JP6315669B2 - 銀微粒子の調製方法 - Google Patents
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Description
a)炭化水素溶媒中で、粉末状酸化銀(I)にギ酸を作用させて、粉末状酸化銀(I)をギ酸銀(I)に変換する工程、および
b)前記炭化水素溶媒中で、前記ギ酸銀(I)中に含まれる銀カチオンを、アミン化合物による還元反応により銀原子に還元して、アミン化合物によって表面が被覆された銀微粒子を形成する工程
を含み、
前記アミン化合物として、1級アミンと2級アミンの両方を用いる
ことを特徴とする銀微粒子の調製方法。
ことを特徴とする1)記載の銀微粒子の調製方法。
工程aにおいて、前記炭化水素溶媒を、前記粉末状酸化銀(I)100質量部当たり350質量部以上600質量部以下用いる
ことを特徴とする1)または2)に記載の銀微粒子の調製方法。
前記1級アミンが、前記炭化水素溶媒に対して親和性を有する脂肪族炭化水素鎖を有する
ことを特徴とする1)〜3)のいずれか一項に記載の銀微粒子の調製方法。
前記2級アミンが、前記炭化水素溶媒に対して親和性を有する脂肪族炭化水素鎖を有する
ことを特徴とする1)〜4)のいずれか一項に記載の銀微粒子の調製方法。
ことを特徴とする1)〜5)のいずれか一項に記載の銀微粒子の調製方法。
工程bの後に、
c)工程bから得られる反応液から、工程aおよびbで用いた炭化水素溶媒を減圧下で気化させて除去し、銀微粒子を含む残渣を回収する工程、
d)工程cから得られる残渣をアルコールで洗浄する工程、および、
e)工程dから得られるアルコール洗浄した残渣を、工程aおよびbで用いた炭化水素溶媒と同一のもしくは異なる炭化水素溶媒に分散させて、銀微粒子を含む分散液を得る工程
を含むことを特徴とする1)〜7)のいずれか一項に記載の銀微粒子の調製方法。
工程bの後に、
f)工程bから得られる反応液から、工程aおよびbで用いた炭化水素溶媒を除去し、銀微粒子を含む残渣を回収する工程、
g)工程fから得られる残渣をアルコールで洗浄する工程、および、
h)工程gから得られる残渣を回収して、銀微粒子を得る工程
を含むことを特徴とする1)〜7)のいずれか一項に記載の銀微粒子の調製方法。
ことを特徴とする印刷用導電性ペースト。
工程bの後に、
c)工程bから得られる反応液から、工程aおよびbで用いた炭化水素溶媒を減圧下で気化させて除去し、銀微粒子を含む残渣を回収する工程、
d)工程cから得られる残渣をアルコールで洗浄する工程、および、
i)アルコール中で、工程dから得られる残渣に含まれる銀微粒子の表面を被覆しているアミン化合物を、極性溶媒に対して親和性を有する保護剤で置換して、前記保護剤によって表面が被覆された銀微粒子を形成する工程、
j)工程iから得られる、銀微粒子とアルコールとを含む混合物に対して、アルコール除去、および炭化水素溶媒による洗浄を行う工程、
k)工程jから得られる炭化水素溶媒で洗浄した残渣を、極性溶媒に分散させて、銀微粒子を含む分散液を得る工程
を含むことを特徴とする1)〜7)のいずれか一項に記載の銀微粒子の調製方法。
工程bの後に、
f)工程bから得られる反応液から、工程aおよびbで用いた炭化水素溶媒を除去し、銀微粒子を含む残渣を回収する工程、
g)工程fから得られる残渣をアルコールで洗浄する工程、および、
l)アルコール中で、工程gから得られる残渣に含まれる銀微粒子の表面を被覆しているアミン化合物を、極性溶媒に対して親和性を有する保護剤で置換して、前記保護剤によって表面が被覆された銀微粒子を形成する工程、
m)工程lから得られる、銀微粒子とアルコールとを含む混合物から、アルコールを除去し、得られた残渣を炭化水素溶媒で洗浄する工程、および
n)工程mから得られる残渣を回収して、銀微粒子を得る工程
を含むことを特徴とする1)〜7)のいずれか一項に記載の銀微粒子の調製方法。
ことを特徴とする11)に記載の銀微粒子の調製方法。
ことを特徴とする12)に記載の銀微粒子の調製方法。
ことを特徴とする印刷用導電性ペースト。
前記溶剤が、50℃以上120℃以下の沸点を有する低沸点溶剤と、150℃以上300℃以下の沸点を有する高沸点溶剤とからなり、
前記低沸点溶剤として、12mN/m以上18mN/m以下の表面張力(25℃)を有するフッ素系溶剤を、前記溶剤の総量に対して10質量%以上50質量%以下含む
ことを特徴とする反転印刷用導電性ペースト。
a)炭化水素溶媒中で、粉末状酸化銀(I)にギ酸を作用させ、粉末状酸化銀(I)をギ酸銀(I)に変換する工程。
