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JP6330666B2 - 標的物質の測定方法 - Google Patents
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JP6330666B2 - 標的物質の測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、標的物質の測定方法などに関する。
標的物質の測定は、臨床検査等の種々の検査のため、標的物質が測定されている。しかしながら、標的物質は、測定対象のサンプル中で、標的物質に対する結合性物質と結合していることがある。例えば、Vitamin D類(以下、単にビタミンDと略称する)は血中で結合タンパク質(DBP:ビタミンD結合タンパク質。Gcグロブリンとも呼ばれる)と強固に結合していることが知られている。したがって、ビタミンDを抗原抗体法で正確に測定するためには、ビタミンDとDBPの解離操作(前処理)が必要とされる。このような前処理としては、変性剤(例、酸、タンパク変性剤、界面活性剤、加水分解酵素)に加えて有機溶媒(例、エタノール、メタノール、DMSO)が使用されている(特許文献1〜7)。
国際公開第03/104820号 国際公開第07/039194号 国際公開第02/046746号 国際公開第04/063704号 国際公開第08/092917号 国際公開第02/057795号 国際公開第07/140962号
本発明は、標的物質の測定方法を提供する。
本発明者らは、鋭意検討したところ、炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤で標的物質含有サンプルを処理することにより、標的物質を正確に測定できることなどを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕以下を含む、標的物質の測定方法:
1)炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤でサンプルを処理すること;ならびに
2)処理されたサンプルにおいて標的物質を検出すること。
〔2〕炭化水素鎖が、10個以上の炭素原子数を有する直鎖の炭化水素基である、〔1〕の方法。
〔3〕親水性部分が、スルホネート基、カルボキシレート基、またはアンモニウム基である、〔1〕または〔2〕の方法。
〔4〕前記界面活性剤が、デシル硫酸、ドデシル硫酸またはこれらの塩である、〔1〕〜〔3〕のいずれかの方法。
〔5〕チオール基含有還元剤でサンプルを処理することをさらに含む、〔1〕〜〔4〕のいずれかの方法。
〔6〕チオール基含有還元剤が、ジチオエリトリトール、システイン、2−メルカプトエチルアミンおよびジチオスレイトールからなる群より選ばれる、〔5〕の方法。
〔7〕サンプルの処理が混合のみによって行われる、〔1〕〜〔6〕のいずれかの方法。
〔8〕以下を含む方法である、〔1〕〜〔7〕のいずれかの方法:
1’)前記界面活性剤および標的物質に対する親和性物質を含む反応液でサンプルを処理すること;ならびに
2’)処理されたサンプルにおいて標的物質を検出すること。
〔9〕以下を含む方法である、〔1〕〜〔7〕のいずれかの方法:
1’’)前記界面活性剤を含む前処理液でサンプルを処理すること;
2’’)前記1’’)で処理されたサンプルを希釈液で処理すること;ならびに
3’’)前記2’’)で処理されたサンプルにおいて標的物質を検出すること。
〔10〕サンプルがヒト由来のサンプルである、〔1〕〜〔9〕のいずれかの方法。
〔11〕サンプルが血液関連サンプルである、〔1〕〜〔10〕のいずれかの方法。
〔12〕標的物質がサンプル中で標的物質に対する結合性物質と結合している、〔1〕〜〔11〕のいずれかの方法。
〔13〕標的物質が低分子物質である〔1〕〜〔12〕のいずれかの方法。
〔14〕低分子物質がビタミンである、〔13〕の方法。
〔15〕ビタミンがビタミンDである、〔14〕の方法。
〔16〕以下を含む、標的物質の測定用キット:
1)炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤;ならびに
2)標的物質に対する親和性物質および/または標的物質標品。
本発明の方法は、標的物質の測定に有用である。本発明によれば、迅速かつ簡便に標的物質を測定できる。
本発明のキットは、例えば、本発明の方法の簡便な実施に有用である。
図1は、アニオン性界面活性剤(SDS)を用いた本発明の方法により得られた測定値と、有機溶媒(アセトニトリル)を用いるタンパク質除去法により得られた測定値との高い相関性(R=0.9981)を示す図である。 図2は、アニオン性界面活性剤(SDS)を用いた本発明の方法により得られた測定値と、Diasorin RIA法による測定値との相関性(R=0.9425)を示す図である。
(1.標的物質の測定方法)
本発明は、サンプル中の標的物質の測定方法を提供する。
本発明の方法は、以下を含む:
1)炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤でサンプルを処理すること;ならびに
2)処理されたサンプルにおいて標的物質を検出すること。
(A−1.工程1)
先ず、炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤でサンプルが処理される。以下、必要に応じて、「炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤」を、「主要界面活性剤」と略記することがある。
本発明の方法で用いられるサンプルは、標的物質を含有する、または含有すると疑われるサンプルである。標的物質としては、例えば、低分子物質、タンパク質、糖、核酸(例、DNA、RNA)、ならびにそれらの誘導体が挙げられる。用語「低分子物質(small substance)」とは、分子量1,500未満の化合物をいう。低分子物質は、天然物質または合成物質である。低分子物質の分子量は、1,200未満、1,000未満、800未満、700未満、600未満、500未満、400未満または300未満であってもよい。低分子物質の分子量はまた、50以上、100以上、150以上または200以上であってもよい。低分子物質としては、例えば、リガンド、ホルモン、脂質、脂肪酸、ビタミン、オピオイド、神経伝達物質(例、カテコールアミン)、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、単糖、オリゴ糖、アミノ酸、およびオリゴペプチド、あるいは医薬、毒物、および代謝産物が挙げられる。ホルモンとしては、例えば、ステロイドホルモン、甲状腺ホルモン、ペプチドホルモンが挙げられる。
一実施形態では、低分子物質は、ビタミンであってもよい。ビタミンとしては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、Kが挙げられる。好ましくは、ビタミンは、脂溶性ビタミン(例、ビタミンA、D、E、K)であり、より好ましくは、以下に示すようなビタミンDである。低分子物質はまた、ビタミンの代謝産物であってもよい。ビタミンの代謝産物としては、例えば、上述したようなビタミンにヒドロキシル基が付加された化合物、および抱合体(例、グルクロン酸抱合体、硫酸抱合体、グルタチオン抱合体、アセチル抱合体、アミノ酸抱合体)が挙げられる。低分子物質はさらに、ビタミン類似治療用薬物またはその代謝産物であってもよい。本明細書中で用いられる場合、用語「ビタミン」は、特に指定されないかぎり、ビタミン、およびビタミンに類似する薬物、ならびにそれらの代謝産物を包括的に含むものとする。例えば、用語「ビタミンD」は、特に指定されないかぎり、ビタミンD2およびビタミンD3、およびビタミンD2およびビタミンD3に類似する薬物、ならびにそれらの代謝産物を包括的に含むものとする。
