JP6233151B2 - 重ね合せブロックを利用するモジュール - Google Patents
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Description
特許文献1〜3に、冷却される物と冷却する物との間に介在させる部材が開示されている。
本発明者らは、上記の特許出願に係る部材を活用すると、長期信頼性の高いモジュールを実現できることを見いだして下記モジュールを創作した。
半導体装置は絶縁基板の表面に搭載されている。半導体装置は動作すると発熱し、冷却する必要がある。重ね合せブロックは、絶縁基板の裏面と冷却器の間に介在している。重ね合せブロックは、グラファイト箔と金属箔で構成されている。グラファイト箔と金属箔は、絶縁基板の裏面に立てた法線がグラファイト箔と金属箔の当接面に沿って延びる向きに配置されている。グラファイト箔と金属箔は重ね合されている。ただし、グラファイト箔と金属箔は単に重ね合されているだけであって、両者は接合されていない。例えば、グラファイト箔と金属箔は当接面に沿って滑ることができる。あるいはグラファイト箔と金属箔の重ね合せ状態が変化可能であり、両者の密着力が増大した重ね合せ状態に変化させることもできれば、両者の密着力が低下した重ね合せ状態に変化させることもできる。本明細書では、グラファイト箔と金属箔が単に重ね合されているだけであって、両者間にそれ以上の拘束関係が講じられていない状態を、非接合状態という。この技術で用いる重ね合せブロックは、前記法線方向から観察すると、グラファイト箔と金属箔の当接面が重ね合せブロックの全域に亘って分布していることを特徴とする。例えば、長尺のグラファイト箔と長尺の金属箔を重ね合わせた長尺多層箔を多重に巻くことで、半径方向の内側から外側に至るまでの全域に、グラファイト箔と金属箔の当接面が存在することとなる。そのような場合を、重ね合せブロックの全域に亘って当接面が分布しているという。
長尺多層箔を多重に巻いた状態を保持するために、最外周に位置する箔の端部を溶接等することによって、巻いた状態に維持することがある。あるいは外周を金属箔等で拘束することによって、巻いた状態に維持することがある。この場合、最外周の箔は柔軟に変形する。最外周の箔が柔軟に変形することから、グラファイト箔と金属箔は当接面に沿って滑ることができる。あるいはグラファイト箔と金属箔の密着力が増大した重ね合せ状態に変化させることもできれば、密着力が低下した重ね合せ状態に変化させることもできる。最外周にあって巻いた状態を保持する箔は、グラファイト箔と金属箔を重ね合わせた状態に維持するものであって、それ以上には拘束しない。最外周にあって巻いた状態を維持する箔は、グラファイト箔と金属箔を非接合状態に重ね合わせた状態を維持する。
第1グラファイト箔、第1金属箔、第2グラファイト箔、第2金属箔、第3グラファイト箔、第3金属箔等・・の順で次々に積層した積層体の外周を取り囲む箔についても同様であり、外周を取り囲む箔が柔軟に変形する限り、その箔はグラファイト箔と金属箔を単に重ね合わせた状態に維持するものであり、グラファイト箔と金属箔を非接合状態に維持するものである。
上記の重ね合せブロックは、熱抵抗が低くて応力緩和性が高い。上記の重ね合せブロックを用いることで、モジュールの長期信頼性が向上する。
xz面に沿って延びる当接面とyz面に沿って延びる当接面がともに存在していると、絶縁基板と冷却器の間のx方向の膨張・収縮にもy方向の膨張・収縮にも柔軟に変形しやすい。
巻いた状態を維持する(ほどけないようにする)構成は様々であり得る。最外周の箔の端部を内側の箔に溶接することで巻いた状態を維持することもできれば、外周を箔で包むことで巻いた状態を維持することもできる。いずれによっても、グラファイト箔と金属箔が当接面に沿って滑ることもできれば、グラファイト箔と金属箔の密着力が増大することもできれば、その密着力が低下することもできる状態で、グラファイト箔と金属箔を重ね合せておくことが可能である。
その場合は、巻く前の長尺多層箔を長手方向に観察したときに、グラファイト箔に重ね合わせる金属箔の枚数が、巻き始め端部から距離によって変化する長尺多層膜を利用すればよい。
