JP6281497B2 - ビタミンdの測定方法および測定用キット - Google Patents
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Description
〔1〕以下を含む、ビタミンDの測定方法:
1)ステロイド骨格を有する界面活性剤でサンプルを処理すること;および
2)処理されたサンプルにおいてビタミンDを検出すること。
〔2〕前記界面活性剤が、胆汁酸もしくはその誘導体またはそれらの塩である、〔1〕の方法。
〔3〕前記界面活性剤が、7位にヒドロキシル基を有しないステロイド骨格を有する、〔1〕または〔2〕の方法。
〔4〕前記界面活性剤が、デオキシコール酸もしくはタウロデオキシコール酸またはそれらの塩である、〔1〕〜〔3〕のいずれかの方法。
〔5〕前記界面活性剤と異なる別の変性剤でサンプルを処理することをさらに含む、〔1〕〜〔4〕のいずれかの方法。
〔6〕別の変性剤が、炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤である、〔5〕の方法。
〔7〕サンプルの処理が混合のみによって行われる、〔1〕〜〔6〕のいずれかの方法。
〔8〕以下を含む方法である、〔1〕〜〔7〕のいずれかの方法:
1’)ステロイド骨格を有する界面活性剤およびビタミンDに対する親和性物質を含む反応液でサンプルを処理すること;ならびに
2’)処理されたサンプルにおいてビタミンDを検出すること。
〔9〕以下を含む方法である、〔1〕〜〔7〕のいずれかの方法:
1’’)変性剤を含む前処理液でサンプルを処理すること;
2’’)前記1’’)で処理されたサンプルを、ステロイド骨格を有する界面活性剤を含む希釈液で処理すること;ならびに
3’’)前記2’’)で処理されたサンプルにおいてビタミンDを検出すること。
〔10〕サンプルがヒト由来のサンプルである、〔1〕〜〔9〕のいずれかの方法。
〔11〕サンプルが血液関連サンプルである、〔1〕〜〔10〕のいずれかの方法。
〔12〕以下を含む、ビタミンDの測定用キット:
1)ステロイド骨格を有する界面活性剤;ならびに
2)ビタミンDに対する親和性物質および/またはビタミンD標品。
本発明のキットは、例えば、本発明の方法の簡便な実施に有用である。
本発明は、サンプル中のビタミンDの測定方法を提供する。
1)ステロイド骨格を有する界面活性剤でサンプルを処理すること;および
2)処理されたサンプルにおいてビタミンDを検出すること。
先ず、ステロイド骨格を有する界面活性剤でサンプルが処理される。
本発明の方法で用いられるサンプルは、以下に示すようなビタミンDまたはその代謝産物を含有する、または含有すると疑われるサンプルである。ビタミンDの代謝産物としては、例えば、ビタミンDにヒドロキシル基が付加された化合物、25OHビタミンD2、25OHビタミンD3、1,25(OH)2ビタミンD2、1,25(OH)2ビタミンD3が挙げられる。本明細書中で用いられる場合、用語「ビタミンD」は、特に指定されないかぎり、ビタミンD2およびビタミンD3、およびビタミンD2およびビタミンD3に類似する薬物、ならびにそれらの代謝産物を包括的に含むものとする。
具体的には、ステロイド骨格を有する界面活性剤によりサンプルを処理する場合におけるこのような界面活性剤の濃度は、後述するような反応液を用いる方法によりサンプルを処理する場合、反応液とサンプルとの混合液においてその作用が発揮されるような濃度である限り特に限定されないが、例えば、0.001%(w/v)〜5%(w/v)であってもよい。このような場合、ステロイド骨格を有する界面活性剤の濃度は、好ましくは0.005%(w/v)以上、より好ましくは0.01%(w/v)以上、さらにより好ましくは0.02%(w/v)以上であってもよい。ステロイド骨格を有する界面活性剤の濃度はまた、好ましくは1%(w/v)以下、より好ましくは0.8%(w/v)以下、さらにより好ましくは0.6%(w/v)以下、特に好ましくは0.5%(w/v)以下であってもよい。複数の界面活性剤を用いる場合、各界面活性剤の濃度もまた、上記のとおりである。