Figure 0006330666
別の実施形態では、低分子物質は、ステロイド化合物であってもよい。ステロイド化合物とは、ステロイド骨格を有する化合物をいう。ステロイド化合物としては、ステロイドホルモン、およびステロイド骨格を保持するその誘導体(例、タンパク質同化ステロイド、抗男性ホルモン剤および抗卵胞ホルモン剤等の合成ステロイド)が挙げられる。ステロイドホルモンとしては、例えば、男性ホルモン、卵胞ホルモン、黄体ホルモン、コルチコイド(例、糖質コルチコイド、鉱質コルチコイド)が挙げられるが、卵胞ホルモンが好ましい。卵胞ホルモンとしては、例えば、エストロン、エストラジオール、エストリオールが挙げられる。低分子物質はまた、ステロイド化合物の代謝産物であってもよい。ステロイド化合物の代謝産物としては、例えば、上述したようなステロイド化合物にヒドロキシル基が付加された化合物、および抱合体が挙げられる。抱合体としては、例えば、グルクロン酸抱合体、硫酸抱合体(例、エストラジオールの3位もしくは17位のいずれかのヒドロキシル基、または3位および17位の双方のヒドロキシル基に硫酸基が抱合された化合物)、グルタチオン抱合体、アセチル抱合体、アミノ酸抱合体が挙げられる。低分子物質はさらに、ステロイド化合物類似治療用薬物(例、エストラムスチン)またはその代謝産物(例、エストロムスチン)であってもよい。
さらに別の実施形態では、低分子物質は、アミノ酸化合物であってもよい。アミノ酸化合物とは、アミノ基およびカルボキシル基を有する化合物をいう。アミノ酸化合物としては、例えば、α−アミノ酸(例、グリシン、アラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、オルニチン、シトルリン)、β−アミノ酸(例、β−アラニン)、γ−アミノ酸(例、γ-アミノ酪酸)、ならびに、アミノ基およびカルボキシル基を保持するそれらの誘導体が挙げられる。アミノ酸化合物は、L体またはD体であってもよい。低分子物質はまた、アミノ酸化合物の代謝産物であってもよい。アミノ酸化合物の代謝産物としては、例えば、上述したようなアミノ酸化合物にヒドロキシル基が付加された化合物、および上述したような抱合体が挙げられる。低分子物質はさらに、アミノ酸化合物類似治療用薬物またはその代謝産物であってもよい。
アミノ酸化合物は、チロシンから生合成されるチロシン誘導体であってもよい。チロシン誘導体としては、甲状腺ホルモン(例、トリヨードチロニン、チロキシン)が挙げられる。チロシン誘導体はまた、甲状腺ホルモンの代謝産物であってもよい。甲状腺ホルモンの代謝産物としては、例えば、甲状腺ホルモンにヒドロキシル基が付加された化合物、および上述したような抱合体が挙げられる。低分子物質はさらに、甲状腺ホルモン類似治療用薬物またはその代謝産物であってもよい。
サンプルの由来は特に限定されず、生物由来の生物学的サンプルであってもよく、または環境サンプルなどであってもよい。生物学的サンプルが由来する生物としては、例えば、哺乳動物(例、ヒト、サル、マウス、ラット、ウサギ、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジ)、鳥類(例、ニワトリ)等の動物、昆虫、微生物、植物、菌類、魚類が挙げられるが、好ましくは哺乳動物、菌類、魚類であり、より好ましくは哺乳動物であり、さらにより好ましくはヒトである。生物学的サンプルはまた、血液自体または血液に由来するサンプルである血液関連サンプル(例、全血、血清、血漿)、唾液、尿、乳汁、組織または細胞抽出液、あるいはこれらの混合物であってもよいが、血液関連サンプルが好ましい。環境サンプルとしては、土壌、海水、淡水由来のサンプルが挙げられる。
本発明の方法で用いられるサンプルは、好ましくは、標的物質およびそれに対する結合能を有する分子の複合体を含むサンプルである。本発明の方法は、サンプル中に標的物質に対する強い結合能を有する分子(例、タンパク質)が存在していた場合であっても、標的物質を正確に測定できるという利点を有する。例えば、ビタミンDは、ヒト血清中に存在するDBPと強固に結合することが知られており、その解離定数はKd=5×10−8であることが報告されているが(特許文献4を参照)、本発明の方法によれば、このような強い結合能を有するタンパク質がサンプル中に存在する場合であっても、サンプル中の標的物質を正確に測定することができる。したがって、標的物質に対する結合能を有する分子がサンプル中に存在する場合であっても、本発明の方法によれば、標的物質を正確に測定することができると考えられる。具体的には、標的物質(例、ビタミンD等のビタミン)およびそれに対する結合能を有する分子の複合体を含むサンプルとしては、例えば、血液関連サンプル(例、全血、血清、血漿)が挙げられる。
本発明の方法では、サンプルは、主要界面活性剤により処理される前に、他の処理に付されてもよい。このような処理としては、遠心分離、抽出、ろ過、沈殿、加熱、凍結、冷蔵、攪拌が挙げられる。
主要界面活性剤により処理されるべきサンプルの容量は、標的物質の測定が可能な限り特に限定されないが、例えば0.1〜1000μl、好ましくは0.5〜100μl、より好ましくは1〜50μlである。
主要界面活性剤において、疎水性部分は、炭化水素鎖から構成される。炭化水素鎖は、直鎖または分岐鎖の炭化水素基であり、炭化水素鎖中の炭素原子数は通常8〜60個である。主要界面活性剤は、少なくとも1つのこのような炭化水素鎖を有していればよい。炭化水素鎖中の炭素原子数は、好ましくは10個以上である。炭化水素鎖中の炭素原子数はまた、合成または入手の容易の観点から、40個以下が好ましく、30個以下がより好ましく、20個以下がさらにより好ましい。炭化水素鎖中の炭素原子数は、特に好ましくは10または11個である。
直鎖の炭化水素基としては、直鎖の飽和炭化水素基であるアルキル基、ならびに直鎖の不飽和炭化水素基(例、アルケニル基およびアルキニル基)が挙げられる。炭素原子数8〜60個のアルキル基としては、例えば、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシルが挙げられる。炭素原子数8〜60個の直鎖の不飽和炭化水素基としては、例えば、上述したアルキル基において、1〜4個(好ましくは1または2個)の不飽和結合(二重結合または三重結合)部分を含むものが挙げられる。
分岐鎖の炭化水素基としては、例えば、上述した直鎖の飽和または不飽和炭化水素基上の水素原子が、1〜4個(好ましくは1または2個)の炭素原子数1〜10の炭化水素基で置換されたものが挙げられる。炭素原子数1〜10の炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、フェニル、ナフタレニルが挙げられる。
疎水性部分を構成する炭化水素鎖は、好ましくは、直鎖の飽和炭化水素基であり、より好ましくは、10または11個の炭素原子数を有する直鎖の飽和炭化水素基である。
主要界面活性剤において、親水性部分としては、例えば、アニオン性親水性部分およびカチオン性親水性部分が挙げられる。炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤は、1または2種以上の親水性部分を有していてもよく、アニオン性親水性部分およびカチオン性親水性部分の双方を有していてもよい。アニオン性親水性部分としては、例えば、スルホネート基(−SO )、カルボキシレート基(−COO)、およびホスホネート基(−POO )が挙げられる。カチオン性親水性部分としては、例えば、アンモニウム基(N)、およびホスホニウム基(P)が挙げられる。親水性部分は、好ましくは、スルホネート基(−SO )、カルボキシレート基(−COO)、アンモニウム基(N)、またはホスホニウム基(P)であり、より好ましくは、スルホネート基(−SO )、カルボキシレート基(−COO)、またはアンモニウム基(N)であり、さらにより好ましくは、スルホネート基(−SO )、またはカルボキシレート基(−COO)であり、特に好ましくは、スルホネート基(−SO )である。
