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JP6196539B2 - 光学式エンコーダ - Google Patents
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JP6196539B2 - 光学式エンコーダ - Google Patents

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Description

本発明は、光学式エンコーダに関し、特に原点検出を可能にした光学式エンコーダに関する。
被測定物の長さ、厚さ、内外径などの形状や、回転角度または移動量などの変位量を測定するのに、光学式エンコーダが広く使用され、その構成も広く知られている。光学式エンコーダには、光学式スケールを透過した光を検出する透過式と、光学式スケールで反射した光を検出する反射式と、があり、小型化のため反射式が多く使用される。以下、反射式のリニア光学式エンコーダを例として説明を行うが、本発明はこれに限定されるものではなく、光学式エンコーダであれば適用可能である。
特許文献1および2に記載されるように、近年の反射式のリニア光学式エンコーダは、高精度化、小型化・薄型化および組立の容易化のために、半導体製造技術を適用して光源と受光センサを一体に形成したセンサ基板を使用する。センサ基板は、反射式の光学スケールに対して、光源からの照明光が光学スケールで反射し、光学スケールのパターンに応じた光パターンが受光センサ上に形成されるように配置される。反射式のリニア光学式エンコーダは、光学スケールとセンサ基板の相対的な移動量を測定する。
各部の製造バラつきの影響を低減するため、受光センサは、第1から第4のセンサ部を有する。第1から第4のセンサ部は、同じ幅で、光学スケールの濃淡パターンの配列方向と同じ方向(以下、主軸方向)に順にセンサピッチで配列され、第1から第4のセンサ部を1セットとするセンサ組を、主軸方向に所定組(セット)数繰り返し配列される。したがって、第1のセンサ部は、4センサピッチで配列されることになり、他の第2から第4のセンサ部も、4センサピッチでそれぞれ配列される。セット数は、例えば13である。複数(例えば13)の第1のセンサ部の検出信号は加算されて+A信号とされる。同様に、複数の第2から第4のセンサ部の検出信号もそれぞれ加算されて+B、−A、−B信号とされる。複数のセンサ部の信号を加算することにより、センサ部の感度のバラツキ、照明光のムラ、組立誤差などの影響を低減できる。
光学式エンコーダは、光学スケール上に周期的に形成した濃淡(反射強度が異なる)パターンを読み取ることで、光学スケールとセンサ基板の相対的な移動量を測定する。しかし、測定できるのは相対的な移動量のみであり、絶対位置を測定することはできない。
光学式エンコーダで絶対位置を測定可能であると、相対位置のみの測定と比較して以下の点で有利である。
まず、何らかの外因によりミスカウントが発生した場合を考える。この場合、原点が存在しない、すなわち測定の基準点が存在しないため、ミスカウントを検出することが、機構上行えないことになる。そのため、ミスカウントが発生した以降の測定値すべてが誤った値となる危険性がある。
これに対して、原点を有する場合、原点を基準にすることでミスカウントを検出できるため、誤った値をその都度訂正することが可能になる。
また、電源喪失などの外因により、測定途中でカウント値を失った場合を考える。原点が存在しない場合、光学式エンコーダのみで元の状態に復帰することは不可能である。これに対して、原点が存在する場合、原点位置の値をあらかじめ定めておき、原点まで退避することで、元の状態に復帰することができる。
以上のことは、実際の機械加工時の測定に光学式エンコーダを使用する場合に、非常に重要である。
そこで、光学式エンコーダでは、相対位置検出のための光学スケールとは別に、原点検出機構を設けるのが一般的である。
特開2010−223631号公報 特開2012−103230号公報
特許文献1は、同一のスケール基板上に平行に形成した2つの光学スケールを有する原点検出機構を提案しているが、記載されている原点検出機構は、以下の点で十分とは言えない。
原点検出に用いる信号の振幅変化の勾配が小さいため、閾値との比較による原点検出を高精度で行うことが難しかった。また、光源の光量変動の影響を受け、原点位置をずれて検出する可能性があった。
そのため、高精度で原点検出を行うには、相対位置検出のための光学スケールの検出回路に加えて、原点検出機構の補正用の回路を設ける必要があり、サイズ・コストを増加させる。
さらに、4つのセンサ部の出力を合計したZ相信号を生成し、A相信号との組み合わせで原点信号を生成しており、往復の相対移動に伴ってずれが発生する。
