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JP6259372B2 - ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 - Google Patents
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ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 Download PDF

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本発明は、ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置に関する。
液晶表示装置やプラズマディスプレイ装置などのフラットパネルディスプレイの表示部の部品として平らなガラス板が使用される。以下の説明では、このようなガラス板をフラットパネルディスプレイ用ガラス基板、あるいは単にガラス基板という。例えば、液晶表示装置においては、ガラス基板の間に封入された液晶に印加される電界を変化させ、液晶の配向を変化させることにより、動画の表示が可能になる。液晶表示装置の画像の表示の際に電界を変化させる必要があるため、ガラス基板には、電圧を印加するための透明な電極が形成される。また、ガラス基板上の電極に印加される電圧のオン・オフを制御するため、高品質な表示が必要なテレビ受像機などに用いられる液晶表示装置では、薄膜トランジスタ(TFT)を使ったアクティブ・マトリクス方式の制御が採用されている。このTFTもガラス基板上に形成される。このように、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板のガラス面上に、極めて薄い金属膜や半導体によって電極やアクティブな素子が形成されるため、ガラス基板のガラス表面には、極めて高い平坦性と極めて高い清浄性が要求される。
ところで、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板は、例えば、液晶表示装置に用いられるもの(以下、液晶用ガラス基板という)であれば、薄い長方形の板状の形態を呈する。液晶用ガラス基板は、通常、厚みが0.5mm〜0.7mm程度と1mmよりも薄く、年々大型化の要求が高まってきている。液晶用ガラス基板は、一つの液晶表示装置に必要な大きさのガラス基板の複数枚の大きさに相当する大きさを持つマザーガラスと呼ばれる形態で、液晶表示装置の製造工程に供給される。このマザーガラスの大きさは、慣用的に世代という呼び方で表現され、例えば、第6世代のマザーガラスの大きさは、1500mm×1850mmである。マザーガラスは、板状に成形されたガラス板を所定の大きさに切断することにより得られる。そして、ガラス板の切断時に生じた汚れや切り屑などを取り除くために、マザーガラスである液晶用ガラス基板の洗浄が必要になる。
このような状況で行われる液晶用ガラス基板のガラス表面の洗浄においては、純水、界面活性剤などの洗剤、および、フッ素化合物などの、種種の液体が用いられる。ガラス表面の洗浄に用いた液体は、噴出気流によって除去され、洗浄工程を終了した後、検査工程などを経て出荷されるが、製品となった液晶ガラス基板の表面にウォーターマークとよばれるかすかな痕跡が残ることがある。このようなウォーターマークが発生すると、ウォーターマークが原因でガラス基板上に形成される電極や素子に不良が生じ、液晶表示装置の故障の原因となる。また、液晶表示に必要な部材が液晶用ガラス基板上に形成される際にも洗浄が行われるが、このような場合に行われる洗浄においても、ウォーターマークの発生の問題が生じる。
そこで、ウォーターマークの発生を防止するため、例えば特許文献1に記載されているように、従来からエアーナイフなどの薄い平面状の噴出気流によって、洗浄後の液晶用ガラス基板のガラス表面から洗浄に用いた洗剤などの液体を除去することが行われている。
特開2009−6299号公報
