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JP6300448B2 - ロボット制御システム - Google Patents
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本発明は、ロボット制御装置と可搬式操作装置との間の通信にネットワーク通信技術を利用し、各種データを送受信するロボット制御システムに関するものである。
近年、ロボットを動作制御するロボット制御装置と、ロボットを操作するための可搬式操作装置との間の通信を、IEEE802の規格に対応した有線LAN、無線LAN等のネットワーク通信技術により実現した産業用のロボット制御システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図5は、可搬式操作装置とロボット制御装置の間の通信を、例えば無線により行うようにしたロボット制御システムの構成図である。同図に示すように、ロボット制御システム51は、アーク溶接、スポット溶接等の作業を行うロボットR、作業者HMが教示作業を行う際に用いる可搬式操作装置TP、そしてロボットRの動作制御を行うロボット制御装置RCから大略構成される。可搬式操作装置TPとロボット制御装置RCとは無線通信が可能になっており、1対1の対向通信が行われる。
ロボットRは、手首部先端にアーク溶接トーチ、スポット溶接ガン等の作業ツールが取り付けられており、安全柵2の内側領域に設置されている。
可搬式操作装置TPは、各種データを表示する表示部としてのディスプレイ5、ロボットRに教示操作を行うためのキーボード6、ロボットRを非常停止させるための非常停止スイッチ4を備えている。可搬式操作装置TPからの信号(以下では教示操作信号という)は、無線通信によりロボット制御装置RCに送信される。教示操作信号には、ロボットRを手動操作により移動させるためのジョグ送り信号、ロボットRの作業位置を記憶する教示信号、緊急時にロボットRを非常停止させる非常停止信号等が含まれる。これら教示操作信号が送信されることにより、ロボット制御装置RCは、ロボットRのジョグ送り操作、教示データの作成、非常停止等の各処理を行う。以下では、これらの各処理を総称して教示機能と呼ぶことにする。
ロボット制御装置RCは、可搬式操作装置TPからの入力に従って教示データを作成し、内部の記憶部(図示せず)に記憶する。また、外部から起動信号が入力されることにより教示データを再生する。この結果、ロボットRが自動運転される。LANケーブルCは、ロボットRの自動運転の間、ロボット制御装置RCと可搬式操作装置TPとを接続して有線通信するためのケーブルであり、可搬式操作装置TPに対してコネクタ(図示せず)を介して着脱可能である。
図6は、可搬式操作装置TPとロボット制御装置RCとの間の送受信データについて説明するための図である。同図(a)は、送受信の様子を示すブロック図であり、同図(b)は、送信される通信パケットの一形態を示している。同図(a)に示すように、可搬式操作装置TPは作業者HMからの入力に基づいて操作データDs(教示操作信号)を生成し、送信部72を介してロボット制御装置RCに送信する。ロボット制御装置RCは、操作データDsを受信部62により受信して解釈し、教示処理を行う。また、ロボット制御装置RCは、表示データDhを生成して送信部61により送信し、可搬式操作装置TPは表示データDhを受信部71により受信し、図示しない表示制御部がディスプレイ5に表示させる。
可搬式操作装置TPに備えられた非常停止スイッチ4が押下された場合には、送信部72にて、非常停止スイッチ4が押下された旨の操作データDsを生成し、ロボット制御装置RCに送信する。ロボット制御装置RCでは、受信した操作データDsに基づいてロボットRを非常停止させる処理を行う。すなわち、ロボットRの駆動モータへの電源供給を停止することにより、ロボットRを即座に停止させる。この一連の処理のことを、以下では、非常停止機能と呼ぶ。なお、非常停止スイッチ4が押されなくても、無線通信中にノイズ、電波強度不足等が原因で一時的に通信が遮断されたような場合は、ロボットRが非常停止するように構成されている。
ここで、操作データDsは、同図(b)に示すように、予め定められた通信プロトコルによってパケット形式で生成されて、ロボット制御装置RCに送信される。操作データDsには、送信先であるロボット制御装置RCを特定する送信先アドレス80、送信元である自身を特定する送信元アドレス81、操作されたキーの種類、入力データ等を示すデータ82等が含まれている。
