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JP6295416B2 - 換気装置 - Google Patents
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Description

本発明は、換気の動作に関連して排気風量を制御する換気装置に関する。
従来のこの種の換気装置は、以下のようなものとなっていた。
すなわち、浴室換気装置が24時間換気を行なっているときに、レンジフードが駆動されたとき、浴室換気装置の24時間換気機能を停止若しくは換気風量を低減する。
また、レンジフードファンが停止したことを電流センサで検出して浴室換気装置の24時間換気の再開若しくは排気量の復帰増大を行う構成となっていた(たとえば、特許文献1を参照)。また、複数の換気装置のうちの特定の一つを基準換気装置として、風量制御することで換気風量を均衡させる構成となっていた(たとえば、特許文献2を参照)。
特開2006−38364号公報 特許第3722907号公報
上記特許文献1の従来例によれば、24時間換気を実行し、前記起動検出手段が前記大排気量装置の起動を検出したときに、前記24時間換気を停止若しくは換気量を低減していた。また、前記大排気量装置が停止したときにこれを起動検出手段で検出して前記24時間換気の再開若しくは換気風量の復帰増大を行っていた。これにて室内の換気が行われ建物内部に負圧が発生してドアが開きにくくなったり、隙間風の音が大きくなったりすることを防止していた。
このような換気装置における課題としては、例えばレンジフードファン等大きな風量を排気するモータ等が故障した時に24時間換気を停止してしまうため、換気不足になる可能性があり、また、レンジフード等の大きな風量で換気をまかなうようにすると過換気となり必要以上の風量になるため、無駄な電力を使用すると共に不快感を与える。
上記特許文献2の従来例によれば、複数の部屋に風量可変の換気装置を設け、特定の一つを基準換気装置として、一定の換気風量を確保するように制御装置により風量制御し、それぞれその風量特性に応じた電源を供給するようにして、換気風量を均衡させることで、風量特性の異なる排気用換気装置であっても各風量特性に応じた風量制御を実施していた。
このような換気装置における課題としては、ある特定の一つの換気装置を基準として風量制御を行う構成のとき、基準となる換気装置が故障した場合に、それ以外の換気装置が一定の換気風量を確保することができず、また、基準となる換気装置が埃等の汚れにより排気抵抗が増大した場合に、建物全体としての換気風量も低下するという問題が発生する。
更に、一つの制御装置で複数の換気装置の風量制御を行っていることで、換気装置の故障や増設時であっても、エンドユーザーによる容易な交換作業や初期設定が困難となって
いる。
以上のことから、本発明は、建物内のある換気装置に、故障による換気装置自体の交換や、劣化による性能低下が発生した場合、施工業者およびエンドユーザーが複雑な設定や操作をしなくても、全ての換気装置が自身の風量制御を行いながら、同時に他の換気装置と相互に風量情報を通信しあうことで、建物全体としては一定の換気風量を確保するための最適な動作を行うことを目的とするものである。
そしてこの目的を達成するために本発明は、建屋内の総換気風量を一定に保つ換気システムを構成する換気装置であって、
前記総換気風量の一部となる自己の設定風量を設定する風量設定手段と、自己の現在風量と前記自己の設定風量の差に、前記総換気風量を一定に保つための自己の補正風量値を加えて自己の増減値を算出する風量差算出手段と、前記自己の増減値を前記換気装置のうち他の換気装置に送信する情報送信手段と、他の換気装置の増減値を受信する情報受信手段と、全換気装置の増減値(前記自己の増減値と前記他の換気装置の増減値)の総和をゼロにするように総和調整値を算出し、この総和調整値を前記自己の補正風量値とする第一決定手段と、前記自己の設定風量に前記自己の増減値を加えて風量指示値を算出する風量制御手段を備えたものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、建屋内の総換気風量を一定に保つ換気システムを構成する換気装置であって、
前記総換気風量の一部となる自己の設定風量を設定する風量設定手段と、自己の現在風量と前記自己の設定風量の差に、前記総換気風量を一定に保つための自己の補正風量値を加えて自己の増減値を算出する風量差算出手段と、前記自己の増減値を前記換気装置のうち他の換気装置に送信する情報送信手段と、他の換気装置の増減値を受信する情報受信手段と、全換気装置の増減値(前記自己の増減値と前記他の換気装置の増減値)の総和をゼロにするように総和調整値を算出し、この総和調整値を前記自己の補正風量値とする第一決定手段と、前記自己の設定風量に前記自己の増減値を加えて風量指示値を算出する風量制御手段を備えたものであり、建屋全体の必要換気風量を最適に保つことができ、換気風量過多によるエネルギーロスを低減し、また、特定の換気装置が過負荷になることを防止する。
また、前記情報受信手段が受信した前記他の換気装置の増減値が所定の時間更新されない場合に該当する前記他の換気装置の増減値を削除する受信異常監視手段を備えたので、換気装置の通信装置に異常が発生した場合であっても、建屋全体としては正常な換気動作を継続することが可能であると言う効果を得ることができる。
本発明の実施の形態におけるかかる換気扇の設置例を示す一部切欠斜視図 同分解斜視図 床面積設定部を示す図 同実施の形態1の制御回路のブロック図 同実施の形態1のデータフロー図 同実施の形態1の換気装置2台構成で通信の正常動作を表すネットワーク図 同実施の形態1の換気装置3台構成で通信の正常動作を表すネットワーク図 同実施の形態1の換気装置4台構成で通信の正常動作を表すネットワーク図 同実施の形態1の換気装置2台構成で通信異常発生を表すネットワーク図 同実施の形態1の換気装置3台構成で通信異常発生を表すネットワーク図 同実施の形態1の換気装置4台構成で通信異常発生を表すネットワーク図