主要界面活性剤は、炭化水素鎖から構成される疎水性部分および親水性部分に加えて、他の部分(例えば、疎水性部分と親水性部分との間)を含んでいてもよい。このような他の部分としては、例えば、環状基(例、シクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、複素環基)、および非環状基(例、アミノ基、オキシ基、オキソ基、カルボニル基、カルボニルアミノ基、カルボニルオキシ基)が挙げられる。
主要界面活性剤は、塩の形態であっても、なくてもよい。本明細書中で用いられる用語「塩」は、任意の塩であり、例えば、無機塩、有機塩および分子内塩が挙げられる。無機塩としては、例えば、金属塩、ハロゲン化物塩、酸付加塩、およびアンモニウム塩が挙げられる。金属塩としては、例えば、アルカリ金属(例、リチウム、ナトリウム、カリウム)の塩、アルカリ土類金属(例、マグネシウム、カルシウム)の塩が挙げられる。ハロゲン化物塩におけるハロゲンとしては、例えば、フッ素、臭素、塩素、およびヨウ素が挙げられる。無機塩である酸付加塩としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸との塩が挙げられる。有機塩としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基との塩、ならびにシュウ酸等の有機酸との塩が挙げられる。
具体的には、主要界面活性剤としては、例えば、ヘキシル硫酸、オクチル硫酸、デシル硫酸、ドデシル硫酸、テトラドデシル硫酸、ヘキサデシル硫酸、ドデシルホスホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、N−ラウロイルサルコシン酸、およびドデカノイルサルコシン酸、ならびにそれらの塩が挙げられる。
サンプルの処理は、1種または複数(例、2または3種)の主要界面活性剤を用いて行われてもよい。主要界面活性剤の濃度は、ビタミンDの測定に有効な濃度である限り特に限定されず、適宜調整することができるが、例えば、0.001%(w/v)〜10%(w/v)%(w/v)であってもよい。
具体的には、主要界面活性剤によりサンプルを処理する場合におけるこのような界面活性剤の濃度は、後述するような反応液を用いる方法によりサンプルを処理する場合、反応液とサンプルとの混合液においてその作用が発揮されるような濃度である限り特に限定されないが、例えば、0.001%(w/v)〜10%(w/v)であってもよい。このような場合、主要界面活性剤の濃度は、好ましくは0.005%(w/v)以上、より好ましくは0.01%(w/v)以上であってもよい。主要界面活性剤の濃度はまた、好ましくは8%(w/v)以下、より好ましくは5%(w/v)以下、さらにより好ましくは2%(w/v)以下、特に好ましくは1%(w/v)以下であってもよい。複数の界面活性剤を用いる場合、各界面活性剤の濃度もまた、上記のとおりである。
また、主要界面活性剤によりサンプルを処理する場合における主要界面活性剤の濃度は、後述するような前処理液を用いる方法によりサンプルを処理する場合には、前処理液とサンプルとの混合液においてその作用が発揮されるような濃度である限り特に限定されないが、例えば、0.001%(w/v)〜10%(w/v)であってもよい。このような場合、主要界面活性剤の濃度は、好ましくは0.005%(w/v)以上、より好ましくは0.01%(w/v)以上、さらにより好ましくは0.1%(w/v)以上であってもよい。主要界面活性剤の濃度はまた、好ましくは8%(w/v)以下、より好ましくは5%(w/v)以下、さらにより好ましくは2%(w/v)以下、特に好ましくは1%(w/v)以下であってもよい。複数の界面活性剤を用いる場合、各界面活性剤の濃度もまた、上記のとおりである。
反応液において、より低濃度での主要界面活性剤の使用が意図される場合、好ましくは、ドデシル硫酸またはその塩を、主要界面活性剤として使用してもよい。ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)は、低濃度で強い効果を示すことが確認されている(表5、7を参照)。このような低濃度は、0.1%(w/v)未満の濃度であり、好ましくは0.08%(w/v)未満の濃度であり、より好ましくは0.06%(w/v)未満の濃度であり、さらにより好ましくは0.05%(w/v)未満の濃度である。
一実施形態では、サンプルの処理は、主要界面活性剤に加えて、還元剤を併用して行われてもよい。したがって、本発明の方法は、還元剤でサンプルを処理することをさらに含んでいてもよい。主要界面活性剤および還元剤によるサンプルの処理は、同時または別々に行うことができるが、好ましくは同時に行われる。このような還元剤としては、任意の還元剤を用いることができるが、チオール基含有還元剤が好ましい。チオール基含有還元剤としては、例えば、ジチオエリトリトール、システイン、2−メルカプトエチルアミンおよびジチオスレイトールが挙げられる。還元剤の濃度は、標的物質の測定に有効な濃度である限り特に限定されず、適宜調整することができるが、例えば0.01〜1000mMであってもよい。
具体的には、還元剤によりサンプルを処理する場合における還元剤の濃度は、後述するような反応液を用いる方法によりサンプルを処理する場合、反応液とサンプルとの混合液においてその作用が発揮されるような濃度である限り特に限定されないが、例えば、0.01〜100mMであってもよい。このような場合、還元剤の濃度は、好ましくは0.05mM以上、より好ましくは0.1mM以上であってもよい。還元剤の濃度はまた、好ましくは100mM以下、より好ましくは50mM以下、さらにより好ましくは20mM以下、特に好ましくは10mM以下であってもよい。複数の還元剤を用いる場合、各還元剤の濃度もまた、上記のとおりである。
また、還元剤によりサンプルを処理する場合における還元剤の濃度は、後述するような前処理液を用いる方法によりサンプルを処理する場合には、前処理液とサンプルとの混合液においてその作用が発揮されるような濃度である限り特に限定されないが、例えば、0.1〜100mMであってもよい。このような場合、還元剤の濃度は、好ましくは0.05mM以上、より好ましくは0.1mM以上であってもよい。還元剤の濃度はまた、好ましくは100mM以下、より好ましくは50mM以下、さらにより好ましくは20mM以下であってもよい。複数の還元剤を用いる場合、各還元剤の濃度もまた、上記のとおりである。
別の実施形態では、サンプルの処理は、主要界面活性剤、または主要界面活性剤および還元剤の組合せに加えて、主要界面活性剤と異なる別の変性剤を併用して行われてもよい。したがって、本発明の方法は、別の変性剤でサンプルを処理することをさらに含んでいてもよい。主要界面活性剤、還元剤および別の変性剤によるサンプルの処理は、同時または別々に行うことができるが、好ましくは同時に行われる。このような変性剤としては、例えば、界面活性剤(例、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤または非イオン性界面活性剤)、カオトロピック剤が挙げられる。変性剤は、1種であってもよいが、複数(例、2または3種)であってもよい。このような変性剤は、変性作用のために有効な濃度で用いられてもよいが、変性作用以外の作用を期待して、変性作用以外の作用に有効な濃度で用いられてもよい。
主要界面活性剤と異なる別の変性剤として、ステロイド骨格を有する界面活性剤を用いてもよい。ステロイド骨格を有する界面活性剤は、ステロイド骨格を、独立した環状構造(即ち、他の環と縮合していないステロイド骨格)として有する化合物、またはその塩である。ステロイド骨格を有する界面活性剤において、その5位の立体構造はαであってもβであってもよい。ステロイド骨格を有する界面活性剤の濃度は、標的物質の測定に有効な濃度である限り特に限定されず、適宜調整することができるが、例えば0.005%(w/v)〜10%(w/v)であり、好ましくは0.01%(w/v)〜1%(w/v)である。
