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JP6162673B2 - 使用済み耐火物の分離回収方法および分離装置 - Google Patents
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JP6162673B2 - 使用済み耐火物の分離回収方法および分離装置 - Google Patents

使用済み耐火物の分離回収方法および分離装置 Download PDF

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Description

本発明は、使用済み耐火物の分離回収方法に関し、特に、使用済み耐火物から有価物を効率的に回収する方法に関するものである。
鋼の連続鋳造は、取鍋内の溶鋼をタンディッシュに注入し、タンディッシュ内に所定量の溶鋼が滞在した状態で溶鋼を鋳型に注入することにより行われる。図1は、一般的なタンディッシュの側面断面図を示している。この図に示したタンディッシュ1は、外殻を鉄皮2とし、この鉄皮2の内側にパーマレンガ3およびワークレンガ4からなる耐火物が設置された構成を有している。ここで、ワークレンガ4の表面には、吹き付け施工などによる酸化マグネシウム(MgO)の被覆層5が形成されている。また、タンディッシュ1の底部には、タンディッシュ1内の溶鋼を鋳型に注入するノズル6が、ノズル受けレンガ7を介して取り付けられている。このノズル6は、上ノズル6aと浸漬ノズル6bとからなる。
上述のように、耐火物はパーマレンガ3およびワークレンガ4からなり、パーマレンガ3はシリカを主成分とする一方、ワークレンガ4はアルミナを主成分とする。ワークレンガ4は溶鋼に直接接するため、耐熱性と耐食性が求められる。鋼の連続鋳造において、溶鋼がタンディッシュ1に繰り返し注がれると、ワークレンガ4が表層から劣化していく。そのため、ワークレンガ4の厚みが規定寸法以下になると、耐火物は解体される。劣化したワークレンガ4の表層数十mmは、鉄(Fe)やマンガン(Mn)などが浸潤し、黒っぽく変色した状態となっている。
解体された屑には、地金鉄や浸潤されたワークレンガ4、健全なワークレンガ4、およびパーマレンガ3が混在している。こうした解体屑に含まれる使用済み耐火物を産業廃棄物として処理することは、多大なコストを要するのみならず、省資源の観点からも望ましくない。そこで、製鉄所で発生した使用済み耐火物を再利用する方法が多数提案されている。
例えば、特許文献1には、破砕粒度と成分の関係を利用して、使用済みの耐火物を溶銑予備処理の造宰材として再利用する技術が記載されている。
また、特許文献2には、破砕粒度と成分の関係を利用して、使用済み耐火物の一部を耐火物として再利用し、残りを製鉄精錬副原料や土木工事の材料として再利用する技術が記載されている。
さらに、特許文献3には、破砕して粒度調整した使用済み耐火物を脱炭材として再利用する技術が記載されている。
上記特許文献1〜3に記載された技術は、精錬副原料や土木工事の材料として再利用するものである。しかしながら、使用済み耐火物は、本来耐火物としての能力を有する成分に富んだ素材であるため、安価な副原料や土木工事の材料として利用するのは経済価値の低い方法である。そのため、使用済み耐火物を成分毎に分離し、経済価値の高い有価物を回収して耐火物として再利用するのが望ましい。
しかしながら、使用済み耐火物を成分毎に分離するのは、以下に示すタンディッシュ1の解体施工の問題から困難である。タンディッシュ1の解体は、具体的には以下のように行う。すなわち、まず、ワークレンガ4のみを重機や専用機械で剥がすか、あるいは削る。その際、剥がしたワークレンガ4の屑はタンディッシュ1の底面に溜まる。一般的には、この溜まったレンガ屑を排出するために、タンディッシュ1全体を転動させる。すると、パーマレンガ3は、通常、タンディッシュ1の鉄皮2に沿って積まれているだけであり、ワークレンガ4によって鉄皮2に押さえつけるように固定されているため、ワークレンガ4を削った後にタンディッシュ1を転動させると、ワークレンガ4屑だけでなく、パーマレンガ3も崩れ落ちて排出される。以上の理由から、ワークレンガ4とパーマレンガ3を別々に回収することは困難であり、これらのレンガが混在した屑として排出されるのである。
