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JP6302201B2 - 樹脂組成物およびその用途 - Google Patents
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Description

本発明は、樹脂組成物およびそれを用いて成形してなる成形物に関する。
インスツルメントパネル、ドアパネル、シートバック、ピラー、ステアリングホイール等の自動車用内装材や、大型で複雑な形状を有するシート状の樹脂成形物を製造する際、加熱した金型の成形面に熱可塑性樹脂粉体を付着させ溶融させた後に冷却して樹脂成形物を取り出す成形法、いわゆるパウダースラッシュ成形法が広く実施されている。
パウダースラッシュ成形法において、得られる熱可塑性樹脂成形物の軽量化を図るには、熱可塑性樹脂に熱分解型発泡剤を配合して成形する方法がある(特許文献1参照)。しかし、発泡剤が分解して生成する発泡ガスにより微細な孔(いわゆる、ピンホール)が表面に多数発生する。このため、意匠性の高い製品に使用することが困難であった。また、発泡ガスによる気泡の大きさを制御することは難しく、その結果、得られる成形物の物性にも影響を与え、問題であった。
一方、熱分解型発泡剤に代えて熱膨張性微小球を発泡成分として用いると、得られる成形物に独立気泡を導入することができる。さらに、成形時の加熱温度を調整すると、気泡の大きさや成形物の比重を容易に制御することが可能であるので、パウダースラッシュ成形法への応用が提案されている(特許文献2参照)。しかし、得られた成形物は表面性に劣っていた。すなわち、金型と接する成形物の表面だけではなく、成形物の裏面も表面性に劣るものであった。そのため、成形物の表面の外観が良くないばかりか、裏面も表面性が劣るために、他の部材を裏面と十分に接着させることも困難であるという問題があり、成形物の表面および裏面の表面性の改良が望まれていた。
国際公開第2009/084175号 特開平11−322998公報
本発明の目的は、パウダースラッシュ成形することによって表面および裏面の両方で表面性に優れ、軽量な成形物が得ることができる樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記問題解決のために鋭意検討した結果、たとえば、特定の真比重を有する中空粒子等を用いれば、上記課題を解決することができるという知見を得て、本発明に到達した。
本発明の樹脂組成物は、パウダースラッシュ成形で用いられる樹脂組成物であって、熱可塑性樹脂粉体および外殻部が熱可塑性樹脂からなる中空粒子を含み、前記中空粒子の真比重が0.02〜0.30g/ccであり、平均粒子径が0.8〜60μmであり、前記熱可塑性樹脂粉体100重量部に対して前記中空粒子が1〜20重量部である。
前記中空粒子の真比重は0.02〜0.15g/ccであると好ましい。前記外殻部の外表面に微粒子が付着してなると好ましい。
本発明の成形物の製造方法は、上記樹脂組成物をパウダースラッシュ成形してなる。この成形物は、真比重が1.1g/cc以下であるとよい。
本発明の樹脂組成物は、パウダースラッシュ成形することによって表面および裏面の両方で表面性に優れる成形物を得ることができる。
本発明の成形物は、その表面および裏面の両方で表面性に優れる。
外表面に微粒子が付着した中空粒子(微粒子付着中空粒子)の断面図の一例である。 パウダースラッシュ成形の概要の説明図である。
〔樹脂組成物〕
本発明の樹脂組成物は、パウダースラッシュ成形で用いられる樹脂組成物であり、熱可塑性樹脂粉体および中空粒子を必須とする。この樹脂組成物は、熱可塑性樹脂粉体および中空粒子以外のその他の成分をさらに含有してもよい。
以下、樹脂組成物を構成する各成分を説明する。
(熱可塑性樹脂粉体)
熱可塑性樹脂粉体は、加熱により成形できる程度の熱可塑性、すなわち、加熱すると塑性変形を起こし、冷却すると可逆的に硬化する性質を有する熱可塑性樹脂よりなる粉体である。
熱可塑性樹脂粉体を構成する熱可塑性樹脂については特に限定はないが、たとえば、ポリオレフィン系樹脂(PO)、ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)、ポリスチレン系樹脂(PS)、ポリウレンタン系樹脂(PU)、アクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系樹脂、熱可塑性エラストマー(TPE)や、その他の樹脂等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は1種または2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィン系樹脂(PO)としては、たとえば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等のオレフィンや、ブタジエン、イソプレン等のジオレフィンを単独重合または共重合して得られる重合体(この重合体に不飽和結合が含まれる場合、水素添加された重合体であってもよい。);上記オレフィンおよび/またはジオレフィンと酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルアルコール、マレイン酸等のモノマーとの共重合体等を挙げることができる。