例えば、巻き始めから1000回転までの距離ではグラファイト箔に1枚の金属箔が重ね合されており、1000〜2000回転までの距離では2枚の金属箔が重ね合されており、2000〜3000回転までの距離では3枚の金属箔が重ね合されている長尺多層膜を利用すれば、中心部ではグラファイト箔が密に配置されており、周辺部ではグラファイト箔が疎に配置されている重ね合せブロックを得ることができる。
そこで、絶縁基板と重ね合せブロックの間に絶縁基板側ヒートスプレッダーを付加したモジュールが意味を持つ。半導体装置の外形形状にほぼ一致する開孔が形成されているとともに重ね合せブロックの表面に沿って延びるグラファイト箔と、そのグラファイト箔の表裏を被覆する金属箔でヒートスプレッダーを形成し、そのヒートスプレッダーを絶縁基板と重ね合せブロックの間に付加すると、狭い範囲に存在している高温の半導体装置の熱を重ね合せブロックの表面に沿った方向に伝熱し、広く広がっている重ね合せブロックの広い範囲に効率的に伝熱することができる。しかも絶縁基板から冷却器に直接的に伝熱する経路の熱抵抗を上げてしまうこともない。
その場合は、重ね合せブロックの外形形状にほぼ一致する開孔が形成されているとともに冷却器の表面に沿って延びるグラファイト箔と、そのグラファイト箔の表裏を被覆する金属箔によって冷却器側ヒートスプレッダーを形成することができる。
(第1特徴)グラファイト箔とアルミ箔によって重ね合せブロックを形成する。金属箔にアルミ箔を用いる。
(第2特徴)絶縁基板と重ね合せブロックの間に金属を配置して絶縁基板と重ね合せブロックをろう付けする。
(第3特徴)重ね合せブロックと冷却器間に金属を配置して重ね合せブロックと冷却器をろう付けする。
(第4特徴)半導体装置の中心位置に対応する位置ではグラファイト箔が密に配置されており、半導体装置の周辺位置に対応する位置ではグラファイト箔が疎に配置されている。
半導体装置10は、表面電極と裏面電極を備えており、大電流をスイッチングするものであり、動作すると発熱する。冷却しないと半導体装置10が過熱することから、冷却を要する。
絶縁基板20の表面に配線層22が形成されている。その配線層22に半導体装置10の裏面電極がはんだ接合されている。半導体装置10は絶縁基板20の表面に搭載されている。半導体装置10の表面電極には図示しない導体がボンディングされ、配線層22にも図示しない導体がボンディングされる。絶縁基板20はセラミックで形成されており、後記する金属製の冷却器70に比して熱膨張率が小さい。
冷却器70は、熱抵抗が低い金属(アルミ)で形成されており、内部に冷却液の通過経路が形成されている。
絶縁基板20の裏面を冷却器70の表面にはんだ付けすれば、両者間の熱抵抗が低く抑えられるものの、絶縁基板20と冷却器70に大きな熱応力が発達し、絶縁基板20が反ったり損傷したりする。それを避けるために、絶縁基板20と冷却器70の間に重ね合せブロック30が介在している。重ね合せブロック30は、絶縁基板20と冷却器70の間の熱抵抗を上昇させないほどに熱抵抗が低く、しかも柔軟に変形して絶縁基板20と冷却器70に大きな熱応力が発生するのを防止する。
なお、重ね合せブロック30の表面と裏面を金属箔で覆っておいてからろう付けしてもよいし、金属箔とアルミニウム膜が混在している面が露出している状態でろう付けしてもよい。
(第2実施例)
図2に示すように、第2実施例の重ね合せブロック30aは、長尺のグラファイト箔34aと長尺の金属箔36aを重ね合わせた長尺多層箔を多重に巻くことによって、重ね合せブロック30aを形成している。この実施例の重ね合せブロック30aでも、絶縁基板20の法線がグラファイト箔34aと金属箔36aの当接面に沿って延びており、xz面に沿って延びる当接面とyz面に沿って延びる当接面を併せ持っている。
絶縁基板20が矩形であれば、第2実施例の重ね合せブロック30aを矩形とすることができる。図3に示すように、第3実施例の重ね合せブロック30bは、第2実施例の重ね合せブロック30aを4本の切断線40bに沿って切断することで形成する。第2実施例の重ね合せブロック30aを絶縁基板20にろう付けしてから切断すれば、第3実施例の重ね合せブロック30bは重ね合せ状態を維持する。
第2実施例の重ね合せブロック30aの外周にプレス力を加えて矩形に修正することができる。図4に示すように、第4実施例の重ね合せブロックは、第2実施例の重ね合せブロック30bの外周に、直交する4方向からプレス力F1,F2,F3,F4を同時に加える。すると、重ね合せブロックは矢印M1,M2,M3,M4に示すように変形し、ほぼ矩形に修正される。