本発明は、2つの光学スケールを利用し、簡単な演算回路で高精度の原点検出が可能な光学式エンコーダの実現を目的とする。
本発明の光学式エンコーダは、平行に形成した2つの光学スケールの一方は、濃い部分と淡い部分の幅が同じで、スケールピッチで濃淡を繰り返した通常の濃淡パターンであるが、他方の光学スケールは、同様にスケールピッチで濃淡を繰り返すが、所定位置において、濃い部分と淡い部分が反転している。言い換えれば、所定位置の一方の側では、一方の光学スケールの濃淡パターンと同じ濃淡パターンを有し、他方の側では、一方の光学スケールの濃淡パターンを反転した濃淡パターンを有することを特徴とする。
すなわち、本発明の光学式エンコーダは、第1光学系と、第2光学系と、検出回路と、を有する。第1光学系は、主軸方向に変化する第1濃淡パターンを有する第1光学式スケールと、第1光学式スケールの第1照明光を出力する第1光源と、第1照明光で第1光学式スケールを照明することにより生成された第1濃淡パターンの像を検出するように配置された第1受光センサと、を有し、第1受光センサは、主軸方向に順にセンサピッチで配列された第1から第4の主センサ部からなる第1センサ組を、主軸方向に所定組数繰り返し配列した第1センサ配列を有する。第2光学系は、主軸方向に変化する第2濃淡パターンを有する第2光学式スケールと、第2光学式スケールの第2照明光を出力する第2光源と、第2照明光で第2光学式スケールを照明することにより生成された第2濃淡パターンの像を検出するように配置された第2受光センサと、を有し、第2受光センサは、主軸方向に順にセンサピッチで配列された第1から第4の副センサ部からなる第2センサ組を、主軸方向に所定組数繰り返し配列した第2センサ配列を有する。検出回路は、第1光学系の第1受光センサの検出信号および第2光学系の第2受光センサの検出信号を演算処理する検出回路と、を有する。第1光学式スケールおよび第2光学式スケールは、第1光源、第1受光センサ、第2光源および第2受光センサに対して相対移動する。第1光学式スケールの第1濃淡パターンは、濃い部分と淡い部分の幅が同じで、スケールピッチで濃淡を繰り返し、第2光学式スケールの第2濃淡パターンは、濃い部分と淡い部分の幅が同じで、スケールピッチで濃淡を繰り返し、所定位置において、濃い部分と淡い部分が反転している。検出回路は、第1および第3の主センサ部の出力の差を演算する第1主差演算回路と、第2および第4の主センサ部の出力の差を演算する第2主差演算回路と、第1および第3の副センサ部の出力の差を演算する第1副差演算回路と、第1主差演算回路の出力と第1副差演算回路の出力を加算する合成回路と、合成回路の出力を閾値と比較して原点を検出する原点判定回路と、を有する。
本発明の光学式エンコーダでは、第2光学式スケールの第2濃淡パターンが、所定位置で反転している。そのため、第2受光センサが所定位置の一方の側の第2濃淡パターンを検出している場合、第1および第3の主センサ部の出力の差を演算する第1主差演算回路の出力と、第1および第3の副センサ部の出力の差を演算する第1副差演算回路の出力は、同相の信号であるが、所定位置の他方の側の第2濃淡パターンを検出している場合、第1主差演算回路の出力と第1副差演算回路の出力は逆相の信号である。そのため、第1主差演算回路の出力と第1主差演算回路の出力を加算する合成回路の出力は、所定位置の一方の側では大きな振幅の信号となり、所定位置の他方の側では小さな振幅(ゼロ振幅)の信号となり、第2受光センサが検出する第2濃淡パターンが、所定位置の一方の側から他方の側へ移る場合には、大きな振幅から小さな振幅に変化し、所定位置の他方の側から一方の側へ移る場合には、小さな振幅から大きな振幅に変化する時には逆に変化する。いずれにしろ、大きな振幅と小さな振幅の間で変化するため、振幅変化は急峻になり、閾値と比較して変化位置を検出する精度が向上する。
第1光学式スケールおよび第2光学式スケールは、共通のスケール基板上に隣接して、第1濃淡パターンおよび第2濃淡パターンが平行に、所定位置の一方の側では濃い部分と淡い部分の位置が一致するように形成されることが望ましい。また、第1光源、第1受光センサ、第2光源および第2受光センサは、共通のセンサ基板上に形成され、第1光源および第2光源は共通光源として形成され、第1受光センサおよび第2受光センサは、共通光源の両側に、第1センサ配列および第2センサ配列が平行に、第1から第4の主センサ部および第1から第4の副センサ部の位置が一致するように形成されることが望ましい。さらに、センサ基板は、スケール基板に対して、第1濃淡パターンで反射された共通光源からの照明光が第1受光センサに投影され、第2濃淡パターンで反射された共通光源からの照明光が第2受光センサに投影されるように配置されることが望ましい。