ポリ塩化ビニル系樹脂(PVC)としては、たとえば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル/エチレン共重合体、塩化ビニル/エチレン/酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。
ポリスチレン系樹脂(PS)としては、たとえば、ポリスチレン、スチレン/エチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/エチレン/プロピレン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン/ブタジエン共重合体、スチレン/マレイン酸誘導体共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、アクリロニトリル/アクリル酸エステル/スチレン共重合体、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレン共重合体等(この重合体に不飽和結合が含まれる場合、水素添加された重合体であってもよい。)を挙げることができる。
ポリウレンタン系樹脂(PU)は公知の方法により得ることができ、たとえば、有機ジイソシアネートとジヒドロキシ化合物とを重合させる方法がある。この重合は分散剤や溶剤等の存在下で行ってもよい。
有機ジイソシアネートとしては、たとえば、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、トルイジンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート等を挙げることができる。これらの有機ジイソシアネートは、1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ジヒドロキシ化合物としては、たとえば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,2´−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。これらのジヒドロキシ化合物は、1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アクリル系樹脂としては特に限定はないが、たとえば、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステル等のアクリル系単量体を重合して得られる(共)重合体が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)アクリル酸置換アルキルエステルが、加工性、柔軟性等の観点から好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基としては特に限定はないが、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、イソボルニル基、ステアリル基等を挙げることができる。
(メタ)アクリル酸置換アルキルの置換アルキル基としては特に限定はないが、たとえば、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシル基が置換したアルキル基;グリシジル基等のエポキシ基が置換したアルキル基;2−アミノエチル基等のアミノ基が置換したアルキル基;トリフルオロメチルメチル基、2−トリフルオロメチルエチル基、2−パーフルオロエチルエチル基、2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル基、2−パーフルオロエチル基、パーフルオロメチル基、ジパーフルオロメチルメチル基、2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル基、2−パーフルオロヘキシルエチル基、2−パーフルオロデシルエチル基、2−パーフルオロヘキサデシルエチル基等の等のハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)が置換したアルキル基等を挙げることができる。
アクリル系樹脂では、上記で具体的に例示した樹脂の原料となるアクリル系単量体と、その他の単量体とを共重合させて得られる重合体でもよい(この重合体に不飽和結合が含まれる場合、水素添加された重合体であってもよい。)。このようなその他の単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等を挙げることができる。
ポリアミド樹脂は、酸アミド結合(−CONH−)の繰り返しによって主鎖を構成する結晶性樹脂であり、たとえば、6−ナイロン、66−ナイロン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、46−ナイロン、MXD−ナイロン、6−Tナイロン等の変性ナイロン等を挙げることができる。
ポリエステル系樹脂としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート等を挙げることができる。
