JP6212480B2 - 金属粉ペースト、及びその製造方法 - Google Patents
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Description
そこで、本発明の目的は、チップ積層セラミックコンデンサー用電極の製造に好適に使用可能な、焼結遅延性に優れた、表面処理された銅粉ペースト、及びその製造方法を、提供することにある。
(1)
Siの付着量が銅粉1gに対して500〜16000μg、銅粉に対するNの重量%が0.05%以上である、表面処理された銅粉と、
カルボキシル基を有する有機物とが、溶剤に分散されて含まれる、銅粉ペースト。
(2)
Siの付着量が銅粉1gに対して500〜16000μg、銅粉に対するNの重量%が0.05%以上である、表面処理された銅粉と、
カルボキシル基を有する有機物とが、溶剤に分散されて含まれる、(1)に記載の銅粉ペースト。
(3)
表面処理された銅粉と、カルボキシル基を有する有機物に加えて、バインダ樹脂が、溶剤に分散されて含まれる、(1)又は(2)に記載の銅粉ペースト。
(4)
表面処理された銅粉が、シランカップリング剤で表面処理された銅粉である、(1)〜(3)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(5)
シランカップリング剤がアミノシランである、(4)に記載の銅粉ペースト。
(6)
表面処理された銅粉において、銅粉に対するNの重量%が0.05%〜0.50%の範囲にある、(1)〜(5)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(7)
表面処理された銅粉が、表面処理された銅粉をさらに熱処理してNを除去した銅粉である、(1)〜(6)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(8)
表面処理された銅粉が、酸素雰囲気または不活性雰囲気下で熱処理してNを除去した銅粉である、(1)〜(7)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(9)
焼結開始温度が400℃以上である、(1)〜(8)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(10)
表面処理された銅粉が、アミノシランの水溶液と銅粉を混合、攪拌後に乾固して得たものである、(1)〜(9)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(11)
表面処理された銅粉が、銅粉1gに対して、表面処理に供するアミノシランの量が0.01 mL以上で表面処理された銅粉である、(1)〜(10)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(12)
表面処理された銅粉が、アミノシランの量が0.05mL以上で、銅粉との混合、攪拌時間が30分以下で表面処理された銅粉である、(11)に記載の銅粉ペースト。
(13)
アミノシランが、モノアミノシラン又はジアミノシランである(4)〜(11)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(14)
表面処理された銅粉が、湿式法で得られた原料銅粉が表面処理された銅粉である、(1)〜(13)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(15)
表面処理された銅粉が、D50≦1.5μmである、(1)〜(14)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(16)
表面処理された銅粉が、D50≦1.0μmである、(1)〜(14)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(17)
表面処理された銅粉が、D50≦0.5μm、Dmax≦1.0μmである、(1)〜(14)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(18)
表面処理された銅粉が、粒度分布が一山である、(1)〜(17)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(19)
銅粉ペーストが、内部電極用銅粉ペーストである、(1)〜(18)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(20)
銅粉ペーストが、外部電極用銅粉ペーストである、(1)〜(18)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(21)
カルボキシル基を有する有機物がカルボン酸またはアミノ酸である(1)〜(20)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(22)
カルボキシル基を有する有機物が脂肪酸である(1)〜(20)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(23)
脂肪酸が、C3〜C24の飽和又は不飽和の脂肪酸である、(22)に記載の銅粉ペースト。
(24)
脂肪酸が、C3〜C24の、二重結合数0〜2個の脂肪酸である、(22)に記載の銅粉ペースト。
(25)
脂肪酸が、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、(9,12,15)−リノレン酸、(6,9,12)−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エレオステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸(エイコサン酸)、8,11−エイコサジエン酸、5,8,11−エイコサトリエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、エライジン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、ステアリドン酸からなる群から選択された1種以上である、(22)に記載の銅粉ペースト。
(26)
脂肪酸が、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸からなる群から選択された1種以上である、(22)に記載の銅粉ペースト。
(27)
溶剤が、アルコール溶剤、グリコールエーテル溶剤、アセテート溶剤、ケトン溶剤、又は炭化水素溶剤である、(1)〜(26)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(28)