ステロイド骨格を有する界面活性剤は、疎水性部分としてのステロイド骨格、および親水性部分を有する化合物またはその塩であり得る。ステロイド骨格を有する界面活性剤の親水性部分としては、例えば、アニオン性部分〔例、スルホネート(−SO )、カルボキシレート(−COO)、およびホスホネート(−POO )〕、カチオン性部分(例、1〜4個の炭化水素基で置換されていてもよい4級アンモニウムおよび4級ホスホニウム)、非イオン性親水性部分(例、複数のエーテル)およびそれらを有する基(例、このような親水性部分を有する炭化水素基)が挙げられる。したがって、ステロイド骨格を有する界面活性剤は、親水性部分の種類に応じて、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤または非イオン性界面活性剤であり得る。上述した炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピル、ブチル、iso−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル(ラウリル)、テトラデシル(ミリスチル)、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、フェニル、およびナフタレニルが挙げられる。炭化水素基は、好ましくは、炭素原子数1〜10の炭化水素基であり、より好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基である。
ステロイド骨格は、親水性部分の他に、1〜6個(好ましくは1、2、3または4個)の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、ステロイド骨格の性質(例、疎水性)を大きく損なうものでない限り特に限定されないが、例えば、炭素原子数1〜10の炭化水素基、ヒドロキシル基、炭素原子数1〜10の炭化水素基で置換されたヒドロキシル基(例、アルキルオキシ基)、炭素原子数1〜10の炭化水素基−カルボニル−オキシ基(例、アルキル−カルボニル−オキシ基)、オキソ基、ホルミル基、炭素原子数1〜10の炭化水素基−オキシ−カルボニル基(例、アルキルオキシ−カルボニル基)、ハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、およびシアノが挙げられる。
好ましくは、ステロイド骨格を有する界面活性剤は、胆汁酸またはその誘導体あるいはそれらの塩である。胆汁酸としては、例えば、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、ヒオデオキシコール酸、コール酸、グリココール酸、タウロコール酸、ヒオコール酸、5α-シプリノール、リトコール酸、タウロデオキシコール酸、およびタウロコール酸が挙げられる。胆汁酸の誘導体としては、例えば、CHAPS、BIGCHAP、およびdeoxy−BIGCHAPが挙げられる。
より好ましくは、ステロイド骨格を有する界面活性剤は、7位にヒドロキシル基を有しないステロイド骨格を有していてもよい。7位にヒドロキシル基を有しないステロイド骨格を有する界面活性剤としては、例えば、ヒドロキシル基以外の基(例、ヒドロキシル基を除く上述した置換基)を7位に有するステロイド骨格を有する界面活性剤、および7位に置換基を有しない(換言すれば、7位の炭素原子が水素原子と結合している)ステロイド骨格を有する界面活性剤が挙げられる。特に好ましくは、7位にヒドロキシル基を有しないステロイド骨格を有する界面活性剤は、7位に置換基を有しないステロイド骨格を有する界面活性剤である。7位に置換基を有しないステロイド骨格を有する界面活性剤としては、例えば、デオキシコール酸、タウロデオキシコール酸、リトコール酸、5α−シプリノール、およびそれらの塩が挙げられる。
サンプルの処理はまた、他の物質の存在下で行われてもよい。このような物質としては、例えば、標的物質に対する親和性物質、アルブミン(例、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン)、ゼラチン、およびスキムミルクが挙げられる。
標的物質に対する親和性物質とは、標的物質に結合する能力を有する物質をいい、例えば、標的物質に対する抗体、アプタマーが挙げられる。抗体は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体のいずれでもよい。抗体はまた、抗体のフラグメント(例、Fab、F(ab’))、組換え抗体(例、scFv)であってもよい。抗体はさらに、ファージディスプレイ等の分子生物学的手法により、および/または既存のタンパク質モチーフを利用してタンパク質工学的手法により作製された抗体様分子(例、affibody、anticalin、DARPins、monobody)であってもよい。
サンプルの処理は、例えば、(a)サンプルを、上述したような成分を含む水溶液(例、緩衝液)と混合して混合液を調製すること、および(b)混合液をインキュベートすることを含む。
緩衝液としては、例えば、トリス緩衝液(例、Tris−HCl緩衝液、TE緩衝液、TAE緩衝液、TBE緩衝液、トリス緩衝生理食塩水)、リン酸緩衝液(例、リン酸緩衝生理食塩水)、炭酸緩衝液(例、炭酸−重炭酸ナトリウム緩衝液)、GOOD緩衝液(例、MES、ADA、PIPES、ACES、コラミン塩酸、BES、TES、HEPES、アセトアミドグリシン、トリシン、グリシンアミド、ビシン)が挙げられる。サンプルの処理は、中性条件下あるいは酸性またはアルカリ性条件下で行うことができるが、好ましくは中性条件下で行われる。したがって、サンプルの処理において採用されるpH値は、例えば4.0〜9.5、好ましくは5.0〜9.0、好ましくは5.5〜8.5、より好ましくは6.0〜8.0である。サンプルの処理におけるpH値の調整は、緩衝液、酸性物質およびアルカリ性物質を利用して行うことができる。
サンプルの処理(例、上記(a)(b)の工程)の温度は、主要界面活性剤等の成分がその作用を発揮するのに適切である限り特に限定されないが、例えば15〜60℃、好ましくは20〜50℃、より好ましくは20〜45℃である。(a)における混合液の調製に要する時間は、通常、30秒以下であり、好ましくは20秒以下であり、より好ましくは15秒以下であり、さらにより好ましくは10秒以下である。(b)におけるインキュベート時間は、例えば60分以下、好ましくは30分以下、より好ましくは10分以下である。測定のための処理時間の短縮の観点から、インキュベート時間は、さらにより好ましくは5分以下であり、特に好ましくは3分以下、2分以下、1分以下、50秒以下、40秒以下、30秒以下、20秒以下、15秒以下、10秒以下または5秒以下であってもよい。したがって、測定のための処理時間の短縮の観点から、サンプルの処理時間(例、上記(a)(b)の合計時間)は、3分以下、2分以下、1分以下、50秒以下、40秒以下、30秒以下または15秒以下であってもよい。
サンプルの処理はまた、混合のみによって行われてもよい。サンプルの処理が「混合のみ」によって行われるとは、サンプルの処理が上記(a)によって行われ、上記(b)が行われないこと(即ち、インキュベーションが不要であること)を意味する。迅速かつ簡便な測定という観点からは、サンプルの処理を混合のみによって行ってもよい。
(A−1−1.反応液の使用)
好ましい実施形態では、上記工程1)は、主要界面活性剤および標的物質に対する親和性物質を含む反応液でサンプルを処理することにより行うことができる。
反応液は、主要界面活性剤および標的物質に対する親和性物質を含む。反応液はまた、還元剤を含んでいてもよい。反応液はさらに、主要界面活性剤と異なる別の変性剤(例、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤または非イオン性界面活性剤)、およびカオトロピック剤、ならびにステロイド骨格を有する界面活性剤等の他の成分を1種または複数(例、2または3種以上)含んでいてもよい。
