JP6233224B2 - 接合材シート及び円筒形スパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents
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Description
2.接合材シート
3.接合材シートの製造方法
4.円筒形スパッタリングターゲットの製造方法
(1−1.円筒形スパッタリングターゲットの概要)
図1に示すように、円筒形スパッタリングターゲット1は、ターゲット材2がバッキングチューブ3の外周部に設置されたものであり、ターゲット材2とバッキングチューブ3とが接合層4を介して接合されている。より詳細には、円筒形スパッタリングターゲット1は、ターゲット材2の中空部にバッキングチューブ3を同軸に配置し、これらの中心軸が一致した状態で接合されたものである。
円筒形のターゲット材2として使用可能な円筒形セラミックス焼結体は、用途に応じて材料を適宜選択することができ、特に限定されることはない。例えば、インジウム(In)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、及びチタン(Ti)から選択される少なくとも1種を主成分とする酸化物等から構成される円筒形セラミックス焼結体を使用することができる。
円筒形のバッキングチューブ3の材質は、円筒形スパッタリングターゲット1の使用時に、接合層4が劣化及び溶融しない十分な冷却効率を確保できる熱伝導性があり、スパッタリング時に、放電可能な電気伝導性、円筒形スパッタリングターゲット1の支持が可能な強度等を備えているものであればよい。バッキングチューブ3として、例えば、一般的なオーステナイト系ステンレス製、特にSUS304製のものに加えて、銅又は銅合金、チタン又はチタン合金、モリブデン又はモリブデン合金、アルミニウム又はアルミニウム合金等の各種材質を使用することができる。
接合層4は、例えばインジウムからなり、ターゲット材2とバッキングチューブ3とを接合する。接合層4の役割は、放電により円筒形スパッタリングターゲット1上に発生した熱をバッキングチューブ3の内側を流れる冷却液で放熱するため、ターゲット材2とバッキングチューブ3との熱的な伝達を行うことにある。即ち、接合層4は、円筒形スパッタリングターゲット1を使用する際に、バッキングチューブ3と同様にして、熱伝導性、電気伝導性、接着強度等を備えていればよい。
本実施の形態に係る接合材シート9は、図1に示すように、ターゲット材2とバッキングチューブ3との間隙5に、接合層4を形成するためのシートである。図2に示す接合材シート9は、接合層4を形成するための材料である接合材6の表面及び一端部(図2では上端部)に、耐熱性を有する耐熱被膜8が形成されたものである。
接合材シート9の製造方法では、接合材6のインゴットを粗圧延によりシート形状に加工され、その後、冷間圧延により接合材シート9の表面に耐熱被膜8を形成して、接合材シート9を得る。このような製法により作製された接合材シート9における耐熱被膜8は、強固にその形状を保っている。なお、耐熱被膜8の形成方法は、冷間圧延に限定されるものではなく、材料や用途に応じて適宜選択することができる。
以下、本実施の形態に係る円筒形スパッタリングターゲットの製造方法について説明する。
図3に示すように、円筒形スパッタリングターゲット1は、ターゲット材2の中空部にバッキングチューブ3を同軸に配置し、ターゲット材2とバッキングチューブ3とを接合材6で接合層4を形成することにより作製される。例えば、円筒形スパッタリングターゲット1は、SUS304製のバッキングチューブ3を、接合材6としてインジウム系低融点接合材を使用して、ITO製の円筒形セラミックス焼結体からなるターゲット材2と接合することにより作製することができる。
まず、円筒形スパッタリングターゲット1の製造方法では、図3に示すように、ターゲット材2の中空部にバッキングチューブ3を同軸に配置する。
次に、円筒形スパッタリングターゲット1の製造方法では、図3に示すように、接合材シート9の耐熱被膜8を除去した一端部側を下方に向けて、接合材シート9を間隙5の直上に配置し、バッキングチューブ3の外周部に巻き付ける。そして、接合材シート9の外周部に耐熱性マスキングテープ10を巻いて固定する。この際、耐熱性マスキングテープ10は、少なくとも接合材シート9の上端部付近からターゲット材2の上端部付近に亘って被覆する。このように耐熱性マスキングテープ10で接合材シート9を被覆することで、接合材シート9とターゲット材2との間から空気の流入を防止することができる。その結果、接合材6の酸化の原因となる酸素の量を低減することができる。
次に、円筒形スパッタリングターゲット1の製造方法では、図3に示すように、ターゲット材2及び接合材シート9の外周面に、バンドヒーター11,12をそれぞれ取り付けて加熱する。なお、接合層4の形成条件は、ターゲット材2として使用する円筒形セラミックス焼結体の組成や、バッキングチューブ3の材質等に応じて適宜選択されるものであり、特に限定されるものではない。
バッキングチューブ3における接合材シート9の他の保持方法としては、例えば、図4に示すアルミ製リング13や、図5に示すテーパ付アルミ製リング15等の保持具を用いて保持する方法等が挙げられる。
ターゲット材2とバッキングチューブ3の間隙5に溶融した接合材7を注入して接合層4を形成する際には、間隙5と溶融した接合材7との圧力差を利用してもよい。圧力差は、溶融した接合材7の加圧や間隙5の減圧、或いはその双方により発生させることが可能である。
実施例1では、外径100mm、内径82mm、全長200mmのITO製の円筒形セラミックス焼結体を5つ用意した。これらの円筒形セラミックス焼結体の内周面を、マシニングセンタ(DMG森精機株式会社製、DMC635V)を用いて研削しターゲット材2を得て、超音波コテを使用してインジウムを濡らした。
実施例2では、接合材シート9の材料に純インジウムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲット1を得た。円筒形スパッタリングターゲット1の接合率及び接合強度を、実施例1と同様にして評価した結果、何れも優れたものであることが確認された。また、実施例1と同様にして放電試験を実施したところ、スパッタリング中に、分割ターゲット材2に割れや欠け等が生じることはなかった。
