を行う昇温領域12と、所定温度で熱処理を行う均熱領域14とを備えている(なお、図1では、均熱領域14を省略して示している)。そして、昇温領域12では、マガジン30に保持された被処理物50を、常温程度から所定温度(例えば、180℃)まで昇温させるようになっている。なお、図1〜図3等に示す本構成では、昇温領域12内に誘導流路20が設けられており、この誘導流路20によって加熱空気を複数の被処理物50の間に積極的に送り出す流れを作り、昇温効率を高めるようになっている(図1、図8参照:詳細は後述)。一方、均熱領域14には、誘導流路20が設けられておらず、この領域では、昇温領域12内で所定温度まで昇温された被処理物50を所定温度(例えば、180℃)付近で一定時間維持するように熱処理を行っている。
本構成では、図1に示すように、熱処理室10内においてマガジン30の移動経路及び各誘導流路20よりも上方側にヒータ4及びファン6が設けられており、ヒータ4は熱処理室10内の上方側所定領域付近の内部空気を加熱するようになっている。また、ファン6は、熱処理室10内において、例えばヒータ4と同程度の高さでヒータ4の近傍に配置されており、ヒータ4で加熱された加熱気体を下方側に向けて送り出すように機能している。例えば、図8の例では、ヒータ4が配置された空間(加熱空間)の空気がファン6側に流れ、この加熱空気がこのファン6によって循環路8に向けて送り出されるようになっている。そして、この循環路8は、ファン6が設けられた空間から、複数の誘導流路20の各気体導入口22に続いており、ファン6からの加熱空気が各誘導流路20内に導かれるようになっている。そして、各誘導流路20に設けられた対向壁部21の吹き出し口24(後述)からマガジン30の側方に向けて加熱空気が吹き出され、この加熱空気は、マガジン30内を通り抜けるようになっている。そして、マガジン30を通り抜けた加熱空気は、その誘導流路20とは反対側(マガジン30を挟んで誘導流路20とは反対側)に設けられた仕切り板80側に向かい、この仕切り板80に設けられた取り込み口81を通って循環路9内に導かれるようになっている。そして、各取り込み口81に連通する循環路9は、ヒータ4が設けられた空間に続いており、マガジン30を通り抜けて循環路9内に導かれた加熱気体はヒータ4側に戻されるようになっている。なお、図8は、ヒータ4で加熱され、ファン6で送り出された加熱空気を各誘導流路20に導き、マガジン30から排出された排出空気を再びヒータ4側に戻す循環構成のあくまで一例であり、ファン6からの加熱空気を誘導流路20内に導くことが可能であり、且つマガジン30からの排出空気をヒータ4側に戻すことが可能な構成であれば他の構成を用いてもよい。
なお、前後方向(搬送方向)におけるヒータ4及びファン6の配置は、図2に示すように、ヒータ4及びファン6の一部が昇温領域12と均熱領域14とで共用されるようになっていてもよい。この図2の例では、いずれかのヒータ4が、昇温領域12(搬送方向の全領域のうち、誘導流路20が設けられた領域)の上方位置と均熱領域14(昇温領域12よりも搬送方向後側の領域であって誘導流路20が設けられていない領域)の上方位置とに跨って配置されており、このヒータ4は、昇温領域12の上方空間及び均熱領域14の上方空間のいずれの内部気体をも加熱しうるように構成されている。また、昇温領域12と均熱領域14とに跨って配置されるファン6は、昇温領域12及び均熱領域14のいずれにおいても加熱気体を下方側に送風するように構成されている。或いは、前後方向(搬送方向)におけるヒータ4及びファン6の配置は、図3に示すように、ヒータ4及びファン6が、昇温領域12と均熱領域14とでそれぞれ設けられていてもよい。この図3の例では、昇温領域12(搬送方向の全領域のうち、誘導流路20が設けられた領域)の上方位置に、当該昇温領域12において専用で用いられるヒータ4及びファン6が設けられており、このヒータ4は、昇温領域12の上方空間の内部気体を選択的に加熱しうるように構成されている。そして、昇温領域12に設けられたファン6は、主に昇温領域12内の加熱気体を下方側に送風するように構成されている。なお、図1、図8の構成は、図3のように昇温領域12に専用のヒータ4及びファン6が設けられた構成を例示するものである。
更に、熱処理室10内には、マガジン30を搬送するマガジン搬送部70が設けられている。このマガジン搬送部70は、例えばコンベアなどから構成され、所定の搬送方向(前後方向)にマガジン30を直線的に搬送するように構成されている。なお、図1〜図3等に示す例では、マガジン30内において被処理物50が並ぶ高さ方向(例えば鉛直方向)と直交する方向が搬送方向(前後方向)であり、図2、図3では、マガジン30の搬送方向を、白抜き矢印α(以下、「搬送方向α」ともいう)で示している。図1〜図3に示す例では、熱処理室10内において、4列のマガジン搬送部70が設けられ、複数のマガジン30が4列の搬送経路で並列に搬送されるようになっている。このように横方向に4列に広がった各搬送経路では、いずれもマガジン搬送部70によって各マガジン30が搬送方向αへ所定の時間間隔(例えば10分)で順次移動され、その移動過程で各マガジン30に保持される被処理物50が加熱気体に晒されるように熱処理がなされる。具体的には、例えば、図2のような位置関係で一定時間(例えば10分)保持され、その後、A1の位置のマガジン30がA2の位置に移動し、A2の位置のマガジン30がA3の位置に移動するように各マガジン30の位置が一つずつ前側の位置にずれる。そして、そのずれた位置で一定時間(例えば10分)保持され、その一定時間経過後には更に各マガジン30の位置が一つずつ前側にずれるように1ステップずつの移動が繰り返される。なお、図3の場合でも同様に移動動作がなされる。