しかし、洗浄に用いた洗剤などの液体を噴出気流によってガラス表面から除去しても、液体が気流に乗って舞い上がり、液体がガラス基板に再付着する場合があり、ウォーターマークの発生を防止できないことがあった。
そこで本発明は、噴出気流によって除去した液体がガラス基板に再付着するのを防止できるガラス基板の製造方法及びガラス基板の製造装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、液晶ディスプレイ用のガラス基板の製造方法であって、
前記ガラス基板に対して洗浄剤を供給して洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄工程で前記ガラス基板の表面に付着した洗浄剤をリンス液により除去する除去工程と、
前記除去工程で洗浄液を除去したガラス基板の表面に付着したリンス液に、噴出気流を供給して乾燥させて除去する乾燥工程と、
前記乾燥工程で乾燥させたガラス基板を検査する検査工程と、を備え、
前記乾燥工程において前記噴出気流により除去されたリンス液が、前記検査工程が行われる領域から前記乾燥工程が行われる領域に向かって生じる気流により舞い上げられることが抑制されるよう気圧を制御する、
ことを特徴とする。
前記検査工程が行われる領域では、前記乾燥工程が行われる領域より気圧が高くなるよう調整され、前記検査工程が行われる領域で生じた気流は、前記乾燥工程が行われる領域に流れる前に、前記検査工程が行われる領域から排出される、ことも可能である。
前記リンス液は、前記噴出気流に乗って流されて、前記検査工程が行われる領域から排出される、ことも可能である。
本発明の他の態様は、液晶ディスプレイ用のガラス基板の製造装置であって、
前記ガラス基板に対して洗浄剤を供給して洗浄する洗浄槽と、
前記洗浄槽により前記ガラス基板の表面に付着した洗浄剤をリンス液により除去する除去槽と、
前記除去槽により洗浄液を除去したガラス基板の表面に付着したリンス液に、噴出気流を供給して乾燥させて除去する乾燥槽と、
前記乾燥槽により乾燥させたガラス基板を検査する検査装置と、を備え、
前記乾燥槽が供給した前記噴出気流により除去されたリンス液が、前記検査装置から前記乾燥槽に向かって生じる気流により舞い上げられることが抑制されるよう気圧を制御する、
ことを特徴とする。
本発明によれば、噴出気流によって除去した液体がガラス基板に再付着するのを防止して、ウォーターマークの発生を抑制できる
本実施形態のガラス基板の製造方法の概要を説明するためのフローチャートである。 ガラス基板の洗浄の工程を説明するための概略平面図である。 ガラス基板の洗浄の工程を説明するための概略側面図である。 (a)は、従来のエアーの流れ説明するための概略図であり、(b)は、本実施形態のエアーの流れ説明するための概略図である。
<ガラス基板の製造工程の概要>
図1には、マザーガラスの状態の液晶用ガラス基板が、原料の溶融からガラス表面に加工を施す次の工程に供給されるまでの工程の概略が示されている。図1の溶解・成形工程S1では、まず、原料となるケイ砂などの種々の粉体が秤量・混合されて、溶融炉に投入される。この粉体が、高温溶融炉の中で熔かされてガラス溶融液になる。その後、泡抜き・攪拌などによって均質化されたガラス溶融液が板状に成形される。板状に成形されたガラスが、冷めてから規定寸法に切断されて素板になる。
切断工程S2では、液晶表示装置の製造に適した大きさにするため、素板がさらに切断される。この素板から切り出されたガラス基板がマザーガラスの寸法に一致する。次の面取り工程S3では、切り出されたガラス基板が、その切り口を滑らかにするために研磨される。ガラス基板の端面の研削および研磨、端面のエッチング等の端面加工処理が行われる。次の洗浄工程S4では、洗浄によって、ガラス基板のガラス表面の微細な異物や汚れが取り除かれる。そして、次の検査工程S5では、泡や傷などの微細な欠陥の有無の検査が行われ、液晶表示装置に使用できないものが不良品として取り除かれ、良品がマザーガラスとなる。検査工程S5の詳細については後述する。その後、例えば遠隔地の他の工場でマザーガラスのガラス表面に加工を施すなどの場合、マザーガラスが輸送可能な形態に梱包されて輸送される。
