JP6180744B2 - 油脂含有レーヨン繊維、その製造方法、及び繊維構造物 - Google Patents
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(1)試料3gを精密に量り採り、共栓三角フラスコに入れてクロロホルムと氷酢酸の混合液(体積比2:3)35mlを加えて溶解する。均一に溶解しないときは、さらにクロロホルムと氷酢酸の混合液(体積比2:3)を適当に加える。
(2)次いで、フラスコ内の空気を窒素ガス又は二酸化炭素を通じながら飽和ヨウ化カリウム溶液1mlを加え、直ちに共栓をして約1分間混ぜた後、デンプン試液を指示薬として、0.01Nチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、過酸化物価(POV)を次式により算出する。
過酸化物価(meq/kg)=(a/S)×10
S:試料の採取量(g)、a:0.01Nチオ硫酸ナトリウム溶液の滴定量(ml)
(3)AOM安定性を、POVが100に達するまでに要した時間(hr)とPOVが200に達するまでに要した時間(hr)で表示する。それぞれの数値は小さいほど、短時間で油脂の酸化が進行していることを意味する。
(I)試料約2.3gを精秤し、底部に小さい穴の空いた試料管に詰める。
(II)底部の穴を塞ぎ、抽出溶媒としてメタノール10mlを試料管に注加し、一定時間静置し浸透させてからプレス装置によりメタノール処理液を抽出する。
(III)同じ試料を使用して上記の操作(II)による抽出を20回繰り返した後、試料管から取り出した試料を水洗し、105℃、2時間で乾燥して脱油処理後の繊維を得た。
液状油脂の場合は、示差走査熱量分析計(DSC)を使用し、フローガスとして窒素ガスを30ml/min速度で流し、−68℃から20℃まで昇温速度5℃/分で測定し、吸熱開始前の直線部延長線と吸熱中の直線部延長線の交点の温度を融点(℃)として求めた。なお、固状油脂の場合は、示差走査熱量分析計(DSC)を使用し、フローガスとして窒素ガスを30ml/min速度で流し、0℃〜90℃まで昇温速度5℃/分で測定し、吸熱ピークの極小点を融点(℃)として求めた。
エマルジョン液の平均粒子径は、(株)堀場製作所製のレーザー回折/散乱式粒子分布測定装置LA−950V2を使用して測定した。
活性酸素法(AOM)は、試料(油脂又は油脂と酸化防止剤の混合物)を98℃に加温し、同時に試料中に空気を吹き込むことで酸化を促進し、短時間で油脂の安定性を評価する試験方法であり、一定時間ごとに試料の過酸化物価(POV)を測定して酸化の進行度を確認した。POVは、具体的には、以下のように測定した。
(1)試料3gを精密に量り採り、共栓三角フラスコに入れてクロロホルムと氷酢酸の混合液(体積比2:3)35mlを加えて溶解した。均一に溶解しないときは、さらにクロロホルムと氷酢酸の混合液(体積比2:3)を適当に加えた。
(2)次いで、フラスコ内の空気を窒素ガス又は二酸化炭素を通じながら飽和ヨウ化カリウム溶液1mlを加え、直ちに共栓をして約1分間混ぜた後、デンプン試液を指示薬として、0.01Nチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、過酸化物価(POV)を次式により算出した。
過酸化物価(meq/kg)=(a/S)×10
S: 試料の採取量(g)、a :0.01Nチオ硫酸ナトリウム溶液の滴定量(ml)
(3)AOM安定性を、POVが100に達するまでに要した時間(hr)とPOVが200に達するまでに要した時間(hr)で表示した。それぞれの数値は小さいほど、短時間で油脂の酸化が進行していることを意味する。以下において、POVが100に達するまでに要した時間(hr)をPOV.100(hr)と記し、POVが200に達するまでに要した時間(hr)はPOV.200(hr)と記す。