これにより、センサ基板とスケール基板の位置調整が容易になり、小型化および薄型化が可能である。
スケールピッチは、センサピッチの2倍であり、センサ基板は、スケール基板に対して、第1濃淡パターンおよび第2濃淡パターンが、センサピッチの4倍の濃淡パターンとして投影されるように配置される。
これにより、簡単な構成で、検出信号の振幅の増加および分解能の向上が図れる。
原点判定回路は、合成回路の出力の絶対値信号を生成する絶対値回路と、絶対値信号の高周波成分を除去するローパスフィルタと、ローパスフィルタの出力を閾値と比較する比較回路と、を有する。
これにより、正負の合成信号を正部分のみの絶対値信号に変えて、そのピーク値の変化に近い信号が得られる。
一般的な光学式エンコーダと同様に、検出回路は、第1主差演算回路および第2主差演算回路の出力から、センサピッチの4倍の長さを1周期とする周期長内の位相を算出する。したがって、原点検出は、いずれの周期長に原点があるか判定できればよい。そこで、検出回路は、原点判定回路の比較回路の出力変化がいずれの周期長内で発生したかを検出し、移動方向を考慮して原点がいずれの周期長内にあるか判定する。
原点判定回路は、第2主または副差演算回路の出力に基づいて第1主または副差演算回路の出力が最大値となる時を判定し、第1主または副差演算回路の出力の最大値に応じて、原点判定回路の比較回路の閾値を変化させる閾値制御回路を有する。
これにより、第1または第2光学系の第1または第2光源または第1または第2受光センサ等が劣化する等の原因で信号強度が変化しても、原点を正確に検出できる。
本発明の光学式エンコーダは、2つの光学スケールの一方を移動量検出に、他方を原点検出に利用し、移動量検出に使用される一般的な回路に、簡単な演算回路を付加するだけで、高精度に原点検出を行うことができるという効果を奏する。
図1は、実施形態の反射式のリニア光学式エンコーダの主要部を示す図である。 図2は、受光部のパターンを示す図である。 図3は、スケール基板とセンサ基板の配置関係を示す図である。 図4は、光源からの光が反射パターンで反射され受光部に投影される経路を模式的に示す図である。 図5は、受光部に投影される反射パターンを示す図である。 図6は、スケール基板とセンサ基板の相対的な位置関係(長さ)の変化に伴う検出信号の変化を示す図である。 図7は、光学式エンコーダで使用される検出信号の演算回路を示す図である。 図8は、スケール基板とセンサ基板の相対的な位置関係(長さ)の変化に伴うA相信号とB相信号の変化を示す図である。 図9は、実施形態の反射式のリニア光学式エンコーダにおけるスケールのパターンを示す図である。 図10は、実施形態の反射式のリニア光学式エンコーダにおける演算処理部の構成を示す図である。 図11は、スケール基板とセンサ基板の相対的な位置関係(長さ)の変化に伴う、受光部の出力する副A相信号の変化を示す図である。 図12は、スケール基板とセンサ基板の相対的な位置関係(長さ)の変化に伴う、副A相信号と、主A相信号と副A相信号を合成した合成信号の変化を示す図である。 図13は、受光部の信号を演算する演算回路により算出された相対位置信号と、これまで説明した原点の検出により発生される原点信号と、の関係を説明する図である。 図14は、閾値調整回路の構成を示す図である。
図1は、実施形態の反射式のリニア光学式エンコーダの主要部を示す図である。
実施形態の反射式のリニア光学式エンコーダは、2つの反射パターン2−1および2−2が形成されたスケール基板1と、光源11、格子12が形成された光透過部材13、および2個の受光素子14−1および14−2が形成され、透明な樹脂材16で被覆されたセンサ基板10と、を有する。一軸方向に相対的に移動する2つの部材の一方にスケール基板1を、他方にセンサ基板10を固定し、2つの部材の相対的な移動距離を測定する。ここでは、移動方向を主軸方向と称する。
反射パターン2−1および2−2は、透明なガラス基板で形成され、センサ基板10に対向する面に形成されている。反射パターン2−1は、主軸方向にスケールピッチp2で形成された反射パターンであり、反射部分にはクロムが蒸着され、反射部分の間は光を透過するため、ピッチp2の反射パターンが形成される。反射パターン2−2については後述する。反射パターン2−1が主光学式スケールとして、反射パターン2−2が副光学式スケールとして機能する。
光源11はLEDであり、格子12は格子ピッチp1を有する光学パターンである。受光素子14−1および14−2の表面には、図2に示すようなパターンの受光部15−1および15−2がそれぞれ形成される。
