[評価装置の機能構成の一例]
図1は、実施例に係る評価装置の機能構成の一例を示す図である。図1の例に示すように、評価装置10は、入力部11、出力部12、記憶部13及び制御部14を有する。本実施例に係る評価装置10は、生物の存続性を評価する。
入力部11は、各種情報を制御部14に入力する。例えば、入力部11は、評価装置10のユーザから後述の評価処理を実行するための指示を受け付けて、受け付けた指示を制御部14に入力する。また、入力部11は、ユーザから評価対象の地域を示す情報を受け付けて、受け付けた評価対象の地域を示す情報を制御部14に入力する。入力部11のデバイスの一例としては、マウスやキーボードなどが挙げられる。
出力部12は、各種の情報を出力する。例えば、出力部12は、後述の出力制御部14dの制御により、評価結果を表示する。出力部12のデバイスの一例としては、液晶ディスプレイなどが挙げられる。
記憶部13は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部13は、植生図データベース(Data Base)13a、地形図データベース13b、開発計画図データベース13c、生息種データベース13d、生息条件データベース13eを記憶する。以下の説明では、データベースを、「DB」と略記する場合がある。また、記憶部13は、属性値情報13fを記憶する。
植生図DB13aには、植生図を示す植生図データが地域ごとに登録されている。地形図DB13bには、等高線が記載され、池、川などの水域や、道路を有する地形図を示す地形図データが地域ごとに登録されている。開発計画図DB13cには、開発予定の地域の開発後における植生図を示す植生図データと、開発予定の地域の開発後における池、川などの水域や、道路を有し、かつ、等高線が記載された地形図を示す地形図データとを有する開発計画図データが登録されている。生息種DB13dには、生息する生物の種類が地域ごとに登録されている。生息条件DB13eには、生物が生息することが可能となる条件が生物の種類ごとに登録されている。
また、属性値情報13fには、後述の抽出部14aにより、後述の領域の識別子と、後述の4つの属性値が対応付けられた情報とが対応付けられて登録される。属性値情報13fの詳細については後述する。
記憶部13は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。
制御部14は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。図1に示すように、制御部14は、抽出部14aと、生成部14bと、評価部14cと、出力制御部14dとを有する。
抽出部14aは、各種の情報を抽出する。例えば、抽出部14aは、抽出部14aの一態様について説明する。例えば、抽出部14aは、入力部11から、評価処理を実行する指示が入力されると、評価対象の地域を示す情報の入力を促すメッセージ(例えば、「評価対象の地域を入力して下さい」)を表示するように、出力部12を制御する。そして、抽出部14aは、入力部11から、評価対象の地域を示す情報が入力されたか否かを判定する。
評価対象の地域を示す情報が入力されたと判定した場合には、抽出部14aは、入力された情報が示す評価対象の地域の植生図データを植生図DB13aから取得する。また、抽出部14aは、評価対象の地域の地形図データを地形図DB13bから取得する。
そして、抽出部14aは、取得した植生図データが示す植生図における植生を、植生が属する常緑樹、落葉樹、低木、草地などの属性である生息地属性に変換して、評価対象の地域における生息地属性を示す地図の地図データを生成する。図2は、生息地属性を示す地図の地図データを生成する方法の一例を説明するための図である。例えば、抽出部14aは、図2に示すように、針葉樹林、ヒノキ、スギなどの植生を、常緑樹に変換する。また、抽出部14aは、図2に示すように、クヌギ、コナラ、カシなどの植生を、落葉樹に変換する。また、抽出部14aは、図2に示すように、ツツジ、果樹園、ツバキなどの植生を、低木に変換する。また、抽出部14aは、図2に示すように、田畑、ササ、ススキなどの植生を、草地に変換する。このように、抽出部14aは、各種の植生を生息地属性に変換して、生息地属性を示す地図の地図データを生成する。そして、抽出部14aは、生成した生息地属性を示す地図の地図データを制御部14の内部メモリに格納する。
そして、抽出部14aは、取得した地形図データが示す地形図から、斜面の向きの属性が定義された地図の地図データを生成する。ここで、斜面の向きの属性としては、例えば、「南向きの緩斜面」、「北向きの緩斜面」、「南向きの急斜面」、「北向きの急斜面」、「ほぼ平面」の5つの斜面の向きの属性が挙げられる。図3A、図3Bは、斜面の向きの属性が定義された地図の地図データを生成する処理の一例を説明するための図である。図3A及び図3Bは、抽出部14aが取得した地形図データが示す地形図に記載された等高線を示す。また、図4は、実施例に係る抽出部が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
例えば、図3A及び図3B並びに図4に示すように、抽出部14aは、取得した地形図データをコピーする(S1)。そして、抽出部14aは、コピーした地形図データが示す地形図において、西の端から(A/2)mだけ東に移動した位置で北から南に直線80aを引く(S2)。
そして、抽出部14aは、引いた直線と、等高線との複数の交点のうち、北側の方から、第1の交点として未選択の交点を1つ選択する(S3)。例えば、抽出部14aは、直線80aと、等高線との交点81a〜81dのうち、北側の方から、第1の交点として未選択の交点81aを1つ選択する。そして、抽出部14aは、第1の交点として選択した交点の南側にある交点のうち、最も北側の交点を第2の交点として1つ選択する(S4)。例えば、第1の交点として交点81aを選択した場合には、抽出部14aは、交点81aの南側にある交点81b〜81dのうち、最も北側の交点81bを第2の交点として選択する。