また、ステロイド骨格を有する界面活性剤によりサンプルを処理する場合におけるこのような界面活性剤の濃度は、後述するような前処理液を用いる方法によりサンプルを処理する場合には、前処理液とサンプルとの混合液においてその作用が発揮されるような濃度である限り特に限定されないが、例えば、0.001%(w/v)〜10%(w/v)であってもよい。このような場合、ステロイド骨格を有する界面活性剤の濃度は、好ましくは0.005%(w/v)以上、より好ましくは0.01%(w/v)以上、さらにより好ましくは0.02%(w/v)以上であってもよい。ステロイド骨格を有する界面活性剤の濃度はまた、好ましくは1%(w/v)以下、より好ましくは0.8%(w/v)以下、さらにより好ましくは0.6%(w/v)以下、特に好ましくは0.5%(w/v)以下であってもよい。複数の界面活性剤を用いる場合、各界面活性剤の濃度もまた、上記のとおりである。
さらに、ステロイド骨格を有する界面活性剤によりサンプルを処理する場合におけるこのような界面活性剤の濃度は、後述するような前処理液および希釈液を用いる方法によりサンプルを処理する場合には、前処理液、希釈液およびサンプルの混合液においてその作用が発揮されるような濃度である限り特に限定されないが、例えば、0.001%(w/v)〜10%(w/v)であってもよい。このような場合、ステロイド骨格を有する界面活性剤の濃度は、好ましくは0.005%(w/v)以上、より好ましくは0.01%(w/v)以上、さらにより好ましくは0.02%(w/v)以上であってもよい。ステロイド骨格を有する界面活性剤の濃度はまた、好ましくは1%(w/v)以下、より好ましくは0.8%(w/v)以下、さらにより好ましくは0.6%(w/v)以下、特に好ましくは0.5%(w/v)以下であってもよい。複数の界面活性剤を用いる場合、各界面活性剤の濃度もまた、上記のとおりである。
直鎖の炭化水素基としては、直鎖の飽和炭化水素基であるアルキル基、ならびに直鎖の不飽和炭化水素基(例、アルケニル基およびアルキニル基)が挙げられる。炭素原子数8〜60個のアルキル基としては、例えば、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシルが挙げられる。炭素原子数8〜60個の直鎖の不飽和炭化水素基としては、例えば、上述したアルキル基において、1〜4個(好ましくは1または2個)の不飽和結合(二重結合または三重結合)部分を含むものが挙げられる。
分岐鎖の炭化水素基としては、例えば、上述した直鎖の飽和または不飽和炭化水素基上の水素原子が、1〜4個(好ましくは1または2個)の炭素原子数1〜10の炭化水素基で置換されたものが挙げられる。炭素原子数1〜10の炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、フェニル、ナフタレニルが挙げられる。
疎水性部分を構成する炭化水素鎖は、好ましくは、直鎖の飽和炭化水素基であり、より好ましくは、10または11個の炭素原子数を有する直鎖の飽和炭化水素基である。
具体的には、炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤によりサンプルを処理する場合におけるこのような界面活性剤の濃度は、後述するような反応液を用いる方法によりサンプルを処理する場合、反応液とサンプルとの混合液においてその作用が発揮されるような濃度である限り特に限定されないが、例えば、0.005%(w/v)〜5%(w/v)であってもよい。このような場合、炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤の濃度は、好ましくは0.01%(w/v)以上、より好ましくは0.02%(w/v)以上であってもよい。炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤の濃度はまた、好ましくは1%(w/v)以下、より好ましくは0.8%(w/v)以下、さらにより好ましくは0.6%(w/v)以下、特に好ましくは0.5%(w/v)以下であってもよい。複数の界面活性剤を用いる場合、各界面活性剤の濃度もまた、上記のとおりである。
また、炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤によりサンプルを処理する場合におけるこのような界面活性剤の濃度は、後述するような前処理液を用いる方法によりサンプルを処理する場合には、前処理液とサンプルとの混合液においてその作用が発揮されるような濃度である限り特に限定されないが、例えば、0.001%(w/v)〜10%(w/v)であってもよい。このような場合、炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤の濃度は、好ましくは0.001%(w/v)以上、より好ましくは0.02%(w/v)以上、さらにより好ましくは0.03%(w/v)以上であってもよい。炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤の濃度はまた、好ましくは1%(w/v)以下、より好ましくは0.8%(w/v)以下、さらにより好ましくは0.6%(w/v)以下、特に好ましくは0.5%(w/v)以下であってもよい。複数の界面活性剤を用いる場合、各界面活性剤の濃度もまた、上記のとおりである。
