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JP6300746B2 - 車両用エネルギー消費率改善装置 - Google Patents
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JP6300746B2 - 車両用エネルギー消費率改善装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両におけるエネルギー消費率を改善する技術に関する。
内燃機関を動力源の全部または一部として備える車両においては、内燃機関の始動に際して車載バッテリが用いられる。また、車両走行時および停止時には、車載バッテリ、オルタネータによる発電によって車両の各種電装品に対する給電が実現されている。したがって、使用年数の経過と共に車載バッテリの性能が低下すると内燃機関の始動性が低下し、また、車両の各種電装品の作動状態が不安定になるという問題がある。
ここで、長期にわたりバッテリの状態を所定状態に保つためにバッテリに直接装着して用いられるバッテリ性能維持装置が実用化されている。
特許第3902212号公報
しかしながら、従来のバッテリ性能維持装置は、鉛蓄電池の性能維持、すなわち、電池寿命を引き延ばすことを主たる目的としており、車両のエネルギー消費率の改善、車両に装着する際の問題点、車両への装着の利便性については考慮されていなかった。
したがって、バッテリの性能低下を抑制し、車両のエネルギー消費率を改善するための技術が望まれている。なお、バッテリのみを走行用エネルギー源として用いる電気自動車においても、バッテリの充放電の繰り返しに伴うバッテリの性能低下の問題が同様にある。したがって、内燃機関を動力源として備える車両における燃料消費率、並びにモータを動力源の全部または一部として用いる車両の電力消費率の改善が求められている。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、車両におけるエネルギー消費率の改善を目的とする。また、エネルギー消費率の改善に用いられる小型で車両への装着が容易な装置を提供することを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は以下の種々の態様を採る。
第1の態様は、車両用エネルギー消費率改善装置を提供する。第1の態様に係る車両用エネルギー消費率改善装置は、制御部であって、正極端子および負極端子と、前記正極端子を介して車載電源から取り出した電流を用いてパルス波形駆動信号を生成する駆動信号生成部と、前記正極端子を介して前記車載電源から取り出した電流を300mA以上の電流に調整するための抵抗部と、前記駆動信号生成部および抵抗部と接続され、前記生成されたパルス波形駆動信号に応じて動作するスイッチング部であって、前記パルス波形駆動信号の立ち下がりエッジに同期して、逆起電力および逆電流を前記車載電源に供給するスイッチング部とを備える制御部と、車両側のヒューズボックスに装着され、前記ヒューズボックスを介して前記車載電源の正極と前記制御部の前記正極端子とを電気的に接続するヒューズボックス装着部とを備える。
第1の態様に車両用エネルギー消費率改善装置によれば、パルス波形駆動信号の立ち下がりエッジに同期して、逆起電力および逆電流が車載電源に供給されるので、車両におけるエネルギー消費率を改善することができる。また、車載電源における電極被膜の除去に要する時間の短縮させることが可能となり、車両におけるエネルギー消費率の早期改善を図ることができる。さらに、ヒューズボックス装着部を備えているので、車両用エネルギー消費率改善装置の車両への装着を容易化できる。
第2の態様は、車両用エネルギー消費率改善装置を提供する。第2の態様に係る車両用エネルギー消費率改善装置は、制御部であって、正極端子および負極端子と、前記正極端子を介して車載電源から取り出した電流を用いてパルス波形駆動信号を生成する駆動信号生成部と、前記正極端子を介して前記車載電源から取り出した電流を300mA以上の電流に調整するための抵抗部と、前記駆動信号生成部および抵抗部と接続され、前記生成されたパルス波形駆動信号に応じて動作するスイッチング部であって、前記パルス波形駆動信号の立ち下がりエッジに同期して、逆起電力および逆電流を前記車載電源に供給するスイッチング部とを備える制御部と、車両側のヒューズボックスを介して、前記正極端子と前記車載電源の正極とを電気的に接続させるための正極側車両接続部であって、前記車両側のヒューズボックスに装着されるためのヒューズ形状を有するヒューズボックス装着部を有する正極側車両接続部と、前記負極端子と前記車載バッテリの負極とを電気的に接続させるための負極側車両接続部とを備える。
第2の態様に車両用エネルギー消費率改善装置によれば、パルス波形駆動信号の立ち下がりエッジに同期して、逆起電力および逆電流が車載電源に供給されるので、車両におけるエネルギー消費率を改善することができる。また、車載電源における電極被膜の除去に要する時間の短縮させることが可能となり、車両におけるエネルギー消費率の早期改善を図ることができる。さらに、ヒューズボックス装着部を備えているので、車両用エネルギー消費率改善装置の車両への装着を容易化できる。
第1または第2の態様に係る車両用エネルギー消費率改善装置において、前記ヒューズボックス装着部は、前記車載電源の正極と接続されている、前記ヒューズボックスの車載電源側接続部に接続される正極側端子であって、前記正極端子と接続されている正極側端子と、電装品側と接続されている、前記ヒューズボックスの電装品側接続部に接続される電装品側端子とを備えても良い。この場合には、ヒューズの溶断に依存することなく、車両におけるエネルギー消費率を改善することができる。
第1または第2の態様に係る車両用エネルギー消費率改善装置において、前記ヒューズボックス装着部はヒューズを装着するためのヒューズ装着部を備えても良い。この場合には、既存のヒューズを装着することができると共に、ヒューズボックス装着部をヒューズ容量に関わらずヒューズボックスの所望の位置に装着することができる。
第1または第2の態様に係る車両用エネルギー消費率改善装置において、前記ヒューズボックス装着部はヒューズ素子を内蔵していても良い。この場合には、ヒューズボックスに対してヒューズボックス装着部を装着するだけで、車両に対する車両用エネルギー消費率改善装置の装着を完了することができる。
第1または第2の態様に係る車両用エネルギー消費率改善装置において、前記駆動信号生成部は、前記車両用エネルギー消費率改善装置の上昇温度が所定温度以下となるパルス幅の前記パルス波形駆動信号を生成しても良い。この場合には、車両用エネルギー消費率改善装置(制御部)における発熱を抑制しつつ、車載電源における電極被膜の除去に要する時間の短縮させることができる。
第1または第2の態様に係る車両用エネルギー消費率改善装置において、前記駆動信号生成部は、既知のパルス幅Pwbaseに対する既知の上昇温度がTbaseであり、許容上昇温度をTmaxとする場合に、以下の式によって求められるパルス幅以下のパルス幅の前記パルス波形駆動信号を生成しても良い。この場合には、車両用エネルギー消費率改善装置(制御部)の上昇温度を許容上昇温度以下とすることができる。
Figure 0006300746