b)前記炭化水素溶媒中で、前記ギ酸銀(I)中に含まれる銀カチオンを、アミン化合物による還元反応により銀原子に還元して、アミン化合物によって表面が被覆された銀微粒子を形成する工程。
炭化水素溶媒は一般に極性を持たない、あるいは極性が非常に低い非極性溶媒である。
出発原料として、粉末状酸化銀(I)(Ag2O;式量:231.74、密度:7.22g/cm3)が使用される。粉末状酸化銀(I)の粒子径は適宜選ぶことができるが、炭化水素溶媒に均一に分散させる観点から、粉末状酸化銀(I)の粒径分布が200メッシュ以下(75μm以下)の範囲に収まるものが好適に利用される。
工程aでは、炭化水素溶媒中で、粉末状酸化銀(I)にギ酸(HCOOH)を作用させて、粉末状酸化銀(I)をギ酸銀(I)に変換する。このために、炭化水素溶媒に粉末状酸化銀(I)を加えて分散させ、その分散液にギ酸を加えることができる。
AgI 2O+(HCOOH:HOOCH)
→ 2[(HCOO−)(AgI)+]+H2O
なお、式iの反応で副生する水分子(H2O)の大半部分は、生成する[(HCOO−)(AgI)+]の凝集体中に、「結晶水」の形態で取り込まれていると、推定される。
2[(HCOO−)(AgI)+]+HCOOH
→ 2Ag+2HCOOH+CO2↑、
式A2:
2[(HCOO−)(AgI)+]
→ 2Ag+HCOOH+CO2↑。
工程aの後、引き続き前記炭化水素溶媒中で、ギ酸銀(I)中に含まれる銀カチオンを、アミン化合物による還元反応により銀原子に還元する。これにより、アミン化合物によって表面が被覆された銀微粒子が形成される。
2(Ra−NH2:Ag−OOCH)
→ 2[Ra−NH2:Ag]+HCOOH+CO2↑
式iii:
2(RbRc−NH:Ag−OOCH)
→ 2[RbRc−NH:Ag]+HCOOH+CO2↑
この反応で派生する二酸化炭素(CO2)は気泡を形成するため、反応液では、発泡が観測される。
銀微粒子の調製容易性の観点から、1級アミンの分子量が、120以上300以下であることが好ましい。分子量が300以下の1級アミンを用いて銀微粒子を調製すると、その粒子を用いて導電性ペーストとして利用する場合に、焼成プロセス時の銀からの1級アミンの脱離および分解が容易であり、導通特性の観点から好ましい。一方、分子量が120以上の1級アミンを用いて銀微粒子の作製をすると、安定な銀微粒子の作製が容易である。具体的には、粒子作製時に反応容器側面の鏡面化(銀の析出)が生じるといった現象を回避することが容易である。
銀微粒子作製時の反応性の観点から、2級アミンの分子量が、100以上190以下であることが好ましい。分子量が190以下の2級アミンは還元力の点で好ましく、反応を進行させることが容易である。また、分子量100以上のアミンは沸点の観点から好ましく、反応中に速やかに蒸散してしまうことを防止することが容易である。
工程bにおいて、例えば、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオンのモル量に対するアミン化合物のモル量(1級アミンと2級アミンの総モル量)が同じであっても、1級アミンと2級アミンのモル比を変更することによって工程bで得られる銀微粒子の平均粒子径を変えることができる。具体的には、1級アミンのモル量を減らすこと、つまり、2級アミンモル量に対する1級アミンモル量の比(1級アミンモル量/2級アミンモル量)を小さくすることによって、工程bで得られる銀微粒子の平均粒子径を大きくすることができる。なお、工程bの後に、後述するように更なる工程を行うことができるが、更なる工程の後に得られる銀微粒子の平均粒子径は、工程bで得られる銀微粒子の平均粒子径と実質的に同じである。
銀微粒子の平均粒子径によって、液(例えば工程bから得られる反応液)中での銀微粒子の分散状態が異なりうる。つまり、銀微粒子の平均粒子径が小さいほど液中での分散状態は良好であり、平均粒子径が大きくなると銀微粒子が液中で沈殿する傾向がある。さらに、工程bで使用する1級アミンの分子量を変えること(したがって使用する1級アミンの種類が変更される)によって、工程bから得られる反応液中の、銀微粒子の分散状態を制御することができる。具体的には、工程bで使用する1級アミンの分子量が大きいほど、工程bで得られる銀微粒子の炭化水素溶媒中での分散状態は良好になる傾向がある。つまり、工程bで、分子量が比較的大きい1級アミンを用いることにより、液中に銀微粒子が良好に分散した分散液の形態で銀微粒子を調製することができ、あるいは、分子量が比較的小さい1級アミンを用いることにより、液中に銀微粒子が沈殿した形態で銀微粒子を調製することができる。工程bで、中間的な分子量を有する1級アミンを用いれば、銀微粒子の一部が液中に分散し、残部が沈殿している形態で銀微粒子を調製することができる。