熱可塑性エラストマー(TPE)としては、たとえば、ウレタン系(TPU)、塩ビ系、オレフィン系(TPO)、スチレン系(TPS)、フッ素系、ポリアミド系、ポリエステル系の熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
その他の樹脂としては、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル等を挙げることができる。
これらの熱可塑性樹脂は、有機過酸化物等の存在下で動的に熱処理する既知の方法により、部分架橋されたものであってもよい。部分架橋を行う際に用いる有機過酸化物としては、たとえば、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロキシパーオキサイド等を挙げることができる。また、架橋を促進させる架橋助剤を有機過酸化物と併用してもよく、たとえば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,2−ポリブタジエン、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂が共重合体の場合、その構造は、ランダム構造、ブロック構造、グラフト構造等のいずれでも良く、これらの混合物でもよい。
また、熱可塑性樹脂粉体に用いられる熱可塑性樹脂は、以下で説明する、樹脂組成物に配合されるその他の成分をさらに含有していてもよい。
熱可塑性樹脂粉体の平均粒子径については、特に限定はないが、好ましくは1〜2000μm、より好ましくは5〜1000μm、さらに好ましくは10〜700μm、特に好ましくは30〜500μm、最も好ましくは50〜300μmである。熱可塑性樹脂粉体の平均粒子径が1μm未満であると、発塵等により作業性が悪くなるばかりでなく、粉体のブロッキング等が発生しやすくなり、成形が困難になることがある。一方、熱可塑性樹脂粉体の平均粒子径が2000μmを超えると、成形で使用する金型表面に均一に付着することが困難になり、その結果、得られる成形物の表面および裏面の表面性が低下することがある。
熱可塑性樹脂粉体を調製する方法については、特に限定はないが、たとえば、熱可塑性樹脂の製造プラントより粉体として得る方法;ペレット化された熱可塑性樹脂を粉砕して粉体として得る方法;数種の熱可塑性樹脂等を混練機により溶融混練してペレット化した後、得られた熱可塑性樹脂のペレットを粉砕して粉体とする方法等を挙げることができる。
特に、熱可塑性樹脂粉体を熱可塑性樹脂のペレットから調製する方法としては、たとえば、熱可塑性樹脂のペレットを液体窒素、ドライアイス等で−50〜−100℃に冷凍し、粉砕機により機械的に粉砕する冷凍粉砕方法;熱可塑性樹脂のペレットを、常温下で、多量の空気流で摩擦熱を除去しつつ、あるいは冷却手段を伴わないで、粉砕機により機械的に粉砕する常温粉砕方法;熱可塑性樹脂のペレットを高温で溶剤に溶かして冷却沈殿させ、温度による溶解度の差を利用して沈殿させるか、または溶液に貧溶媒を加えて沈殿させる化学粉砕方法等を挙げることができる。
(中空粒子)
中空粒子は、本発明の樹脂組成物をパウダースラッシュ成形して得られる成形物を軽量化する成分である。本発明の樹脂組成物では中空粒子を含有することによって、成形物の表面および裏面の両方で表面性に優れ、シボ(表面の紋様)の転写性が良好で、成形物は意匠性に優れる。また、中空粒子は既に軽量であるので、成形物を意図する比重に容易に調整することができる。
中空粒子は、外殻部およびそれに囲まれた中空部からなる中空粒子は、(ほぼ)球状で、内部に大きな空洞に相当する中空部を有している。中空粒子の形状を身近な物品で例示するならば、軟式テニスボールを挙げることができる。
中空粒子の平均粒子径については用途に応じて自由に設計することができるために特に限定されないが、好ましくは0.01〜1000μm、より好ましくは0.1〜800μm、さらに好ましくは0.8〜200μmである。また、中空粒子の粒度分布の変動係数CVについても、特に限定はないが、30%以下が好ましく、さらに好ましくは25%以下である。
中空粒子の真比重については特に限定はないが、通常0.02〜0.3g/cc、好ましくは0.03〜0.25g/cc、より好ましくは0.04〜0.20g/cc、さらに好ましくは0.05〜0.15g/cc、特に好ましくは0.06〜0.10g/ccである。中空粒子の真比重が0.02g/cc未満であると、得られた成形物の表面および裏面の両方で表面性が低下すると共に、成形物が脆くなり、力学的物性が低下することがある。一方、中空粒子の真比重が0.3g/ccを超えると、成形物を十分に軽量化できなくなるおそれがある。そのために、樹脂組成物に配合する中空粒子の量を多くする必要があり、経済的に不利になることがある。
中空粒子の種類については、特に限定はないが、その外殻部が無機成分から構成される粒子や、その外殻部が熱可塑性樹脂から構成される粒子等を挙げることができる。以下では、上記で説明した熱可塑性樹脂粉体の「熱可塑性樹脂」と混同を避けるために、外殻部を構成する熱可塑性樹脂を「熱可塑性樹脂A」ということがある。
無機成分から構成される粒子としては、たとえば、ガラスバルーン、シラスバルーン、フライアッシュ、シリカバルーン等を挙げることができる。一方、熱可塑性樹脂Aから構成される粒子としては、熱可塑性樹脂Aからなる外殻と、それに内包され且つ加熱することによって気化する発泡剤とから構成される熱膨張性微小球を加熱膨張させて得られる粒子等を挙げることができる。