第1または第2の態様に係る車両用エネルギー消費率改善装置において、前記駆動信号生成部は、前記車載電源の出力電圧が高くなるに連れて、前記パルス幅が小さなパルス波形駆動信号を生成しても良い。この場合には、車載電源の出力電圧に応じて、車載電源におけうr電極被膜の除去時における発熱を抑制することができる。
第1または第2の態様に係る車両用エネルギー消費率改善装置において、前記駆動信号生成部は、周波数が15000Hz〜20000Hzであって、パルス幅が1μsec〜2μsecである前記パルス波形駆動信号を生成し、前記抵抗部は、前記車載電源から取り出した電流を300〜500mAの電流に調整しても良い。この場合には、車載電源における電極被膜の除去時における発熱を抑制しつつ、電極被膜の除去に要する時間の短縮させることができる。
第3の態様は、車両用エネルギー消費率改善方法を提供する。第3の態様に係る車両用エネルギー消費率改善方法は、車両用エネルギー消費率改善装置の正極端子と車載電源の正極とを電気的に接続させるためのヒューズ形状を有するヒューズボックス装着部を車両側のヒューズボックスに装着し、前記車両用エネルギー消費率改善装置の負極端子と前記車載バッテリの負極とを電気的に接続させるための負極側車両接続部を車体接地し、前記車両用エネルギー消費率改善装置によって、前記車載電源から取り出した電流を用いてパルス波形駆動信号を生成し、前記車両用エネルギー消費率改善装置によって、前記車載電源から取り出した電流を300mA以上の電流に調整し、前記車両用エネルギー消費率改善装置によって、前記パルス波形駆動信号の立ち下がりエッジに同期して、前記300mA以上の電流に起因する、逆起電力および逆電流を前記車載電源に供給することを備え、前記パルス波形駆動信号の生成、前記電流の調整、および前記逆起電力および逆電流の前記車載電源への供給を繰り返し実行することを備える。
第3の態様に車両用エネルギー消費率改善方法によれば、パルス波形駆動信号の立ち下がりエッジに同期して、逆起電力および逆電流が車載電源に供給されるので、車両におけるエネルギー消費率を改善することができる。また、車載電源における電極被膜の除去に要する時間の短縮させることが可能となり、車両におけるエネルギー消費率の早期改善を図ることができる。さらに、ヒューズボックス装着部をヒューズボックスに装着すれば良いので、車両用エネルギー消費率改善装置の車両への装着が容易となり、車両におけるエネルギー消費率の改善の簡便化を図ることができる。
第3の態様に係車両用エネルギー消費率改善方法は、車両用エネルギー消費率改善プログラムとして実現され得ると共に、車両用エネルギー消費率改善プログラムが記録されたコンピューター読み取り可能な媒体として実現され得る。
本実施例に係るエネルギー消費率改善装置が装着された車両の概略を示す説明図。 第1の実施例に係るエネルギー消費率改善装置の外観を概略的に示す説明図。 第1の実施例に係るエネルギー消費率改善装置のヒューズボックス装着部の詳細な構成を示す説明図。 第2の実施例に係るエネルギー消費率改善装置の外観を概略的に示す説明図。 第2の実施例に係るエネルギー消費率改善装置のヒューズボックス装着部の詳細な構成を示す説明図。 本実施例に用いられる一例としてのヒューズボックスの概略構成を示す説明図。 本実施例に係るエネルギー消費率改善装置が有する制御部の回路構成を機能的に示すブロック図。 本実施例に係るエネルギー消費率改善装置が備える波形整形回路の等価回路を示す説明図。 本実施例に係るエネルギー消費率改善装置が備えるパルス発生回路によって生成されたパルス波形駆動信号の一例を示す説明図。 本実施例に係るエネルギー消費率改善装置が備える波形整形回路によって生成されるのこぎり波形駆動信号の一例を示す説明図。 本実施例に係るエネルギー消費率改善装置と車載バッテリとの間における電流変化を模式的に示す説明図である。 本実施例に係るエネルギー消費率改善装置を装着した燃費効果試験の結果を示す説明図。 本実施例に係るエネルギー消費率改善装置を装着しない場合の燃費効果試験の結果を示す説明図。 本実施例に係るエネルギー消費率改善装置によるバッテリ容量の改善結果を示す説明図。 比較例としての硫酸塩被膜除去装置による鉛蓄電池の性能回復の検証結果を示す説明図である。 本実施例に係るエネルギー消費率改善装置による鉛蓄電池の性能回復の検証結果を示す説明図。 比較例としての硫酸塩被膜除去装置の動作時における温度変化を示す説明図である。 本実施例に係るエネルギー消費率改善装置の動作時における温度変化を示す説明図。
以下、本発明に係る車両用エネルギー消費率改善装置について、図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。内燃機関のみを動力源とする内燃機関車両(以下、単に「通常車両」とも呼ぶ。)においては、車載バッテリによって内燃機関の始動が行われると共に、車載バッテリおよびオルタネータによって車両の各種電装品に対する給電が実現されている。オルタネータは内燃機関によって駆動されるため、内燃機関により出力される動力の一部はオルタネータの駆動により消費される。したがって、オルタネータの駆動は車両のエネルギー消費率に影響を及ぼす。
そこで、車両の減速時を中心にオルタネータを駆動させることで車両のエネルギー消費率(燃料消費率)を向上させるための充電制御技術が実用化されている。エネルギー消費率の更なる改善の要求に応えるため、例えば、車両の停止・発進に応じて自動的に内燃機関を停止・始動させることによってアイドリング中の燃料消費を抑制するスタート・ストップ制御技術を搭載する通常車両、あるいは、内燃機関に加えてモータを備え、モータによって内燃機関の低効率走行領域を補い、また、車両制動時に発生するエネルギーを回収するハイブリッド車両が実用化されている。
しかしながら、スタート・ストップ制御技術が搭載される通常車両においては、アイドリング中における燃料消費は抑制されるものの、スタート・ストップ制御が頻繁に実行される走行条件時、車載バッテリに対する充放電が短期間に繰り返し行われる結果、車載バッテリの負荷は高くなり、スタート・ストップ制御が実行されない場合と比較して車載バッテリの性能の低下の度合いは大きい。
ハイブリッド車両においては、内燃機関の始動にモータ駆動用の大容量バッテリを用いることができるという相違はあるものの、内燃機関の始動停止の繰り返し、およびモータの駆動・回生制御の繰り返しに伴い大容量バッテリに対して充放電が繰り返し実行される点においては、通常車両における車載バッテリと同様である。
本願の発明者は、いずれの車両においてもバッテリの性能が低下すると、充電効率および放電効率が低下し、車両のエネルギー消費率が低下するという知見を得た。以下に、当該知見に基づき、車載バッテリおよび大容量バッテリの性能低下を抑制または改善することによって、車両のエネルギー消費率を改善するためのエネルギー消費率改善装置について説明する。
図1は本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10が装着された車両50の概略を示す説明図である。車両50は、内燃機関51を動力源とする内燃機関車両であり、車両の一時的な停止・発進に応じて内燃機関51の停止・始動を自動的に実行するスタート・ストップ制御技術が組み込まれている車両であっても良い。