フラットパネルディスプレイ用ガラス基板の洗浄は、ガラス基板の製造工程から始まってフラットパネルディスプレイの製造工程が終了するまでの様々な場面で登場する。図1に示したガラス基板の製造工程では、洗浄工程S4で洗浄が実施されている。
洗浄においては、ガラス表面に付着する様々な汚れを除去するため、種々の洗浄液が用いられる。そして、一般に、洗浄液として中性洗剤などの洗浄液で洗浄された後、最後の段階で、純水などの析出物の発生しない液体がリンス液として用いられてガラス基板のすすぎが行われる。
マザーガラスやフラットパネルディスプレイ用ガラス基板など所定の形状に切断された比較的大きなガラス板を洗浄する場合、ガラス板が破損しないように、かつガラス板の全体が洗浄されるように、搬送しながら洗浄液に暴露されるのが一般的である。従って、洗浄に関していえば、基本的な取り扱いはマザーガラスやフラットパネルディスプレイ用ガラス基板などの比較的大きなガラス板において共通する。そのため、以下の説明では、マザーガラスやフラットパネルディスプレイ用ガラス基板など所定の形状に切断されたガラス板をガラス基板と呼び、共通する洗浄方法や洗浄装置の構造について説明する。
<ガラス基板の組成>
ガラス基板(ガラスシート)は、例えば、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の製造に用いられるガラスである。このガラス基板は、ブラックマトリックス、および、赤色(R)・緑色(G)・青色(B)の光を透過させる波長選択素子であるRGB画素が表面に配置されることで、カラーフィルタが形成される。ブラックマトリックスは、RGB画素領域以外におけるバックライトの光漏れを遮断し、互いに隣接するRGB画素の混色を防止することで、表示コントラストを向上させる。すなわち、カラーフィルタにおける光の通過領域は、ブラックマトリックスの形状および配置により決定される。ガラス基板の厚みは、例えば、0.1mm〜0.7mmである。ガラスシートのサイズは、例えば、680mm×880mm(G4サイズ)、2200mm×2500mm(G8サイズ)である。
FPDの製造に用いられるガラス基板は、無アルカリガラス、または、微アルカリガラスが好適である。ガラスシートが無アルカリガラスである場合、ガラスの組成は、例えば、SiO:50質量%〜70質量%、Al:0質量%〜25質量%、B:1質量%〜15質量%、MgO:0質量%〜10質量%、CaO:0質量%〜20質量%、SrO:0質量%〜20質量%、BaO:0質量%〜10質量%である。ここで、MgO、CaO、SrOおよびBaOの合計の含有量は、5質量%〜30質量%である。
ガラス基板が、微量のアルカリ金属を含む微アルカリガラスである場合、ガラスの組成は、さらに、0.1質量%〜0.5質量%のR’Oを含み、好ましくは、0.2質量%〜0.5質量%のR’Oを含む。ここで、R’は、Li、NaおよびKから選択される少なくとも1種である。なお、R’Oの含有量の合計は、0.1質量%未満であってもよい。
また、ガラス基板は、上記成分に加えて、SnO:0.01質量%〜1質量%(好ましくは、0.01質量%〜0.5質量%)、Fe:0質量%〜0.2質量%(好ましくは、0.01質量%〜0.08質量%)をさらに含有してもよく、環境負荷を考慮して、As、SbおよびPbOを実質的に含有しなくてもよい。
<ガラス基板の洗浄の概要>
一般に、ガラス基板のガラス表面を最も清浄に仕上げなければならない工程の一つである、マザーガラスの洗浄工程においては、噴出気流によるガラス表面からの洗剤やリンス液の除去が行われる。そのため、以下のフラットパネルディスプレイ用ガラス基板の洗浄工程の説明においては、マザーガラスの出荷前の洗浄工程を例に挙げて説明する。しかし、本発明は、マザーガラスの出荷前の洗浄工程に限定されるものではなく、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板の製造工程から始まってフラットパネルディスプレイの製造工程が終了するまでの様々な場面の洗浄工程に適用できるものであり、以下の実施形態に限定されるものではない。