反応液中の主要界面活性剤の濃度は、反応液とサンプルとの混合液においてその作用が発揮されるような濃度である限り特に限定されないが、例えば、0.001〜10%(w/v)であってもよい。主要界面活性剤の濃度は、好ましくは0.005%(w/v)以上、より好ましくは0.01%(w/v)以上であってもよい。主要界面活性剤の濃度はまた、好ましくは5%(w/v)以下、より好ましくは3%(w/v)以下、さらにより好ましくは1%(w/v)以下、特に好ましくは0.5%(w/v)以下であってもよい。複数の主要界面活性剤を用いる場合、各主要界面活性剤の濃度もまた、上記のとおりである。反応液中の還元剤の濃度は、反応液とサンプルとの混合液においてその作用が発揮されるような濃度である限り特に限定されないが、例えば0.001〜1000mM、好ましくは0.01〜100mM、より好ましくは0.1〜10mMである。
反応液中の主要界面活性剤の濃度、および含まれる場合、還元剤の濃度は、反応液とサンプルとの混合液においてその作用が発揮されるような濃度である限り特に限定されないが、例えば、反応液とサンプルとの混合液において上述したような濃度(主要界面活性剤および/または還元剤でサンプルを処理する場合における主要界面活性剤および/または還元剤の濃度)を達成できるような濃度である。したがって、反応液中の主要界面活性剤および/または還元剤の濃度は、サンプルおよび反応液の容量に基づいて、上述したような濃度を達成するように適宜設定できる。
反応液は、上述したような物質を水溶液(例、上述したような緩衝液)中に含む。反応液は、中性溶液あるいは酸性溶液またはアルカリ性溶液であり得るが、好ましくは中性溶液である。したがって、反応液のpH値は、例えば4.0〜9.5、好ましくは5.0〜9.0、好ましくは5.5〜8.5、より好ましくは6.0〜8.0である。
反応液の容量は、サンプルの容量および種類、ならびにアッセイの目的(例、定性的または定量的測定)等に応じて適宜決定できるが、サンプルの容量に対して、例えば1〜300倍、好ましくは1〜150倍、より好ましくは1〜50倍である。
反応液によるサンプルの処理は、反応液中に含まれる主要界面活性剤等の成分の作用を発揮するのに適切な様式で適宜行われる。例えば、反応液によるサンプルの処理は、上述したようなサンプルの処理と同様にして行うことができ、(a1)サンプルを反応液と混合して混合液を調製すること、および(b1)混合液をインキュベートすることを含んでいてもよい。(a1)および(b1)における温度および時間の条件は、それぞれ、上記(a)および(b)において上述したものと同様である。
(A−1−2.前処理液および希釈液の使用)
別の好ましい実施形態では、上記工程1)は、i)主要界面活性剤を含む前処理液でサンプルを処理すること、およびii)前処理液で処理されたサンプルを希釈液で処理することにより行うことができる。
(工程i)
前処理液は、主要界面活性剤を含む。前処理液はまた、還元剤を含んでいてもよい。前処理液はさらに、主要界面活性剤と異なる別の変性剤を含んでいてもよい。別の変性剤としては、例えば、ステロイド骨格を有する界面活性剤、ならびにステロイド骨格を有する界面活性剤と異なる別の界面活性剤(例、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤または非イオン性界面活性剤)、およびカオトロピック剤が挙げられる。前処理液に含まれる主要界面活性剤および別の変性剤は、それぞれ、1種であってもよいが、複数(例、2または3種以上)であってもよい。前処理液は、希釈液に含まれる別の変性剤と同種の1または2個以上(例、1〜3個)の変性剤(例、ステロイド骨格を有する界面活性剤および別の界面活性剤)を含んでいてもよい。前処理液はまた、上述したような他の成分を含んでいてもよい。
前処理液中の主要界面活性剤の濃度、および含まれる場合、還元剤の濃度は、前処理液とサンプルとの混合液においてその作用が発揮されるような濃度である限り特に限定されないが、例えば、前処理液とサンプルとの混合液において上述したような濃度(主要界面活性剤および/または還元剤でサンプルを処理する場合における主要界面活性剤および/または還元剤の濃度)を達成できるような濃度である。したがって、前処理液中の主要界面活性剤および/または還元剤の濃度は、サンプルおよび前処理液の容量に基づいて、上述したような濃度を達成するように適宜設定できる。
前処理液は、上述したような物質を水溶液(例、上述したような緩衝液)中に含む。前処理液は、中性溶液あるいは酸性溶液またはアルカリ性溶液であり得るが、好ましくは中性溶液である。したがって、前処理液のpH値は、例えば4.0〜9.5、好ましくは5.0〜9.0、好ましくは5.5〜8.5、より好ましくは6.0〜8.0である。
前処理液の容量は、サンプルの容量および種類、ならびにアッセイの目的(例、定性的または定量的測定)等に応じて適宜決定できるが、サンプルの容量に対して、例えば0.5〜100倍、好ましくは1〜10倍、より好ましくは1〜5倍である。
前処理液によるサンプルの処理は、前処理液中に含まれる成分の作用を発揮するのに適切な様式で適宜行われる。例えば、前処理液によるサンプルの処理は、上述したようなサンプルの処理と同様にして行うことができ、(a2−1)サンプルを前処理液と混合して第1混合液を調製すること、および(b2−1)第1混合液をインキュベートすることを含んでいてもよい。(a2−1)および(b2−1)における温度および時間の条件は、それぞれ、上記(a)および(b)において上述したものと同様である。前処理液によるサンプルの処理はまた、上述したように混合のみによって行われてもよい。
(工程ii)
希釈液は、例えば、上述した成分(例、ステロイド骨格を有する界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カオトロピック剤、および還元剤)を1種または複数(例、2または3種以上)含んでいてもよい。希釈液はまた、上述したような他の成分(例、ビタミンDに対する親和性物質、アルブミン)を含んでいてもよい。
希釈液における上述した成分の濃度は、前処理液、希釈液およびサンプルの混合液においてその作用が発揮されるような濃度である限り特に限定されず、適宜設定できる。
希釈液は、上述したような物質を水溶液(例、上述したような緩衝液)中に含む。希釈液は、中性溶液あるいは酸性溶液またはアルカリ性溶液であり得るが、好ましくは中性溶液である。したがって、希釈液のpH値は、例えば4.0〜9.5、好ましくは5.0〜9.0、好ましくは5.5〜8.5、より好ましくは6.0〜8.0である。
希釈液の容量は、サンプルおよび前処理液の容量および種類、ならびにアッセイの目的(例、定性的または定量的測定)等に応じて適宜決定できるが、サンプルおよび前処理液の総容量よりも多い容量において用いられ得る。具体的には、希釈液の容量は、サンプルおよび前処理液の総容量に対して、例えば1〜20倍、好ましくは1〜10倍、より好ましくは1〜5倍である。
希釈液によるサンプルの処理は、希釈液中に含まれる成分の作用を発揮するのに適切な様式で適宜行われる。例えば、希釈液によるサンプルの処理は、前処理液によるサンプルの処理と同様にして行うことができる。具体的には、希釈液によるサンプルの処理は、(a2−2)前処理液で処理されたサンプルを希釈液と混合して第2混合液を調製すること、および(b2−2)第2混合液をインキュベートすることを含んでいてもよい。(a2−2)および(b2−2)における温度および時間の条件は、それぞれ、上記(a)および(b)において上述したものと同様である。
(A−2.工程2)
上述したとおり処理されたサンプルにおいて、標的物質が検出される。標的物質の検出は、定性的または定量的に行われる。本工程では、上述した親和性物質が用いられる場合、親和性物質を処理されたサンプルに添加することを含んでいてもよい。