図2、図3のいずれの構成でも、熱処理室10は、マガジン搬送部70がマガジン30を搬送する搬送経路において前後方向の前半側に誘導流路20が設けられた昇温領域12が構成され、誘導流路20よりも後に搬送される側に、誘導流路20が設けられない均熱領域14が構成されている。この構成では、熱処理室10内の各搬送経路に投入された各マガジン30は、一定時間(例えば3回の移動ステップに相当する一定時間)の間、昇温領域12で維持されることで各マガジン30に保持される被処理物50の昇温が促進され、その後、均熱領域14へ搬送されて一定時間(例えば9回の移動ステップに相当する一定時間)の間、熱処理されるようになっている。
なお、本構成では、マガジン搬送部70が「配置部」の一例に相当し、少なくとも所定時間の間、マガジン30に保持された複数の被処理物50と、誘導流路20の吹き出し口24とが対向した状態でマガジン30を配置するように機能する。
図1に示すように、昇温領域12内には、マガジン30の開口部34a、34bと対向する位置に、誘導流路20(詳細は後述)と、仕切り板80によって外壁が構成された循環路9とが交互に設けられている。誘導流路20は、ヒータ4によって加熱されるととともにファン6により誘導された加熱気体Hを、被処理物50間の隙間位置へ導くように流路が構成されている。なお、図1、図4、図8等では、ファン6によって誘導流路20に送られ、この誘導流路20を通って吹き出し口から吹き出される気体の流れを矢印Fにて概念的に示している。
図1、図4等に示すように、誘導流路20は、加熱気体を導入可能な気体導入口22と、気体導入口22から導入された加熱気体を放出する複数の吹き出し口24とを備えており、複数の壁部によって囲まれた形態でその内部において加熱気体を導く流路が構成されたものである。この誘導流路20は、図4に示すように、前後方向両側に一対の壁部が設けられ、左右方向両側には、吹き出し口24が形成されてなる一対の対向壁部21が設けられている。そして、このように前後方向両側の壁部と左右方向両側の対向壁部21とによって四方が囲まれた構成で内部が空洞形態の角筒状の流路(より具体的には、高さ方向に延びる流路)として構成されている。そして、この誘導流路20の上端部に、ファン6によって送風された加熱気体Hを当該誘導流路20の内部へ導入する気体導入口22が形成されている。この気体導入口22の形状は、特に限定されず、例えば、図1、図4等に示すように、箱形形状の上端部の開口として構成されていてもよく、後述する吹き出し口24と同様に、複数の貫通孔などによって構成されていてもよい。
誘導流路20を構成する複数の壁部の一部は、マガジン搬送部70によってマガジン30が熱処理室10内の所定位置(当該誘導流路20の側方の位置)に配置されたときにマガジン30に保持された複数の被処理物50と対向する対向壁部21として構成されている。そして、この対向壁部21には、複数の吹き出し口24が当該対向壁部21を貫通する貫通孔として形成されている。具体的には、箱状に構成される誘導流路20の横方向(左右方向)両側に対向壁部21がそれぞれ設けられており、各対向壁部21に複数の吹き出し口24が形成されている。
吹き出し口24は、誘導流路20内部へ導入された加熱気体Hを、マガジン30に保持される複数の被処理物50側に向けて吹き出すように構成されており、図1に示すように、昇温領域12内において複数の被処理物50と対面する位置に配置されている。この吹き出し口24は、複数の貫通孔24aから構成されている。吹き出し口24の形状は、例えば、図5(A)に示すように円状であってもよく、図5(B)に示すように矩形状であってもよく、図5(C)に示すように被処理物50の積層方向(所定方向)に対して直交する方向に延びるように形成された縦スリット形状であってもよい。
また、吹き出し口24は、図6に示すように、被処理物50の積層方向(所定方向)に対して平行する方向に延びるように形成された横スリット形状に構成されていてもよい。そして、図6に示すように、吹き出し口24は、被処理物50間の隙間位置と重なる位置に配置されているとよい。即ち、図6の構成では、マガジン搬送部70の搬送により、マガジン30と誘導流路20とが横方向に並ぶように対向配置されたとき(即ち、複数の被処理物50と誘導流路20の吹き出し口24とが対向するようにマガジン30が熱処理室10内の所定位置に配置されたとき)、そのマガジン30に保持される複数の被処理物50における隣り合う被処理物間の隙間の高さに、各吹き出し口24がそれぞれ配置されるようになっている。このように吹き出し口24を配置することで、図7に示すように、加熱気体Hを被処理物50間の隙間位置へより流れやすくすることができる。なお、図6左図は、マガジン30を横方向一方側から見たときのマガジン30内の構成を概略的に示すものであり、図6右図は、マガジン30を横方向一方側から見たときの当該マガジン30の奥側に配置される対向壁部21の構成を概略的に示すものである。また、図6の構成に限らず、いずれの構成でも、マガジン30と誘導流路20とが横方向に並ぶように対向配置されたとき(即ち、複数の被処理物50と誘導流路20の吹き出し口24とが対向するようにマガジン30が熱処理室10内の所定位置に配置されたとき)、そのマガジン30に保持される複数の被処理物50における隣り合う被処理物間の隙間の高さに、各吹き出し口24がそれぞれ配置されるようになっていてもよい。