実施例3では、粗圧延されて得られている厚み20mmの粗圧延板から、冷間圧延を行い、厚み10mm(圧延率50%)の板を得て、接合材シート9とし、その接合材シート9をシャーで重さ1.7kgになるように幅251mm×高さ96.5mmに切り出したこと以外は実施例1と同様にして、円筒形スパッタリングターゲット1を得た。円筒形スパッタリングターゲット1の接合率及び接合強度を、実施例1と同様にして評価した結果、何れも優れたものであることが確認された。また、実施例1と同様にして放電試験を実施したところ、スパッタリング中に、分割ターゲット材2に割れや欠け等が生じることはなかった。
実施例4では、実施例1の最上段のターゲット材2の直上部に巻きつける接合材シート9の固定を、耐熱性マスキングテープ10から、図4に示すように、外径100mm、内径92mm、全長200mmのアルミ製リング13にしたこと以外は、実施例1と同様にして円筒形スパッタリングターゲット1を得た。円筒形スパッタリングターゲット1の接合率及び接合強度を、実施例1と同様にして評価した結果、何れも優れたものであることが確認された。また、実施例1と同様にして放電試験を実施したところ、スパッタリング中に、分割ターゲット材2に割れや欠け等が生じることはなかった。
実施例5では、実施例4のアルミ製リング13の下端部の形状を、図5に示すように、内径82mmで45度のテーパ14を付加し、全長205mmのテーパ付アルミ製リング15にしたこと以外は、実施例1と同様にして円筒形スパッタリングターゲット1を得た。円筒形スパッタリングターゲット1の接合率及び接合強度を、実施例1と同様にして評価した結果、何れも優れたものであることが確認された。また、実施例1と同様にして放電試験を実施したところ、スパッタリング中に、分割ターゲット材2に割れや欠け等が生じることはなかった。
比較例1では、外径122mm、内径82mm、高さ20mmの内径側に45度のテーパを有するリング状流し込みアダプタを、上端部の円筒形セラミックス焼結体に設置し、1.7kgの実施例1の接合材6をビーカーで溶解して注入したこと以外は、実施例1と同様にして円筒形スパッタリングターゲットを得た。比較例1では、流し込みに長時間を要したため、ビーカーの中で約50%の接合材6が固化してしまった。この円筒形スパッタリングターゲットの接合率及び接合強度を、実施例1と同様にして評価しようとしたところ、分割ターゲット材2が接合層から剥離し、バッキングチューブ3から脱落してしまった。
比較例2では、外径122mm、内径82mm、高さ20mmの内径側に45度のテーパを有するリング状流し込みアダプタを、上端部の円筒形セラミックス焼結体に設置し、1.7kgの実施例1の接合材6を、170g単位で、ビーカーで溶解して、10回に分けて注入したこと以外は、実施例1と同様にして円筒形スパッタリングターゲットを得た。比較例2では、流し込みは行えたが、流し込みが断続であり、接合材6に多数のボイドが生成していた。
Claims (12)
- 円筒形セラミックス焼結体からなるターゲット材の中空部にバッキングチューブを同軸に配置し、該ターゲット材と該バッキングチューブとの間隙に接合層を形成する接合材の表面及び一端部に耐熱被膜を形成してなり、該接合材の他端部に該耐熱被膜を形成せず、
上記耐熱被膜の融点は、上記接合材の融点よりも高いことを特徴とする接合材シート。 - 上記耐熱被膜は、酸化被膜であることを特徴とする請求項1に記載の接合材シート。
- 上記耐熱被膜は、耐熱樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の接合材シート。
- 上記接合材は、インジウム系低融点接合材であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の接合材シート。
- 円筒形セラミックス焼結体からなるターゲット材の中空部にバッキングチューブを同軸に配置し、該ターゲット材と該バッキングチューブとの間隙に接合層を形成して円筒形スパッタリングターゲットを製造する円筒形スパッタリングターゲットの製造方法であって、
接合材の表面に耐熱被膜を形成してなる接合材シートを加熱し、該接合材を融解して上記間隙に注入して接合層を形成し、
上記耐熱被膜の融点は、上記接合材の融点よりも高いことを特徴とする円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。 - 上記耐熱被膜は、酸化被膜であることを特徴とする請求項5に記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
- 上記耐熱被膜は、耐熱樹脂フィルムであることを特徴とする請求項5に記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
- 上記接合材を圧延によりシート形状に加工してなる接合材シートを加熱することを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか1項に記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
- 上記接合材シートを上記間隙の直上に設置することを特徴とする請求項5乃至請求項8の何れか1項に記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
- 上記接合材シートを上記バッキングチューブの外周部に巻き付けて耐熱性テープで固定することを特徴とする請求項9に記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
- 上記接合材シートを上記バッキングチューブの外周部に巻き付けてリングで固定することを特徴とする請求項9に記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
- 下端部にテーパを有するリングで、該テーパが上記接合材シートと上記間隙との間に介在するように固定することを特徴とする請求項11に記載の円筒形スパッタリングターゲットの製造方法。
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