(実施形態1)
本発明の実施形態1に係るDC/DCコンバータ1は、図1に示すように、変換回路2と、トランスT1と、クランプ回路5と、制御回路4とを備える。変換回路2は、4つのスイッチ素子Q1〜Q4を有し、入力される直流電圧を交流電圧に変換するフルブリッジ型の回路である。トランスT1は、一次巻線T11が変換回路2の出力に電気的に接続される。クランプ回路5は、変換回路2と一次巻線T11との間に電気的に接続され、一次巻線T11と共に一次側電流I1の流れる閉回路を形成する。また、クランプ回路5は、閉回路を開閉するスイッチQC1,QC2を有する。制御回路4は、4つのスイッチ素子Q1〜Q4及びスイッチQC1,QC2を制御する。
以下、本実施形態のDC/DCコンバータ1について詳細に説明する。但し、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は下記の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態のDC/DCコンバータ1は、図1に示すように、変換回路2と、トランスT1と、出力回路3と、制御回路4と、クランプ回路5とを備えている。DC/DCコンバータ1の第1入力点11及び第2入力点12には、直流電源DC1が電気的に接続されている。以下、第1入力点11及び第2入力点12の間に印加される電圧(すなわち、直流電源DC1の電源電圧)を「入力電圧V1」と称する。また、DC/DCコンバータ1の第1出力点13及び第2出力点14には、負荷が電気的に接続される。以下、第1出力点13及び第2出力点14の間に印加される電圧を「出力電圧V2」と称する。
DC/DCコンバータ1の第1入力点11及び第2入力点12の間には、2つのコンデンサC1,C2の直列回路が電気的に接続されている。コンデンサC1,C2の回路定数(キャパシタンス)は同値である。また、DC/DCコンバータ1の第1出力点13及び第2出力点14の間には、2つのコンデンサC4,C5の直列回路が電気的に接続されている。コンデンサC4,C5の回路定数(キャパシタンス)は同値である。そして、コンデンサC1,C2の接続点と、コンデンサC4,C5の接続点とは、それぞれDC/DCコンバータ1を収納する筐体(図示せず)に電気的に接続されている(すなわち、基準電位点15(回路グランド)に接地されている)。このため、基準電位点15の電位を零とし、入力電圧V1をE1〔V〕と仮定すると、第1入力点11の電位はE1/2〔V〕、第2入力点12の電位は−E1/2〔V〕で表される。また、出力電圧V2をE2〔V〕と仮定すると、第1出力点13の電位はE2/2〔V〕、第2出力点14の電位は−E2/2〔V〕で表される。
変換回路2は、第1スイッチ素子Q1と、第2スイッチ素子Q2と、第3スイッチ素子Q3と、第4スイッチ素子Q4とで構成されるフルブリッジ・インバータである。本実施形態のDC/DCコンバータ1では、スイッチ素子Q1〜Q4は、それぞれIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)である。なお、スイッチ素子Q1〜Q4は、それぞれバイポーラトランジスタやMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)等の他の半導体スイッチ素子で構成されていてもよい。
変換回路2では、第1スイッチ素子Q1及び第2スイッチ素子Q2の直列回路と、第3スイッチ素子Q3及び第4スイッチ素子Q4の直列回路とが並列に電気的に接続されている。スイッチ素子Q1,Q3のコレクタは、高電位側の第1入力点11に電気的に接続されている。また、スイッチ素子Q2,Q4のエミッタは、低電位側の第2入力点12に電気的に接続されている。そして、第1スイッチ素子Q1のエミッタ及び第2スイッチ素子Q2のコレクタの接続点と、第3スイッチ素子Q3のエミッタ及び第4スイッチ素子Q4のコレクタの接続点とが、変換回路2の一対の出力点となっている。
スイッチ素子Q1〜Q4のコレクタ−エミッタ間には、それぞれボディダイオードD11〜D14が存在する。ここでは、IGBTに内蔵されたリカバリダイオードを「ボディダイオード」と称している。また、スイッチ素子Q1〜Q4のコレクタ−エミッタ間には、それぞれ寄生容量C11〜C14が存在する。
トランスT1は、一次巻線T11と、二次巻線T12とで構成されており、一次巻線T1と二次巻線T12とは互いに電気的に絶縁されている。一次巻線T11は、変換回路2の一対の出力点に電気的に接続されている。二次巻線T12は、出力回路3の一対の入力点に電気的に接続されている。一次巻線T11と二次巻線T12との巻数比は、入力電圧V1の範囲と、負荷に供給すべき出力電圧V2の範囲とに応じて適宜設定される。また、トランスT1には、漏れインダクタンスが存在している。図1において、一次巻線T11に直列に電気的に接続されているインダクタL1は、トランスT1の漏れインダクタンスを示している。なお、インダクタL1は、トランスT1の漏れインダクタンスに限定されず、一部品として別途設けられていてもよい。また、以下の説明では、単に「一次巻線T11」と称する場合は、「一次巻線T11及びインダクタL1」を意味する。
なお、トランスT1の一次巻線T11と二次巻線T12との間には、図1に示すように、寄生容量CP1,CP2が存在する。また、以下では、一次巻線T11に流れる電流を「一次側電流I1」、一次巻線T11に印加される電圧を「一次側電圧V11」、二次巻線T12に誘導される電圧を「二次側電圧V12」と称する。なお、一次側電圧V11は、クランプ回路5の両端電圧でもある。