上述の洗浄工程S4では、図2に示すように、洗剤槽T1において洗剤による複数回の洗浄が行われた後、この洗剤を洗い流すため純水槽T2においてリンス液による洗浄が行われる。その後、乾燥槽T3においてガラス基板3の乾燥が行なわれる。
ガラス基板3は、洗浄される際に、平行に配置された複数の搬送ローラー5によって搬送されながら、洗浄装置100の3つの槽すなわち洗剤槽(洗浄槽)T1、純水槽(除去槽、リンス槽)T2及び乾燥槽T3を通過する。ガラス基板3を液体で濡らして、噴出気流で液体を除去するという作業を行なうことは、洗剤槽T1と純水槽T2において共通する。
そこで、図3には、説明を簡単にするために、ガラス基板洗浄のための種々の工程のうち、洗剤槽T1におけるガラス基板3の1回の洗浄の工程と、乾燥槽T3における乾燥工程を示す。すなわち、図3には、洗剤によってガラス基板3を洗う洗剤槽T1の洗浄工程Pr1と、噴出気流によってガラス基板3上の洗剤を除去する洗剤槽T1の除去工程(リンス工程)Pr2と、乾燥槽T3において噴出気流によってガラス基板3の表面に残った純水を乾燥させる乾燥工程Pr3と、乾燥させたガラス基板3を検査する検査工程Pr4とが示されており、その他の工程が省かれている。
図2及び図3に示す工程に先だって、噴出気流を調整する噴出気流調整工程がある。噴出気流調整工程では、洗剤槽T1及び純水槽T2の除去工程や乾燥槽T3の乾燥工程で用いられる噴出気流が調整される。噴出気流調整工程は、均一な風速の噴出気流を調整するための風速測定と風速調節とを含む工程である。そして、噴出気流を調整するための調節が一度行われた後は、再度調節が必要になるまでの間に、洗浄工程、除去工程、乾燥工程、検査工程が繰り返し行われる。
また、噴出気流調整工程以外に、例えばガラス基板3を搬入したり搬出したりする工程などが図2及び図3から省かれているが、これらの省かれている周知の工程は必要に応じて噴出気流調整工程、洗浄工程、除去工程、乾燥工程及び検査工程と適宜組み合わされるものである。
図3に示す洗浄工程Pr1では洗浄が行われ、除去工程Pr2では洗剤の除去が行われ、乾燥工程Pr3では純水の乾燥が行われる。各工程には、複数の搬送ローラー5によってガラス基板3が搬送される。それぞれの搬送ローラー5は、中心軸の周りを同じ方向に同じ速度で回転している。また、それぞれの搬送ローラー5は、中心軸が水平な同一平面上に並ぶように配置されており、同じ径を有している。そのため、ガラス基板3は、搬送ローラー5によって、同じ速度で滑らかに水平に搬送される。ガラス基板3が搬送される速度は、例えば3m/min〜15m/minの間から選択される一定の値である。
まず、最初の洗浄工程Pr1には、ガラス基板3の表面に洗剤を吹きかけるためのシャワーノズル4が配置されている。シャワーノズル4は、ガラス基板3が通過する領域の幅よりも広い幅に亘って水平に設置されている。シャワーノズル4は、ガラス基板の幅方向に洗剤を吹きかける。
洗浄工程Pr1においては、ガラス基板3の表面は洗剤液で濡れている。また、図示しない洗浄ブラシなどによって、洗剤液で濡れたガラス基板3上をブラッシングすることで、ガラス基板3の表面の汚れを除去する。
洗浄工程Pr1では、例えば、界面活性剤が添加された無機アルカリ系の洗浄剤を用いて、ガラス基板3(ガラスシート)表面の洗浄が行われる。無機アルカリ系の洗浄剤は、市販のガラスシート用洗浄液を水で希釈して得られた希釈液に、アルカリ成分を添加することで生成される。ガラスシート用洗浄液としては、例えば、パーカーコーポレーション社製のPK−LCGシリーズ、あるいは、横浜油脂工業株式会社製のセミクリーンシリーズ等が用いられる。ガラスシート用洗浄液は、例えば、1wt%〜5wt%の濃度になるように、水で希釈される。希釈液のアルカリ成分の濃度は、水酸化カリウム(KOH)の濃度に換算して、例えば、0.02wt%〜0.15wt%である。