好ましい実施形態では、上記工程1)は、ステロイド骨格を有する界面活性剤およびビタミンDに対する親和性物質を含む反応液でサンプルを処理することにより行うことができる。
別の好ましい実施形態では、上記工程1)は、i)変性剤を含む前処理液でサンプルを処理すること、およびii)前処理液で処理されたサンプルを、ステロイド骨格を有する界面活性剤を含む希釈液で処理することにより行うことができる。
前処理液は、変性剤を含む。変性剤としては、例えば、ステロイド骨格を有する界面活性剤、ならびにステロイド骨格を有する界面活性剤と異なる別の界面活性剤(例、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤または非イオン性界面活性剤)、カオトロピック剤、および還元剤が挙げられる。前処理液に含まれる変性剤は、1種であってもよいが、複数(例、2または3種以上)であってもよい。前処理液は、変性剤として、希釈液に含まれる界面活性剤と同種の1または2個以上(例、1〜3個)の界面活性剤(例、ステロイド骨格を有する界面活性剤および別の界面活性剤)を含んでいてもよい。前処理液はまた、上述したような他の成分を含んでいてもよい。
希釈液は、ステロイド骨格を有する界面活性剤を含む。本発明の方法では、ステロイド骨格を有する界面活性剤を含む希釈液を用いることにより、ビタミンDの検出感度を向上させることができる。希釈液はまた、ステロイド骨格を有する界面活性剤と異なる別の界面活性剤(例、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤または非イオン性界面活性剤)、カオトロピック剤、および還元剤等の他の成分を1種または複数(例、2または3種以上)含んでいてもよい。希釈液はまた、上述したような他の成分(例、ビタミンDに対する親和性物質、アルブミン)を含んでいてもよい。
上述したとおり処理されたサンプルにおいて、ビタミンDが検出される。ビタミンDの検出は、定性的または定量的に行われる。本工程では、上述した親和性物質が用いられる場合、親和性物質を処理されたサンプルに添加することを含んでいてもよい。
本発明はまた、ビタミンDの測定用キットを提供する。
1)ステロイド骨格を有する界面活性剤;ならびに
2)ビタミンDに対する親和性物質および/またはビタミンD標品。
ビタミンDに対する親和性物質が1次抗体である場合、本発明のキットは、2次抗体をさらに含んでいてもよい。
1)変性剤を含む前処理液;
2)ステロイド骨格を有する界面活性剤を含む希釈液;ならびに
3)ビタミンDに対する親和性物質および/またはビタミンD標品。
ヒト血清を、界面活性剤を含む前処理液、および界面活性剤または有機溶媒(エタノール)を含む希釈液を併用して経時的に処理し、次いで、免疫学的方法によりヒト血清中の25OHビタミンDを測定した。
1)同一のヒトから採取された同一血清(10μl)に、4倍量(40μl)の各種前処理液〔0.3%(w/v) SDS/0.1M Tris−HCl緩衝液(pH7.6)+0.1%(w/v) 下記界面活性剤〕を加えて、血清と前処理液との第1混合液(50μl)を調製した。第1混合液中の各成分の濃度は、次のとおりである:0.24%(w/v) SDS/0.1M トリス−HCl緩衝液+0.08%(w/v) 下記界面活性剤。
2)第1混合液を、室温(25℃)にて10分間インキュベートした。
3)インキュベートした第1混合液に、3倍量(150μl)の各種希釈液〔0.1%(w/v) BSA/0.1M トリス緩衝液(pH7.6)、0.1%(w/v) 下記界面活性剤または10%(v/v)エタノール〕を加えて、第1混合液と希釈液との第2混合液(200μl)を調製した。第2混合液中の下記界面活性剤の濃度は、0.095%(w/v)であった。
4)第2混合液と抗25OHビタミンD抗体結合磁性粒子液を等量、混合した。
5)上記4)で得られた溶液を、37℃にて10分間インキュベートした。
6)インキュベート後、磁性プレート上にてサンプル中の磁性粒子を集め、磁性粒子を3回洗浄した。