そして、抽出部14aは、第1の交点及び第2の交点のそれぞれが示す高さの差を、第1の交点と第2の交点との水平距離で除して斜面の傾き(急峻さ)を算出する(S5)。例えば、高さの差が50mであり、水平距離が1000mである場合には、抽出部14aは、傾き「0.05」を算出する。なお、抽出部14aは、第1の交点が示す高さから第2の交点の高さを引いた値を、第1の交点及び第2の交点のそれぞれが示す高さの差として用いることができる。この場合には、算出した傾きが正の値である場合には、南向きの斜面であり、負の値である場合には、北向きの斜面となる。
そして、抽出部14aは、第1の交点及び第2の交点の線分が面積を二等分する線となるような長方形の領域を特定する(S6)。例えば、抽出部14aは、交点81a及び交点81bの線分が面積を二等分する線となるような長方形の領域83aを特定する。そして、抽出部14aは、特定した長方形の領域に対応付けて、算出した傾きに応じた属性を、コピーした地形図データに登録する(S7)。例えば、抽出部14aは、算出した傾きが「0.1」よりも大きく「1.0」以下である場合には、長方形の領域が南向きの緩斜面であるので、長方形の領域に対応付けて、属性「南向きの緩斜面」を、コピーした地形図データに登録する。また、抽出部14aは、算出した傾きが「−1.0」以上であり「−0.1」よりも小さい場合には、長方形の領域が北向きの緩斜面であるので、長方形の領域に対応付けて、属性「北向きの緩斜面」を、コピーした地形図データに登録する。また、抽出部14aは、算出した傾きが「1.0」よりも大きい場合には、長方形の領域が南向きの急斜面であるので、長方形の領域に対応付けて、属性「南向きの急斜面」を、コピーした地形図データに登録する。また、抽出部14aは、算出した傾きが「−1.0」よりも小さい場合には、長方形の領域が北向きの急斜面であるので、長方形の領域に対応付けて、属性「北向きの急斜面」を、コピーした地形図データに登録する。また、抽出部14aは、算出した傾きが「−0.1」以上「0.1」以下である場合には、長方形の領域がほぼ平面であるので、長方形の領域に対応付けて、属性「ほぼ平面」を、コピーした地形図データに登録する。
図5は、コピーした地形図データが有するテーブルのデータ構造の一例を示す図である。図5の例に示すテーブルは、「識別子」及び「属性」の各項目を有する。「識別子」の項目には、特定した長方形の領域を識別する識別子が登録される。「属性」の項目には、「識別子」の項目に登録された識別子が示す長方形の領域の属性が登録される。上述したS7では、抽出部14aは、図5の例に示すようなテーブルの「識別子」の項目に、特定した長方形の領域の識別子を登録し、「属性」の項目に、算出した傾きに応じた属性を登録する。このようにして、抽出部14aは、特定した長方形の領域に対応付けて、算出した傾きに応じた属性を、コピーした地形図データに登録する。
そして、抽出部14aは、直線上で、第2の交点よりも南に交点があるか否かを判定する(S8)。直線上で、第2の交点よりも南に交点がないと判定した場合(S8;No)には、抽出部14aは、次の処理を行う。すなわち、抽出部14aは、コピーした地形図データが示す地形図において、引いた直線と、東の端との距離が(A×(3/2))m以上であるか否かを判定する(S9)。引いた直線と、東の端との距離が(A×(3/2))m以上であると判定した場合(S9;Yes)には、抽出部14aは、次の処理を行う。すなわち、抽出部14aは、コピーした地図データが示す地形図において、現在の位置から、Amだけ東に移動した位置で、北から南に線を引き(S10)、S3に戻る。
また、直線上で、第2の交点よりも南に交点があると判定した場合(S8;Yes)にも、抽出部14aは、S3に戻る。
また、引いた直線と、東の端との距離が(A×(3/2))m以上でないと判定した場合(S9;No)には、抽出部14aは、斜面の向きの属性が定義された地図の地図データを生成する処理を終了する。
上述したような斜面の向きの属性が定義された地図の地図データを生成する処理によって、コピーした地形図データには、長方形の領域に対応付けられて傾きに応じた属性が登録される。したがって、抽出部14aは、上述したような斜面の向きの属性が定義された地図の地図データを生成する処理を実行することによって、次のような処理を行う。すなわち、抽出部14aは、長方形の領域に対応付けられて傾きに応じた属性が登録されたコピーした地形図データを、斜面の向きの属性が定義された地図の地図データとして生成する。図6A及び図6Bは、斜面の向きの属性が定義された地図の一例を示す図である。図6Aは、傾きが「1.0」よりも大きいような南向きの急斜面の属性が定義された長方形の領域と、傾きが「−1.0」よりも小さいような北向きの急斜面の属性が定義された長方形の領域とを有する地図を示す。また、図6Bは、傾きが「0.1」よりも大きく「1.0」以下であるような南向きの緩斜面の属性が定義された長方形の領域と、「−1.0」以上であり「−0.1」よりも小さいような北向きの緩斜面の属性が定義された長方形の領域とを有する地図を示す。
そして、抽出部14aは、生成した斜面の向きの属性が定義された地図の地図データを制御部14の内部メモリに格納する。
そして、抽出部14aは、取得した地形図データが示す地形図から、川や池などの水域からの距離の属性が定義された地図の地図データを生成する。ここで、水域からの距離の属性としては、例えば、水域が川である場合には、「水域からの距離が0m以上50m未満の範囲内の領域」、「水域からの距離が50m以上100m未満の範囲内の領域」が挙げられる。また、水域からの距離の属性としては、水域が川である場合、「水域からの距離が100m以上500m未満の範囲内の領域」、「水域からの距離が500m以上1000m未満の範囲内の領域」、「水域からの距離が1000m以上の範囲の領域」が挙げられる。また、水域からの距離の属性としては、例えば、水域が池である場合には、「水域の中心からの距離が0m以上50m未満の範囲内の領域」、「水域の中心からの距離が50m以上100m未満の範囲内の領域」が挙げられる。また、水域からの距離の属性としては、水域が池である場合、「水域の中心からの距離が100m以上500m未満の範囲内の領域」、「水域の中心からの距離が500m以上1000m未満の範囲内の領域」が挙げられる。また、これらに加えて、「水域の中心からの距離が1000m以上の範囲の領域」が挙げられる。図7、図8は、水域からの距離の属性が定義された地図の地図データを生成する処理の一例を説明するための図である。図7は、抽出部14aが取得した地形図データが示す地形図における川や池などの水域を示す。また、図9A及び図9Bは、実施例に係る抽出部が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