標的物質の検出は、任意の方法により行うことができ、例えば、標的物質に対する親和性物質を利用して行うことができる。標的物質の検出はまた、免疫学的手法により行なわれてもよい。このような免疫学的手法としては、例えば、酵素免疫測定法(EIA)(例、直接競合ELISA、間接競合ELISA、サンドイッチELISA)、放射免疫測定法(RIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、磁性粒子法、免疫クロマト法、ルミネッセンス免疫測定法、スピン免疫測定法、ラテックス凝集法が挙げられる。標的物質の検出を可能とする上記以外の方法としては、例えば、LC−MSが挙げられる。
標的物質に対する親和性物質として抗体が用いられる場合、2次抗体がさらに用いられてもよい。2次抗体としては、標的物質に対する抗体(1次抗体)の1次抗体部分に対する抗体であってもよく、標的物質および1次抗体の複合体に対する抗体であってもよい。2次抗体等の抗体は、検出用物質に連結されていてもよい。検出用物質としては、例えば、酵素(例、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ)、親和性物質(例、ストレプトアビジン、ビオチン)、蛍光物質(例、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン)、発光物質(例、ルシフェリン、エクオリン)、放射性物質(例、H、14C、32P、35S、125I)が挙げられる。2次抗体等の抗体は、抗体は、支持体に固定されていてもよい。支持体としては、例えば、粒子(例、磁性粒子)、メンブレン(例、ニトロセルロース膜)、ガラス、プラスチック、金属、プレート(例、マルチウェルプレート)、デバイスが挙げられる。抗体はまた、濾紙等の媒体に含浸された形態で提供されてもよい。
(B.標的物質の測定用キット)
本発明はまた、標的物質の測定用キットを提供する。
本発明のキットは、以下を含む:
1)主要界面活性剤;ならびに
2)標的物質に対する親和性物質および/または標的物質標品。
本発明のキットはまた、還元剤を含んでいてもよい。本発明のキットはさらに、ステロイド骨格を有する界面活性剤等の変性剤を含んでいてもよい。標的物質に対する親和性物質が1次抗体である場合、本発明のキットは、2次抗体をさらに含んでいてもよい。
好ましい実施形態では、本発明のキットは、主要界面活性剤および標的物質に対する親和性物質を含む反応液を含む。反応液は、還元剤をさらに含んでいてもよい。
別の好ましい実施形態では、本発明のキットは、以下を含む:
1)主要界面活性剤を含む前処理液(還元剤をさらに含んでいてもよい);
2)希釈液;ならびに
3)標的物質に対する親和性物質および/または標的物質標品。
本発明のキットに含まれる上述の構成成分の詳細(例、有効成分および濃度、好ましい例)は、本発明の方法において上述したとおりである。反応液ならびに前処理液および希釈液は、本発明の方法において上述した成分および/または物質をさらに含んでいてもよい。標的物質標品は、所定の濃度(単一または複数)の標的物質を含む水溶液または標的物質の粉末であり、コントロールとして有用である。
本発明のキットでは、各構成成分が、それぞれ異なる容器(例、チューブ、プレート)に収容された形態で提供されてもよい。あるいは、本発明のキットは、デバイスの形態で提供されてもよい。具体的には、構成成分の全部がデバイス中に収容された形態で提供されてもよい。あるいは、構成成分の一部がデバイス中に収容された形態で提供され、残りのものがデバイス中に収容されない形態(例、異なる容器に収容された形態)で提供されてもよい。この場合、デバイス中に収容されない構成成分は、標的物質の測定の際に、デバイス中に注入されることにより使用されてもよい。デバイスの構造としては、例えば、1)サンプルと主要界面活性剤とを混合して混合液を調製するための第1区域、および調製された混合液を、標的物質に対する親和性物質と接触させて、標的物質を検出するための第2区域を備えるデバイス;2)サンプル、主要界面活性剤および標的物質に対する親和性物質を混合して、標的物質を検出するための区域を備えるデバイス;ならびに3)サンプルと上記構成成分(例、反応液、ならびに前処理液および希釈液)との混合を可能にする流路、および標的物質を検出するための区域を備えるデバイスが挙げられる。
以下、本発明の実施例を記載するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
以下の実施例では、標的物質としてのビタミンDを測定する免疫学的方法として、25OHビタミンD2および25OHビタミンD3(以下、必要に応じて、25OHビタミンD2および25OHビタミンD3を包括して25OHビタミンDと略記する)を認識する1次抗体を用いた。したがって、以下の実施例で測定された値は、25OHビタミンD2および25OHビタミンD3の総量に対応し得る。
Figure 0006330666
実施例1:アニオン性界面活性剤および還元剤による25OHビタミンD測定法の検討
ヒト血清を、アニオン性界面活性剤(SDS)および還元剤(DTT)で処理し、次いで、免疫学的方法によりヒト血清中の25OHビタミンDを測定した。
方法は、以下のとおり行った。
1)同一のヒトから採取された同一血清10μlに、前処理液〔PBS(pH7.6)に、1%、0.30%、0.1%または0%(w/v) SDS+8mM、4mM、2mMまたは0mM DTT+0.1%(w/v)デオキシコール酸ナトリウム塩+0.1%(w/v)CHAPS〕を40μl加えて、血清と前処理液との第1混合液(50μl)を調製した。第1混合液中の各成分の濃度は、次のとおりである:0.8%、0.24%、0.08%または0%(w/v) SDS;6.4mM、4mM、1.6mMまたは0mM DTT;0.08%(w/v) デオキシコール酸ナトリウム塩;および0.08%(w/v) CHAPS。
2)第1混合液を、室温(25℃。以下同様)にて10分間インキュベートした。
3)インキュベートした第1混合液に、希釈液〔PBS(pH7.6)に0.1%(w/v)デオキシコール酸ナトリウム塩+0.1%(w/v)BSA〕を150μl加えて、第1混合液と希釈液との第2混合液(200μl)を調製した。第2混合液中のデオキシコール酸ナトリウム塩の濃度は、約0.1%(w/v)であった。
4)第2混合液75μlと抗25OHビタミンD抗体結合磁性粒子液75μlを混合した。
5)上記4)で得られた溶液を、37℃にて10分間インキュベートした。
6)インキュベート後、磁性プレート上にてサンプル中の磁性粒子を集め、磁性粒子を3回洗浄した。
7)洗浄液を除いた磁性粒子に、MES緩衝液で懸濁したアルカリホスファターゼ標識抗体(25OHビタミンD−抗25OHビタミンD抗体の免疫複合体に対する抗体)を加えた。
8)上記7)で得られた溶液を、37℃にて10分間インキュベートした。
9)インキュベート後、磁性プレート上にてサンプル中の磁性粒子を集め、磁性粒子を3回洗浄した。
10)洗浄液を除いた磁性粒子に、発光基質 (AMPPD)液を加えた。
11)上記10)で得られた溶液を、37℃にて5分間インキュベートした。
12)発光カウントを、ラベルリーダー(ARVO; Perkin Elmer)で測定した。
結果は、以下の表1に示すとおりであった。なお、表1では、SDSおよびDTTを含まない前処理液で処理されたヒト血清の発光カウントを1(コントロール)とし、各種条件下で測定された発光カウントを、コントロールに対する割合で表示した。
Figure 0006330666