後者に挙げた熱膨張性微小球を加熱膨張させて得られる中空粒子について、その製造方法については、特に限定はないが、以下で説明する熱膨張性微小球を加熱膨張させる方法がある。加熱膨張の方法としては、乾式加熱膨張法、湿式加熱膨張法等が挙げられる。加熱膨張させる温度は、好ましくは80〜350℃である。
中空粒子(1)は、図1に示すように、その外殻(2)の外表面に付着した微粒子(4や5)から構成されていてもよく、以下では、微粒子付着中空粒子(1)ということがある。
ここでいう付着とは、単に微粒子付着中空粒子(1)の外殻(2)の外表面に微粒子充填剤(4および5)が、吸着された状態(4)であってもよく、外表面近傍の外殻を構成する熱可塑性樹脂が加熱によって融解し、微粒子付着中空粒子の外殻の外表面に微粒子充填剤がめり込み、固定された状態(5)であってもよいという意味である。微粒子充填剤の粒子形状は不定形であっても球状であってもよい。微粒子付着中空粒子では、使用時の作業性(ハンドリング)が向上する。
外表面に付着した微粒子の平均粒子径は、中空粒子の平均粒子径の1/4〜1/10であると好ましい。
微粒子の平均粒子径は、好ましくは0.001〜30μm、さらに好ましくは0.005〜25μm、特に好ましくは0.01〜20μmである。この範囲内であると、中空粒子を製造する際に熱膨張性微小球との混合性が良好となる。なお、ここで言う微粒子の平均粒子径とは、レーザー回折法により測定された粒子の粒子径である。微粒子の粒子径がミクロンオーダーであれば一次粒子を指すが、ナノオーダーの微粒子等は凝集している場合が多く、実質ミクロンオーダーの集合体として作用するため、凝集した二次粒子を1単位として平均粒子径を算出した。
微粒子としては、種々のものを使用することができ、無機物、有機物のいずれの素材であってもよい。微粒子の形状としては、球状、針状や板状等が挙げられる。
微粒子としては特に限定はないが、微粒子が有機物の場合は、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム等の金属セッケン類;ポリエチレンワックス、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、硬化ひまし油等の合成ワックス類;ポリアクリルアミド、ポリイミド、ナイロン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機系充填剤が挙げられる。微粒子が無機物の場合には、例えばタルク、マイカ、ベントナイト、セリサイト、カーボンブラック、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、弗化黒鉛、弗化カルシウム、窒化ホウ素等;その他、シリカ、アルミナ、雲母、コロイダル炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、表面処理炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、セラミックビーズ、ガラスビーズ、水晶ビーズ等の無機系充填剤が挙げられる。
微粒子付着中空粒子の真比重については、特に限定はないが、通常0.02〜0.3g/cc、好ましくは0.03〜0.25g/cc、より好ましくは0.04〜0.20g/cc、さらに好ましくは0.05〜0.15g/cc、特に好ましくは0.06〜0.10g/ccである。微粒子付着中空粒子の真比重が0.02g/ccより小さい場合は、耐久性が不足することがある。一方、微粒子付着中空粒子の真比重が0.3g/ccより大きい場合は、低比重化効果が小さくなるため、微粒子付着中空粒子を用いて組成物を調製する際、その添加量が大きくなり、非経済的であることがある。
微粒子付着中空粒子は、たとえば、微粒子付着熱膨張性微小球を加熱膨張させることによって得ることができる。微粒子付着中空粒子の製造方法としては、熱膨張性微小球と微粒子とを混合する工程(混合工程)と、前記混合工程で得られた混合物を前記軟化点超の温度に加熱して、前記熱膨張性微小球を膨張させるとともに、得られる中空粒子の外表面に微粒子を付着させる工程(付着工程)を含む製造方法が好ましい。
熱膨張性微小球は、熱可塑性樹脂Aからなる外殻と、それに内包され且つ加熱することによって気化する発泡剤とから構成されており、熱膨張性微小球は微小球全体として熱膨張性(微小球全体が加熱により膨らむ性質)を示す。以下の説明において、内包物質と発泡剤とを同義に用いることがある。
熱膨張性微小球の平均粒子径については特に限定されないが、好ましくは1〜100μm、より好ましくは3〜80μm、さらに好ましくは7〜60μm、特に好ましくは10〜50μmである。平均粒子径が1μmより小さい場合、熱膨張性微小球の膨張性能が低くなり、軽量化効果が低くなることがある。一方、平均粒子径が100μmより大きい場合、中空粒子による独立気泡の平均径が大きくなり、成形物の表面および裏面の両方で表面性が低下することがある。