例えば、図9A及び図9Bに示すように、抽出部14aは、取得した地形図データをコピーする(S11)。そして、抽出部14aは、コピーした地形図データが示す地形図において、川や池などの水域を特定する(S12)。例えば、抽出部14aは、図7に示すように、川の水域70a及び池の水域70bを特定する。
そして、抽出部14aは、特定した水域の中に、未選択の水域があるか否かを判定する(S13)。未選択の水域がある場合(S13;Yes)には、抽出部14aは、未選択の水域を1つ選択する(S14)。例えば、抽出部14aは、未選択の水域70aを選択する。そして、抽出部14aは、選択した水域を示す曲線が、開曲線であるか否かを判定する(S15)。ここで、水域を示す曲線が開曲線である場合には、水域は池であり、水域を示す曲線が開曲線出ない場合、すなわち、閉曲線である場合には、水域は川であると考えられる。例えば、図7に示すように、川の水域70aを示す曲線は、開曲線である。また、図7に示すように、池の水域70bを示す曲線は、閉曲線である。
開曲線であると判定した場合(S15;Yes)には、選択した水域が川であると考えられるため、抽出部14aは、選択した水域の両岸において、選択した水域から50m未満の範囲内の領域を特定する(S16)。例えば、図8に示すように、抽出部14aは、選択した水域70aの両岸において、水域70aから50m未満の範囲内の領域71a及び71bを特定する。そして、抽出部14aは、選択した水域の両岸において、選択した水域から50m以上100m未満の範囲内の領域を特定する(S17)。例えば、図8に示すように、抽出部14aは、選択した水域70aの両岸において、水域70aから50m以上100m未満の範囲内の領域72a及び72bを特定する。同様に、抽出部14aは、選択した水域の両岸において、選択した水域から100m以上500m未満の範囲内の領域を特定し(S18)、選択した水域の両岸において、選択した水域から500m以上1000m未満の範囲内の領域を特定する(S19)。さらに、抽出部14aは、選択した水域の両岸において、選択した水域から1000m以上の範囲の領域を特定する(S20)。
そして、抽出部14aは、水域から50m未満の範囲内の領域に対応付けて、水域から50m未満の範囲内の領域であることを示す情報を、コピーした地形図データに登録する(S21)。そして、抽出部14aは、水域から50m以上100m未満の範囲内の領域に対応付けて、水域から50m以上100m未満の範囲内の領域であることを示す情報を、コピーした地形図データに登録する(S22)。そして、抽出部14aは、水域から100m以上500m未満の範囲内の領域に対応付けて、水域から100m以上500m未満の範囲内の領域であることを示す情報を、コピーした地形図データに登録する(S23)。そして、抽出部14aは、水域から500m以上1000m未満の範囲内の領域に対応付けて、水域から500m以上1000m未満の範囲内の領域であることを示す情報を、コピーした地形図データに登録する(S24)。そして、抽出部14aは、水域から1000m以上の範囲の領域に対応付けて、水域から1000m以上の範囲の領域であることを示す情報を、コピーした地形図データに登録し(S25)、S13に戻る。
一方、開曲線でないと判定した場合(S15;No)には、選択した水域が池であると考えられるため、抽出部14aは、選択した水域の中心から50m未満の範囲内の領域を特定する(S26)。例えば、図8に示すように、抽出部14aは、選択した水域70bの中心から50m未満の範囲内の領域73を特定する。そして、抽出部14aは、選択した水域の中心から50m以上100m未満の範囲内の領域を特定する(S27)。例えば、図8に示すように、抽出部14aは、選択した水域70bの中心から50m以上100m未満の範囲内の領域74を特定する。同様に、抽出部14aは、選択した水域の中心から100m以上500m未満の範囲内の領域を特定し(S28)、選択した水域の中心から500m以上1000m未満の範囲内の領域を特定する(S29)。さらに、抽出部14aは、選択した水域の中心から1000m以上の範囲の領域を特定する(S30)。
そして、抽出部14aは、水域の中心から50m未満の範囲内の領域に対応付けて、水域の中心から50m未満の範囲内の領域であることを示す情報を、コピーした地形図データに登録する(S31)。そして、抽出部14aは、水域の中心から50m以上100m未満の範囲内の領域に対応付けて、水域の中心から50m以上100m未満の範囲内の領域であることを示す情報を、コピーした地形図データに登録する(S32)。そして、抽出部14aは、水域の中心から100m以上500m未満の範囲内の領域に対応付けて、水域の中心から100m以上500m未満の範囲内の領域であることを示す情報を、コピーした地形図データに登録する(S33)。そして、抽出部14aは、水域の中心から500m以上1000m未満の範囲内の領域に対応付けて、水域の中心から500m以上1000m未満の範囲内の領域であることを示す情報を、コピーした地形図データに登録する(S34)。そして、抽出部14aは、水域の中心から1000m以上の範囲の領域に対応付けて、水域の中心から1000m以上の範囲の領域であることを示す情報を、コピーした地形図データに登録し(S35)、S13に戻る。
一方、未選択の水域がない場合(S13;No)には、抽出部14aは、水域からの距離の属性が定義された地図の地図データを生成する処理を終了する。
上述したような水域からの距離の属性が定義された地図の地図データを生成する処理によって、コピーした地形図データには、各領域に対応付けられて、水源からの距離に応じた属性が登録される。したがって、抽出部14aは、上述したような水域からの距離の属性が定義された地図の地図データを生成する処理を実行することによって、各領域に対応付けられて水域からの距離の属性が登録されたコピーした地形図データを、水域からの距離の属性が定義された地図の地図データとして生成する。