このような背景の下、使用済み耐火物から有価物であるワークレンガ4を分離して回収する方法がこれまでも提案されてきた。例えば、特許文献4および5には、破砕・磁選・色選別を組み合わせてワークレンガ4とパーマレンガ3を選別する技術が記載されている。しかし、浸潤層は濃い灰色に変色しているため、選別できる可能性があるものの、健全なワークレンガ4とパーマレンガ3は、双方とも白色系の色を有しているため、色彩選別だけでは選別は困難である。
ここで、ワークレンガ4とパーマレンガ3の成分を見ると、ワークレンガ4は、60質量%のアルミナ(Al23)および35質量%のシリカ(SiO2)を含有し、パーマレンガ3は、15質量%のAl23および80質量%のSiO2を含有する。このように、双方ともAl23およびSiO2が主成分である。これらの成分のうち、価値が高いのはAl23であり、ワークレンガ4はAl23リッチであり、パーマレンガ3はSiO2リッチである。よって、ワークレンガ4だけを高純度に分離回収できれば、Al23リッチな原料として再利用できる。
ところで、Al23の密度は3.95〜4.1(g/cm3)であり、SiO2の密度は2.2(g/cm3)である。つまり、ワークレンガ4とパーマレンガ3を比べた場合、Al23が主成分であるワークレンガの方がパーマレンガ3よりも密度が大きい。すなわち、この密度の差を利用することにより、使用済み耐火物の解体屑からワークレンガ4を分離して回収できることが期待される。
比重または密度の差を利用した選別方法は、従来様々な分野で提案されている。例えば、水を用いて比重1よりも軽いものと重いものに分ける方法や、さらにそれを発展させ、比重を1〜3に調整した重液と呼ばれる液体によって、浮遊物と沈降物に分ける方法が考えられている。比重が1〜3であれば廃プラスチックや鉱物、軽金属部品と広い用途に利用することができ、廃棄物リサイクルの分野ではよく利用されている。分離を高速かつ大量に行う用途においては、湿式サイクロン法もよく利用される。この湿式サイクロンは、選鉱の分野では大規模に利用されている。
さらに、振動と空気流を同時に与えることで比重別に分離するエアテーブル法もよく知られている。この方法は古くは農業分野で穀物粒ともみ殻を分離する技術として開発されたものであるが、近年では廃棄物リサイクル分野でも導入されている。この方法は乾式で行うため、廃液処理が不要であり、また、小規模の設備で済むという利点がある。
特開2009−263742号公報 特開2005−58835号公報 特開2006−241478号公報 特許第3645843号公報 特許第3704301号公報
しかしながら、使用済み耐火物から、有価物であるワークレンガ4を、ワークレンガ4とパーマレンガ3の見かけ密度の差を用いて分離回収した技術はこれまで提案されていない。また、使用済み耐火物は大量に存在するため、ワークレンガ4のみを効率的に分離回収することも必要であり、このような技術の確立が希求されていた。
そこで、本発明の目的は、複数の種類の使用済み耐火物からなる混合耐火物を耐火物毎に効率的に分離し、回収する方法を提案することにある。