本発明の請求項1の換気装置は、建屋内の総換気風量を一定に保つ換気システムを構成する換気装置であって、
前記総換気風量の一部となる自己の設定風量を設定する風量設定手段と、自己の現在風量と前記自己の設定風量の差に、前記総換気風量を一定に保つための自己の補正風量値を加えて自己の増減値を算出する風量差算出手段と、前記自己の増減値を前記換気装置のうち他の換気装置に送信する情報送信手段と、他の換気装置の増減値を受信する情報受信手段と、全換気装置の増減値(前記自己の増減値と前記他の換気装置の増減値)の総和をゼロにするように総和調整値を算出し、この総和調整値を前記自己の補正風量値とする第一決定手段と、前記自己の設定風量に前記自己の増減値を加えて風量指示値を算出する風量制御手段を備えたものである。
また、前記第一決定手段は、前記全換気装置の増減値の総和の正負に対応して、正負逆となる所定の最小単位風量を総和調整値とするものである。
これにより、各々の換気装置の制御部が、各風量設定手段で設定された設定風量値で換気を行った上で、情報送信手段と情報受信手段を介して双方向通信して互いの増減値を共有することで、第一決定手段は、建屋全体として必要な総換気風量を確保している風量均衡を検知する。そして、いずれかの換気装置に不具合や故障が生じて風量均衡では状態となった場合に、風量均衡するように換気装置の換気風量を増減する総和調整値を算出する。従って、同一建屋内に複数台の換気装置が設置された場合においても、各換気装置の換気風量の増減を吸収して、同一建屋内の総換気風量を確保することとなるので、建屋全体の必要換気風量を最適に保つことができ、換気風量過多によるエネルギーロスを低減し、換気装置の換気効果を損なうことを防止することができる。
また、前記自己の増減値の前記他の換気装置の増減値に対するバラツキを減らすバラツキ調整値を算出する第二決定手段と、前記第一決定手段に優先して、前記自己の補正風量値を決定する第三決定手段とをさらに備え、前記第三決定手段は、前記第一決定手段が算出した前記総和調整値がゼロのときに、前記バラツキ調整値を前記自己の補正風量値とするものである。
また、前記第二決定手段は、全換気装置の増減値(前記自己の増減値と前記他の換気装置の増減値)のうち正の値の平均から前記自己の増減値を減算した値の正負に対応して、同じ正負の所定の最小単位風量を前記バラツキ調整値とするものである。
これにより、第二決定手段は、他の換気装置と比較して過負荷状態となった換気装置が、他の換気装置と同等の出力で駆動を行うために、換気装置の換気風量を増減するバラツキ調整値を算出する。第三決定手段は、建屋全体として必要な総換気風量が確保できていない場合に、総和調整値によって換気風量を風量均衡の状態へ遷移させた後に、バラツキ調整値によって過負荷状態の換気装置が発生しないよう換気風量を増減する。このようにして、総換気風量を確保した風量均衡の状態とした上で、特定の換気装置だけが過負荷状態となることで、換気装置の急激な劣化や故障を引き起こすことを防止することができる。
また、前記情報受信手段が受信した前記他の換気装置の増減値が所定の時間更新されない場合に該当する前記他の換気装置の増減値を削除する受信異常監視手段をさらに備えたものである。
これにより、受信異常監視手段は、定期的に他の換気装置からの増減値が受信されていることで、他の換気装置に異常が発生していないことを判断し、通信が長時間に渡って途絶えている場合には、該当する換気装置に異常が発生したものと判断して、異常が発生した換気装置の増減値を削除することで、正常動作中の換気装置のみで風量均衡の状態を保つことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1は、同一建屋内に3台の換気装置が設置されている場合を一例としたものであり、各々の換気装置を第一の換気装置と第二の換気装置と第三の換気装置とし、各換気装置は、同一建屋内の同一または異なる部屋に設置されている。
第一の換気装置と、第二の換気装置と、第三の換気装置は同じ構成のものであって設置場所が異なるものである。
まず換気装置の構成についての第一の換気装置を用いて説明する。
図1〜図2において、第一の換気装置の本体ケース1は、下面に室内空気取入開口部2、側面(または上面)に室内空気排出開口部3を有する箱形の本体ケースで、内部には送風機4が設けられている。
この本体ケース1は図1のごとく、天井板5の上面に設置されるもので、この天井板5には、室内空気取入開口部2と略同じ大きさの開口部(図示せず)が設けられている。
また、本体ケース1の室内空気排出開口部3にはダクト6の一端が接続され、さらにダクト6の他端は室外へと延長されている。
前記本体ケース1は、図1のごとく、天井板5の上面に設置され、その状態で、天井板5の下面から、前記室内空気取入開口部2を覆うごとく、スリット状の通気孔7を備えた化粧板8が着脱自在に取り付けられている。
この化粧板8の前記本体ケース1への取り付けについては、よく知られた構造であるので、簡単に説明すると、図2に示すように、化粧板8の取り付けバネ9を、本体ケース1の取付部10に装着することで、この作業は簡単に行える。
前記化粧板8は、本体ケース1の室内空気取入開口部2よりも大きなものであるので、天井板5の開口部(図示せず)や、前記室内空気取入開口部2を、天井板5の下面側から覆い、美感を高めるものである。
また、この化粧板8を着脱し、使用者が容易に確認でき操作可能な位置に、換気装置の風量を設定するための風量設定手段11が取り付けられている。
この風量設定手段11は、図3に示すように、風量を多段階に設定可能なダイヤル式のスイッチを設けてあるが、これに限定するものではなく、切り替え設定ができれば良いものとする。
また、建築業界においては、建物の床面積によって確保しなければならない風量が決まっており、各換気装置の必要換気風量は建物の設計時に決まるのが一般的である。
次に、第一の換気装置の制御回路のブロック図について図4を用いて説明する。