そして、抽出部14aは、生成した水域からの距離の属性が定義された地図の地図データを制御部14の内部メモリに格納する。
そして、抽出部14aは、取得した地形図データが示す地形図から、道路からの距離の属性が定義された地図の地図データを生成する。ここで、道路からの距離の属性としては、例えば、「道路からの距離が0m以上50m未満の範囲内の領域」、「道路からの距離が50m以上100m未満の範囲内の領域」、「道路からの距離が100m以上500m未満の範囲内の領域」が挙げられる。さらに、道路からの距離の属性としては、例えば、「道路からの距離が500m以上1000m未満の範囲内の領域」、「道路からの距離が1000m以上の範囲の領域」が挙げられる。
抽出部14aは、例えば、水域が川である場合において、水域からの距離の属性が定義された地図の地図データを生成する上述した方法と同様の方法で、道路からの距離の属性が定義された地図の地図データを生成することができる。図10及び図11は、道路からの距離の属性が定義された地図の地図データを生成する処理の一例を説明するための図である。図10は、抽出部14aが取得した地形図データが示す地形図における道路を示す。図10に示す道路に対して、抽出部14aは、水域からの距離の属性が定義された地図の地図データを生成する上述した方法と同様の方法で、図11の例に示すように、道路からの距離の属性が定義された地図の地図データを生成する。
そして、抽出部14aは、生成した道路からの距離の属性が定義された地図の地図データを制御部14の内部メモリに格納する。
そして、抽出部14aは、制御部14の内部メモリに格納された、次の4つの地図データを取得する。すなわち、抽出部14aは、生息地属性を示す地図の地図データと、斜面の向きの属性が定義された地図の地図データと、水域からの距離の属性が定義された地図の地図データと、道路からの距離の属性が定義された地図の地図データとを取得する。
そして、抽出部14aは、取得した4つの地図データのそれぞれが示す地図のそれぞれを同じように複数の領域に分割する。図12は、4つの地図を複数の領域に分割する処理の一例を説明するための図である。図12に示すように、抽出部14aは、生息地属性を示す地図21と、斜面の向きの属性が定義された地図22と、水域からの距離の属性が定義された地図23と、道路からの距離の属性が定義された地図24とを同じように複数の領域30に分割する。なお、図12の例は、地図21〜24のそれぞれを、抽出部14aが、南北方向に12個、東西方向に15個の複数(12×15個)の領域30が得られるように分割した場合を示す。このように、4つの地図21〜24のそれぞれを同じように複数の領域30に分割することで、ある地図におけるある領域30は、他の3つの地図において対応する領域30が存在することとなる。
そして、抽出部14aは、生息地属性を示す地図21における複数の領域30のそれぞれを1つずつ選択する。そして、領域30を選択するたびに、抽出部14aは、次の処理を行う。すなわち、抽出部14aは、選択した領域30に定義された生息地属性を取得する。このようにして、抽出部14aは、選択した領域30において定義された生息地属性を取得する。また、領域30を選択するたびに、抽出部14aは、斜面の向きの属性が定義された地図22における複数の領域30のうち、選択した領域30に対応する領域30を特定し、特定した領域30に定義された斜面の向きの属性を取得する。このようにして、抽出部14aは、選択した領域30に対応する領域30において定義された斜面の向きの属性を取得する。また、領域30を選択するたびに、抽出部14aは、水域からの距離の属性が定義された地図23における複数の領域30のうち、選択した領域30に対応する領域30を特定し、特定した領域30に定義された水域からの距離の属性を取得する。このようにして、抽出部14aは、選択した領域30に対応する領域30において定義された水域からの距離の属性を取得する。また、領域30を選択するたびに、抽出部14aは、道路からの距離の属性が定義された地図24における複数の領域30のうち、選択した領域30に対応する領域30を特定し、特定した領域30において定義された道路からの距離の属性を取得する。このようにして、抽出部14aは、選択した領域30に対応する領域30において定義された道路からの距離の属性を取得する。
そして、抽出部14aは、選択した領域30において定義された生息地属性、選択した領域30に対応する領域30において定義された斜面の向きの属性、水域からの距離の属性、道路からの距離の属性を取得すると、次の処理を行う。すなわち、抽出部14aは、取得した生息地属性に応じた属性値を抽出し、取得した斜面の向きの属性に応じた属性値を抽出し、取得した水域からの距離の属性に応じた属性値を抽出し、取得した道路からの距離の属性に応じた属性値を抽出する。
例えば、抽出部14aは、取得した生息地属性が、常緑樹である場合には、常緑樹に対応する属性値「1000」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した生息地属性が、落葉種である場合には、落葉種に対応する属性値「2000」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した生息地属性が、低木である場合には、低木に対応する属性値「3000」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した生息地属性が、草地である場合には、草地に対応する属性値「4000」を抽出する。
