JP6305735B2 - セラミド生産性向上方法およびセラミド製造方法 - Google Patents
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Description
(A)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(B)配列番号2で示されるアミノ酸配列と43%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つ(D)〜(F)のいずれかのポリペプチドと複合体を形成しセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を発現するポリペプチド;
(C)配列番号2で示されるアミノ酸配列において、1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つ(D)〜(F)のいずれかのポリペプチドと複合体を形成しセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を発現するポリペプチド;
(D)配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(E)配列番号4で示されるアミノ酸配列と55%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つ(A)〜(C)のいずれかのポリペプチドと複合体を形成しセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を発現するポリペプチド;および
(F)配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つ(A)〜(C)のいずれかのポリペプチドと複合体を形成しセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を発現するポリペプチド
さらに、本発明は、上記方法でセラミド生産性を向上させたスターメレラ・ボンビコーラを用いることを特徴とするセラミド製造方法を提供する。
また本明細書において、「1〜複数個の塩基が欠失、置換もしくは付加された塩基配列」としては、1〜800個、好ましくは1〜400個、より好ましくは1〜200個、さらに好ましくは1〜100個、さらにより好ましくは1〜50個、なお好ましくは1〜20個、なおさらに好ましくは1〜10個の塩基が欠失、置換もしくは付加された塩基配列が挙げられる。
生成されるセラミド前駆体の量は、反応液からセラミド前駆体を抽出し、高速液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーなどに供することによって測定することができる。また、基質に放射性同位体を使用すれば、生成物の放射性同位体量を定量することによって生成されるセラミド前駆体の量を測定することができる。例えば、細胞培養液からのセラミド前駆体の抽出には、クロロホルム、メタノール、アセトンなどの有機溶媒を使用することができる。
一実施形態において、本発明で発現強化されるスターメレラ・ボンビコーラ由来のセリンパルミトイルトランスフェラーゼサブユニットとしては、(A):配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドが挙げられる。上記配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドは、公知のセリンパルミトイルトランスフェラーゼサブユニットとの配列同一性は低いにもかかわらず、セリンパルミトイルトランスフェラーゼのサブユニットLCB1として機能するポリペプチドである。つまり、後述の(D)〜(F)のいずれかのポリペプチドと複合体を形成してセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を発現することができる。配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチドはスターメレラ・ボンビコーラ(Starmerella bombicola)、例えばStarmerella bombicola NBRC10243またはStarmerella bombicola KSM36株(FERM BP−799)などから取得することができる。
上記(d)〜(f)の遺伝子は、好ましくは、ピリドキサール−5’−リン酸結合モチーフ(GT(F/L)TKSFG)を有するポリペプチドをコードしている。より好ましくは、当該ピリドキサール−5’−リン酸結合モチーフが配列番号4の381位から388位、またはそれに相当する領域に存在するポリペプチドをコードしている。
(A)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(B)配列番号2で示されるアミノ酸配列と43%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つ(D)〜(F)のいずれかのポリペプチドと複合体を形成しセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を発現するポリペプチド;
