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JP6319663B2 - エロージョン試験装置、および、エロージョン試験方法 - Google Patents
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JP6319663B2 - エロージョン試験装置、および、エロージョン試験方法 - Google Patents

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Description

この発明は、エロージョン試験装置および、エロージョン試験方法に関する。
ガスタービンにあっては、その効率向上を図る目的で、使用するガス温度を高く設定する場合がある。つまり、ガスタービンのタービン部材(動翼、静翼など)は、高温のガスに晒されることとなる。そのため、タービン部材の表面には、遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating:TBC)が施されている。この遮熱コーティングは、熱伝導率の低いセラミック系材料等の溶射材を、被溶射物であるタービン部材の表面に溶射して形成されている。このような遮熱コーティングによりタービン部材を被覆することによって、タービン部材の遮熱性および耐久性を向上させている。
一方で、上記遮熱コーティングには、燃焼ガスに含まれる各種微粒子によって、いわゆるエロージョンが生じ、減肉してしまうことがある。
特許文献1には、低い熱伝導率を維持しつつ、遮熱コーティングの耐エロージョン性を改善する技術が開示されている。具体的には、遮熱コーティングとして、約1.0117から約1.0148の範囲のジルコニア格子のc/a比を有し、且つ、イットリア単独以外の安定化量の金属酸化物安定剤で正方晶相に安定化されたジルコニア含有セラミック組成物を含み、その空隙率を約0.1から0.25としたものが提案されている。
また、上述した遮熱コーティングにあっては、上述した耐エロージョン性を確認するために、試験片を用いた評価試験を行う場合がある。
特許文献2には、キャリアガスによって搬送される粉体を、試験片にサンドブラストして試験片の摩耗量を測定する試験装置において、キャリアガスを所望の温度に加熱してサンドブラストする技術が提案されている。
特開2005−232590号公報 特開平8−062114号公報
しかしながら、上述した特許文献2に記載の試験装置では、試験片の母材の溶融温度に近い800℃程度まではキャリアガスを加熱できるものの、母材の溶融温度を超える温度までキャリアガスを加熱することができない。これは、キャリアガス加熱部として、熱交換器を用いているためである。また、特許文献2に記載の試験装置では、キャリアガスの供給源としてボンベを用いているため、キャリアガスの流速を十分に高めることができない。
そのため、例えば、温度が1500℃程度となる高流速の燃焼ガスを用いる高出力型のガスタービンの遮熱コーティングを試験する場合に、実機と同じ境界条件で行うことができず、遮熱コーティングの耐エロージョン性を正しく評価できない可能性がある。
一方で、高温且つ高流速の燃焼ガスを得るためには、実機の燃焼器を用いることも考えられるが、装置が大型化してしまう。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、装置の大型化を抑制しつつ、試験片の遮熱コーティングの耐エロージョン性を正しく評価することが可能なエロージョン試験装置および、エロージョン試験方法を提供することを目的とする。
この発明の第一態様によれば、エロージョン試験装置は、圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させることで燃焼ガスを得る燃焼器と、前記圧縮空気にエローダントを供給するエローダント供給部と、遮熱コーティングにより表面が被覆された試験片を収容して支持する収容支持部と、前記エローダントを含む前記燃焼ガスを加速させて前記試験片に衝突させる加速器と、を備え、前記加速器は、前記燃焼器に接続され、前記燃焼ガスの流れる方向で下流側に向かうほど流路断面積が漸次減少する管状の絞り部と、一定の流路断面積を有する直管状に形成され、前記絞り部の下流側端部と前記収容支持部との間を繋ぐとともに、下流側端部が前記試験片の表面に対向する直管部と、を備える。