AOM試験において、試料の最大臭気強度を以下の5段階で官能評価した。
1:不快臭なし
2:わずかに不快臭あり
3:不快臭あり
4:やや強い不快臭あり
5:強い不快臭あり
AOM試験において、試料の着色状態を以下の5段階で官能評価した。
1:着色なし
2:黄褐色
3:褐色
4:赤褐色
5:濃褐色
AOM試験後の試料の粘性を以下の3段階で官能評価した。
1:変化なし
2:増粘あり
3:強い増粘あり
絶乾綿100gあたりに反応するヨウ素量をヨウ素価[I2(g)/綿(100g)]として、以下の手順により測定した。
(1)試料原綿の水分率を測定する。
(2)油脂量としておよそ0.1gとなるように原綿試料を精秤し、三角フラスコに入れる。
(3)シクロヘキサン20mlを加えて撹拌し、さらにウィス試薬(一塩化ヨウ素の酢酸水溶液)10mlとイオン交換水20mlを加える。
(4)ときどき撹拌しつつ、30分間常温暗所にて静置する。
(5)10質量%のヨウ化カリウム溶液20mlと、イオン交換水20mlを加えた後、0.1Nのチオ硫酸ナトリウムで滴定する。
(6)液の色が薄くなってきたらデンプン指示薬を加えて滴定を続け、デンプン指示薬の呈色が消失した時の0.1Nのチオ硫酸ナトリウム滴定量を終点として読み取る。
(7)試料を入れずに同様の試験を行い、空試験とする。
(8)次式によりヨウ素価を算出する。
繊維のヨウ素価[I2(g)/綿(100g)]=(空試験滴定量−滴定量)×1.269/絶乾綿質量
繊維の繊度は、JIS L 1015に準じて測定した。
繊維の強度(乾強度、湿強度)及び伸度(乾伸度及び湿伸度)は、JIS L 1015に準じて測定した。
原綿を80℃、70%RH(恒温恒湿器、ヤマト科学(株)社製の“IG420”型)の環境下で8日間放置した後に繊維物性を測定、処理前後の比較により繊維の経時促進状態の評価を行った。
繊維を中性洗剤(繊維製品新機能評価協議会標準洗剤)及びアルカリ洗剤を使用し、それぞれ10回洗濯を行った後、ヨウ素価を測定した。洗濯試験はJIS L 0217 103法に準じて実施した。
脱油処理後の繊維の断面写真(走査型電子顕微鏡写真、倍率3000倍)を用いて、脱油処理後のレーヨン繊維における空隙部の平均孔径を測定した。具体的には、脱油処理後の繊維の断面写真(走査型電子顕微鏡写真、倍率3000倍)を画像処理により倍率9010倍に拡大し、印刷した紙面上から任意の繊維の断面をサンプリングし、その断面上の空隙部の直径を計測し、計測した100個の空隙部の直径を平均して空隙部の平均孔径とした。なお、楕円状の空隙は長径及び短径を計測して算出した面積から真円直径に換算し、空隙部の直径とした。
[脱油処理]
(I)試料約2.3gを精秤し、底部に小さい穴の空いた試料管に詰めた。
(II)底部の穴を塞ぎ、抽出溶媒としてメタノール10mlを試料管に注加し、一定時間静置し浸透させてからプレス装置によりメタノール処理液を抽出した。
(III)同じ試料を使用して上記の操作(II)による抽出を20回繰り返した後、試料管から取り出した試料を水洗し、105℃、2時間で乾燥して脱油処理後の繊維を得た。
油脂として下記表1に示す脂肪酸組成を有し、且つ融点が−11.6℃である精製椿油(五島産)を用い、酸化防止剤として下記表2に示す酸化防止剤と用い、下記表3〜4に示す配合割合で油脂と酸化防止剤を混合して、活性酸素法(AOM)に基づいて、過酸化物価(POV)を測定し、その結果を下記表3〜4及び図1〜3に示した。また、AOM試験における試料の臭気、外観、粘性を評価し、その結果を下記表3〜4に示した。