アルコール溶剤が、テルピネオール、ジヒドロテルピネオール、イソプロピルアルコール、ブチルカルビトール、テルピネルオキシエタノール、ジヒドロテルピネルオキシエタノールからなる群から選択された1種以上である、(27)に記載の銅粉ペースト。
(29)
グリコールエーテル溶剤が、ブチルカルビトールからなる群から選択された1種以上である、(27)に記載の銅粉ペースト。
(30)
アセテート溶剤が、ブチルカルビトールアセテート、ジヒドロテルピネオールアセテート、テルピネオールアセテート、ジヒドロカルビルアセテート、カルビルアセテートからなる群から選択された1種以上である、(27)に記載の銅粉ペースト。
(31)
ケトン溶剤が、メチルエチルケトンである、(27)に記載の銅粉ペースト。
(32)
炭化水素溶剤が、トルエン、シクロヘキサンからなる群から選択された1種以上である、(27)に記載の銅粉ペースト。
(33)
表面処理された銅粉に対する、脂肪酸の質量比(脂肪酸/表面処理された銅粉)が、1/1000〜1/10の範囲にある、(1)〜(32)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(34)
溶剤に対する、脂肪酸の質量比(脂肪酸/溶剤)が、1/100〜1/10の範囲にある、(1)〜(33)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(35)
表面処理された銅粉に対する、溶剤の質量比(溶剤/表面処理された銅粉)が、1/4〜1/1の範囲にある、(1)〜(34)のいずれかに記載の銅粉ペースト。
(36)
ポアサイズ5μm、有効面積9.0cm2のフィルターに0.3atmの減圧ろ過を行って、投入質量4gに対する透過した質量の割合の百分率(透過率)が、30秒後に、35%以上である、(1)〜(35)にいずれかに記載の銅粉ペースト。
(41)
(1)〜(36)のいずれかに記載のペーストを使用して製造されたチップ積層セラミックコンデンサー。
(42)
(41)に記載のチップ積層セラミックコンデンサーを最外層に実装した多層基板。
(43)
(41)に記載のチップ積層セラミックコンデンサーを内層に実装した多層基板。
(44)
(42)又は(43)に記載の多層基板を搭載した電子部品。
(51)
Siの付着量が銅粉1gに対して500〜16000μg、銅粉に対するNの重量%が0.05%以上である、表面処理された銅粉と、
カルボキシル基を有する有機物とを、溶剤に分散してペーストを調製する工程、
を含む、銅粉ペーストの製造方法。
(52)
ペーストを調製する工程が、
Siの付着量が銅粉1gに対して500〜16000μg、銅粉に対するNの重量%が0.05%以上である、表面処理された銅粉と、
カルボキシル基を有する有機物とを、溶剤に分散してペーストを調製する工程、
である、(51)に記載の方法。
(53)
ペーストを調製する工程が、
表面処理された銅粉と、カルボキシル基を有する有機物に加えて、さらに、バインダ樹脂を、溶剤に分散してペーストを調製する工程、である、(51)に記載の方法。
(54)
カルボキシル基を有する有機物が脂肪酸である、(51)〜(53)のいずれかに記載の方法。
(55)
ペーストを調製する工程、の後に、
調製されたペーストを、フィルターでろ過する工程、
を含む、(51)〜(54)のいずれかに記載の方法。
(56)
フィルターが、1〜8μmのポアサイズを有する、(55)に記載の方法。
(57)
フィルターでろ過する工程が、減圧ろ過又は加圧ろ過によって行われる、(55)又は(56)に記載の方法。
(58)
減圧ろ過の圧力が、0.1〜1.0atmの範囲の圧力である、(57)に記載の方法。
(59)
加圧ろ過の圧力が、0.1〜2.0atmの範囲の圧力である、(57)に記載の方法。
(61)
表面処理された銅粉が、
銅粉を、アミノシラン水溶液と混合して、銅粉分散液を調製する工程、
を含む、表面処理された銅粉を製造する方法によって製造された、表面処理された銅粉である、(51)〜(59)のいずれかに記載の方法。
(62)
銅粉分散液を撹拌する工程を含む、(61)に記載の方法。
(63)
銅粉分散液を超音波処理する工程を含む、(61)又は(62)に記載の方法。
(64)
超音波処理する工程が、1〜180分間の超音波処理を行う工程である、(63)に記載の方法。
(65)
銅粉分散液をろ過して銅粉を回収する工程、
ろ過して回収された銅粉を乾燥して、表面処理された銅粉を得る工程、
を含む、(61)〜(64)のいずれかに記載の方法。
(66)
乾燥が、50〜90℃で30〜120分間の加熱処理によって行われる、(65)に記載の方法。
(67)
乾燥が、酸素雰囲気又は不活性雰囲気下で行われる、(65)又は(66)に記載の方法。
(68)
銅分散液が、銅粉1gに対してアミノシラン0.025g以上を含んでいる、(61)〜(67)のいずれかに記載の方法。
(69)
アミノシラン水溶液が、次の式I:
H2N−R1−Si(OR2)2(R3) (式I)
(ただし、上記式Iにおいて、
R1は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、
R2は、C1〜C5のアルキル基であり、
R3は、C1〜C5のアルキル基、又はC1〜C5のアルコキシ基である。)
で表されるアミノシランの水溶液である、(61)〜(68)のいずれかに記載の方法。
(70)
R1が、置換又は非置換の、C1〜C12の直鎖状飽和炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の分枝状飽和炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の直鎖状不飽和炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の分枝状不飽和炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の環式炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の複素環式炭化水素の二価基、置換又は非置換の、C1〜C12の芳香族炭化水素の二価基、からなる群から選択された基である、(69)に記載の方法。
(71)
R1が、−(CH2)n−、−(CH2)n−(CH)m−(CH2)j-1−、−(CH2)n−(CC)−(CH2)n-1−、−(CH2)n−NH−(CH2)m−、−(CH2)n−NH−(CH2)m−NH−(CH2)j−、−(CH2)n-1−(CH)NH2−(CH2)m-1−、−(CH2)n-1−(CH)NH2−(CH2)m-1−NH−(CH2)j− からなる群から選択された基である(ただし、n、m、jは、1以上の整数である)、(69)に記載の方法。