車両50は、内燃機関51の他に、オルタネータ52、4つの車輪55、ヒューズボックス20、車載バッテリ30、を備えている。車両50は、スタート・ストップ制御技術を備える車両であっても良く、スタート・ストップ制御技術を備えない車両であっても良い。
車載バッテリ30は、正極(端子)31と負極(端子)32を備え、本実施例においては鉛蓄電池型のバッテリである。正極31は、電力供給配線311を介してヒューズボックス20と接続されており、負極32は、アース線321を介して車両のボディに接地されている。図1の例では、車載バッテリ30は、エンジンルーム内に配置されているが、エンジンルーム以外のトランクルーム、車室内に配置されても良い。なお、本明細書において車載電源とは、繰り返し充放電可能なバッテリを意味する。
ヒューズボックス20は、車載バッテリ30と電装品(図示せず)との間の電気的な経路上に配置され、電装品に対する過剰電流の流れ込みを防止するための複数のヒューズが収納される筐体である。ヒューズボックス20には、本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10が装着されている。ヒューズボックス20には、電力供給配線21を介して車載バッテリ30の正極31から電力が供給され、供給された電力は、各電装品に接続されている複数の電装品側配線22を介して各電装品に供給される。図1の例ではヒューズボックス20は、車室内に配置されているが、車室以外のエンジンルーム内、トランクルーム内といった車両の他の位置に配置されても良い。ヒューズボックス20の詳細については図6を用いて後述する。
オルタネータ52は、タイミングベルトを介して内燃機関51の出力軸であるクランクシャフトと機械的に接続されており、内燃機関51によって駆動され、車載バッテリ30を充電するための電力および車両の電装品に供給すべき電力を生成(発電)する。オルタネータ52のバッテリ側端子はバッテリ線521を介してバッテリの正極31と接続され、接地端子はアース線522を介して車両50のボディに接地されている。なお、オルタネータ52は、車両無負荷時・軽負荷時のみに発電を行うことによって内燃機関51の発電負荷を軽減するオルタネータであっても良い。また、オルタネータ52は、スタート・ストップ制御技術を備える車両においては、内燃機関51を再始動させるスタータ装置として機能しても良い。
図2は第1の実施例に係るエネルギー消費率改善装置10aの外観を概略的に示す説明図である。エネルギー消費率改善装置10aは、制御部11、ヒューズボックス装着部12a、バッテリ側配線13、接地配線14を備えている。制御部11とヒューズボックス装着部12aとはバッテリ側配線13によって接続されている。なお、バッテリ側配線13には、制御部11への過剰電流の流入を防止するためにヒューズが備えられていることが望ましい。接地配線14の先端には車両のボディ(金属部分)に接続するための接地端子141が結合されている。なお、ヒューズボックス装着部12aおよびバッテリ側配線13は、包括的に正極側車両接続部と呼ぶこともできる。
ヒューズボックス装着部12aは、ヒューズを装着するためのヒューズ装着部121、ヒューズボックス20の接続端子に係合するための2つの金属製端子122を備えており、例えば、ヒューズ60と同様の樹脂材料を用いてモールド成形により作製され。ヒューズボックス装着部12aは、エネルギー消費率改善装置10aをヒューズボックス20に装着するために用いられる端子部であり、第1の実施例に係るエネルギー消費率改善装置10aにおいては、ヒューズボックス20に装着されている既存のヒューズは外され、ヒューズ装着部121に装着されて用いられる。図3を参照してヒューズボックス装着部12aの詳細な構成について説明する。
ヒューズボックス装着部12aの金属製端子122は、バッテリ側端子122aおよび電装品側端子122bである。バッテリ側端子122aは、ヒューズボックス20における電源供給端子21に接続され、電装品側端子122bは、ヒューズボックス20の電装品側配線22に接続される。なお、ヒューズボックス装着部12aは、制御部11と一体に形成されていても良い。この場合、少なくともバッテリ側配線13は外部に露出せず、制御部11とヒューズボックス装着部12aを含む筐体内部においてバッテリ側端子122aと制御部11の正側端子T1(後述)とを接続すれば良い。あるいは、バッテリ側端子122aと制御部11の正側端子T1とが内部配線(基板配線)によって結線されている場合には、バッテリ側配線13は備えられなくても良い。
バッテリ側端子122aには、制御部接続部125を介して制御部11とヒューズボックス装着部12aとを接続するバッテリ側配線13が接続されている。バッテリ側端子122aの上側部にはヒューズ60の端子の一方61aを係合するためのヒューズ装着部123aが形成されている。電装品側端子122bの上側部にはヒューズ60の端子の他方61bを係合するためのヒューズ装着部123bが形成されている。
バッテリ側端子122aと電装品側端子122bとは、ヒューズ60の端子61a、61bおよびヒューズ素子62を介して電気的接続される。なお、エネルギー消費率改善装置10aには、バッテリ側端子122a(制御部接続部125)から給電されるので、ヒューズ素子62が断線されたとしても正常に動作することができる。
図4は第2の実施例に係るエネルギー消費率改善装置10bの外観を概略的に示す説明図である。第2の実施例に係るエネルギー消費率改善装置10bは、ヒューズボックス装着部12bの形態が第1の実施例に係るエネルギー消費率改善装置10aにおけるヒューズボックス装着部12aと異なる他は同様の構成を備えている。したがって、同様の構成に対しては、第1の実施例に係るエネルギー消費率改善装置10aにおいて用いた符号と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。第2の実施例に係るエネルギー消費率改善装置10bは、制御部11、ヒューズボックス装着部12b、バッテリ側配線13、接地配線14を備えている。制御部11とヒューズボックス装着部12bとはバッテリ側配線13によって接続されている。接地配線14の先端には車両のボディ(金属部分)に接続するための接地端子141が結合されている。
ヒューズボックス装着部12bは、ヒューズ60と同様の外形を有しており、バッテリ側端子122a、電装品側端子122b、およびヒューズ素子62を備えている。ヒューズボックス装着部12bは、通常のヒューズ60と同様にしてモールド樹脂成形によって作製され得る。ヒューズボックス装着部12bは、エネルギー消費率改善装置10bをヒューズボックス20に装着するために用いられる端子部である。第2の実施例に係るエネルギー消費率改善装置10bにおいては、ヒューズボックス20に装着されている既存のヒューズは外され、ヒューズボックス装着部12bがヒューズとして機能する。図5を参照してヒューズボックス装着部12bの詳細な構成について説明する。
ヒューズボックス装着部12bのバッテリ側端子122aは、ヒューズボックス20における電源供給端子21に接続され、電装品側端子122bは、ヒューズボックス20の電装品側配線22に接続される。
バッテリ側端子122aには、制御部接続部123を介して制御部11とヒューズボックス装着部12bとを接続するバッテリ側配線13が接続されている。バッテリ側端子122aと電装品側端子122bとは、内蔵するヒューズ素子62を介して電気的接続される。なお、エネルギー消費率改善装置10bには、バッテリ側端子122aから給電されるので、ヒューズ素子62が断線されたとしても正常に動作することができる。
図6は本実施例に用いられる一例としてのヒューズボックス20の概略構成を示す説明図である。ヒューズボックス20は、電力供給配線311を介して車載バッテリ30の正極31と接続されている給電端子21、ヒューズ60を装着するための複数の装着部23を備えている。各装着部23は、配線231を介して電源供給端子21と接続されている第1ヒューズ装着端子232、および電装品側配線22を介して各電装品と接続されている第2ヒューズ装着端子233を備えている。なお、以降の説明においては、第1および第2の実施例に係るエネルギー消費率改善装置10aおよび10bを包括的にエネルギー消費率改善装置10と記し、ヒューズボックス装着部12についても「a、b」の符号を用いることなく包括的に記すことがある。
図6の例では、左最下端の装着部23aに、エネルギー消費率改善装置10が装着されている。具体的には、ヒューズボックス装着部12が装着部23aにされ、バッテリ側端子122aおよび電装品側端子122bがそれぞれ第1および第2ヒューズ装着端子232、233に接続されている。制御部11には、ヒューズボックス装着部12およびバッテリ側配線13を介して車載バッテリ30から電力が供給され、制御部11は、接地配線14を介して車両50のボディに接地されている。
図7を参照して本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10が有する制御部11の構成について詳細に説明する。図7は、本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10が有する制御部11の回路構成を機能的に示すブロック図である。制御部11は、硫酸塩被膜除去装置として機能し、電源回路111、パルス発生回路112、波形整形回路113、スイッチング回路114、保護回路115、正側端子T1および負側端子T2を備えている。正側端子T1にはバッテリ側配線13が結合されており、バッテリ側配線13を介してヒューズボックス装着部12と接続されている。正側端子T1は、車載バッテリ30の正極31から得られた電流を電源回路111に供給する駆動信号用電流線Ldを介して電源回路111と接続され、また、車載バッテリ30の正極31から得られた電流をスイッチング回路114に供給する電源電流線Lpを介してスイッチング回路114と接続されている。駆動信号用電流線Ldには、電源回路111から正側端子T1への電流の逆流を防止するためのダイオードD1が配置されている。電源電流線Lpには、スイッチング回路114から正側端子T1への電流の逆流を防止するためのダイオードD2、スイッチング回路114に供給される電流を所定値に調整するための抵抗R1が配置されている。なお、制御部11には、エネルギー消費率改善装置10が通電中(動作中)である場合に点灯する、例えば、発光ダイオードからなる表示灯116が備えられても良い。
電源回路111は、信号線を介してパルス発生回路112と接続されており、パルス発生回路112は、信号線を介して波形整形回路113に接続されている。波形整形回路113は、信号線を介してスイッチング回路114に接続されており、スイッチング回路114は上述のように電源電流線Lpと接続されている。波形整形回路113には、保護回路115が接続されている。負側端子T2は接地配線14および接地端子141を介してボディに接地されている。なお、図7においては、スイッチング回路114のみ明示的に信号接地されているが、他の各回路についても同様に信号接地されていることは言うまでもない。
電源回路111は車載バッテリ30から供給される電圧(12V〜48V)を駆動信号用の電圧(制御回路電圧)である10Vに降圧するためのDC/DCコンバータである。電源回路111によって降圧された駆動信号用電流は、パルス発生回路112に供給される。パルス発生回路112は、電源回路111から供給された駆動信号用電流を用いて、スイッチング回路114を駆動するためのパルス信号波形を生成する回路であり、内部に発振器を備えており、予め定められたパルス幅の矩形波を予め定められた周波数個分有するパルス波形駆動信号を出力する。すなわち、予め定められたパルス幅の矩形波信号を予め定められた周期(1/周波数)で連続して出力する。
本実施例におけるパルス発生回路112は、エネルギー消費率改善装置10の上昇温度が所定温度以下となるパルス幅のパルス波形駆動信号を生成する。より具体的には、周波数15000〜20000Hz、既知のパルス幅Pwbaseに対する既知の上昇温度がTbaseであり、許容上昇温度をTmaxとする場合に、以下の式によって求められるパルス幅以下のパルス幅のパルス波形駆動信号を生成する。
Figure 0006300746
具体的なパルス幅の値としては、1〜2μsecのパルス幅、より具体的には、1.4〜1.7μsec程度のパルス幅を有するパルス波形駆動信号を生成する。たとえば、既知のパルス幅Pwbase=1.6、既知の上昇温度Tbase=28℃であり、許容上昇温度Tmax=60℃の場合には、約3.4μsecが最大許容パルス幅となる。
波形整形回路113は、パルス発生回路112によって生成されたパルス波形駆動信号をのこぎり波形に整形して出力する。図8は本実施例に係るエネルギー消費率改善装置(制御部)が備える波形整形回路の等価回路を示す説明図である。図9は本実施例に係るエネルギー消費率改善装置(制御部)が備えるパルス発生回路によって生成されたパルス波形駆動信号の一例を示す説明図である。図10は本実施例に係るエネルギー消費率改善装置(制御部)が備える波形整形回路によって生成されるのこぎり波形駆動信号の一例を示す説明図である。
波形整形回路113は公知の回路であり、例えば、並列接続されている2つの抵抗R21、R22と、抵抗R22に並列接続されているキャパシタC1と、抵抗R22に直列接続されているダイオードD3を備えている。波形整形回路113によれば、図9に示すパルス波形を、図10に示すのこぎり波形に整形することができる。すなわち、立ち上がりは緩やかで、立ち下がりが急峻である波形を生成することができる。したがって、立ち下がりエッジをトリガとして作動する回路、例えばスイッチング回路114のスイッチ動作を迅速に実行させることができる。
スイッチング回路114は、整形されたパルス波形駆動信号によってオン、オフ動作を実現する回路であり、本実施例においては、オン動作時に電源電流線Lpを介してバッテリから電流を取り出し、オフ動作時にバッテリからの電流の取り出しを停止する。したがって、スイッチング回路114は、バッテリからパルス電流を流し出させることができる。スイッチング回路114としては、例えば、電界効果型トランジスタ(FET)、その他のスイッチング素子を用いることができる。
保護回路115は、波形整形回路113から出力されるパルス波形駆動信号が常時ハイ状態(スイッチング回路114に対してオン動作を指示する信号レベル状態)となった場合に、抵抗R1を焼き切れ等の不具合から保護するための回路である。例えば、当業者にとって周知であるように、ツェナーダイオードとトランジスタを用いる回路によって実現される。