工程bで用いるアミン化合物の量(1級アミンと2級アミンの合計量)は、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオンを基準(100モル%)として、110モル%以上150モル%以下とすることが好ましい。つまり、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオン1モルあたり、1級アミンと2級アミンの総量を、1.1モル以上1.5モル以下とする。このような量的バランスを選ぶことは、アミン化合物によって表面が被覆された銀微粒子を形成する観点から、好ましい。
ここで、工程bにおいて、炭化水素溶媒中に分散した(沈殿していない)銀微粒子を形成する本発明の方法の一形態(形態1という)について説明する。この形態は、原料に用いた銀を基準として、50質量%を超える、好ましくは75質量%以上、より好ましくは90質量%以上の銀を、銀微粒子として炭化水素溶媒中に分散させたい場合に好適である。
・1級アミンを、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオンを基準として(つまりこの銀カチオンを100モル%とした場合)、3.0モル%を超え50モル%以下の量で用いる。つまり、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオン1モルあたり、1級アミンを、0.030モルを超え0.50モル以下の量で用いる。
・2級アミンを、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオンを基準として、1級アミンと2級アミンの総量が110モル%以上150モル%以下になる量で用いる。つまり、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオン1モルあたり、1級アミンと2級アミンの総量を、1.1モル以上1.5モル以下とする。
c)工程bから得られる反応液から、工程aおよびbで用いた炭化水素溶媒を減圧下で気化させて除去し、(例えば平均粒子径5nm以上40nm以下、特には平均粒子径が5nm以上30nm以下の)銀微粒子を含む残渣を回収する工程
d)工程cから得られる残渣をアルコールで洗浄する工程、および、
e)工程dから得られるアルコール洗浄した残渣を、炭化水素溶媒(工程aおよびbで用いた炭化水素溶媒と同じであっても異なっていてもよい)に分散させて、(例えば平均粒子径が5nm以上40nm以下、特には平均粒子径が5nm以上30nm以下の)銀微粒子を含む分散液を得る工程。
ここで、工程bにおいて、炭化水素溶媒中で沈殿した銀微粒子を形成する本発明の方法の一形態(形態2という)について説明する。この形態は、原料に用いた銀を基準として、50質量%を超える、好ましくは75質量%以上、より好ましくは90質量%以上の銀を、銀微粒子として炭化水素溶媒中で沈殿させたい場合に好適である。
・1級アミンを、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオンを基準として、0.2モル%以上3.0モル%以下の量で用いる。つまり、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオン1モルあたり、1級アミンを0.002モル以上0.030モル以下の量で用いる。
・2級アミンを、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオンを基準として、1級アミンと2級アミンの総量が110モル%以上150モル%以下になる量で用いる。つまり、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオン1モルあたり、1級アミンと2級アミンの総量を、1.1モル以上1.5モル以下とする。
f)工程bから得られる反応液から、工程aおよびbで用いた炭化水素溶媒を除去し、(例えば平均粒子径50nm以上10μm以下、特には平均粒子径が50nm以上8μm以下の)銀微粒子を含む残渣を回収する工程、
g)工程fから得られる残渣をアルコールで洗浄する工程、および、
h)工程gから得られる残渣を回収して、(例えば平均粒子径50nm以上10μm以下、特には平均粒子径が50nm以上8μm以下の)銀微粒子を得る工程。
