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JP6301182B2 - 情報格納装置 - Google Patents
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本発明は、装着者を特定する情報が格納され、この情報が情報読取装置により電気的に読み取られる情報格納素子が、歯科用部材に収納された情報格納装置に関するものである。
事故や災害などで負傷したり死亡したりした被害者の身元を調査するのは、免許証や保険証などを携帯していない場合には困難である。このような場合に対処するために、様々な技術が開発されている(例えば、特許文献1から3参照。)。
特許文献1に記載された個人データ保存装置は、歯冠補綴物の穴に、氏名、血液型、既往症などの個人データを記憶させた素子を内蔵して、表側から比較的薄い蓋を被せ、その周囲をロー付け、電子ビーム溶接、あるいは接着などして密封したというものである。
特許文献2に記載の身分識別装置は、歯科用インプラントキャリアと、この歯科用インプラントキャリア内の情報記憶素子とを備え、身分識別装置を用いることによって、使用者の身分識別が行なわれるというものである。
特許文献3に記載の有床義歯は、装着者を特定する情報が格納され、情報を無線信号として送信する発信素子が、義歯床に支持された人工歯に内蔵されているというものである。
特開平7−241301号公報 実用新案登録第3165873号公報 特開2013−109745号公報
素子は、半導体により形成される。素子を口腔内の人工歯や歯冠補綴物、入歯の義歯床などの歯科用部材に収納して、長期間、唾液などに晒すと、有害な物質が溶出するおそれがある。
特許文献1〜3に記載された従来の情報格納装置では、その点が考慮されていない。特許文献1に記載の個人データ保存装置には、素子の周囲を断熱材で包み込んで埋めることが記載されている。しかし、断熱材で素子の周囲を素子の周囲を包み込んでも、素子から溶出することまで防止できるか判然としない。また、特許文献1に記載の個人データ保存装置では、断熱材で包み込んだ素子は、歯冠補綴物の穴に内蔵させ、表側から比較的薄い蓋を被せているため、断熱材から漏れた有害物質は蓋からも漏れ出すおそれがある。
従って特許文献1〜3に記載された従来の情報格納装置では、長期間使用することには向かないと思われる。
そこで本発明は、装着者が、口腔内で使用される歯科材料に情報格納素子を内蔵させ、長期間使用しても、安心して生活できる情報格納装置を提供することを目的とする。
本発明の情報格納装置は、装着者の口腔内で使用される歯科用部材の凹部に、充填用樹脂材が充填され、前記装着者を特定する情報が情報読取装置により電気的に読み取られる情報格納素子が、封止用樹脂材により封止された状態で、前記充填用樹脂材内に配置されて埋設されていることを特徴とする。
本発明の情報格納装置によれば、情報格納素子が充填用樹脂材により形成された充填部に埋設されているだけでなく、封止用樹脂材により形成された封止部により封止されているため、情報格納素子からの人体に影響を与えるような有害物質が充填部から漏れ出ることを防止することができる。
前記情報格納素子を封止する封止用樹脂材による封止部が、前記封止用樹脂材により前記情報格納素子の表面に形成された皮膜層であると、封止部の厚みを薄く形成することができるため、凹部の開口を狭くでき、凹部の深さを浅く形成することができる。
前記封止部は、前記皮膜層を第1封止部とし、更に封止用樹脂材により第2封止部を形成したものとすると、更に、情報格納素子からの有害物質が充填用樹脂材から漏れ出ることを防止することができる。
前記第2封止部が、前記充填用樹脂材より軟質に形成されていると、情報格納素子への噛み合わせの圧力を、第2封止部が受けて圧力を緩和するため、情報格納素子への圧力の影響を軽減することができる。
前記凹部に充填された充填用樹脂材による充填部が、前記情報格納素子を埋設する第1充填部と、前記第1充填部の蓋となる第2充填部とにより形成されていると、蓋となる第2充填部は固く、第1充填部は第2充填部より軟質なものとしたり、異なる色としたりして、充填用樹脂材の性質を異なるものとすることができる。
前記第1充填部と前記第2充填部とは異なる色に着色されていると、歯科医師や歯科技工士が第2充填部を切削するときに、第2充填部とは異なる色の第1充填部が露出することで、第2充填部を深堀りし過ぎたことに気が付くため、人工歯を切削するときに、誤って情報格納素子を傷付けたり、壊したりすることを防止することができる。