洗浄剤を希釈するための水は、イオン交換処理、EDI(Electrodeionization)処理、逆浸透膜(RO膜)によるフィルタ処理、および、脱炭酸ガス装置を通した脱炭酸ガス処理を施した純水または超純水であることが、ガラスシート表面を清浄に保つ点で好ましい。また、溶解性の有機物を除去するために、水を活性炭に通す処理を行うことが好ましい。具体的には、フィルタを用いて微粒子等の異物を水から除去し、次に、水を活性炭に通して有機物を除去し、次に、イオン交換処理、EDI処理、逆浸透膜によるフィルタ処理、および、脱炭酸ガス装置を通した脱炭酸ガス処理を施すことが好ましい。イオン交換処理では、水に含まれるイオン性物質、例えば、塩素イオンやナトリウムイオン等を、イオン交換樹脂膜を用いて水から除去する。EDI処理では、イオン交換樹脂膜を用い、かつ、電極に電位を与えて形成された電位勾配を利用して、イオン性物質を高い精度で水から除去する。逆浸透膜によるフィルタ処理では、イオン性物質、塩類および有機物を水から除去する。脱炭酸ガス処理では、脱炭酸ガス装置を用いて炭酸ガスを水から除去する。
本実施形態では、ガラスシート用洗浄液の希釈液に、KOH、NaOH、ETDA−4Na、ETDA−4K、Na4P2O7およびK4P2O7からなる群から選択される1種以上のアルカリ成分が添加されて、洗浄工程で用いられる洗浄剤が生成される。この洗浄剤のアルカリ成分の濃度は、水酸化カリウム(KOH)の濃度に換算して、1wt%以上である。上記のアルカリ成分は、他のアルカリ成分と比較して、ガラスに対するエッチング性が高く、かつ、溶解性に優れている。特に、エッチング性、溶解性、および、ガラスシートに形成される薄膜トランジスタに対する悪影響を防止する観点から、アルカリ成分としてKOHを単独で用いることが好ましい。また、KOHおよびNaOHは、他のアルカリ成分と比較して、排水処理の点で有利である。
なお、洗浄工程で用いられる洗浄剤は、アルカリ成分の濃度が高いほど、ガラスシートから異物を除去する洗浄力が強い。しかし、アルカリ成分の濃度が高すぎると、ガラスシートの洗浄装置が腐食して、洗浄剤中に結晶が生成される等の問題が生じる。そのため、洗浄剤のアルカリ成分の濃度は10wt%を超えないことが好ましい。また、洗浄剤の取り扱いを容易にするために、洗浄剤のアルカリ成分の濃度は5wt%を超えないことがより好ましい。
次の除去工程Pr2では、ガラス基板3の表面に載っている洗剤を除去するためにエアー噴出装置1が用いられる。エアー噴出装置1は、ガラス基板3が通過する領域の幅よりも広い幅に亘って水平に設置されている。また、エアー噴出装置1によって形成される噴出気流は、エアー噴出装置1の長手方向に沿って直線状であり、平面視においてガラス基板3の進行方向に対して直交する方向に噴射される(図2参照)。さらに、噴出気流は、側面視においてガラス基板3の進行方向とのなす角が鋭角になるように斜めに噴出される(図3参照)。つまり、ガラス基板3が搬送されてくる方向に向かってエアーが噴射されるように、噴出気流が調整される。このときの側面から見た噴出気流の角度については、エアー噴出装置1の説明の際に述べる。そして、搬送されてくるガラス基板3が噴出気流の形成領域を通過するか否かに関わらず、常に一定の風速でエアー噴出装置1から噴出気流が噴射される。
搬送ローラー5によるガラス基板3の搬送に伴ってガラス基板3が噴出気流に対して相対的に移動する。それにより、ガラス基板3の端部から順にガラス基板3の上の洗剤が噴出気流によって削ぎ落とされる。
後に、ガラス基板の表面上にウォーターマークが発生しないようにするために洗浄工程Pr2において重要な点は、ガラス基板3の表面の洗剤が、均一に除去されることである。ウォーターマークは、ガラス基板3の表面に残留している洗剤の成分が、乾燥工程Pr3後のガラス基板3の表面に不均一に残留することによって発生するムラである。
次の乾燥工程Pr3では、ガラス基板3を乾燥させるためにエアー噴出装置2が用いられる。純水槽T2の除去工程において、純水は除去されるが、分子レベルで完全に除去されるものではない。そこで、純水槽T2の除去工程の直後に乾燥工程Pr3が設けられており、純水が、エアー噴出装置2によって完全に乾燥して除去される。