マガジン30は、図1、図4、図6、図7等に示すように、板状部材32を矩形状に組み合わせて形成された枠体36から構成されている。この枠体36は、壁部33a、33b、33c、33dと開口部34a、34bとから構成されている。そして、壁部33bと33dの内面側には、それぞれ被処理物50を両端から挟み込むように支持する支持部(図示略)が所定の間隔毎に形成されており、この支持部によって、複数の被処理物50を所定方向に互いに所定の間隔をあけて並んだ状態で保持するようになっている。このマガジン30は、複数の被処理物50を高さ方向に間隔をあけて保持する構成をなし、且つ横方向(前後方向及び高さ方向と直交する方向)の少なくとも一方側は当該マガジン30の内部と外部とが連通する開放形態となっており、マガジン搬送部70によりマガジン30が熱処理室10内の所定位置に配置されたとき、当該マガジン30における開放形態となっている側に吹き出し口24が対向するようになっている。なお、図1、図4等に示す例では、マガジン30の横方向両側が開放しており、吹き出し口24から横方向に吹き出された加熱空気がマガジン30内を横方向に抜けるようになっている。ここで、被処理物50間の距離は、小さくしすぎると、被処理物50間へ流れる加熱気体Hの流量も小さくなって昇温効率が低下してしまうため、昇温効率の低下が抑えられる程度の大きさにすることが好ましい。そして、加熱気体Hは、例えば図4に示すように、開口部34a側から被処理物50間の隙間位置へ流れて、開口部34b側から排出されるようになっている。
また、仕切り板80は、各対向壁部21と向かい合う位置にそれぞれ配置されている。本構成では、対向壁部21の板面及び仕切り板80の板面のいずれも横方向(左右方向)と直交する板面として構成されており、対向壁部21と仕切り板80とが、マガジン30の搬送経路を挟んで左右に向かい合っている。そして、これら対向壁部21と仕切り板80との間にマガジン30が配置されたときには、対向壁部21から仕切り板80に向かって流れる加熱空気がマガジン30内(より具体的にはマガジン30内の被処理物間)を通り抜けるようになっている。この仕切り板80は、マガジン30に隣接する循環路の一部(具体的には、マガジン30から排出された加熱空気をヒータ4側に戻すための循環路9の一部)として構成されている。図8、図9に示すように、仕切り板80には、貫通孔として構成される孔部81が形成されており、対向壁部21の吹き出し口24から吹き出されてマガジン30内を通り抜けた加熱空気は、その対向壁部21に向かい合う仕切り板80の孔部を通って循環路9に入り込むようになっている。そして、このように循環路9に送りこまれた空気は循環路9によってヒータ4が設けられた空間に送られるようになっている。なお、図1、図8では、仕切り板80に形成された孔部81を省略して示しているが、孔部81の数、大きさ、形状などは様々に変更できる。例えば、マガジン搬送部70の搬送により、マガジン30、対向壁部21、仕切り板80が横方向に並ぶように対向配置されたとき(即ち、複数の被処理物50と誘導流路20の吹き出し口24とが対向するようにマガジン30が熱処理室10内の所定位置に配置されたとき)、そのマガジン30に保持される複数の被処理物50における隣り合う被処理物間の隙間の高さに、各孔部81がそれぞれ配置されるようになっていてもよい。
次に、上述のように構成される熱処理装置1の昇温領域12内における加熱気体Hの流れについて図8、図9等を参照して説明する。
図8、図9では、図1に示す熱処理室10の昇温領域12を前後方向と直交する平面方向に切断した切断面を概略的に示すものである。これら図8、図9では、加熱気体の流れFは、実線矢印及び破線矢印で表されており、実線矢印は、ヒータ4により加熱された加熱気体Hがマガジン30内へ誘導される様子を示しており、破線矢印は、マガジン30から排出された加熱気体Hがヒータ4へ誘導される様子を示している。
まず、ヒータ4により加熱された加熱気体Hは、ヒータ4とファン6の間に構成された流路を通ってファン6側へ流れるようになっている。ファン6へ流れた加熱気体Hは、ファン6によって循環路8に送り出され、この循環路8によって誘導流路20へと誘導される。ここで、熱処理装置1は、搬送方向α(図8において紙面に対して垂直方向)に対して直交する方向(横方向)にマガジンが4列、並列に配置された構造であり、誘導流路20と循環路9の一部(仕切り板80が設けられた部分)によってそれぞれ区画されている。そして、循環路8を通って各気体導入口22に導かれた加熱気体Hは、各誘導流路20の吹き出し口からマガジン30の開口部34a側へ吹き出され、被処理物50間の隙間位置へ導かれる。隙間位置へ導かれた加熱気体Hは、マガジン30の開口部34b側から排出されて、反対側(マガジン30を挟んで吹き出し口24とは反対側)に設けられた仕切り板80の取り込み口81を通り、循環路9を通ってヒータ4側に戻される。そして、再びヒータ4へ流れ加熱されるようになっている。
このように、ファン6から送風される加熱気体Hを直接被処理物50に対して吹き付けるのではなく、誘導流路20及び仕切り板80とによって、整流するとともに均等に分流し、被処理物50間の隙間位置へ誘導するようにしている。そして、加熱気体Hを被処理物50に対して包み込むように流した後、再びヒータ4へ流し、昇温領域12内で循環させる構成となっている。
次に、上述のように構成された熱処理装置1の昇温効率について評価した結果を図10に示す。また、比較のために、誘導流路20を備えていない従来構成の熱処理装置1のデータを図11に示す。なお、被処理物50としてモールドされたパワー半導体を搭載した基板を用い、複数の被処理物50の基板表裏面それぞれの温度を、熱電対を用いて大気中で測定し、各測定データの中で最も昇温速度の遅いものをプロットした。また、均熱領域14での熱処理温度は180℃とした。
