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JP6179986B2 - 2−シアノアクリレート系接着剤用表面処理剤 - Google Patents
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JP6179986B2 - 2−シアノアクリレート系接着剤用表面処理剤 - Google Patents

2−シアノアクリレート系接着剤用表面処理剤 Download PDF

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Description

本発明は、2−シアノアクリレート系接着剤用表面処理剤に関するもので、難接着材料、とりわけポリエステル樹脂を2−シアノアクリレート系接着剤を用いて接着する際の表面処理剤として有用なものである。
2−シアノアクリレート系接着剤は、主成分である2−シアノアクリレートの持つ特異なアニオン重合性により、被着材表面に付着するわずかな水分等のようなアニオン等によって重合を開始し、各種材料を短時間で強固に接着することができるものである。このため、いわゆる瞬間接着剤として工業用、医療用、家庭用等の分野において広く用いられている。
しかしながら、接着する際に被着体間の隙間が大きい場合や被着体表面の水分が少ない場合には2−シアノアクリレート系接着剤の硬化速度が遅くなり、短時間での接着が困難なため、硬化するまでの間被着体が動かないように固定する必要があった。この改善方法として、特定のアミン類等を2−シアノアクリレート系接着剤用硬化促進剤として併用する方法(例えば特許文献1、特許文献2)が提案されている。
また、2−シアノアクリレート系接着剤のもう一つの欠点として、ポリエステル樹脂に代表される高結晶化樹脂または非極性樹脂などの難接着材料に対する接着強度が十分でないことが挙げられる。この改善方法として、表面処理剤(プライマー)としてイミダゾール環を有する化合物や特定構造を有するジアミン類を併用する方法(例えば特許文献3、特許文献4、特許文献5)が提案されている。
しかしながら、特許文献3には、硬化促進剤として使用されるトルイジン、アニリン、ジエチルアミン等のアミン化合物は、高結晶化樹脂、非極性樹脂に対する接着力を高める効果が全く認められない旨記載されており、硬化促進剤を使用しても難接着材料に対する接着強度を高めることはできず、一方で、難接着材料に対して表面処理剤を使用し接着強度を向上させることはできても、十分な硬化速度を得ることはできない。
このように、2−シアノアクリレート系接着剤を用いたポリエステル樹脂等の難接着材料の接着に際し、硬化速度と接着強度の両方を工業的に求められる程度までに向上させる有効な手段は見いだされていない。
特公昭49−12094号公報 特開昭62−43476号公報 特開平2−45572号公報 特開平9−53052号公報 特開2002−201384号公報
本発明の目的は、2−シアノアクリレート系接着剤を用い接着する際に難接着材料として知られる樹脂の中でも、とりわけ近年成形材料として市場で重要な位置を占めるポリエステル樹脂の接着に際し、硬化速度と接着強度の両方を工業的に求められる程度までに向上させる有効な接着方法を提供することにある。
本願発明者らは前記課題を解決する為に、2−シアノアクリレート系接着剤を用い接着する際に難接着材料として知られる樹脂の中でも、とりわけポリエステル樹脂の接着に際し、硬化速度と接着強度の両方を工業的に求められる程度までに向上させる有効な接着方法を提供することを目的とし、2−シアノアクリレート系接着剤用の表面処理剤について鋭意検討したところ、特定の構造を有する脂肪族アミン化合物、特定の構造を有する芳香族3級アミン化合物を含む表面処理剤を使用することにより、前記課題が解決可能であることを見出した。具体的には下記発明を含む。
<1>
ポリエステル樹脂を含む被着体を2−シアノアクリレート系接着剤で接着する際に用いる表面処理剤であって、
(A)下記一般式(1)〜(3)で示される、窒素原子を2〜4個有する脂肪族アミン化合物の少なくとも1種、(B)下記一般式(4)で示される芳香族3級アミン化合物及び(C)有機溶媒を含有することを特徴とする2−シアノアクリレート系接着剤用表面処理剤。
Figure 0006179986
Figure 0006179986
Figure 0006179986
(式中R、R、R、R、R、Rはそれぞれ水素原子、または分枝を有しても良いアルキル基である。R、R、Rは直鎖、分枝鎖または環状のアルキル基であり、アルキル基中にエーテル結合を有しても良い。また、R〜Rそれぞれが同一であっても異なっていても良い。)
Figure 0006179986
(R10〜R12は分枝を有しても良いアルキル基を表し、R10〜R12それぞれが同一であっても異なっていても良く、更にはR10が複数ある場合、各々が同一でも異なっても良い。また、n=0〜2の整数、m=0〜3の整数を表す。)
<2>
(A)一般式(1)〜(3)で示される窒素原子を2〜4個有する脂肪族アミン化合物において、アミノ基のうち少なくとも1つが3級であることを特徴とする<1>に記載の2−シアノアクリレート系接着剤用表面処理剤。
<3>
ポリエステル樹脂を含む被着体を2−シアノアクリレート系接着剤で接着するための接着方法であって、請求項1または2に記載の2−シアノアクリレート系接着剤用表面処理剤を用いることを特徴とする接着方法。
本発明の2−シアノアクリレート系接着剤用表面処理剤を用いることにより、2−シアノアクリレート系接着剤を用い接着する際に難接着材料と知られる樹脂の中でも、とりわけポリエステル樹脂の接着に際し、硬化速度と接着強度の両方を工業的に求められる程度までに向上させる有効な接着方法を提供することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における(A)前記一般式(1)〜(3)で示される窒素原子を2〜4個有する脂肪族アミン化合物の内、R、R、R、R、R、Rはそれぞれ水素原子、または分枝を有しても良いアルキル基を表し、好ましくは水素原子、または分枝を有しても良い炭素数1〜4のアルキル基を表す。