上述したように、ロボット制御装置と可搬式操作装置との間の通信にネットワーク通信技術を利用した従来のロボット制御システムにおいては、ロボット制御装置と可搬式操作装置とが1対1の対向通信となっている。この点に関し、ネットワーク通信技術を利用すれば、例えば1台のロボット制御装置に複数の可搬式操作装置を同時に接続して運用することも可能である。しかしながら、産業用ロボットを用いた生産現場では、作業者の安全性を極限にまで高める必要がある。仮に、複数の可搬式操作装置を1台のロボット制御装置に接続し、各可搬式操作装置から自由自在にロボットのジョグ送り操作等ができるようにしてしまうと、非常に危険であることは言うまでもない。このため、産業用ロボットでは、ロボット制御装置と可搬式操作装置とが必ず1対1の対向通信となるように構成しておき、ロボットのジョグ送り操作、非常停止操作等の教示機能が、可搬式操作装置を持った作業者の意志の元により確実に機能するようにする一方で、他の可搬式操作装置からは機能しないように配慮する必要がある。
一方で、複数の可搬式操作装置を1台のロボット制御装置に対して同時に通信接続することを許容する従来技術もある(例えば、特許文献2参照)。これは、初心者がロボット制御装置に可搬式操作装置Aを接続して教示作業を行う様子を、熟練者が別の可搬式操作装置Bでモニタしながら操作教育を行いたいというニーズ等に対応するためである。具体的には、複数の可搬式操作装置を1台のロボット制御装置に同時接続する場合は、教示機能が有効な可搬式操作装置は1台に限定し、2台目以降の可搬式操作装置に対しては教示機能を無効にして内部情報のモニタのみが可能なモニタモードでの接続形態を許可している。
特開2008−80475号公報 特開2012−148350号公報
上述した特許文献2においては、2台目以降の可搬式操作装置に対してはモニタモードでの接続を許可する(すなわち上述した教示機能を禁止する)ようにしているために、可搬式操作装置の操作によりロボットRを非常停止することも禁止されてしまう。このような状況では、例えば、操作に不慣れな初心者が可搬式操作装置Aにより誤った方向へとロボットRをジョグ送りしてしまっても、熟練者は自身が持つ可搬式操作装置BでロボットRを非常停止することができないために、ロボットRが周辺機器等と干渉する恐れがある。
この点、非常停止する方法を確保するという観点からは、ハードワイヤード形の非常停止スイッチを増設するというアプローチも考えられる。しかしながら、この方法では、増設のためにロボット制御装置を改造したり、熟練者の手元まで届くようにケーブル長を長く配設したりするなど、コスト面での問題があるため、好ましい解決手段であるは言いがたい。
そこで、本発明は、複数の可搬式操作装置と1台のロボット制御装置との間の通信を同時接続場合に、教示機能が有効な可搬式操作装置は1台に限定する一方で、2台目以降の可搬式操作装置は非常停止機能のみを有効とした形態で接続できるようにし、安全性を向上させることができるロボット制御システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、
マニピュレータと、非常停止信号を含む教示操作信号を無線で送信する1以上の可搬式操作装置と、この可搬式操作装置と無線通信手段を介して接続され、前記教示操作信号を受信して前記マニピュレータの教示作業を行う教示機能および前記非常停止信号を受信して前記マニピュレータの非常停止を行う非常停止機能を有するロボット制御装置と、を備えたロボット制御システムにおいて、
前記可搬式操作装置が2台以上接続される場合は、1台に対しては前記教示機能および前記非常停止機能を共に有効化した形態である通常モードで接続し、その他に対しては前記教示機能を無効化するとともに前記非常停止機能のみを有効化した形態である非常停止モードで接続する通信制御手段を備え
前記可搬式操作装置は表示部を備え、
前記通常モードで接続された可搬式操作装置の表示部は、前記教示機能の実行に必要な情報を表示し、
前記非常停止モードで接続された可搬式操作装置の表示部は、前記教示機能の実行に必要な情報を表示せず、前記非常停止モードで接続されている旨の情報を表示することを特徴とするロボット制御システムである。
請求項2の発明は、前記非常停止モードで接続されている可搬式操作装置は、前記表示部での情報表示に加えて、自身に設けられた非常停止スイッチを発光させる請求項1記載のロボット制御システムである。
本発明によれば、1台のロボット制御装置に対して複数の可搬式操作装置を同時に通信接続する場合に、教示機能が有効な可搬式操作装置は1台に限定する一方で、2台目以降の可搬式操作装置は非常停止機能のみを有効とした形態で接続できるようにしたことによって、非常停止スイッチの簡易的な増設を実現することができ、安全性を向上させることができる。