7)洗浄液を除いた磁性粒子に、アルカリホスファターゼ標識抗体(25OHビタミンDおよび抗25OHビタミンD抗体の免疫複合体に対する抗体)溶液を加えた。
8)上記7)で得られた溶液を、37℃にて10分間インキュベートした。
9)インキュベート後、磁性プレート上にて溶液中の磁性粒子を集め、磁性粒子を3回洗浄した。
10)磁性粒子を含む溶液に、発色基質(AMPPD)を加えた。
11)上記10)で得られた溶液を、37℃にて5分間インキュベートした。
12)発光カウントを、ラベルリーダー(ARVO;Perkin Elmer)で測定した。
ヒト血清を、カオトロピック剤を含む前処理液、および界面活性剤または有機溶媒(エタノール)を含む希釈液を併用して経時的に処理し、次いで、免疫学的方法によりヒト血清中の25OHビタミンDを測定した。
1)同一のヒトから採取された同一血清(10μl)に、4倍量(40μl)の各種前処理液〔7.5M グアニジン塩酸塩/PB(リン酸緩衝液)(pH7.6)、0.1%(w/v)下記界面活性剤〕を加えて、血清と前処理液との第1混合液(50μl)を調製した。第1混合液中の各成分の濃度は、次のとおりである:6M グアニジン塩酸塩;0.08%(w/v)下記界面活性剤。
2)第1混合液を、室温(25℃)にて10分間インキュベートした。
3)インキュベートした第1混合液に、3倍量(150μl)の各種希釈液〔0.1%(w/v) BSA/0.1M トリス緩衝液(pH7.6)、0.1%(w/v)下記界面活性剤または10%(v/v)エタノール〕を加えて、第1混合液と希釈液との第2混合液(200μl)を調製した。第2混合液中の下記界面活性剤の濃度は、0.095%(w/v)であった。
4)以降の操作は、実施例1の4)〜12)と同じ方法により行った。
本発明の方法による標的物質の測定精度を検証するため、前処理液および希釈液を併用する本発明の方法による標的物質の測定値と、異なる方法論を利用する既存の方法により得られた測定値との相関係数を比較した。
方法は、以下のとおりに行った。なお、測定サンプルとしては、ヒト血清14サンプル、チャコール処理血清強化サンプルが1サンプルの計15サンプルを用いた。
1)血清(10μl)に、4倍量(40μl)の各種前処理液〔7.5M グアニジン塩酸塩および4mM DTT/0.1M トリス緩衝液(pH7.6) + 0.1%(w/v)デオキシコール酸ナトリウム、または5%(v/v)エタノールおよび5%(v/v)DMSO〕を加えて、第1混合液を調製した。
2)第1混合液を、室温(25℃)にて10分間インキュベートした。
3)インキュベートした第1混合液に、3倍量(150μl)の希釈液〔0.1%(w/v) BSA/0.1M リン酸緩衝液(pH7.6) + 0.1%(w/v)デオキシコール酸ナトリウムまたは5%(v/v)エタノールおよび0.5%(v/v) DMSO〕を3倍量加えて、第1混合液と希釈液との第2混合液を調製した。
4)以降の操作は、実施例1の4)〜12)と同じ方法により行った。
異なる方法論を利用する既存の方法としては、後述するとおり、放射性物質を用いるDiaSorin−RIAを用いた。DiaSorin−RIAは、市販のキット(25−Hydroxyvitamin D 125I RIA KIT,DiaSorin製)を用いて行った。
I)前処理操作
a)ガラス試験管を準備する。
b)アセトニトリルを各試験管に500μlずつ分注する。
c)キャリブレーター、コントロール、またはサンプル(血清など)を50μlずつ各試験管に加える。
d)サンプル溶液を10秒間攪拌する。
e)サンプル溶液を、室温にて1200×gで10分間遠心分離する。
f)上清をサンプルとして用いる。
a)上記サンプル25μl、125I 25OHビタミンD50μlおよび抗25OHビタミンD抗体液1mlを混合する。
a)混合液を、室温にて90分インキュベートする。
b)インキュベートした混合液に、ロバ由来抗ヤギ抗体を500μl加える。
c)得られた溶液を、室温にて25分インキュベートする。
d)インキュベートした溶液に、NSB/添加緩衝液を500μl加える。
e)得られた溶液を、室温にて1800×gで20分間遠心分離する。
f)遠心分離した溶液から完全に上清を除く。
g)ガンマシンチレーションカウンターを用いて測定を行う。
デオキシコール酸ナトリウムを含む希釈液を用いる本発明の方法により得られた測定値は、Diasorin RIA法による測定値との相関性が高かった(図1、R2=0.8993)。一方、エタノールおよびDMSOを含む希釈液を用いて得られた測定値は、Diasorin RIA法による測定値との相関性が低かった(図1、R2=0.8327)。したがって、本発明の方法は、ビタミンDの測定に有用と考えられる。