制御回路のブロックは、商用電源12に接続した電源回路13と、電源回路13の出力電圧からFETなどのスイッチング素子の集合体である駆動回路14を介して接続される三相(U、V、W相)の固定子巻き線を有するDCモータなどの送風機4と、各種情報処理を行い送風機4の回転数を調整する制御部15と、制御部15に接続され第一の換気装置の風量を設定する風量設定手段11と、他の換気装置へ情報を伝達する情報送信手段16と、前記他の換気装置から情報を取得する情報受信手段17とから構成されている。
制御部15は、電源回路13の出力電圧であるDC5VやDC3Vで駆動するものであり、マイコンで構成される。
後述する制御部15の動作については、制御部15内部のカウンターやRAMおよびROMが共同するプログラムの形態で実施される。
次に、図5に示すデータフロー図を用いて、第一の換気装置の制御部の構成を説明する。
制御部15は、情報送信手段16、および情報受信手段17を介して、他の換気装置へ情報として自己の増減値の送信、および他の換気装置の情報として他の換気装置の増減値の受信をそれぞれ行なうものである。各々の換気装置の情報送信手段16および情報受信手段17の接続については、有線式や無線式のどちらでも同様の効果が期待できる。
また、制御部15は、風量制御手段18と風量差算出手段19と第一決定手段20と第二決定手段21と第三決定手段22と受信異常監視手段23から構成されている。
風量制御手段18は、風量設定手段11によって設定された自己の換気風量である設定風量値に、自己の増減値を加えた風量指示値により駆動回路14を駆動するものである。駆動回路の特性により、最大換気風量能力から最低換気風量能力の間であれば任意の風量での換気を一定の風量で行うための制御をするものである。
風量差算出手段19は、風量設定手段11によって設定された設定風量値と、風量制御手段18によって制御された現在風量値との差である風量差を算出し、これに後述する自己の補正風量値を加えて自己の増減値を決定するものである。
第一決定手段20は、情報受信手段17により他の換気装置それぞれより受信した他の換気装置の増減値と風量差算出手段19により決定された自己の増減値との総和を算出し、総和が±0[m3/h]でない場合は、総和を±0[m3/h]に近づける最小単位風量である総和調整値を算出して第三決定手段22に通知し、総和が±0[m3/h]である場合は、風量均衡検知として第三決定手段22に通知するものである。
すなわち、第一決定手段20は、前記自己の増減値と前記他の換気装置の増減値との総和をゼロにする総和調整値を算出するとともに総和がゼロである風量均衡を検知することもできるものである。つまり、総和がゼロであれば前記総和調整値もゼロとなるので風量均衡を知ることができる。
第二決定手段21は、情報受信手段17により他の換気装置それぞれより受信した他の換気装置の増減値と風量差算出手段19により決定された自己の増減値とのそれぞれの値を比較し、その差を減らす風量値の最小単位であるバラツキ調整値を算出して第三決定手段22に通知するものである。
すなわち、第二決定手段21は、前記自己の増減値と前記他の換気装置の増減値との差を減らすバラツキ調整値を算出するものである。
第三決定手段22は、第一決定手段20より風量均衡検知が通知されている場合はバラツキ調整値を、また、第一決定手段20より風量均衡検知が通知されていない場合は総和調整値を、自己の増減値として風量差算出手段19に通知するものである。
すなわち、第三決定手段22は、第一決定手段が風量均衡を検知したときに前記総和調整値よりも前記バラツキ調整値を優先した値を前記自己の補正風量値として選択するものである。
前記設定風量値、前記自己の増減値および前記他の換気装置の増減値については、各換気装置の制御部15内部のRAMなどの記憶領域上に保存し、設定風量値および自己の増減値は各換気装置に1領域ずつ、また、他の換気装置の増減値は、情報受信手段17より受信可能な全ての換気装置について1台につき1領域ずつ確保するものである。
受信異常監視手段23は、所定の時間をカウントするタイマを他の換気装置の数だけ持ち、情報受信手段17から前記他の換気装置の増減値を受け取る毎にタイマをリスタートすることで、所定の時間に渡って増減値の受信ができない換気装置を判断して、該当する換気装置から受信した増減値を削除する動作を行うものである。
上記構成において、換気装置の風量制御動作について図5に示すデータフロー図を用いて説明する。
ここでは、換気風量が150[m3/h]必要な建屋に、最大換気風量能力が100[m3/h]、最小換気風量能力が0[m3/h]の換気装置を3台設置した場合を想定し、各々の換気装置を第一の換気装置と第二の換気装置と第三の換気装置として、各々の風量設定手段11で設定した設定風量値を50[m3/h]とした場合において、以下詳細について説明する。
本実施の形態では、第一の換気装置、第二の換気装置、第三の換気装置について全ての換気装置がそれぞれ同一の制御部15によって動作しており、3台の換気装置全てがそれぞれ同一のアルゴリズムを搭載している。そのため、本実施の形態におけるいずれの換気装置についてもその換気装置を自己の換気装置とした場合に、自己以外の換気装置を他の換気装置、として説明する。
例えば、第一の換気装置から見た場合、「自己の」とは、第一の換気装置のことであり、「他の」とは、第二の換気装置および第三の換気装置のことである。
第二の換気装置から見た場合、第三の換気装置から見た場合も同様に、自己以外の換気装置について「他の換気装置」として説明する。
また、特にいずれかの換気装置を特定する必要の無い場合は、「第一の」、「第二の」、「第三の」は記載しないものとする。
換気装置に電源が投入されると、風量設定手段11により設定された設定風量値に従って動作を開始する。
設定された設定風量値は50[m3/h]であり、風量指示値は風量制御手段18に通知される。
風量制御手段18は設定された設定風量値で駆動回路14を駆動する。本実施の形態では3台の換気装置を想定しているため、第一の換気装置と第二の換気装置と第三の換気装置のそれぞれの風量制御手段18は、各々の換気装置は50[m3/h]の風量値を風量指示値として運転を行う。
風量制御手段18は、風量設定手段11によって設定された設定風量値に自己の増減値を加えた値である風量指示値を駆動回路14へ出力する。