本発明における(A)前記一般式(1)〜(3)で示される窒素原子を2〜4個有する脂肪族アミン化合物の内、R、R、Rは直鎖、分枝鎖または環状のアルキル基を表し、アルキル基中にエーテル結合を有しても良い。好ましくは炭素数2〜12の分枝を有しても良いアルキル基であってエーテル結合を有さないもの、または炭素数2〜12の分枝を有しても良いアルキル基であってエーテル結合を有するものを表し、さらに好ましくは炭素数2〜6の分枝を有しても良いアルキル基であってエーテル結合を有さないもの、または炭素数2〜6の分枝を有しても良いアルキル基であってエーテル結合を有するものを表す。なお、アルキル基中にエーテル結合を有するとは、主鎖中にエーテル結合を有しても良いし、アルキル基の置換基として側鎖にエーテル結合を有していても良いとの意味である。
本発明における(A)前記一般式(1)〜(3)で示される窒素原子を2〜4個有する脂肪族アミン化合物は上述した条件を満たしつつ、脂肪族アミン化合物中に複数有するアミノ基のうち少なくとも一つが3級であるものが、本願発明の表面処理剤としての効果をより良く発現することから好ましい。以上詳述した(A)前記一般式(1)〜(3)で示される窒素原子を2〜4個有する脂肪族アミン化合物の具体例について下記に列挙する。
本発明に用いられる前記一般式(1)で示される窒素原子を2個有する脂肪族アミン化合物として、例えば、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N−ジプロピルエチレンジアミン、N,N−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N−ジブチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリエチルエチレンジアミン、N,N,N’−トリプロピルエチレンジアミン、N,N,N’’−トリブチルエチレンジアミン、N,N−ジエチル−N’−メチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラプロピルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラブチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,2−ジアミノプロパン、N,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N−ジエチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,3−ジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−2,2−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−2,2−ジエチル−1,3−プロパンジアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、N,N−ジエチル−1,4−シクロヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−シクロヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,4−シクロヘキサンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,4−ジアミノブタン、4−アミノ−1−ジメチルアミノペンタン、4−アミノ−1−ジエチルアミノペンタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N,N’,N’−テトラエチル−1,6−ジアミノヘキサン、N,N’−ジメチル−N,N’−ビス(3,3−ジメチルブチル)シクロヘキサン−1,2−ジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(3−ジメチルアミノプロピル)エーテル、ビス(4−ジメチルアミノブチル)エーテル、ビス(5−ジメチルアミノペンチル)エーテル、ビス(6−ジメチルアミノヘキシル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル、ビス(3−ジエチルアミノプロピル)エーテル、ビス(4−ジエチルアミノブチル)エーテル、ビス(5−ジエチルアミノペンチル)エーテル、ビス(6−ジエチルアミノヘキシル)エーテル等が挙げられる。
本発明に用いられる前記一般式(2)で示される窒素原子を3個有するアミン化合物して、例えば、2,2’−ジアミノ−N−メチルジエチルアミン、3,3’−ジアミノ−N−メチルジプロピルアミン、N,N−ジメチルジエチレントリアミン、N,N−ジエチルジエチレントリアミン、N,N−ジプロピルジエチレントリアミン、N,N−ジブチルジエチレントリアミン、N,N−ジメチルジプロピレントリアミン、N,N−ジエチルジプロピレントリアミン、N,N−ジプロピルジプロピレントリアミン、N,N−ジブチルジプロピレントリアミン、N,N,N’’,N’’−テトラメチルジエチレントリアミン、N,N,N’’,N’’−テトラエチルジエチレントリアミン、N,N,N’’,N’’−テトラプロピルジエチレントリアミン、N,N,N’’,N’’−テトライソプロピルジエチレントリアミン、N,N,N’’,N’’−テトラブチルジエチレントリアミン、N,N,N’’,N’’−テトラメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’’,N’’−テトラエチルジプロピレントリアミン、N,N,N’’,N’’−テトラプロピルジプロピレントリアミン、N,N,N’’,N’’−テトライソプロピルジプロピレントリアミン、N,N,N’’,N’’−テトラブチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジブチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジペンチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジヘキシレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタエチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタエチルジブチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタエチルジペンチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタエチルジヘキシレントリアミン等が挙げられる。
本発明に用いられる前記一般式(3)で示される窒素原子を4個有するアミン化合物として、例えば、N,N−ジメチルトリエチレンテトラアミン、N,N−ジエチルトリエチレンテトラアミン、N,N−ジメチルトリプロピレンテトラアミン、N,N−ジエチルトリプロピレンテトラアミン、N,N,N’’’,N’’’−テトラメチルトリエチレンテトラアミン、N,N,N’’’,N’’’−テトラエチルトリエチレンテトラアミン、N,N,N’’’,N’’’−テトラプロピルトリエチレンテトラアミン、N,N,N’’’,N’’’−テトラブチルトリエチレンテトラアミン、N,N,N’’’,N’’’−テトラメチルトリプロピレンテトラアミン、N,N,N’’’,N’’’−テトラエチルトリプロピレンテトラアミン、N,N,N’’’,N’’’−テトラプロピルトリプロピレンテトラアミン、N,N,N’’’,N’’’−テトラブチルトリプロピレンテトラアミン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサメチルトリプロピレンテトラアミン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサメチルトリブチレンテトラアミン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサメチルトリペンチレンテトラアミン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサメチルトリヘキシレンテトラアミン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサエチルトリエチレンテトラアミン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサエチルトリプロピレンテトラアミン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサエチルトリブチレンテトラアミン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサエチルトリペンチレンテトラアミン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサエチルトリレンヘキシレンテトラアミン、ビス[2−{(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ}エチル]エーテル、ビス[2−{(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ}プロピル]エーテル、ビス[2−{(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ}ブチル]エーテル、ビス[2−{(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ}ペンチル]エーテル、ビス[2−{(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ}ヘキシル]エーテル、ビス[2−{(2−ジエチルアミノエチル)メチルアミノ}エチル]エーテル、ビス[2−{(2−ジエチルアミノエチル)メチルアミノ}プロピル]エーテル、ビス[2−{(2−ジエチルアミノエチル)メチルアミノ}ブチル]エーテル、ビス[2−{(2−ジエチルアミノエチル)メチルアミノ}ペンチル]エーテル、ビス[2−{(2−ジエチルアミノエチル)メチルアミノ}ヘキシル]エーテル、ビス[2−{(2−ジメチルアミノプロピル)メチルアミノ}エチル]エーテル、ビス[2−{(2−ジメチルアミノブチル)メチルアミノ}エチル]エーテル、ビス[2−{(2−ジメチルアミノペンチル)メチルアミノ}エチル]エーテル、ビス[2−{(2−ジメチルアミノヘキシル)メチルアミノ}エチル]エーテル、ビス[2−{(2−ジエチルアミノプロピル)エチルアミノ}エチル]エーテル、ビス[2−{(2−ジエチルアミノブチル)エチルアミノ}エチル]エーテル、ビス[2−{(2−ジエチルアミノペンチル)エチルアミノ}エチル]エーテル、ビス[2−{(2−ジエチルアミノヘキシル)エチルアミノ}エチル]エーテル等が挙げられる。
