JP6238101B2 - 数値表層モデル作成方法、及び数値表層モデル作成装置 - Google Patents
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Description
(1)画像のうち壁面を含む情報を細大漏らさず利用するため、建物の輪郭を自動的に抽出することができる。その結果、作業時間及び労力を大幅に削減できるうえ、人為的ミスを排除することができ、経済的かつ正確に建物の輪郭を抽出することができる。
(2)傾斜空間座標系の傾斜角を変えて、壁面上の点を含む点群座標の算出を複行すれば、より精度よく建物の輪郭を抽出できるとともに、壁面上の点を含む高密度な点群による数値表層モデルを得ることができる。
(3)正確かつ容易に建物の輪郭を抽出できる結果、建物を含む詳細な正射投影写真であるトゥルーオルソ(登録商標)写真も正確かつ容易に作成することができる。
本願発明は、画像に表示された建物の壁面を計測し、その結果得られる点群を用いて建物の輪郭を把握するとともに、この建物の輪郭を含む数値表層モデルを作成するための方法と装置である。建物壁面の座標を取得するにあたって地上位置を表す座標系を傾斜させる点が、本願発明の技術的特徴の一つである。通常、建物を含む地形を基に作成される数値表層モデルは、大量の点群で構成される。したがって、地形を対象とした本願発明の数値表層モデル作成方法は、コンピュータを利用して実施するのが適当であり、また本願発明の数値表層モデル作成装置はコンピュータを利用して構成するのが適当である。このコンピュータは、CPU等のプロセッサ、ROMやRAMといったメモリを具備したもので、さらにマウスやキーボード等の入力手段やディスプレイを含むこともあり、パーソナルコンピュータ(PC)や、iPad(登録商標)といったタブレットPC、あるいはPDA(Personal Data Assistance)などを例示することができる。
ここでいう「画像」とは、カメラやビデオ等により撮像した写真や映像の一コマに限らず、レーダーやレーザーによって計測された物理量(反射強度等)を画像化したもの含まれる。また、ステレオペア画像を構成する2枚の画像には同一の対象物が含まれており、それぞれの画像は異なる位置から撮像(レーダーやレーザーの場合は計測)されたものである。なお、ここでは便宜上、航空機から撮影した空中写真を「画像」の例として説明するが、本願発明が空中写真の場合に限られるわけではない。
次に、ステレオペア画像を構成する2枚の空中写真それぞれについて、撮影時のカメラ主点座標及び撮影方向からなる外部標定要素を求める。図1では、ステレオペア画像のうち一方の空中写真を左画像としてStep21で示し、他方の空中写真を右画像としてStep22で示している。外部標定要素を求めるにあたっては、GPSやIMUを用いたPOS(Position and Orientation System)解析によることもできるし、従来から行われているバンドル調整等を使用した標定によることもできる。なお、外部標定要素が既知であるステレオペア画像を用意できれば本ステップ(Step21、Step22)は省略可能であり、すなわち本願発明を実施するうえで本ステップは必須ではない。
ステレオペア画像それぞれについて外部標定要素と内部標定要素(例えばカメラの諸元等から取得)が得られれば、空中写真内に含まれる地上の対象物(以下、「地上対象物」という。)の地上における座標(以下、「地上座標」という。)を求めることができる。
本願発明では、地上対象物の座標を求めるため「傾斜基準面」を設定する(Step30)。傾斜基準面は、水平面を所定角度だけ傾斜して得られる面であり、この傾斜基準面状に配置されるのが「傾斜平面座標系」であり、これに鉛直軸を加えたものが「傾斜空間座標系」である。図3は、標準空間座標系と傾斜空間座標系の関係を示すモデルであり、(a)は標準空間座標系を側面から見た側面モデル図、(b)は標準空間座標系を時計まわりに傾斜角θだけ回転して得られる傾斜空間座標系の側面モデル図、(c)は標準空間座標系を反時計まわりに傾斜角θだけ回転して得られる傾斜空間座標系の側面モデル図である。なお、「傾斜基準面」、「傾斜平面座標系」、及び「傾斜空間座標系」は、ステレオペア画像それぞれ別に設定されるのではなく、共通した一つが設定される。