(C)配列番号2で示されるアミノ酸配列において、1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つ(D)〜(F)のいずれかのポリペプチドと複合体を形成しセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を発現するポリペプチド;
(D)配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(E)配列番号4で示されるアミノ酸配列と55%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つ(A)〜(C)のいずれかのポリペプチドと複合体を形成しセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を発現するポリペプチド;および
(F)配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1〜複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つ(A)〜(C)のいずれかのポリペプチドと複合体を形成しセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を発現するポリペプチド
S.bombicola NBRC10243株を、50g/LのYPD Broth(日本BD製)5mLを含む100mL容試験管に一白金耳植菌し、30℃、250rpmで48時間培養した。得られた培養液を、SL培地(10%(D)−グルコース、1%尿素、0.5%BactoTMYeast Extract、10%パルミチン酸エチル(東京化成工業)、塩酸にてpH5.0となるよう調整)5mLに2%植菌した。培養器は100mL容試験管を用い、30℃、250rpmで48時間培養し、菌体を回収した。
回収した菌体のTotal RNAを抽出した。RNAの抽出にはRNeasy Mini Kit(キアゲン)を用い、方法は添付のプロトコールを一部改変した。すなわち、回収した菌体にBuffer Y1(1mL)を添加し、30℃で30分振とうする際に、バッファーにザイモリエイス−20Tを100U/mLとなるよう添加し、細胞壁を溶解させた。得られたTotal RNAよりSMARTer cDNA synthesis Kit(クロンテック)を用いて、完全長cDNAライブラリを合成した。遺伝子発現解析は株式会社ジナリスに委託し、cDNA配列情報、およびアノテーションデータを得た。
なお、S.cerevisiae由来LCBの191位に相当するアミノ酸残基はバリンであることがセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性に必要であるとされているが、配列番号2および4に示すアミノ酸配列ではバリンではなくアラニンであった。
さらに、配列番号1示される遺伝子および配列番号3で示される遺伝子は、S.bombicola KSM36株ゲノムにも存在することが分かった。以後の実施例において、配列番号1および配列番号3で示されるセリンパルミトイルトランスフェラーゼ遺伝子を、それぞれ本発明のLCB1遺伝子およびLCB2遺伝子と称する。
(1)ウラシル要求性株の取得
S.bombicola KSM36株(FERM BP−799)を0.68% Yeast Nitrogen Base w/o amino acids、2% グルコース、0.03%ウラシルおよび1.5%Agarを含むSD−U寒天培地に接種したのち、30℃で1ヶ月間培養し、得られた菌体を1mLの0.8%食塩水に一白金耳懸濁し、0.68%Yeast Nitrogen Base w/o amino acids、2%グルコース、0.03%ウラシル、および5−フルオロオロチン酸、1.5%Agarを含むSD-UF寒天培地に100μL塗抹し30℃で2週間培養した。生育したコロニーを再度SD−UF寒天培地で培養した後、それぞれについてウラシル要求性、5−フルオロオロチン酸耐性を確認し、ウラシル要求性株を取得した。
S.bombicola KSM36株および得られたウラシル要求性株を50g/LのYPD Broth(日本BD製)5mLを含む100mL容試験管に一白金耳植菌し、30℃、250rpmで48時間培養した。培養液1mLを5000rpm、4℃で5分間遠心して集めた菌体からGenとるくんTM(TAKARAバイオ)を用い、添付のマニュアルに従ってゲノムDNAを抽出した。表1記載のプライマー(配列番号5,6)およびKOD−plus.ver2(TOYOBO)を用いてウラシル生合成に関わるオロチジンでカルボキシラーゼをコードするURA3遺伝子を増幅し、PCR産物を鋳型としてURA3遺伝子の配列をシーケンス解析し、S.bombicola NBRC10243株の配列(GenBank accession No.DQ916828)と比較した。その結果、S.bombicola KSM36株はS.bombicola NBRC10243株のURA3遺伝子と同じ配列を有すること、ウラシル要求性株は皆54位のシステインがチロシンに変異していることが確認された。得られた変異体をS.bombicola KSM36−ura3株として取得した。