光源11、反射パターン2−1および受光素子14−1が第1光学系を、光源11、反射パターン2−2および受光素子14−2が第2光学系を、それぞれ形成する。
図2は、受光部15−1および15−2のパターンを示す図である。図示のように、同じ幅のセンサ部PS1〜PS4が、センサピッチspで主軸方向に順に形成され、繰り返し形成される。言い換えれば、センサ部PS1〜PS4を1組(セット)として、このセットが繰り返しピッチp3=4spで複数セット形成される。実施形態では、例えば13セット形成されるので、センサ部は合計52個である。センサ部PS1〜PS4は、例えばフォトダイオードで形成され、独立した受光素子として動作する。複数(ここでは13個)のセンサ部PS1の出力は共通に接続されて検出信号+Aとなる。以下同様に、複数のセンサ部PS2〜PS4の出力はそれぞれ共通に接続されて検出信号+B、−A、−Bとなる。
パターンの受光部15−1および15−2は、光源11の中心を通る主軸方向の面に対して対称に形成される。
図3は、スケール基板1とセンサ基板10の配置関係を示す図である。
図3に示すように、光源11からの光は、格子12を通過し、図において左側方向の光は、反射パターン2−1で反射され、受光部15−1に投影され、右側方向の光は、反射パターン2−2で反射され、受光部15−2に投影される。
図1から図3の構成、配置および投影されるパターンの詳細については、特許文献1に記載されているので、これ以上の説明は省略する。
図4は、光源11からの光が反射パターン2で反射され受光部15に投影される経路を模式的に示す図である。
図4に示すように、反射パターン2は、スケールピッチp2(=20μm)の反射パターンであり、デューティは50%であるため、反射部分2Rの幅はp2/2(=10μm)である。実施形態では、反射部分2Rが幅p2(=20μm)のパターンとして受光部15に投影される。したがって、受光部15に投影されるパターンのピッチは2p2(=40μm)である。
図5は、受光部15に投影される反射パターンを示す図である。
図5に示すように、受光部15では、4つのセンサ部PS1〜PS4がピッチp2/2(=10μm)で配列されている。この上に、投影される濃淡パターンは、ピッチ2p2(=40μm)の濃淡パターンであり、デューティは50%であるため、濃い部分4Aおよび淡い部分4Bの幅はp2(=20μm)である。
図2に示したように、複数のセンサ部PS1〜PS4の出力はそれぞれ共通に接続されて、検出信号+A、+B、−A、−Bとなる。
図6は、スケール基板1とセンサ基板10の相対的な位置関係(長さ)の変化に伴う検出信号+A、+B、−A、−Bの変化を示す図である。図6に示すように、検出信号+A、+B、−A、−Bは、20μmを周期とする正弦波状の信号で、1/4位相(90°)ずつずれた信号である。言い換えれば、検出信号+Aと−Aは、1/2位相(180°)ずれた信号であり、検出信号+Bと−Bは、1/2位相(180°)ずれた信号である。
図7は、光学式エンコーダで使用される検出信号の演算回路を示す図である。
演算回路は、検出信号+A、−A、+B、−Bをそれぞれ増幅する増幅回路31〜34と、増幅回路31と32の出力の差を演算してA相信号PHASEAを出力する第1差演算回路35と、増幅回路33と34の出力の差を演算してB相信号PHASEBを出力する第2差演算回路36と、を有する。
図8は、スケール基板1とセンサ基板10の相対的な位置関係(長さ)の変化に伴うA相信号PHASEAとB相信号PHASEBの変化を示す図である。上記のように、検出信号+Aと−Aは、1/2位相(180°)ずれた信号であり、検出信号+Bと−Bは、1/2位相(180°)ずれた信号であるため、増幅率が1であっても、A相信号PHASEAおよびB相信号PHASEBは、検出信号+A、−A、+B、−Bの2倍の振幅の信号となる。また。A相信号PHASEAおよびB相信号PHASEBは、1/4位相(90°)ずれた信号である。
したがって、A相信号PHASEAおよびB相信号PHASEBの値の比率を検出することにより、90°未満の位相も検出することができ、実際に使用されている光学式エンコーダでも、スケールピッチまたはセンサピッチの数十分の1の分解能で位置(長さ)を検出している。これは、実施形態の反射式のリニア光学式エンコーダでも同じである。
以上説明した実施形態の反射式のリニア光学式エンコーダの構成は、特許文献1に記載されており、広く知られている。実施形態の反射式のリニア光学式エンコーダは、反射パターン2−2および演算回路が、これまでと異なる。
図9は、実施形態の反射式のリニア光学式エンコーダにおける反射パターン2−1および2−2を示す図である。
前述のように、反射パターン2−1は、主軸方向にスケールピッチp2=20μmで形成された反射パターンであり、反射部分Rと透過部分Tは同じ10μmの幅である。