すなわち、前記動作開始時の自己の増減値は±0[m3/h]であるため、設定風量値50[m3/h]+自己の増減値±0[m3/h]である50[m3/h]となり、風量設定手段11により設定された設定風量値が風量制御手段18によりそのまま風量指示値となる。
風量差算出手段19は、現在風量値と設定風量値の差を自己の増減値として算出する。すなわち、まずは、
現在風量値=設定風量値の場合には、±0[m3/h]、
現在風量値>設定風量値の場合には、正の数[m3/h]、
現在風量値<設定風量値の場合には、負の数[m3/h]、
の値を取る。
風量制御手段18は、設定風量値により風量指示値を決定して駆動回路14を駆動しており、開始時の設定風量値と現在風量値は等しいため、開始時、自己の増減値は±0[m3/h]である。
風量差算出手段19が自己の増減値を算出するためには自己の増減値が必要であるが、開始時の自己の増減値は±0[m3/h]であるため、風量差算出手段19により設定風量値と現在風量値の風量差がそのまま自己の増減値となる。
自己の増減値は風量差算出手段19が算出されるたびに記憶領域へ更新される。
更新された自己の増減値は情報送信手段16により、自己の換気装置から他の換気装置全てへ、つまり、本実施の形態における第一の換気装置であれば、第二の換気装置および第三の換気装置に向けて送信を行う。
同様に、第二の換気装置であれば、第一の換気装置および第三の換気装置へ、第三の換気装置であれば、第一の換気装置および第二の換気装置へ、それぞれに向けて相互に送信を行う。
情報送信手段16は一定時間毎、例えば1秒毎に自己の増減値を送信する。送信間隔については、通信速度が十分に速く、かつ、送信間隔と比較して駆動回路14および送風機4の風量指示値変更時の反応速度が十分に遅いことを想定している。通信のスループットやレスポンス、また、駆動回路14および送風機4の風量指示値変更時の反応速度については、各方式によって決まるものであるが、換気装置の数が増加した場合であっても、全ての各換気装置が他の換気装置から十分な余裕を持って増減値を送信できる間隔とする。
他の換気装置が情報送信手段16より送信を行った各増減値は、情報受信手段17が受信を行う。他の換気装置から受信した増減値は、記憶領域の別の領域に各換気装置の増減値として更新される。
例えば、第一の換気装置であれば、他の換気装置である第二の換気装置および第三の換気装置から受信した増減値を、それぞれ別の領域へ更新し、他の換気装置の増減値としては、第一の換気装置内の記憶領域に合計2つの領域を使用する。
第一決定手段20は、2つの処理を行う。
1つ目は増減値の総和から総和調整値を求めること、2つ目は風量均衡検知を判定することである。
まず、総和調整値について説明する。
第一決定手段20は、自己の増減値と他の換気装置の風量差の総和を求め、総和が正の数なら、正負逆の最小単位風量の−1[m3/h]、総和が負の数の場合には、正負逆の最小単位風量の+1[m3/h]を一定の間隔で算出し、この算出された値が総和調整値である。
この最小単位風量+1[m3/h]および−1[m3/h]という値は、本実施の形態で扱う風量の最小単位であるが、この加減算する風量の最小単位は、必ずしも1[m3/h]単位である必要はなく、換気装置の目標とする風量の精度や処理間隔に依存している。
次に、風量均衡検知について説明する。
増減値は、現在風量値と設定風量値の差であることから、風量差が無いということは、風量設定手段11で設定した設定風量値の通りに、風量制御手段18が風量指示を与えているということである。更に、その総和が±0[m3/h]であることは、3台の換気装置によって、建屋に必要な換気風量である150[m3/h]を満たしている、ということであり、この状態を風量均衡と呼ぶ。風量均衡検知とは、風量均衡であることを第一決定手段20が判定している状態である。
以上のことから、第一決定手段20が総和調整値および風量均衡検知を判定して、第三決定手段22に通知する。
第一決定手段20がこれらの処理を実施する間隔は、送信間隔である1秒毎としており、その理由としては、処理を行うための入力である増減値が揃うタイミングが送信間隔の1秒毎であるため、処理を実施する間隔も上記の送信間隔と同じが望ましい。
運転開始時は自己の増減値が±0[m3/h]であるため、他の換気装置の増減値も全てが±0[m3/h]であることから、総和も±0[m3/h]であり、総和調整値も±0[m3/h]である。また、総和が±0[m3/h]であることから、風量均衡検知を判定する。
第三決定手段22は総和調整値、バラツキ調整値および風量均衡検知から、自己の増減値を算出する。自己の増減値は、総和調整値またはバラツキ調整値のいずれかの値である。
風量均衡検知時と非検知時とで、第三決定手段22が選択する自己の増減値が異なり、風量均衡検知時はバラツキ調整値を選択し、風量均衡非検知時は総和調整値を選択する。
運転開始時は総和調整値が±0[m3/h]、また、バラツキ調整値も±0[m3/h
]であることから、風量均衡を検知、非検知に関わらず、自己の増減値も±0[m3/h]となる。
風量差算出手段19は設定風量値が現在風量値と等しく、また自己の増減値も±0[m3/h]であるため、自己の増減値は±0[m3/h]と算出する。
自己の増減値が±0[m3/h]であるため、風量制御手段18は設定風量値+自己の増減値である値を風量指示値として、駆動回路14を駆動する。
情報送信手段16は自己の増減値である±0[m3/h]を他の換気装置へ送信する。
以上が、電源投入から設定風量値に従って駆動を行い、増減値を送受信する運転開始時の動作の流れである。
全ての換気装置の増減値および各増減値が±0[m3/h]で、風量均衡検知となっている間は、設定風量値の通りの風量指示値で駆動している状態となる。
しかし、換気装置が取り付けられる場所は様々であり、必ずしも設定風量値の通りの風量指示値で駆動するとは限らない。例えば、ファンへの埃や汚れの付着による送風性能の悪化、長期使用によるダクト内表面への埃や汚れの付着によってダクトが塞がった状態や、送風機4のベアリングの経年劣化や油切れによる摩擦抵抗の急激な増大等が挙げられる。