このように構成することで、燃焼器の燃焼ガスをエローダントのキャリアガスとして用いることができる。そのため、試験片の温度を、実機のタービン部材と同等の温度まで加熱することができる。また、エローダントを含む燃焼器で燃焼させた燃焼ガスを、加速器によって加速させた後に試験片に衝突させることができる。これにより、小型の燃焼器を用いつつ、実機の燃焼ガスと同等の流速まで、燃焼ガスの流速を高めることができる。つまり、試験片の遮熱コーティングの境界条件を、実機における遮熱コーティングの境界条件と同等にすることができる。
その結果、大型化を抑制しつつ、試験片の遮熱コーティングの耐エロージョン性を正しく評価することが可能となる。
また、このように絞り部の流路断面積が漸次減少することで、円滑に燃焼ガスの流速を高めることができる。また、直管部を設けることで、流速が高められた燃焼ガスを整流して、燃焼ガスをより加速させることができる。そのため、燃焼ガスの流速を十分に高めつつ試験片に対して効率よくエローダントを衝突させることができる。
この発明の第二態様によれば、エロージョン試験装置は、第一態様において、前記試験片の裏面に冷媒を吹き付けて冷却する冷却部を備えていてもよい。
このように構成することで、遮熱コーティングで被覆された試験片の母材を冷却することができる。そのため、実機のタービン部材の厚さ方向の温度分布と同様の温度分布を、試験片にも出現させることができる。
この発明の第態様によれば、エロージョン試験装置は、第一から第三態様の何れか一つの態様における燃焼器が、燃焼ガスに対して温度調整用の空気を供給可能な空気供給部を備えていてもよい。
このように構成することで、燃焼ガスに温度調整用の空気を供給して、燃焼ガスの温度を低下させることができる。そのため、温度調整用の空気の供給量を増減することで、試験片の遮熱コーティングの温度を、所望の温度に容易に調整することができる。
この発明の第態様によれば、エロージョン試験装置は、第一から第四態様の何れか一つの態様における収容支持部が、前記試験片を収容する収容空間に通じる観察窓を備えていてもよい。
このように構成することで、観察窓を介してエロージョン試験中の試験片の状態を観察することができる。そのため、試験片の境界条件と、実機の境界条件との間にずれが生じることを抑制できる。
この発明の第態様によれば、エロージョン試験方法は、圧縮空気にエローダントを供給し、該エローダントを含む圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させた燃焼ガスを、加速器を用いて加速させた後に、遮熱コーティングが施された試験片に衝突させ、前記加速器は、前記燃焼ガスの流れる方向で下流側に向かうほど流路断面積が漸次減少する管状の絞り部と、該絞り部の下流側端部に接続されるとともに一定の流路断面積を有する直管状に形成され、下流側端部が前記試験片の表面に対向する直管部と、を備える。
このように構成することで、ガスタービンの実機よりも十分に小さい装置を用いて、実機のタービン部材と同等の環境でエロージョン試験を行うことができる。そのため、遮熱コーティングの評価を容易、且つ、正確に行うことができる。
上記エロージョン試験装置および、エロージョン試験方法によれば、装置の大型化を抑制しつつ、高温、且つ、高流速の燃焼ガスを用いるガスタービンの遮熱コーティングを正しく評価することができる。
この発明の実施形態における試験片の部分断面斜視図である。 この発明の実施形態におけるエロージョン試験装置の構成を示す部分断面図である。 この発明の実施形態における支持部本体の拡大断面図である。 この発明の実施形態における加速器の形状の一例についての説明図である。 縦軸を粒子速度(m/s)、横軸を加速距離(m)としたグラフである。
次に、この発明の一実施形態におけるエロージョン試験装置、加速器、および、エロージョン試験方法を図面に基づき説明する。
図1は、この発明の実施形態における試験片の部分断面斜視図である。
図1に示すように、試験片1は、ガスタービンのタービン翼の表面を模擬して形成されている。この試験片1は、母材10と、遮熱コーティング層11とにより構成されている。この実施形態における試験片1は、円盤状に形成されている。
母材10は、Ni基合金等の耐熱合金からなる。