その結果、SDS 0.3%(w/v)を含む前処理液を加えた条件では、未処理条件の10倍以上のカウントが得られた(表1)。また、DTTを5mM以上を含む前処理液を加えた条件では、なにも加えなかった条件の20倍近くのカウントが得られた(表1)。したがって、25OHビタミンDを含むサンプルの処理において、アニオン性界面活性剤(SDS)を用いることで、25OHビタミンDの測定感度を向上できること、ならびにアニオン性界面活性剤(SDS)および還元剤(DTT)を併用することで、25OHビタミンDの測定感度をさらに向上できることが示された。
実施例2:ビタミンD結合タンパクを変性させるのに有効な還元剤の検討
ヒト血清を、アニオン性界面活性剤(SDS)および種々の還元剤で処理し、次いで、免疫学的方法によりヒト血清中の25OHビタミンDを測定した。
方法は、以下のとおりに行った。
1)同一のヒトから採取された同一血清10μlに、前処理液〔PBS(pH7.6)に0.3%(w/v)SDS+5mM 各還元剤+0.1%(w/v) デオキシコール酸ナトリウム塩+0.1%(w/v) CHAPS〕を40μl加えて、血清と前処理液との第1混合液(50μl)を調製した。第1混合液中の各成分の濃度は、次のとおりである:0.24%(w/v) SDS;4mM 各還元剤;0.08%(w/v) デオキシコール酸ナトリウム塩;および0.08%(w/v) CHAPS。
2)以降の操作は、実施例1の上記2)〜12)と同じ方法により行った。
結果は、以下の表2に示すとおりであった。なお、表3では、還元剤を含まない前処理液で処理されたヒト血清の発光カウントを1(コントロール)とし、還元剤としてDTE(ジチオエリトリトール)、TCEP(Tris−2−カルボキシエチルホスフィン塩酸塩)、L−Cys(L−システイン)、2−MEA(2−メルカプトエチルアミン)またはDTT(ジチオスレイトール)を含む前処理液で処理されたヒト血清の発光カウントを、コントロールに対する割合(%)で表示した。
Figure 0006330666
表2に示されるように、チオール基(−SH)含有還元剤(例、DTE、L−Cys、2−MEA、DTT)を用いた場合、シグナル強度(発光カウント)が向上した。特に、2−MEAで高い効果が確認された。
実施例3:アニオン性界面活性剤(SDS)による処理時間の検討
25OHビタミンDの高感度測定に必要とされる、アニオン性界面活性剤(SDS)による処理時間について検討した。
方法は、以下のとおりに行った。
1同一のヒトから採取された同一血清10μlに、前処理液(PBSに0.3%(w/v)SDS+5mM 2−MEA+0.1%(w/v)デオキシコール酸ナトリウム塩+0.1%(w/v) CHAPS)を40μl加えて、攪拌による混合により血清と前処理液との第1混合液(50μl)を調製した。第1混合液中の各成分の濃度は、次のとおりである:0.24%(w/v) SDS;4mM 2−MEA;0.08%(w/v) デオキシコール酸ナトリウム塩;および0.08%(w/v) CHAPS。攪拌による混合に要した時間は、約3秒であった。
2)第1混合液を、室温(25℃)にてインキュベートした(10分、5分または1分)。また、攪拌による混合のみにより調製された第1混合液を、インキュベートすることなく、次の操作に供した(インキュベート時間:0分)。
3)以降の操作は、実施例1の3)〜12)と同じ方法により行った。
結果は、以下の表3に示すとおりであった。なお、表3では、上記工程2)に関して、10分のインキュベート時間の条件下で測定された発光カウントを100%(コントロール)とし、0分、1分および5分のインキュベート時間の条件下で測定された発光カウントを、コントロールに対するパーセントで表示した。
Figure 0006330666
その結果、上記工程2)に関して、混合のみ(インキュベート時間:0分)の条件下で測定された発光カウントは、10分のインキュベート時間の条件下で測定された発光カウントとほぼ同じであった。このことは、上記工程2)のインキュベート操作は必ずしも必要でなく、血清と前処理液とを軽く攪拌するだけで、ビタミンDが、DBPから解離することを示す。したがって、本発明の方法により、標的物質の測定に要する時間が短縮できることが示された。
参考例1:既存製品を用いた前処理に要する時間
既存製品では、血清サンプルの前処理に必要とされる時間は、その使用説明書によれば、以下のとおりである。既存製品として、DiaSorin−RIA(DiaSorin社製)、DiaSorin−Liaison(DiaSorin社製)
Figure 0006330666
実施例4:本発明の方法と有機溶媒を用いる既存の方法との比較(I)
アニオン性界面活性剤(SDS)を用いる本発明の方法による標的物質の測定精度を検証するため、本発明の方法による標的物質の測定値と、有機溶媒を用いる既存の方法により得られた測定値との相関係数を比較した。
4−1)本発明の方法による測定
方法は、以下のとおりに行った。なお、測定サンプルとしては、ヒト血清5サンプルを用いた。
1)ヒト血清3.75μlに、反応液(PBSに約0.03%(w/v) SDS+約0.5mM 2−MEA+約0.04%(w/v)デオキシコール酸ナトリウム塩+0.04%(w/v)CHAPS+抗25OHビタミンD抗体結合粒子液)146.25μlを加えて、血清と反応液との混合液(150μl)を調製した。混合液中の各成分の濃度は、次のとおりである:約0.03%(w/v) SDS;約0.5mM 2−MEA;約0.04%(w/v) デオキシコール酸ナトリウム;約0.04%(w/v) CHAPS。
2)混合液を、37℃にて10分間インキュベートした。
3)インキュベート後、磁性プレート上にてサンプル中の磁性粒子を集め、磁性粒子を3回洗浄した。
4)洗浄液を除いた磁性粒子に、MES緩衝液中に懸濁したアルカリホスファターゼ標識抗体(25OHビタミンD−抗25OHビタミンD抗体免疫複合体に対する抗体)を加えた。
5)上記4)で得られた溶液を、37℃にて10分間のインキュベートした。
6)インキュベート後、磁性プレート上にてサンプル中の磁性粒子を集め、磁性粒子を3回洗浄した。
7)洗浄液を除いた磁性粒子に、発光基質(AMPPD)液を加えた。
8)磁性粒子および発光基質を含む溶液を、37℃にて5分間インキュベートした。
9)発光カウントを、ラベルリーダー(ARVO;Perkin Elmer)で測定した。
4−2)有機溶媒を用いる既存の方法による測定
既存の方法としては、有機溶媒(アセトニトリル)によるタンパク質除去法を用いた。方法は、以下のとおりに行った。なお、測定サンプルとしては、上記4−1)と同じヒト血清5サンプルを用いた。
a)ヒト血清25μlに、75μlのアセトニトリルを加えた。
b)血清とアセトにトリルの混合液を、6000rpmにて10分間遠心した。
c)上清50μlを回収し、希釈液(MES緩衝液:0.1% BSA、0.1%デオキシコール酸ナトリウム)を200μl加えた。
d)上記c)で得られた溶液75μlと抗25OHビタミンD抗体結合磁性粒子液を75μl混合した。
e)以降の操作は、上記4−1)の2)〜9)と同じ方法により行った。
4−3)結果
本発明の方法による測定値は、有機溶媒(アセトニトリル)を用いるタンパク質除去法による測定値との相関性が高かった(図1、R=0.9981)。したがって、本発明の方法は、ビタミンDの測定に有用であると考えられる。
実施例5:本発明の方法と既存の方法(DiaSorin−RIA)との比較(II)
アニオン性界面活性剤(SDS)を用いる本発明の方法による標的物質の測定精度をさらに検証するため、本発明の方法による標的物質の測定値と、既存の方法(DiaSorin−RIA)により得られた測定値との相関係数を比較した。
5−1)本発明の方法による測定
方法は、以下のとおりに行った。なお、測定サンプルとしては、ヒト血清13サンプルを用いた。
1)ヒト血清3.75μlに、反応液(PBSに0.03%(w/v)SDS+0.5mM 2−MEA+0.1%(w/v)デオキシコール酸ナトリウム塩+0.01%(w/v)CHAPS+0.038%BSA+抗25OHビタミンD抗体結合粒子液)146.25μlを加えた。
2)以降の操作は、実施例4−1)の2)〜9)と同じ方法により行った。