前記凹部の周囲壁は、前記凹部の底部から凹曲面を介して立ち上がっていると、外部からの圧力を凹部の周囲壁が受け、凹曲面が緩和するため、充填部のクラックの発生を抑えることができる。
本発明は、封止用樹脂材により形成された封止部により封止されているため、情報格納素子からの人体に影響を与えるような有害物質が充填部から漏れ出ることを防止することができるので、装着者が、口腔内で使用される歯科材料に情報格納素子を内蔵させ、長期間使用しても、安心して生活できる。
本発明の実施の形態1に係る情報格納装置を人工歯に内蔵させた状態を示す斜視図である。 図1に示す情報格納装置の断面図である。 図1に示す情報格納装置の情報格納素子が封止部により封止された状態の斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る情報格納装置の情報格納素子が第1封止部および第2封止部により封止された状態を示す側断面図である。 図4に示す情報格納素子が人工歯に形成された凹部に内蔵された状態の断面図である。 本発明の実施の形態3に係る情報格納装置の情報格納素子が人工歯に形成された凹部に内蔵された状態の断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る有床義歯を示す斜視図である。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る情報格納装置について、図面に基づいて説明する。本実施の形態1に係る情報格納装置では、装着者の口腔内で使用される歯科用部材の一例として「人工歯」に「情報格納素子」を格納した場合を説明する。
図1に示す情報格納装置は、人工歯10の咬合面S側の中央部に形成された凹部11に、充填用樹脂材が充填されて充填部12が形成され、この充填部12内に情報格納素子13が埋設されている。
人工歯10は、陶歯やレジン歯、金属歯などが使用できる。人工歯10は、左上、右上、左下および右下の1番から3番までとすることができるが、咬合面が広く、中央部に凹部11が形成しやすいため、それぞれの4番から7番とするのが望ましい。
凹部11は、図2に示すように、円筒形状に形成された周囲壁11aが、底部11bから凹曲面11cを介して立ち上がっている。
充填部12を形成する充填用樹脂材は、歯科用樹脂が使用できる。例えば、歯科用樹脂は、アクリル系樹脂やシリコーン樹脂などとすることができる。この充填部12は、凹部11内に、充填用樹脂材をポッティングにより滴下したり、注入器より充填用樹脂材を注入したりして形成することができる。充填用樹脂材は、人工歯10と同じ色としてもよいし、異なる色としてもよい。充填部12(充填用樹脂材)を人工歯10と同じ色とすると、情報格納素子13が内蔵された歯が他から識別できないため、目立たないようにすることができる。
また、充填用樹脂材を人工歯10と異なる色とすると、充填部12の位置が外観から識別できるので、情報読取装置により情報を電気的に読み取ろうとする操作者は、情報格納素子13が内蔵された歯の位置を一目で識別できる。
情報格納素子13は、非接触式のパッシブダグ型のRFIDタグとすることができる。情報格納素子13には、データベースに登録された個人情報と関連付けられていることで、個人を間接的に特定するための識別情報(ID情報)が格納されている。また、情報格納素子13の記憶容量が十分である場合には、個人を特定するための識別情報の他に、氏名、住所、生年月日、性別、血液型、治療に掛かった歯科医院を特定する病院名や病院を識別するコードなどの個人情報を情報格納素子13に格納することができる。更に、情報格納素子13の記憶容量に余裕がある場合には、連絡先となる家族や病歴、投薬歴のほか社会歴、家族歴などが格納できる。特に、装着者が認知症を患っている場合には、情報格納素子13に連絡先となる家族に関する情報が格納されていると、徘徊する装着者の身元がすぐに確認でき、家族に連絡を取ったり、装着者の治療の許可を得るときに、すぐに連絡を取ったりすることができる。情報格納素子13は、図示しない情報読取装置から電波が照射されて起電力を得ることで、情報格納素子13内に記憶させた各種情報を情報読取装置へ送信して、電気的に情報が読み取られる。