実施例2において、ウラシル要求性株の変異位置が確定されたので、例えば下記の遺伝子組換え手段を用いて容易にウラシル要求性株の調製が可能である。
S.bombicolaのゲノムをテンプレートとしてUra3遺伝子を配列番号5、6のプライマーを用いて増幅する。増幅した遺伝子断片を適当なベクターに導入し、54位のシステインをチロシンに点変異を導入する。点変異を導入したベクターを配列番号5,6のプライマーを用いて増幅し、Ura3遺伝子に変異の導入された形質転換断片を得る。S.bombicola KSM36を、5mLのYPD Brothを含む100mL形試験管に位置白金耳植菌し、30度、250rpmで24時間培養する。得られた培養液を、YPD Broth50mLを含む坂口フラスコに1%植菌し、30℃、120rpmでOD600=1〜2になるまで培養する。増殖した菌体を3000rpm、4℃で5分間遠心して集菌した後、氷上で冷やした滅菌水20mLで2回洗浄する。菌体を氷冷した1mLの1Mソルビトール溶液に懸濁し、5000rpm、4℃で5分間遠心し、上清を捨てたのち、400μLの1Mソルビトール溶液を加えて氷上におき、ピペッティングで懸濁する。この酵母懸濁液を50μLずつ分注し、形質転換用のDNA溶液を1μg加える。酵母懸濁液を氷冷した0.2cmギャップのチャンバーに移したのち、GENE PULSER II(BIO−RAD)を用いて25uF,350Ω、2.5kVのパルスをかける。氷冷した1Mソルビトール入りYPD Brothを加えて1.5mL容チューブに移し、30℃で2時間振とうした後、5000rpm、4℃で5分間遠心して菌体を回収し、200μLの1Mソルビトール溶液に再懸濁して100μLずつ選択培地に塗抹し、30℃で約1週間培養する。選択培地には、0.68%Yeast Nitrogen Base w/o amino acids、2%グルコース、0.03%ウラシル、および5−フルオロオロチン酸、1.5%Agarを含むSD-UF寒天培地を使用する。生育したコロニーを再度SD−UF寒天培地で培養した後、それぞれについてウラシル要求性、5−フルオロオロチン酸耐性を確認し、ウラシル要求性株を取得する。
実施例1の遺伝子発現解析より、高発現プロモーターを探索した。遺伝子発現解析でシーケンスしたリードをアセンブルし、ゲノム配列にマッピングした後、遺伝子発現強度を示すRPKM(Reads per Kilobase of exon per million mapped reads)を求めて遺伝子発現量とした。本情報より、GAPDH、PHO、GAL1、ADH1、TDH3、PGK1、TPI1、TEF1はLCB1およびLCB2よりも優位に発現量が高いことが確認され、高発現プロモーターとして有望であると考えられた。
(1)LCB1またはLCB2欠損用プラスミドの作製
実施例2で得られたS.bombicola KSM36株ゲノムDNAを鋳型に、表2記載の配列番号7と8および9と10のプライマーを用いて、本発明のLCB1遺伝子の上流領域および下流領域を増幅した。同様に、配列番号13と14のプライマーおよび配列番号15と16のプライマーを用いて、本発明のLCB2遺伝子の上流領域および下流領域を増幅した。さらに、配列番号11と12および17と18のプライマーを用いて、当該プライマー領域を含むURA3遺伝子領域を増幅した。次に得られたPCR産物を鋳型にSOE-PCRによって本発明のLCB1遺伝子上流領域とURA3遺伝子と該LCB1遺伝子下流領域(配列番号7、10のプライマー)、または本発明のLCB2遺伝子上流領域とURA3遺伝子と該LCB2遺伝子下流領域(配列番号13、16のプライマー)の組み合わせでDNAを連結させ、pTA2ベクターとライゲーションすることによってpTA2-lcb1::URA3プラスミドおよびpTA2-lcb2::URA3プラスミドを構築した。さらに、pTA2-lcb1::URA3プラスミドを鋳型に表2記載の配列番号7、10のプライマーを使用してLCB1遺伝子欠損用カセットを増幅し、またpTA2-lcb2::URA3プラスミドを鋳型に表2記載の配列番号13、16のプライマーを使用してLCB2遺伝子欠損用カセットを増幅したのち、High pure PCR product purification kitを用いて精製した。