(72)
R1が、−(CH2)n−、又は−(CH2)n−NH−(CH2)m−である、(69)に記載の方法。
(73)
n、m、jが、それぞれ独立に、1、2又は3である、(71)〜(72)のいずれかに記載の方法。
(74)
R2が、メチル基又はエチル基である、(69)〜(73)のいずれかに記載の方法。
(75)
R3が、メチル基、エチル基、メトキシ基又はエトキシ基である、(69)〜(74)のいずれかに記載の方法。
(76)
銅粉が、湿式法によって製造された銅粉である、(61)〜(75)のいずれかに記載の方法。
(77)
(61)〜(76)のいずれかに記載の方法であって、
表面処理された銅粉が、
Siの付着量が銅粉1gに対して500〜16000μgであり、
銅粉に対するNの重量%が0.05%以上であり、
焼結開始温度が400℃以上である、方法。
(78)
(51)〜(57)、(61)〜(77)のいずれかに記載の製造方法によって製造された銅粉ペーストを、基材に塗布する工程、
基材に塗布された導電性銅ペーストを加熱焼成する工程、
を含む、電極を製造する方法。
(79)
電極が、チップ積層セラミックコンデンサー用電極である、(78)に記載の方法。
(81)
(51)〜(57)、(61)〜(77)のいずれかに記載の製造方法によって製造された銅粉ペースト。
(82)
(78)に記載の製造方法によって製造された、電極。
(83)
(79)に記載の製造方法によって製造された、チップ積層セラミックコンデンサー用電極。
(91)
(51)〜(57)、(61)〜(77)のいずれかに記載の方法によって製造された銅粉ペーストであって、
ポアサイズ5μm、有効面積9.0cm2のフィルターに0.3atmの減圧ろ過を行って、投入質量4gに対する透過した質量の割合の百分率(透過率)が、15分後に、35%以上である、銅粉ペースト。
(92)
(78)又は(79)に記載の製造方法によって製造された、電極。
(101)
Si、Ti、Al、Zr、Ce、Snのうちいずれか1種以上の付着量が金属粉1gに対して200〜16000μg、金属粉に対するNの重量%が0.02%以上である、表面処理された金属粉と、
カルボキシル基を有する有機物が、溶剤に分散されて含まれる、金属粉ペースト。
(102)
表面処理された金属粉と、カルボキシル基を有する有機物に加えて、バインダ樹脂が、溶剤に分散されて含まれる、(101)に記載の金属粉ペースト。
(103)
金属粉が銅粉である、(101)〜(102)のいずれかに記載の金属粉ペースト。
(104)
金属粉がPt、Pd、Ag、Ni、Cuのいずれかの金属粉である、(101)〜(102)のいずれかに記載の金属粉ペースト。
(105)
Si、Ti、Al、Zr、Ce、Snのうちいずれか1種以上の付着量が金属粉1gに対して300〜16000μgである、(101)〜(104)のいずれかに記載の金属粉ペースト。
(106)
Si、Ti、Al、Zr、Ce、Snのうちいずれか1種以上の付着量が金属粉1gに対して500〜16000μgである、(101)〜(104)のいずれかに記載の金属粉ペースト。
(107)
Si、Ti、Al、Zr、Ce、Snのうちいずれか1種以上の付着量が金属粉1gに対して3000μg以下である、(101)〜(106)のいずれかに記載の金属粉ペースト。
(108)
Si、Ti、Al、Zr、Ce、Snのうちいずれか1種以上の付着量が金属粉1gに対して1500μg以下である、(101)〜(106)のいずれかに記載の金属粉ペースト。
(109)
金属粉に対するNの重量%が0.05%以上である、(101)〜(108)に記載の金属粉ペースト。
(110)
Si、Ti、Al、Zr、Ce、Snのうちいずれか1種以上が、Ti、Al、Zr、Ce、Snのうちいずれか1種以上である、(101)〜(109)のいずれかに記載の金属粉ペースト。
(111)
Si、Ti、Al、Zr、Ce、Snのうちいずれか1種以上が、Siである、(101)〜(109)のいずれかに記載の金属粉ペースト。
(112)
金属粉が銅粉であり、Siの付着量が銅1gに対して500〜16000μg、銅粉に対するNの重量%が0.05%以上である、(101)に記載の金属粉ペースト。
(113)
金属粉が銅粉であり、Siの付着量が銅1gに対して500〜3000μg、銅粉に対するNの重量%が0.05%以上である、(101)に記載の金属粉ペースト。
(114)
表面処理された金属粉が、カップリング剤で表面処理された金属粉である、(101)〜(113)に記載の金属粉ペースト。
(115)
Si、Ti、Al、Zr、Ce、Snのうちいずれか1種以上が、カップリング剤処理で吸着された、(101)〜(114)に記載の金属粉ペースト。
(116)
カップリング剤がシラン、チタネート、アルミネートのいずれかである、(101)〜(115)に記載の金属粉ペースト。
(117)
カップリング剤が末端がアミノ基であるカップリング剤である(101)〜(116)に記載の金属粉ペースト。
(118)
カップリング剤がアミノシランである、(101)〜(117)に記載の金属粉ペースト。
(119)
カルボキシル基を有する有機物がカルボン酸またはアミノ酸である、(101)〜(118)のいずれかに記載の金属粉ペースト。
(120)
カルボキシル基を有する有機物が脂肪酸である、(101)〜(119)のいずれかに記載の金属粉ペースト。
(121)
脂肪酸が、C3〜C24の飽和又は不飽和の脂肪酸である、(120)に記載の金属粉ペースト。
(122)
脂肪酸が、C3〜C24の、二重結合数0〜2個の脂肪酸である、(120)に記載の金属粉ペースト。
(123)
脂肪酸が、クロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、(9,12,15)−リノレン酸、(6,9,12)−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エレオステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸(エイコサン酸)、8,11−エイコサジエン酸、5,8,11−エイコサトリエン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ネルボン酸、エライジン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、ステアリドン酸からなる群から選択された1種以上である、(120)に記載の金属粉ペースト。
(124)
溶剤が、アルコール溶剤、グリコールエーテル溶剤、アセテート溶剤、ケトン溶剤、又は炭化水素溶剤である、(101)〜(123)のいずれかに記載の金属粉ペースト。