重ね合せブロックは、柔軟に変形することから、必ずしもxz面に沿って延びる当接面とyz面に沿って延びる当接面の両者を必要としない。図5に示す第5実施例の重ね合せブロック30dの場合、当接面はxz面に沿って延びており、yz面に沿って延びる当接面の面積は小さい。この重ね合せブロック30dでも、y方向の膨張・収縮のみならず、x方向の膨張・収縮にもよく追従する。y方向の横領緩和性もx方向の横領緩和性も兼ね備えている。
図5の重ね合せブロック30dは、長尺のグラファイト箔34dの表裏両面に長尺の金属箔36dを重ね合わせた長尺多層箔を折り返しながら積層することで形成される。なお図示の明瞭化のために金属箔36d同志の当接面の図示を省略している。参照番号42dは、折り返しながら積層した重ね合せブロックの外周を取り囲む金属箔であり、外力が作用しない状態では、重ね合せブロック30dの形状を維持する。外周を取り囲む金属箔42dは十分に柔軟であり、重ね合せブロック30dの柔軟性を損ねない。
図6は、第6実施例の重ね合せブロック30eを示す。長尺のグラファイト箔34eと長尺の金属箔36eを重ね合わせた長尺多層箔を、三角形を形成するように多重に巻く。そうして得られた6個の三角形を図示のように組み合わせ、その外周を箔42eで包むことで第6実施例の重ね合せブロック30eが得られる。
図9は、第9実施例の重ね合せブロック30hを示している。グラファイト箔34hと金属箔34hの各々は、同心円をなしている。42hは、外周を囲む箔である。第9実施例の重ね合せブロック30hでも必要な柔軟性と伝熱性を確保することができる。
図10の(a)は、巻く前の長尺多層箔35を示している。この長尺多層箔35を巻くと、巻くにつれて、グラファイト箔とグラファイト箔の間に介在する金属箔の枚数が変化する。図10は、長さ方向を圧縮して図示している。実際には、例えば、巻き始めから1000回転までの距離ではグラファイト箔34jに1枚の金属箔36j1が重ね合されており、1000〜2000回転までの距離では2枚の金属箔36j1,36j2が重ね合されており、2000〜3000回転までの距離では3枚の金属箔36j1,36j2,36j3が重ね合されている。この長尺多層膜35を利用すれば、中心部ではグラファイト箔が密に配置されており、周辺部ではグラファイト箔が疎に配置されている重ね合せブロックを得ることができる。(b)は中心近傍での重ね合せ状態を示し、(d)は周辺近傍での重ね合せ状態を示し、(c)は中間域での重ね合せ状態を示している。多くの半導体装置10では中心近傍では発熱量が高く、周辺近傍では発熱量が低い。発熱量が大きい中心近傍には(b)に示す重ね合せ状態が対向し、発熱量が小さい周辺近傍には(d)に示す重ね合せ状態が対向する使い方をすることができる。なお、グラファイトが密に存在位置でも、少なくとも10%は金属箔が占めていることが好ましい。単位面積毎に10%の金属箔が混在していると、必要な機械的強度を確保することができる。
図11は、中心ほど発熱量が高い半導体装置の2個を絶縁基板に搭載する際に用いる重ね合せブロックを示している。中心ほど発熱量が高いのに対応し、中心近傍ではグラファイト箔とグラファイト箔の間隔aが狭く、周辺近傍ではグラファイト箔とグラファイト箔の間隔cが広く、中間域でのグラファイト箔とグラファイト箔の間隔bが中間にある。
2個の半導体装置に対応するように、2個の同心体を並べて配置することで重ね合せブロックを形成している。
図12に示すように、第2実施例のモジュール80aでは、絶縁基板20の法線方向から観察したときに、重ね合せブロック30より冷却器70が広く広がっている。広く広がっている冷却器70を活用するために、重ね合せブロック30と冷却器70の間に、冷却器側ヒートスプレッダー60が介在している。
重ね合せブロック30は、上側金属箔62の開孔63とグラファイト箔64の開孔66を通過して下側の金属箔68の上面に固定される。金属箔62,68の外形形状は、グラファイト箔64の外形形状よりも一回り大きく、グラファイト箔64の外形形状の外側では金属箔62と68がグラファイト箔64を介さないで対向する。グラファイト箔64を介さないで対向する周辺部では、金属箔62と68がろう付けされ、それによってグラファイト箔64のxy面内の位置が固定される。