図10に示すように、本実施形態の構成を用いた場合は、昇温時間(被処理物50の温度が180℃に達するまでの時間)が20分であった。一方、従来構成の場合は、図11に示すように、昇温時間が60分であった。すなわち、本実施形態の構成では、従来構成と比較すると、昇温時間を3分の1程度まで短くできることがわかった。この結果からも、本実施形態の構成を採用することで、昇温効率を大幅に高めることができることが確認できる。
以上説明したように、本第1実施形態に係る熱処理装置1では、熱処理室10内に存在する内部気体がヒータ4により加熱され、その加熱気体がファン6によって送風されることで、熱処理室10内において加熱気体を循環させる流れが発生する。更に、加熱気体を導入可能な気体導入口22と、気体導入口22から導入された加熱気体を放出する吹き出し口24とを備えた誘導流路20が設けられ、少なくとも所定時間の間、保持部材30に保持された複数の被処理物50と、誘導流路20の吹き出し口24とが対向するように、保持部材30が配置されるようになっている。つまり、誘導流路20は、取り込んだ加熱気体を保持部材30に保持された複数の被処理物50に向けて放出するように加熱気体の流れを生じさせるため、複数の被処理物間に構成される隙間に向けて加熱気体を積極的に流すことができる。従って、複数の被処理物50(ワーク)に対し、より満遍なく効果的に加熱気体を行き渡らせることができ、ひいては、複数の被処理物50をより均一に且つより効率的に昇温させることが可能となる。
また、誘導流路20は、複数の壁部によって囲まれた形態で加熱気体を導く流路が構成され、複数の壁部の一部は、配置部70によって保持部材30が熱処理室10内の所定位置に配置されたときに保持部材30に保持された複数の被処理物と対向する対向壁部21として構成されている。そして、対向壁部21には、複数の吹き出し口24が、当該対向壁部21を貫通する貫通孔として形成されている。この構成では、保持部材30が熱処理室10内の所定位置に配置されたときに、複数の吹き出し口24によって加熱気体をより効率よく被処理物側へ誘導することができる。また、対向壁部21に貫通孔を設けることで吹き出し口24を形成することができるため、より簡易な構成とすることができる。
また、配置部70は、熱処理室10内において保持部材30を高さ方向と直交する所定の前後方向に移動させる構成となっている。また、保持部材30は、複数の被処理物50を高さ方向に間隔をあけて保持する構成をなし、且つ前後方向及び高さ方向と直交する横方向の少なくとも一方側は当該保持部材30の内部と外部とが連通する開放形態となっている。そして、配置部70により保持部材30が熱処理室10内の所定位置に配置されたとき、当該保持部材30における開放形態となっている側に吹き出し口24が対向するようになっている。このように、配置部70によって、保持部材30が所定の前後方向に移動される構成においても、保持部材30が熱処理室10内の所定位置に配置されたとき、保持部材30における開放形態となっている側に吹き出し口24が対向するようになっているので、複数の被処理物50において昇温のばらつきが生じにくく、昇温効率を効果的に高めることが可能となる。
また、誘導流路20には複数の吹き出し口24が設けられている。そして、配置部70により、複数の被処理物50と誘導流路20の吹き出し口24とが対向するように保持部材30が熱処理室10内の所定位置に配置されたとき、複数の被処理物50における隣り合う被処理物間の隙間の高さに、吹き出し口24がそれぞれ配置されるようになっている。このように、誘導流路20に複数の吹き出し口24が設けられており、各吹き出し口24が、複数の被処理物50における隣り合う被処理物間の隙間の高さに配置されるようになっているので、加熱気体を各被処理物50に対して包み込むように流すことができ、複数の被処理物50をより均一に且つより効率的に昇温させることが可能となる。
また、熱処理室10は、配置部70が保持部材30を搬送する搬送経路において前後方向の前半側に誘導流路20が設けられた昇温領域12が構成され、誘導流路20よりも後に搬送される側には、誘導流路20が設けられない均熱領域14が構成されている。このように、誘導流路20を昇温領域12のみに設けることで、より簡易な構成とすることができる。
また、ヒータ4及びファン6は、昇温領域12と均熱領域14とで共用されるようになっていてもよく、このように構成することで、設備コストを抑えることができる。
[第1実施形態の第1変形例]
次に、本発明の第1実施形態における第1変形例に係る熱処理装置1について、図12を参照して説明する。図12に示すように、第1実施形態における第1変形例では、被処理物50の配置が異なる以外は、上記第1実施形態と同様である。以下、これ以外の上記第1実施形態との相違点を中心に述べる。なお、上記第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
上記第1実施形態では、マガジン30によって、複数の被処理物50が所定方向(被処理物50の積層方向)に互いに所定の間隔をあけて並んだ状態で保持されている様子を説明したが、本第1変形例では、図12に示すように、さらに、これら被処理物50は、所定方向に対して直交する方向であって、加熱気体の流れFの方向に、互い違いに配置された状態でマガジン30に保持されている。具体的には、マガジン30は、複数の被処理物50の一部をなす複数の第1被処理物150を横方向の第1位置において高さ方向に並べて配置し、複数の被処理物50の一部をなす複数の第2被処理物250を、横方向における複数の第1被処理物150とは異なる第2位置において高さ方向に並べて配置している。そして、第1位置に並んで配置される複数の第1被処理物150の被処理物間の高さに、複数の第2被処理物250がそれぞれ配置されている。このように、被処理物50を加熱気体の流れFの方向に、互い違いに配置することで、被処理物50間の隙間位置へ加熱気体Hをより効率よく行き渡らせることができ、昇温効率をより高めることができる。