(125)
表面処理された金属粉に対する、脂肪酸の質量比(脂肪酸/表面処理された銅粉)が、1/100〜1/10の範囲にある、(119)〜(124)のいずれかに記載の金属粉ペースト。
(126)
溶剤に対する、脂肪酸の質量比(脂肪酸/溶剤)が、1/100〜1/10の範囲にある、(119)〜(125)のいずれかに記載の金属粉ペースト。
(127)
ポアサイズ5μm、有効面積9.0cm2のフィルターに0.3atmの減圧ろ過を行って、投入質量4gに対する透過した質量の割合の百分率(透過率)が、30秒後に、35%以上である、(101)〜(126)のいずれかに記載の金属粉ペースト。
(128)
(101)〜(127)のいずれかに記載のペーストを使用して製造されたチップ積層セラミックコンデンサー。
(129)
内部電極断面に直径が10nm以上のSiO2、TiO2、Al2O3のいずれかが存在している、(128)に記載のチップ積層セラミックコンデンサー。
(130)
内部電極断面に最大径0.5μm以上のSiO2、TiO2、Al2O3のいずれかが0.5個/cm2以下で存在している、(128)又は(129)に記載のチップ積層セラミックコンデンサー。
(131)
Si、Ti、Al、Zr、Ce、Snのうちいずれか1種以上の付着量が金属粉1gに対して200〜16000μg、金属粉に対するNの重量%が0.02%以上である、表面処理された金属粉と、
カルボキシル基を有する有機物とを、溶剤に分散してペーストを調製する工程、
を含む、金属粉ペーストの製造方法。
(132)
ペーストを調製する工程が、
表面処理された金属粉と、カルボキシル基を有する有機物に加えて、さらに、バインダ樹脂を、溶剤に分散してペーストを調製する工程、である、(131)に記載の方法。
(133)
カルボキシル基を有する有機物が脂肪酸である、(131)〜(132)のいずれかに記載の方法。
(134)
表面処理された金属粉と、脂肪酸とを、溶剤に分散してペーストを調製する工程、の後に、
調製されたペーストを、フィルターでろ過する工程、
を含む、(131)〜(133)のいずれかに記載の方法。
(135)
フィルターが、1〜8μmのポアサイズを有する、(134)に記載の方法。
(136)
フィルターでろ過する工程が、減圧ろ過又は加圧ろ過によって行われる、(134)又は(135)に記載の方法。
(137)
表面処理された金属粉が、
金属粉を、アミノ基を有するカップリング剤水溶液と混合して、金属粉分散液を調製する工程、
を含む、表面処理された金属粉を製造する方法によって製造された、表面処理された金属粉である、(131)〜(136)のいずれかに記載の方法。
(138)
金属粉が、Pt、Pd、Ag、Ni、Cuのいずれかの金属粉である、(137)に記載の方法。
(139)
金属粉が、銅粉である、(137)に記載の方法。
(140)
金属粉が、Pt、Pd、Ag、Niのいずれかの金属粉である、(137)に記載の方法。
(141)
金属粉分散液を撹拌する工程を含む、(137)〜(140)のいずれかに記載の方法。
(142)
金属粉分散液を超音波処理する工程を含む、(137)〜(141)のいずれかに記載の方法。
(143)
超音波処理する工程が、1〜180分間の超音波処理を行う工程である、(142)に記載の方法。
(144)
金属粉分散液をろ過して金属粉を回収する工程、
ろ過して回収された金属粉を乾燥して、表面処理された金属粉を得る工程、
を含む、(137)〜(143)のいずれかに記載の方法。
(145)
乾燥が、酸素雰囲気又は不活性雰囲気下で行われる、(144)に記載の方法。
(146)
金属分散液が、金属粉1gに対してアミノ基を有するカップリング剤0.025g以上を含んでいる、(137)〜(145)に記載の方法。
(147)
アミノシラン水溶液が、次の式I:
H2N−R1−Si(OR2)2(R3) (式I)
(ただし、上記式Iにおいて、
R1は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、
R2は、C1〜C5のアルキル基であり、
R3は、C1〜C5のアルキル基、又はC1〜C5のアルコキシ基である。)
で表されるアミノシランの水溶液である、(137)〜(146)のいずれかに記載の方法。
(148)
R1が、−(CH2)n−、−(CH2)n−(CH)m−(CH2)j-1−、−(CH2)n−(CC)−(CH2)n-1−、−(CH2)n−NH−(CH2)m−、−(CH2)n−NH−(CH2)m−NH−(CH2)j−、−(CH2)n-1−(CH)NH2−(CH2)m-1−、−(CH2)n-1−(CH)NH2−(CH2)m-1−NH−(CH2)j−からなる群から選択された基である(ただし、n、m、jは、1以上の整数である)、(147)に記載の方法。
(149)
カップリング剤水溶液が、次の式II:
(H2N−R1−O)pTi(OR2)q (式II)
(ただし、上記式IIにおいて、
R1は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、
R2は、直鎖状又は分枝を有する、C1〜C5のアルキル基であり、
p及びqは、1〜3の整数であり、p+q=4である。)
で表されるアミノ基含有チタネートの水溶液である、(137)〜(146)のいずれかに記載の方法。
(150)
R1が、−(CH2)n−、−(CH2)n−(CH)m−(CH2)j-1−、−(CH2)n−(CC)−(CH2)n-1−、−(CH2)n−NH−(CH2)m−、−(CH2)n−NH−(CH2)m−NH−(CH2)j−、−(CH2)n-1−(CH)NH2−(CH2)m-1−、−(CH2)n-1−(CH)NH2−(CH2)m-1−NH−(CH2)j−からなる群から選択された基である(ただし、n、m、jは、1以上の整数である)、(149)に記載の方法。
(151)
金属粉が、湿式法によって製造された金属粉である、(131)〜(150)のいずれかに記載の方法。
(152)
(131)〜(150)のいずれかに記載の方法であって、
表面処理された金属粉が、
Si、Ti、Al、Zr、Ce、Snのうちいずれか1種以上の付着量が金属粉1gに対して200〜16000μg、銅粉に対するNの重量%が0.02%以上である、表面処理された金属粉、
焼結開始温度が400℃以上である、方法。
(153)
(131)〜(152)のいずれかに記載の製造方法によって製造された金属粉ペーストを、基材に塗布する工程、
基材に塗布された導電性金属ペーストを加熱焼成する工程、
を含む、電極を製造する方法。
(154)
電極が、チップ積層セラミックコンデンサー用電極である、(153)に記載の方法。
(155)