工程a、bを行うこと、工程a、b、c、dおよびeを行うこと、あるいは工程a、b、f、gおよびhを行うことによって、炭化水素溶媒をはじめとする非極性溶媒と親和性のある銀微粒子、すなわち炭化水素溶媒をはじめとする非極性溶媒中で使用するに好適な銀微粒子(非極性分散型銀微粒子という)を得ることができる。
c)工程bから得られる反応液から、工程aおよびbで用いた炭化水素溶媒を減圧下で気化させて除去し、(例えば平均粒子径5nm以上40nm以下、特には平均粒子径が5nm以上30nm以下の)銀微粒子を含む残渣を回収する工程、
d)工程cから得られる残渣をアルコールで洗浄する工程、
i)アルコール中で、工程dから得られる残渣に含まれる銀微粒子の表面を被覆しているアミン化合物を、極性溶媒に対して親和性を有する保護剤で置換して、前記保護剤によって表面が被覆された銀微粒子を形成する工程
j)工程iから得られる、銀微粒子とアルコールとを含む混合物に対して、アルコール除去、および炭化水素溶媒による洗浄を行う工程、
k)工程jから得られる炭化水素溶媒で洗浄した残渣を、極性溶媒に分散させて、銀微粒子を含む分散液を得る工程。
f)工程bから得られる反応液から、工程aおよびbで用いた炭化水素溶媒を除去し、(例えば平均粒子径50nm以上10μm以下、特には平均粒子径が50nm以上8μm以下の)銀微粒子を含む残渣を回収する工程、
g)工程fから得られる残渣をアルコールで洗浄する工程、および、
l)アルコール中で、工程gから得られる残渣に含まれる銀微粒子の表面を被覆しているアミン化合物を、極性溶媒に対して親和性を有する保護剤で置換して、前記保護剤によって表面が被覆された銀微粒子を形成する工程、
m)工程lから得られる、銀微粒子とアルコールとを含む混合物から、アルコールを除去し、得られた残渣を炭化水素溶媒で洗浄する工程、
n)工程mから得られる残渣を回収して、銀微粒子を得る工程。
近年、最小ライン/スペース幅(L/S)=50μm/50μmを下回る精密パターンを形成するために有効な印刷法として、反転印刷法、より詳しくは凸版反転印刷法が紹介されている。反転印刷法は、ブランケット上にインキを塗布してインキ塗布面を形成し、そのインキ塗布面に凸版を押圧して凸版に接触する部分のインキをブランケット上から除去(初期転写)した後、ブランケット上に残ったインキを被印刷体に転写(最終転写)する印刷法である。
・工程a
300mlビーカーに粉末状酸化銀(東洋化学工業製 酸化銀特級、粒度分布30μm以下、平均粒子径6μm)を10.85g、メチルシクロヘキサン(沸点101℃の非極性炭化水素溶媒)を45g加えて撹拌した後、30秒間かけてギ酸を4.56g加えて撹拌した。
ギ酸銀生成による発熱がおさまり、液温が30℃になった時点で、オレイルアミン(1級アミン、分子量267.49)0.87g、ジブチルアミン(2級アミン、分子量129.24)12.8g、メチルシクロヘキサン8gを同時に加えて分解的還元反応を行った。液温は58℃まで上昇した。液温が40℃以下になった時点で撹拌を停止した。
ここで、工程bから得られる液(銀微粒子と炭化水素溶媒との混合物)を10分間静置し、銀微粒子の分散状態を目視にて確認した。本例では、沈殿が確認されず、工程bから、銀微粒子がメチルシクロヘキサンに分散した分散液が得られた。
得られた濃紺色の分散液を300mlナス型フラスコに移し、エバポレーター(商品名:N−1100S、東京理科器械製)を用いて、40℃50hPaの条件で、反応溶媒のメチルシクロヘキサンを留去した。銀微粒子を含有する、スラリー状の残渣を得た。
脱メチルシクロヘキサン後の残渣にメタノールを40g加えた後3分間撹拌を行った。メタノールを加えると銀微粒子の凝集が起こり、1級アミンと2級アミンを被覆してなる銀微粒子はメタノール中に分散することなく、沈殿した。余剰のギ酸やアミン、またはそれらを含有する塩などの成分の相当量は、メタノールに溶解される。その後、上澄み層をデカンテーションにより除去した(1回目の洗浄)。次いで同様にメタノール25gを加え3分間撹拌を行い、上澄み層をデカンテーションにより除去した(2回目の洗浄)。さらに同様にメタノールを10g加え3分間撹拌し、上澄み層をデカンテーションにより除去し(3回目の洗浄)、洗浄工程を終了した。
回収された沈殿層(工程dから得られたメタノール洗浄済みの残渣)にメチルシクロヘキサン15gを添加した後に撹拌を行い、銀微粒子をメチルシクロヘキサン中に分散させた。このメチルシクロヘキサン分散液中には洗浄工程で用いた若干のメタノールが混入している。エバポレーターを用いて40℃120hPaの条件でメタノールを選択的に除去した。この分散液を0.5μmのメンブランフィルター(アドバンテック製)で濾過することで、少量含まれる凝集物を除去し、アミン化合物を被覆した銀微粒子のメチルシクロヘキサン分散液を得た。