本発明者らは、上記課題を解決する方途について鋭意検討した。耐火物のリサイクルは製鉄所のような消費地に近い立地条件で行われるため、廃液処理が必要な方法は望ましくない。また、エアテーブル法は処理速度が不十分であり、大量処理には向かない。そこで発明者らは、大量の使用済み耐火物から、ワークレンガのみを乾式で効率的に分離回収できる方法について鋭意検討した結果、粉体を流動媒体とした固気流動層を用いる方法が極めて有効であることを見出し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)見かけ密度の異なる複数の耐火物からなる混合耐火物を耐火物毎に分離して回収するに当たり、前記混合耐火物を破砕し、次いで破砕された混合耐火物を乾燥させた後、乾燥後の混合耐火物を所定の粒度範囲に分級し、その後所定の粒度範囲に分級された混合耐火物を、流動化させた固気流動層に導入し、前記混合耐火物の見かけ密度の最大値と最小値の間に設定された該固気流動層のかさ密度を利用して前記混合耐火物を耐火物毎に分離して回収することを特徴とする方法。
(2)前記所定の粒度範囲は10mm以上100mm以下である、前記(1)に記載の方法。
(3)前記かさ密度は1.0以上7.0以下である、前記(1)または(2)に記載の方法。
(4)前記耐火物の見かけ密度ρrは、前記耐火物の乾燥状態での重量maを測定し、次いで前記耐火物を水中に浸漬して前記耐火物内に水を浸透させた後、前記耐火物の水中での重量mlを測定し、その後前記耐火物を水中から取り出して前記耐火物の表面に付着した水を除去した後、前記耐火物の重量mwを測定し、前記重量ma、mlおよびmwに基づいて決定される、前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の方法。
(5)前記耐火物の見かけ密度ρrは、前記重量ma、mlおよびmwを用いて、下記の式(A)で与えられる、前記(4)に記載の方法。
ρr=ma/(mw−ml) (A)
(6)粉体によって形成される固気流動層と、見かけ密度の異なる複数の耐火物からなる混合耐火物を投入する手段と、前記混合耐火物のうち前記固気流動層によって分離し浮揚した浮揚物を回収する第一の回収手段と、前記混合耐火物のうち固気流動層によって分離し沈降した沈降物を回収する第二の回収手段とを備え、前記固気流動層に使用される粉体のかさ密度は、前記混合耐火物の見かけ密度の最大値と最小値の間に設定されていることを特徴とする混合耐火物の分離装置。
本発明によれば、固気流動層を利用して見かけ密度の異なる複数の使用済み耐火物からなる混合耐火物を耐火物毎に効率的に分離して回収することができる。
一般的なタンディッシュの側面断面図である。 本発明に係る有価物回収方法のフローチャートを示す図である。 (a)は従来のアルキメデス法による見かけ密度の測定原理を、(b)は本発明における改良されたアルキメデス法による見かけ密度の測定原理を説明する図である。 本発明において、固気流動層を用いて混合耐火物を耐火物毎に分離する装置を示す図である。 破砕されたタンディッシュ用レンガの見かけ密度分布を示す図である。 破砕された高炉鍋用レンガの見かけ密度分布を示す図である。 破砕されたマグネシアカーボンレンガの見かけ密度分布を示す図である。 破砕された高炉樋用レンガの見かけ密度分布を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図2は、本発明に係る耐火物の分離回収方法のフローチャートを示す図である。本発明に係る使用済み耐火物の分離回収方法は、見かけ密度の異なる複数の耐火物からなる混合耐火物を耐火物毎に分離して回収する方法であって、上記混合耐火物を破砕し(ステップS1)、次いで破砕された混合耐火物を乾燥させた後(ステップS2)、乾燥後の混合耐火物を分級して所定の粒度範囲の混合耐火物を回収し(ステップS3)、その後回収した混合耐火物を流動化させた固気流動層に導入し、該固気流動層のかさ密度を利用して混合耐火物を耐火物毎に分離して(ステップS4)回収する方法である。
ここで、「見かけ密度」とは、耐火物の表面の気孔の体積は除くが、内部の気孔の体積を含めて求めた密度で後述するアルキメデス法で求められる密度とし、「かさ密度」とは、固気流動層の流動化媒体の粒子重量を粒子間の隙間も含めた流動化時の体積で除したものとする。以下、各工程について説明する。