本発明に係るロボット制御システムの構成図である。 本発明に係るロボット制御システムのブロック図である。 実施形態1に係る通信確立処理のフローチャートである。 実施形態2に係る通信確立処理のフローチャートである。 可搬式操作装置とロボット制御装置の間の通信を無線により行うようにしたロボット制御システムの構成図である。 可搬式操作装置TPとロボット制御装置RCとの間の送受信データについて説明するためのブロック図である。
[実施の形態1]
図1は、本発明に係るロボット制御システム1の構成図である。同図に示すように、ロボット制御システム1は、アーク溶接、スポット溶接等の作業を行うロボットR、複数台の可搬式操作装置TP1〜TP3およびTPn、そしてロボットRの動作制御を行うロボット制御装置RCから大略構成される。以下、従来技術との相違部分を中心に説明する。なお、同図においては、複数の可搬式操作装置として、TP1〜TP3、TPnの各符号を表記しているが、以下の説明においてこれらを区別する必要がない場合、単に可搬式操作装置TPとして表記する。また、TP1〜TP3およびTPnの表記は、接続台数の上限や下限を限定するわけではなく、説明の便宜上、例示しているだけである。
可搬式操作装置TPは、教示データ等の各種データが表示されるディスプレイ5、ロボットRに対するジョグ送り信号や教示信号を入力するためのキーボード6、ロボットRを非常停止させるための非常停止スイッチ4に加えて、ロボット制御装置RCとの通信が確立しているか否かを表示する通信状態表示灯3を備えている。通信状態表示灯3は、透明材質または半透明材質のカバーが施されており、例えば黄色LEDからなる発光体を内蔵している。通信状態表示灯3は、発光体により、ロボット制御装置RCと通信が確立している場合は黄色に点灯し、通信が確立していない場合は消灯する。
また、非常停止スイッチ4は、透明材質または半透明材質からなる操作部(図示せず)内に、例えば赤色LEDからなる発光体を内蔵している。非常停止スイッチ4は、発光体により、教示機能および非常停止機能が両方とも有効であるときと、教示機能が無効でも非常停止機能が有効であるときは赤色に点灯する。教示機能および非常停止機能が両方とも無効であるときは消灯する。このように、非常停止スイッチ4は非常停止機能が有効化されているか否かを示す報知手段としても機能する。これに代えて、可搬式操作装置TPのディスプレイ5に非常停止機能が有効化されているか否かを表示することにより報知してもよい。また、専用の発光体を別途備えて、この発光体の点灯や点滅により報知するようにしても良い。
本発明においては、上記のように構成された可搬式操作装置TPを、例えばTP1〜TP3のように複数台用意し、これらを1台のロボット制御装置RCに同時に接続することが可能である。同時接続を行った場合、作業者HMが防護柵2内に持ち込む可搬式操作装置TPnは、TP1〜TP3のうち、教示機能および非常停止機能が両方とも有効となった1台のみである。その他の可搬式操作装置TPは、非常停止機能のみが有効となる。
ここで、非常停止機能のみが有効な接続形態(以下、非常停止モードという)について説明する。非常停止モードとは、可搬式操作装置TPに備えられたキーボード6からの入力は無視されて教示作業は行えない(すなわち、教示機能は無効である)が、非常停止スイッチ4の押下による非常停止操作だけは行うことができる形態を示す。この形態におけるディスプレイ5の表示としては、作業者HMが携帯する可搬式操作装置TPnと同一画面を表示してもよいが、好ましくは、同一画面ではなく「非常停止機能のみ有効」等、現在の接続形態の情報のみが表示される程度のシンプルな表示にするとよい。この理由は、次の通りである。すなわち、可搬式操作装置TPnと同一画面を表示すると、ロボット制御装置RCからの画面転送処理が発生する。この際の画面転送の情報量が多いと、ロボット制御装置RCの通信処理や演算処理に大きな負荷がかかってしまい、通信が切断されてしまう要因になるである。
図1に戻り、作業者HMに携帯される可搬式操作装置TPnからの教示操作信号は、無線通信によりロボット制御装置RCに送信される。教示操作信号には、ロボットRを手動操作により移動させるためのジョグ送り信号、ロボットRの教示データを入力する教示信号、緊急時にロボットRを非常停止させる非常停止信号等が含まれる。これら教示操作信号が送信されることにより、ロボット制御装置RCは、ロボットRのジョグ送り操作、教示データの作成、非常停止等の各処理を行う。
なお、上記では、ロボット制御装置RCと複数の可搬式操作装置TPとの間で無線通信する場合の構成を示したが、無線通信の代わりに有線通信としても良い。この場合、図示するようにロボット制御装置RCにハブHを接続し、このハブHの複数の接続ポートにLANケーブルCを接続することによりロボット制御装置RCと各可搬式操作装置TPとの有線通信を実現する。
図2は、本発明に係るロボット制御システム1のブロック図である。以下、可搬式操作装置TPおよびロボット制御装置RCについて、詳細に説明する。