上記実施例2で作製したS.bombicola KSM36−ura3株を、5mLのYPD Brothを含む100mL容試験管に一白金耳植菌し、30℃、250rpmで48時間培養した。得られた培養液を、YPD Broth50mLを含む坂口フラスコに1%植菌し、30℃、120rpmでOD600=1〜2になるまで培養した。増殖した菌体を3000rpm、4℃で5分間遠心して集菌した後、氷上で冷やした滅菌水20mLで2回洗浄した。菌体を氷冷した1mLの1Mソルビトール溶液に懸濁し、5000rpm、4℃で5分間遠心し、上清を捨てたのち、400μLの1Mソルビトール溶液を加えて氷上に置き、ピペッティングで懸濁した。この酵母懸濁液を50μLずつ分注し、LCB1またはLCB2遺伝子欠損用のDNA断片を1μg加えた。酵母懸濁液を氷冷した0.2cmギャップのチャンバーに移したのち、GENE PULSER II(BIO−RAD)を用いて25μF,350Ω、2.5kVのパルスをかけた。氷冷した1Mソルビトール入りYPD Brothを加えて1.5mL容チューブに移し、30℃で2時間振とうした後、5000rpm、4℃で5分間遠心して菌体を回収し、200μLの1Mソルビトール溶液に再懸濁して100μLずつ選択培地に塗抹し、30℃で約1週間培養した。選択培地には、0.68% Yeast Nitrogen Base w/o amino acids,2% グルコース、0.077% CSM−ura(フナコシ)、20〜200μM フィトスフィンゴシン(Cosmoferm)、0.05% レオドールO320V(花王)、および1.5% Agarを含むSD-ura+PHS寒天培地を使用した。生育したコロニーをSD-ura+PHS培地および0.68% Yeast Nitrogen Base w/o amino acids,2% グルコース、0.077% CSM−ura(フナコシ)、および1.5% Agarを含むSD-ura寒天培地にレプリカし、30℃で約1週間培養した後、SD-ura+PHS培地のみで生育するコロニーを選抜した。選抜した変異株は、表2記載の配列番号7と10または13と16のプライマーでKOD-FX-Neo(TOYOBO)を用いてコロニーPCRし、増幅される配列長が変化していること、およびシーケンス解析により配列が設計どおりに変異していることを確認したのち、S.bombicola KSM36−Δlcb1株、およびS.bombicola KSM36−Δlcb2株として取得した。
実施例2で得られたS.bombicola KSM36株ゲノムDNAを鋳型に、表3記載の配列番号19と20のプライマーを用いて、上流および下流領域を含む本発明のLCB1遺伝子を、配列番号21と22のプライマーを用いて、上流および下流領域を含む本発明のLCB2遺伝子を増幅した。同様に配列番号23と24または25と26のプライマーを用いてグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)のプロモーター領域を増幅した。次に、LCB1およびLCB2を含む遺伝子増幅断片をpTA2ベクターにライゲーションし、pTA2−LCB1プラスミドおよびpTA2−LCB2プラスミドを構築した。さらに、pTA2−LCB1プラスミドには配列番号27と28のプライマー、pTA2−LCB2プラスミドには配列番号29と30のプライマーで、PrimeSTAR Max DNA Polymerase(タカラバイオ)を用いて変異導入することにより各遺伝子のORF開始点に制限酵素NdeI用サイトを導入した。それぞれの改変プラスミドをNdeIで切断した後、GAPDHプロモーター領域をIn−Fusion HD Cloning Kit(タカラバイオ)を用いて連結した。シーケンス解析によってGAPDHプロモーター領域が正しく挿入されたプラスミドを選抜し、pTA2−GAPDH−LCB1プラスミドおよびpTA2−GAPDH−LCB2プラスミドとした。それぞれのプラスミドを鋳型に配列番号19と20または21と22のプライマーを用いてGAPDHプロモーターを含むLCB1遺伝子およびLCB2遺伝子を増幅し、High pure PCR product purification kitを用いて精製した。
上記実施例4(2)で作製したS.bombicola KSM36−Δlcb1株お
よびS.bombicola KSM36−Δlcb2株に対して、実施例4(1)と同
様の方法を用いて、S.bombicola KSM36−Δlcb1株にはLCB1過
剰発現用DNA断片を、S.bombicola KSM36−Δlcb2株にはLCB
2過剰発現用のDNA断片を形質転換した。選択培地にはYPD培地を使用し、生育したコロニーをSD-ura培地および0.68% Yeast Nitrogen Base w/o amino acids,2% グルコース、0.077% CSM(フナコシ)、および1.5% Agarを含むSD-CSM寒天培地にレプリカし、30℃で約1週間培養した後、SD−CSM寒天培地のみで生育するコロニーを選抜した。選抜した変異株は、表3記載の配列番号19と20または21と22のプライマーでKOD-FX-Neo(TOYOBO)を用いてコロニーPCRし、増幅される配列長が変化していること、およびシーケンス解析により配列が設計どおりに変異していることを確認したのち、S.bombicola KSM36−LCB1OE株、およびS.bombicola KSM36−LCB2OE株として取得した。