出力回路3は、整流回路31と、平滑回路32とで構成されている。整流回路31は、第1ダイオードD1と、第2ダイオードD2とで構成されている。第1ダイオードD1は、そのアノードが二次巻線T12の第1端に電気的に接続され、カソードが後述するインダクタL2の一端に電気的に接続されている。第2ダイオードD2は、そのアノードが二次巻線T12の第2端に電気的に接続され、カソードがインダクタL2の一端に電気的に接続されている。整流回路31の一対の出力点のうちの第1出力点には、インダクタL2の一端が電気的に接続されている。また、整流回路31の一対の出力点のうちの第2出力点には、二次巻線T12の中間タップT121が電気的に接続されている。整流回路31は、二次巻線T12の第1端と中間タップT121との間に誘導された交流電圧と、二次巻線T12の第2端と中間タップT121との間に誘導された交流電圧とを、それぞれ脈流電圧に変換して出力する。
平滑回路32は、インダクタL2と、コンデンサC3とで構成されている。インダクタL2は、整流回路31の高電位側の出力点と第1出力点13との間に電気的に接続されている。コンデンサC3は、第1出力点13及び第2出力点14の間に電気的に接続されている。平滑回路32は、整流回路31から出力される脈流電圧を平滑化し、直流電圧を出力する。つまり、出力回路3は、トランスT1の二次巻線T12に電気的に接続されて、二次巻線T12に誘導された交流電圧を直流電圧(出力電圧V2)に変換して出力する。なお、出力回路3は、直列共振回路と整流回路31とで構成されていてもよいし、電流制限素子と整流回路31とで構成されていてもよい。
制御回路4は、例えばマイコン(マイクロコンピュータ)を主構成としており、メモリ(図示せず)に記憶されているプログラムを実行することにより各種処理を実行する。プログラムは、電気通信回線を通して提供されてもよく、記憶媒体に記憶されて提供されてもよい。制御回路4は、第1スイッチ素子Q1に第1駆動信号G1、第2スイッチ素子Q2に第2駆動信号G2、第3スイッチ素子Q3に第3駆動信号G3、第4スイッチ素子Q4に第4駆動信号G4を与える。駆動信号G1〜G4は、何れもPWM(Pulse Width Modulation)信号である。また、制御回路4は、後述するクランプ回路5の第1スイッチQC1に第5駆動信号G5、第2スイッチQC2に第6駆動信号G6を与え、スイッチQC1,QC2のオン/オフを切り替えることで、クランプ回路5を制御する。
クランプ回路5は、第1スイッチQC1及び第2スイッチQC2の直列回路で構成されている。本実施形態のDC/DCコンバータ1では、スイッチQC1,QC2は、それぞれIGBTである。なお、スイッチQC1,QC2は、それぞれバイポーラトランジスタやMOSFET等の他の半導体スイッチ素子で構成されていてもよい。第1スイッチQC1のコレクタは、変換回路2の一対の出力点の第1点に電気的に接続され、且つ一次巻線T11の第1端に電気的に接続されている。第2スイッチQC2のコレクタは、変換回路2の一対の出力点の第2点に電気的に接続され、且つ一次巻線T11の第2端に電気的に接続されている。また、第1スイッチQC1のエミッタと、第2スイッチQC2のエミッタとが電気的に接続されている。
スイッチQC1,QC2のコレクタ−エミッタ間には、それぞれボディダイオードD21,D22が存在する。ここでは、IGBTに内蔵されたリカバリダイオードを「ボディダイオード」と称している。また、スイッチQC1,QC2のコレクタ−エミッタ間には、それぞれ寄生容量C21,C22が存在する。ボディダイオードD21,D22は、アノードがスイッチQC1,QC2のエミッタにそれぞれ電気的に接続され、カソードがスイッチQC1,QC2のコレクタにそれぞれ電気的に接続されている。
クランプ回路5は、スイッチQC1,QC2のオン/オフに応じて、一次巻線T11と共に一次側電流I1の流れる閉回路を形成する。そして、スイッチQC1,QC2は、この閉回路を開閉するスイッチである。
以下、本実施形態のDC/DCコンバータ1の動作について説明する。本実施形態のDC/DCコンバータ1では、制御回路4は、以下の表1に示す第1モード〜第8モードを順に繰り返す第1制御を実行することで、変換回路2及びクランプ回路5を制御する。表1は、各モードにおけるスイッチ素子Q1〜Q4及びスイッチQC1,QC2の状態と、一次側電圧V11とを示している。また、スイッチ素子Q1〜Q4及びスイッチQC1,QC2のモード毎のオン/オフのタイミング、及び一次側電圧V11の波形を図2に示す。
以下、各モードについて図3A〜図3D,図4A〜図4Dを用いて具体的に説明する。図3A〜図3D,図4A〜図4Dにおいて、丸印で囲っているスイッチ素子(又はスイッチ)はオン状態を示し、丸印で囲っていないスイッチ素子(又はスイッチ)はオフ状態を示す。また、図3A〜図3D,図4A〜図4Dにおいて、点線の矢印は電流経路を示す。なお、図3A〜図3D,図4A〜図4Dでは、コンデンサC1,C2の図示を省略している。
第1モードでは、図3Aに示すように、スイッチ素子Q1,Q4がオン状態にありスイッチ素子Q2,Q3及びスイッチQC1,QC2はオフ状態にある。このモードでは、直流電源DC1、第1スイッチ素子Q1、一次巻線T11、第4スイッチ素子Q4、直流電源DC1を順に通る経路で一次側電流I1が流れる。また、このモードでは、直流電源DC1の電源電圧が印加されることで、漏れインダクタンス(インダクタL1)にエネルギが蓄積される。
第1モードから第2モードに移行すると、図3Bに示すように、スイッチ素子Q1,Q4がオフに切り替わる。このモードでは、漏れインダクタンス(インダクタL1)にエネルギが蓄積されているので、一次巻線T11、ボディダイオードD13、直流電源DC1、ボディダイオードD12、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1が流れ続ける。
第2モードから第3モードに移行すると、図3Cに示すように、第2スイッチQC2がオンに切り替わる。このモードでは、一次巻線T11、第2スイッチQC2、ボディダイオードD21、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1が流れる。つまり、このモードでは、一次巻線T11及びクランプ回路5から形成される閉回路に一次側電流I1が流れるので、漏れインダクタンス(インダクタL1)に蓄積されたエネルギが維持される。