まず、ステップS1において、見かけ密度の異なる複数の種類の使用済み耐火物からなる混合耐火物を破砕する。ここで、破砕対象となる混合耐火物およびこの混合耐火物を構成する耐火物は、特に限定されるものではない。例えば、耐火物は、タンディッシュ1に使用されるレンガや、高炉鍋や高炉樋に用いられるレンガ、転炉に用いられるマグネシアカーボンレンガである。
高炉鍋は、鉄皮と、この鉄皮の内部に配置されたレンガからなり、このレンガは、一般的にはアルミナ、SiCを主成分としている。このレンガは、溶銑の運搬およびその後の予備処理に伴って劣化し、また、スラグや地金が温度の低下により凝固して付着するため、健全なレンガのみを効率的に回収することが望ましい。
また、高炉樋は、耐酸化鉄(FeO)性が良好、すなわち酸化鉄が付着しにくいアルミナを主成分とするレンガからなるメタルライン部、および耐スラグ性が良好なSiCを主成分とするレンガからなるスラグライン部からなる。このうち、SiCを主成分とするレンガが有用であるため、このレンガのみを効率的に回収することが望ましい。
さらに、マグネシアカーボンレンガは、転炉の耐火物として使用されるレンガであり、使用回数が増すに従って金属が浸潤し、不純物濃度が大きくなるため、使用済みの耐火物から、不純物の少ないマグネシアカーボンレンガのみを回収することが望ましい。
なお、本発明において、「見かけ密度の異なる複数の耐火物からなる混合耐火物」とは、タンディッシュ内のパーマレンガ3およびワークレンガ4からなる混合耐火物のように、組成の異なる耐火物で構成される耐火物ばかりでなく、耐火物に溶鋼が不純物として浸潤して見かけ密度が変化した部分と溶鋼が浸潤していない健全な部分とからなる耐火物も本発明における混合耐火物に含まれる。
これら見かけ密度の異なる複数の耐火物からなる混合耐火物の破砕は、例えばジョークラッシャーやバケットクラッシャー等を用いて行うことができる。
次に、ステップS2において、破砕された混合耐火物を乾燥させる。これは、後述するステップS4における固気流動層を用いて混合耐火物を耐火物毎に分離する際に、耐火物が湿潤していると分離が困難になるためである。この耐火物の乾燥方法は、大量の混合耐火物を低コストに乾燥できることが好ましく、例えば回転式乾燥炉を用いて行うことができる。この回転式乾燥炉は、大量の耐火物からなる混合耐火物をむら無く一定の温度で乾燥させることができる。
また、上記した乾燥炉等の装置を用いずに、使用済みの混合耐火物をヤード等の屋外や半屋外に置き、防水透湿性を有するシートで覆って保管することにより、耐火物に含まれる水分をシート外に放出させて乾燥させることもできる。この方法では、簡便かつ低コストに使用済み耐火物からなる混合耐火物を乾燥させることができる。
続いて、ステップS3において、乾燥された混合耐火物を分級して所定の粒度範囲の混合耐火物を回収する。この混合耐火物の分級は、具体的には、を用いて行う。例えば、粒度範囲を5mm以上500mm以下とする場合には、まず、目開き寸法が500mmのを用いて、複数の耐火物からなる混合耐火物を篩う。
次に、目開き寸法が500mmのを通過した混合耐火物を、目開き寸法が5mmので篩う。この5mmのの上に残った混合耐火物が、5mm以上500mm以下の粒度範囲の混合耐火物である。なお、上記説明から明らかなように、所望の粒度範囲の耐火物は、耐火物の最大粒径が上記粒度範囲内にあることを意味しているわけではなく、単に、粒度範囲の上限のにかけ、このを通過した耐火物を粒度範囲の下限のにかけ、この上に残った耐火物を意味している。