エアー噴出装置2は、ガラス基板3が通過する領域の幅よりも広い幅に亘って水平に設置されている。また、エアー噴出装置2によって形成される噴出気流も、エアー噴出装置2の長手方向に沿って直線状であり、平面視においてガラス基板3の進行方向に対して斜めになるように配置される(図2参照)。さらに、噴出気流は、側面視においてガラス基板3の進行方向とのなす角が鋭角になるように斜めに形成される(図3参照)。すなわち、エアー噴出装置1およびエアー噴出装置2は、共に、ガラス基板3が搬送されてくる方向に向かってエアーを噴射する。
なお、上述の説明では、純水槽T2のシャワーノズル4によるリンス液(純水)の供給及びエアー噴出装置2によるリンス液の除去については、洗剤槽T1のシャワーノズル4及びエアー噴出装置1による洗剤の供給と除去と同じであることから説明を省いている。
乾燥工程Pr3では、搬送ローラー5による搬送ではなく、基板浮上ユニット6を用いてガラス基板3を浮上させて、非接触の状態でガラス基板3が搬送される。基板浮上ユニット6は、ガラス基板3の下面にエアー(気体)を吹き付けてガラス基板3を水平に浮上させる。基板浮上ユニット6は、ガラス基板3に吹き付ける方向とエアー量とを調整しながら、ガラス基板3が搬送方向D1に向かうようにガラス基板3の位置を制御する。乾燥工程Pr3では、エアー噴出装置2がガラス基板3の上面に噴射するエアーの速度は、ガラス基板3に付着した純水(液体)を確実に除去できるように、一定速度以上に固定されている。また、ガラス基板3の水平が保たれるように、基板浮上ユニット6が噴射するエアーの量及び速度とエアー噴出装置2が噴射するエアーの量及び速度とのバランスが調整されているため、エアー噴出装置2が噴射するエアーの量及び速度を可変すると、ガラス基板3の水平を保った状態でガラス基板3を搬送することが困難と場合がある。このため、エアー噴出装置2が噴射するエアーの量及び速度が一定の値に固定されて、ガラス基板3と基板浮上ユニット6との距離が一定になるように、つまり、ガラス基板3の水平が保たれるように、ガラス基板3が搬送される。
また、乾燥工程Pr3では、乾燥工程Pr3が行われる領域が、ガラス基板3を乾燥工程Pr3に搬入する部分及び乾燥工程Pr3から搬出する部分を除いて、仕切られている。乾燥工程Pr3の領域を仕切り部10により仕切ることにより、エアー噴出装置2及び基板浮上ユニット6から噴出するエアーの乱れを防ぐことができる。また、他の工程で発生した粉塵、洗浄装置100が設置された室内に存在する粉塵などが、乾燥工程Pr3にあるガラス基板3に付着するのを防ぐことができる。
次の検査工程Pr4では、検査装置7を用いて、洗浄及び乾燥が終わったガラス基板3が検査される。検査装置7は、水平状態に支持されたガラス基板3の表面に存在する欠陥を光学的に検査する装置である。ガラス基板3は、基板浮上ユニット6により水平状態に支持された状態で検査され、下流にある搬送工程に送られる。検査工程Pr4の検査に合格したガラス基板3は、ガラス基板3の表面を保護するための合紙と交互に積層された積層体として、パレットに載置されて梱包される。梱包されたガラスシートの積層体は、FPDの製造業者の納入先に出荷される。出荷されるガラス基板3の積層体に挟み込まれる合紙は、ガラス基板3の表面に、合紙に由来する異物が付着することを防止する観点から、再生紙を含まないパルプ紙が用いられる。切断工程から検査工程、梱包工程までを経て、ガラス基板3が出荷される。
また、検査工程Pr4では、検査工程Pr4が行われる領域が、ガラス基板3を検査工程Pr4に搬入する部分及び検査工程Pr4から搬出する部分を除いて、仕切られている。領域を仕切る方法は、ガラス基板3を搬入搬送、搬出搬送できればよく、例えば、樹脂カーテン、エアーカーテン等、任意の方法で仕切ることができる。検査工程Pr4の領域を仕切り部11により仕切ることにより、基板浮上ユニット6から噴出するエアーの乱れを防ぐことができる。また、他の工程で発生した粉塵、洗浄装置100が設置された室内に存在する粉塵などが、検査工程Pr4にあるガラス基板3に付着するのを防ぐことができる。また、ガラス基板3は高い清浄性が要求されるため、仕切り部11で仕切られた検査工程Pr4の領域では、他の工程の領域より、気圧が高くなるよう設定されている。検査工程Pr4の領域では、例えば、仕切り部11で仕切られた領域の天井から下方に向けて空気が噴出されることにより領域内の気圧が高められ、噴出された空気が、検査工程Pr4の領域以外の領域に流れる。検査工程Pr4の領域では他の領域に比べて気圧が高くなり、仕切り部11で仕切られた検査工程Pr4の領域に粉塵等が入り込むことが抑制されて、ガラス基板3の高い清浄性が確保される。