第3モードから第4モードに移行すると、図3Dに示すように、第2スイッチQC2がオフに切り替わる。このモードでは、漏れインダクタンス(インダクタL1)に蓄積されたエネルギが残っているので、一次巻線T11、ボディダイオードD13、直流電源DC1、ボディダイオードD12、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1が流れる。このとき、一次側電圧V11が−E1〔V〕になり、スイッチ素子Q2,Q3のボディダイオードD12,D13が導通するため、スイッチ素子Q2,Q3に印加される電圧は、ほぼ零となる。
第4モードから第5モードに移行すると、図4Aに示すように、スイッチ素子Q2,Q3がオンに切り替わる。ここで、第4モードにおいて、スイッチ素子Q2,Q3に印加される電圧がほぼ零となっているため、スイッチ素子Q2,Q3は、ソフトスイッチング(Zero Volt Switching:ZVS)によりオンに切り替わる。このモードでは、直流電源DC1、第3スイッチ素子Q3、一次巻線T11、第2スイッチ素子Q2、直流電源DC1を順に通る経路で一次側電流I1が流れる。つまり、第5モードでは、第1モードとは反対の向きに一次側電流I1が流れる。また、このモードでは、直流電源DC1の電源電圧が印加されることで、漏れインダクタンス(インダクタL1)にエネルギが蓄積される。
第5モードから第6モードに移行すると、図4Bに示すように、スイッチ素子Q2,Q3がオフに切り替わる。このモードでは、漏れインダクタンス(インダクタL1)にエネルギが蓄積されているので、一次巻線T11、ボディダイオードD11、直流電源DC1、ボディダイオードD14、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1が流れ続ける。
第6モードから第7モードに移行すると、図4Cに示すように、第1スイッチQC1がオンに切り替わる。このモードでは、一次巻線T11、第1スイッチQC1、ボディダイオードD22、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1が流れる。つまり、このモードでは、一次巻線T11及びクランプ回路5から形成される閉回路に一次側電流I1が流れるので、漏れインダクタンス(インダクタL1)に蓄積されたエネルギが維持される。
第7モードから第8モードに移行すると、図4Dに示すように、第1スイッチQC1がオフに切り替わる。このモードでは、漏れインダクタンス(インダクタL1)に蓄積されたエネルギが残っているので、一次巻線T11、ボディダイオードD11、直流電源DC1、ボディダイオードD14、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1が流れる。このとき、一次側電圧V11がE1〔V〕になり、スイッチ素子Q1,Q4のボディダイオードD11,D14が導通するため、スイッチ素子Q1,Q4に印加される電圧は、ほぼ零となる。
第8モードから第1モードに移行すると、図3Aに示すように、スイッチ素子Q1,Q4がオンに切り替わる。ここで、第8モードにおいて、スイッチ素子Q1,Q4に印加される電圧がほぼ零となっているため、スイッチ素子Q1,Q4は、ソフトスイッチング(Zero Volt Switching:ZVS)によりオンに切り替わる。以下、制御回路4は、第1モード〜第8モードを繰り返し実行する。
第1制御において、第1モード及び第5モードは、変換回路2の出力電圧(一次側電圧V11)の極性を反転させる反転制御に相当する。また、第3モード及び第7モードは、トランスT1の漏れインダクタンス(インダクタL1)に蓄積されたエネルギを維持するために、一次巻線T11及びクランプ回路5から形成される閉回路に一次側電流I1を流す第1還流制御に相当する。言い換えれば、第1還流制御は、閉回路上にあるインダクタンス成分(インダクタL1)に蓄積されたエネルギを維持するために、閉回路に一次側電流I1を流す制御である。また、第4モード及び第8モードは、第1還流制御の後に一次側電流を変換回路2に流す第2還流制御に相当する。
上記のように制御回路4が第1制御を実行することで、一次側電圧V11は図2に示す波形となる。そして、制御回路4は、スイッチ素子Q1,Q4に与える駆動信号G1,G4と、スイッチ素子Q2,Q3に与える駆動信号G2,G3のデューティ比を変化させることで、出力電圧V2が所望の直流電圧となるように制御する。
ここで、位相シフト制御方式のDC/DCコンバータ100を本実施形態のDC/DCコンバータ1の比較例として説明する。このDC/DCコンバータ100は、図5に示すように、クランプ回路5を備えていない点と、制御回路400が変換回路2を位相シフト制御する点とで、本実施形態のDC/DCコンバータ1と相違している。制御回路400は、駆動信号G1,G2の位相に対して駆動信号G3,G4の位相を変化させる位相シフト制御を実行することで、出力電圧V2が所望の直流電圧となるように制御する。
このDC/DCコンバータ100では、制御回路400が変換回路2を位相シフト制御することで、図6A〜図6Cに示す3つのモードを取り得る。図6Aに示すモードでは、スイッチ素子Q1,Q4がオン状態であり、スイッチ素子Q2,Q3はオフ状態である。このモードでは、直流電源DC1、第1スイッチ素子Q1、一次巻線T11、第4スイッチ素子Q4、直流電源DC1を順に通る経路で一次側電流I1が流れる。また、このモードでは、直流電源DC1の電源電圧が印加されることで、漏れインダクタンス(インダクタL1)にエネルギが蓄積される。