以上、具体的に例示した脂肪族アミン化合物のうち、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(3−ジメチルアミノプロピル)エーテル、ビス(4−ジメチルアミノブチル)エーテル、ビス(5−ジメチルアミノペンチル)エーテル、ビス(6−ジメチルアミノヘキシル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル、ビス(3−ジエチルアミノプロピル)エーテル、ビス(4−ジエチルアミノブチル)エーテル、ビス(5−ジエチルアミノペンチル)エーテル、ビス(6−ジエチルアミノヘキシル)エーテル、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジブチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジペンチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジヘキシレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサメチルトリプロピレンテトラアミン、ビス[2−{(2−ジメチルアミノエチル)メチルアミノ}エチル]エーテルが好ましく、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,4−ジアミノブタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジプロピレントリアミンがさらに好ましい。また、これら窒素原子を2〜4個有する脂肪族アミン化合物は1種または必要に応じ2種以上を混合して使用することが出来る。
本発明において用いられる窒素原子を2〜4個有する脂肪族アミン化合物は通常、調整後の表面処理剤中に0.01〜20重量%含まれるように使用し、好ましくは0.05〜10重量%含まれるように使用し、さらに好ましくは0.1〜5重量%含まれるように使用する。調整後の表面処理剤中の含有量が0.01重量%未満であると、ポリエステル樹脂に対する接着力が低下する場合がある。また、調整後の表面処理剤中の含有量が20重量%より多いと、アミン化合物の層ができ、接着する前に硬化し、接着力が低下する場合がある。
本発明における(B)前記一般式(4)で示される芳香族3級アミン化合物の内、R10〜R12は分枝を有しても良いアルキル基を表し、R10〜R12それぞれが同一であっても異なっていても良く、更にはR10が複数ある場合、各々が同一でも異なっても良い。また、n=0〜2の整数、m=0〜3の整数を表す。好ましくは、R10〜R12は同一であっても異なっても良い炭素数1〜3のアルキル基であって、n=0〜2の整数、m=0〜1の整数を表す。以下、(B)前記一般式(4)で示される芳香族3級アミン化合物具体例について列挙する。
本発明に用いられる(B)前記一般式(4)で示される芳香族3級アミン化合物の例としては、例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−エチル−N−メチルアニリン、N,N−ジメチル−o−トルイジン、N,N−ジエチル−o−トルイジン、N−エチル−N−メチル−o−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−m−トルイジン、N−エチル−N−メチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N−エチル−N−メチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、N−エチル−N−メチル−ベンジルアミン、N,N−ジメチルフェニルエチルアミン、N,N−ジエチルフェニルエチルアミン、N−エチル−N−メチル−フェニルエチルアミン等が挙げられる。
以上、具体的に例示した芳香族アミン化合物のうち、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルベンジルアミンが好ましく、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルベンジルアミンがさらに好ましい。また、これら芳香族アミン化合物は1種または必要に応じ2種以上を混合して使用することが出来る。
本発明において用いられる芳香族アミン化合物は通常、調整後の表面処理剤中に0.01〜20重量%含まれるように使用し、好ましくは0.1〜10重量%含まれるように使用する。調整後の表面処理剤中の含有量が0.01重量%未満であると、硬化促進効果が低下する場合がある。また、20重量%より多いと、アミン化合物の層ができ、接着する前に硬化し、接着力が低下する場合がある。
本発明に用いられる(C)有機溶媒としては、それぞれのアミン化合物が溶解するものであれば特に限定されない。具体的には、アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、炭化水素類、ハロゲン類が挙げられる。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチルセロソルブ等が挙げられる。ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エステル類としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等が挙げられる。エーテル類としては、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。炭化水素類としては、例えば、ペンタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、トルエン等が挙げられる。ハロゲン類としてはフロン−113、トリクロルエチレン、1,1,1−トリクロルエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,2−トリフルオロエチルエーテル、3,3−ジクロロ−1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン等が挙げられる。これらの中でも炭素数1〜6のアルコール類、炭素数12以下のケトン類、炭素数5〜12の炭化水素溶媒が好ましく、更にはメタノール、エタノール、アセトン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンがより好ましい。これら溶媒は1種または必要に応じ2種以上を混合して使用することが出来る。