25OHビタミンDの高感度測定に必要とされる、界面活性剤による処理時間について検討した。
1)同一のヒトから採取された同一血清10μlに、前処理液〔Tris−HCl緩衝液(pH7.6)に、1%(w/v) デオキシコール酸ナトリウム〕を40μl加えて、攪拌による混合により血清と前処理液との第1混合液(50μl)を調製した。第1混合液中の各成分の濃度は、次のとおりである:0.8%(w/v) デオキシコール酸ナトリウム。攪拌による混合に要した時間は、約3秒であった。
2)第1混合液を、室温(25℃)にてインキュベートした(10分、5分または1分)。また、攪拌による混合のみにより調製された第1混合液を、インキュベートすることなく、次の操作に供した(インキュベート時間:0分)。
3)上記2)で得られた溶液に、希釈液〔PBS(pH7.6)に、0.1%(w/v)デオキシコール酸ナトリウムおよび0.1%(w/v) BSA〕を150μl加えて、第1混合液と希釈液との第2混合液(200μl)を調製した。第2混合液中のデオキシコール酸ナトリウムの濃度は、0.28%(w/v)であった。
4)以降の操作は、実施例1の4)〜12)と同じ方法により行った。
既存製品では、血清サンプルの前処理に必要とされる時間は、その使用説明書によれば、以下のとおりである。既存製品として、DiaSorin−RIA(DiaSorin社製)、DiaSorin−Liaison(DiaSorin社製)を用いた。
ステロイド骨格を有する界面活性剤(デオキシコール酸ナトリウム)およびビタミンDに対する抗体を含む反応液で血清を処理し、次いで、免疫学的方法により血清中の25OHビタミンDを測定した。また、ステロイド骨格を有する界面活性剤および他の界面活性剤の併用効果も検討した。
1)100ng/ml強化ウマ血清3.75μlに、反応液〔Tris−HCl緩衝液(pH7.6)、0.03%(w/v)または0.1%(w/v) 下記の界面活性剤、0.04%(w/v)デオキシコール酸ナトリウム、0.04%(w/v)BSA、抗25OHビタミンD抗体結合粒子液〕146.25μlを加えて、血清と反応液との混合液(150μl)を調製した。混合液中の各成分の濃度は、次のとおりである:約0.03%(w/v)または約0.1%(w/v) 下記の界面活性剤;約0.04%(w/v)デオキシコール酸ナトリウム;約0.04%(w/v)BSA。
2)混合液を、37℃にて10分間インキュベートした。
3)インキュベート後、磁性プレート上にてサンプル中の磁性粒子を集め、磁性粒子を3回洗浄した。
4)洗浄液を除いた磁性粒子に、MES緩衝液中に懸濁したアルカリホスファターゼ標識抗体(25OHビタミンD−抗25OHビタミンD抗体免疫複合体に対する抗体)を加えた。
5)上記4)で得られた溶液を、37℃にて10分間インキュベートした。
6)インキュベート後、磁性プレート上にてサンプル中の磁性粒子を集め、磁性粒子を3回洗浄した。
7)洗浄液を除いた磁性粒子に、発光基質(AMPPD)液を加えた。
8)磁性粒子および発光基質を含む溶液を、37℃にて5分間インキュベートした。
9)発光カウントを、ラベルリーダー(ARVO;Perkin Elmer)で測定した。
実施例5において、デオキシコール酸ナトリウムは、コール酸ナトリウムおよびCHAPSよりもシグナル強度が顕著に向上することが確認されている(表5)。ここで、デオキシコール酸ナトリウムは、ステロイド骨格の7位にヒドロキシル基を有しない界面活性剤である一方で、コール酸ナトリウムおよびCHAPSは、ステロイド骨格の7位にヒドロキシル基を有する界面活性剤である。このことより、ステロイド骨格の7位のヒドロキシル基の有無がシグナル強度に影響を与えている可能性が考えられた。そこで、ビタミンDの測定に対する、ステロイド骨格の7位にヒドロキシル基を有するおよび有しない界面活性剤によるサンプル処理の影響について検討した。
1)100ng/ml強化ウマ血清3.75μlに、反応液〔Tris−HCl緩衝液(pH7.6)、0%(w/v)、0.1%(w/v)、0.2%(w/v)または0.4%(w/v)のステロイド骨格を有する下記の界面活性剤、0.04%(w/v)BSA、抗25OHビタミンD抗体結合粒子液〕146.25μlを加えて、血清と反応液との混合液(150μl)を調製した。混合液中の各成分の濃度は、次のとおりである:0%(w/v)、約0.1%(w/v)、約0.2%(w/v)または約0.4%(w/v)のステロイド骨格を有する下記の界面活性剤;約0.04%(w/v)BSA。ステロイド骨格の7位にヒドロキシル基を有しない界面活性剤としては、デオキシコール酸ナトリウムおよびタウロデオキシコール酸ナトリウムを用いた。一方、ステロイド骨格の7位にヒドロキシル基を有する界面活性剤としては、タウロコール酸ナトリウム、コール酸ナトリウム、CHAPSを用いた。