(131)〜(152)のいずれかに記載の製造方法によって製造された金属粉ペーストであって、
ポアサイズ5μm、有効面積9.0cm2のフィルターに0.3atmの減圧ろ過を行って、投入質量4gに対する透過した質量の割合の百分率(透過率)が、15分後に、35%以上である、金属粉ペースト。
(156)
(153)又は(154)に記載の製造方法によって製造された、電極であって、
電極断面に最大径0.5μm以上のSiO2、TiO2、Al2O3のいずれかが0.5個/cm2以下で存在している、電極。
本発明においては、銅粉を、アミノシラン水溶液と混合して、銅粉分散液を調製する工程、を行って、この銅粉分散液から、表面処理された銅粉を得ることができ、このようにして得られた、表面処理された銅粉と、カルボキシル基を持つ有機物とを、溶剤に分散してペーストを調製する工程、を行って、銅粉ペーストを製造することができる。
R1は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、
R2は、C1〜C5のアルキル基であり、
R3は、C1〜C5のアルキル基、又はC1〜C5のアルコキシ基である。
Cu2O+H2SO4 → Cu↓+CuSO4+H2O
この不均化によって得られた銅粉は、所望により、洗浄、防錆、ろ過、乾燥、解砕、分級を行って、その後にアミノシランと混合することもできるが、好ましい実施の態様において、所望により、洗浄、防錆、ろ過を行った後に、乾燥を行うことなく、そのままアミノシラン水溶液と混合することができる。
(H2N−R1−O)pTi(OR2)q (式II)
(ただし、上記式IIにおいて、
R1は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、
R2は、直鎖状又は分枝を有する、C1〜C5のアルキル基であり、
p及びqは、1〜3の整数であり、p+q=4である。)
で表されるアミノ基含有チタネートを挙げることができる。
[表面処理銅粉の製造]
以下のように表面処理された銅粉を製造した。
[湿式法による製粉]
表面処理に供される銅粉20gを、湿式法によって製造した。得られた銅粉は、次のような特性であった。測定は、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製SALD−2100)を使用した。
D50 0.12μm
分布一山
次の各種のシランを使用したシラン水溶液をそれぞれ50mL調製した。
シラン:ジアミノシランA−1120(MOMENTIVE社製)
アミノシランA−1110(MOMENTIVE社製)
エポキシシランZ−6040(東レダウコーニング社製)
メチルトリメトキシシランKBM−13(信越シリコーン社製)
3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(MOMENTIVE社製)
濃度は0.5〜15vol%の範囲で調製した。また、アミノ系シラン以外は希硫酸でpHを4に調整した。
ジアミノシランA−1120:
H2N−C2H4−NH−C3H6−Si(OCH3)3
アミノシランA−1110:
H2N−C3H6−Si(OCH3)3
エポキシシランZ−6040:
メチルトリメトキシシランKBM−13:
H3C−Si(OCH3)3
3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン:
C6H5−NH−C3H6−Si(OCH3)3
銅粉20gと各シラン水溶液50mLを混合撹拌して、銅粉分散液を調製し、直ちに60分間(又は120分間)の超音波処理を行った(株式会社テックジャム製、超音波洗浄器 3周波タイプ / W−113)(出力100W、周波数100kHz)。この60分間の所要時間を表1では、混合撹拌時間と記載した。操作は室温で行った。
また、表1の記載のように、いくつかの実施例では回転羽による攪拌混合(300rpm)を上記超音波攪拌と併用するか、回転羽による攪拌のみでシランカップリング剤を銅粉に吸着させた。
銅粉分散液をろ過して、表面処理された銅粉を回収し、70℃1時間で加熱乾燥して、表面処理された銅粉を得た。
各実施例及び比較例についての表面処理された銅粉で行った処理を、表1にまとめた。
上述の操作によって得られた、表面処理された銅粉に対して、以下の方法によって評価を行った。
銅粉の大きさについて、次の手段で測定を行った。その結果は、表2にまとめた。
レーザー回折式粒度分布測定(島津製作所SLAD−2100)
表面処理された銅粉によって、サンプルを作製して、TMA(Thermomechanical Analyzer)を使用して、焼結開始温度を、次の条件で測定した。
サンプル作製条件
圧粉体サイズ:7mmφ×5mm高さ
成型圧力:1Ton/cm2(1000kg重/cm2)
(潤滑剤として0.5wt%のステアリン酸亜鉛を添加)
測定条件
装置:島津製作所TMA−50
昇温:5℃/分
雰囲気:2vol%H2−N2(300cc/分)
荷重:98.0mN
表面処理された銅粉の表面に付着したSi、N及びCを次の条件で分析した。この結果は、表3にまとめた。
付着量 Si・・・表面処理された銅粉を酸で溶解し、ICP(誘導結合プラズマ原子発光分析法)で定量して、表面処理された銅粉の単位質量(g)に対する、付着したSiの質量(μg)を求めた。
N、C・・・銅粉を高温で溶融させ、発生したNO2、CO2から付着N、C量を算出して、銅粉の全表面に付いたN,Cの量を測定することで、表面処理された銅粉の質量に対する、付着したN,Cの質量の質量%(重量%)を求めた。
以下のように、微細な銅粉を製造し、さらに製造した銅粉をアミノシランによって表面処理して、本発明に係る、表面処理された銅粉を、湿式法による一貫製造を行った。
(2) 次に、希硫酸(25wt%)50mLを一時に添加した。
(3) これを、回転羽で攪拌後(300rpm×10分)、60分放置した。
(4) 次に、沈殿に対して、洗浄を行った。
洗浄は、最初に、上澄み液を除去し、純水350mLを加えて攪拌(300rpm×10分)後、60分放置し、上澄み液を除去し、純水350mLを加えて攪拌(300rpm×10分)後、60分放置し、上澄み液を除去することによって行った。
(5) 次に、アミノシラン処理を行った。
アミノシラン処理は、アミノシラン水溶液(50mL)を加えて60分攪拌し、この際に、回転羽(300rpm)+超音波(株式会社テックジャム製、超音波洗浄器3周波タイプ/W−113)(出力100W、周波数100kHz)の処理を、行った。これとは別に、回転羽のみ(300rpm)の処理、超音波のみの処理を別途行った。アミノシランとして、ジアミノシランA−1120(MOMENTIVE社製)、アミノシランA−1110(MOMENTIVE社製)を、それぞれ使用した。