上記耐火物の分級の際に、上記1回目の処理により上に残った耐火物、および2回目の処理によりを通過した耐火物は、粒径が大きすぎるか、あるいは小さすぎて、後述するステップS4における固気流動層を用いた耐火物毎の分離には適していないため、耐火物としては再利用されず、土木工事等に利用される。ここで、1回目の処理において、上に残った粒度の大きな混合耐火物は、再度破砕処理を行って粒度を小さくした後、再度分級してもよい。
ここで、混合耐火物粒度範囲は、10mm以上100mm以下とすることが好ましい。この粒度範囲に調整することにより、耐火物が固気流動層中に屑として漂うことを防止しつつ、混合耐火物を耐火物毎に効率的に分離することができる。より好ましくは、30mm以上50mm以下である。
その後、ステップS4において、回収した混合耐火物を流動化させた固気流動層に導入し、該固気流動層のかさ密度を利用して混合耐火物を耐火物毎に分離する。上述のように、発明者らは、見かけ密度の異なる複数の耐火物からなる混合耐火物を耐火物毎に分離する方法として、乾式の固気流動層を用いた分離方法が最適であると考えた。この乾式の固気流動層を用いたシュレッダーダストを分離する方法が特開2003−300020号公報に、プラスチック類を分離する方法が特開2003−311214号公報に、それぞれ開示されている。
以下、見かけ密度の異なる複数の耐火物からなる混合耐火物を、固気流動層を用いて耐火物毎に分離する原理について説明する。すなわち、粉体を流動化させ、液体系の見かけ密度選別と同様な粉体流動化媒体、すなわち固気流動層を利用して、複数の耐火物からなる混合耐火物をその密度によって分離する。ここで、「固気流動層」とは、粉体を流動化させて液体に類似した性質を持つものを意味している。
まず、固気流動層による分離の原理を以下に説明する。粉体に気体を送り浮遊流動化させた場合、粉体からなる流動層は、液体と同様の挙動を示す。従って、固気流動層のかさ密度ρfbは下記の式で表される。
ρfb=Wp/Vf=(1−εf)ρp (1)
ここで、Wpは流動化媒体の粒子重量、Vfは流動化時の体積、εfは流動化時の空隙率、ρpは流動化媒体の粒子密度である。
このようなかさ密度ρfbを有する流動層中に、密度ρsの耐火物を混在させたとき、ρs<ρfbの耐火物は流動層12の上部に浮揚し、ρs>ρfbの耐火物は流動層12の下部に沈降する。そしてρs=ρfbの耐火物は流動層中間部を浮遊する。この原理を利用して、見かけ密度の異なる耐火物からなる混合耐火物を耐火物毎に分離するのである。
ここで、耐火物の密度ρsは、アルキメデス法により求めるのが一般的である。すなわち、図3(a)に示すように、まず、空中において、耐火物の乾燥状態の重量maを測定する。次いで、耐火物を水に浸漬し、水中での重量mlを測定する。水に浸漬された耐火物には、耐火物の体積に相当する浮力が働くため、乾燥重量maと水中重量mlとの差が、耐火物の体積vに相当する。よって、耐火物の見かけ密度ρは以下の式で与えられる。
ρ=ma/(ma−ml) (2)
しかし、耐火物が多孔性の材料からなり、高い吸水性を有する場合には、上記した通常のアルキメデス法により見かけ密度を測定する際に、耐火物が水を吸収してその水中重量が吸水した水の重量Δmだけ大きく測定される。そのため、測定された水中重量mlをそのまま用いて耐火物の見かけ密度を求めると、真の値よりも大きくなってしまう。そこで、耐火物が高い吸水性を有する場合には、以下のように改良されたアルキメデス法を用いて見かけ密度を求めることが好ましい。
すなわち、図3(b)に示すように、まず、空中において、耐火物の乾燥状態の重量maを測定する。次いで、耐火物を水に十分な時間浸漬し、水中での重量mlを測定する。続いて、耐火物を水中から取り出して、耐火物の表面に付着した水滴を充分に拭き取った後、湿潤重量mwを測定する。湿潤重量mwと乾燥重量maとの差mw−maが、耐火物に吸収された水の重量Δmである。そして、耐火物の真の見かけ密度ρrは以下の式で与えられる。
ρr=ma/(mw−ml)=ma/(ma+Δm−ml) (3)