熱膨張性微小球を構成する発泡剤は、加熱することによって気化する物質であれば特に限定はない。発泡剤としては、たとえば、プロパン、(イソ)ブタン、(イソ)ペンタン、(イソ)ヘキサン、(イソ)ヘプタン、(イソ)オクタン、(イソ)ノナン、(イソ)デカン、(イソ)ウンデカン、(イソ)ドデカン、(イソ)トリデカン等の炭素数3〜13の炭化水素;(イソ)ヘキサデカン、(イソ)エイコサン等の炭素数13超で20以下の炭化水素;プソイドクメン、石油エーテル、初留点150〜260℃および/または蒸留範囲70〜360℃であるノルマルパラフィンやイソパラフィン等の石油分留物等の炭化水素;それらのハロゲン化物;ハイドロフルオロエーテル等の含弗素化合物;テトラアルキルシラン;加熱により熱分解してガスを生成する化合物等を挙げることができる。これらの発泡剤は、1種または2種以上を併用してもよい。上記発泡剤は、直鎖状、分岐状、脂環状のいずれでもよく、脂肪族であるものが好ましい。
熱膨張性微小球に封入された発泡剤の内包率については特に限定されないが、熱膨張性微小球の重量に対して、好ましくは1〜60重量%、より好ましくは3〜50重量%、さらに好ましくは8〜40重量%、特に好ましくは10〜30重量%である。
熱膨張性微小球の外殻を構成する熱可塑性樹脂Aは、重合性二重結合を1個有する(ラジカル)重合性単量体である単量体成分を含む重合性成分を(懸濁)重合して得られる共重合体である。
重合性成分は、重合することによって外殻を形成する熱可塑性樹脂Aである共重合体となる成分である。重合性成分は、単量体成分を必須とし架橋剤を含むことがある成分である。
単量体成分としては、特に限定はないが、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、マレオニトリル等のニトリル系単量体;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル系単量体;塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等の不飽和モノカルボン酸や、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロロマレイン酸等の不飽和ジカルボン酸や、不飽和ジカルボン酸の無水物や、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノブチル等の不飽和ジカルボン酸モノエステル等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリルアミド、置換アクリルアミド、メタクリルアミド、置換メタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系単量体;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオレフイン系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;ビニルメチルケトン等のビニルケトン系単量体;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル系単量体;ビニルナフタリン塩等を挙げることができる。カルボキシル基含有単量体は、一部または全部のカルボキシル基が重合時や重合後に中和されていてもよい。アクリル酸またはメタクリル酸を合わせて(メタ)アクリル酸ということもあり、(メタ)アクリルは、アクリルまたはメタクリルを意味するものとする。
上記ニトリル系単量体のうちでも、アクリロニトリルおよび/またはメタクリロニトリルが好ましい。
上記カルボキシル基含有単量体のうち、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびイタコン酸が好ましく、アクリル酸およびメタクリル酸がさらに好ましく、耐熱性が高いためメタクリル酸が特に好ましい。
単量体成分は、ニトリル系単量体、カルボキシル基含有単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、スチレン系単量体、ビニルエステル系単量体、アクリルアミド系単量体およびハロゲン化ビニリデン系単量体から選ばれる少なくとも1種をさらに含むと好ましい。
架橋剤としては、特に限定はないが、たとえば、ジビニルベンゼン等の芳香族ジビニル化合物;メタクリル酸アリル、トリアクリルホルマール、トリアリルイソシアネート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート等のジ(メタ)アクリレート化合物等を挙げることができる。これらの架橋剤は、1種または2種以上を併用してもよい。
架橋剤の量については、特に限定はないが、単量体成分100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜1重量部、特に好ましくは0.2重量部超1重量部未満である。架橋剤の量は、単量体成分100重量部に対して0.01重量部未満でもよい。
(その他の成分)
その他の成分は、熱可塑性樹脂粉体および中空粒子とともに、樹脂組成物に適宜配合される成分である。その他の成分としては、たとえば、可塑剤(軟化剤)、難燃剤、酸化防止剤、着色剤、充填剤、離型剤、帯電防止剤、結晶核剤等が挙げられる。