(6) 次に、ろ過を行って、沈殿を分離した。
(7) 次に、分離した沈殿を、乾燥した。乾燥(70℃×2h)は、大気雰囲気での乾燥、及び窒素中で乾燥を、それぞれ行った。
実施例2,3,5及び比較例1、2によって製造したそれぞれのアミノシラン処理銅粉と、以下のそれぞれの脂肪酸と、バインダーを、溶剤に分散させて、銅粉ペーストを20g製造した。このときの表面処理銅粉:溶剤:バインダ:脂肪酸の質量比は、バインダを加えない場合に、65:34.3:0.7、バインダを加えた場合に、65:27.2:7:0.8とした。これらをそれぞれ、実施例9、10、11、及び比較例5、6として、以後の測定に用いた。
実施例2の表面処理銅粉: シラン濃度 2vol%によるジアミノシラン処理
実施例3の表面処理銅粉: シラン濃度 4vol%によるジアミノシラン処理
実施例5の表面処理銅粉: シラン濃度 10vol%によるジアミノシラン処理
比較例1の表面処理銅粉: BTA処理のみ
比較例2の表面処理銅粉: シラン濃度 10vol%によるエポキシシラン処理
脂肪酸: オレイン酸(C18,二重結合1個)
リノール酸(C18,二重結合2個)
アクリル酸(C3,二重結合1個)
バインダー: ポリビニルブチラール樹脂
溶剤: α−テルピネオール(TPO)またはブチルカルビトール
上記配合で、表面処理銅粉、脂肪酸、バインダー、溶剤を3本ロールで混練し、内部電極用ペーストを得た。
上記のように製造した銅粉ペーストを、ポアサイズ5μmのガラスフィルターに、0.2atmで減圧ろ過を行って、投入直後から、30秒後、8分後、15分後までの透過量(g)を測定して、最初にフィルターに投入した量(g)に対する割合を百分率で算出して、透過率(%)とした。実施例9、10、11、及び比較例5、6(バインダ樹脂あり、なし)について得られた結果を、次の表4及び表5に示す。
表面処理された銅粉に対して、さらに、防錆処理を行った銅粉を製造した。上記の実施例4の銅粉を得た後、防錆処理を行うため、ベンゾトリアゾール水溶液(0.1g / L)100 mL中に分散させ、回転羽で500rpmで10分間攪拌し、ろ過、乾燥(窒素雰囲気下で70℃×1h)させ、さらに、防錆処理された銅粉を得た(実施例12)。
上記防錆処理された銅粉(実施例12)に対して、上述した実施例4と同様に評価を行って、その結果を、表6〜表8にまとめた。なお、表7における処理後の銅粉のサイズは、実施例12については、防錆処理後の銅粉のサイズであり、表8の各評価も、防錆処理した銅粉についての結果である。これらの結果から、表面処理された銅粉が防錆処理された場合にあっても、表面処理された銅粉の優れた特性が失われないことがわかった。
すでに上述した実施例に加えて、以下の実施例をあげて、本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[金属粉]
金属粉として、銅微粉、ニッケル粉、銀粉を以下の手順で用意した。
・実施例18〜20、比較例11
表面処理に供される銅粉20gを、上述した湿式法によって製造した。すなわち、
(1) アラビアゴム 0.4 g + 純水 350 mL に、亜酸化銅 50 g を添加した。
(2) 次に、希硫酸(25wt%)50 mLを一時に添加した。
(3) これを、回転羽で攪拌後(300rpm×10分)、60分放置した。
(4) 次に、沈殿に対して、洗浄を行った。
洗浄は、最初に、上澄み液を除去し、純水350 mLを加えて攪拌( 300rpm×10分)後、60分放置し、上澄み液を除去し、純水350 mLを加えて攪拌( 300rpm×10分)後、60分放置し、銅微粉を沈降させた。この状態で粒度測定をレーザー回折式粒度分布測定(島津製作所SLAD−2100)で行い、表面処理前の粒度測定とした。
得られた銅粉の粒子サイズ(D50、Dmax)を表7に示す。測定は、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製SALD−2100)を使用した。
特許第4164009号公報に従い、化学還元法によって銅粉を得た。すなわち、アラビアゴム2gを2900mLの純水に添加した後、硫酸銅125gを添加し撹拌しながら、80%ヒドラジン一水和物を360mL添加した。ヒドラジン一水和物の添加後〜3時間かけて室温から60℃に昇温し、更に3時間かけて酸化銅を反応させた。反応終了後、得られたスラリーをヌッチェでろ過し、次いで純水及びメタノールで洗浄し、更に乾燥させて銅粉を得た。この銅粉と実施例1の手順でジアミノシランカップリング剤水溶液とを混合し、表面処理銀粉を得た。この特性を実施例1の手順で評価した。
ニッケル粉は東邦チタニウム製のNF32(D50 0.3μm)を用いた。
特開2007−291513に従って製粉した。すなわち、0.8Lの純水に硝酸銀12.6gを溶解させ、25%アンモニア水を24mL,さらに硝酸アンモニウムを40g添加し、銀アンミン錯塩水溶液を調整した。これに1g/Lの割合でゼラチンを添加し、これを電解液とし、陽極、陰極ともにDSE極板を使用し、電流密度200A/m2、溶液温度20℃で電解し、電析した銀粒子を極板から掻き落としながら1時間電解した。こうして得られた銀粉をヌッチェでろ過し、純水、アルコールの順に洗浄を行い、70℃で12時間大気雰囲気下で乾燥させた。この銀粉を乾式分級し、最終的にD50 0.1μm、Dmax 0.5μmの銀粉を得た。
次の各種のシランを使用したシラン水溶液をそれぞれ50mL調製した。
シラン:ジアミノシランA−1120(MOMENTIVE社製)
メチルトリメトキシシランKBM−13(信越シリコーン社製)
チタネート:アミノ基含有 プレインアクト KR44(味の素ファインテクノ社製)
アミノ基非含有 プレインアクト KR TTS (味の素ファインテクノ社製)
濃度は1〜10vol%の範囲で調製した。また、アミノ系カップリング剤以外は希硫酸でpHを4に調整した。
ジアミノシランA−1120:
H2N−C2H4−NH−C3H6−Si(OCH3)3
メチルトリメトキシシランKBM−13:
H3C−Si(OCH3)3
アミノ基含有 プレインアクト KR44
疎水基の側鎖有機官能基
(CH3)2CH−O−
親水基の側鎖有機官能基
−O−(C2H4)−NH−(C2H4)−NH2
アミノ基非含有 プレインアクト KR TTS
疎水基の側鎖有機官能基
(CH3)2CH−O−
親水基の側鎖有機官能基
−O−CO−(C17H35)
上記(銅微粉)の手順で得られた銅微粉スラリーから上澄み液を除去し、銅微粉を乾燥させることなく、上記(カップリング剤水溶液の調製)で調整したカップリング剤と60分間、以下のいずれかの方法で混合させた(実施例18〜20、比較例11)。