工程eから得られた分散液に含まれる銀微粒子につき、次の評価を行った。
銀微粒子の平均粒子径を、ナノトラック粒度分析計(日機装製)を用いて測定した。その測定結果から、銀微粒子の平均粒子径は18.2nmであることが判った。
・実施例2〜12および比較例1〜2
比較例1、実施例2〜12および比較例2においては、表1に示すように、工程bで使用する1級アミン(オレイルアミン)の量を、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオンを基準として(銀カチオンの量を100モル%とする)、それぞれ110、50、40、30、4.2、3.0、2.3、1.5、1.4、0.7、0.5、0.2、0モル%とした。なお、表1において、実施例1は「実1」と、比較例1は「比1」と略記した(表3、5においても同様)。このとき、工程bにおいて使用した1級アミンと2級アミン(ジブチルアミン)の総量は実施例1と同様110モル%とした。したがって、工程bで使用する2級アミンの量も、1級アミンの量に応じて変更した。比較例1では工程bで2級アミンは使用せず、比較例2では工程bで1級アミンを使用しなかった。
比較例3および実施例13〜24においては、工程bで使用する1級アミンとして、オレイルアミンに替えて、3−(ラウリルオキシ)プロピルアミン(分子量243.43)を用いた。1級アミンの量は、表1に示すように、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオンを基準として、110モル%から0.3モル%まで変化させた。このとき、工程bにおいて使用する1級アミンと2級アミンの総量を実施例1と同様110モル%とするために、2級アミンの量も変化させた。
比較例4および実施例25〜33においては、工程bで使用する1級アミンとして、オレイルアミンに替えて、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン(分子量187.32)を用いた。1級アミンの量は、表1に示すように、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオンを基準として、110モル%から1.4モル%まで変化させた。このとき、工程bにおいて使用する1級アミンと2級アミンの総量を実施例1と同様110モル%とするために、2級アミンの量も変化させた。
比較例5および実施例34〜41においては、工程bで使用する1級アミンとして、オレイルアミンに替えて、2−エチルヘキシルアミン(分子量129.24)を用いた。1級アミンの量は、表1に示すように、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオンを基準として、110モル%から1.5モル%まで変化させた。このとき、工程bにおいて使用する1級アミンと2級アミンの総量を実施例1と同様110モル%とするために、2級アミンの量も変化させた。
これらの例では、2級アミンとして、ジブチルアミンに替えて、ジイソプロピルアミンを用いた。また、表3に示す種類の1級アミンを、表3に示す配合量(原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオンを基準として、110、40、3.0または0モル%)で用いた。このとき、工程bにおいて使用する1級アミンと2級アミンの総量を実施例1と同様110モル%とするために、2級アミンの量も変化させた。
これらの例では、工程bにおいて使用する1級アミンと2級アミン(ジブチルアミン)の総量を、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオンを基準として、150モル%とした。そして、表5に示す種類の1級アミンを、表5に示す配合量(原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオンを基準として、110、40、3.0または0モル%)で用いた。このとき、工程bにおいて使用する1級アミンと2級アミンの総量を150モル%とするために、2級アミンの量も変化させた。
工程bから得られた液から、上澄み液をデカンテーションにより除去し、銀微粒子の残渣を回収した。
工程fから得られた残渣にメタノール40gを加え、3分間撹拌し、上澄み液をデカンテーションにより除去した(1回目の洗浄)。続いてメタノール30gを用いて2回目の洗浄を行った。
・工程h
洗浄後の残渣を回収し銀微粒子を得た。