まず、可搬式操作装置TPについて説明する。可搬式操作装置TPは、上述した通信状態表示灯3、非常停止スイッチ4、ディスプレイ5およびキーボード6に加えて、中央演算処理装置であるCPU33、一時的な計算領域であるRAM34、ロボット制御装置RCと通信を行うための送受信機32、可搬式操作装置TPの駆動源としての二次電池36、各種データを記憶するためのハードディスク15、制御中枢である主制御部35の各部を備えている。なお、各部はバス39を介して接続されている。
送受信機32は、無線LANインタフェース32Aおよび有線LANインタフェース32Bを有しており、ロボット制御装置RCと可搬式操作装置TPがハブHを経由してLANケーブルCにより接続されている場合は有線通信となり、接続されていない場合は無線通信となるように構成されている。二次電池36は、図示しない充電装置に電気的に接続されることによって充電され、可搬式操作装置TPを作動させる。
ハードディスク15の接続情報格納部47には、ロボット制御装置RCと通信を行うための接続情報が記憶されている。接続情報とは、例えばIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、MACアドレス等を指す。
主制御部35は、上記各部を総括的に制御するものであり、図示しないオペレーティングシステム上で動作するソフトウェアプログラムとして、表示制御部45、キー入力監視部46および通信処理部41を備えている。表示制御部45は、ディスプレイ5に表示用データを表示する。キー入力監視部46は、キーボード6からのキー入力を監視する。通信処理部41は、ロボット制御装置RCとの通信確立・遮断処理および通信そのものを制御する処理を行う。また、接続したロボット制御装置RCの識別番号、IPアドレス等のネットワーク接続情報等をハードディスク15やRAM34に記憶する処理を行う。キーボード6によって入力された各種データは、通信処理部41および送受信機32を介してロボット制御装置RCにパケット形式のデータで送信される。
次に、ロボット制御装置RCについて説明する。ロボット制御装置RCは、中央演算処理装置であるCPU13、一時的な計算領域であるRAM14、制御中枢となる主制御部16、教示データ等の各種データや定数等を記憶するためのハードディスク19、ロボットRの軌跡演算等を行って演算結果を駆動信号として駆動指令部18に出力する動作制御部17、ロボットRの各サーボモータを回転制御するためのサーボ制御信号を出力する駆動指令部18、可搬式操作装置TPと通信を行うための送受信機12の各部を備えている。なお、各部はバス9を介して接続されている。
送受信機12は、無線LANインタフェース12Aおよび有線LANインタフェース12Bを有しており、ロボット制御装置RCと可搬式操作装置TPがハブHを介してLANケーブルCで接続されている場合は有線通信となり、接続されていない場合は無線通信となるように構成されている。
ハードディスク19の教示データ格納部30には、可搬式操作装置TPからの入力に応じて作成された教示データが記憶されている。接続情報格納部27には、可搬式操作装置TPと通信を行うための接続情報が記憶されている。接続情報とは、例えばIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイ、MACアドレス等、ネットワーク通信に必要な情報に加えて、自身の識別番号等の情報である。
主制御部16は、上記各部を総括的に制御するものであり、図示しないオペレーティングシステム上で動作するソフトウェアプログラムとして、通信処理部21、表示処理部25および解釈実行部26を備えている。通信処理部21は、可搬式操作装置TPとの通信処理を行う。表示処理部25は、可搬式操作装置TPのディスプレイ5に表示する表示用データを生成する。解釈実行部26は、教示データ格納部30に記憶された教示データを解釈して動作制御部17に動作制御信号を出力する。
ここで、1台のロボット制御装置RCと複数の可搬式操作装置TPの通信を実現する方法について説明する。本実施形態では、オペレーティングシステム(以下、OS)にWindows(登録商標)を採用し、このOSで提供されるリモートデスクトップを利用した通信を行っている。具体的には、可搬式操作装置TPをクライアント、ロボット制御装置RCをサーバとして可搬式操作装置TPからロボット制御装置RCにリモート接続する方法により、有線または無線による通信を可能としている。この場合、可搬式操作装置TPは、ロボット制御装置RCが生成する仮想的なワークスペースの画面を表示するとともに、キーボード6による操作情報をロボット制御装置RCに送信する手段となる。そして、複数の可搬式操作装置TPの同時接続は、リモートデスクトップが有しているマルチセッション機能により実現することが可能であるが、複数の可搬式操作装置TPを同時接続する場合、安全面を考慮して、教示機能を有効化する可搬式操作装置TPは1台に限定する必要がある。そこで、本発明では、教示機能の有効/無効は、可搬式操作装置TPを接続する通信確立処理の段階で設定する。なお、上述したリモートデスクトップを利用した通信は、あくまでも一例であって限定されるものではなく、その他の通信態様を採用しても良いことはもちろんである。