本発明における2−シアノアクリレート系接着剤用表面処理剤は、上述の窒素原子を2〜4個有する脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物及び有機溶媒を混合することで製造することが可能である。また、これら必須成分の他、必要に応じ本願発明の目的及び効果を損なわない範囲で公知の無機化合物、有機化合物、樹脂、着色剤、脱臭剤、香料、可塑剤等を適宜、添加配合することもできる。
本発明が適用される2−シアノアクリレート系接着剤は2−シアノアクリレートを主成分として含む接着剤であればどのようなものでも適用可能である。以下、この2−シアノアクリレート系接着剤について、具体例を交え詳述するが、これら具体例に限定されるものでない。
本発明における2−シアノアクリレート系接着剤の主成分である2−シアノアクリレートは、式(1)で示される2−シアノアクリレートが好適に用いられる。
Figure 0006179986
(式中R13は炭素数1〜16の置換基を有していてもよい飽和または不飽和の脂肪族もしくは脂環族基又は芳香族基を示す。)
2−シアノアクリレートの具体例としては、例えば、2−シアノアクリル酸のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、オクチル、ネオペンチル、シクロヘキシル、エチルヘキシル、ドデシル、アリル、メトキシエチル、エトキシエチル、メトキシプロピル、ベンジル、フェニル、クロロエチル、テトラヒドロフルフリル等のエステル類が挙げられる。また、これらの2−シアノアクリレートは1種または必要に応じ2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明の2−シアノアクリレート系接着剤組成物には、従来、2−シアノアクリレート系接着剤に添加して用いられている安定剤(例えば、二酸化イオウ、メタンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、三弗化ホウ素ジエチルエーテル、HBF4 、トリアルキルボレート等のアニオン重合禁止剤や、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、カテコール、ピロガロール等のラジカル重合禁止剤等)、可塑剤(フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソデシル等)、増粘剤(アクリル酸エステル系共重合体エラストマー、スチレン−ブタジエン共重合体系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、クロロプレン系エラストマー、カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエン共重合体系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、フッ素系エラストマー、ポリイソプレン系エラストマー、エピクロルヒドリン系エラストマー、エチレン−プロピレン共重合体系エラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エラストマー等)、速硬化添加剤(多価アルコール類、ポリアルキレンオキサイド誘導体、クラウンエーテル類、カリックスアレン誘導体等)、着色剤、香料、溶剤、強度向上剤、脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸等、目的に応じ、2−シアノアクリレートモノマーの硬化速度および安定性を阻害しない範囲で適宜、添加配合して使用することができる。
本発明におけるポリエステル樹脂を含む被着体とは、被着体の内少なくとも一方の接着しようとする箇所の一部または全部がポリエステル樹脂であるものを表す。また、本発明におけるポリエステル樹脂とは主鎖にエステル結合をもつ熱可塑性ポリマーを示し、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、1,4―シクロヘキシルジメチレンテレフタレート等が挙げられる。またガラス繊維等の繊維をプラスチックに入れて強度を向上させた複合材料や、パラヒドロキシ安息香酸を基本構造とした、いわゆる液晶ポリマーも本発明のポリエステル樹脂に含む。
続いて、上述した2−シアノアクリレート系接着剤用表面処理剤(以下「本発明の表面処理剤」と称することもある。)を用いた、2−シアノアクリレート系接着剤による難接着材料の接着方法について詳述する。
本発明の表面処理剤は、従来公知の2−シアノアクリレート系接着剤用表面処理剤と同様の方法により使用が可能である。具体的には、予め常法により洗浄した被着材の2つの接着面の一方もしくは両方に本発明の表面処理剤を塗布し溶剤を揮散後、または適宜の時点で接着面の一方もしくは両方に2−シアノアクリレート系接着剤を塗布して張り合わせ圧締して養生する方法が例示され、本発明の表面処理剤の塗布方法としては、容器やスポイトからの滴下、刷毛やペン等での塗布、スプレーを用いた噴霧、本発明の表面処理剤中への浸漬等が挙げられる。さらに、2−シアノアクリレート系接着剤を塗布した上から本発明の表面処理剤を塗布する方法等も例示され、本発明の表面処理剤の塗布方法としては、容器やスポイトからの滴下、スプレーでの噴霧等が挙げられる。この中でも、予め常法により洗浄した被着材の2つの接着面の一方もしくは両方に上述した2−シアノアクリレート系接着剤用表面処理剤を塗布し溶剤を揮散させた後、接着面の一方に2−シアノアクリレート系接着剤を塗布して張り合わせ圧締して養生する方法が本願発明の表面処理剤としての効果をより良く発現することから好ましい。