遮熱コーティング層11は、母材10の表面に形成されている。この遮熱コーティング層11は、ボンドコート層12と、トップコート層13とを備えている。
ボンドコート層12は、母材10からトップコート層13が剥離することを抑制する。このボンドコート層12は、耐食性および耐酸化性に優れた金属結合層である。ボンドコート層12は、例えば、溶射材としてMCrALY合金の金属溶射粉を母材10の表面に対して溶射することで形成される。ここで、ボンドコート層12を構成するMCrAlY合金の「M」は、金属元素を示している。この金属元素「M」は、例えば,NiCo,Ni、Co等の単独の金属元素、又は、これらのうち2種以上の組み合わせからなる。
トップコート層13は、ボンドコート層12の表面に積層されている。このトップコート層13は、セラミックを含む溶射材をボンドコート層12の表面に溶射することで形成される。この実施形態におけるトップコート層13は、その気孔率(単位体積当たりの気孔の占有率)が、例えば、8〜15%程度に形成されている。トップコート層13を形成する際に用いられる溶射材としては、ジルコニア系セラミックを用いることができる。ジルコニア系セラミックとしては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、および、酸化イッテルビウム(Yb)で部分安定化させたジルコニア(ZrO)であるイッテルビア安定化ジルコニア(YbSZ)等が挙げられる。この実施形態における試験片1は、その表面に遮熱コーティング層11が配され、その裏面に母材10が配されている。つまり、試験片1の裏面側に、母材10を形成する金属が露出した状態となる。この実施形態における母材10の厚さは、例えば、実機であるガスタービンのタービン翼の母材と同等の厚さに形成することができる。
図2は、この発明の実施形態におけるエロージョン試験装置の構成を示す部分断面図である。
図2に示すように、エロージョン試験装置20は、燃焼器21と、エローダント供給部22と、収容支持部23と、加速器24と、を備えている。このエロージョン試験装置20は、キャリアガスによって搬送されるエローダント(粉体)を、上述した試験片1に衝突させる装置である。ユーザは、このエロージョン試験装置20により試験を行った試験片1の摩耗量を計測することで、遮熱コーティング層11のエロージョン特性を評価することができる。
燃焼器21は、圧縮機(図示せず)にて圧縮された圧縮空気に燃料を混合して燃焼させる。この燃焼器21によって燃焼された燃焼ガスGは、エローダントのキャリアガスとなる。また、燃焼器21は、燃焼ガスGに対して外部から圧縮空気を供給可能な空気供給部25を備えている。空気供給部25は、電磁弁等により燃焼ガスGに対して供給する空気量を細かく調整可能となっている。この空気供給部25によれば、例えば、燃焼ガスGに対して供給する空気量を増加させることで、燃焼ガスGの温度を低下させることができる。
燃焼器21は、架台26によって収容支持部23の上方に配置されている。燃焼器21は、燃焼ガスGが鉛直下方に向かうように、その噴射口21aが下方を向くようにして架台26に取り付けられている。また、燃焼器21は、断熱性に優れた容器21bを備え、燃焼ガスGの熱エネルギーが容器21bを介して外部に放出されることを抑制している。
エローダント供給部22は、燃焼ガスGに対してエローダントを供給する。このエローダント供給部22は、燃焼器21に取り付けられている。エローダント供給部22は、ホッパ(図示せず)等に収容されたエローダントを定量供給することで燃焼ガスGに合流させる。ここで、例えば、燃焼前の圧縮空気にエローダントを合流させて、間接的に燃焼ガスGにエローダントを供給するようにしても良い。エローダントとしては、例えば、ケイ砂、アルミナ、フライアッシュ等を用いることができる。
収容支持部23は、遮熱コーティング層11により表面が被覆された試験片1を下方から支持した状態で収容する。この収容支持部23は、チャンバー27と、支持部本体28と、を備えている。
チャンバー27は、試験片1を収容する収容空間Sを画成する。チャンバー27を構成する各壁部29も、上述した燃焼器21の容器21bと同様に、断熱性に優れた材料を用いて形成されている。つまり、チャンバー27は、壁部29の断熱性により収容空間Sを保温することが可能となっている。これら壁部29および容器21bは、断熱材自体により形成されるか、又は、躯体(図示せず)に断熱材が取り付けられることで断熱性が担保されている。