なお、ガラス基板3を浮上させて搬送する方法、及び、ガラス基板3を検査する方法は、公知の手法を用いることができ、また、特開2014−89111号公報、特開2014−69936号公報に記載される内容を含み、当該内容が参酌される。
<エアー噴出装置から噴出されたエアーの流れ>
次に、乾燥工程Pr3で用いられるエアー噴出装置2から噴出したエアーの流れについて説明する。図4(a)は、従来のエアーの流れ説明するための概略図であり、図4(b)は、本実施形態のエアーの流れ説明するための概略図である。エアー噴出装置2から噴出するエアー(空気)は、ガラス基板3に付着した水滴(液体)を除去するため、図4(a)に示すように、エアー噴出装置2からガラス基板3に向かってまっすぐ進む。エアー噴出装置2から噴出されたエアーは、ガラス基板3にぶつかると、上流側と下流側とに分かれて、ガラス基板3に沿って進む。このとき、ガラス基板3に付着した水滴の一部は、エアーにより吹き飛ばされて、仕切り部10により仕切られた乾燥工程Pr3の領域内を舞うこととなる。ガラス基板3にぶつかり下流側に流れたエアーは、気圧が高くなるよう設定された検査工程Pr4から流れてきたエアーとぶつかり上昇する。乾燥工程Pr3の領域内を舞っている水滴は、この上昇したエアーによりさらに舞い上げられた後、乾燥工程Pr3の領域内にあるガラス基板3に再び付着する。つまり、乾燥工程Pr3の領域内では対流、乱流が発生し、ガラス基板3に付着していた水滴が、エアー噴出装置2により除去された後、対流、乱流に乗って、ガラス基板3に再び付着する。このため、乾燥工程Pr3では、エアー噴出装置2を用いて、ガラス基板3に付着した水滴を除去しても、除去した水滴の一部がガラス基板3に再び付着する場合があり、ガラス基板3の清浄性が問題となる可能性があった。そこで、本実施形態では、仕切り部11で仕切られた検査工程Pr4の領域から、仕切り部10で仕切られた乾燥工程Pr3の領域に、空気が流れ込まないように気圧を制御して、エアー噴出装置2により除去した水滴が舞い上げられるのを抑制し、水滴がガラス基板3に再付着するのを防止する。乾燥工程Pr3の領域、検査工程Pr4の領域の気圧を制御することにより、対流、乱流の発生を抑制し、水滴がガラス基板3に再付着するのを防止する。ガラス基板3に水滴が再付着するのが防止できるため、ガラス基板3の表面にウォーターマークとよばれるかすかな痕跡が発生することが抑制でき、ガラス基板上に形成される電極や素子に不良が生じないようにすることができる。
本実施形態の検査工程Pr4の領域では、仕切り部11の一部を除去することにより(エアーの逃げ道を設けることにより)、天井から下方に向けて噴出されたエアー(空気)が、図4(b)に示すように、乾燥工程Pr3の領域に流れ込む前に、他の方向に流れるように気圧を制御している。例えば、乾燥工程Pr3の領域に隣接する検査工程Pr4の領域に設けられた仕切り部11の一部を、除去する、又は、エアーの流れによって自由に動く樹脂カーテンに置き換えることにより、天井から流れてきたエアーが、仕切り部11が除かれた位置から検査工程Pr4の領域外に流れ、気圧の低い乾燥工程Pr3の領域に流れることを抑制する。すると、エアー噴出装置2から噴出されたエアーは、検査工程Pr4の領域から流れてきたエアーとぶつかることなく、ガラス基板3に沿って流れ、検査工程Pr4の領域に入り、検査工程Pr4の領域の天井から流れてきたエアーとともに、仕切り部11が除かれた位置から検査工程Pr4の領域外に流れ出る。水滴を含んだエアーは、乾燥工程Pr3の領域内で舞い上がることなく、検査工程Pr4の領域外に流れ出て排出される。これにより、乾燥工程Pr3の領域内で水滴がガラス基板3に付着することが防止でき、ガラス基板3の清浄性を高めることができる。また、エアー噴出装置2が噴射するエアーの量及び速度が一定の値に固定されているため、ガラス基板3に付着した水滴を除去しつつ、ガラス基板3の水平を保つことができる。