可塑剤(軟化剤)としては、たとえば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系物質;コールタール、コールタールピッチ等のコールタール類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、椰子油等の脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪酸またはその金属塩;石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子;フタル酸ジアリル、アクリル酸アリル、シアタール酸トリアリル、マレイン酸ジアリル、マレイン酸ジクロルアリル、イタコン酸ジアリル、セバシン酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マロン酸ジアリル、グリコール酸ジアリル、アコニット酸トリアリル、リン酸トリアリル、クエン酸トリアリル、アリルメタクリレート、ジアリルフマレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ブタン1,4 ジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物トリアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート等のエステル系可塑剤;その他の可塑剤として、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリスチレン、オリゴエステルアクリレート、液状ゴム、ジシクロペンタジエン樹脂、石油樹脂、ポリヒドロキシポリオレフィン、ポリブテン−1、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエンまたはその変性物や水添物、液状チオコール等が挙げられる。
難燃剤としては、たとえば、テトラブロモエタン、オクタブロモジフェニルオキサイド、デカブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロドデカン、トリブロモネオペンチルアルコール、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニルエタン、トリス(トリブロモフェノキシ)Sトリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールAハロゲン化物、テトラブロモビスフェノールAカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールS、トリス−(2,3−ジブロモプロピル−1−)イソシアヌレート、ハロゲン化エポキシ樹脂、アンチモニー・シリコ・オキシド、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、ジエチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスフェート、ハロゲン化燐酸エステル、塩素化パラフィン、塩素化ポリエチレン、パークロロシクロペンタデカノン、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロム無水フタル酸、ジブロモネオペンチルアルコール、トリブロモフェノール、ペンタブロモベンジルポリアクリレート、クロレンド酸、ジブロモクレジルグリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、無水クロレンド酸、テトラクロロ無水フタル酸等のハロゲン系難燃剤;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、レゾルシノール−ビス−(ジフェニルホスフェート)、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ジメチルメチルホスフェート、トリアリルホスフェート等及びその縮合体、リン酸アンモニウム及びその縮合体、ジエチルN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート等のリン系難燃剤;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硼酸亜鉛、硼酸バリウム、カオリン・クレー、炭酸カルシウム、明ばん石、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト、赤リン、グアニジン化合物、メラミン化合物、3酸化アンチモン、5酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、シリコーン樹脂等の無機系難燃剤等が挙げられる。
充填剤としては、たとえば、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化スズ、酸化アンチモン、フェライト類等の酸化物、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維等の硫酸塩、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、ケイ酸塩、窒化アルミ、窒化ホウ素、窒化ケイ素等の窒化物、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭化バルーン、木炭粉末等の無機系充填剤;アクリルゴム、アクリロニトリル/ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、液状ゴム、エチレン/プロピレンゴム、エチレン/プロピレン/ジエン系ゴム、SBR系ゴム、NBR系ゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、多硫化ゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム、スチレン/ブタジエンゴム等の合成ゴム、天然ゴム、ナイロン粉、フッ素樹脂粉、木粉、皮粉、パルプ、ゴム粉等の有機系充填剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、たとえば、フェノール系、リン系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤や耐候安定剤等が挙げられる。