この式(3)を用いることにより、耐火物が多孔性を有して高い吸湿性を有する場合にも、耐火物の見かけ密度を精度よく求めることができる。
図4は、本発明において、固気流動層を用いて混合耐火物を耐火物毎に分離する装置を示している。この図に示した分離装置10は分離槽11を備え、この分離11には、固気流動層12を構成する粉体が充填されている。また、分離11内の中央部付近には、固気流動層12に浮遊する、固気流動層12のかさ密度より密度の小さな耐火物Sを回収するための、スクレーパ13aを有する浮遊耐火物回収手段13が設けられており、回収された浮遊耐火物Sは排出部14により装置外に排出される。さらに、分離11の内壁に沿って、固気流動層12に沈降した、固気流動層12のかさ密度より密度の大きな耐火物Pを回収するための、スクレーパ15aを有する沈降耐火物回収手段15が設けられており、回収された沈降耐火物Pは排出部16により装置外に排出される。
固気流動層を構成する粉体は、特に限定されず、所望のかさ密度が実現できるように、分離する耐火物の種類に応じて適切に選択すればよい。例えば、タンディッシュのワークレンガとパーマレンガを分離する際には、クロマイトサンドや鉄粉、あるいはこれらの混合物を用いることができる。また、高炉鍋内のレンガを分離する際には、ジルコンサンドや鉄粉を用いることができる。さらに、マグネシアカーボンレンガの場合には、ジルコンサンドや鉄粉を用いることができる。固気流動層のかさ密度は、これらの混合比および装置10内に導入する気体の流量を変更することにより調整することができる。
また、粉体の粒径についても特に限定されないが、粒径が大きいと流動化の送風能力がより多く必要となる点から、100μm以上500μm以下とすることが好ましい。
粉体の流動化は、固気流動層の下部から気体を送風することにより行なうことができる。好ましくは、気体は空気である。
この分離装置10を用いた耐火物毎の分離は以下のように行うことができる。すなわち、まず、分離槽11内に流動化媒体としての粉体であるジルコンサンドや鉄粉等を導入し、分離槽11の下面から分離槽11内に気体を送風して粉体を流動化させ、固気流動層12を形成する。次いで、分離槽11の上面開口(図示せず)から混合耐火物を投入する。すると、固気流動層12のかさ密度よりも密度の大きい耐火物Pは沈降する一方、固気流動層12のかさ密度よりも密度の小さな耐火物Sは浮遊する。
浮遊耐火物回収手段13に取り付けられたスクレーパ13aは、図4の矢印の向きに移動しており、固気流動層12を浮遊した耐火物Sをかき集め、排出部14が、かき集められた耐火物Sを分離11外に排出する。一方、沈降耐火物回収手段15に取り付けられたスクレーパ15aは、図4の矢印の向きに移動しており、固気流動層12を沈降した、固気流動層12よりも密度が大きな耐火物Pをかき集め、排出部16は、かき集められた耐火物Pを分離11外に排出する。こうして、固気流動層のかさ密度を利用して、耐火物毎に分離することができる。最後に、分離された耐火物から有価物を回収することにより、使用済みの耐火物からなる混合耐火物から有価物を回収することができる。
<見かけ密度の測定>
以下、本発明の実施例について説明する。まず、上述の改良されたアルキメデス法により、破砕されたワークレンガおよびパーマレンガの見かけ密度を測定した。すなわち、まず、空中において、耐火物の乾燥状態の重量maを測定し、次いで、耐火物を水に十分な時間浸漬し、水中での重量mlを測定し、続いて耐火物を水中から取り出して、耐火物の表面に付着した水滴を充分に拭き取った後、湿潤重量mwを測定した。上記した式(3)を用いて、測定された乾燥重量ma、水中重量ml、および湿潤重量mwから、ワークレンガおよびパーマレンガの見かけ密度をそれぞれ求めた。得られた見かけ密度分布を図5に示す。この図から、固気流動層のかさ密度を2.3(g/cm3)程度とすることにより、ワークレンガとパーマレンガを分離できることが期待できる。