反射パターン2−2は、所定位置5の左側の部分においては、反射パターン2−1と同じパターンを有し、所定位置5の右側の部分においては、反射パターン2−1の反射部分Rと透過部分Tを反転した反射パターンを有する。したがって、反射パターン2−2の所定位置5の左側の部分では、反射部分Rが20μm幅となる。ここでは、所定位置5を原点とする。
図9に示す反射パターン2−1および2−2を有するスケール基板1に対して、センサ基板10を、主軸方向が一致するように図3に示すように配置することにより、センサ基板10の受光部15−2が反射パターン2−2の所定位置5の左側の部分の反射光を検出する場合には、受光部15−1および受光部15−2の出力信号は同一である。これに対して、受光部15−2が反射パターン2−2の所定位置5の右側の部分の反射光を検出する場合には、受光部15−1および受光部15−2の表面に反射パターンが20μmずれて投影されることになる。
受光部15−1のセンサ部PS1〜PS4が主センサ部に、受光部15−2のセンサ部PS1〜PS4が副センサ部に、それぞれ相当する。
図10は、実施形態の反射式のリニア光学式エンコーダにおける演算処理部の構成を示す図である。
なお、実施形態の反射式のリニア光学式エンコーダでは、一般的な反射式のリニア光学式エンコーダと同様に、反射パターン2−1の反射パターンを受光する受光部15−1の信号を演算する演算回路が、反射パターン2−1のスケールピッチの周期より高分解能で移動位置を演算するが、これについては広く知られているので説明を省略する。実施形態の反射式のリニア光学式エンコーダは、上記の位置演算機能に、これまでと異なる原点検出機能を付加したものであり、原点検出に関係する演算処理についてのみ説明する。
演算処理部は、第1演算回路41と、第2演算回路42と、合成回路43と、絶対値回路44と、ローパスフィルタ45と、判定回路(コンパレータ)46と、第1パルス発生回路47と、第2パルス発生回路48と、ORゲート49と、を有する。これらの回路は、すべてアナログ回路で実現される。
第1演算回路41は、図7に示した回路構成を有し、受光部15−1の出力する検出信号+A、−A、+B、−Bから主A相信号PHASEAおよび主B相信号PHASEBを出力する。第2演算回路42は、図7に示した回路構成を有し、受光部15−2の出力する検出信号+A、−A、+B、−Bから副A相信号PHASEAおよび副B相信号PHASEBを出力する。第1演算回路41内の第1差演算回路35および第2差演算回路36が、第1主差演算回路および第2主差演算回路に相当し、第2演算回路42内の第1差演算回路35および第2差演算回路36が、第1副差演算回路および第2副差演算回路に相当する。
合成回路43は、アナログ加算回路であり、主A相信号PHASEAと副A相信号PHASEAを加算して合成信号Cを出力する。
絶対値回路44は、正負に変化する合成信号Cの負部分を反転して正部分のみの信号に変換する。絶対値回路は、広く知られているので、説明は省略する。
ローパスフィルタ45は、絶対値回路44の出力から高周波成分を除去して、ピーク値の変化に近い信号を出力する。
コンパレータ46は、ローパスフィルタ45の出力を閾値Vthと比較し、ローパスフィルタ45の出力が閾値Vthを超えて変化した時に、出力を変化させる。具体的には、コンパレータ46の出力は、ローパスフィルタ45の出力が閾値Vthより大きい状態から小さい状態に変化すると、「1(H:High)」から「0(L:Low)」に変化し、ローパスフィルタ45の出力が閾値Vthより小さい状態から大きい状態に変化すると、LからHに変化する。
第1パルス発生回路47は、コンパレータ46の出力がHからLに変化すると、幅の短いパルスを発生する。第2パルス発生回路48は、第1パルス発生回路47と同じであるが、コンパレータ46の出力がインバータで反転されて入力するため、コンパレータ46の出力がLからHに変化すると、幅の短いパルスを発生する。短パルス発生回路は広く知られているので、説明は省略する。
ORゲート49は、第1パルス発生回路47および第2パルス発生回路48の出力を合成する。言い換えれば、ORゲート49は、第1パルス発生回路47および第2パルス発生回路48の両方が出力する短パルスを通過させる。
以下、本発明による原点検出の原理を説明する。