これらその他の成分は熱可塑性樹脂粉体および中空粒子とともに、樹脂組成物に適宜配合されても良く、また予め熱可塑性樹脂粉体に含まれていても良い。
(樹脂組成物の各成分の配合割合)
中空粒子の配合割合は、熱可塑性樹脂粉体100重量部に対して、通常1〜20重量部、好ましくは3〜18重量部、より好ましくは5〜16重量部、さらに好ましくは7〜14重量部、特に好ましくは9〜12重量部である。中空粒子の配合割合が、熱可塑性樹脂粉体100重量部に対して1重量部未満であると、成形物を十分に軽量化できない。一方、中空粒子の配合割合が、熱可塑性樹脂粉体100重量部に対して20重量部を超えると、得られた成形物の表面および裏面の両方で表面性が低下するだけでなく、成形物が脆くなり、力学的物性が低下する。
その他の成分の配合割合については、特に限定はないが、好ましくは0.1〜200重量部、より好ましくは1〜150重量部、さらに好ましくは3〜100重量部、特に好ましくは5〜50重量部、最も好ましくは10〜30重量部である。その他の成分の配合割合が、熱可塑性樹脂粉体100重量部に対して0.1重量部未満であると、その他の成分を配合することによる効果が十分に得られない。一方、その他の成分の配合割合が熱可塑性樹脂粉体100重量部に対して200重量部を超えると、表面および裏面の両方で表面性が低下し、熱可塑性樹脂本来の特性が失われ、成形物の物性が低下することがある。
樹脂組成物の製造方法は、熱可塑性樹脂粉体および中空粒子とともに、適宜、その他の成分を混合するものであれば特に限定はない。
樹脂組成物の製造方法としては、たとえば、熱可塑性樹脂粉体および中空粒子を空気等の気体を媒体にして混合させる方法(ドライブレンド法)がある。この方法では、たとえば、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダー等の攪拌機を用いて、熱可塑性樹脂粉体および中空粒子が混合される。
樹脂組成物の別の製造方法としては、まず、熱可塑性樹脂粉体を調製する過程において、熱可塑性樹脂ペレットとともに中空粒子を粉砕機に供給し、ペレットの粉砕して熱可塑性樹脂粉体を製造すると同時に、中空粒子とドライブレンドする方法等を挙げることができる。その他の成分を配合する場合は、ドライブレンドを行う際に同時に添加しても良い。その他の成分が液状物のときは、噴霧により添加してもよい。
〔成形物〕
本発明の成形物は、上記で説明した樹脂組成物をパウダースラッシュ成形して得られる。
成形物の真比重については、特に限定はないが、好ましくは1.1g/cc以下、より好ましくは0.4〜1.0g/cc、さらに好ましくは0.5〜0.95g/cc、特に好ましくは0.6〜0.90g/cc、最も好ましくは0.7〜0.85g/ccである。成形物の真比重が1.1g/ccを超えると軽量効果が十分でないことがある。一方、成形物の真比重が小さいと、成形物の表面および裏面の両方で表面性が低下し、力学的物性の低下も著しくなることがある。
成形物の製造方法については、特に限定はないが、樹脂組成物を用いてパウダースラッシュ成形するものであれば特に限定はない。成形物の製造方法としては、まず、図2の(A)に示すように、樹脂組成物(12)を予め加熱した金型(11)の内表面に吹き付け、金型の内表面に溶融付着させる。次いで、(B)に示すように、金型を回転させる等によって成形に必要な量の樹脂組成物を金型の内表面に付着させるとともに、過剰量の樹脂組成物を金型の内表面から取り除く。次に、加熱炉等を用いて金型を熱風、赤外線、輻射熱等により加熱することにより樹脂組成物を溶融させて均一皮膜を形成させ成形し、(C)に示すように、この金型を冷却して金型から取り出すことによって成形物(13)が得られる。得られる成形物の表面は平滑であっても良いし、また、凹凸の模様があっても良い。パウダースラッシュ成形では、得られた成形物を金型から取り出さずに複数回成形を繰り返すことによって、多層構造の成形物を得ることもできる。
本発明の成形物の用途としては、たとえば、インストルメントパネル、グローブインボックス、ステアリングホイールカバー、エアバッグ収納カバー等の自動車内装用の表皮材や、椅子のアームレスト、カーペット、鞄、靴等の意匠性、クッション性が求められる家具、雑貨の表皮材等を挙げることができる。
以下の実施例および比較例で本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。特に断りのない限り、「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を意味する。