抵抗R1はスイッチング回路114に供給される電源電流の値を調整するために用いれ、300〜500mAの電流値となるよう、使用対象となるバッテリBTの電圧に応じて抵抗値が選択される。以下では、500mAの電流が用いられる。
本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10(制御部11)の動作について説明する。図11は本実施例に係るエネルギー消費率改善装置と車載バッテリとの間における電流変化を模式的に示す説明図である。エネルギー消費率改善装置10は、車載バッテリ30から供給される電流を用いて動作する。すなわち、車載バッテリ30から正側端子T1を介して取り出された電流は、駆動信号用電流線Ldを介して、各回路に供給される。
既述のように、エネルギー消費率改善装置10は、パルス波形駆動信号に従って、バッテリからパルス状の電流を取り出すことができる。すなわち、スイッチング回路114がパルス波形駆動信号に従ってオンすることによって、抵抗R1によって500mAとされた電流がスイッチング回路114からグラウンドへと流れ込み、スイッチング回路114がパルス波形駆動信号に従ってオフすることによって、グラウンドに対する500mAとされた電流の流れ込みが停止される。この結果、パルス状の電流が車載バッテリ30から取り出される。エネルギー消費率改善装置10(スイッチング回路114)がパルス波形駆動信号の立ち下がりエッジに応じて電流の取り出しを停止すると、ヒューズボックス装着部12、バッテリ側配線13および接地配線14並びに車載バッテリ30および車載バッテリ30からヒューズボックス20間での各配線を含めたインダクタンス成分に起因する逆起電力および逆電流が発生し、車載バッテリ30に対して、エネルギー消費率改善装置10からみてマイナスの(車載バッテリ30からの取り出しをプラスとした場合)スパイク状の電圧および電流が印加される。例えば、車載バッテリ30に対して、図11に示すようなスパイク状の電流が印加される。本実施例では、スイッチング回路114に入力されるパルス波形駆動信号はのこぎり波形を有するように波形整形回路113によって整形されるので、スイッチング回路114はオン動作時には比較的緩やかにオン状態に移行するが、オフ動作時には瞬時にオフ状態に移行する。この結果、ピーク(高さ)が高く、幅の短いスパイク状電流および電圧を車載バッテリ30に提供することができる。車載バッテリ30に供給されるスパイク状の逆電流の値は、例えば、2〜3Aであり、使用電流(電源電流)が大きくなるに連れて大きな値を取る。なお、図11の電流波形は車載バッテリ30の電極に抵抗を直列に接続し、抵抗の両端の電圧波形を測定することによって得ることができる。
このスパイク状の電流および電圧が車載バッテリ30の正極および負極に作用することで、正極および負極に析出した被膜(鉛蓄電池においては硫酸鉛被膜)が各電極から分子状に剥離、分離され、被膜によって覆われていた各電極の表面積のうち充電に関わる充電面積が初期の充電面積にまで回復される。電解液中に分離された分子状の被膜は、車載バッテリ30の充電時に分解され、鉛イオンおよび硫酸イオンとして電解液中に溶解する。また、充電時には車載バッテリ30の放電時に生成されるH2Oの生成も停止し、この結果、鉛蓄電池である車載バッテリ30の電解質比重が良好値である1.280に向かって回復する。
検証結果
以下、本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10並びに比較例としてのエネルギー消費率改善装置を用いない場合の検証結果について説明する。図12は本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10を装着した燃費効果試験の結果を示す説明図である。図13は本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10を装着しない場合の燃費効果試験の結果を示す説明図である。図14は本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10によるバッテリ容量の改善結果を示す説明図である。
燃費効果試験は、試験車両として、平成9年製日産シルビア(型式E−S14、原動機型式SR20、総排気量1.99リットル、タイヤ空気圧前後共に200kPa)、測定機器として、シャシダイナモメータ:バンザイVST−3600−4W、燃料流量センサ:OVAL MODEL LS4150 1p/ccを用いて行った。また、使用したバッテリは、GSユアサ製、GS40B19Rである。
試験条件は10.15モード燃費計測プログラムを基準として、停止時にエンジン停止後直ちに再始動するモードを4回行うモードで行った。
1.装着前
天候:晴れ、気温:24〜25℃、湿度:64〜70%、大気圧:1037hPaの環境下、本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10を装着せず、3回の計測を行った。図13に示すように計測の結果得られた燃料消費率は9.96〜10.33(km/L)の範囲であり、平均燃料消費率は10.13(km/L)であった。
2.装着後
本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10をヒューズボックスに装着後7ヶ月経過後に、天候:晴れ、気温:28〜29℃、湿度:43〜48%、大気圧:1009hPaの環境下、3回の計測を行った。図12に示すように計測の結果得られた燃料消費率は10.70(km/L)の範囲であり、平均燃料消費率は10.70(km/L)であった。
以上の通り、本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10をヒューズボックスに装着することによって、5.7%の燃費向上が確認できた。
バッテリ容量測定:
バッテリ容量測定は、1.の測定時および2.の測定時にそれぞれ満充電を行い、コールドクランキングアンペア(CCA)値をバッテリ劣化度の判定値として用いた。鉛蓄電池の性能を低下させる要因の一つとして、鉛蓄電池の正電極および負電極に発生する硫酸塩被膜(サルフェーション)が知られている。硫酸塩被膜は、鉛蓄電池を使用(放電)する際に、希硫酸電解質溶液と、正極(酸化鉛電極)および負極(鉛電極)とが以下の電気化学反応を起こすことによって両電極上に形成される。なお、充電時には逆向きの電気化学反応が生じる。
PbO2+4H++SO4 2-+2e-→PbSo4+2H2O (正極)
Pb+SO4 2-→PbSo4+2e- (負極)
正極および負極の表面(充電に寄与する電極表面)が硫酸塩(硫酸鉛)被膜によって覆われることによって、各電極と電解質溶液との間で生じる、所期の電気化学反応が阻害され、鉛蓄電池の充電性能および放電性能が低下してしまう。
図14に示すように、1.の測定時におけるバッテリ劣化度は、新品時容量に対して85%まで容量劣化していたが、2.の測定時におけるバッテリ劣化度は、新品時容量に対して97%まで容量回復していることが確認できた。すなわち、エネルギー消費率改善装置10を7ヶ月間装着した結果、バッテリの正負電極に付着した塩がほぼ除去されたことが確認できた。