各例において、工程eから得られた分散液に含まれる銀微粒子、あるいは工程hから得られる銀微粒子について、実施例1と同様の物性評価を行った。すなわち、これら銀微粒子につき、平均粒子径を測定し、また、銀微粒子を被覆するアミン化合物の質量を熱分析により測定した。ただし、銀微粒子を被覆するアミン化合物の質量は、実施例1と、実施例30(1級アミンとして3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミンを用い、粉末状酸化銀中の銀カチオンを基準として、1級アミンを3.0モル%使用し、1級アミンと2級アミンの総量を110モル%とした例)についてのみ測定した。
表2、4、6に、各例において工程bから得られた液中の、銀微粒子の分散状態を示す。表中、工程bから得られる液(銀微粒子と炭化水素溶媒との混合物)を10分間静置した場合に、目視にて沈殿が確認されなかった場合を「(S)」で表し、目視にて沈殿が認められ液が清澄になったと認められた場合を「(A)」で表し、両者の中間的な状態を「S+A」で表す。
本例では、実施例1と途中まで同様の手法を用いて銀微粒子を作製し、引き続いての工程により極性溶媒に分散した形態の銀微粒子を作製する。
次に、極性溶媒に対して親和性を有する保護剤として、リシノール酸とジェファーミンEDR−148(商品名。ハンツマン・コーポレーション製のポリアミン)を導入する。実施例1において、工程dを終えた段階で、銀100質量部に対して、9質量部のアミン化合物が銀微粒子を被覆していることが判っている。保護剤の置換工程においては、導入する保護剤の質量を置換されるアミン化合物の質量に対して過剰に作用させることにより効率よく保護剤の置換が行われる。本実施例においても工程a〜dにて銀100質量部に対して9質量部のアミン化合物が銀微粒子を被覆しているものとみなした上で、銀100質量部に対して18質量部(後述するリシノール酸とジェファーミンEDR−148の合計量)にあたる保護剤を作用させる。
工程iで得られた銀微粒子とメタノールとの混合物にヘキサンを20g加えて3分間撹拌した。この微粒子は極性溶媒に対して親和性を有するため、非極性溶媒であるヘキサンを加えることで凝集し沈殿する。メタノールとヘキサンの混合層をデカンテーションで除去することで微粒子の洗浄を行った(1回目の洗浄)。なお、ここではメタノール除去とヘキサンによる洗浄とを同時に行っている。
得られた銀微粒子(工程jから得られた残渣)にイソプロパノール(IPA)すなわち2−プロパノールを30g加えて、IPA分散液(保護剤で被覆された銀微粒子がIPAに分散した分散液)を得た。このIPA分散液中には洗浄工程で用いた若干のメタノール、ヘキサンが混入している。エバポレーターを用いて40℃120hPaの条件でそれらの溶媒を蒸気圧の差を用いて選択的に除去した。IPA分散液を0.5μmのガラスフィルター(アドバンテック製)で濾過し、分散液中に少量含まれる凝集物を除去した。IPA分散液中に含まれる銀濃度(IPA分散液全体に対する、保護剤で被覆された銀微粒子の質量割合)を測定すると、28.2質量%であった。
得られたIPA分散液(固形分28.2質量%)を53質量%、IPAを14質量%、フッ素系溶剤Novec7200(商品名。住友スリーエム製)を32.5質量%、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールを0.5質量%、配合することにより、反転印刷用導電性インキを製造した。このインキの表面張力を25℃で表面張力計(協和界面科学製)を用いて測定すると18.1mN/mであった。
本例では、実施例1と途中まで同様の手法を用いて銀微粒子を作製し、引き続いての工程により極性溶媒に分散した形態の銀微粒子を作製する。
次に、極性溶媒に対して親和性を有する保護剤として、リシノール酸とマレイン酸モノエチルを導入する。実施例1において、工程dを終えた段階で、銀100質量部に対して、9質量部のアミン化合物が銀微粒子を被覆していることが判っている。保護剤の置換工程においては、導入する保護剤の質量を置換されるアミン化合物の質量に対して過剰に作用させることにより効率よく保護剤の置換が行われる。本実施例においても工程a〜dにて銀100質量部に対して9質量部のアミン化合物が銀微粒子を被覆しているものとみなした上で、銀100質量部に対して16質量部(後述するリシノール酸とマレイン酸モノエチルの合計量)にあたる保護剤を作用させる。