(1)回転羽(300rpm)+超音波(株式会社テックジャム製、超音波洗浄器 3周波タイプ / W−113)(出力100W、周波数100kHz)
(2)回転羽(300rpm)のみ
(3)超音波のみ
次にこれらのカップリング剤水溶液をそれぞれアスピレーターで吸引ろ過したのち、これを窒素雰囲気下で70℃で1時間乾燥し、乳鉢で粉砕した。この状態で再度粒度測定を行った。
上記(ニッケル粉)で得られたニッケル粉、上記(銀粉)の手順で得られた銀粉については、上記(カップリング剤水溶液の調製)で調整したカップリング剤と60分間、上述の(1)の手順で混合させて、表面処理を行った(実施例14〜17及び21〜26、比較例8、10,12、13)。
実施例14、16、19、22、25及び比較例7〜11によって製造したそれぞれのアミノシラン処理金属粉と、以下のそれぞれの脂肪酸と、バインダーを、溶剤に分散させて、金属粉ペーストを20g製造した。このときの表面処理金属粉:溶剤:バインダ:脂肪酸の質量比は、バインダを加えない場合に、65:34.3:0.7、バインダを加えた場合に、65:27.2:7:0.8とした。これらをそれぞれ、実施例27〜31及び比較例14〜18として、以後の測定に用いた。
実施例14の表面処理ニッケル粉: シラン濃度 1vol%によるジアミノシラン処理
実施例16の表面処理銀粉: シラン濃度 1vol%によるジアミノシラン処理
実施例19の表面処理銅粉: チタネート濃度 6vol%によるアミノ基含有チタネート処理
実施例22の表面処理ニッケル粉: チタネート濃度 6vol%によるアミノ基含有チタネート処理
実施例25の表面処理銀粉: チタネート濃度 6vol%によるアミノ基含有チタネート処理
比較例7の銀粉: 表面処理なし
比較例8の表面処理銀粉: シラン濃度 10vol%によるメチルトリメトキシシラン処理
比較例9のニッケル粉: 表面処理なし
比較例10の表面処理ニッケル粉: シラン濃度 10vol%によるメチルトリメトキシシラン処理
比較例11の表面処理銅粉: シラン濃度 10vol%によるアミノ基を有しないチタネート処理
脂肪酸: オレイン酸(C18,二重結合1個)
リノール酸(C18,二重結合2個)
アクリル酸(C3,二重結合1個)
バインダー: ポリビニルブチラール樹脂
溶剤: α−テルピネオール(TPO)またはブチルカルビトール
上記配合で、表面処理銅粉、脂肪酸、バインダー、溶剤を3本ロールで混練し、内部電極用ペーストを得た。
上記のように製造した銅粉ペーストを、ポアサイズ5μmのガラスフィルターに、0.2atmで減圧ろ過を行って、投入直後から、30秒後、8分後、15分後までの透過量(g)を測定して、最初にフィルターに投入した量(g)に対する割合を百分率で算出して、透過率(%)とした。実施例27〜31及び比較例14〜18(バインダ樹脂あり、なし)について得られた結果を、次の表9及び表10に示す。
Claims (49)
- 末端にアミノ基を有するカップリング剤に由来する、Si、Ti、Alのうちいずれか1種以上の付着量が金属粉1gに対して200〜16000μg、末端にアミノ基を有するカップリング剤に由来するNの重量%が金属粉に対して0.02%以上である、末端にアミノ基を有するカップリング剤によって表面処理された金属粉と、
不飽和脂肪酸を、溶剤に分散させて含有させることによって、金属粉ペーストを製造する方法。 - 表面処理された金属粉と、不飽和脂肪酸に加えて、バインダ樹脂を、溶剤に分散させて含有させる、請求項1に記載の製造方法。
- 金属粉が銅粉である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 金属粉がPt、Pd、Ag、Ni、Cuのいずれかの金属粉である、請求項1又は2に記載の製造方法。
- Si、Ti、Alのうちいずれか1種以上の付着量が金属粉1gに対して300〜16000μgである、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- Si、Ti、Alのうちいずれか1種以上の付着量が金属粉1gに対して500〜16000μgである、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- Si、Ti、Alのうちいずれか1種以上の付着量が金属粉1gに対して3000μg以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- Si、Ti、Alのうちいずれか1種以上の付着量が金属粉1gに対して1500μg以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 金属粉に対するNの重量%が0.05%以上である、請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
- Si、Ti、Alのうちいずれか1種以上が、Ti、Alのうちいずれか1種以上である、請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
- Si、Ti、Alのうちいずれか1種以上が、Siである、請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
- 金属粉が銅粉であり、Siの付着量が銅1gに対して500〜16000μg、銅粉に対するNの重量%が0.05%以上である、請求項1に記載の製造方法。
- 金属粉が銅粉であり、Siの付着量が銅1gに対して500〜3000μg、銅粉に対するNの重量%が0.05%以上である、請求項1に記載の製造方法。
- Si、Ti、Alのうちいずれか1種以上が、カップリング剤処理で吸着された、請求項1〜13のいずれかに記載の製造方法。
- カップリング剤がシラン、チタネート、アルミネートのいずれかである、請求項1〜14のいずれかに記載の製造方法。
- カップリング剤がアミノシランである、請求項1〜15のいずれかに記載の製造方法。
- 不飽和脂肪酸が、C3〜C24の不飽和脂肪酸である、請求項1〜16のいずれかに記載の製造方法。
- 不飽和脂肪酸が、C3〜C24の、二重結合数2個以下の不飽和脂肪酸である、請求項1〜16のいずれかに記載の製造方法。
- 不飽和脂肪酸が、クロトン酸、メタクリル酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、(9,12,15)−リノレン酸、(6,9,12)−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、8,11−エイコサジエン酸、5,8,11−エイコサトリエン酸、アラキドン酸、ネルボン酸、エライジン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、ステアリドン酸からなる群から選択された1種以上である、請求項1〜16のいずれかに記載の製造方法。