図3に示すように、情報格納素子13は、薄皮のような皮膜層により形成された封止部14により覆われ封止されている。封止部14を形成する封止用樹脂材は、例えば、人体に安全なパラキシリレン樹脂が使用できる。このパラキシリレン樹脂を化学気相蒸着法(CVD)により情報格納素子13にコーティングすることで、0.1μmから50μm程度に薄い皮膜層による封止部14を、情報格納素子13に密着した状態で形成することができる。また、封止部14を必要に応じて50μm以上の厚みとすることもできる。
以上のように構成された本発明の実施の形態1に係る情報格納装置においては、情報格納素子13が充填用樹脂材により形成された充填部12に埋設されているだけでなく、封止用樹脂材により形成された封止部14により封止されている。そのため、情報格納素子13からの人体に影響を与えるような有害物質が充填部12から漏れ出ることを防止することができる。
従って、情報格納装置は、装着者が、口腔内で使用される歯科材料に情報格納素子13を内蔵させ、長期間使用しても、安心して生活できる。
また、封止部14が皮膜層により形成されていることで、封止部14の厚みを薄く形成することができるため、凹部11の開口を狭くでき、凹部11の深さを浅く形成することができる。
また、人工歯10と対合する歯との噛み合わせにより圧力が凹部11に掛かっても、凹部11の周囲壁11aが、底部11bから凹曲面11cを介して立ち上がっていることで、噛み合わせの圧力を凹曲面11cが緩和するため、充填部12のクラックの発生を抑えることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る情報格納装置について、図面に基づいて説明する。本実施の形態2に係る情報格納装置では、図4および図5に示すように、情報格納素子13を封止する封止部が第1封止部14aと第2封止部14bとから形成されていることを特徴とするものである。なお、図4および図5においては、図2および図3と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
第1封止部14aは、実施の形態1に係る情報格納装置の封止部14(図3参照)である。この皮膜層により形成された第1封止部14aにより覆われた情報格納素子13は、更に、楕円球状の第2封止部14bにより封止されている。
このように、情報格納素子13が第1封止部14aだけでなく、第2封止部14bにより封止されていることで、更に、情報格納素子13からの有害物質が充填部12から漏れ出ることを防止することができる。
この第2封止部14bは、充填用樹脂材により形成された充填部12より軟質な樹脂材により形成されている。そのため、人工歯10と対合する歯との噛み合わせにより圧力が凹部11に掛かり、充填部12がこの圧力を受けても、情報格納素子13へは、第2封止部14bが受けて圧力を緩和するため、情報格納素子13への圧力の影響を軽減することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る情報格納装置について、図面に基づいて説明する。本実施の形態3に係る情報格納装置では、図6に示すように、情報格納素子13を埋設する充填部12が、第1充填部12aと第2充填部12bとから形成されていることを特徴とするものである。なお、図6においては、図2と同じ構成のものは同符号を付して説明を省略する。
第1充填部12aは、情報格納素子13を埋設する程度の深さに形成されている。また第2充填部12bは、第1充填部12aの蓋となるように、おもて面が咬合面Sに合わせて形成されている。
充填部が第1充填部12aと第2充填部12bとに分かれていることで、充填用樹脂材の性質を異なるものとすることができる。
例えば、対合する歯との噛み合わせでも、しっかりと噛めるように、蓋となる第2充填部12bは固く、情報格納素子13に対する衝撃を緩和させるために、第1充填部12aは第2充填部12bより軟質なものとすることができる。
また、第1充填部12aと第2充填部12bとを異なる色とすることができる。第1充填部12aと第2充填部12bとを異なる色とすることにより、歯科医師や歯科技工士が人工歯10を咬合面Sから切削するときに、第2充填部12bとは異なる色の第1充填部12aが露出することで、第2充填部12bを深堀りし過ぎたことに気が付く。従って、歯科医師や歯科技工士が人工歯10を切削するときに、誤って情報格納素子13を傷付けたり、壊したりすることを防止することができる。
第2充填部12bを人工歯10と同じ色としたり、異なる色としたりすることができる。第2充填部12b(充填用樹脂材)を人工歯10と同じ色とすると、情報格納素子13が内蔵された歯が他から識別できないため、目立たないようにすることができる。
