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JP6817699B2 - 溶融塩浸透試験装置、および、溶融塩浸透試験方法 - Google Patents
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JP6817699B2 - 溶融塩浸透試験装置、および、溶融塩浸透試験方法 - Google Patents

溶融塩浸透試験装置、および、溶融塩浸透試験方法 Download PDF

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Description

この発明は、溶融塩浸透試験装置、および、溶融塩浸透試験方法に関する。
ガスタービンは、その効率向上を図る目的で、使用するガス温度を高く設定する場合がある。その場合、ガスタービンのタービン部材(動翼、静翼など)は、高温のガスに晒されることとなる。そのため、タービン部材の表面には、一般に、遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating:TBC)が施されている。
この遮熱コーティングは、熱伝導率の低いセラミック系材料等の溶射材を、被溶射物であるタービン部材の表面に溶射して形成されている。このような遮熱コーティングによりタービン部材を被覆することによって、タービン部材の遮熱性および耐久性を向上させている。
一方で、特に重油を燃料としたガスタービンは、硫黄、バナジウム、ナトリウムなどの腐食成分が燃焼ガスに含まれる。そのため、上述した遮熱コーティングは、上述した遮熱性に加えて、母材の耐食性を維持することが求められる。
特許文献1には、低質重油を燃料とするガスタービンにおいて、高温使用環境下で腐食を促進させる硫黄、バナジウム、ナトリウムに対する高い耐食性を有する溶射被膜が提案されている。
この特許文献1は、試験装置を用いて、遮熱コーティングを施した試験片に対して高温腐食試験、高温熱衝撃試験、および、バーナーリグ試験を行っている。
高温腐食試験では、まず、溶融塩を入れたるつぼに試験片を浸漬させて、この試験片を浸漬させたるつぼを電気炉に挿入する。さらに、この電気炉に実機ガスタービン燃焼模擬ガスを流通させた状態で、900℃×100時間保持する。実験終了後、試験片を取出し、湯洗及び酸洗して試験片の遮熱コーティングに付着した溶融縁を除去する。その後、試験前後の試験片の重量変化を測定し腐食減量を求めるとともに、マイクロメーターにて減肉量を求めて腐食量を評価する。
特開平11−131206号公報
特許文献1に記載された高温腐食試験は、試験片を溶融塩に浸漬させた状態で、ガスタービン燃焼模擬ガスを流通させている。そのため、実機に生じる遮熱コーティングの厚さ方向の温度分布や温度勾配を再現できていない可能性が有る。さらに、特許文献1は、試験片を溶融塩に浸漬させているため、実機において溶融塩が浸漬する条件を再現できていない可能性が有る。
さらに、特許文献1の高温腐食試験は、試験片の母材の溶融温度に近い温度まで加熱できるものの、母材の溶融温度を超える温度までガスタービン燃焼模擬ガスを加熱していない。
例えば、温度が1500℃程度となる高流速の燃焼ガスを用いる高出力型のガスタービンで用いる遮熱コーティングに対して溶融塩を浸透させる試験を行う場合に、実機と同じ境界条件で行うことができず、遮熱コーティングの溶融塩の浸透する条件を再現できてない可能性がある。そのため、溶融塩の浸透による遮熱コーティングの劣化を正しく評価できない可能性が有る。
一方で、高温且つ高流速の燃焼ガスを得るためには、実機の燃焼器を用いることも考えられるが、装置が大型化してしまう。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、装置の大型化を抑制しつつ、遮熱コーティングに対する溶融塩の浸透状態を正しく評価することが可能な溶融塩浸透試験装置、および、溶融塩浸透試験方法を提供することを目的とする。