次に、図6Aに示すモードから図6Bに示すモードに移行すると、第1スイッチ素子Q1がオフに切り替わり、第4スイッチ素子Q4がオンに切り替わる。このモードに移行する際に、第2スイッチ素子Q2は、ボディダイオードD12が導通した後にオンに切り替わる。このため、第2スイッチ素子Q2は、ソフトスイッチングによりオンに切り替わる。このモードでは、漏れインダクタンス(インダクタL1)のエネルギを維持するために、一次巻線T11、第4スイッチ素子Q4、第2スイッチ素子Q2、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1を流す。
次に、図6Bに示すモードから図6Cに示すモードに移行すると、第4スイッチ素子Q4がオフに切り替わり、第3スイッチ素子Q3がオンに切り替わる。このモードに移行する際に、第3スイッチ素子Q3は、ボディダイオードD13が導通した後にオンに切り替わる。このため、第3スイッチ素子Q3は、ソフトスイッチングによりオンに切り替わる。
ここで、図5に示すように、一次巻線T11の第1端と電気的に接続される第1ラインと、基準電位点15との間には寄生容量C100が存在する。同様に、一次巻線T12の第2端と電気的に接続される第2ラインと、基準電位点15との間には寄生容量C101が存在する。これら寄生容量C100,C101の接続点を、以下、「共通電位点16」と称する。
この共通電位点16の電位は、図6Aに示すようにスイッチ素子Q1,Q4がオンの場合、第1入力点11の電位と第2入力点12の電位との中間電位となる。また、図6Cに示すようにスイッチ素子Q2,Q3がオンとなる場合も、共通電位点16の電位は、第1入力点11の電位と第2入力点12の電位との中間電位となる。一方、図6Bに示すようにスイッチ素子Q2,Q4がオンの場合、共通電位点16の電位は、第2入力点12の電位となる。また、図示しないが、位相シフト制御の過程においてスイッチ素子Q1,Q3がオンとなる場合、共通電位点16の電位は、第1入力点11の電位となる。つまり、制御回路400が位相シフト制御を実行することで、共通電位点16の電位が変動する。
上述のように、比較例のDC/DCコンバータ100では、変換回路2を構成するスイッチ素子Q1〜Q4をソフトスイッチングによりオンに切り替えることが可能である。しかしながら、このDC/DCコンバータ100では、上述のように、共通電位点16の電位が変動することにより、基準電位点15と共通電位点16との間の電圧(すなわち、入力側のコモンモード(同相)電圧)が変動するという問題がある。そして、このDC/DCコンバータ100では、入力側のコモンモード電圧の変動がノイズ源N1となり、トランスT1の寄生容量CP1,CP2等を介して、図5に示す4つの経路RT1〜RT4でノイズ電流が流れる虞がある。
ここで、変換回路2のスイッチ素子Q1〜Q4をソフトスイッチングによりオンに切り替えるには、次にオンに切り替えるスイッチ素子Q1〜Q4のボディダイオードD11〜D14に電流を流して導通させる必要がある。そして、ノイズ電流が流れないようにするには、ソフトスイッチングを行うまでの間、共通電位点16の電位が変動しないように漏れインダクタンス(インダクタL1)に蓄積されたエネルギを維持しなければならないという問題がある。
そこで、本実施形態のDC/DCコンバータ1は、クランプ回路5を備えることで上記の問題を解決している。つまり、本実施形態のDC/DCコンバータ1は、一次巻線T11及びクランプ回路5から形成される閉回路に一次側電流I1を流すことで、トランスT1の漏れインダクタンス(インダクタL1)に蓄積されたエネルギを維持している。このため、本実施形態のDC/DCコンバータ1は、共通電位点16の電位が変動しないように、漏れインダクタンス(L1)に蓄積されたエネルギを維持することができる。したがって、本実施形態のDC/DCコンバータ1では、位相シフト制御方式を採用することなく、変換回路2を構成するスイッチ素子Q1〜Q4のソフトスイッチングによりオンに切り替えることが可能である。
上述のように、本実施形態のDC/DCコンバータ1は、一次巻線T11と共に閉回路を形成するクランプ回路5を備えている。このため、本実施形態のDC/DCコンバータ1は、位相シフト制御方式を採用することなく、変換回路2を構成するスイッチ素子Q1〜Q4がオンに切り替わる際のスイッチング損失の低減を図ることができる。また、本実施形態のDC/DCコンバータ1は、クランプ回路5を備えることで、共通電位点16の電位を変動させることなく、トランスT1の漏れインダクタンス(インダクタL1)に蓄積されたエネルギを維持する。つまり、本実施形態のDC/DCコンバータ1は、比較例のDC/DCコンバータ100と比較して、変換回路2の入力側のコモンモード電圧の安定化を図ることができる。その結果、本実施形態のDC/DCコンバータ1は、変換回路2の入力側のコモンモード電圧の変動が抑制され、ノイズ電流が流れ難いという利点がある。
また、本実施形態のDC/DCコンバータ1は、コンデンサC1,C2の直列回路と、コンデンサC4,C5の直列回路とを備えており、コンデンサC1,C2の接続点と、コンデンサC4,C5の接続点とを回路グランドに電気的に接続している。つまり、本実施形態のDC/DCコンバータ1では、変換回路2の入力電圧V1の中間電位点と、出力回路3の出力電圧V2の中間電位点とは、共通する回路グランドに電気的に接続されている。したがって、本実施形態のDC/DCコンバータ1は、コモンモードノイズの基準電位点15(回路グランド)への流出を低減させることができる。なお、当該構成を採用するか否かは任意である。
ところで、本実施形態のDC/DCコンバータ1では、例えば第6モードから第7モードを経由して第8モードに移行する際に、クランプ回路5の第1スイッチQC1は、短期間でオン/オフを切り替えられる。この場合、クランプ回路5の消費電力PL1が増大する虞がある。以下、この点について図7A,図7Bを用いて説明する。なお、以下の説明では、クランプ回路5を流れる電流を「クランプ電流IC1」、クランプ回路5に印加される電圧を「クランプ電圧VC1」と称する。