また、第2充填部12bを人工歯10と異なる色とすると、第2充填部12bの位置が外観から識別できるので、情報読取装置により情報を電気的に読み取ろうとする操作者は、情報格納素子13が内蔵された歯の位置を一目で識別できる。
このように、情報格納素子13が埋設される充填部が、第1充填部12aだけでなく、第2充填部12bが被されていることにより、更に、情報格納素子13からの有害物質が第2充填部12bから漏れ出ることを防止することができる。
以上、本発明の実施の形態1〜3に係る情報格納装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態1〜3に限定されるものではない。本実施の形態1〜3では、情報格納素子13が人工歯10の咬合面S側を凹部11の開口として格納されていたが、人工歯10の歯肉側(基底面)に凹部11を形成するようにしてもよい。
また、人工歯を備えた有床義歯を作製する際に人工歯の高さが高いときに、人工歯の高さを低くするために、技工士が人工歯の基底面を切削する。そのとき、情報格納素子13が人工歯10の基底面に埋設され、第1充填部12aと第2充填部12bとが異なる色で形成されていると、人工歯の基底面の削り過ぎを防止することができる。
また、情報格納素子13は人工歯10だけでなく情報格納素子13を、図7に示すように、有床義歯100に内蔵させるときに、それぞれの構成部材(人工歯10,義歯床101,バー102,クラスプ103)のいずれかの凹部11に内蔵されたり、組み合わせたり、または全部に内蔵させたりすることができる。また、情報格納素子13を、複数の人工歯10に内蔵させたり、義歯床101の左右両方の歯肉部分に内蔵させたりすることもできる。複数の情報格納素子13を内蔵させるときには、情報が同じ情報格納素子13、または情報が異なる情報格納素子13を内蔵させることができる。このとき、情報格納素子13は、実施の形態1に係る封止部14で封止したり、実施の形態2に係る第1封止部および第2封止部で封止したり、凹部11は、実施の形態1に係る充填部12が充填されていたり、実施の形態3に係る第1充填部12aおよび第2充填部12bが充填されていたりしてもよい。
また、本発明の情報格納装置は、歯冠補綴物にも適用することができる。
情報格納素子13を内蔵する歯科用部材が金属製であっても、情報格納素子13は充填部に包まれているため、電気的に読取りが可能である。
本発明は、差し歯用歯牙、インプラント用歯牙、ブリッジ用歯牙、総入れ歯用歯牙などの人工歯、有床義歯の義歯床,バー,クラスプ、または歯冠補綴物などに好適である。また、本発明は、装着者の身元の確認が容易にできるので、歯科、医科診療所、医科病院、老人保険施設、障害者福祉施設、学校、会社などで有効に活用できる。特に、本発明は、事故や災害時に、身元不明者の身元確認に最適である。
10 人工歯
11 凹部
11a 周囲壁
11b 底部
11c 凹曲面
12 充填部
12a 第1充填部
12b 第2充填部
13 情報格納素子
14 封止部
14a 第1封止部
14b 第2封止部
100 有床義歯
101 義歯床
102 バー
103 クラスプ
S 咬合面

Claims (4)

  1. 装着者の口腔内で使用される歯科用部材の凹部に、充填用樹脂材が充填され、前記装着者を特定する情報が情報読取装置により電気的に読み取られる情報格納素子が、封止用樹脂材により封止された状態で、前記充填用樹脂材内に配置されて埋設され、
    前記情報格納素子を封止する封止部は、前記封止用樹脂材により前記情報格納素子の表面に形成された皮膜層が第1封止部として形成され、更に封止用樹脂材により第2封止部が形成されたものであり、
    前記第2封止部は、前記充填用樹脂材より軟質に形成されていることを特徴とする情報格納装置。
  2. 前記凹部に充填された充填用樹脂材による充填部は、前記情報格納素子を埋設する第1充填部と、前記第1充填部の蓋となる第2充填部とにより形成されている請求項1記載の情報格納装置。
  3. 前記第1充填部と前記第2充填部とは異なる色に着色された請求項記載の情報格納装置。
  4. 前記凹部の周囲壁は、前記凹部の底部から凹曲面を介して立ち上がっている請求項1からのいずれかの項に記載の情報格納装置。
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