本実施の形態における換気装置は、いずれも、最大換気風量能力が100[m3/h]、最小換気風量能力が0[m3/h]としており、ある程度の負荷変動に対しては個々の換気装置自体の能力により補償可能であるが、駆動回路14の駆動能力を超過した場合は、風量指示値通りの動作ができない可能性がある。
換気装置の動作を阻害するような様々な状態が長期間続けば、更なる不必要な負荷を掛け続けることになり、結果的に高い負荷の掛かった換気装置が早く劣化して故障してしまうことが考えられる。
その結果、駆動回路14および送風機4が故障してしまえば換気が完全に停止してしまうことも考えられ、建屋全体の換気風量が150[m3/h]を満たさなくなってしまう。
そこで、各換気装置の設定風量値である50[m3/h]に対して、上記のような様々な要因により50[m3/h]の換気風量能力が実現できない場合に、他の換気装置へ換気風量能力の委託を行う動作について説明する。
以下、他の換気装置から換気風量能力を受託して、風量指示値を増加させる動作について説明する。
情報受信手段17が他の換気装置の増減値を受信し、いずれかの増減値が負の値であった場合、例えば、第二の換気装置から−10[m3/h]を送信した場合を想定する。
第二の換気装置の増減値が−10[m3/h]であったということは、現在風量値と設定風量値との差が−10[m3/h]である。
つまり、本実施の形態の場合、第二の換気装置の現在風量値が40[m3/h]、設定風量値が50[m3/h]であるときに、増減値は−10[m3/h]となる。
このように、増減値が負の数である場合、換気風量能力の委託を行ったとし、この場合、第二の換気装置が何らかの理由で設定風量値通りの駆動が不可能になったため、他の換気装置へ10[m3/h]分の委託を行ったことになる。
第一の換気装置および第三の換気装置は、第二の換気装置の委託に対して、この10[m3/h]分の換気風量能力をそれぞれで分担して受託して、建屋全体が必要な換気風量である150[m3/h]を確保する必要がある。
この場合、現在の各換気装置の増減値は、
第一の換気装置の増減値=±0[m3/h]、
第二の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
第三の換気装置の増減値=±0[m3/h]、
となっている。
それぞれの換気装置は、第一決定手段20は、自己の増減値および他の換気装置の増減値のそれぞれの記憶領域から、各換気装置の増減値の総和を求める。総和が負の数であれば+1[m3/h]とし、総和調整値は+1[m3/h]となる。
また、総和が負の数であることから、風量均衡は非検知の状態であると判断する。
そして、第一決定手段20が総和調整値を+1[m3/h]、風量均衡非検知を判定して、第三決定手段22に通知する。
第一の換気装置と第三の換気装置の風量差算出手段19は、現在風量値と設定風量値の差が±0[m3/h]であるが、第三決定手段22の算出した自己の増減値が+1[m3/h]として入力されるため、自己の増減値は、現在風量値−設定風量値+1[m3/h]である+1[m3/h]となる。
風量制御手段18は、設定風量値と自己の増減値を加算した風量を風量指示値として駆動回路14に出力する。すなわち、設定風量値50[m3/h]+自己の増減値1[m3/h]である51[m3/h]で駆動回路14を駆動する。
そして、第一の換気装置と第三の換気装置の自己の増減値+1[m3/h]は、それぞれの情報送信手段16により、第二の換気装置へ送信される。
以上のことから、第二の換気装置が他の換気装置へ委託を行った10[m3/h]のうちの1[m3/h]を、他の換気装置である第一の換気装置と第三の換気装置の両方が1[m3/h]分ずつを受託することができた。
第一の換気装置および第三の換気装置は、この後、一定の間隔で+1[m3/h]ずつ受託を繰り返すこととなる。最終的には、
第一の換気装置の増減値=+5[m3/h]、
第二の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
第三の換気装置の増減値=+5[m3/h]、
まで到達することとなる。これは風量差の総和が±0[m3/h]の風量均衡の状態である。
このように、ある換気装置が何らかの理由で一時的に換気風量不足の状態になったとしても、これらを他の換気装置が受託することで、建屋に必要な換気風量を満たした風量均
衡の状態を実現することが可能となった。
次に、風量を受託した個々の換気装置の状態について説明する。
風量差の総和が±0[m3/h]の風量均衡の状態においては、建屋全体の必要換気量という観点では目的を達成しているが、必ずしも受託した換気装置全てが同じ換気風量を受託するわけではない。
例えば、各換気装置が上記のような増減値として、
第一の換気装置の増減値=+5[m3/h]、
第二の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
第三の換気装置の増減値=+5[m3/h]、
の状態から、更に第三の換気装置に何らかの理由で受託した風量+5[m3/h]を投げ出して、しかも−10[m3/h]として委託を依頼してきた場合を考える。
この場合、
第一の換気装置の増減値=+5[m3/h]、
第二の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
第三の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
の総和は−15[m3/h]となり、この−15[m3/h]を唯一受託可能な余力のある第一の換気装置が受託することとなる。
それぞれは、
第一の換気装置の増減値=+20[m3/h]、
第二の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
第三の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
で総和が±0[m3/h]となる。
その後、第三の換気装置が換気能力を取り戻して委託を取り止めると、一時的に、
第一の換気装置の増減値=+20[m3/h]、
第二の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