また、抽出部14aは、取得した斜面の向きの属性が、南向きの緩斜面である場合には、南向きの緩斜面に対応する属性値「100」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した斜面の向きの属性が、北向きの緩斜面である場合には、北向きの緩斜面に対応する属性値「200」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した斜面の向きの属性が、南向きの急斜面である場合には、南向きの急斜面に対応する属性値「300」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した斜面の向きの属性が、北向きの急斜面である場合には、北向きの急斜面に対応する属性値「400」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した斜面の向きの属性が、ほぼ平面である場合には、ほぼ平面に対応する属性値「500」を抽出する。
また、抽出部14aは、取得した水域からの距離の属性が、水域からの距離が0m以上50m未満の範囲内の領域、または、水域の中心からの距離が0m以上50m未満の範囲内の領域である場合、これらの属性に対応する属性値「10」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した水域からの距離の属性が、「水域からの距離が50m以上100m未満の範囲内の領域」、または、水域の中心からの距離が50m以上100m未満の範囲内の領域である場合、これらの属性に対応する属性値「20」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した水域からの距離の属性が、水域からの距離が100m以上500m未満の範囲内の領域、または、水域の中心からの距離が100m以上500m未満の範囲内の領域である場合、これらの属性に対応する属性値「30」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した水域からの距離の属性が、水域からの距離が500m以上1000m未満の範囲内の領域、または、水域の中心からの距離が500m以上1000m未満の範囲内の領域である場合、これらの属性に対応する属性値「40」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した水域からの距離の属性が、水域からの距離が1000m以上の範囲の領域、または、水域の中心からの距離が1000m以上の範囲の領域である場合、これらの属性に対応する属性値「50」を抽出する。
また、抽出部14aは、取得した道路からの距離の属性が、道路からの距離が0m以上50m未満の範囲内の領域である場合には、この属性に対応する属性値「1」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した道路からの距離の属性が、道路からの距離が50m以上100m未満の範囲内の領域である場合には、この属性に対応する属性値「2」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した道路からの距離の属性が、道路からの距離が100m以上500m未満の範囲内の領域である場合には、この属性に対応する属性値「3」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した道路からの距離の属性が、道路からの距離が500m以上1000m未満の範囲内の領域である場合には、この属性に対応する属性値「4」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した道路からの距離の属性が、道路からの距離が1000m以上の範囲の領域である場合には、この属性に対応する属性値「5」を抽出する。
図13は、属性値を抽出する処理の一例を説明するための図である。例えば、図13の例に示すように、7行目かつ7列目の位置(7,7)の領域30を選択した場合、抽出部14aは、取得した生息地属性が、落葉種であるとき、落葉種に対応する属性値「2000」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した斜面の向きの属性が、南向きの緩斜面である場合には、南向きの緩斜面に対応する属性値「100」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した水域からの距離の属性が、水域からの距離が100m以上500m未満の範囲内の領域である場合には、この属性に対応する属性値「30」を抽出する。また、抽出部14aは、取得した道路からの距離の属性が、道路からの距離が1000m以上の範囲の領域である場合には、この属性に対応する属性値「5」を抽出する。
抽出部14aは、全ての領域30を1つずつ選択して上述した処理を行う。これにより、抽出部14aは、全ての領域30のそれぞれに対して、上述した4種類の属性のそれぞれの属性値を抽出することができる。
生成部14bは、複数の領域30ごとに、抽出部14aにより抽出された4つの属性値を対応付けた情報を生成する。生成部14bの一態様について説明する。例えば、生成部14bは、抽出部14aにより全ての領域30のそれぞれに対して、4種類の属性値が抽出されると、次のような処理を行う。すなわち、生成部14bは、領域30ごとに、抽出部14aにより抽出された4つの属性値の合計を算出する。例えば、先の図13の例に示すような4つの属性値「2000」、「100」、「30」、「5」が抽出部14aにより抽出された場合には、生成部14bは、4つの属性値の合計「2135」を算出する。
ここで、4つの属性値の合計が意味することについて説明する。例えば、生息地属性の属性値は、上述したように4桁の数値であるが、4桁の数値の千の位の値によって生息地属性を識別することができる。また、斜面の向きの属性の属性値は、上述したように3桁の数値であるが、3桁の数値の百の位の値によって斜面の向きの属性を識別することができる。また、水域からの距離の属性の属性値は、上述したように2桁の数値であるが、2桁の数値の十の位の値によって水域からの距離の属性を識別することができる。また、道路からの距離の属性の属性値は、上述したように1桁の数値であり、1桁の数値の一の位の値によって道路からの距離の属性を識別することができる。したがって、4つの属性値の合計は、4桁の数値であるが、4桁の数値の千の位の値によって生息地属性を識別することができ、百の位の値によって斜面の向きの属性を識別することができる。また、4つの属性値の合計は、4桁の数値であるが、4桁の数値の十の位の値によって水域からの距離の属性を識別することができ、一の位の値によって道路からの距離の属性を識別することができる。