図3は、この発明の実施形態における支持部本体の拡大断面図である。
図2、図3に示すように、支持部本体28は、試験片1を下方から支持するとともに、試験片1の裏面側に露出する母材10を冷却する。この支持部本体28は、冷却空気供給部31と、支持環部32と、を備えている。
冷却空気供給部31は、外部から供給される冷却空気を、母材10に対して吹き付ける。この冷却空気供給部31は、空気供給管33と、箱体34と、を備えている。
空気供給管33は、チャンバー27の側壁27a(図2参照)を貫通して、収容空間Sの水平方向における中心に向けて延びる管状に形成されている。この空気供給管33の内部を収容空間Sの中心に向かって外部から供給された冷却空気が流れる。この空気供給管33の端部は、箱体34の側壁に接続されている。
箱体34は、空気供給管33によって供給された冷却空気の向きを、試験片1の裏面の有る上方に向かうように変更する。この実施形態における箱体34は、その上壁34aのみが、複数の孔を有するパンチングメタルやメッシュ等で形成されている。これにより、空気供給管33から箱体34に流入した冷却空気は、上壁34aの孔を介して上方に向かって噴出される。
支持環部32は、冷却空気供給部31の箱体34の上壁周縁から上方に向かって突出する環状に形成されている。試験片1は、この支持環部32に保持される。試験片1の保持方法としては、ボルト結合や、溶接等が挙げられる。これにより、試験片1は、箱体34の上壁34aから所定距離だけ離間するとともに、上壁34aと平行な姿勢で支持環部32により下方から支持される。ここで、冷却空気供給部31は、冷却空気が流れる流路に熱電対等の温度検出部を有していても良い。このようにすることで、温度検出部により検出された冷却空気の温度に応じて冷却空気の流量を調整して、試験片1の厚さ方向の温度分布を制御することができる。
上述した支持部本体28を構成する空気供給管33、箱体34、および、支持環部32は、冷却空気を供給する管路としての機能だけではなく、試験片1を下方から支持する片持ち梁を兼ねている。
収容支持部23は、外部から試験片1を収容する収容空間Sに通じる観察窓部35を備えている。この観察窓部35は、支持部本体28に支持された試験片1を中心として、放射方向に延びている。この実施形態における観察窓部35には、試験片1の温度分布を検出可能なサーモビュアTVが取り付けられている。ここで、この実施形態においては、収容支持部23に観察窓部35が一つだけ形成されている場合を例示した。しかし、収容支持部23に対して複数の観察窓部35を形成するようにしても良い。また、観察窓部35には、サーモビュア以外の観測装置を取り付けるようにしても良い。
図3においては、図示都合上省略しているが、上述した支持環部32は、試験片1の裏面に衝突した冷却空気を収容空間Sに排出できるように、例えば、切り欠き(図示せず)等を備えている。また、収容支持部23には、試験片1に吹き付けられるエローダントを排出するエローダント排出機構(図示せず)が設けられている。このエローダント排出機構によって、試験片1に吹き付けられたエローダントは、エローダント排出機構によって吸引されてチャンバー27の外部に排出される。
加速器24は、エローダントを含む燃焼ガスGの流速を加速させて試験片1に衝突させる。図2に示すように、この加速器24は、絞り部36と、直管部37と、を備えている。
絞り部36は、燃焼ガスGの流れる方向における上流側の端部が、燃焼器21に接続されている。この絞り部36は、燃焼ガスGの流れる方向で下流側に向かうほど流路断面積が漸次減少する管状に形成されている。この実施形態における絞り部36は、一定の傾斜角度で流路断面積が減少している。
直管部37は、一定の流路断面積を有する直管状に形成されている。この直管部37は、絞り部36の下流側の端部36aと収容支持部23との間を繋いでいる。より具体的には、直管部37は、絞り部36の下流側の端部36aから収容支持部23の収容空間Sの内部にまで延びている。この直管部37の下流側の端部37aは、試験片1の直ぐ上の位置に配される。この直管部37は、その軸線O1が、収容支持部23の内部に収容された試験片1の表面と直交するように配置されている。つまり、加速器24は、燃焼器21の内部空間S1と、収容支持部23の収容空間Sとを連通させている。