上記のように構成されたロボット制御システム1の作用について説明する。本実施形態においては、ロボット制御装置RCの通信処理部21が、可搬式操作装置TPとロボット制御装置RCとの間の通信を確立する際に、現在の通信接続数が0(ゼロ)であれば教示機能および非常停止機能を有効化し、通信接続数が1以上であれば、教示機能を無効化して非常停止機能のみを有効化した非常停止モードに遷移させる。可搬式操作装置TPに備えられた通信状態表示灯3は、可搬式操作装置TPとロボット制御装置RCとの通信が確立しているか否かを状態表示する。また、可搬式操作装置TPに備えた非常停止スイッチ4は、教示機能および非常停止機能が有効化されているか否かを表示する。非常停止機能のみが有効な非常停止モードが有効化されている場合は、その旨が可搬式操作装置TPのディスプレイ5に表示される。
ここで、「教示機能を有効化する」とは、可搬式操作装置TPによる教示操作を許可することを意味する。図6(a)ですでに説明したように、作業者HMの教示操作に基づいて可搬式操作装置TPから教示操作信号(操作データDs)がロボット制御装置RCに送信されると、ロボット制御装置RCでは受信した操作データDsを解釈することにより、教示操作結果に応じた処理を行なう。すなわち「教示機能を有効化する」とは、可搬式操作装置TPからの教示操作に応じて、ロボット制御装置RCによる各種処理(ジョグ送り、非常停止等)が通常通りに行われることを意味する。なお、特に断りのない限り、「教示機能を有効化する」とは、非常停止機能も同時に有効化するということを意味しているものとする。
逆に「教示機能を無効化する」とは、可搬式操作装置TPによる教示操作を禁止することを意味する。具体的には、ロボット制御装置RCにおいて、可搬式操作装置TPからの操作データDsを無視する処理が行われる。より詳しく説明するために、可搬式操作装置TP1〜TP3が同時に接続されたとき、可搬式操作装置TP1の教示機能は有効に設定され、可搬式操作装置TP2およびTP3の教示機能は無効に設定された場合を想定する。この場合、ロボット制御装置RCは、操作データDsの送信元アドレス81(図6(b)参照)を解釈し、可搬式操作装置TP2およびTP3からの教示操作信号であれば、無視する処理を行う。この処理によって、教示機能が無効化されている可搬式操作装置TPからの教示操作を禁止することができる。教示機能を無効化しても、表示用データDhは、ロボット制御装置RCから可搬式操作装置TPへそのまま送信されるので、特許文献2に記載されているように、ロボット制御装置RCの状態を取得して表示するモニタモードを作動させることが可能となる。なお、可搬式操作装置TPからの操作データDsを送信元アドレス81に基づいて無視するかわりに、操作データDsそのものを生成しないようにするか、操作データDsをロボット制御装置RCに送信しないようにしてもよい。
また、「非常停止機能のみを有効化する」とは、教示機能が無効化された中での特殊な状態(非常停止モード)である。非常停止モードでは、可搬式操作装置TPに備えられたキーボード6からの入力は無視されて教示作業は行えないが、非常停止スイッチ4の押下による非常停止操作は行うことができる。すなわち、可搬式操作装置TPからの操作データDsに含まれる操作信号のうち、非常停止スイッチの操作信号だけは受け付ける状態である。より詳細に説明するために、可搬式操作装置TP1〜TP3が同時に接続されたとき、可搬式操作装置TP1の教示機能が有効に設定され、可搬式操作装置TP2およびTP3が非常停止モードに設定された場合を想定する。この場合、ロボット制御装置RCは、操作データDsの送信元アドレス81(図6(b)参照)を解釈し、可搬式操作装置TP2およびTP3からの送信であると判定した場合は、さらにデータ82を解釈し、非常停止スイッチの操作だけを受け付ける処理を行う。この処理によって、教示機能が無効化されている可搬式操作装置TPの教示操作を禁止する一方で、非常停止操作は受け付けることができる。
(1.1台目の可搬式操作装置の通信確立)
(1.1 通信確立処理)