図11は、スケール基板1とセンサ基板10の相対的な位置関係(長さ)の変化に伴う、受光部15−2の出力する副A相信号PHASEAの変化を示す図である。位置変化に伴い、受光部15−2に反射パターンの所定位置5での反射が入射し始めると、受光部15−2のセンサ部PS1およびPS3に入射する投影パターンは、一部が逆相となる。例えば、正相の側では、PS1に反射部分(明部分)が入射し、PS3に透過部分(暗部分)が入射するのに対して、逆相の側では、PS1に透過部分(暗部分)が入射し、PS3に反射部分(明部分)が入射する。したがって、正相の側での信号と逆相側での信号が相殺する方向になり、逆相の割合が増加するにしたがって副A相信号PHASEAの振幅は減少する。受光部15−2の中心に、反射パターンの所定位置5が投影される状態になると、受光部15−2のセンサ部分の半分は正相に信号を、半分は逆相の信号を出力するので、副A相信号PHASEAの振幅はゼロになる。さらに移動すると、逆相の信号の割合が増加し、受光部15−2全体に反射パターンの所定位置5の他方の側(図9では右側)が投影される状態になると、副A相信号PHASEAの振幅は、受光部15−2全体に反射パターンの所定位置5の左側の部分が投影される状態と同じ振幅となるが、逆相の信号となる。したがって、この時、副A相信号PHASEAは、主A相信号PHASEAと同じ振幅で、逆相の信号となる。
図11では図示していないが、さらに移動しても、副A相信号PHASEAは、主A相信号PHASEAと同じ振幅で、逆相の信号である。
図12は、スケール基板1とセンサ基板10の相対的な位置関係(長さ)の変化に伴う、副A相信号PHASEAと、主A相信号PHASEAと副A相信号PHASEAを合成した合成信号Cの変化を示す図である。
合成信号Cは、受光部15−2に反射パターンの所定範囲5の左側の部分のみ投影される状態では、副A相信号PHASEAの2倍の振幅の信号であるが、受光部15−2に反射パターンの所定位置5の右側の部分が投影される状態になると、急激に振幅が小さくなり、受光部15−2に反射パターンの所定位置5の右側の部分のみ投影される状態になると振幅はゼロになる。このように、合成信号Cは、所定位置5を通過する時に、振幅が大きな振幅から小さな振幅にまたはその逆に変化する。
ただし、合成信号Cは、正負に変化する信号であり、振幅を検出して閾値と比較する必要がある。そこで、図10の演算処理部では、絶対値回路44で負部分を反転して正部分のみの信号とし、さらにローパスフィルタ45で平滑化し、ローパスフィルタ45の出力を閾値Vthと比較している。
合成信号Cは、主および副A相信号PHASEAの2倍の振幅から、ゼロの振幅まで変化する信号であり、反射パターンの所定位置5が受光部15−2の中心に投影される時に振幅は1/2になる。したがって、Vthを、反射パターンの所定位置5の左側の部分のみが受光部15−2に投影される時の合成信号Cの振幅の1/2に設定すれば、投影される反射パターンの所定位置5が受光部15−2の中心を通過する時に、コンパレータ46の出力が変化し、それに応じて第1パルス発生回路47および第2パルス発生回路48が短パルスを発生する。ただし、移動方向は二方向あり、合成信号Cは、一方の移動方向の場合には、HからLに変化し、他方の移動方向の場合には、LからHに変化する。一方の移動方向の場合で、合成信号CがHからLに変化する場合には、所定位置5の右側で短パルスが発生され、他方の移動方向の場合で、合成信号CがLからHに変化する場合には、所定位置5の左側で短パルスが発生される。したがって、移動方向に応じて、短パルス発生位置が異なることを考慮して原点を検出する。
前述のように、実施形態の反射式のリニア光学式エンコーダでは、一般的な反射式のリニア光学式エンコーダと同様に、反射パターン2−1の反射パターンを受光する受光部15−1の信号を演算する演算回路が、反射パターン2−1のスケールピッチの周期より高分解能で移動位置を演算する。
図13は、受光部15−1の信号を演算する演算回路により算出された相対位置信号と、これまで説明した原点の検出により発生される原点信号と、の関係を説明する図である。
受光部15−1の信号を演算する演算回路は、主A相信号がsin成分を、主B相信号が−cos成分を示すことを利用して、センサピッチを1周期とした場合の1周期内の位相を算出する。図13では、1周期の位相ゼロは、主A相信号がゼロで、主B相信号が負のピーク値の時である。図12に示すように、合成信号Cは、この周期の位相180°で振幅が1/2になり、一方に移動する時には位相180°より少し大きな位相で短パルスが発生し、他方に移動する時には位相180°より少し小さな位相で短パルスが発生する(図13では、他方に移動する時に発生する短パルスを示している)。
いずれにしても、受光部15−1の信号を演算する演算回路による検出位置の1周期の位相180°の前後で原点信号が発生するので、原点信号が検出された周期の位相180°の位置を原点とする。
以上のように、実施形態では、合成信号Cは、所定位置(原点)5を通過する時に、振幅が大きな振幅から小さな振幅にまたはその逆に変化するため、振幅変化は急峻になり、閾値と比較して変化位置を検出する場合の精度が向上する。