以上述べた、本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10による燃料消費率の改善は以下の理由による。バッテリの性能低下、すなわち、正負電極に対する塩の付着に伴うバッテリの内部抵抗の増大は、放電に対して電力ロスをもたらすため内燃機関の始動に際して多くの電力量が必要となる。例えば、正常なバッテリを用いる際には、250Ah程度の放電容量で内燃機関を始動できるものの、劣化したバッテリを用いる際には、400Ah程度の放電容量が必要となる。したがって、正常なバッテリと比較して、バッテリ容量を所定の容量まで回復するために必要な電力量も多くなりオルタネータの稼働期間が長くなる。
また、内部抵抗の増大は、バッテリに対する充電に際しても抵抗となり、劣化したバッテリに対する充電時間は正常なバッテリに対する同量の電池容量を回復するために要する充電期間よりも長くなり、オルタネータを余分に稼働させなければならない。
通常車両においては、内燃機関51によって駆動されるオルタネータ52によって車載バッテリ30に対する充電が行われることは上述の通りである。したがって、オルタネータ52の稼働期間が長くなれば、車両の走行に要する燃料に加えて、内燃機関51がオルタネータ52を駆動するために燃料を消費する期間も長くなり、車両のエネルギー消費率、すなわち、燃料消費率が低下する。
本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10によれば、車載バッテリ30の性能低下を改善(回復)することができるので、オルタネータ52を余分に駆動することなく、車載バッテリ30の充電のために必要な燃料量を低減することができる。この結果、車両のエネルギー消費率、すなわち、本実証試験においては燃料消費率を向上させることができる。特にスタート・ストップ制御技術搭載車においては、内燃機関の再始動に際してセルモータ(スタータモータ)を駆動するために、例えば、300A前後の大電流を要し、車載バッテリ30に対する負荷は大きくなり、車載バッテリ30の性能劣化が促進される。このような条件下においても、本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10によれば、車載バッテリ30の性能低下を抑制または防止することができるので、車両の燃料消費率を向上させることができる。
また、本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10は、7ヶ月という短期間の間に、燃料消費率を向上させることが可能であり、また、車載バッテリ30の性能を回復させることができる。なお、後述のバッテリ回復に関する補足的な実証試験結果が示すように、本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10は、装着してから3ヶ月後にはバッテリの性能を回復させる性能を有しており、車両のエネルギー消費率も7ヶ月よりも短い3ヶ月程度の期間において改善され得る。
さらに、本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10は、ヒューズボックス20のヒューズ装着部にそのまま装着できるヒューズボックス装着部12を備えているので、エネルギー消費率改善装置10を簡単に装着することができる。第1の実施例に係るヒューズボックス装着部12aは、ヒューズ取り付け部に121に既存のヒューズを装着して用いることが可能であるからヒューズ容量によって制限を受けることなくヒューズボックス20の任意の位置に装着することができる。第2の実施例に係るヒューズボックス装着部12bはヒューズを内蔵しているので、既存のヒューズの脱着を要することなく、さらに容易にエネルギー消費率改善装置10を装着することができる。
以下、バッテリの性能低下の改善および防止の観点から、本実施例にエネルギー消費率改善装置10をバッテリに直接接続した場合に得られた各種の検証結果について補足的に説明する。
バッテリ性能回復:
図15は比較例としての硫酸塩被膜除去装置による鉛蓄電池の性能回復の検証結果を示す説明図である。図16は本実施例に係るエネルギー消費率改善装置による鉛蓄電池の性能回復の検証結果を示す説明図である。検証条件は以下の通り。
比較例:パルス周波数:20000Hz、電流値:200mA、バッテリ:GSユアサ製48Vバッテリ、
実施例:パルス周波数:20000Hz、電流値:500mA、バッテリ:GSユアサ製48Vバッテリ。
この検証によれば、本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10によって比重値が回復することが確認され、上記したスパイク状電流による硫酸塩被膜の除去、溶解のメカニズムが立証される。
図15に示す比較例では、平均電解液比重値の初期値は1.255であり、装着開始から34日経過後における平均電解液比重値は1.266、装着開始から87日経過後における平均電解液比重値は1.280である。一般的に、鉛蓄電池の比重値は1.28が良好値の目安とされており、87日経過後に達成している。一方、初期値に対する平均比重値の改善率、すなわち、比重増加率に着目すると、34日経過時点で1.0087、87日経過時点で1.0199となっており、約3ヶ月経過時点での比重増加率は1.0199に止まる。これに対して、本実施例では、平均電解液比重値の初期値は1.219であり、装着開始から20日経過後における平均電解液比重値は1.268である。一方、初期値に対する平均比重値の改善率に着目すると、20日経過時点で1.040となっており、約半月経過時点での比重増加率は1.040に達している。
実施例と比較例との相違は電流値にあり、電流値が大きな本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10によれば、比較例の硫酸塩被膜除去装置に対して約1/3〜1/4の期間でバッテリの性能を回復させることができる。改善結果が得られるまでに要する期間が3〜4ヶ月といったように長い場合、装置ユーザは改善効果を有効に検証し難いという問題が生じるが、本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10によれば、半月から1ヶ月程度で改善効果を検証することが可能となり、装置ユーザの要望に応えることができる。
バッテリに印加する電流値が大きい場合に、良好な改善結果を得られることは上記の検証結果によって示されたが、バッテリに印加する電流値を単に増大させると、硫酸塩被膜除去装置の動作時温度が上昇する(抵抗が損傷を受ける)という問題が生じる。
温度変化:
図17は比較例としての硫酸塩被膜除去装置の動作時における温度変化を示す説明図である。図18は本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10の動作時における温度変化を示す説明図である。検証は、エネルギー消費率改善装置10のケース本体および電流調整抵抗の温度を赤外線温度計で計測することによって行われた。図17に示す比較例は、パルス周波数:20000Hz、パルス波形駆動信号のパルス幅4μsecの条件のもと、硫酸権被膜除去装置のスイッチング回路に供給される電流を200mAから500mAに上昇させた結果得られた温度変化を示している。図18の結果から、電流値が増加するに連れて、ケース温度が上昇し、500mAではケース温度は47℃、上昇温度は19℃に達した。また、発熱源である抵抗の温度は114℃に達する。したがって、自動車のエンジンルーム内に配置されているバッテリまたはヒューズボックスに装着されて用いられる場合には、使用環境温度が60〜70℃程度の条件下で使用されることになり、抵抗の温度は150℃を大きく超えることとなり、一般的用途の抵抗を用いる場合、抵抗が損傷する可能性が高くなる。