図3は、実施形態1に係る通信確立処理のフローチャートである。以下では、可搬式操作装置TPが1台も接続されていない状態から、図1で示した可搬式操作装置TP1を接続する場合を例にして、ロボット制御装置RCの通信処理部21により行われる処理の流れを説明する。実施形態1では、可搬式操作装置TPが1台も接続されていない状態であれば無条件に教示機能および非常停止機能を有効化し、すでに接続されている状態であれば無条件に教示機能を無効化して非常停止機能のみを有効化することにしている。なお、後述する通信接続数や各種フラグは、RAM14に記憶されるものとする。
同図のステップS1において、接続要求を待機する。ここでは、可搬式操作装置TP1からの接続要求があったものとして、ステップS2に移行する。ステップS2において、後述する教示機能有効化フラグの初期化処理を行う。ステップS3において、現在の通信接続数をRAM14から読み出す。この段階では、全く接続されていないため「0」となっている。したがって、通信接続数は「0」であると認識してステップS4に移行する。ステップS4において、通信接続数が「0」であるか否かを判定する。ここでは通信接続数が「0」であるので、教示機能を有効化するべく、ステップS5に移行する。ステップS5において、教示機能を有効化するためのフラグ(以下、教示機能有効化フラグという)をオンしてRAM14に記憶する。ステップS6において、従来技術と同様に通信の確立処理を行う。また同時に、通信接続数を+1してRAM14に記憶する。ステップS7において、教示機能有効化フラグがオンであるか否かを判定する。ここではオンであるので、ステップS8に移行する。そして、ステップS8において、教示機能を有効化する。この後、ステップS10において、通信の確立状態(通信中/切断中)、教示機能の状態(有効/無効)、非常停止機能の状態(有効/無効)を、可搬式操作装置TP1へ通知する。ここでは、「通信中」、「教示機能有効」および「非常停止機能有効」を通知する。
(1.2 発光体の点灯処理)
上記通知を受けた可搬式操作装置TP1では、表示制御部45が通信状態表示灯3および非常停止スイッチ4の各内部に設けた発光体を点灯させる。この結果、通信状態表示灯3は黄色に点灯し、非常停止スイッチ4は赤色に点灯する。
以上の処理により、最初に接続した可搬式操作装置TP1は、教示機能および非常停止機能が有効な状態で通信が確立される。また、この状態のとき、可搬式操作装置TP1の通信状態表示灯3および非常停止スイッチ4が発光することにより、通信が確立され且つ教示機能および非常停止機能が有効化されていることを判別することができる。したがって、可搬式操作装置TP1を作業者HMが携帯し、安全柵2に侵入して教示作業を行うことができる。
(2.2台目以降の可搬式操作装置の通信確立)
(2.1 通信確立処理)
次に、2台目の可搬式操作装置TP2から接続要求がなされた場合の通信確立処理を同フローチャートに従って説明する。ステップS3から説明する。
ステップS3において、現在の通信接続数をRAM14から読み出す。この段階では、「1」となっているため、ステップS6に移行する。ステップS6において、通信の確立処理を行う。また、通信接続数を+1してRAM14に記憶する。ステップS7において、教示機能有効化フラグがオンであるか否かを判定する。ここではオフであるので、ステップS9に移行する。そして、ステップS9において教示機能を無効化し、非常停止機能のみを有効化する。この後、ステップS10において、通信の確立状態(通信中/切断中)、教示機能の状態(有効/無効)および非常停止機能の状態(有効/無効)を、可搬式操作装置TP2へ通知する。ここでは、「通信中」、「教示機能無効」および「非常停止機能有効」を通知する。
(2.2 発光体の点灯処理)
上記通知を受けた可搬式操作装置TP2では、表示制御部45が通信状態表示灯3および非常停止スイッチ4の各内部に設けた発光体を点灯させる。この結果、通信状態表示灯3は黄色に点灯し、非常停止スイッチ4は赤色に点灯する。表示制御部45はまた、非常停止モードで接続されている旨をディスプレイ5に表示する。作業者は、ディスプレイ5の表示により非常停止モードで接続されていることを識別することができる。非常停止スイッチ4は、点灯させる代わりに点滅させるようにして、非常停止モードであることをより識別可能にしても良い。
以上の処理により、2台目に接続した可搬式操作装置TP2は、教示機能が無効化され、非常停止機能のみが有効化された状態で通信が確立される(3台目以降も同様となる)。
(3.可搬式操作装置の通信遮断)
可搬式操作装置TP1およびTP2が同時に通信接続された状態で、最初に通信接続した可搬式操作装置TP1から通信遮断要求がなされた場合は、可搬式操作装置TP1の教示機能を無効化するとともに、通信接続数を−1して通信を遮断する。このとき、安全面を考慮して可搬式操作装置TP2の教示機能を有効化する処理は行わないようにすることが望ましい。可搬式操作装置TP2から通信遮断要求がなされた場合は、通信接続数を−1して通信を遮断する。