図14は、4つの属性値の合計の一例を示す図である。図14の例は、4つの属性値の合計が「V×1000+W×100+X×10+Y」である場合を示す。図14に示す4つの属性値の合計の例では、Vの値によって生息地属性を識別することができ、Wの値によって斜面の向きの属性を識別することができる。また、図14の例に示す4つの属性値の合計では、Xの値によって水域からの距離の属性を識別することができ、Yの値によって道路からの距離の属性を識別することができる。
したがって、生成部14bは、簡易に属性を識別することが可能な4つの属性値の合計という情報を生成することができる。また、4つの属性値の合計は、生物の存続性を評価する際に、生物の属性値と比較される。したがって、生成部14bは、生物の存続性を簡易に評価することができる情報を生成することができる。
そして、生成部14bは、4つの属性値の合計と、対応する領域30の識別子とを対応付けて属性値情報13fに登録する。このように、4つの属性値の合計と、対応する領域30の識別子とを対応付けて属性値情報13fに登録する処理を、生成部14bは、全ての領域30に対して行う。これにより、属性値情報13fには、領域30ごとに、生物の存続性を簡易に評価することができる4つの属性値の合計が登録される。また、生成部14bは、属性値情報13fに4つの属性値の合計と、対応する領域30の識別子とを対応付けて登録することにより、属性値情報13fを生成する。
評価部14cは、生成部14bにより生成された属性値情報13fと、評価対象の生物の属性値とを領域30ごとに比較し、比較結果に基づいて、所定の評価を行う。例えば、評価部14cは、多様な生物が存続しやすいかどうかを評価する。評価部14cの一態様について説明する。
例えば、評価部14cは、生成部14bにより全ての領域30に対して、属性値情報13fに上述した4つの属性値の合計が登録されると、次の処理を行う。すなわち、評価部14cは、生息種DB13dから、評価対象の地域に生息する生物に関する情報を全て取得する。
そして、評価部14cは、評価対象の地域に生息する生物の中から、代表となる12種の生物を選択する。例えば、評価部14cは、鳥類の中から草食性及び肉食性の2種の生物、哺乳類の中から草食性及び肉食性の2種の生物、両生類の中から1種の生物、爬虫類の中から1種類の生物、淡水魚類の中から草食性及び肉食性の2種の生物を選択する。これに加えて、評価部14cは、昆虫の中から草食性及び肉食性の2種の生物、植物の中から木及び草の2種の生物を選択する。例えば、評価部14cは、鳥類の中からホトトギス、カワセミを、哺乳類の中からツキノワグマ、シカを、両生類の中からトカゲを、爬虫類の中からシマヘビを、淡水魚類の中からヤマメ、シマドジョウを選択する。また、例えば、評価部14cは、昆虫の中からベニシジミ、アキアカネを、植物の中からブナ、ミヤマクマザサを選択する。
ここで、評価部14cが、代表となる12種の生物を選択する処理の一例について説明する。まず、評価部14cが鳥類の中から草食性及び肉食性の2種の生物を選択する処理の一例について説明する。例えば、評価部14cは、評価対象の地域に生息する生物の中から、鳥類の草食性及び肉食性の生物を全て特定する。そして、評価部14cは、特定した生物の中から、都市部で人間と生存可能なカラスやネズミなどの生物を除外する。これは、人間が開発を行うことにより多様な生物が絶滅するので、都市部で人間と共存しているカラスやネズミなどの生物は、生物の多様性の指標としては不適切であるからである。さらに、評価部14cは、人間にとって有益で捕獲の対象となるアユなどの生物や、人間にとって有害であり駆除の対象となるカワウなどの生物をも除外する。これは、人間による捕獲や駆除の影響があるからである。上述した除外が行われた後で、評価部14cは、除外されなかった生物の中から、評価対象の地域に生息する生物の中で平均的な鳥類の草食性及び肉食性の生物を特定する。ここで、鳥類の草食性の生物及び肉食性の生物が1種になった場合には、評価部14cは、特定した鳥類の草食性及び肉食性の生物を、代表となる鳥類の草食性及び肉食性の生物として選択する。一方、鳥類の草食性の生物及び肉食性の生物が1種にならなかった場合には、評価部14cは、次の処理を行う。すなわち、評価部14cは、平均的な鳥類の草食性及び肉食性の生物の中から、絶滅危惧種などの環境変化に敏感な生物を1種ずつ選択することにより、代表となる鳥類の草食性及び肉食性の生物を選択する。
また、評価部14cは、上述した鳥類の草食性及び肉食性の2種の生物を選択する方法と同様の方法で、他の10種の生物を選択することができる。
代表となる12種の生物を選択した後、評価部14cは、代表となる12種の生物のそれぞれについて、評価対象の地域での生息に適しているか否かを判定する。ここで、代表となる12種の生物のそれぞれについて、評価対象の地域での生息に適しているか否かを判定する処理の一例について説明する。以下、代表となる12の生物のうちツキノワグマが、評価対象の地域での生息に適しているか否かを判定する処理の一例について説明する。なお、他の生物についても同様の方法で、評価対象の地域での生息に適しているか否かを判定することができる。
まず、評価部14cは、ツキノワグマの生息条件を生息条件DB13eから取得する。図15は、ツキノワグマの生息条件の一例を示す図である。図15の例に示す生息条件は、ツキノワグマは、木の実等を食べるため、ツキノワグマの生息地域が、木の実等を多く落とす落葉樹が存在する地域であることを示す。また、図15の例に示す生息条件は、ツキノワグマの属性が、「落葉樹」であり、ツキノワグマの属性値が「2000」であることを示す。
また、図15の例に示す生息条件は、ツキノワグマは、北向きよりも南向きの斜面に生息し、急斜面では生息が困難であることを示す。また、図15の例に示す生息条件は、ツキノワグマの属性が、「南向きの傾斜面」、「ほぼ平面」であり、ツキノワグマの属性値が「100」、「500」であることを示す。