得られた銀微粒子とメタノールとの混合物にヘキサンを20g加えて3分間撹拌した。この微粒子は極性溶媒に対して親和性を有するため、炭化水素溶媒であるヘキサンを加えることで凝集し沈殿する。メタノールとヘキサンの混合層をデカンテーションで除去することで微粒子の洗浄を行った(1回目の洗浄)。なお、ここではメタノール除去とヘキサンによる洗浄とを同時に行っている。
得られた銀微粒子(工程jから得られた残渣)にイソプロパノール(IPA)を25g加えて、IPA分散液(保護剤で被覆された銀微粒子がIPAに分散した分散液)を得た。このIPA分散液中には洗浄工程で用いた若干のメタノール、ヘキサン、アセトンが混入している。エバポレーターを用いて40℃120hPaの条件でそれらの溶媒を蒸気圧の差を用いて選択的に除去した。IPA分散液を0.5μmのガラスフィルター(アドバンテック製)で濾過し、分散液中に少量含まれる凝集物を除去した。IPA分散液中に含まれる銀濃度(IPA分散液全体に対する、保護剤で被覆された銀微粒子の質量割合)を測定すると、27.4質量%であった。
得られたIPA分散液(固形分27.4質量%)を55質量%、IPAを12質量%、フッ素系溶剤Novec7200(商品名。住友スリーエム製)を32.5質量%、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールを0.5質量%、配合することにより、反転印刷用導電性インキを製造した。このインキの表面張力を25℃で表面張力計(協和界面科学製)を用いて測定すると17.9mN/mであった。
本例では、実施例30と途中まで同様の手法を用いて銀微粒子を作製し、引き続いての工程により極性分散型銀微粒子を作製する。
極性溶媒に対して親和性を有する保護剤として、リシノール酸とジェファーミンEDR−148(商品名。ハンツマン・コーポレーション製のポリアミン)を導入する。実施例30において、工程gを終えた段階で、銀100質量部に対して、2.6質量部のアミン化合物が銀微粒子を被覆していることが判っている。保護剤の置換工程においては、導入する保護剤の質量を置換されるアミン化合物の質量に対して過剰に作用させることにより効率よく保護剤の置換が行われる。本実施例においても工程a、程b、fおよびgにて銀100質量部に対して2.6質量部のアミン化合物が銀微粒子を被覆しているものとみなした上で、銀100質量部に対して6質量部(後述するリシノール酸とジェファーミンEDR−148の合計量)にあたる保護剤を作用させる。
工程lから得られた液から、メタノールをデカンテーションにより除去した。得られた残渣にイソヘキサン(商品名:キョーワゾールC−600M、KHネオケム製)を30g加え、3分間撹拌を行い、イソヘキサンをデカンテーションにより除去した(洗浄操作)。
洗浄後の残渣を回収し、銀微粒子を得た。
Claims (14)
- 粉末状酸化銀(I)を原料として用いて銀微粒子を調製する、銀微粒子の調製方法であって、
a)炭化水素溶媒中で、粉末状酸化銀(I)にギ酸を作用させて、粉末状酸化銀(I)をギ酸銀(I)に変換する工程、および
b)前記炭化水素溶媒中で、前記ギ酸銀(I)中に含まれる銀カチオンを、アミン化合物による還元反応により銀原子に還元して、アミン化合物によって表面が被覆された銀微粒子を形成する工程
を含み、
前記アミン化合物として、1級アミンと2級アミンの両方を用いる
ことを特徴とする銀微粒子の調製方法。 - 工程bにおいて、粒子径が相対的に小さな銀微粒子を形成する場合に前記アミン化合物に占める1級アミンの割合を相対的に大きくし、粒子径が相対的に大きな銀微粒子を形成する場合に前記アミン化合物に占める1級アミンの割合を相対的に小さくすることにより、銀微粒子の粒子径を制御する
ことを特徴とする請求項1記載の銀微粒子の調製方法。 - 前記炭化水素溶媒が、炭素数6以上9以下の直鎖のアルカンまたは炭素数6以上9以下のシクロアルカンであって、65℃以上155℃以下の沸点を有し、
工程aにおいて、前記炭化水素溶媒を、前記粉末状酸化銀(I)100質量部当たり350質量部以上600質量部以下用いる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の銀微粒子の調製方法。 - 前記1級アミンの分子量が、120以上300以下であり、
前記1級アミンが、前記炭化水素溶媒に対して親和性を有する脂肪族炭化水素鎖を有する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の銀微粒子の調製方法。 - 前記2級アミンの分子量が、100以上190以下であり、