第三の換気装置の増減値=±0[m3/h]、
となる。すなわち、総和が+10[m3/h]となり、既に過剰換気状態となっているため、受託していた第一の換気装置が10[m3/h]分の換気風量を減少させることとなる。
この場合、それぞれは、
第一の換気装置の増減値=+10[m3/h]、
第二の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
第三の換気装置の増減値=±0[m3/h]、
で総和が±0[m3/h]の風量均衡の状態となってしまう。
つまり、第一の換気装置と第三の換気装置で均等に5[m3/h]ずつ受託するべきであるが、第二の換気装置が委託した換気風量を、第一の換気装置が全ての受託してしまう。つまり、委託と受託を繰り返した後に風量均衡の状態に到達しても、必ずしも各換気装置が均等な能力で駆動するわけではない。
このような状態が継続した場合、第二の換気装置の換気風量不足を全て第一の換気装置が受託しているがために、第三の換気装置は受託可能な余力を活かしきれないだけでなく、第三の換気装置と比較して第一の換気装置の劣化が進んでしまい、早期の故障へと繋が
ってしまう可能性がある。
この問題を解決する方法について説明する。
上記の例の場合、第一の換気装置が+10[m3/h]を受託しているため、第一の換気装置の受託分を第三の換気装置へ移動する動作について説明する。
初めに、第一の換気装置が受託分の一部を受託解除して、一旦風量不均衡の状態に遷移する動作について説明する。
情報受信手段17は、他の換気装置の増減値をそれぞれ受信する。
第二決定手段21は増減値からバラツキ調整値を求める処理を行う。
他の換気装置の増減値と自己の増減値より、各換気装置の増減値は、それぞれ、
第一の換気装置の増減値=+10[m3/h]、
第二の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
第三の換気装置の増減値=±0[m3/h]、
となっている。
第二決定手段21は、まず、増減値が正の値となる第一の換気装置の増減値+10[m3/h]と第三の換気装置の増減値±0[m3/h]の平均風量差を算出する。すなわち、

平均風量差=(10[m3/h]+0[m3/h])÷2=5[m3/h]

となる。
第二決定手段21は、算出した平均増減値から自己の増減値を減算し、その差が正の数の場合、正負逆となる単位風量の−1[m3/h]をバラツキ調整値として一定の間隔で算出する。一方、差が負の数の場合には、正負逆となる単位風量の+1[m3/h]をバラツキ調整値として算出する。
すなわち、第一の換気装置の場合、自己の増減値10[m3/h]と平均増減値5[m3/h]とのを比較した結果、差が正の数であるため、まずは、−1[m3/h]をバラツキ調整値として算出し、第三決定手段22へ通知する。
このバラツキ調整値は、第一の換気装置が受託している分のうち、過負荷となっている分を受託解除することを表している。
第三決定手段22は総和調整値および風量均衡検知から、自己の増減値を算出するが、風量均衡非検知時は第一の増減値を自己の増減値とする。
上記の例の場合、それぞれ、
第一の換気装置の増減値=+10[m3/h]、
第二の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
第三の換気装置の増減値=±0[m3/h]、
で、総和が±0[m3/h]の風量均衡の状態から、第一の換気装置のバラツキ調整値:−1[m3/h]となる。
風量均衡検知時は、総和調整値よりもバラツキ調整値が優先されることで、自己の増減値は、−1[m3/h]となる。
第三決定手段22から自己の補正風量値の通知を受けて、風量差算出手段19は自己の増減値を算出する。
つまり、第一の換気装置は、
現在風量値=60[m3/h]、
設定風量値=50[m3/h]、
自己の増減値=−1[m3/h]、
となり、第一の換気装置の増減値は+9[m3/h]となる。
第一の換気装置の風量制御手段18は、自己の増減値が+10[m3/h]であったことから、
設定風量値50[m3/h]+自己の増減値10[m3/h]=60[m3/h]
で駆動していたが、自己の増減値は+9[m3/h]となったことから、
設定風量値50[m3/h]+自己の増減値9[m3/h]=59[m3/h]
へと風量を低減する。
そして、
第一の換気装置の増減値=+9[m3/h]、
第二の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
第三の換気装置の増減値=±0[m3/h]、
で総和が−1[m3/h]の風量不均衡の状態へと遷移していることになる。
情報送信手段16は第一の換気装置の増減値+9[m3/h]を他の換気装置へ送信する。
以上、第一の換気装置が受託分の一部を受託解除した動作を説明した。
次に、この受託解除分を第三の換気装置が受託する動作であるが、これは今まで説明して来た通りの動作である。第一の換気装置の第二決定手段21によるバラツキ調整値により、一時的に風量不均衡の状態になり、総和が−1[m3/h]へと遷移しているため、第三の換気装置が第一の換気装置の受託解除分−1[m3/h]を再度受託する。
第一の換気装置の受託解除と第三の換気装置の受託が継続して行われ、同じ風量の受託を完了した時点で再度風量均衡の状態へと遷移する。
以上の動作により、風量均衡の状態で、かつ、均等な能力で委託された状態で換気装置が動作を行う。
本実施の形態では、換気装置を3台用いて説明をしたが、台数が3台以上に増加した場合や設定風量が異なる場合であっても同様の効果が得られる。
換気装置が2台の場合は、委託する換気装置、受託する換気装置がそれぞれ1台ずつとなるため、複数の換気装置が受託するという状況が発生し得ない。そのため、換気装置が3台の場合に説明した、過負荷となっている換気装置が受託分の一部を受託解除する動作が発生しない。従って、3台の場合と同じ換気装置を2台で構成した場合は、1対1の換気装置が委託と受託を繰り返す動作を行うこととなり、同様の効果が得られる。
次に、各々の換気装置の異常について説明する。