傾斜平面座標系、及び傾斜空間座標系が設定できれば、改めてステレオペア画像を構成する2枚の空中写真それぞれについて、撮影時のカメラ主点座標及び撮影方向からなる外部標定要素を求める(Step41、Step42)。Step21とStep22では、標準空間座標系における外部標定要素を求めたのに対して、ここでは傾斜空間座標系における外部標定要素を求める。図4は、標準空間座標系における外部標定要素の概念を示すモデルであり、図5は、水平面から時計まわりに傾斜角θだけ傾けた傾斜空間座標系における外部標定要素の概念を示すモデル、図6は、水平面から反時計まわりに傾斜角θだけ傾けた傾斜空間座標系における外部標定要素の概念を示すモデルである。なお便宜上、図5と図6は、傾斜平面座標系(XA―YAにやXB―YB)が水平面となるように表示したため、現実には水平面である地表面が傾斜したように表現されている。
傾斜外部標定要素が求められれば、傾斜空間座標系における地上対象物の地上座標を算出することができる。この地上座標の算出は、傾斜空間座標系を基準とすることを除けば従来から用いられている手法によることができる。具体的には、ステレオペア画像それぞれに共通して含まれる地上対象物を同定し(Step50)、傾斜外部標定要素に基づく前方交会法により地上対象物の地上座標を算出する(Step60)。ここで求められる地上座標は傾斜空間座標系における座標であり、ここでは便宜上、「傾斜空間座標」と呼ぶこととする。
次に、座標変換によって傾斜空間座標を、標準空間座標系における座標として算出し(Step70)、記憶する。なお、傾斜空間座標に基づいて計算された標準空間座標系における座標を、ここでは便宜上、「標準空間座標」と呼ぶこととする。この標準空間座標は、平面座標と高さからなる3次元座標であり、例えば(X,Y,Z)として表される。さらに、3次元の標準空間座標が得られれば、このうちの平面要素を抽出し「標準平面座標」として記憶する。標準空間座標が(X,Y,Z)として表される場合、標準平面座標は(X,Y)として表される。
図5に示すように、建物の壁面上の構成点を取得できるのが本願発明の効果の一つであることは既に述べた。ところが、図5からもわかるように、的確に構成点を取得できるのは一方の壁面のみである。もちろん、一方の壁面のみ、あるいは一方の壁面側の建物輪郭のみを必要としている場合は問題とならないが、多くの場合、全ての壁面あるいは建物輪郭の全周を必要とするので、図5に示す構成点では不足していることになる。
ここまでで、複数の標準空間座標や標準平面座標が得られており、これらを利用すれば正確かつ容易に建物の輪郭を抽出することができる(Step90)。図7は、従来技術で求めた点群と本願発明により得られた点群を統合して標準平面座標系に配置し、現実の建物輪郭と対比したモデル図である。従来手法である図8(b)では建物の輪郭が特定できなかったが、図7では建物の輪郭の周辺に多数の標準平面座標が配点されているので、明確に建物の輪郭を把握することができる。なお図7に示す白点Psは従来技術によって求められた点群であり、黒点Pvは本願発明によって得られた標準平面座標である。
数値表層モデルに基づいてオルソ写真を作成することは、従来からも行われていた。具体的には数値表層モデルにテクスチャを貼り付けるわけであるが、建物が倒れこんだ部分は無視されることが多かった。これは、建物の輪郭を自動抽出することができなかったためであり、建物の倒れこみを除去するには人の目視によって建物一つひとつに対して手作業の処理を行う必要があり、莫大な時間と費用を要するのが理由である。
P1 左画像の写真座標系にける地上対象物の座標
P2 右画像の写真座標系にける地上対象物の座標
Ps 白点(従来技術によって求められた点群)
Pv 黒点(本願発明によって得られた点群)
Claims (5)