前記2級アミンが、前記炭化水素溶媒に対して親和性を有する脂肪族炭化水素鎖を有する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の銀微粒子の調製方法。 - 工程bにおいて、原料の粉末状酸化銀(I)中に含まれる銀カチオンを基準として、1級アミンと2級アミンを合計で110モル%以上150モル%以下用いる
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の銀微粒子の調製方法。 - 工程bにおいて、炭化水素溶媒中で分散した銀微粒子を形成する場合には相対的に分子量が大きい1級アミンを用い、炭化水素溶媒中で沈殿した銀微粒子を形成する場合には相対的に分子量が小さい1級アミンを用いることにより、銀微粒子の分散状態を制御する
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の銀微粒子の調製方法。 - 工程bにおいて、炭化水素溶媒中で分散した銀微粒子を形成し、
工程bの後に、
c)工程bから得られる反応液から、工程aおよびbで用いた炭化水素溶媒を減圧下で気化させて除去し、銀微粒子を含む残渣を回収する工程、
d)工程cから得られる残渣をアルコールで洗浄する工程、および、
e)工程dから得られるアルコール洗浄した残渣を、工程aおよびbで用いた炭化水素溶媒と同一のもしくは異なる炭化水素溶媒に分散させて、銀微粒子を含む分散液を得る工程
を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の銀微粒子の調製方法。 - 工程bにおいて、炭化水素溶媒中で沈殿した銀微粒子を形成し、
工程bの後に、
f)工程bから得られる反応液から、工程aおよびbで用いた炭化水素溶媒を除去し、銀微粒子を含む残渣を回収する工程、
g)工程fから得られる残渣をアルコールで洗浄する工程、および、
h)工程gから得られる残渣を回収して、銀微粒子を得る工程
を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の銀微粒子の調製方法。 - 工程bにおいて、炭化水素溶媒中で分散した銀微粒子を形成し、
工程bの後に、
c)工程bから得られる反応液から、工程aおよびbで用いた炭化水素溶媒を減圧下で気化させて除去し、銀微粒子を含む残渣を回収する工程、
d)工程cから得られる残渣をアルコールで洗浄する工程、および、
i)アルコール中で、工程dから得られる残渣に含まれる銀微粒子の表面を被覆しているアミン化合物を、極性溶媒に対して親和性を有する保護剤で置換して、前記保護剤によって表面が被覆された銀微粒子を形成する工程、
j)工程iから得られる、銀微粒子とアルコールとを含む混合物に対して、アルコール除去、および炭化水素溶媒による洗浄を行う工程、
k)工程jから得られる炭化水素溶媒で洗浄した残渣を、極性溶媒に分散させて、銀微粒子を含む分散液を得る工程
を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の銀微粒子の調製方法。 - 工程bにおいて、炭化水素溶媒中で沈殿した銀微粒子を形成し、
工程bの後に、
f)工程bから得られる反応液から、工程aおよびbで用いた炭化水素溶媒を除去し、銀微粒子を含む残渣を回収する工程、
g)工程fから得られる残渣をアルコールで洗浄する工程、および、
l)アルコール中で、工程gから得られる残渣に含まれる銀微粒子の表面を被覆しているアミン化合物を、極性溶媒に対して親和性を有する保護剤で置換して、前記保護剤によって表面が被覆された銀微粒子を形成する工程、
m)工程lから得られる、銀微粒子とアルコールとを含む混合物から、アルコールを除去し、得られた残渣を炭化水素溶媒で洗浄する工程、および
n)工程mから得られる残渣を回収して、銀微粒子を得る工程
を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の銀微粒子の調製方法。 - 前記保護剤が、有機酸およびアミノ基を二つ以上有するポリアミンのうちのいずれか一方またはそれらの組み合わせである
ことを特徴とする請求項10に記載の銀微粒子の調製方法。 - 前記保護剤が、有機酸およびアミノ基を二つ以上有するポリアミンのうちのいずれか一方またはそれらの組み合わせである
ことを特徴とする請求項11に記載の銀微粒子の調製方法。 - 前記アルコールがすべてメタノールであることを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載の銀微粒子の調製方法。
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