重ね合せブロック30と冷却器70は、下側の金属箔68を利用してろう付けされる。
そこで、このモジュール80aでは、絶縁基板20と重ね合せブロック30の間に絶縁基板側ヒートスプレッダー50が付加されている。絶縁基板側ヒートスプレッダー50は冷却器側ヒートスプレッダー60と同じ構造である。絶縁基板側ヒートスプレッダー50は、図示はされていないが、半導体装置10の外形形状にほぼ一致する開孔が形成されているとともに重ね合せブロック30の表面に沿って延びるグラファイト箔と、そのグラファイト箔の表裏を被覆する金属箔で形成されている。そのヒートスプレッダー50を絶縁基板20と重ね合せブロック30の間に付加すると、狭い範囲に存在している高温の半導体装置10の熱を重ね合せブロック30の表面に沿った方向に伝熱し、広く広がっている重ね合せブロック30の広い範囲に効率的に伝熱することができる。しかも絶縁基板20から冷却器70に直接的に伝熱する経路の熱抵抗を上げてしまうこともない。
絶縁基板側ヒートスプレッダー50の場合も、冷却器側ヒートスプレッダー60の場合と同様に、グラファイト箔の開孔に梁を渡すことがある。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
20:絶縁基板
22:配線層
30:重ね合せブロック
32:芯
34:グラファイト箔
35:長尺多層箔
36:金属箔
38:固定部
40:切断線
42:外周拘束箔
50:絶縁基板側ヒートスプレッダー
60:冷却器側ヒートスプレッダー
62:金属箔
64:グラファイト箔
66:開孔
68:金属箔
Claims (7)
- 半導体装置と絶縁基板と重ね合せブロックと冷却器を備えているモジュールであり、
前記半導体装置は、前記絶縁基板の表面に搭載されており、
前記重ね合せブロックは、前記絶縁基板の裏面と前記冷却器の間に介在しており、グラファイト箔と金属箔で構成されており、前記絶縁基板の裏面に立てた法線が前記グラファイト箔と前記金属箔の当接面に沿って延びる向きに配置されており、前記グラファイト箔と前記金属箔の間が非接合状態で重ね合されており、前記法線方向から前記重ね合せブロックを観察すると前記当接面が前記重ね合せブロックの全域に亘って分布していることを特徴とするモジュール。 - 前記半導体装置を通過する前記法線をxyz直交座標系のz軸としたときに、xz面に沿って延びる前記当接面とyz面に沿って延びる前記当接面が存在していることを特徴とする請求項1に記載のモジュール。
- 長尺の前記グラファイト箔と長尺の前記金属箔を重ね合わせた長尺多層箔が、前記z軸の周りに多重に巻かれていることを特徴とする請求項2に記載のモジュール。
- 前記長尺多層箔を長手方向に観察したときに、前記グラファイト箔に重ね合わせる前記金属箔の枚数が変化することを特徴する請求項3に記載のモジュール。
- 前記法線方向から前記重ね合せブロックを観察すると、単位面積内に占める前記グラファイト箔の存在面積が、位置によって変化していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの1項に記載のモジュール。
- 前記絶縁基板と前記重ね合せブロックの間に絶縁基板側ヒートスプレッダーが介在しており、
前記絶縁基板側ヒートスプレッダーは、前記半導体装置の外形形状にほぼ一致する開孔が形成されているとともに前記絶縁基板の裏面に沿って延びるグラファイト箔と、そのグラファイト箔の表裏を被覆する金属箔で形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかの1項に記載のモジュール。 - 前記重ね合せブロックと前記冷却器の間に冷却器側ヒートスプレッダーが介在しており、
前記冷却器側ヒートスプレッダーは、前記重ね合せブロックの外形形状にほぼ一致する開孔が形成されているとともに前記冷却器の表面に沿って延びるグラファイト箔と、そのグラファイト箔の表裏を被覆する金属箔で形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかの1項に記載のモジュール。
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