上記の実施形態では、コンパレータ46の閾値Vthは固定であった。第1および第2光学系が安定であれば特に問題は生じないが、光源11の光量、受光センサの感度、汚れ等の原因で、受光センサの出力する信号強度が変化すると、原点検出に誤差を生じる。そこで、光源11の光量または受光センサの出力を増幅するアンプの増幅率を調整して、受光センサの出力する信号強度が一定になるようにすることが考えられる。また、受光センサの出力する信号強度に応じて、閾値Vthを変化させることが考えられる。以下、受光センサの出力する信号強度に応じて、閾値Vthを変化させる閾値調整回路の例を説明する。
図14は、閾値調整回路の構成を示す図である。
閾値調整回路は、第2受光センサ14−2の出力するA相およびB相の信号を増幅するアンプ35−2および36−2の信号を入力信号として受け、出力信号をコンパレータ46に出力する。なお、第1受光センサ14−1の出力するA相およびB相の信号を入力信号として受けるようにしても、第1受光センサ14−1の出力するA相およびB相の信号と、第2受光センサ14−2の出力するA相およびB相の信号をそれぞれ合成した合成A相および合成B相の信号を入力信号として受けるようにしてもよい。さらに、閾値調整回路は、エンコーダ全体の制御を行うCPU60が所定幅のパルス状の閾値調整制御信号を出力した時のみ調整動作を行い、閾値調整制御信号が出力されない時には、前の閾値を保持する。また、この閾値調整処理時には、一方の方向、すなわち投影される反射パターン2−2が正相から逆相に変化する方向に移動して行われる。
閾値調整回路は、コンパレータ61と、ANDゲート62と、A/D変換器63と、ラッチ回路64と、D/A変換器65と、増幅器66と、を有する。
コンパレータ61は、アンプ35−2の出力する副B相信号をゼロレベルと比較し、副B相信号が負から正に変化する時にHに立ち上がる信号を発生する。ANDゲート62は、CPU60が閾値調整制御信号を出力している時のみコンパレータ61の信号を通過させる。
A/D変換器63は、コンパレータ61の信号がLからHに立ち上がる時のアンプ36−2の出力する副A相信号をサンプリングしてデジタル信号に変換する。副A相信号は、副B相信号がLからHに変化する時にピーク値を取るので、A/D変換器63は、副A相信号のピーク値のデジタル信号を出力する。
ラッチ回路64は、CPU60が出力するラッチ信号に応じてA/D変換器63の出力するデジタル信号をラッチして保持する。CPU60が出力するラッチ信号は、例えば、閾値調整制御信号の立下りエッジに対応する信号である。
D/A変換器65は、ラッチ回路64の出力する副A相信号のピーク値のデジタル信号を、アナログ信号に変換して増幅器66に出力する。増幅器66は、副A相信号のピーク値に対応するアナログ信号を、閾値Vthとしてコンパレータ46に出力する。これにより、例えば、副A相信号のピーク値と同じアナログ信号レベルが、Vthとして設定される。したがって、副A相信号のピーク値が変動しても、Vthは副A相信号のピーク値に設定される。前述のように、合成信号Cの振幅は、主A相信号の振幅(=副A相信号の振幅)の2倍からゼロに変化するので、Vthをこのように設定することで、原点である所定位置5を通過した時に短パルスが発生する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、各所の変形例が可能であるのはいうまでもない。例えば、2つの反射パターン2−1および2−2は、1つのスケール基板1に形成され、2個の受光素子14−1および14−2は、1個の光源11と共に1つのセンサ基板10に形成された。しかし、位置関係が精密に設定可能であれば、反射パターン2−1および2−2を2つのスケール基板に形成しても、1個の光源と1個の受光素子を有するセンサ基板を2つ使用しても、その両方を行うようにしてもよい。ただし、組立を容易にし、高精度の位置関係を実現するには実施形態の構成が望ましい。
また、実施形態では、反射型のスケールを使用したが、透過型のスケールを使用することも可能である。
さらに、演算処理回路は一例であり、振幅の変化を検出する回路を実現する各種の変形例が可能であることは、当業者には容易に理解できる。
本発明は、各種の光学式エンコーダに適用可能である。
1 スケール基板
2−1、2−2 反射パターン
5 所定位置
10 センサ基板
11 光源
14−1、14−2 受光素子
15−1、15−2 受光部
35 第1差演算回路
36 第2差演算回路
41 第1演算回路
42 第2演算回路
43 合成回路
44 正負判定回路
45 ゼロクロス検出回路
46 判定回路

Claims (6)