図4は、この発明の実施形態における加速器の形状の一例についての説明図である。図5は、縦軸を粒子速度(m/s)、横軸を加速距離(m)としたグラフである。
図4に示すように、この実施形態における絞り部36の傾斜角度θは、エローダントの安息角以上となるように形成されている。ここで、傾斜角度θは、軸線O1に垂直な水平面に対する角度である。
直管部37の内径D2は、燃焼器21の排ガス量を基に、直管部37の出口における流速が、音速よりも低くなる大きさとされている。例えば、燃焼器21の負荷が100%のときの排ガス量を「Q」(m/s)、排ガスの音速を「Vc」(m/s)とすると、内径D2は、以下の(1)式で求めることができる。
D2=(Q/Vc×4/Π)0.5・・・(1)
直管部37は、エローダントの粒子速度が目標値となるような長さLで形成される。
例えば、直管部37のガス流速が600m/s、エローダントの粒子径が100μmの場合、図5に示すように、エローダントの粒子速度の目標値を200m/sに設定すると、直管部37の長さL(=加速距離)は、0.5m程度にすればよいこととなる。
絞り部36のガス流速を「V1」、直管部37のガス流速を「V2」とすると、以下の(2)式が成り立つ。
V1/V2=D2/D1・・・(2)
ここで、図5のグラフに示すように、加速距離が「0」に近い範囲(例えば、0〜1mの範囲)において、加速距離が長くなるにつれてエローダントの粒子速度が急激に高くなる。言い換えれば、粒子速度の上昇率が高い。しかし、加速距離が1mを超える辺りで、粒子径によってばらつきはあるものの、粒子速度の上昇率が急激に低くなる。言い換えれば、加速距離が増加しても粒子速度が上昇し難くなっている。つまり、粒子速度の上昇率が高い加速距離の範囲で、直管部37の長さLを設定することで、直管部37の長尺化を抑制しつつ効率よく粒子速度を上昇させることができる。
次に、この実施形態におけるエロージョン試験装置20によるエロージョン試験方法について説明する。
まず、母材10の表面に遮熱コーティング層11を有する試験片1を作成する。
さらに、この試験片1を支持部本体28にセットする。
また、所望の粒径を有したエローダントを、エローダント供給部22のホッパに予め収容させる。
次いで、エロージョン試験装置20を駆動させる。すると、燃焼器21において圧縮空気と燃料とが混合状態で燃焼されて、キャリアガスである高温の燃焼ガスGが生成される。さらに、この高温の燃焼ガスGに対して、空気供給部25を介して圧縮空気が供給されて温度調整されるとともに、エローダントが定量供給される。
一方で、収容支持部23の収容空間Sに配される試験片1に対して、冷却空気供給部31によって裏面から冷却空気が吹き付けられる。これにより、母材10の冷却が継続される。
この状態で、エローダントが一定量含まれる燃焼ガスGは、加速器24に流入してエローダントが目標速度となる流速にまで加速される。目標速度にまで加速されたエローダントは、加速器24を介して収容空間Sで保持された試験片1の遮熱コーティング層11、より具体的にはトップコート層13に順次衝突する。この際、サーモビュアTVにより、試験片1の温度分布がユーザにより監視されて、実機と同等の温度分布となるように、燃焼ガスGの温度調整、および、冷却空気による試験片1の温度調整が行われる。
ユーザは、この状態を所定時間継続した後、エロージョン試験装置20を停止させて、試験片1を収容支持部23から取り出し、トップコート層13等に生じた摩耗状況などを評価することとなる。
したがって、上述した実施形態によれば、燃焼器21の燃焼ガスGをエローダントのキャリアガスとして用いることができる。そのため、試験片1の温度を、実機のタービン部材と同等の温度まで加熱することができる。また、エローダントを含む燃焼ガスGを、加速器24によって加速させた後に試験片1に衝突させることができる。これにより、小型の燃焼器21を用いつつ、実機の燃焼ガスと同等の流速まで、エローダントを含む燃焼ガスGの流速を高めることができる。つまり、試験片1の遮熱コーティング層11の境界条件を、実機における遮熱コーティングの境界条件と同等にすることができる。その結果、装置の大型化を抑制しつつ、試験片1の遮熱コーティング層11の耐エロージョン性を正しく評価することが可能となる。
さらに、冷却空気供給部31を備えていることで、遮熱コーティング層11で被覆された試験片1の母材10を冷却することができる。そのため、実機のタービン部材の厚さ方向の温度分布と同様の温度分布を、試験片1にも出現させることができる。その結果、試験片1の遮熱コーティング層11に対する耐エロージョン性をより正確に評価することができる。