2)以降の工程は、実施例5の工程2)〜9)と同じ方法により行った。
ビタミンDの測定に対する、ステロイド骨格を有する界面活性剤およびSDSを含む反応液を用いて、ヒト血清サンプル中の25OHビタミンDを測定した。
1)異なる由来のヒト血清(#1〜16)またはチャコール処理ヒト血清(コントロール)3.75μlに、反応液〔Tris−HCl緩衝液(pH7.6)、0.14%(w/v) デオキシコール酸ナトリウム、0.015%(w/v)SDS、0.04%(w/v)BSA、および抗25OHビタミンD抗体結合粒子液〕146.25μlを加えて、血清と反応液との混合液を調製した。
2)以降の工程は、実施例5の工程2)〜9)と同じ方法により行った。また、得られた測定値を、DiaSorin−RIA法による測定値と比較した。DiaSorin−RIA法は、実施例3−2)に記載の方法により行った。
8−1)ステロイド骨格を有する界面活性剤による画分の処理
コントロール緩衝液(Tris−HCl)で処理したヒト血清をゲルろ過クロマトグラフィーにより溶出させて得られた画分(コントロール画分)を、抗25OHビタミンD抗体による測定に付した。また、コントロール画分をデオキシコール酸ナトリウムで処理し、抗25OHビタミンD抗体による測定に付した。
1)ヒト血清(50μl)に4倍量(200μl)の0.1M Tris−HCl緩衝液(pH7.8)を加えて、混合液を調製した。なお、混合液は、攪拌による混合のみ(約3秒)により調製した(即ち、インキュベート無し)。
2)ゲルろ過クロマトグラフ(GEヘルスケア:AKTA explorer)およびゲルろ過クロマトグラフィーカラム(superdex200 10/30)を用いて、0.1M Tris−HClにより混合液を溶出(0.25−1カラム容量)することで、分子量依存的な画分を得た。
3)上記2)で得られた画分と、0.4%(w/v)デオキシコール酸Na塩を含む抗25OHビタミンD抗体結合磁性粒子液とを等量、混合した(デオキシコール酸Na存在下の条件)。一方、デオキシコール酸Naの非存在下の条件については、0.4%(w/v)デオキシコール酸Na塩を含まない抗25OHビタミンD抗体結合磁性粒子液と等量、混合した。
4)以降の操作は、実施例1の5)〜12)と同じ方法により行った。
ビタミンDの検出画分が、ビタミンD結合タンパク質の検出画分と一致するかどうかについて検討した。
1)コントロール画分(上記8−1で得られた画分)、30μl)に、その1/3倍量 (10μl)のNuPAGE LSDサンプルバッファー(invitrogen)、終濃度1mMのDTTを加えて、混合液を調製した。
2)混合液を、100℃の超純水にて、5分間ボイルした。
3)得られた溶液を4−10%アクリルアミドゲルにアプライした。
4)200Vの電圧を25分間かけ、SDS−PAGEを実施した。
5)得られたゲルを、iBlot(invitrogen)を利用してPVDF膜へ転写した。
6)転写膜を5%スキムミルク溶液中へ入れ、室温で1時間振とうした。
7)溶液をPBStに交換し、転写膜を5分間振とうし、洗浄を行った。
8)上記洗浄操作を、さらに二回繰り返した。その後、溶液を5%スキムミルク溶液に交換した。
9)一次抗体として抗ヒトビタミンD結合タンパク質抗体(Abcam)を1μg/mlになるよう5%スキムミルク溶液に加え、転写膜を4℃で一晩振とうした。
10)溶液をPBStに交換し、転写膜を5分間振とうし、洗浄を行った。
11)上記洗浄操作を、さらに二回繰り返した。その後、溶液を5%スキムミルク溶液に交換した。
12)二次抗体として抗マウスIg抗体−HRPを1000倍希釈になるように5%スキムミルク溶液に加え、室温で1時間振とうした。
13)溶液をPBStに交換し、5分間振とうし、洗浄を行った。
14)上記洗浄操作を、さらに二回繰り返した。その後、PBStを超純水に交換した。
15)転写膜を、超純水にて1回すすいだ。
16)溶液を発光基質(ECL select;GEヘルスケア)に交換した。
17)LAS3000 MINWIN(FUJIFILM)にて転写膜の撮影を実施した。
デオキシコール酸での処理により、ヒト血清中の25OHビタミンDが遊離するかどうかについて検討した。