これに対して、本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10は、パルス幅1.6μsec、周波数20000Hzのパルス波形駆動信号によって駆動される。図18に示す検証では、36Vバッテリ、48Vバッテリに対してエネルギー消費率改善装置10を装着し、スイッチング回路114に供給される電流として200mAと500mAの場合について検証を行った。
電源200mAの比較例では、36Vおよび48Vバッテリのそれぞれについて、ケース温度は31℃、34℃であり、上昇温度は6℃、8℃であった。これに対して、電流500mAの実施例では、36Vおよび48Vバッテリのそれぞれについて、ケース温度は32℃、35℃であり、上昇温度は5℃、8℃であった。したがって、図17に示す比較例では、19℃であった温度上昇を8℃まで低減することが可能となり、比較例における200mAの電流使用時と同等の温度上昇に抑制することを実現した。
ここで、1.6μsecのパルス幅は、従来の温度上昇と同程度の温度上昇を実現するために選択された値に過ぎず、より温度上昇を低減するためには、より小さなパルス幅が用いられれば良く、温度上昇の低減要求が緩い場合には、より大きなパルス幅が用いられても良い。また、使用電流が500mA未満の場合には抵抗R1における発熱量も低下するので、より大きなパルス幅が用いられても良く、使用電流が500mAより大きい場合には抵抗R1における発熱量も増加するので、より小さなパルス幅が用いられることが望ましい。さらに、バッテリの電圧が高くなるに連れて、抵抗R1における発熱量も増大するので、バッテリの電圧が高くなるに連れて、より小さなパルス幅が用いられても良い。
以上説明したように、本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10によれば、従来200mAであった電流値を500mAとすることによって、バッテリの性能回復に要する期間を従来の1/3〜1/4の期間に短縮することができる。すなわち、従来の硫酸塩被膜除去装置よりも強力にバッテリの電極に析出した硫酸塩被膜を除去することができる。
また、500mAの電流を用いることによって問題となるエネルギー消費率改善装置10(抵抗R1)の温度上昇については、パルス波形駆動信号のパルス幅を従来の1/2.5程度である1.6μsecとすることによって、500mAの電流使用時におけるエネルギー消費率改善装置10の温度上昇を200mAの電流使用時と同等に抑制することができる。したがって、本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10によれば、硫酸塩被膜除去時における発熱を抑制しつつ、硫酸塩被膜の除去に要する時間の短縮させることが可能であり、ヒューズボックス20がエンジンルーム内に配置されている場合であっても、エンジンルーム内の熱的環境およびエネルギー消費率改善装置10(制御部11)の発熱に伴う抵抗の損傷をもたらすことなく、車両のエネルギー消費率を改善することができる。
・変形例:
(1)上記実施例では、車室内に備えられているヒューズボックス20を例にとって説明したが、ヒューズボックス20は、エンジンルーム、トランクルーム、サービスルームといった他の場所に備えられていても良い。この場合であっても、エネルギー消費率改善装置10は車両のエネルギー消費率を改善する(向上させる)ことが可能であり、また、ヒューズボックス装着部12によってヒューズボックス20に対して簡単に装着することができる。
(2)上記実施例においては、エンジン51を動力源として備える通常車両を例にとって説明したが、車両50は、モータを動力源の一部または全部として用い得るハイブリッド車両、あるいは、モータ(バッテリ)のみを動力源として用いる電気自動車であっても良い。ハイブリッド車両の場合には、内燃機関の始動または再始動には、通常の電装補機用の車載バッテリまたは車両走行用の大容量バッテリが用いられるが、これら車載バッテリまたは大容量バッテリは、内燃機関によってオルタネータまたはモータジェネレータを駆動することによって充電される点においては、通常車両と同様である。したがって、車載バッテリまたは大容量バッテリと電気的に繋がっているヒューズボックスに対して、本実施例のエネルギー消費率改善装置10を装着すれば、発電(充電)のために内燃機関10において消費される燃料量を低減または削減することが可能となり、車両のエネルギー消費率を改善することができる。
電気自動車の場合には、内燃機関における燃料消費量を削減することはできないものの、大容量バッテリの性能低下を改善または防止することによって、回生時におけるバッテリ充電に際しての充電効率の向上、および走行用モータ駆動時における放電効率の向上を図ることが可能となり、結果として、電池容量回復に要するエネルギー量が削減され、電力消費率としてのエネルギー消費率、いわゆる電費を向上させることができる。
(3)上記実施例においては、スタート・ストップ制御技術搭載車を前提に説明したが、スタート・ストップ制御技術を搭載しない非搭載車両においても同様に燃料消費率の向上を図ることができる。非搭載車においても、車載バッテリに対する充電はオルタネータによって実行されており、車載バッテリの性能低下を低減または防止することによって、発電(充電)のために内燃機関10において消費される燃料量を低減または削減することが可能となり、車両のエネルギー消費率を改善することができる。
(4)上記実施例においては、車載バッテリ30として鉛蓄電池を例にとって説明したが、その他のバッテリ、例えば、リチウムイオンバッテリ、ニッケル水素バッテリといった種々のバッテリが用いられる場合にも、本実施例に係るエネルギー消費率改善装置10により、電極における被膜形成が抑制・防止、あるいは電極に形成されている被膜が除去され、車両のエネルギー消費率の改善効果が得られる。
(5)上記実施例におけるエネルギー消費率改善装置10の制御部11は、どのような態様によっても実現可能である。例えば、基板上に電源回路111、パルス発生回路112、波形整形回路113、スイッチング回路114および保護回路115がディスクリート部品によって実装されていても良く、あるいは、電源回路111、パルス発生回路112、波形整形回路113、スイッチング回路114および保護回路115の少なくとも一部が1チップ化されていても良い。少なくとも一部の回路が1チップ化される場合には、エネルギー消費率改善装置10の小型化が可能となり、ヒューズボックス20への装着がより容易になる。なお、1チップ化に当たっては、例えば、基板を4層化し、基板の寄生容量(高耐圧FETのドレイン端子と基板GND間の寄生容量)を削減するためにドレイン端子とGNDパターン間の空間を広げ、また、GNDパターンをくり抜いた構造を備えることが望ましい。また、1チップ化されたエネルギー消費率改善装置10の制御部11は、例えば、縦18〜16mm×横22〜20mm、厚さ4〜5mmの寸法、あるいは、より小さな寸法を有していることが望ましい。制御部11がこのような小さな寸法を有することによって、例えば、ヒューズボックス装着部12上に制御部11を配置したり、ヒューズ60と同等の寸法を有するエネルギー消費率改善装置10を作製することが可能となり、エネルギー消費率改善装置10を自在に配置することが可能となる。