本発明について実施例をもって詳述するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。
〈試験方法〉
(試験1:セットタイム)
被着体の両表面に以下実施例・比較例で製造した表面処理剤を塗布し25℃の室内に10分間放置乾燥した後、市販の2−シアノアクリレート系接着剤であるシアノボンドPX−3000(田岡化学工業株式会社製)を被着材の一方に1滴滴下し、手で剥がれなくなるまでの時間を計測し、その硬化速度をセットタイムとした。単位(秒)
(試験2:引張せん断接着強さ)
被着体の両表面に以下実施例・比較例で製造した本発明の表面処理剤を塗布し25℃の室内に10分間放置乾燥した後、市販の2−シアノアクリレート系接着剤であるシアノボンドPX−3000(田岡化学工業株式会社製)を被着材の一方に1滴滴下し、24時間養生後の引張剪断接着強さを測定した。単位(N/mm
表1〜3に用いた添加物の記号(A−1〜A−7、B−1〜B−4)は以下の化合物を表す。
A−1:N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン
A−2:N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジプロピレントリアミン
A−3:エタノールアミン
A−4:オクチルアミン
A−5:ジブチルアミン
A−6:トリエチルアミン
A−7:トリラウリルアミン
B−1:N,N−ジメチルアニリン
B−2:N,N−ジメチル−p−トルイジン
B−3:アニリン
B−4:N−メチル−p−トルイジン
なお、表1〜3における「添加量」とは、調整後の表面処理剤に含まれる各成分の量(重量%)であり、上記添加物以外は溶媒で構成される。また、材料状態に「破壊」と記載したものは、接着面が剥離する前に被着材が破壊されたことを示し、無記載のものは界面剥離であることを示す。
(実施例1)
(A)脂肪族アミンとしてN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ジアミノヘキサン(A−1)1.0重量%、(B)芳香族アミンとしてN,N−ジメチルアニリン(B−1)5.0重量%、溶媒としてアセトン94.0重量%の割合で配合して表面処理剤を調整した。調整後、得られた表面処理剤を用いて上述した試験1及び2を実施した。結果を表1に示す。なお、被着体として一方を厚み2.0mm×巾25mm×長さ100mmのポリエチレンテレフタレート樹脂(2.0株式会社エンジニアリングテストサービス製)、もう一方を厚み2.0mm×巾25mm×長さ100mmのポリブチレンテレフタレート樹脂(株式会社エンジニアリングテストサービス製)を用いた。
(実施例2〜6、比較例1〜14)
各成分を表1に示した組成比率にする以外は、実施例1と同様に表面処理剤を調製し試験1及び2を実施した。結果を表1に示す。
(実施例7〜12、比較例15〜28)
各成分を表2に示した組成比率とし、被着体として双方ともに厚み2.0mm×巾25mm×長さ100mmのポリブチレンテレフタレート(株式会社エンジニアリングテストサービス製)を用いた以外は実施例1と同様に表面処理剤を調製し試験1および2を実施した。結果を表2に示す。
(比較例29〜35)
各成分を表2に示した組成比率とし、被着体として双方ともに厚み2.0mm×巾25mm×長さ100mmのポリプロピレン(株式会社エンジニアリングテストサービス製)を用いた以外は実施例1と同様に表面処理剤を調製し試験1および2を実施した。結果を表3に示す。














































Figure 0006179986


Figure 0006179986


Figure 0006179986

Claims (3)

  1. ポリエステル樹脂を含む被着体を2−シアノアクリレート系接着剤で接着する際に用いる表面処理剤であって、
    (A)下記一般式(1)〜(3)で示される、窒素原子を2〜4個有する脂肪族アミン化合物の少なくとも1種、(B)下記一般式(4)で示される芳香族3級アミン化合物及び(C)有機溶媒を含有することを特徴とする2−シアノアクリレート系接着剤用表面処理剤。
    Figure 0006179986
    Figure 0006179986

    Figure 0006179986
    (式中R、R、R、R、R、Rはそれぞれ水素原子、または分枝を有しても良いアルキル基である。R、R、Rは直鎖、分枝鎖または環状のアルキル基であり、アルキル基中にエーテル結合を有しても良い。また、R〜Rそれぞれが同一であっても異なっていても良い。)
    Figure 0006179986
    (R10〜R12は分枝を有しても良いアルキル基を表し、R10〜R12それぞれが同一であっても異なっていても良く、更にはR10が複数ある場合、各々が同一でも異なっても良い。また、n=0〜2の整数、m=0〜3の整数を表す。)
  2. (A)一般式(1)〜(3)で示される窒素原子を2〜4個有する脂肪族アミン化合物において、アミノ基のうち少なくとも1つが3級であることを特徴とする請求項1に記載の2−シアノアクリレート系接着剤用表面処理剤。
  3. ポリエステル樹脂を含む被着体を2−シアノアクリレート系接着剤で接着するための接着方法であって、請求項1または2に記載の2−シアノアクリレート系接着剤用表面処理剤を用いることを特徴とする接着方法。
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