1)ヒト血清または143ng/ml 25OHビタミンD添加1%BSA−PBS溶液(50μl)に、4倍量(200μl)の0.4%(w/v)デオキシコール酸溶液を加えて、混合液を調製した。なお、混合液は、攪拌による混合のみ(約3秒)により調製した(即ち、インキュベート無し)。
2)ゲルろ過クロマトグラフ(GEヘルスケア:AKTA explorer)およびゲルろ過クロマトグラフィーカラム(superdex200 10/30)を用いて、0.4%デオキシコール酸溶液により溶出することで、分子量依存的な画分を得た。次いで、カラム容量の0.25〜1を回収した。
3)上記処理を行ったサンプルとデオキシコール酸を含まない抗25OHビタミンD抗体結合磁性粒子液を等量、混合した。
4)以降の操作は、実施例1の5)〜12)と同じ方法により行った。
25OHビタミンDが、ステロイド骨格を有する界面活性剤での処理により、ビタミンD結合タンパク質および25OHビタミンD3の複合体から放出されるかどうかについて検討した。
1)表8に示されるとおり、サンプルを調製した。具体的には、精製ビタミンD結合タンパク質(Abcam) 1.64mg/ml(+または−) 17.2μlに25OHビタミンD3(Tronto chemical reagent) 1mg/ml(+または−)を2.82μl加えてサンプルを調製し、次いで得られたサンプルを10minインキュベートした。
2)上記サンプル3.75μlに、表8に示される溶液(pH7.6 Tris−HCl緩衝液、0.138%(w/v) デオキシコール酸ナトリウム塩+0.038% BSA+抗25OHビタミンD抗体結合粒子液)146.25μlを加えて、混合液を調製した。
3)以降の操作は、実施例1の5)〜12)と同じ方法により行った。
Claims (12)
- 以下を含む、ビタミンDの測定方法:
1)ステロイド骨格を有する界面活性剤でサンプルを処理すること;および
2)処理されたサンプルにおいてビタミンDを検出すること。 - 前記界面活性剤が、胆汁酸もしくはその誘導体またはそれらの塩である、請求項1記載の方法。
- 前記界面活性剤が、7位にヒドロキシル基を有しないステロイド骨格を有する、請求項1または2記載の方法。
- 前記界面活性剤が、デオキシコール酸もしくはタウロデオキシコール酸またはそれらの塩である、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
- ステロイド骨格を有する界面活性剤以外の変性剤でサンプルを処理することをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
- ステロイド骨格を有する界面活性剤以外の変性剤が、炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤である、請求項5記載の方法。
- サンプルの処理が混合のみによって行われる、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
- 以下を含む方法である、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法:
1’)ステロイド骨格を有する界面活性剤およびビタミンDに対する親和性物質を含む反応液でサンプルを処理すること;ならびに
2’)処理されたサンプルにおいてビタミンDを検出すること。 - 以下を含む方法である、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法:
1’’)変性剤を含む前処理液でサンプルを処理すること;
2’’)前記1’’)で処理されたサンプルを、ステロイド骨格を有する界面活性剤を含む希釈液で処理すること;ならびに
3’’)前記2’’)で処理されたサンプルにおいてビタミンDを検出すること。 - サンプルがヒト由来のサンプルである、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
- サンプルが血液関連サンプルである、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
- 以下を含む、ビタミンDの測定用キット:
1)ステロイド骨格を有する界面活性剤;ならびに
2)ビタミンDに対する親和性物質および/またはビタミンD標品。
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