すなわち、図7Bに示すように、第1スイッチQC1がターンオフする際に、クランプ電圧VC1が零電圧に達する前に第1スイッチQC1がターンオフする場合がある。この場合、クランプ電流IC1及びクランプ電圧VC1の両方が大きくなり、消費電力PL1が増大する場合がある。
そこで、本実施形態のDC/DCコンバータ1では、クランプ回路5は、図8Aに示すように、クランプ電流IC1を検知する電流検知回路51と、クランプ電圧VC1を検知する電圧検知回路52とを備えていてもよい。そして、制御回路4は、電流検知回路51及び電圧検知回路52の検知結果に基づいて、第1スイッチQC1をソフトスイッチングしてもよい。
図8Bに示す例では、制御回路4は、電圧検知回路52で検知されたクランプ電圧VC1が零電圧に達すると、第1スイッチQC1をオフに切り替えている。このため、クランプ電圧VC1が非常に小さくなることから、クランプ回路5の消費電力PL1を低減することができる。また、制御回路4は、電流検知回路51で検知されたクランプ電流IC1が零電流に達すると、第1スイッチQC1をオンに切り替えてもよい。この場合でも、クランプ電流IC1が非常に小さくなることから、クランプ回路5の消費電力PL1を低減することができる。
(実施形態2)
以下、本発明の実施形態2に係るDC/DCコンバータ1について説明する。なお、本実施形態のDC/DCコンバータ1において、実施形態1のDC/DCコンバータ1と共通する構成要素については適宜説明を省略する。本実施形態のDC/DCコンバータ1では、制御回路4は、以下の表2に示す第1モード〜第6モードを順に繰り返す第2制御を実行することで、変換回路2及びクランプ回路5を制御する。表2は、各モードにおけるスイッチ素子Q1〜Q4及びスイッチQC1,QC2の状態と、一次側電圧V11とを示している。また、スイッチ素子Q1〜Q4及びスイッチQC1,QC2のモード毎のオン/オフのタイミング、及び一次側電圧V11の波形を図9に示す。
以下、各モードについて図10A〜図10C,図11A〜図11Cを用いて具体的に説明する。図10A〜図10C,図11A〜図11Cにおいて、丸印で囲っているスイッチ素子(又はスイッチ)はオン状態を示し、丸印で囲っていないスイッチ素子(又はスイッチ)はオフ状態を示す。また、図10A〜図10C,図11A〜図11Cにおいて、点線の矢印は電流経路を示す。なお、図10A〜図10C,図11A〜図11Cでは、コンデンサC1,C2の図示を省略している。
第1モードでは、図10Aに示すように、スイッチ素子Q1,Q4及び第2スイッチQC2がオン状態にあり、スイッチ素子Q2,Q3及び第1スイッチQC1はオフ状態にある。このモードでは、直流電源DC1、第1スイッチ素子Q1、一次巻線T11、第4スイッチ素子Q4、直流電源DC1を順に通る経路で一次側電流I1が流れる。また、このモードでは、直流電源DC1の電源電圧が印加されることで、漏れインダクタンス(インダクタL1)にエネルギが蓄積される。
第1モードから第2モードに移行すると、図10Bに示すように、スイッチ素子Q1,Q4がオフに切り替わる。このモードでは、漏れインダクタンス(インダクタL1)にエネルギが蓄積されているので、一次巻線T11、第2スイッチQC2、ボディダイオードD21、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1が流れ続ける。つまり、このモードでは、一次巻線T11及びクランプ回路5から形成される閉回路に一次側電流I1が流れるので、漏れインダクタンス(インダクタL1)に蓄積されたエネルギが維持される。
第2モードから第3モードに移行すると、図10Cに示すように、第2スイッチQC2がオフに切り替わる。このモードでは、漏れインダクタンス(インダクタL1)に蓄積されたエネルギが残っているので、一次巻線T11、ボディダイオードD13、直流電源DC1、ボディダイオードD12、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1が流れる。このとき、一次側電圧V11が−E1〔V〕になり、スイッチ素子Q2,Q3のボディダイオードD12,D13が導通するため、スイッチ素子Q2,Q3に印加される電圧は、ほぼ零となる。
第3モードから第4モードに移行すると、図11Aに示すように、スイッチ素子Q2,Q3及び第1スイッチQC1がオンに切り替わる。ここで、第3モードにおいて、スイッチ素子Q2,Q3に印加される電圧がほぼ零となっているため、スイッチ素子Q2,Q3は、ソフトスイッチング(Zero Volt Switching:ZVS)によりオンに切り替わる。このモードでは、直流電源DC1、第3スイッチ素子Q3、一次巻線T11、第2スイッチ素子Q2、直流電源DC1を順に通る経路で一次側電流I1が流れる。つまり、第4モードでは、第1モードとは反対の向きに一次側電流I1が流れる。また、このモードでは、直流電源DC1の電源電圧が印加されることで、漏れインダクタンス(インダクタL1)にエネルギが蓄積される。
第4モードから第5モードに移行すると、図11Bに示すように、スイッチ素子Q2,Q3がオフに切り替わる。このモードでは、漏れインダクタンス(インダクタL1)にエネルギが蓄積されているので、一次巻線T11、第1スイッチQC1、ボディダイオードD22、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1が流れ続ける。つまり、このモードでは、一次巻線T11及びクランプ回路5から形成される閉回路に一次側電流I1が流れるので、漏れインダクタンス(インダクタL1)に蓄積されたエネルギが維持される。
第5モードから第6モードに移行すると、図11Cに示すように、第1スイッチQC1がオフに切り替わる。このモードでは、漏れインダクタンス(インダクタL1)に蓄積されたエネルギが残っているので、一次巻線T11、ボディダイオードD11、直流電源DC1、ボディダイオードD14、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1が流れる。このとき、一次側電圧V11がE1〔V〕になり、スイッチ素子Q1,Q4のボディダイオードD11,D14が導通するため、スイッチ素子Q1,Q4に印加される電圧は、ほぼ零となる。