[第1実施形態の第2変形例]
次に、本発明の第1実施形態における第2変形例について、図13を用いて説明する。図13に示すように、本第2変形例では、被処理物50は、ボンディングワイヤが接続された配線基板であって、誘導流路Fに対して特定の向きに配置される点が異なる以外は、上記第1実施形態と同様である。以下、これ以外の上記第1実施形態との相違点を中心に述べる。なお、上記第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
本第2変形例では、図13に示すように、被処理物50は、表面側にボンディングワイヤ52が接続された配線基板から構成されている。そして、被処理物50は、ボンディングワイヤ52が当該被処理物50間の隙間位置を流れる誘導流路Fの方向に沿うように(ボンディングワイヤ52の一方の接続位置P1(素子54側)と他方の接続位置P2(リード56側)を結ぶ線が誘導流路Fの方向と略平行となるように)配置されるように、マガジン30に保持されている。即ち、マガジン30は、一部又は全部のボンディングワイヤの向きを横方向に沿った向きとするように被処理物50を保持するようになっている。このように、ボンディングワイヤ52が表面側に接続された被処理物50では、熱処理時に加熱気体Hの吹き出しによってワイヤ倒れが発生しやすいが、配置位置を工夫することで、ワイヤ倒れの発生を抑えることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る熱処理装置1について、図14〜16を参照して説明する。図14に示すように、本第2実施形態では、マガジン30の構成が第1実施形態と異なる以外は、上記第1実施形態と同様である。以下、これ以外の上記第1実施形態との相違点を中心に述べる。なお、上記第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
本第2実施形態では、図14に示すように、マガジン230を構成する板状部材32の前面部(支持壁33b)に複数の開口部38が形成されている。この開口部38は、具体的には、複数の被処理物50が積層される方向(所定方向)に沿って、被処理物50が配置されている位置と対応する位置(重なる位置)に形成されており、開口部34a、34bと共に加熱気体の流路の一部として構成されている。このマガジン230も、前後方向の一方側及び他方側にそれぞれ支持壁33b,33dが対をなして設けられ、マガジン搬送部70によりマガジン230が熱処理室10内の所定位置に配置されたときに、吹き出し口24から吹き出される加熱気体が一対の支持壁33b,33dの間を流れる構成となっている。そして、一対の支持壁33b,33dの少なくともいずれか(図14の例では、支持壁33b)に、マガジン230の内部から外部へと加熱気体を導出可能な導出口(開口部38)が形成されている。このように、マガジン230の前面部(支持壁33b)に開口部38を設けることにより、加熱気体Hの被処理物50間への流入量を多くすることができる。そして、この構成のマガジン230では、図14に示すように、開口部34a、34bの両側から加熱気体Hを導入し、この開口部38から排出する構成を取ることでより、昇温効率を高めることができる。
図15は、このマガジン230を熱処理装置1の昇温領域12内に配置し、開口部34a、34bの両側から加熱気体Hを導入する場合の加熱気体Hの流れの様子を示している。なお、図15においても、上述した第1実施形態と同様に、誘導流路Fは、図15中、実線矢印及び破線矢印で表されており、実線矢印は、ヒータ4により加熱された加熱気体Hがマガジン30内へ誘導される様子を示しており、破線矢印は、マガジン30から排出された加熱気体Hがヒータ4へ誘導される様子を示している。また、図8に示した構成よりも、誘導流路20の気体導入口22の数が増えた構成となっている。
この構成では、マガジン搬送部70によるマガジン230の移動経路の両側にそれぞれ誘導流路20が設けられ、マガジン搬送部70によりマガジン230が熱処理室10内の所定位置に配置されたときに、一方の誘導流路20に設けられた吹き出し口24からマガジン230の横方向一方側に向けて加熱気体が吹き出され、他方の誘導流路20に設けられた吹き出し口24からマガジン230の横方向他方側に向けて加熱気体が吹き出されるようになっている。
図15の構成では、ヒータ4で加熱された加熱気体がファン6により、各誘導流路20に向けて送り出されるようになっており、このように送り出された加熱気体Hは、各誘導流路20の各気体導入口22へそれぞれ導入される。そして、各誘導流路20の吹き出し口24から加熱気体Hが、マガジン30の開口部34a、34bの両側へ吹き出され、被処理物50間の隙間位置へ導かれる。図15の構成では、マガジン搬送部70による各移動経路の両側にそれぞれ誘導流路20が設けられており、それら誘導流路20の対向壁部21が互いに向かい合っている。そして、マガジン搬送部70によりマガジン230が熱処理室10内の所定位置に配置されたときに、一方の誘導流路20の対向壁部21に設けられた吹き出し口24からマガジン230の横方向一方側(例えば、開口部34a側)に向けて加熱気体が吹き出され、他方の誘導流路20に設けられた対向壁部21の吹き出し口24からマガジン230の横方向他方側(例えば開口部34b側)に向けて加熱気体が吹き出されるようになっている。そして、マガジン230の横方向両側から送り込まれた加熱気体は、マガジン230の前面部(支持壁33b)に形成された複数の開口部38から前方側に排出され、マガジン搬送部70(例えば搬送コンベア)の下方に形成された隙間を通って循環路9に導かれるようになっている。そしてこのように循環路9に導かれた気体は、再びヒータ4側に戻されてヒータ4によって加熱されるようになっている。