上記実施例4(4)で作製したS.bombicola KSM36−LCB1OE株を培養し、実施例4(2)と同様の方法でLCB2遺伝子欠損用のDNA断片を形質転換した。選択培地には、SD-ura+PHS寒天培地を使用した。生育したコロニーをSD-ura+PHS培地およびSD-ura寒天培地にレプリカし、30℃で約1週間培養した後、SD-ura+PHS培地のみで生育するコロニーを選抜した。選抜した変異株は、表2記載の配列番号13、16のプライマーでKOD-FX-Neo(TOYOBO)を用いてコロニーPCRし、増幅される配列長が変化していること、およびシーケンス解析により配列が設計どおりに変異していることを確認したのち、S.bombicola KSM36−LCB1OE−Δlcb2株として取得した。
上記実施例4(5)で作製したS.bombicola KSM36−LCB1OE−Δlcb2株を培養し、実施例4(1)と同様の方法でLCB2過剰発現用のDNA断片
を形質転換した。選択培地にはYPD培地を使用し、生育したコロニーをSD-ura+PHS培地およびSD-ura寒天培地にレプリカし、30℃で約1週間培養した後、SD-ura+PHS培地のみで生育するコロニーを選抜した。選抜した変異株は、表3記載の配列番号21、22のプライマーでKOD-FX-Neo(TOYOBO)を用いてコロニーPCRし、増幅される配列長が変化していること、およびシーケンス解析により配列が設計どおりに変異していることを確認したのち、S.bombicola KSM36−LCB1OE−LCB2OE株として取得した。
実施例4で作製したS.bombicola KSM36−LCB1OE株、S.bombicola KSM36−LCB2OE株、およびS.bombicola KSM36−LCB1OE−LCB2OE株、ならびにコントロールとして、S.bombicola KSM36−ura3株をYPD培地(1% Yeast Extract、2% Bacto Peptone、2% Glucose)を5mL含む100mL容試験管に一白金耳植菌し、30℃、250rpmで48時間培養した。得られた培養液を、SD+U300培地(0.67% Yeast Nitrogen Base w/o amino acids、0.03% ウラシル、2% Glucose)30mLに1%植菌した。培養器は500mL容ひだ付フラスコを用い、30℃、210rpmで72時間培養したのち、菌体を回収した。回収した菌体から、実施例1同様の方法でRNeasy Mini Kit(キアゲン)を用いてTotal RNAを抽出した。TotalRNAはAffinityScript QPCR cDNA Synthesis きt(Stratagene)を用いて逆転写し、Brilliant III Ultra−Fast SYBR Green QPCR Master Mix(Stratagene)を用いて定量的PCRによって遺伝子発現量を解析した。比較対象としてACT1遺伝子を選抜し、それとの発現量比を求めた。プライマーはLCB1遺伝子の発現解析には配列番号31と32のプライマー、LCB2遺伝子の発現解析には配列番号33と34のプライマー、ACT1の発現解析には配列番号35と36のプライマーを使用した(表4参照)。定量は、先述のプライマーにて増幅される対象領域をpTA2ベクターに連結したプラスミドを用いて求めた検量線を使用した。S.bombicola KSM36−ura3株の発現量比を1とした場合の結果を表5に示す。この結果より、それぞれの株において設計通りに遺伝子発現が強化されていることが確かめられた。
実施例4で作製したS.bombicola KSM36−LCB1OE株、およびS.bombicola KSM36−LCB2OE株、S.bombicola KSM36−LCB1OE−LCB2OE株、およびコントロールとして、S.bombicola KSM36−ura3株をYPD培地(1% Yeast Extract、2% Bacto Peptone、2% Glucose)を5mL含む100mL容試験管に一白金耳植菌し、30℃、250rpmで48時間培養した。得られた培養液を、SD+U300培地(0.67% Yeast Nitrogen Base w/o amino acids、0.03% ウラシル、2% Glucose)30mLに1%植菌した。培養器は500mL容ひだ付フラスコを用い、30℃、210rpmで72時間培養したのち、菌体を回収し、凍結乾燥にて乾燥させた。
S.bombicola KSM36−ura3株における各セラミドの中で、最も特徴的な分子の量を1とした場合の各発現強化株におけるセラミド生産性の相対値を示す(表6)。コントロールとして用いたS.bombicola KSM36−ura3株と比較して、S.bombicola KSM36−LCB1OE株においてはセラミドAPおよびセラミドASの生産量が、S.bombicola KSM36−LCB2OE株においてはセラミドNPおよびセラミドNSの生産量が、それぞれ増加していた。さらに、S.bombicola KSM36−LCB1OE−LCB2OE株においては、セラミドAPおよびセラミドNPの生産量が顕著に増加しており、コントロールと比較してそれぞれ5.0倍、2.3倍の生産量であった。