第6モードから第1モードに移行すると、図10Aに示すように、スイッチ素子Q1,Q4がオンに切り替わる。ここで、第6モードにおいて、スイッチ素子Q1,Q4に印加される電圧がほぼ零となっているため、スイッチ素子Q1,Q4は、ソフトスイッチング(ここでは、Zero Volt Switching:ZVS)によりオンに切り替わる。以下、制御回路4は、第1モード〜第6モードを繰り返し実行する。
第2制御において、第1モード及び第4モードは、反転制御に相当する。また、第2モード及び第5モードは第1還流制御に相当し、第3モード及び第6モードは、第2還流制御に相当する。
上記のように制御回路4が第2制御を実行することで、一次側電圧V11は図9に示す波形となる。つまり、第2制御では、第1制御における第2モード、第6モードに相当する制御を省いている。言い換えれば、第2制御において、制御回路4は、反転制御を実行し、且つ反転制御を実行してから次回の反転制御を実行するまでの間に、第1還流制御と、第2還流制御とを実行している。
このため、本実施形態のDC/DCコンバータ1では、第1モードから第2モードに移行する際、及び第4モードから第5モードに移行する際に、一次側電圧V11の極性が反転することがない。つまり、本実施形態のDC/DCコンバータ1では、第1モードから第2モードに移行する際、及び第4モードから第5モードに移行する際に、ボディダイオードD11〜D14へ一次側電流I1を流さない。このため、本実施形態のDC/DCコンバータ1は、ボディダイオードD11〜D14が順方向状態から逆阻止状態に移行する際のリカバリー損失が生じないという利点がある。また、本実施形態のDC/DCコンバータ1は、第1モードから第2モードに移行する際、及び第3モードから第4モードに移行する際に、スイッチQC1,QC2をオフからオンに切り替える必要がないので、スイッチング損失を低減することができる。
(実施形態3)
以下、本発明の実施形態3に係るDC/DCコンバータ1について説明する。なお、本実施形態のDC/DCコンバータ1において、実施形態1のDC/DCコンバータ1と共通する構成要素については適宜説明を省略する。本実施形態のDC/DCコンバータ1では、制御回路4は、以下の表3に示す第1モード〜第6モードを順に繰り返す第3制御を実行することで、変換回路2及びクランプ回路5を制御する。表3は、各モードにおけるスイッチ素子Q1〜Q4及びスイッチQC1,QC2の状態と、一次側電圧V11とを示している。また、スイッチ素子Q1〜Q4及びスイッチQC1,QC2のモード毎のオン/オフのタイミング、及び一次側電圧V11の波形を図12に示す。
以下、各モードについて図13A〜図13D,図14A〜図14Dを用いて具体的に説明する。但し、第1モード(図13A参照)、第3モード(図13D参照)、第4モード(図14A参照)、第6モード(図14D参照)については、第2制御と同じであるので、ここでは説明を省略する。図13A〜図13D,図14A〜図14Dにおいて、丸印で囲っているスイッチ素子(又はスイッチ)はオン状態を示し、丸印で囲っていないスイッチ素子(又はスイッチ)はオフ状態を示す。また、図13A〜図13D,図14A〜図14Dにおいて、点線の矢印は電流経路を示す。なお、図13A〜図13D,図14A〜図14Dでは、コンデンサC1,C2の図示を省略している。
第1モードから第2−1モードに移行すると、図13Bに示すように、スイッチ素子Q1,Q4がオフに切り替わる。このモードでは、漏れインダクタンス(インダクタL1)にエネルギが蓄積されているので、一次巻線T11、第2スイッチQC2、ボディダイオードD21、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1が流れ続ける。つまり、このモードでは、ボディダイオードD21に一次側電流I1が流れているので、ボディダイオードD21において順方向電圧と順方向電流との積で表される損失が発生する。
第2−1モードから第2−2モードに移行すると、図13Cに示すように、第1スイッチQC1がオンに切り替わる。このため、このモードでは、一次巻線T11、第2スイッチQC2、第1スイッチQC1、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1が流れ続ける。つまり、このモードでは、クランプ回路5を同期整流させることで、ボディダイオードD21での損失を低減している。
第4モードから第5−1モードに移行すると、図14Bに示すように、スイッチ素子Q2,Q3がオフに切り替わる。このモードでは、漏れインダクタンス(インダクタL1)にエネルギが蓄積されているので、一次巻線T11、第1スイッチQC1、ボディダイオードD22、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1が流れ続ける。つまり、このモードでは、ボディダイオードD22に一次側電流I1が流れているので、ボディダイオードD22において順方向電圧と順方向電流との積で表される損失が発生する。
第5−2モードから第6モードに移行すると、図14Cに示すように、第2スイッチQC2がオンに切り替わる。このため、このモードでは、一次巻線T11、第1スイッチQC1、第2スイッチQC2、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1が流れ続ける。つまり、このモードでは、クランプ回路5を同期整流させることで、ボディダイオードD22での損失を低減している。