換気装置が情報送信手段16および情報受信手段17で通信を行いながら、建屋全体が必要な総換気風量を満たした運転をしている途中で、いずれかの換気装置において異常が発生した場合、例えば、情報送信手段16や情報受信手段17が故障したり、換気装置自体が故障したり、換気装置の電源が遮断されたりした場合を考える。
各換気装置の動作によって風量均衡の状態を保っている状態で、受託している換気装置に異常が発生した時には、他の換気装置が故障した換気装置の受託分を再度受託する必要がある。しかし、装置の故障や電源の遮断が発生した場合など、故障の内容によっては、他の換気装置へ委託し終える前に、換気装置が通信や電源を遮断されてしまう可能性がある。正常動作中の換気装置は、故障した換気装置が委託をしない限り、不足した風量を勝手に受託することができない。
このような状態が継続した場合、故障した換気装置が受託していた風量を他の換気装置が補うことが出来ないまま換気風量の不足が継続する可能性がある。
この問題を解決する方法について説明する。
図5に示すデータフロー図において、受信異常監視手段23の動作を説明する。
受信異常監視手段23は、他の換気装置の台数分のタイマを持つ。情報受信手段17からある換気装置の増減値を受信すると、該当する換気装置に対応する所定の時間のカウントを行うタイマが開始する。
所定の時間は、情報送信手段16の送信周期よりも十分に長く、また、換気装置の異常を検知するために必要な時間よりも短い。本実施の形態において、情報送信手段16の送信周期は例えば1秒毎に送信しており、所定の時間は、例えば60秒とする。
第一の換気装置、第二の換気装置および第三の換気装置の3台の構成の場合、第一の換気装置の受信異常監視手段23には、第二の換気装置用のタイマと第三の換気装置用のタイマの2つがあり、情報受信手段17から第二の換気装置の増減値を受信すると、第二の換気装置用のタイマが開始する。第三の換気装置用のタイマも同様に動作する。
通信が正常であれば、それぞれの換気装置から1秒間隔で増減値を受信することができ、タイマのカウント値が1秒間をカウントした時点でリスタートされるため、60秒のカウントがなされることはない。
しかし、換気装置や通信に異常が発生した場合、1秒間隔で受信していた増減値が途絶えてしまい、60秒間がカウントされる。受信異常監視手段23は、60秒間がカウントされた通信装置、例えば第二の換気装置用のタイマが60秒間をカウントした場合、第二の換気装置に異常が発生したと判断する。
受信異常監視手段23は、異常が発生した換気装置の増減値を削除することで、風量均衡の計算から第二の換気装置を除外する。
例として、3台の換気装置があり、第三の換気装置が10[m3/h]の委託をしていた場合、
第一の換気装置の増減値=+5[m3/h]、
第二の換気装置の増減値=+5[m3/h]、
第三の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
の状態から、第二の換気装置の通信に異常が発生した状況を考える。
第一の換気装置の受信異常監視手段23は、第二の換気装置から増減値を60秒間に渡って受信出来ないことから、第二の換気装置の増減値を削除することで、
第一の換気装置の増減値=+5[m3/h]、
第二の換気装置の増減値=値なし、
第三の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
となる。
第一の換気装置は第三の換気装置の委託した風量である10[m3/h]を受託し、
第一の換気装置の増減値=+10[m3/h]、
第二の換気装置の増減値=値なし、
第三の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
となり、風量均衡の状態となる。
第二の換気装置については、故障のために他の換気装置の増減値が受信出来ない状態であるので、故障前に、
第一の換気装置の増減値=+5[m3/h]、
第二の換気装置の増減値=+5[m3/h]、
第三の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
となっていた増減値は、故障が発生してから60秒が経過した時点で、第一の換気装置および第三の換気装置の増減値が削除され、
第一の換気装置の増減値=値なし、
第二の換気装置の増減値=+5[m3/h]、
第三の換気装置の増減値=値なし、
となる。
委託を行っていた第三の換気装置が削除されたことにより、第二の換気装置が風量の受託を徐々に解除していくことで、第二の換気装置の増減値は0[m3/h]となる。
第一の換気装置の増減値=値なし、
第二の換気装置の増減値=0[m3/h]、
第三の換気装置の増減値=値なし、
となる。
第三の換気装置は他の換気装置へ委託する立場にあるので、増減値の変化は無い。
第一の換気装置、第二の換気装置、第三の換気装置のそれぞれにおいて、第二の換気装置の通信故障発生前後の増減値をまとめると、故障前の各換気装置の増減値は、
第一の換気装置の増減値=+5[m3/h]、
第二の換気装置の増減値=+5[m3/h]、
第三の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
となり、また、故障後の各換気装置の増減値は、
第一の換気装置の増減値=+10[m3/h]、
第二の換気装置の増減値=0[m3/h]、
第三の換気装置の増減値=−10[m3/h]、
となる。
第二の換気装置が受託を行わないため、第三の換気装置が委託した分を全て第一の換気装置が受託して風量均衡としていることになるが、第二の換気装置は機器自体に何らかの不具合が発生していることから、通信異常が発生していることを、例えばLED等の表示
により報知することが考えられる。
以上のことから、所定の時間に渡って通信がなされない換気装置の増減値を削除する受信異常監視手段23により、故障や異常が発生した換気装置を除外して風量均衡の状態を保持することが可能となる。
次に、換気装置の台数による動作の違いについて説明する。
図6、図7、図8、図9、図10、図11に示すネットワーク図を用いて説明する。
図6、図9は換気装置が2台の構成を示し、図7、図10は換気装置が3台の構成を示し、図8、図11は換気装置が4台の構成を示す。