油脂として下記表5に示す脂肪酸組成を有し、且つ融点が0〜6℃であるオリーブオイル(スペイン産)を用い、酸化防止剤として上記表2に示す酸化防止剤と用い、下記表6に示す配合割合で油脂と酸化防止剤を混合して、活性酸素法(AOM)に基づいて、過酸化物価(POV)を測定し、その結果を下記表6及び図4に示した。また、AOM試験における試料の臭気、外観、粘性を評価し、その結果を下記表6に示した。
<エマルジョン液の調製>
油脂に対する酸化防止剤の効果確認試験1における試験番号A3と同様の配合の椿油とdl-α-トコフェロールの混合液に、乳化剤を油脂に対して30質量%になるように添加してエマルジョン液を調製した。
得られたエマルジョン液を、油脂添加量がセルロースに対して1.5質量%になるように、原料ビスコースへ添加し、混合機にて攪拌混合を行い、紡糸用ビスコース液を調製した。温度は20℃に保った。原料ビスコースとしては、セルロース8.5質量%、水酸化ナトリウム5.7質量%、二硫化炭素2.7質量%を含むビスコース原液を用いた。
得られた紡糸用ビスコース液を、2浴緊張紡糸法により、紡糸速度60m/分、延伸率50%で紡糸して、繊度が約1.4dtexの椿油含有レーヨン繊維を得た。紡糸浴としては、硫酸100g/L、硫酸亜鉛15g/L、硫酸ナトリウム350g/L含むミューラー浴(50℃)を用いた。また、ビスコースを吐出する紡糸口金には、孔径0.06mmのホールを4000個有する円形ノズルを用いた。
上記で得られたビスコースレーヨンの糸条を、繊維長38mmにカットし、精練処理を行った。精練工程では、熱水処理後に水洗を行い、油剤を付与した後圧縮ローラーで余分な水分と油剤を繊維から落とし、その後、乾燥処理(60℃、7時間)を施して、実施例1の油脂含有レーヨン繊維を得た。
油脂に対する酸化防止剤の効果確認試験1における試験番号A5と同様の配合の椿油とトコトリエノールの混合液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2の油脂含有レーヨン繊維を得た。
油脂に対する酸化防止剤の効果確認試験2における試験番号B4と同様の配合のオリーブオイルとトコトリエノールの混合液を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3の油脂含有レーヨン繊維を得た。
参考例1として、レギュラーレーヨン(ダイワボウレーヨン株式会社製)を用いた。
上記の試験番号A2と同様の配合の椿油とミックストコフェロールの混合液を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の油脂含有レーヨン繊維を得た。
実施例2の繊維と、参考例1の繊維を準備した。各繊維100質量%をそれぞれセミランダムカードで解繊して目付約100g/m2のカードウェブを作製した。次いで、ノズル孔径0.13mmのオリフィスが1mm間隔で配置されたノズルから、ウェブ表面から3MPa、5MPa、ウェブ裏面から5MPaの水圧で水流を噴射した後、自然乾燥させて、水流交絡不織布を作製した。
(1)水流交絡不織布を約2gとなるように切断し、定温乾燥機(105℃、2hr)を用いて絶乾状態にした試験片の質量(W0)を測定した。
(2)試料をデシケーター内で放冷した。
(3)吸湿時水分率を測定時は、試料を約92mmφのシャーレに折りたたんで入れ、40℃、90%RH条件に調整した恒温恒湿機で24時間静置し、静置後の試料質量(W1)を測定した。
(4)放湿時水分率を測定時は、試料を約92mmφのシャーレに折りたたんで入れ、20℃、60%RH条件に調整した恒温恒湿機で24時間静置し、静置後の試料質量(W2)を測定した。
(5)次式により吸湿時および放湿時の試料水分率を算出した。
吸湿時水分率(%)=(W1−W0)/W1×100
放湿時水分率(%)=(W2−W0)/W2×100