なお、定法により培養液中のソホロリピッドを測定した。KSM36−ura3株、KSM36−LCB1OE株、KSM36−LCB2OE株及びLCB1OE−LCB2OE株において、ソホロリピッドの生産が確認され、ソホロリピッドとの併産が可能であることが確かめられた。
Claims (10)
- スターメレラ・ボンビコーラにおいて、以下の(A)〜(F)から選択されるポリペプチドの発現を強化することを特徴とする、スターメレラ・ボンビコーラにおけるセラミド生産性向上方法。
(A)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(B)配列番号2で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つ(D)〜(F)のいずれかのポリペプチドと複合体を形成しセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を発現するポリペプチド;
(C)配列番号2で示されるアミノ酸配列において、1〜50個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つ(D)〜(F)のいずれかのポリペプチドと複合体を形成しセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を発現するポリペプチド;
(D)配列番号4で示されるアミノ酸配列からなるポリペプチド;
(E)配列番号4で示されるアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列からなり、且つ(A)〜(C)のいずれかのポリペプチドと複合体を形成しセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を発現するポリペプチド;および
(F)配列番号4で示されるアミノ酸配列において、1〜50個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、且つ(A)〜(C)のいずれかのポリペプチドと複合体を形成しセリンパルミトイルトランスフェラーゼ活性を発現するポリペプチド - 前記(A)〜(C)のポリペプチドが、配列番号2の163位、またはそれに相当する位置にシステイン残基を有する請求項1記載のセラミド生産性向上方法。
- 前記(D)〜(F)のポリペプチドが、ピリドキサール−5’−リン酸結合モチーフ(GT(F/L)TKSFG)を有する請求項1又は2記載のセラミド生産性向上方法。
- 前記(A)〜(C)からなる群より選択されるポリペプチドと、前記(D)〜(F)からなる群より選択されるポリペプチドとを発現強化する、請求項1〜3のいずれか1項記載のセラミド生産性向上方法。
- 前記(A)〜(F)から選択されるポリペプチドの発現の強化が、前記スターメレラ・ボンビコーラにおいて、該(A)〜(F)から選択されるポリペプチドをコードする遺伝子の発現量を増加させることである、請求項1〜4のいずれか1項記載のセラミド生産性向上方法。
- 前記(A)〜(C)からなる群より選択されるポリペプチドをコードする遺伝子と、前記(D)〜(F)からなる群より選択されるポリペプチドをコードする遺伝子の発現量を増加させる、請求項5記載のセラミド生産性向上方法。
- 配列番号1で示される塩基配列からなる遺伝子と、配列番号3で示される塩基配列からなる遺伝子の発現量を増加させる、請求項5又は6記載のセラミド生産性向上方法。
- GAPDH、PHO、GAL1、ADH1、TDH3、PGK1、TPI1、又はTEF1のプロモーターのいずれか1以上と連結された前記(A)〜(F)から選択されるポリペプチドをコードする遺伝子を含むベクターを前記スターメレラ・ボンビコーラに導入するか、または該(A)〜(F)から選択されるポリペプチドをコードする遺伝子の断片を前記スターメレラ・ボンビコーラのゲノムに導入することにより、該(A)〜(F)から選択されるポリペプチドをコードする遺伝子の発現量を増加させる、請求項5〜7のいずれか1項記載のセラミド生産性向上方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項記載の方法でセラミド生産性を向上させたスターメレラ・ボンビコーラを用いることを特徴とするセラミド製造方法。
- セラミドがセラミドNPまたはセラミドAPである請求項9記載のセラミド製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2013238576A JP6305735B2 (ja) | 2013-11-19 | 2013-11-19 | セラミド生産性向上方法およびセラミド製造方法 |
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