これらの図において、各A、B、C、Dは、各換気装置を示す。黒色の四角形は、換気装置が備える情報送信手段16や情報受信手段17の通信装置のうち、正常に動作している箇所を示す。図9の換気装置B、図10の換気装置C、図11の換気装置Dの通信装置を表す白色の四角形は、異常が発生していることを示す。通信装置を接続する線は、通信装置間で送信および受信の各通信が正常に動作していることを示し、異常が発生している通信装置からは線が接続されておらず、通信に異常が発生していることを示す。
図6、図7、図8は既に説明した通り、各換気装置が正常動作しているため、委託と受託を繰り返すことで風量均衡の状態を保持することが可能である。
図9は、図6の2台の換気装置のうち、換気装置Bの通信装置が故障した場合を示す。
2台の換気装置のうち、一方の通信装置が故障した場合、1台ずつが単独の換気装置となる。つまり、いずれかの換気装置が委託や受託を行っていた場合、60秒間経過後に、各換気装置はもう一方の換気装置の増減値を削除し、換気装置A、B共に元々の設定風量で動作する。
図10は、図7の3台の換気装置のうち、換気装置Cの通信装置が故障した場合を示す。
3台の換気装置のうち、換気装置Cの通信装置が故障した場合、換気装置Aと換気装置Bが図6の構成となり、換気装置Cが図9の換気装置Bと同じ構成となる。つまり、いずれかの換気装置が委託や受託を行っていた場合、60秒間経過後に、換気装置Aと換気装置Bはそれぞれ、換気装置Cを対象から削除した上で、2台の構成での正常動作を行い、換気装置Cは単独の換気装置として元々の設定風量で動作する。
図11は、図8の4台の換気装置のうち、換気装置Dの通信装置が故障した場合を示す。
4台の換気装置のうち、換気装置Dの通信装置が故障した場合、換気装置Aと換気装置Bと換気装置Cが図7の構成となり、換気装置Dが図9の換気装置Bや図10の換気装置Cと同じ構成となる。つまり、いずれかの換気装置が委託や受託を行っていた場合、60秒間経過後に、換気装置Aと換気装置Bと換気装置Cはそれぞれ、換気装置Dを対象から削除した上で、3台の構成での正常動作を行い、換気装置Dは単独の換気装置として元々の設定風量で動作する。
図6、図7、図8、図9、図10、図11はそれぞれ、2台、3台、4台の構成におい
て、正常動作中と異常発生時について説明したが、5台以上の構成であっても、これらの構成を組み合わせた動作を行う。
以上のように、本発明の実施の形態1においては、互いの換気装置同士が互いに情報を取得し合うことで、自己の増減値と他の換気装置の増減値とから自己の換気風量を判断し運転する構成としたので、建屋全体の必要な総換気風量に対して、換気装置それぞれの換気能力が過多の状況においても、換気装置同士が主従関係なく自己の風量を減じるように調整できることで、建屋全体の風量を最適に保つことが可能となる。
また、通信の異常や換気装置自体の故障、電源の遮断が発生した場合であっても、正常動作中の換気装置が再度自己の風量を判断しなおすことで、建屋全体に必要な総換気風量を満たすことが可能となる。
以上のように本発明は、換気装置がネットワークを構成するため建物内に必要な風量を最適に提供することができるため、家庭用の用途のほか、事務所、店舗等の用途などに適用することができる。
したがって、天井に設置される換気扇としての活用が期待されるものとなる。
1 本体ケース
2 室内空気取入開口部
3 室内空気排出開口部
4 送風機
5 天井板
6 ダクト
7 通気孔
8 化粧板
9 取り付けバネ
10 取付部
11 風量設定手段
12 商用電源
13 電源回路
14 駆動回路
15 制御部
16 情報送信手段
17 情報受信手段
18 風量制御手段
19 風量差算出手段
20 第一決定手段
21 第二決定手段
22 第三決定手段
23 受信異常監視手段
24 換気装置A
25 換気装置B
26 換気装置C
27 換気装置D

Claims (5)

  1. 建屋内の総換気風量を一定に保つ換気システムを構成する換気装置であって、
    前記総換気風量の一部となる自己の設定風量を設定する風量設定手段と、
    自己の現在風量と前記自己の設定風量の差に、前記総換気風量を一定に保つための自己の補正風量値を加えて自己の増減値を算出する風量差算出手段と、
    前記自己の増減値を前記換気装置のうち他の換気装置に送信する情報送信手段と、
    他の換気装置の増減値を受信する情報受信手段と、
    全換気装置の増減値(前記自己の増減値と前記他の換気装置の増減値)の総和をゼロにするように総和調整値を算出し、この総和調整値を前記自己の補正風量値とする第一決定手段と、
    前記自己の設定風量に前記自己の増減値を加えて風量指示値を算出する風量制御手段を備えたことを特徴とする換気装置。
  2. 前記第一決定手段は、前記全換気装置の増減値の総和の正負に対応して、正負逆となる所定の最小単位風量を総和調整値とする請求項1記載の換気装置。
  3. 前記自己の増減値の前記他の換気装置の増減値に対するバラツキを減らすバラツキ調整値を算出する第二決定手段と、
    前記第一決定手段に優先して、前記自己の補正風量値を決定する第三決定手段とをさらに備え、
    前記第三決定手段は、前記第一決定手段が算出した前記総和調整値がゼロのときに、前記バラツキ調整値を前記自己の補正風量値とする請求項1または2記載の換気装置。
  4. 前記第二決定手段は、全換気装置の増減値(前記自己の増減値と前記他の換気装置の増減値)のうち正の値の平均から前記自己の増減値を減算した値の正負に対応して、同じ正負の所定の最小単位風量を前記バラツキ調整値とする請求項3記載の換気装置。
  5. 前記情報受信手段が受信した前記他の換気装置の増減値が所定の時間更新されない場合に該当する前記他の換気装置の増減値を削除する受信異常監視手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4いずれかひとつに記載の換気装置。
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