また、加速器24において、絞り部36の流路断面積が漸次減少することで、円滑に燃焼ガスの流速を高めることができる。さらに、直管部37を設けることで、絞り部36により流速が高められた燃焼ガスGを整流して、燃焼ガスGをより加速させることができる。その結果、燃焼ガスGの流速を十分に高めつつ試験片1に対して効率よくエローダントを衝突させることができる。
また、燃焼ガスGに温度調整用の空気を供給して、燃焼ガスGの温度を低下させることができる。そのため、温度調整用の空気の供給量を増減することで、試験片1の遮熱コーティング層11の温度を、所望の温度に容易に調整することができる。
さらに、観察窓部35を介してエロージョン試験中の試験片1の状態を観察することができる。そのため、試験片1の境界条件と、実機の境界条件との間にずれが生じることを抑制できる。
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態においては、支持部本体28が試験片1を冷却する冷却部を兼ねる場合について説明した。しかし、この構成に限られず、例えば、試験片1を保持する機構と、冷却空気を供給する機構とを個別に設けるようにしても良い。
また、上述した実施形態においては、冷却空気供給部が空気供給管33と、箱体34とを備える場合について説明した。しかし、空気供給管33の開口部が試験片1に向くように空気供給管33を曲げて、試験片1に対して空気供給管33から直接冷却空気を吹き付けるようにしても良い。
1 試験片
10 母材
11 遮熱コーティング層
12 ボンドコート層
13 トップコート層
20 エロージョン試験装置
21 燃焼器
21a 噴射口
21b 容器
22 エローダント供給部
23 収容支持部
24 加速器
25 空気供給部
26 架台
27 チャンバー
27a 側壁
28 支持部本体
29 壁部
31 冷却空気供給部
32 支持環部
33 空気供給管
34 箱体
34a 上壁
35 観察窓部
36 絞り部
36a 下流側の端部
37 直管部
37a 下流側の端部
S 収容空間
S1 内部空間
G 燃焼ガス
O1 軸線
TV サーモビュア

Claims (5)

  1. 圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させることで燃焼ガスを得る燃焼器と、
    前記圧縮空気にエローダントを供給するエローダント供給部と、
    遮熱コーティングにより表面が被覆された試験片を収容して支持する収容支持部と、
    前記エローダントを含む前記燃焼ガスを加速させて前記試験片に衝突させる加速器と、
    を備え
    前記加速器は、
    前記燃焼器に接続され、前記燃焼ガスの流れる方向で下流側に向かうほど流路断面積が漸次減少する管状の絞り部と、
    一定の流路断面積を有する直管状に形成され、前記絞り部の下流側端部と前記収容支持部との間を繋ぐとともに、下流側端部が前記試験片の表面に対向する直管部と、を備えるエロージョン試験装置。
  2. 前記試験片の裏面に冷媒を吹き付けて冷却する冷却部を備える請求項1に記載のエロージョン試験装置。
  3. 前記燃焼器は、
    燃焼ガスに対して温度調整用の空気を供給可能な空気供給部を備える請求項1又は2に記載のエロージョン試験装置。
  4. 前記収容支持部は、前記試験片を収容する収容空間に通じる観察窓を備える請求項1からの何れか一項に記載のエロージョン試験装置。
  5. 圧縮空気にエローダントを供給し、該エローダントを含む圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させた燃焼ガスを、加速器を用いて加速させた後に、遮熱コーティングが施された試験片に衝突させ、
    前記加速器は、
    前記燃焼ガスの流れる方向で下流側に向かうほど流路断面積が漸次減少する管状の絞り部と、
    該絞り部の下流側端部に接続されるとともに一定の流路断面積を有する直管状に形成され、下流側端部が前記試験片の表面に対向する直管部と、を備えるエロージョン試験方法。
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