この発明の第一態様によれば、溶融塩浸透試験装置は、圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させることで燃焼ガスを得る燃焼器と、前記燃焼ガスに塩を供給する塩供給部と、遮熱コーティングにより表面が被覆された試験片を収容して支持する収容支持部と、前記塩が供給された前記燃焼ガスを加速させて前記試験片に衝突させる加速器と、前記試験片の裏面に冷媒を吹き付けて冷却する冷却部と、を備える。さらに、外部から供給された冷媒が流れる供給管と、前記供給管からの冷媒を上方に向かって噴出させる複数の孔を有した上壁と、を少なくとも備える。
このように構成することで、燃焼器の燃焼ガスを塩のキャリアガスとして用いることができる。これにより、燃焼ガスにより加熱された塩が溶融塩となる。さらに、試験片の温度を、実機のタービン部材と同等の温度まで加熱することができる。
さらに、溶融塩を含む燃焼器で燃焼させた燃焼ガスを、加速器によって加速させた後に試験片に衝突させることができる。これにより、小型の燃焼器を用いつつ、実機の燃焼ガスと同等の流速まで、燃焼ガスの流速を高めることができる。つまり、試験片の遮熱コーティングの境界条件を、実機における遮熱コーティングの境界条件と同等にすることができる。
さらに、遮熱コーティングで被覆された試験片の母材を冷却することができる。そのため、実機のタービン部材の厚さ方向の温度分布と同様の温度分布を、試験片にも出現させることができる。
その結果、大型化を抑制しつつ、試験片の遮熱コーティングに対する溶融塩の浸透状態を正しく評価することが可能となる。
この発明の第二態様によれば、溶融塩浸透試験装置は、第一態様における塩供給部が、前記加速器に対して前記塩を供給する供給ノズルを備えていてもよい。
このように構成することで、燃焼ガスに対して溶融塩を、より均一に混合させることができる。そのため、実機と同様の状態の燃焼ガスを再現することができる。
この発明の第態様によれば、溶融塩浸透試験装置は、第一又は第二の態様における加速器が、前記燃焼器に接続され、前記燃焼ガスの流れる方向で下流側に向かうほど流路断面積が漸次減少する管状の絞り部と、一定の流路断面積を有する直管状に形成され、前記絞り部の下流側端部と前記収容支持部との間を繋ぐ直管部と、を備えていてもよい。
このように絞り部の流路断面積が漸次減少することで、円滑に燃焼ガスの流速を高めることができる。また、直管部を設けることで、流速が高められた燃焼ガスを整流して、燃焼ガスをより加速させることができる。そのため、燃焼ガスの流速を十分に高めつつ試験片に対して効率よく溶融塩を含む燃焼ガスを衝突させることができる。
この発明の第態様によれば、溶融塩浸透試験装置は、第一から第態様の何れか一つの態様における燃焼器が、燃焼ガスに対して温度調整用の空気を供給可能な空気供給部を備えていてもよい。
このように構成することで、燃焼ガスに温度調整用の空気を供給して、燃焼ガスの温度を低下させることができる。そのため、温度調整用の空気の供給量を増減することで、試験片の遮熱コーティングの温度を、所望の温度に容易に調整することができる。
この発明の第態様によれば、溶融塩浸透試験装置は、第一から第態様の何れか一つの態様における収容支持部が、前記試験片を収容する収容空間に通じる観察窓を備えていてもよい。
このように構成することで、観察窓を介して試験中の試験片の状態を観察することができる。そのため、試験片の境界条件と、実機の境界条件との間にずれが生じることを抑制できる。
この発明の第態様によれば、溶融塩浸透試験方法は、外部から供給された冷媒を複数の孔から上方に向かって噴出させて、遮熱コーティングが施された試験片の裏面に前記冷媒を吹き付けて冷却する一方で、圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させた燃焼ガスに塩を供給し、この塩を含む燃焼ガスの流速を流路断面積の漸減により加速させた後に、裏面に冷媒が吹き付けられている遮熱コーティングが施された試験片に衝突させる。
このように構成することで、ガスタービンの実機よりも十分に小さい装置を用いて、実機のタービン部材と同等の環境で溶融塩浸透試験を行うことができる。そのため、遮熱コーティングの評価を容易、且つ、正確に行うことができる。
上記溶融塩浸透試験装置、および、溶融塩浸透試験方法によれば、装置の大型化を抑制しつつ、遮熱コーティングに対する溶融塩の浸透状態を正しく評価することができる。