このように、本第2実施形態に係る熱処理装置1では、マガジン230の板状部材32の前面部(支持壁33b)には、複数の開口部38が形成されており、枠体36の開口部34a、34bと開口部38は、加熱気体の流れを生じさせる一部分として構成されている。そして、誘導流路20は、加熱気体Hを、開口部34a、34bの両側から隙間位置へ誘導するとともに、複数の開口部38から排出するように構成されている。このように、マガジン230に複数の開口部38を設け、開口部34a、34bの両側から加熱気体Hを導入して開口部38から排出することで、より効率的に被処理物50の昇温効率を高めることができる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
上記第2実施形態において、さらに図16に示すように、被処理物50を、所定方向に対して直交する方向であって、誘導流路Fの流入方向に、互い違いに配置された状態でマガジン330に保持されていてもよい。この構成でも、図15のように、マガジン搬送部70によるマガジン330の移動経路の両側に2つの誘導流路20が設けられ、マガジン搬送部70によりマガジン330が熱処理室10内の所定位置に配置されたときに、一方の誘導流路20に設けられた吹き出し口24からマガジン330の横方向一方側に向けて加熱気体が吹き出され、他方の誘導流路20に設けられた吹き出し口24からマガジン330の横方向他方側に向けて加熱気体が吹き出されるようになっている。そして、マガジン330は、複数の被処理物50の一部をなす複数の第1被処理物150を横方向の第1位置において高さ方向に並べて配置し、複数の被処理物50の一部をなす複数の第2被処理物250を、横方向における複数の第1被処理物150とは異なる第2位置において高さ方向に並べて配置する構成となっている。そして、第1位置に並んで配置される複数の第1被処理物150の被処理物間の高さに、複数の第2被処理物250がそれぞれ配置されている。また、この構成でも、マガジン330は、前後方向の一方側及び他方側にそれぞれ支持壁33b,33dが対をなして設けられ、マガジン搬送部70によりマガジン330が熱処理室10内の所定位置に配置されたときに、吹き出し口24から吹き出される加熱気体が一対の支持壁33b,33dの間を流れる構成となっている。そして、一対の支持壁33b,33dの少なくともいずれかに、マガジン330の内部から外部へと加熱気体を導出可能な導出口が形成されている。このように構成することで、被処理物50間により多くの加熱気体Hを流すことができるため、より昇温効率を高めることが可能となる。
上記実施形態では、「配置部」に相当するマガジン搬送部70は、図1、図8、図15等に示すように、マガジン30を載置して所定の前後方向に搬送する構成であったが、いずれの実施形態の構成でも、マガジン搬送部70を、マガジン30を吊り下げて所定の前後方向に搬送する構成に変更してもよい。
1…熱処理装置
4…ヒータ(加熱部)
6…ファン(送風部)
10…熱処理室
20…誘導流路
22…気体導入口
24…吹き出し口
30,230…マガジン(保持部材)
50…配線基板(被処理物)
70…マガジン搬送部(配置部)

Claims (10)

  1. 複数の被処理物(50)を所定の高さ方向に並べて配置し且つ互いに間隔をあけて保持する保持部材(30,230)と、
    前記保持部材(30,230)を収容し、前記保持部材(30,230)に保持された前記被処理物(50)に対して熱処理を行う熱処理室(10)と、
    前記熱処理室(10)内の内部気体を加熱する加熱部(4)と、
    前記内部気体が前記加熱部(4)により加熱されてなる加熱気体を送風可能に構成され、前記熱処理室(10)内において前記加熱気体を循環させる流れを発生させる送風部(6)と、
    前記加熱気体を導入可能な気体導入口(22)と、前記気体導入口(22)から導入された前記加熱気体を放出する吹き出し口(24)と、を備えた誘導流路(20)と、
    少なくとも所定時間の間、前記保持部材(30,230)に保持された複数の前記被処理物と、前記誘導流路(20)の前記吹き出し口(24)とが対向した状態で前記保持部材(30,230)を配置する配置部(70)と、
    を備え
    前記配置部(70)は、前記熱処理室(10)内において前記保持部材(30,230)を前記高さ方向と直交する所定の前後方向に移動させる構成であり、
    前記保持部材(30,230)は、複数の前記被処理物(50)を前記高さ方向に間隔をあけて保持する構成をなし、且つ前記前後方向及び前記高さ方向と直交する横方向の少なくとも一方側は当該保持部材(30,230)の内部と外部とが連通する開放形態となっており、
    前記配置部(70)により前記保持部材(30,230)が前記熱処理室(10)内の所定位置に配置されたとき、当該保持部材(30,230)における前記開放形態となっている側に前記吹き出し口(24)が対向し、
    前記保持部材(230)は、前記前後方向の一方側及び他方側にそれぞれ支持壁(33b,33d)が対をなして設けられ、前記配置部(70)により前記保持部材(230)が前記熱処理室(10)内の所定位置に配置されたときに、前記吹き出し口(24)から吹き出される前記加熱気体が一対の前記支持壁(33b,33d)の間を流れる構成となっており、
    更に、一対の前記支持壁(33b,33d)の少なくともいずれかに、前記保持部材(230)の内部から外部へと前記加熱気体を導出可能な導出口が形成されていることを特徴とする熱処理装置(1)。