同様に、高炉鍋用レンガ(成分:アルミナSiC―C)、マグネシアカーボンレンガ(成分:マグネシア、マグカーボン)および高炉樋用レンガ(成分:アルミナSiC―C)についても見かけ密度をそれぞれ測定した。得られた見かけ密度分布を図6〜8にそれぞれ示す。高炉鍋用のレンガは主成分がアルミナSiC―Cであり、この見かけ密度は2.45(g/cm3)程度であるため、2.45(g/cm3)未満のレンガは、不純物が混入したレンガと見なすことができる。そこで、固気流動層のかさ密度を2.45(g/cm3)とすることにより、不純物のないレンガを分離回収することが期待できる(図6)。また、マグネシアカーボンレンガは主成分がマグネシアであり、このマグネシアの見かけ密度は2.6(g/cm3)程度であるため、2.6(g/cm3)未満のレンガは、不純物が混入したレンガと見なすことができる。そこで、固気流動層のかさ密度を2.6(g/cm3)とすることにより、不純物のないマグネシアカーボンレンガを分離回収することが期待できる(図7)。さらに、高炉樋用レンガは、主成分がアルミナSiC−Cであり、このアルミナSiC−Cの見かけ密度は3.2(g/cm3)程度であるため、3.2(g/cm3)未満のレンガは、不純物が混入したレンガと見なすことができる。そこで、固気流動層のかさ密度を3.2(g/cm3)とすることにより、不純物のないレンガを分離回収することが期待できる(図8)。
<混合耐火物の分離回収>
(発明例1)
図2に示したフローチャートに従って、使用済みのタンディッシュ用レンガからワークレンガを分離回収した。すなわち、まず、ワークレンガとパーマレンガの割合が6:4のタンディッシュ用レンガを、圧縮刃のクリアランスが30mmのジョークラッシャーを用いて破砕した。次いで、破砕されたレンガを、ロータリーキルン式の乾燥機に導入し、重油を燃料として350℃で乾燥した。続いて、乾燥されたレンガを目開き寸法:30mmのにかけ、を通過したレンガを目開き寸法:10mmのにかけ、上に残った耐火物を回収することにより、10mm以上30mm以下の粒度を有するレンガを回収した。その後、回収したレンガを固気流動層を用いた分離装置(長さ:2500mm、幅:1000mm、深さ:250mm)に導入して、浮遊したレンガおよび沈降したレンガを回収し、タンディッシュ用レンガをワークレンガとパーマレンガに分離した。ここで、固気流動層を構成する粉体として、ジルコンサンドに体積比:1%の鉄粉を混ぜたものを使用し、装置の下部から流量:14m3/分の空気を送風することにより、かさ密度:2.3(g/cm3)の固気流動層を形成した。分離装置によるレンガの処理速度は1t/hである。その後、固気流動層に浮遊したパーマレンガおよび沈降したワークレンガをそれぞれ回収することにより、有価物であるワークレンガを回収した。
(発明例2)
発明例1と同様に、高炉鍋用レンガから、不純物のない健全なレンガを分離回収した。その際、固気流動層のかさ密度を3.0(g/cm3)とした。その他の条件は全て発明例1と同じである。
(発明例3)
発明例1と同様に、マグネシアカーボンレンガから、不純物のない健全なレンガを分離回収した。その際、固気流動層のかさ密度を2.5(g/cm3)とした。その他の条件は全て発明例1と同じである。
(発明例4)
発明例1と同様に、高炉樋用レンガから、不純物のない健全なレンガを分離回収した。その際、固気流動層のかさ密度を3.0(g/cm3)とした。その他の条件は全て発明例1と同じである。
<回収率>
まず、タンディッシュ用レンガについて、回収した浮遊レンガおよび沈降レンガのそれぞれを確認した。その結果、浮遊レンガに含まれるワークレンガは5重量%、パーマレンガは40重量%であった。一方、沈降レンガに含まれるワークレンガは55重量%、パーマレンガは0重量%であった。すなわち、沈降レンガは全てワークレンガからなり、ワークレンガの濃度は100%、ワークレンガの回収率は55/(5+55)=92%であった。一方、浮遊レンガに含まれるパーマレンガには、ワークレンガがわずかに含まれており、パーマレンガの濃度は40/45=89%であり、回収率は100%であった。タンディッシュ用レンガにおいて、リサイクル対象の有価物は、上述のようにワークレンガであり、ワークレンガの回収濃度は100%、回収率は92%であり、非常に効率的に回収できていることが分かる(発明例1)。