また、図15の例に示す生息条件は、ツキノワグマは、水域から1000m以内の距離に生息することを示す。また、図15の例に示す生息条件は、ツキノワグマの属性が、上述した属性値「10」、「20」、「30」、「40」のそれぞれに対応する属性であることを示す。また、図15の例に示す生息条件は、ツキノワグマの属性値が、「10」、「20」、「30」、「40」であることを示す。
また、図15の例に示す生息条件は、ツキノワグマは、道路から100m以上の離れた場所に生息することを示す。また、図15に示す生息条件は、ツキノワグマの属性が、「道路からの距離が100m以上500m未満の範囲内の領域」、「道路からの距離が500m以上1000m未満の範囲内の領域」、「道路からの距離が1000m以上の範囲の領域」であることを示す。また、図15の例に示す生息条件は、ツキノワグマの属性が、「3」、「4」、「5」であることを示す。
そして、評価部14cは、ツキノワグマの生息条件を参照し、ツキノワグマについて、4種類の属性値の合計を算出した場合に、4種類の属性値の合計の千の位の値、百の位の値、十の位の値、一の位の値が取り得る範囲を特定する。例えば、図15の例に示す生息条件を参照した場合には、評価部14cは、4種類の属性値の合計の千の位の値は「2」、百の位の値は「1」と「5」、十の位の値は「1」と「2」と「3」と「4」、一の位の値は「3」と「4」と「5」を取り得ると特定する。
そして、評価部14cは、属性値情報13fを参照し、全ての領域30のそれぞれに対して、次のような処理を行う。すなわち、評価部14cは、領域30ごとに、領域30に対応付けられた4つの属性値の合計を特定する。そして、評価部14cは、領域30ごとに、特定した4つの属性値の合計と、ツキノワグマについて4種類の属性値の合計が取り得る値とを比較する。例えば、評価部14cは、領域30ごとに、特定した4つの属性値の合計の千の位が「2」であり、百の位の値が「1」か「5」であり、十の位の値が「1」か「2」か「3」か「4」であり、一の位が「3」か「4」か「5」であるか否かを判定する。そして、4つの属性値の合計の千の位が「2」であり、百の位の値が「1」か「5」であり、十の位の値が「1」か「2」か「3」か「4」であり、一の位が「3」か「4」か「5」であると判定した領域30について、評価部14cは、次のような判定を行う。すなわち、評価部14cは、かかる領域30について、ツキノワグマが生息可能な領域であると判定する。一方、4つの属性値の合計に対する上述した判定の結果が、否定である場合には、評価部14cは、否定の判定がされた領域30について、ツキノワグマの生息が困難な領域であると判定する。評価部14cは、上述したような処理を、全ての領域30のそれぞれに対して行う。
そして、全ての領域30のそれぞれに対して上述した処理を行った場合には、評価部14cは、ツキノワグマが生息可能な領域30の数を算出する。そして、評価部14cは、算出したツキノワグマが生息可能な領域30の数が所定数以上であるか否かを判定する。算出したツキノワグマが生息可能な領域30の数が所定数以上であると判定した場合には、評価部14cは、評価対象の地域において、ツキノワグマが生息可能であると判定する。一方、算出したツキノワグマが生息可能な領域30の数が所定数以上でない場合には、評価部14cは、評価対象の地域において、ツキノワグマが生息可能でないと判定する。
上述したような方法で、評価部14cは、ツキノワグマが評価対象の地域での生息に適しているか否かを判定することができる。また、評価部14cは、同様の方法で、他の種の生物が評価対象の地域での生息に適しているか否かを判定することができる。
そして、評価部14cは、12種の生物のそれぞれについて評価対象の地域での生息に適しているか否かを判定すると、12種の生物のうち評価対象の地域での生息に適した生物の数を特定する。そして、評価部14cは、評価対象の地域での生息に適した生物の数が「12」である場合には、評価対象の地域では生物多様性を維持できると判定する。また、評価部14cは、評価対象の地域での生息に適した生物の数が「10」または「11」である場合には、評価対象の地域では、一部の種を除き、大体、生物多様性を維持できると判定する。また、評価部14cは、評価対象の地域での生息に適した生物の数が「1」〜「9」のいずれかである場合には、評価対象の地域では、生物多様性を維持できないと判定する。
出力制御部14dは、各種の情報の出力を制御する。例えば、出力制御部14dは、評価部14cにより評価対象の地域では生物多様性を維持できると判定された場合には、次の処理を行う。すなわち、出力制御部14dは、「評価対象の地域では生物多様性を維持できる」というメッセージを表示するように出力部12を制御する。
また、出力制御部14dは、評価部14cにより評価対象の地域では、一部の種を除き、大体、生物多様性を維持できると判定された場合には、次の処理を行う。すなわち、出力制御部14dは、「評価対象の地域では、一部の種を除き、大体、生物多様性を維持できる」というメッセージを表示するように出力部12を制御する。
また、出力制御部14dは、評価部14cにより評価対象の地域では生物多様性を維持できないと判定された場合には、次の処理を行う。すなわち、出力制御部14dは、「評価対象の地域では生物多様性を維持できない」というメッセージを表示するように出力部12を制御する。
制御部14は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)などの回路である。
ここで、評価装置10は、開発計画図DB13cに登録された開発計画図データを用いて、上述した処理と同様の処理を行うことにより、開発予定の地域の開発後における生物多様性の評価を行うこともできる。
[処理の流れ]
次に、本実施例に係る評価装置10が実行する処理の流れについて説明する。図16は、実施例に係る評価処理の手順を示すフローチャートである。実施例に係る評価処理は、例えば、入力部11から、評価処理を実行するための指示が制御部14に入力された場合に、制御部14により実行される。
図16に示すように、抽出部14aは、評価対象の地域を示す情報の入力を促すメッセージ(例えば、「評価対象の地域を入力して下さい」)を表示するように、出力部12を制御する(S101)。そして、抽出部14aは、入力部11から、評価対象の地域を示す情報が入力されたか否かを判定する(S102)。評価対象の地域を示す情報が入力されていない場合(S102;No)には、抽出部14aは、再び、S102の判定を行う。