(6)上記試験結果から、吸放湿パラメーターΔMRを次式により算出し、吸放湿効果を評価した。ΔMRは値が大きいほど吸放湿効果が高いことを示す。
ΔMR(%)=吸湿時水分率−放湿時水分率
Claims (10)
- レーヨン繊維内に油脂及び酸化防止剤を含有する油脂含有レーヨン繊維であり、
前記レーヨン繊維内のセルロースと前記油脂とは非相溶状態で、且つ前記油脂は前記セルロース中に微分散されており、
前記油脂は、脂肪酸及びそのグリセリンエステルから選ばれる少なくとも一つの脂肪酸成分を含み、
前記酸化防止剤は、α型トコフェロール及びトコトリエノールを必須成分として80質量%以上含む酸化防止剤、γ型トコフェロール及びトコトリエノールを必須成分として80質量%以上含む酸化防止剤、α型トコフェロール、γ型トコフェロール及びトコトリエノールを必須成分として80質量%以上含む酸化防止剤、α型トコフェロールを必須成分として80質量%以上含む酸化防止剤、γ型トコフェロールを必須成分として80質量%以上含む酸化防止剤、又はトコトリエノールを必須成分として55質量%以上含む酸化防止剤であることを特徴とする油脂含有レーヨン繊維。 - 前記酸化防止剤は、トコトリエノールを60質量%以上含む酸化防止剤である請求項1に記載の油脂含有レーヨン繊維。
- 前記油脂は、椿油及びオリーブオイルからなる群から選ばれる一種以上である請求項1又は2に記載の油脂含有レーヨン繊維。
- 前記油脂の配合量が、セルロースに対して0.5〜15質量%の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の油脂含有レーヨン繊維。
- 前記酸化防止剤の配合量が、油脂に対して0.03〜15質量%の範囲である請求項1〜4のいずれか1項に記載の油脂含有レーヨン繊維。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の油脂含有レーヨン繊維の製造方法であって、
油脂と酸化防止剤と乳化剤を混合してエマルジョン液を調製し、
セルロースを含むビスコース原液に、前記エマルジョン液を混合して紡糸用ビスコース液を調製し、
前記紡糸用ビスコース液をノズルより押し出して紡糸し、凝固再生して油脂含有レーヨン繊維としており、
前記油脂は、脂肪酸及びそのグリセリンエステルから選ばれる少なくとも一つの脂肪酸成分を含み、
前記酸化防止剤は、α型トコフェロール及びトコトリエノールを必須成分として80質量%以上含む酸化防止剤、γ型トコフェロール及びトコトリエノールを必須成分として80質量%以上含む酸化防止剤、α型トコフェロール、γ型トコフェロール及びトコトリエノールを必須成分として80質量%以上含む酸化防止剤、α型トコフェロールを必須成分として80質量%以上含む酸化防止剤、γ型トコフェロールを必須成分として80質量%以上含む酸化防止剤、又はトコトリエノールを必須成分として55質量%以上含む酸化防止剤であることを特徴とする油脂含有レーヨン繊維の製造方法。 - 前記エマルジョン液中において、前記酸化防止剤の配合量が油脂に対して0.03〜15質量%の範囲である請求項6に記載の油脂含有レーヨン繊維の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の油脂含有レーヨン繊維を含む繊維構造物。
- 前記油脂含有レーヨン繊維を10〜90質量%含み、
他の繊維として、ポリエステル繊維、ポリアクリル繊維、ポリアミド繊維、ポリウレタン系弾性繊維、コットン及びウールからなる群から選ばれる少なくとも一つの繊維を複合した請求項8に記載の繊維構造物。 - 前記繊維構造物が、紡績糸、編物、織物及び不織布からなる群から選ばれる形態を有する請求項8又は9に記載の繊維構造物。
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