以下の実施例および比較例で製造した成形物について、次に示す要領で物性を測定、評価した。なお、実施例1、4は参考例とする。
〔成形物の比重の測定〕
精密比重計AX200(島津製作所社製)を用いた液侵法により、成形物の比重を測定した。
〔成形物の表面性〕
成形物の表面(金型と接していた面;金型面)および裏面(金型と接していなかった面;裏面)の表面性を、それぞれ以下の評価基準にしたがって目視で評価した。
(金型面の表面性)
○:ピンホール等がなく、意匠性を保持している。
×:ピンホールが発生し、シボ流れ等により意匠性の低下が観察される。
(裏面の表面性)
○:ピンホール等がなく、平滑になっている。
×:ピンホールが発生し、平滑でない。
(実施例1)
(樹脂組成物の調製)
ポリエチレン系熱可塑性樹脂粉体(ダウケミカル社製 PE DNDV0405Rの粉砕物、平均粒子径150μm;表1では樹脂1)100部と、ガラスバルーン1(住友スリーエム社製、商品名グラスバブルス、真比重0.2g/cc、平均粒子径60μm)5部とを、ヘンシェルミキサーでドライ混合し、樹脂組成物を作成した。
(パウダースラッシュ成形)
得られた樹脂組成物100部を予め200℃に加熱した金型に添加し、15秒間接触させ、その後左右にそれぞれ5回ずつ回転させた。金型に付着しなかった余分な樹脂組成物を払い落とし、その後、金型を270℃で30秒間加熱し、成形物を得た。得られた成形物の比重を測定し、表面性も評価した。その結果を表1に示す。
〔実施例2〜8および比較例1〜4〕
実施例1で、熱可塑性樹脂粉体および中空粒子の種類、それらの配合量をそれぞれ表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、パウダースラッシュ成形を行って成形物を得た。得られた成形物の物性を実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示す。
Figure 0006302201
樹脂1:ダウケミカル社製のポリエチレン系熱可塑性樹脂粉体(PE DNDV0405Rの粉砕物、平均粒子径150μm)
樹脂2:三井化学社製のポリプロピレン系熱可塑性樹脂粉体(ミラストマー6030Nの粉砕物、平均粒子径300μm)
樹脂3:DIC BAYER POLYMER社製のウレタン系熱可塑性樹脂粉体(パンデックスT1180の粉砕物、平均粒子径100μm)
ガラスバルーン1:住友スリーエム社製のガラスバルーン(K20、真比重0.2g/cc、平均粒子径60μm)
ガラスバルーン2:住友スリーエム社製のガラスバルーン(S60HS、真比重0.6g/cc、平均粒子径30μm)
微粒子付着中空粒子1:松本油脂製薬株式会社製の微粒子付着中空粒子(マツモトマイクロスフェアーMFL−81GCA、真比重0.25g/cc、平均粒子径30μm)
微粒子付着中空粒子2:松本油脂製薬株式会社製の微粒子付着中空粒子(マツモトマイクロスフェアーMFL−HD60CA、真比重0.12g/cc、平均粒子径60μm)
中空粒子1:松本油脂製薬株式会社製の中空粒子(マツモトマイクロスフェアーFK−40DEH、真比重0.045g/cc、平均粒子径40μm)
中空粒子2:松本油脂製薬株式会社製の中空粒子(マツモトマイクロスフェアーF−80DE、真比重0.024g/cc、平均粒子径60μm)
中空粒子3:松本油脂製薬株式会社製の中空粒子(マツモトマイクロスフェアーF−80SDE、真比重0.030g/cc、平均粒子径30μm)
中空粒子4:松本油脂製薬株式会社製の熱膨張性微小球(マツモトマイクロスフェアーF−82D)を発泡させたもの(真比重0.015g/cc、平均粒子径100μm)
表1から、実施例1〜8ではいずれも、パウダースラッシュ成形することによって得られた成形物の表面および裏面の両方で表面性に優れ、軽量な成形物が得ることができた。しかし、比較例1および2において、軽量な成形物が得られるものの、表面および裏面の両方の表面性を満足するものではなかった。また、比較例1では成形物が脆く、比較例3および4においては、表面性は満足するものの軽量な成形物ではなかった。
1 中空粒子
2 外殻部
3 中空部
4 微粒子(吸着された状態)
5 微粒子(めり込み、固定された状態)
11 金型
12 樹脂組成物
13 成形物

Claims (5)

  1. パウダースラッシュ成形で用いられる樹脂組成物であって、
    熱可塑性樹脂粉体および外殻部が熱可塑性樹脂からなる中空粒子を含み、
    前記中空粒子の真比重が0.02〜0.30g/ccであり、平均粒子径が0.8〜60μmであり、
    前記熱可塑性樹脂粉体100重量部に対して前記中空粒子が1〜20重量部である、
    樹脂組成物。
  2. 前記中空粒子の真比重が0.02〜0.15g/ccである、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記外殻部の外表面に微粒子が付着してなる、請求項またはに記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の樹脂組成物をパウダースラッシュ成形してなる、成形物の製造方法
  5. 真比重が1.1g/cc以下である、請求項に記載の成形物の製造方法
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