(6)上記実施例におけるエネルギー消費率改善装置10では接地配線14および接地端子141は、ヒューズボックス20を介さずに車両50(ボディ)に接地(接続)されているが、ヒューズボックス20に車両50に接地されているヒューズボックス接地端子が備えられている場合には、ヒューズボックス接地端子に接続されれば良い。この場合には、車両50に対するエネルギー消費率改善装置10の装着をより容易にすることができる。
(7)上記実施例において、ヒューズボックス20に対して、エネルギー消費率改善装置10を装着するための装着部、すなわち、車載バッテリ30の正極31と接続されている電源端子および車両50に接地されているヒューズボックス接地端子を備える装着部、が設けられる場合には、ヒューズボックス装着部12にはバッテリ側配線13および接地配線14とそれぞれ接続されている端子が備えられていても良い。この場合には、ヒューズボックス20の装着部に対して、ヒューズボックス装着部12を装着するだけで、電源および接地の接続が完了し、車両50に対するエネルギー消費率改善装置10の装着を確実かつさらに容易にすることができる。
(8)上記実施例では、周波数20000Hzのパルス波形駆動信号を用いる例について検証したが、周波数は20000Hz未満であっても良く、20000Hzより高くても良い。
(9)上記実施例では、電流値が500mAの場合を例にとって説明したが、300〜500mA、あるいは、500mAよりも大きな電流を用いても良い。
(10)上記実施例では、パルス発生回路112によって生成されるパルス波形駆動信号のパルス幅は一定であるが、スイッチ操作によって複数の値に変更可能であっても良い。また、上記実施例では抵抗R1は固定の抵抗値を有する抵抗であるが、スイッチ操作によって複数の値に変更可能な可変抵抗であっても良い。これらの場合には、バッテリの電圧に応じて、抵抗値を変更することによって、1つのエネルギー消費率改善装置10によって、複数のバッテリ電圧に対応することができる。また、バッテリの電圧に応じて、電流を適宜変更ができると共に、ユーザにおいて、使用環境に応じた所望の設定値を見出し、設定することが可能となり、エネルギー消費率改善装置10の使い勝手を向上させることができる。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
10、10a、10b…エネルギー消費率改善装置
11…制御部
111…電源回路
112…パルス発生回路
113…波形整形回路
114…スイッチング回路
115…保護回路
116…表示灯
12、12a、12b…ヒューズボックス装着部
121…ヒューズ装着部
122…金属製端子
122a…バッテリ側端子
122b…電装品側端子
123a、123b…ヒューズ装着部
125…制御部接続部
13…バッテリ側配線
14…接地配線
141…接地端子
20…ヒューズボックス
21…電源供給端子
22…電装品側配線
23、23a…装着部
232…第1ヒューズ装着端子
233…第2ヒューズ装着端子
30…車載バッテリ
31…正極
311…電力供給配線
32…負極
321…アース線
50…車両
51…内燃機関
52…オルタネータ
521…バッテリ線
522…アース線
55…車輪
60…ヒューズ
61a、61b…端子
62…ヒューズ素子
C1…キャパシタ
D1、D2、D3…ダイオード
Ld…駆動信号用電流線
Lp…電源電流線
R1、R21、R22…抵抗
T1…正側端子
T2…負側端子

Claims (7)

  1. 車両用エネルギー消費率改善装置であって、
    ヒューズボックス装着部と、
    前記ヒューズボックス装着部上に配置されている制御部とを備え、
    前記制御部は、
    正極端子および負極端子と、
    前記正極端子を介して車載電源から取り出した電流を用いてパルス波形駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    前記正極端子を介して前記車載電源から取り出した電流を300mA以上の電流に調整するための抵抗部と、
    前記駆動信号生成部および抵抗部と接続され、前記生成されたパルス波形駆動信号に応じて動作するスイッチング部であって、前記パルス波形駆動信号の立ち下がりエッジに同期して、逆起電力および逆電流を前記車載電源に供給するスイッチング部と、を備え、
    前記ヒューズボックス装着部は、前記車載電源の正極と接続されている、ヒューズボックスの車載電源側接続部に接続される正極側端子であって、前記制御部の前記正極端子と接続されている正極側端子と、電装品側と接続されている、前記ヒューズボックスの電装品側接続部に接続される電装品側端子とを備え、
    前記車両用エネルギー消費率改善装置は、前記車両側のヒューズボックスに装着されるヒューズと同等の寸法を有している、車両用エネルギー消費率改善装置。
  2. 請求項1に記載の車両用エネルギー消費率改善装置において、
    前記ヒューズボックス装着部はさらに、ヒューズを装着するためのヒューズ装着部を備える、車両用エネルギー消費率改善装置。
  3. 請求項1に記載の車両用エネルギー消費率改善装置において、
    前記ヒューズボックス装着部はヒューズ素子を内蔵している、車両用エネルギー消費率改善装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の車両用エネルギー消費率改善装置において、
    前記駆動信号生成部は、前記車両用エネルギー消費率改善装置の上昇温度が所定温度以下となるパルス幅の前記パルス波形駆動信号を生成する、車両用エネルギー消費率改善装置。
  5. 請求項4に記載の車両用エネルギー消費率改善装置において、
    前記駆動信号生成部は、既知のパルス幅Pwbaseに対する既知の上昇温度がTbaseであり、許容上昇温度をTmaxとする場合に、以下の式によって求められるパルス幅以下のパルス幅の前記パルス波形駆動信号を生成する、車両用エネルギー消費率改善装置。
    Figure 0006300746
  6. 請求項5に記載の車両用エネルギー消費率改善装置において、
    前記駆動信号生成部は、前記車載電源の出力電圧が高くなるに連れて、前記パルス幅が小さなパルス波形駆動信号を生成する、車両用エネルギー消費率改善装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の車両用エネルギー消費率改善装置において、
    前記駆動信号生成部は、周波数が15000Hz〜20000Hzであって、パルス幅が1μsec〜2μsecである前記パルス波形駆動信号を生成し、
    前記抵抗部は、前記車載電源から取り出した電流を300〜500mAの電流に調整する、
    車両用エネルギー消費率改善装置。
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