同様に、高炉鍋用レンガについては、不純物のない健全なレンガの回収濃度は80%、回収率は90%(発明例2)、マグネシアカーボンレンガについては、不純物のない健全なレンガの回収濃度は85%(発明例3)、回収率は90%、そして、高炉樋用レンガについては、不純物のない健全なレンガの回収濃度は75%、回収率は80%であった(発明例4)。
本発明によれば、固気流動層を利用して見かけ密度の異なる複数の使用済み耐火物からなる混合耐火物を耐火物毎に効率的に分離して回収することができるため、製鉄業において有用である。
なお、本発明は、例示した実施形態に限定されず種々変形可能である。例えば、浮揚物および沈降物の回収ができるのであれば、種々の形態を採用することが可能である。また固気流動層を構成する粉体も、耐火物の分離回収が可能であれば、実施例に限られるものではない。
1 タンディッシュ
2 鉄皮
3 パーマレンガ
4 ワークレンガ
5 被覆層
6 ノズル
6a 上ノズル
6b 浸漬ノズル
7 ノズル受けレンガ
10 分離装置
11 分離
12 固気流動層
13 浮遊耐火物回収手段
13a、15a スクレーパ
14、16 排出部
15 沈降耐火物回収手段
S 浮遊耐火物
P 沈降耐火物

Claims (6)

  1. 見かけ密度の異なる複数の耐火物からなる混合耐火物を耐火物毎に分離して回収するに当たり、
    前記混合耐火物を破砕し、次いで破砕された混合耐火物を乾燥させた後、乾燥後の混合耐火物を所定の粒度範囲に分級し、その後所定の粒度範囲に分級された混合耐火物を、流動化させた固気流動層に導入し、前記混合耐火物の見かけ密度の最大値と最小値の間に設定された該固気流動層のかさ密度を利用して前記混合耐火物を耐火物毎に分離して回収することを特徴とする方法。
  2. 前記所定の粒度範囲は10mm以上100mm以下である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記かさ密度は1.0以上7.0以下である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記耐火物の見かけ密度ρrは、
    前記耐火物の乾燥状態での重量maを測定し、次いで前記耐火物を水中に浸漬して前記耐火物内に水を浸透させた後、前記耐火物の水中での重量mlを測定し、その後前記耐火物を水中から取り出して前記耐火物の表面に付着した水を除去した後、前記耐火物の重量mwを測定し、
    前記重量ma、mlおよびmwに基づいて決定される請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記耐火物の見かけ密度ρrは、前記重量ma、mlおよびmwを用いて、下記の式(A)で与えられる、請求項4に記載の方法。
    ρr=ma/(mw−ml) (A)
  6. 粉体によって形成される固気流動層と、見かけ密度の異なる複数の耐火物からなる混合耐火物を投入する手段と、前記混合耐火物のうち前記固気流動層によって分離し浮揚した浮揚物を回収する第一の回収手段と、前記混合耐火物のうち固気流動層によって分離し沈降した沈降物を回収する第二の回収手段とを備え、
    前記固気流動層に使用される粉体のかさ密度は、前記混合耐火物の見かけ密度の最大値と最小値の間に設定されていることを特徴とする混合耐火物の分離装置。
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