以上説明したように、実施形態1によれば、複数の可搬式操作装置と1台のロボット制御装置との間の通信を同時接続する場合に、教示機能が有効な可搬式操作装置は1台に限定する一方で、2台目以降の可搬式操作装置は非常停止機能のみを有効とした形態で接続できるようにしたことによって、非常停止スイッチの簡易的な増設を実現することができる。この結果、安全性を向上させることができる。例えば、初心者が教示機能が有効な可搬式操作装置TP1を携帯して操作訓練を行っている途中で、操作を誤って万が一危険な状態になっても、熟練者が可搬式操作装置TP2を用いていつでも非常停止操作を行うことができる。
また、通信を確立した1台目の可搬式操作装置TPにのみ教示機能および非常停止機能を有効化し、2台目以降は非常停止機能のみを有効化するようにした。すなわち、教示機能および非常停止機能を有効にする/しないを作業者HMが意識することなく、複数の可搬式操作装置TPを1台のロボット制御装置RCに同時に接続して使用することができる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施形態2について説明する。実施形態1では、通信接続数が0であれば無条件に教示機能および非常停止機能を有効化し、通信接続数が1以上であれば無条件に教示機能を無効化して非常停止機能のみを有効化した。これに対し、実施形態2では、教示機能および非常停止機能の有効/無効を選択させるための手段(接続形態選択手段)を設け、操作者に接続形態を選択させるようにしている。
図4は、実施形態2に係る通信確立処理のフローチャートである。以下、同図に基づき、実施形態2における処理を説明する。以下、実施形態1との相違をより明確にするために、1台目の可搬式操作装置TP1は非常停止機能のみを有効化して接続し、2台目の可搬式操作装置TP2は教示機能および非常停止機能を両方とも有効化して接続する場合を例に説明する。
(3.1台目の可搬式操作装置の通信確立)
(3.1 通信確立処理)
同図のステップS11において、接続要求を待機する。ここでは、可搬式操作装置TP1からの接続要求があったものとして、ステップS12に移行する。ステップS12において、機能有効化フラグの初期化処理を行う。ステップS13において、接続形態の問い合わせ処理を行う。この処理により、「教示機能および非常停止機能を両方とも有効化した接続形態」とするか、「教示機能は無効で非常停止機能のみを有効化した接続形態」とするかを操作者に選択させる。
ステップS14において、ステップS13での選択結果を確認する。すなわち、選択された接続形態を判定する。ここでは、「教示機能は無効で非常停止機能のみを有効化した接続形態」が選択された(Noが選択された)ものとして、ステップS16に移行する。
ステップS16において、従来技術と同様に通信の確立処理を行う。ステップS17において、教示機能有効化フラグがオンであるか否かを判定する。ここではオフである(非常停止機能のみを有効化する)ので、ステップS19に移行する。そして、ステップS19において教示機能を無効化し、非常停止機能のみを有効化する。この後、ステップS20において、通信の確立状態(通信中/切断中)および教示機能の状態(有効/無効)を、可搬式操作装置TP1へ通知する。ここでは、「通信中」、「教示機能無効」および「非常停止有効」を通知する。
(3.2 発光体の点灯処理)
上記通知を受けた可搬式操作装置TP1では、表示制御部45が通信状態表示灯3および非常停止スイッチ4の各内部に設けた発光体を点灯させる。この結果、通信状態表示灯3は黄色に点灯し、非常停止スイッチ4は赤色に点灯する。表示制御部45はまた、非常停止モードで接続されている旨をディスプレイ5に表示する。作業者は、ディスプレイ5の表示により非常停止モードで接続されていることを識別することができる。
以上の処理により、1台目に接続した可搬式操作装置TP1は、教示機能が無効となり、非常停止機能のみが有効化された状態で通信が確立される。
(4.2台目の可搬式操作装置の通信確立)
(4.1 通信確立処理)
1台目の可搬式操作装置TP1に対しては教示機能を無効にし、非常停止機能のみを有効化して通信を確立した。同フローチャートを使用し、2台目の可搬式操作装置TP2に対して教示機能および非常停止機能を両方とも有効化して通信を確立する処理を説明する。ステップS13から説明する。
ステップS13において、接続形態の問い合わせ処理を行う。操作者は、「教示機能および非常停止機能を両方とも有効化した接続形態」を選択するものとする。ステップS14において、ステップS13での選択結果を確認する。ここでは、「教示機能および非常停止機能を両方とも有効化した接続形態」が選択されている(Yesが選択されている)ので、ステップS15に移行する。