第3制御において、第1モード及び第4モードは、反転制御に相当する。また、第2−1モード及び第2−2モード、並びに第5−1モード及び第5−2モードは、第1還流制御に相当する。また、第3−1モード及び第3−2モード、並びに第6−1モード及び第6−2モードは、第2還流制御に相当する。
上述のように、本実施形態のDC/DCコンバータ1では、制御回路4は、第1還流制御において、クランプ回路5を同期整流させている。言い換えれば、第3制御において、制御回路4は、閉回路を閉成する際に、2つのスイッチQC1,QC2を同期整流させている。このため、本実施形態のDC/DCコンバータ1は、クランプ回路5を構成するスイッチQC1,QC2のボディダイオードD21,D22での損失を低減することができる。なお、第2−1モードの期間は、ボディダイオードD21での損失を小さくするために、第2−2モードの期間よりも短くするのが好ましい。同様に、第5−1モードの期間は、ボディダイオードD22での損失を小さくするために、第5−2モードの期間よりも短くするのが好ましい。
ところで、第3制御では、第2−2モードから第3モードに移行する際、及び第5−2モードから第6モードに移行する際に、第1スイッチQC1及び第2スイッチQC2の両方をオフに切り替えているが、他の制御であってもよい。すなわち、制御回路4は、以下の表4に示す第1モード〜第6モードを順に繰り返す第4制御を実行することで、変換回路2及びクランプ回路5を制御してもよい。表4は、各モードにおけるスイッチ素子Q1〜Q4及びスイッチQC1,QC2の状態と、一次側電圧V11とを示している。また、スイッチ素子Q1〜Q4及びスイッチQC1,QC2のモード毎のオン/オフのタイミング、及び一次側電圧V11の波形を図15に示す。
以下、各モードについて図16A〜図16D,図17A〜図17Dを用いて具体的に説明する。但し、第1モード(図16A参照)、第2−1モード(図16B参照)、第2−2モード(図16C参照)については、第3制御と同じであるので、ここでは説明を省略する。同様に、第4モード(図17A参照)、第5−1モード(図17B参照)、第5−2モード(図17C参照)についても、第3制御と同じであるので、ここでは説明を省略する。
図16A〜図16D,図17A〜図17Dにおいて、丸印で囲っているスイッチ素子(又はスイッチ)はオン状態を示し、丸印で囲っていないスイッチ素子(又はスイッチ)はオフ状態を示す。また、図16A〜図16D,図17A〜図17Dにおいて、点線の矢印は電流経路を示す。なお、図16A〜図16D,図17A〜図17Dでは、コンデンサC1,C2の図示を省略している。
第2−2モードから第3モードに移行すると、図16Dに示すように、第2スイッチQC2がオフに切り替わる。このモードでは、漏れインダクタンス(インダクタL1)に蓄積されたエネルギが残っているので、一次巻線T11、ボディダイオードD13、直流電源DC1、ボディダイオードD12、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1が流れる。このとき、一次側電圧V11が−E1〔V〕になり、スイッチ素子Q2,Q3のボディダイオードD12,D13が導通するため、スイッチ素子Q2,Q3に印加される電圧は、ほぼ零となる。
第5−2モードから第6モードに移行すると、図17Dに示すように、第1スイッチQC1がオフに切り替わる。このモードでは、漏れインダクタンス(インダクタL1)に蓄積されたエネルギが残っているので、一次巻線T11、ボディダイオードD11、直流電源DC1、ボディダイオードD14、一次巻線T11を順に通る経路で一次側電流I1が流れる。このとき、一次側電圧V1がE1〔V〕になり、スイッチ素子Q1,Q4のボディダイオードD11,D14が導通するため、スイッチ素子Q1,Q4に印加される電圧は、ほぼ零となる。
第3制御では、図12に示すように、第2−2モードから第4モードまでの期間において、第1スイッチQC1をオン、オフ、オンと切り替える必要がある。同様に、第3制御では、図12に示すように、第5−2モードから第1モードまでの期間において、第2スイッチQC2をオン、オフ、オンと切り替える必要がある。これは、第3モード及び第6モードにおいて、スイッチQC1,QC2の両方をオフに切り替えることで、変換回路2に一次側電流I1を流しているためである。このように、第3制御では、第1スイッチQC1及び第2スイッチQC2のオン/オフを短期間で繰り返して切り替える必要がある。このため、第1スイッチQC1及び第2スイッチQC2として、高速動作が可能な素子を用いなければならず、コストが増大する虞がある。
一方、第4制御では、図15に示すように、第2−2モードから第4モードまでの期間において、第1スイッチQC1のオン/オフを切り替える必要がない。同様に、第4制御では、図15に示すように、第5−2モードから第1モードまでの期間において、第2スイッチQC2のオン/オフを切り替える必要がない。これは、第3モード及び第6モードにおいて、スイッチQC1,QC2の何れか一方のみをオフに切り替えることで、変換回路2に一次側電流I1を流しているためである。言い換えれば、第4制御において、制御回路4は、閉回路を開成する際に、2つのスイッチQC1,QC2のうち何れか1つをオン状態に維持している。つまり、第4制御では、第1スイッチQC1及び第2スイッチQC2のオン/オフを短期間で切り替える必要がない。このため、第1スイッチQC1及び第2スイッチQC2として、低速動作の素子を用いることができるため、コストを低減することが可能である。