5−2)既存の方法(DiaSorin−RIA)による測定
既存の方法としては、後述するとおり、DiaSorin−RIAを用いた。DiaSorin−RIAは、市販のキット(25−HydroxyvitaminD 125I RIA Kit,DiaSorin製)を用いて行った。方法は、以下のとおりに行った。なお、測定サンプルとしては、上記5−1)と同じヒト血清13サンプルを用いた。
I)前処理操作
a)ガラス試験管を準備する。
b)アセトニトリルを各試験管に500μlずつ分注する。
c)キャリブレーター、コントロール、またはサンプル(血清など)を50μlずつ加える。
d)サンプル溶液を10秒間攪拌する。
e)サンプル溶液を、室温にて1200gで10分間遠心分離する。
f)上清をサンプルとして用いる。
II)測定操作
a)上記サンプル 25μl、I125 25OHビタミンD(DiaSorin製) 50μlおよび抗25OHビタミンD抗体液 1mlを混合する。
b)混合液を、室温にて90分インキュベートする。
c)インキュベートした混合液に、ロバ由来抗ヤギ抗体を500μl加える。
d)得られた溶液を、室温にて25分インキュベートする。
e)インキュベートした溶液に、NSB/添加緩衝液を500μl加える。
f)得られた溶液を、室温にて1800gで20分間遠心分離する。
g)遠心分離した溶液から完全に上清を除く。
h)ガンマシンチレーションカウンターを用いて測定を行う。
5−3)結果
アニオン性界面活性剤(SDS)を用いた本発明の方法による測定値は、Diasorin RIA法による測定値との相関性が高かった(図2、R=0.9425)。したがって、本発明の方法は、ビタミンDの測定に有用であると考えられる。
実施例6:SDS類似界面活性剤によるビタミンDの測定
次いで、SDS類似界面活性剤によるビタミンDの測定について検討した。
方法は、以下のとおりに行った。
1)50ng/ml強化ウマ血清3.75μlに、反応液〔Tris−HCl緩衝液(pH7.6)に、0.03%(w/v)または0.1%(w/v) 下記界面活性剤+0.038%(w/v)デオキシコール酸ナトリウム塩+0.038%(w/v) BSA+抗25OHビタミンD抗体結合粒子液〕146.25μlを加えて、血清と反応液との混合液(150μl)を調製した。混合液中の各成分の濃度は、次のとおりである:約0.03%(w/v)または約0.1%(w/v) 下記界面活性剤;約0.04%(w/v) デオキシコール酸ナトリウム;および約0.04%(w/v) BSA。
2)以降の操作は、実施例4−1)の2)〜9)と同じ方法により行った。
結果は、以下の表5に示すとおりであった。なお、表5では、上記工程1)に関して、界面活性剤の非存在下で測定された発光カウントを100(コントロール)とし、各種界面活性剤の存在下で測定された発光カウントを、コントロールに対する割合で表示した。
Figure 0006330666
その結果、10以上の炭素原子数を有する炭化水素鎖を含むSDS類似界面活性剤で高い効果が認められた。特に、デシル硫酸ナトリウム塩、ドデシル硫酸ナトリウム塩を用いたときに高い効果が認められた。親水性部分を構成する硫黄原子がリン原子である場合、効果が認められなかった。以上のことから、界面活性剤の親水性部分および疎水性部分のどちらもビタミンDの測定に重要であることが考えられた。
実施例7:炭化水素鎖を有する界面活性剤によるビタミンDの測定
次いで、炭化水素鎖を有する界面活性剤によるビタミンDの測定について検討した。
具体的には、方法は、以下のとおりであった。
1)100ng/ml強化ウマ血清3.75μlに、反応液〔Tris−HCl緩衝液(pH7.6)、0.03%(w/v)または0.1%(w/v) 下記の界面活性剤、0.038%(w/v)デオキシコール酸ナトリウム、0.038%(w/v)BSA、抗25OHビタミンD抗体結合粒子液〕146.25μlを加えて、血清と反応液との混合液(150μl)を調製した。混合液中の各成分の濃度は、次のとおりである:約0.03%(w/v)または約0.1%(w/v) 下記界面活性剤;約0.04%(w/v) デオキシコール酸ナトリウム;および約0.04%(w/v) BSA。
2)以降の操作は、実施例4−1)の2)〜9)と同じ方法により行った。
結果は、以下の表6に示すとおりであった。なお、表6では、上記工程(1)に関して、界面活性剤の非存在下で測定された発光カウントを100(コントロール)とし、界面活性剤の存在下で測定された発光カウントを、コントロールに対する割合で表示した。
Figure 0006330666
その結果、これらの界面活性剤で効果が認められた。特に、SDSは、低濃度で高い効果を示した。
本発明の方法およびキットは、標的物質の測定に有用である。

Claims (14)

  1. 以下を含む、ビタミンDの測定方法:
    1)炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤でサンプルを処理すること;ならびに
    2)処理されたサンプルにおいてビタミンDを検出すること。
  2. 炭化水素鎖が、10個以上の炭素原子数を有する直鎖の炭化水素基である、請求項1記載の方法。
  3. 親水性部分が、スルホネート基、カルボキシレート基、またはアンモニウム基である、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記界面活性剤が、デシル硫酸、ドデシル硫酸またはこれらの塩である、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. チオール基含有還元剤でサンプルを処理することをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. チオール基含有還元剤が、ジチオエリトリトール、システイン、2−メルカプトエチルアミンおよびジチオスレイトールからなる群より選ばれる、請求項5記載の方法。
  7. サンプルの処理が混合のみによって行われる、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 以下を含む方法である、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法:
    1’)前記界面活性剤およびビタミンDに対する親和性物質を含む反応液でサンプルを処理すること;ならびに
    2’)処理されたサンプルにおいてビタミンDを検出すること。
  9. 以下を含む方法である、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法:
    1’’)前記界面活性剤を含む前処理液でサンプルを処理すること;
    2’’)前記1’’)で処理されたサンプルを希釈液で処理すること;ならびに
    3’’)前記2’’)で処理されたサンプルにおいてビタミンDを検出すること。
  10. サンプルがヒト由来のサンプルである、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
  11. サンプルが血液関連サンプルである、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
  12. ビタミンDがサンプル中でビタミンD結合タンパク質と結合している、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
  13. 以下を含む、ビタミンDの測定用キット:
    1)炭化水素鎖から構成される疎水性部分、および親水性部分を含む界面活性剤;ならびに
    2)ビタミンDに対する親和性物質および/またはビタミンD標品。
  14. チオール基含有還元剤をさらに含む、請求項13記載のキット。
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