- 標準空間座標系における外部標定要素が既知である2枚の画像を一組とするステレオペア画像を用いて、数値表層モデルを作成する数値表層モデル作成方法において、
前記標準空間座標系は、水平面上に配置される標準平面座標系と鉛直座標軸からなり、
所定の傾斜角を定め、該傾斜角だけ水平面から傾けた傾斜基準面を設定するとともに、該傾斜基準面上に配置される傾斜平面座標系とこれに直交する座標軸を加えた傾斜空間座標系を設定する傾斜座標系設定工程と、
前記標準空間座標系における前記外部標定要素及び前記傾斜空間座標系に基づいて、前記傾斜空間座標系における外部標定要素を傾斜外部標定要素として算出する傾斜空間標定工程と、
前記ステレオペア画像で画像照合する対応点、及び前記傾斜外部標定要素に基づいて、該対応点の前記傾斜空間座標系における座標を、傾斜空間座標として算出する傾斜座標算出工程と、
前記傾斜空間座標を、前記傾斜空間座標系を前記傾斜角だけ傾けた前記標準空間座標系における座標として算出して標準空間座標を求める座標変換工程と、
前記標準空間座標のうち前記標準平面座標系における座標要素を抽出して、標準平面座標を得る標準平面座標取得工程と、
前記標準平面座標取得工程で得られた前記標準平面座標に基づいて、建物の輪郭を抽出する建物輪郭抽出工程と、を備え、
前記座標変換工程で求めた前記標準空間座標、及び前記建物輪郭抽出工程で抽出した前記建物の輪郭に基づいて、前記数値表層モデルを作成することを特徴とする数値表層モデル作成方法。 - 異なる2以上の前記傾斜角を定め、それぞれの傾斜角で設定される前記傾斜空間座標系に基づいて、前記標準空間座標及び前記標準平面座標を算出するとともに、該標準平面座標に基づいて建物の輪郭を抽出し、
前記標準空間座標、及び前記建物の輪郭に基づいて、前記数値表層モデルを作成することを特徴とする請求項1記載の数値表層モデル作成方法。 - さらに、前記数値表層モデルに基づいて、前記ステレオペア画像から正射投影写真を作成する正射投影写真作成工程を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の数値表層モデル作成方法。
- 標準空間座標系における外部標定要素が既知である2枚の画像を一組とするステレオペア画像を用いて、数値表層モデルを作成する数値表層モデル作成装置において、
前記標準空間座標系は、水平面上に配置される標準平面座標系と鉛直座標軸からなり、
所定の傾斜角を指定する傾斜角指定手段と、
前記傾斜角だけ水平面から傾いた傾斜基準面を設定するとともに、該傾斜基準面上に配置される傾斜平面座標系とこれに直交する座標軸を加えた傾斜空間座標系を設定する傾斜座標系設定手段と、
前記標準空間座標系における前記外部標定要素及び前記傾斜空間座標系に基づいて、前記傾斜空間座標系における外部標定要素を傾斜外部標定要素として算出する傾斜空間標定手段と、
前記ステレオペア画像で画像照合する対応点、及び前記傾斜外部標定要素に基づいて、該対応点の前記傾斜空間座標系における座標を、傾斜空間座標として算出する傾斜座標算出手段と、
前記傾斜空間座標を、前記傾斜空間座標系を前記傾斜角だけ傾けた前記標準空間座標系における座標として算出して標準空間座標を求める座標変換手段と、
前記標準空間座標のうち前記標準平面座標系における座標要素を抽出して、標準平面座標を得る標準平面座標取得手段と、
前記標準平面座標取得手段で得られた前記標準平面座標に基づいて、建物の輪郭を抽出する建物輪郭抽出手段と、
前記座標変換手段で求めた前記標準空間座標、及び前記建物輪郭抽出手段で抽出した前記建物の輪郭に基づいて、前記数値表層モデルを作成する数値表層モデル作成手段と、を備えたことを特徴とする数値表層モデル作成装置。 - さらに、前記数値表層モデルに基づいて、前記ステレオペア画像から正射投影写真を作成する正射投影写真作成手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の数値表層モデル作成装置。
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