この発明の実施形態における試験片の部分断面斜視図である。 この発明の実施形態における溶融塩浸透試験装置の構成を示す部分断面図である。 この発明の実施形態における支持部本体の拡大断面図である。 この発明の実施形態における加速器および塩供給部の説明図である。 この発明の実施形態における溶融塩浸透試験方法のフローチャートである。
次に、この発明の一実施形態における溶融塩浸透試験装置、および、溶融塩浸透試験方法を図面に基づき説明する。
図1は、この発明の実施形態における試験片の部分断面斜視図である。
図1に示すように、試験片1は、ガスタービンのタービン翼の表面を模擬して形成されている。この試験片1は、母材10と、遮熱コーティング層11とにより構成されている。この実施形態における試験片1は、円盤状に形成されている。
母材10は、ニッケル(Ni)基合金等の耐熱合金からなる。
遮熱コーティング層11は、母材10の表面に形成されている。この遮熱コーティング層11は、ボンドコート層12と、トップコート層13とを備えている。
ボンドコート層12は、母材10からトップコート層13が剥離することを抑制する。このボンドコート層12は、耐食性および耐酸化性に優れた金属結合層である。ボンドコート層12は、例えば、溶射材としてMCrAlY合金の金属溶射粉を母材10の表面に対して溶射することで形成される。ここで、ボンドコート層12を構成するMCrAlY合金の「M」は、金属元素を示している。この金属元素「M」は、例えば,NiCo,Ni、Co等の単独の金属元素、又は、これらのうち2種以上の組み合わせからなる。
トップコート層13は、ボンドコート層12の表面に積層されている。このトップコート層13は、セラミックを含む溶射材をボンドコート層12の表面に溶射することで形成される。この実施形態におけるトップコート層13は、その気孔率(単位体積当たりの気孔の占有率)が、例えば、8〜15%程度に形成されている。トップコート層13を形成する際に用いられる溶射材としては、ジルコニア系セラミックを用いることができる。ジルコニア系セラミックとしては、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、および、酸化イッテルビウム(Yb)で部分安定化させたジルコニア(ZrO)であるイッテルビア安定化ジルコニア(YbSZ)等が挙げられる。この実施形態における試験片1は、その表面に遮熱コーティング層11が配置され、その裏面に母材10が配置されている。つまり、試験片1の裏面側には、母材10を形成する金属が露出した状態となっている。この実施形態における母材10の厚さは、例えば、実機であるガスタービンのタービン翼の母材と同等の厚さに形成することができる。
図2は、この発明の実施形態における溶融塩浸透試験装置の構成を示す部分断面図である。
図2に示すように、溶融塩浸透試験装置20は、燃焼器21と、収容支持部23と、加速器24と、塩供給部30と、を備えている。この溶融塩浸透試験装置20は、溶融塩を含む燃焼ガスを、上述した試験片1に衝突させる装置である。ユーザは、この溶融塩浸透試験装置20により試験を行った試験片1を観察することで、遮熱コーティング層11の溶融塩の浸透状態を評価することができる。ここで、遮熱コーティング層11について、溶融塩の浸透状態を評価することで、例えば、遮熱コーティング層11の劣化を判断することができる。
燃焼器21は、圧縮機(図示せず)にて圧縮された圧縮空気に燃料を混合して燃焼させる。この燃焼器21は、燃焼ガスGに対して外部から圧縮空気を供給可能な空気供給部25を備えている。空気供給部25は、電磁弁等により燃焼ガスGに対して供給する空気量を細かく調整可能となっている。この空気供給部25によれば、例えば、燃焼ガスGに対して供給する空気量を増加させることで、燃焼ガスGの温度を低下させることができる。
燃焼器21は、架台26によって収容支持部23の上方に配置されている。燃焼器21は、燃焼ガスGが鉛直下方に向かうように、その噴射口21aが下方を向くようにして架台26に取り付けられている。燃焼器21は、断熱性に優れた容器21bを備え、燃焼ガスGの熱エネルギーが容器21bを介して外部に放出されることを抑制している。