ところで、上記の実施形態1〜3のDC/DCコンバータ1では、クランプ回路5は、第1スイッチQC1と第2スイッチQC2とを直列に電気的に接続した構成であるが、他の構成であってもよい。例えば、クランプ回路5は、図18A〜図18Dに示すように、第1スイッチQC1と第2スイッチQC2とを並列に電気的に接続して構成されていてもよい。言い換えれば、2つのスイッチQC1,QC2は、変換回路2の一対の出力点の間に並列に電気的に接続されていてもよい。図18Aに示すクランプ回路5では、第1スイッチQC1及びダイオードD51の直列回路と、第2スイッチQC2及びダイオードD52の直列回路とが並列に電気的に接続されている。また、図18Bに示すクランプ回路5では、図18Aに示すクランプ回路5と比較して、第1スイッチQC1とダイオードD51との位置関係が逆であり、且つ第2スイッチQC2とダイオードD52との位置関係が逆である。図18Cに示すクランプ回路5では、図18Aに示すクランプ回路5と比較して、スイッチQC1,QC2がnチャネルのエンハンスメント型MOSFETに置き換えられている。また、図18Dに示すクランプ回路5では、図18Bに示すクランプ回路5と比較して、スイッチQC1,QC2がnチャネルのエンハンスメント型MOSFETに置き換えられている。
上記の構成では、スイッチQC1,QC2と、ダイオードD51,D52とを各々個別に選定することが可能である。また、上記の構成では、スイッチQC1,QC2を直列に電気的に接続した構成と比較して、ボディダイオードD21,D22の逆回復時間における損失が小さくて済む。
また、クランプ回路5は、例えば図19A〜図19Cに示すように、第1スイッチQC1と第2スイッチQC2とを直列に電気的に接続して構成されていてもよい。言い換えれば、2つのスイッチQC1,QC2は、変換回路2の一対の出力点の間に直列に電気的に接続されていてもよい。図19Aに示すクランプ回路5では、図1に示すクランプ回路5と比較して、第1スイッチQC1と第2スイッチQC2との位置関係が逆である。また、図19Bに示すクランプ回路5では、図1に示すクランプ回路5と比較して、スイッチQC1,QC2がnチャネルのエンハンスメント型MOSFETに置き換えられている。また、図19Cに示すクランプ回路5では、図19Bに示すクランプ回路5と比較して、第1スイッチQC1と第2スイッチQC2との位置関係が逆である。
上記の構成では、図18A〜図18Dに示すクランプ回路5と比較して、ダイオードD51,D52が不要となるため、回路を構成する素子数が少なくて済む。また、上記の構成では、実施形態3のDC/DCコンバータ1の説明でも述べたように、クランプ回路5を同期整流させることができるので、損失を低減することが可能である。更に、上記の構成では、例えば電流検知回路51が必要な場合に、電流の流れる経路が1つであるので、電流検知回路51が1つで済む。
特に、図19Aに示すクランプ回路5では、図20に示すように、2つのスイッチQC1,QC2のエミッタは、それぞれ変換回路2の4つのスイッチ素子Q1〜Q4の何れかのエミッタに電気的に接続される。また、4つのスイッチ素子Q1〜Q4及び2つのスイッチQC1,QC2は、それぞれIGBTから成る。ここでは、第1スイッチQC1のエミッタが第3スイッチ素子Q3のエミッタに電気的に接続され、第2スイッチQC2のエミッタが第1スイッチ素子Q1のエミッタに電気的に接続される。
ここで、駆動信号G1〜G6は、図20に示すように、それぞれドライブ回路61〜66で増幅してからスイッチ素子Q1〜Q4及びスイッチQC1,QC2に与えられる。そして、スイッチ素子Q1〜Q4及びスイッチQC1,QC2の各々のゲート−エミッタ間に電圧を印加する必要があるため、ドライブ回路61〜66は、スイッチ素子Q1〜Q4及びスイッチQC1,QC2のエミッタ電位を基準電位とする駆動電源が必要となる。
図20に示す構成では、第1スイッチ素子Q1及び第2スイッチQC2の各々のエミッタ電位は、共通する第1エミッタ電位EP1となる。また、第2スイッチ素子Q2及び第4スイッチ素子Q4の各々のエミッタ電位は、共通する第2エミッタ電位EP2となる。また、第3スイッチ素子Q3及び第1スイッチQC1の各々のエミッタ電位は、共通する第3エミッタ電位EP3となる。したがって、この構成では、第1エミッタ電位EP1を基準電位とする第1駆動電源PS1により、第1ドライバ回路61及び第6ドライバ回路66を駆動することができる。また、この構成では、第2エミッタ電位EP2を基準電位とする第2駆動電源PS2により、第2ドライバ回路62及び第4ドライバ回路64を駆動することができる。また、第3エミッタ電位EP3を基準電位とする第3駆動電源PS3により、第3ドライバ回路63及び第5ドライバ回路65を駆動することができる。
上述のように、この構成では、スイッチ素子Q1〜Q4及びスイッチQC1,QC2毎に専用の駆動電源を設ける必要がないため、駆動電源の数を低減して回路の小型化を図ることができる。また、この構成では、駆動電源の数を低減できることから、製造コストの低減も図ることができる。なお、図18Bに示すクランプ回路5でも、2つのスイッチQC1,QC2のエミッタを、それぞれ変換回路2の4つのスイッチ素子Q1〜Q4の何れかのエミッタに電気的に接続することで、同様の効果を奏することができる。また、図18C,図18Bに示すクランプ回路5でも、2つのスイッチQC1,QC2のソースを、それぞれ変換回路2の4つのスイッチ素子Q1〜Q4の何れかのエミッタに電気的に接続することで、同様の効果を奏することができる。
その他、クランプ回路5は、図21に示すように、双方向スイッチ素子QC3により構成されていてもよい。双方向スイッチ素子QC3は、例えば窒化ガリウム(GaN)系半導体素子で構成される。この構成では、クランプ回路5を構成する素子の数を減らすことができ、クランプ回路5の簡素化及び小型化を図ることができる。
また、本実施形態のDC/DCコンバータ1では、図22に示すように、クランプ回路5は、電流検知回路51を備えていてもよい。そして、制御回路4は、電流検知回路51で検知されたクランプ電流IC1の電流値が一定値を超えると、スイッチQC1,QC2をオフに切り替えてもよい。この構成では、クランプ回路5に過大な電流が流れる場合に、クランプ回路5の動作を停止させることができる。したがって、この構成では、クランプ回路5を構成する素子の保護を図るとともに、DC/DCコンバータ1の回路全体の保護を図ることができる。