ステップS15において、可搬式操作装置TP2で教示機能を有効化するために、教示機能有効化フラグをオンにする。ステップS16において、通信の確立処理をおこなう。ステップS17において、教示機能有効化フラグがオンであるか否かを判定する。ここではオンであるので、ステップS18に移行する。そして、ステップS18において、教示機能を有効化するとともに、有効中フラグをオンにする。この後、ステップS20において、通信の確立状態(通信中/切断中)、教示機能の状態(有効/無効)、非常停止機能の状態(有効/無効)を、可搬式操作装置TP1へ通知する。ここでは、「通信中」、「教示機能有効」および「非常停止機能有効」を通知する。
(4.2 発光体の点灯処理)
上記通知を受けた可搬式操作装置TP2では、表示制御部45が通信状態表示灯3および非常停止スイッチ4の各内部に設けた発光体を点灯させる。この結果、通信状態表示灯3は黄色に点灯し、非常停止スイッチ4は赤色に点灯する。
以上の処理により、可搬式操作装置TP2は、教示機能および非常停止機能が両方とも有効な状態で通信が確立される。また、この状態のとき、可搬式操作装置TP2の通信状態表示灯3および非常停止スイッチ4が発光することにより、通信が確立され且つ教示機能が有効化されていることを判別することができる。
(5.3台目の可搬式操作装置の通信確立)
この後、3台目の可搬式操作装置TP3をさらに非常停止モードで接続する場合を想定する。この場合、すでに教示機能が有効な状態にも関わらず、上記したステップS13で誤って「教示機能および非常停止機能を両方とも有効化した接続形態」が選択されて接続要求がなされる場合がある。この場合は、ステップS14においてYesが選択されることになるが、この後の処理としては、エラーメッセージ等を出力してからステップS11に戻すようにするとよい。
以上説明したように、実施形態2においても、実施形態1と同様の効果を奏することができる。また、接続形態を選択できるようにしたことによって、1台目は教示機能を無効化し(非常停止機能のみを有効化し)、2台目は教示機能を有効化するなど、より柔軟な運用を行うことができる。
1 ロボット制御システム
2 安全柵
3 通信状態表示灯
4 非常停止スイッチ
5 ディスプレイ
6 キーボード
7 教示機能選択スイッチ
9 バス
12 送受信機
12A 無線インタフェース
12B 有線インタフェース
13 CPU
14 RAM
15 ハードディスク
16 主制御部
17 動作制御部
18 駆動指令部
19 ハードディスク
21 通信処理部
25 表示処理部
26 解釈実行部
27 接続情報格納部
30 教示データ格納部
32 送受信機
32A 無線インタフェース
32B 有線インタフェース
33 CPU
34 RAM
35 主制御部
36 二次電池
39 バス
41 通信処理部
45 表示制御部
46 キー入力監視部
47 接続情報格納部
51 ロボット制御システム
61 送信部
62 受信部
71 受信部
72 送信部
80 送信先アドレス
81 送信元アドレス
82 データ
C LANケーブル
Ds 操作データ
Dh 表示データ
H ハブ
HM 作業者
R ロボット
RC ロボット制御装置
TP 可搬式操作装置
TP1 可搬式操作装置
TP2 可搬式操作装置
TP3 可搬式操作装置
TPn 可搬式操作装置

Claims (2)

  1. マニピュレータと、非常停止信号を含む教示操作信号を無線で送信する1以上の可搬式操作装置と、この可搬式操作装置と無線通信手段を介して接続され、前記教示操作信号を受信して前記マニピュレータの教示作業を行う教示機能および前記非常停止信号を受信して前記マニピュレータの非常停止を行う非常停止機能を有するロボット制御装置と、を備えたロボット制御システムにおいて、
    前記可搬式操作装置が2台以上接続される場合は、1台に対しては前記教示機能および前記非常停止機能を共に有効化した形態である通常モードで接続し、その他に対しては前記教示機能を無効化するとともに前記非常停止機能のみを有効化した形態である非常停止モードで接続する通信制御手段を備え
    前記可搬式操作装置は表示部を備え、
    前記通常モードで接続された可搬式操作装置の表示部は、前記教示機能の実行に必要な情報を表示し、
    前記非常停止モードで接続された可搬式操作装置の表示部は、前記教示機能の実行に必要な情報を表示せず、前記非常停止モードで接続されている旨の情報を表示することを特徴とするロボット制御システム。
  2. 前記非常停止モードで接続されている可搬式操作装置は、前記表示部での情報表示に加えて、自身に設けられた非常停止スイッチを発光させる請求項1記載のロボット制御システム。
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