一方、評価対象の地域を示す情報が入力された場合(S102;Yes)には、抽出部14aは、入力された情報が示す評価対象の地域の植生図データを植生図DB13aから取得する。また、抽出部14aは、評価対象の地域の地形図データを地形図DB13bから取得する(S103)。
そして、抽出部14aは、取得した植生図データが示す植生図における植生を、植生が属する常緑樹、落葉樹、低木、草地などの属性である生息地属性に変換して、評価対象の地域における生息地属性を示す地図の地図データを生成する(S104)。
そして、抽出部14aは、取得した地形図データが示す地形図から、斜面の向きの属性が定義された地図の地図データを生成する(S105)。
そして、抽出部14aは、取得した地形図データが示す地形図から、川や池などの水域からの距離の属性が定義された地図の地図データを生成する(S106)。
そして、抽出部14aは、取得した地形図データが示す地形図から、道路からの距離の属性が定義された地図の地図データを生成する(S107)。
そして、抽出部14aは、制御部14の内部メモリに格納された、4つの地図データを取得し、取得した4つの地図データのそれぞれが示す地図のそれぞれを同じように複数の領域30に分割する(S108)。
抽出部14aは、全ての領域30のそれぞれに対して、4種類の属性のそれぞれの属性値を抽出する(S109)。
生成部14bは、全ての領域30に対して、属性値情報13fに4つの属性値の合計と、対応する領域30の識別子とを対応付けて登録することにより、属性値情報13fを生成する(S110)。
評価部14cは、評価対象の地域での生物多様性についての評価を行う(S111)。そして、出力制御部14dは、評価対象の地域での生物多様性についての評価の結果を表示するように、出力部12を制御し(S111)、処理を終了する。
上述してきたように、実施例に係る評価装置10は、評価対象の地域における植生を示す植生データおよび地形を示す地形データに基づいて、評価対象の地域を分割した複数の領域30ごとに、4種類の属性値を抽出する。そして、評価装置10は、複数の領域30ごとに、抽出された4種類の属性値を対応付けた情報と、領域30の識別子とを対応付けて属性値情報13fに登録する。このように、評価装置10は、簡易に属性を識別することが可能な4つの属性値を対応付けた情報を生成する。したがって、評価装置10は、評価対象の地域での生物多様性についての評価を簡易に行うことができる情報を生成することができる。
また、実施例に係る評価装置10は、属性値情報13fに登録された4つの属性値を対応付けた情報というコンパクトで扱いやすい情報と、評価対象の生物の4つの属性値の合計とを、領域30ごとに比較して、生物多様性についての評価を行う。したがって、評価装置10によれば、正確で迅速に、生物多様性についての評価を行うことができる。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
例えば、各実施例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともできる。また、各実施例において説明した各処理のうち、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また、各種の負荷や使用状況などに応じて、各実施例において説明した各処理の各での処理を任意に細かくわけたり、あるいはまとめたりすることができる。また、を省略することもできる。
また、各種の負荷や使用状況などに応じて、各実施例において説明した各処理の各での処理の順番を変更できる。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的状態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
[評価プログラム]
また、上記の実施例で説明した評価装置10の各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。そこで、以下では、図17を用いて、上記の実施例で説明した評価装置10と同様の機能を有する評価プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図17は、評価プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図17に示すように、コンピュータ300は、CPU310、ROM320、HDD(Hard Disk Drive)330、RAM340を有する。これら各機器310〜340は、バス350を介して接続されている。
ROM320には、OS(Operating System)などの基本プログラムが記憶されている。また、HDD330には、上記の実施例で示す各部14a〜14dと同様の機能を発揮する評価プログラム330aが予め記憶される。また、HDD330には、記憶部13に記憶された各種のDBや属性値情報が記憶される。
そして、CPU310が、評価プログラム330aをHDD330から読み出して実行する。
そして、CPU310は、各種のDBや属性値情報をHDD330から読み出してRAM340に格納する。さらに、CPU310は、RAM340に格納された各種のDBや属性値情報を用いて、評価プログラム330aを実行する。なお、RAM340に格納されるデータは、常に全てのデータがRAM340に格納されなくともよい。処理に用いられるデータがRAM340に格納されれば良い。
なお、上記した評価プログラム330aについては、必ずしも最初からHDD330に記憶させなくともよい。
例えば、コンピュータ300に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ300に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などにプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。