  2. 複数の被処理物(50)を所定の高さ方向に並べて配置し且つ互いに間隔をあけて保持する保持部材(30,230)と、
    前記保持部材(30,230)を収容し、前記保持部材(30,230)に保持された前記被処理物(50)に対して熱処理を行う熱処理室(10)と、
    前記熱処理室(10)内の内部気体を加熱する加熱部(4)と、
    前記内部気体が前記加熱部(4)により加熱されてなる加熱気体を送風可能に構成され、前記熱処理室(10)内において前記加熱気体を循環させる流れを発生させる送風部(6)と、
    前記加熱気体を導入可能な気体導入口(22)と、前記気体導入口(22)から導入された前記加熱気体を放出する吹き出し口(24)と、を備えた誘導流路(20)と、
    少なくとも所定時間の間、前記保持部材(30,230)に保持された複数の前記被処理物と、前記誘導流路(20)の前記吹き出し口(24)とが対向した状態で前記保持部材(30,230)を配置する配置部(70)と、
    を備え、
    前記配置部(70)は、前記熱処理室(10)内において前記保持部材(30,230)を前記高さ方向と直交する所定の前後方向に移動させる構成であり、
    前記保持部材(30,230)は、複数の前記被処理物(50)を前記高さ方向に間隔をあけて保持する構成をなし、且つ前記前後方向及び前記高さ方向と直交する横方向の少なくとも一方側は当該保持部材(30,230)の内部と外部とが連通する開放形態となっており、
    前記配置部(70)により前記保持部材(30,230)が前記熱処理室(10)内の所定位置に配置されたとき、当該保持部材(30,230)における前記開放形態となっている側に前記吹き出し口(24)が対向し、
    前記配置部(70)による前記保持部材(30,230)の移動経路の両側に少なくとも2つの前記誘導流路(20)が設けられ、
    前記配置部(70)により前記保持部材(30,230)が前記熱処理室(10)内の所定位置に配置されたときに、一方の前記誘導流路(20)に設けられた前記吹き出し口(24)から前記保持部材(30,230)の前記横方向一方側に向けて前記加熱気体が吹き出され、他方の前記誘導流路(20)に設けられた前記吹き出し口(24)から前記保持部材(30,230)の前記横方向他方側に向けて前記加熱気体が吹き出されることを特徴とする熱処理装置(1)。
  3. 複数の被処理物(50)を所定の高さ方向に並べて配置し且つ互いに間隔をあけて保持する保持部材(30,230)と、
    前記保持部材(30,230)を収容し、前記保持部材(30,230)に保持された前記被処理物(50)に対して熱処理を行う熱処理室(10)と、
    前記熱処理室(10)内の内部気体を加熱する加熱部(4)と、
    前記内部気体が前記加熱部(4)により加熱されてなる加熱気体を送風可能に構成され、前記熱処理室(10)内において前記加熱気体を循環させる流れを発生させる送風部(6)と、
    前記加熱気体を導入可能な気体導入口(22)と、前記気体導入口(22)から導入された前記加熱気体を放出する吹き出し口(24)と、を備えた誘導流路(20)と、
    少なくとも所定時間の間、前記保持部材(30,230)に保持された複数の前記被処理物と、前記誘導流路(20)の前記吹き出し口(24)とが対向した状態で前記保持部材(30,230)を配置する配置部(70)と、
    を備え、
    前記配置部(70)は、前記熱処理室(10)内において前記保持部材(30,230)を前記高さ方向と直交する所定の前後方向に移動させる構成であり、
    前記保持部材(30,230)は、複数の前記被処理物(50)を前記高さ方向に間隔をあけて保持する構成をなし、且つ前記前後方向及び前記高さ方向と直交する横方向の少なくとも一方側は当該保持部材(30,230)の内部と外部とが連通する開放形態となっており、
    前記配置部(70)により前記保持部材(30,230)が前記熱処理室(10)内の所定位置に配置されたとき、当該保持部材(30,230)における前記開放形態となっている側に前記吹き出し口(24)が対向し、
    前記被処理物(50)は、ボンディングワイヤが接続された配線基板であり、
    前記保持部材(30,230)は、一部又は全部の前記ボンディングワイヤの向きを前記横方向に沿った向きとするように前記被処理物(50)を保持することを特徴とする熱処理装置(1)。
  4. 複数の被処理物(50)を所定の高さ方向に並べて配置し且つ互いに間隔をあけて保持する保持部材(30,230)と、
    前記保持部材(30,230)を収容し、前記保持部材(30,230)に保持された前記被処理物(50)に対して熱処理を行う熱処理室(10)と、
    前記熱処理室(10)内の内部気体を加熱する加熱部(4)と、
    前記内部気体が前記加熱部(4)により加熱されてなる加熱気体を送風可能に構成され、前記熱処理室(10)内において前記加熱気体を循環させる流れを発生させる送風部(6)と、
    前記加熱気体を導入可能な気体導入口(22)と、前記気体導入口(22)から導入された前記加熱気体を放出する吹き出し口(24)と、を備えた誘導流路(20)と、
    少なくとも所定時間の間、前記保持部材(30,230)に保持された複数の前記被処理物と、前記誘導流路(20)の前記吹き出し口(24)とが対向した状態で前記保持部材(30,230)を配置する配置部(70)と、
    を備え、
    前記配置部(70)は、前記熱処理室(10)内において前記保持部材(30,230)を前記高さ方向と直交する所定の前後方向に移動させる構成であり、