- 溶剤が、アルコール溶剤、グリコールエーテル溶剤、アセテート溶剤、ケトン溶剤、又は炭化水素溶剤である、請求項1〜19のいずれかに記載の製造方法。
- 表面処理された金属粉に対する、不飽和脂肪酸の質量比(不飽和脂肪酸/表面処理された金属粉)が、1/100〜1/10の範囲にある、請求項1〜20のいずれかに記載の製造方法。
- 溶剤に対する、不飽和脂肪酸の質量比(不飽和脂肪酸/溶剤)が、1/100〜1/10の範囲にある、請求項1〜21のいずれかに記載の製造方法。
- 金属粉ペーストが、ポアサイズ5μm、有効面積9.0cm2のフィルターに0.3atmの減圧ろ過を行って、投入質量4gに対する透過した質量の割合の百分率(透過率)が、30秒後に、35%以上である、請求項1〜22のいずれかに記載の製造方法。
- 請求項1〜23のいずれかに記載の製造方法によって製造された金属粉ペーストを使用してチップ積層セラミックコンデンサーを製造する方法。
- チップ積層セラミックコンデンサーの内部電極断面に直径が10nm以上のSiO2、TiO2、Al2O3のいずれかが存在している、請求項24に記載の製造方法。
- チップ積層セラミックコンデンサーの内部電極断面に最大径0.5μm以上のSiO2、TiO2、Al2O3のいずれかが0.5個/cm2以下で存在している、請求項24又は25に記載の製造方法。
- 末端にアミノ基を有するカップリング剤に由来する、Si、Ti、Alのうちいずれか1種以上の付着量が金属粉1gに対して200〜16000μg、末端にアミノ基を有するカップリング剤に由来するNの重量%が金属粉に対して0.02%以上である、末端にアミノ基を有するカップリング剤によって表面処理された金属粉と、
不飽和脂肪酸とを、溶剤に分散してペーストを調製する工程、
を含む、金属粉ペーストの製造方法。 - ペーストを調製する工程が、
表面処理された金属粉と、不飽和脂肪酸に加えて、さらに、バインダ樹脂を、溶剤に分散してペーストを調製する工程、である、請求項27に記載の方法。 - 表面処理された金属粉と、不飽和脂肪酸とを、溶剤に分散してペーストを調製する工程、の後に、
調製されたペーストを、フィルターでろ過する工程、
を含む、請求項27〜28のいずれかに記載の方法。 - フィルターが、1〜8μmのポアサイズを有する、請求項29に記載の方法。
- フィルターでろ過する工程が、減圧ろ過又は加圧ろ過によって行われる、請求項29又は30に記載の方法。
- 表面処理された金属粉が、
金属粉を、末端にアミノ基を有するカップリング剤水溶液と混合して、金属粉分散液を調製する工程、
を含む、表面処理された金属粉を製造する方法によって製造された、表面処理された金属粉である、請求項27〜31のいずれかに記載の方法。 - 金属粉が、Pt、Pd、Ag、Ni、Cuのいずれかの金属粉である、請求項32に記載の方法。
- 金属粉が、銅粉である、請求項32に記載の方法。
- 金属粉が、Pt、Pd、Ag、Niのいずれかの金属粉である、請求項32に記載の方法。
- 金属粉分散液を撹拌する工程を含む、請求項32〜35のいずれかに記載の方法。
- 金属粉分散液を超音波処理する工程を含む、請求項32〜36のいずれかに記載の方法。
- 超音波処理する工程が、1〜180分間の超音波処理を行う工程である、請求項37に記載の方法。
- 金属粉分散液をろ過して金属粉を回収する工程、
ろ過して回収された金属粉を乾燥して、表面処理された金属粉を得る工程、
を含む、請求項32〜38のいずれかに記載の方法。 - 乾燥が、酸素雰囲気又は不活性雰囲気下で行われる、請求項39に記載の方法。
- 金属粉分散液が、金属粉1gに対して末端にアミノ基を有するカップリング剤0.025g以上を含んでいる、請求項32〜40のいずれかに記載の方法。
- カップリング剤水溶液が、次の式I:
H2N−R1−Si(OR2)2(R3) (式I)
(ただし、上記式Iにおいて、
R1は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、
R2は、C1〜C5のアルキル基であり、
R3は、C1〜C5のアルキル基、又はC1〜C5のアルコキシ基である。)
で表されるアミノシランの水溶液である、請求項32〜41のいずれかに記載の方法。 - R1が、−(CH2)n−、−(CH2)n−(CH)m−(CH2)j-1−、−(CH2)n−(CC)−(CH2)n-1−、−(CH2)n−NH−(CH2)m−、−(CH2)n−NH−(CH2)m−NH−(CH2)j−、−(CH2)n-1−(CH)NH2−(CH2)m-1−、−(CH2)n-1−(CH)NH2−(CH2)m-1−NH−(CH2)j−からなる群から選択された基である(ただし、n、m、jは、1以上の整数である)、請求項42に記載の方法。
- カップリング剤水溶液が、次の式II:
(H2N−R1−O)pTi(OR2)q (式II)
(ただし、上記式IIにおいて、
R1は、直鎖状又は分枝を有する、飽和又は不飽和の、置換又は非置換の、環式又は非環式の、複素環を有する又は複素環を有しない、C1〜C12の炭化水素の二価基であり、
R2は、直鎖状又は分枝を有する、C1〜C5のアルキル基であり、
p及びqは、1〜3の整数であり、p+q=4である。)
で表されるアミノ基含有チタネートの水溶液である、請求項32〜41のいずれかに記載の方法。 - R1が、−(CH2)n−、−(CH2)n−(CH)m−(CH2)j-1−、−(CH2)n−(CC)−(CH2)n-1−、−(CH2)n−NH−(CH2)m−、−(CH2)n−NH−(CH2)m−NH−(CH2)j−、−(CH2)n-1−(CH)NH2−(CH2)m-1−、−(CH2)n-1−(CH)NH2−(CH2)m-1−NH−(CH2)j−からなる群から選択された基である(ただし、n、m、jは、1以上の整数である)、請求項44に記載の方法。
- 金属粉が、湿式法によって製造された金属粉である、請求項27〜45のいずれかに記載の方法。
- 請求項27〜45のいずれかに記載の方法であって、
表面処理された金属粉が、
Si、Ti、Alのうちいずれか1種以上の付着量が金属粉1gに対して200〜16000μg、金属粉に対するNの重量%が0.02%以上であり、
焼結開始温度が400℃以上である、方法。 - 請求項27〜47のいずれかに記載の製造方法によって製造された金属粉ペーストを、基材に塗布する工程、
基材に塗布された金属粉ペーストを加熱焼成する工程、
を含む、電極を製造する方法。 - 電極が、チップ積層セラミックコンデンサー用電極である、請求項48に記載の方法。
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