なお、検査工程Pr4の領域の天井から流れてきたエアーを、乾燥工程Pr3の領域に流れ込まないようにする方法は任意であり、例えば、乾燥工程Pr3の領域に隣接する検査工程Pr4の領域に設けられたエアーカーテンの風量を抑制する、仕切り部11に複数の穴を設ける、検査工程Pr4の領域の天井から噴出されるエアーの量を抑制する等、任意である。
本実施形態で製造されるガラス基板(ガラスシート)は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板あるいは、有機ELディスプレイ用のガラス基板として好適である。さらに、本実施形態で製造されるガラス基板は、高精細ディスプレイに用いるLTPS(Low-temperature poly silicon)・TFTディスプレイ用ガラス基板、あるいは、酸化物半導体・TFTディスプレイ用のガラス基板として特に好適である。
以上、本発明のガラス基板の製造方法及び製造装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例等に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
1 エアー噴出装置
3 ガラス基板
4 シャワーノズル
5 搬送ローラー
6 基板浮上ユニット
7 検査装置

Claims (4)

  1. 液晶ディスプレイ用のガラス基板の製造方法であって、
    前記ガラス基板に対して洗浄剤を供給して洗浄する洗浄工程と、
    前記洗浄工程で前記ガラス基板の表面に付着した洗浄剤をリンス液により除去する除去工程と、
    前記除去工程で洗浄液を除去したガラス基板の表面に付着したリンス液に、噴出気流を供給して乾燥させて除去する乾燥工程と、
    前記乾燥工程で乾燥させたガラス基板を検査する検査工程と、を備え、
    前記乾燥工程において前記噴出気流により除去されたリンス液が、前記検査工程が行われる領域から前記乾燥工程が行われる領域に向かって生じる気流により舞い上げられることが抑制されるよう気圧を制御する、
    ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記検査工程が行われる領域では、前記乾燥工程が行われる領域より気圧が高くなるよう調整され、前記検査工程が行われる領域で生じた気流は、前記乾燥工程が行われる領域に流れる前に、前記検査工程が行われる領域から排出される、
    ことを特徴とする請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記リンス液は、前記噴出気流に乗って流されて、前記検査工程が行われる領域から排出される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 液晶ディスプレイ用のガラス基板の製造装置であって、
    前記ガラス基板に対して洗浄剤を供給して洗浄する洗浄槽と、
    前記洗浄槽により前記ガラス基板の表面に付着した洗浄剤をリンス液により除去する除去槽と、
    前記除去槽により洗浄液を除去したガラス基板の表面に付着したリンス液に、噴出気流を供給して乾燥させて除去する乾燥槽と、
    前記乾燥槽により乾燥させたガラス基板を検査する検査装置と、を備え、
    前記乾燥槽が供給した前記噴出気流により除去されたリンス液が、前記検査装置から前記乾燥槽に向かって生じる気流により舞い上げられることが抑制されるよう気圧を制御する、
    ことを特徴とするガラス基板の製造装置。
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