  1. 主軸方向に変化する第1濃淡パターンを有する第1光学式スケールと、前記第1光学式スケールの第1照明光を出力する第1光源と、前記第1照明光で前記第1光学式スケールを照明することにより生成された前記第1濃淡パターンの像を検出するように配置された第1受光センサと、を備え、前記第1受光センサは、前記主軸方向に順にセンサピッチで配列された第1から第4の主センサ部からなる第1センサ組を、前記主軸方向に所定組数繰り返し配列した第1センサ配列を有する第1光学系と、
    前記主軸方向に変化する第2濃淡パターンを有する第2光学式スケールと、前記第2光学式スケールの第2照明光を出力する第2光源と、前記第2照明光で前記第2光学式スケールを照明することにより生成された前記第2濃淡パターンの像を検出するように配置された第2受光センサと、を備え、前記第2受光センサは、前記主軸方向に順に前記センサピッチで配列された第1から第4の副センサ部からなる第2センサ組を、前記主軸方向に所定組数繰り返し配列した第2センサ配列を有する第2光学系と、
    前記第1光学系の前記第1受光センサの検出信号および前記第2光学系の前記第2受光センサの検出信号を演算処理する検出回路と、を備え、
    前記第1光学式スケールおよび前記第2光学式スケールは、前記第1光源、前記第1受光センサ、前記第2光源および前記第2受光センサに対して相対移動し、
    前記第1光学式スケールの前記第1濃淡パターンは、濃い部分と淡い部分の幅が同じで、スケールピッチで濃淡を繰り返し、
    前記第2光学式スケールの前記第2濃淡パターンは、濃い部分と淡い部分の幅が同じで、前記スケールピッチで濃淡を繰り返し、所定位置において、濃い部分と淡い部分が反転しており、
    前記検出回路は、第1および第3の主センサ部の出力の差を演算する第1主差演算回路と、第2および第4の主センサ部の出力の差を演算する第2主差演算回路と、第1および第3の副センサ部の出力の差を演算する第1副差演算回路と、前記第1主差演算回路の出力と前記第1副差演算回路の出力を加算する合成回路と、前記合成回路の出力を閾値と比較して原点を検出する原点判定回路と、を備えることを特徴とする光学式エンコーダ。
  2. 前記第1光学式スケールおよび前記第2光学式スケールは、共通のスケール基板上に隣接して、前記第1濃淡パターンおよび前記第2濃淡パターンが平行に、前記所定位置の一方の側では濃い部分と淡い部分の位置が一致し、他方の側では濃い部分と淡い部分が反転するように形成され、
    前記第1光源、前記第1受光センサ、前記第2光源および前記第2受光センサは、共通のセンサ基板上に形成され、前記第1光源および前記第2光源は共通光源として形成され、前記第1受光センサおよび前記第2受光センサは、共通光源の両側に、前記第1センサ配列および前記第2センサ配列が平行に、前記第1から第4の主センサ部および前記第1から第4の副主センサ部の位置が一致するように形成され、
    前記センサ基板は、前記スケール基板に対して、前記第1濃淡パターンで反射された前記共通光源からの照明光が前記第1受光センサに投影され、前記第2濃淡パターンで反射された前記共通光源からの照明光が前記第2受光センサに投影されるように配置される請求項1に記載の光学式エンコーダ。
  3. 前記スケールピッチは、前記センサピッチの2倍であり、
    前記センサ基板は、前記スケール基板に対して、前記第1濃淡パターンおよび前記第2濃淡パターンが、前記センサピッチの4倍の濃淡パターンとして投影されるように配置される請求項2に記載の光学式エンコーダ。
  4. 前記原点判定回路は、
    前記合成回路の出力の絶対値信号を生成する絶対値回路と、
    前記絶対値信号の高周波成分を除去するローパスフィルタと、
    前記ローパスフィルタの出力を閾値と比較する比較回路と、を備える請求項1から3のいずれか1項に記載の光学式エンコーダ。
  5. 前記検出回路は、前記第1主差演算回路および前記第2主差演算回路の出力から、前記センサピッチの4倍の長さを1周期とする周期長内の位相を算出すると共に、前記原点判定回路の比較回路の出力変化がいずれの前記周期長内で発生したかを検出し、移動方向に応じて前記原点がいずれの前記周期長内にあるか判定する請求項4に記載の光学式エンコーダ。
  6. 前記原点判定回路は、
    前記第2主または副差演算回路の出力に基づいて前記第1主または副差演算回路の出力が最大値となる時を判定し、前記第1主または副差演算回路の出力の最大値に応じて、前記原点判定回路の前記比較回路の前記閾値を変化させる閾値制御回路を備える請求項4または5に記載の光学式エンコーダ。
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