    前記保持部材(30,230)は、複数の前記被処理物(50)を前記高さ方向に間隔をあけて保持する構成をなし、且つ前記前後方向及び前記高さ方向と直交する横方向の少なくとも一方側は当該保持部材(30,230)の内部と外部とが連通する開放形態となっており、
    前記配置部(70)により前記保持部材(30,230)が前記熱処理室(10)内の所定位置に配置されたとき、当該保持部材(30,230)における前記開放形態となっている側に前記吹き出し口(24)が対向し、
    前記熱処理室(10)は、前記配置部(70)が前記保持部材(30,230)を搬送する搬送経路において前記前後方向の前半側に前記誘導流路(20)が設けられた昇温領域が構成され、前記誘導流路(20)よりも後に搬送される側には、前記誘導流路(20)が設けられない均熱領域が構成されていることを特徴とする熱処理装置(1)。
  5. 前記加熱部(4)と前記送風部(6)は、前記昇温領域と前記均熱領域とで共用されることを特徴とする請求項4に記載の熱処理装置(1)。
  6. 複数の被処理物(50)を所定の高さ方向に並べて配置し且つ互いに間隔をあけて保持する保持部材(30,230)と、
    前記保持部材(30,230)を収容し、前記保持部材(30,230)に保持された前記被処理物(50)に対して熱処理を行う熱処理室(10)と、
    前記熱処理室(10)内の内部気体を加熱する加熱部(4)と、
    前記内部気体が前記加熱部(4)により加熱されてなる加熱気体を送風可能に構成され、前記熱処理室(10)内において前記加熱気体を循環させる流れを発生させる送風部(6)と、
    前記加熱気体を導入可能な気体導入口(22)と、前記気体導入口(22)から導入された前記加熱気体を放出する吹き出し口(24)と、を備えた誘導流路(20)と、
    少なくとも所定時間の間、前記保持部材(30,230)に保持された複数の前記被処理物と、前記誘導流路(20)の前記吹き出し口(24)とが対向した状態で前記保持部材(30,230)を配置するように前記高さ方向と直交する所定の前後方向に移動させる配置部(70)と、
    を備え、
    前記誘導流路(20)は、複数の壁部によって囲まれた形態で前記加熱気体を導く流路が構成され、前記複数の壁部の一部は、前記配置部(70)によって前記保持部材(30,230)が前記熱処理室(10)内の所定位置に配置されたときに前記保持部材(30,230)に保持された複数の前記被処理物(50)と対向する対向壁部(21)として構成されており、
    前記対向壁部(21)には、複数の前記吹き出し口(24)が当該対向壁部(21)を貫通する貫通孔として形成され、
    前記誘導流路(20)は、前記前後方向及び前記高さ方向と直交する横方向の両側に面する一対の前記対向壁部(21)を備え、それぞれの前記対向壁部(21)は、前記配置部(70)によって前記熱処理室(10)内の異なる位置に配置される複数の前記保持部材(30,230)のそれぞれに対して、保持された複数の前記被処理物(50)と対向することを特徴とする熱処理装置(1)。
  7. 複数の前記誘導流路(20)を備え、
    それぞれの前記誘導流路(20)は、1つの前記送風部(6)により発生される前記加熱気体を循環させる流れによって前記加熱気体が導入される気体導入口(22)を備えることを特徴とする請求項6に記載の熱処理装置(1)。
  8. 前記配置部(70)は、前記熱処理室(10)内において前記保持部材(30,230)を前記高さ方向と直交する所定の前後方向に移動させる構成であり、
    前記保持部材(30,230)は、複数の前記被処理物(50)を前記高さ方向に間隔をあけて保持する構成をなし、且つ前記前後方向及び前記高さ方向と直交する横方向の少なくとも一方側は当該保持部材(30,230)の内部と外部とが連通する開放形態となっており、
    前記配置部(70)により前記保持部材(30,230)が前記熱処理室(10)内の所定位置に配置されたとき、当該保持部材(30,230)における前記開放形態となっている側に前記吹き出し口(24)が対向することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の熱処理装置(1)。
  9. 前記誘導流路(20)には複数の前記吹き出し口(24)が設けられ、
    前記配置部(70)により、複数の前記被処理物と前記誘導流路(20)の前記吹き出し口(24)とが対向するように前記保持部材(30,230)が前記熱処理室(10)内の所定位置に配置されたとき、複数の前記被処理物における隣り合う被処理物間の隙間の高さに、前記吹き出し口(24)がそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1〜5,8のいずれか一項に記載の熱処理装置(1)。
  10. 前記保持部材(30,230)は、複数の前記被処理物(50)の一部をなす複数の第1被処理物(150)を前記横方向の第1位置において前記高さ方向に並べて配置し、複数の前記被処理物(50)の一部をなす複数の第2被処理物(250)を、前記横方向における複数の前記第1被処理物(150)とは異なる第2位置において前記高さ方向に並べて配置し、且つ前記第1位置に並んで配置される複数の前記第1被処理物(150)の被処理物間の高さに、複数の前記第2被処理物(250)がそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1〜5,8,9のいずれか一項に記載の熱処理装置(1)。
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