収容支持部23は、遮熱コーティング層11により表面が被覆された試験片1を下方から支持した状態で収容する。この収容支持部23は、チャンバー27と、支持部本体28と、を備えている。
チャンバー27は、その内部に試験片1を収容する収容空間Sを備える。チャンバー27を構成する各壁部29も、上述した燃焼器21の容器21bと同様に、断熱性に優れた材料を用いて形成されている。つまり、チャンバー27は、壁部29の断熱性により収容空間Sを保温可能となっている。これら壁部29および容器21bは、断熱材自体により形成されるか、又は、躯体(図示せず)に断熱材が取り付けられて形成されている。
図3は、この発明の実施形態における支持部本体の拡大断面図である。
図2、図3に示すように、支持部本体28は、試験片1を下方から支持するとともに、試験片1の裏面側に露出する母材10を冷却する。この支持部本体28は、冷却空気供給部31と、支持環部32と、を備えている。
冷却空気供給部31は、外部から供給される冷却空気を、母材10に対して吹き付ける。この冷却空気供給部31は、空気供給管33と、箱体34と、を備えている。
空気供給管33は、チャンバー27の側壁27a(図2参照)を貫通して、収容空間Sの水平方向における中心に向けて延びる管状に形成されている。この空気供給管33の内部を収容空間Sの中心に向かって外部から供給された冷却空気が流れる。この空気供給管33の端部は、箱体34の側壁に接続されている。
箱体34は、空気供給管33によって供給された冷却空気の流れる向きを、試験片1の裏面の有る上方に向かうように変える。この実施形態における箱体34は、その上壁34aのみが、複数の孔を有するパンチングメタルやメッシュ等で形成されている。この上壁34aにより、空気供給管33から箱体34に流入した冷却空気は、上壁34aの孔を介して上方に向かって噴出する。
支持環部32は、冷却空気供給部31の箱体34の上壁周縁から上方に向かって突出する環状に形成されている。試験片1は、この支持環部32に保持される。試験片1の保持方法としては、ボルト結合や、溶接等が挙げられる。これにより、試験片1は、箱体34の上壁34aから所定距離だけ離間するとともに、上壁34aと平行な姿勢で支持環部32により下方から支持される。ここで、冷却空気供給部31は、冷却空気が流れる流路に熱電対等の温度検出部を有していても良い。このようにすることで、温度検出部により検出された冷却空気の温度に応じて冷却空気の流量を調整して、試験片1の厚さ方向の温度分布を制御することができる。
上述した支持部本体28を構成する空気供給管33、箱体34、および、支持環部32は、冷却空気を供給する管路としての機能だけではなく、試験片1を下方から支持する片持ち梁を兼ねている。
収容支持部23は、観察窓部35を備えている。この観察窓部35は、外部から試験片1を収容する収容空間Sに通じている。観察窓部35は、支持部本体28に支持された試験片1を中心として、放射方向に延びている。この実施形態における観察窓部35には、試験片1の温度分布を検出可能なサーモビュアTVが取り付けられている。この実施形態においては、収容支持部23に観察窓部35が一つだけ形成されている場合を例示した。しかし、収容支持部23に対して複数の観察窓部35を形成するようにしても良い。また、上述した観察窓部35に、サーモビュア以外の観測装置を取り付けるようにしても良い。
図3においては、図示都合上省略しているが、上述した支持環部32は、試験片1の裏面に衝突した冷却空気を収容空間Sに排出できるように、例えば、切り欠き(図示せず)等を備えている。さらに、収容支持部23には、試験片1に吹き付けられる燃焼ガスGを排出する排出機構(図示せず)が設けられている。この排出機構によって、試験片1に吹き付けられた燃焼ガスGは、排出機構によって吸引されてチャンバー27の外部に排出される。
加速器24は、溶融塩を含む燃焼ガスGの流速を加速させて試験片1に衝突させる。
図2に示すように、この加速器24は、絞り部36と、直管部37と、を備えている。
絞り部36は、燃焼ガスGの流れる方向における上流側の端部が、燃焼器21に接続されている。この絞り部36は、燃焼ガスGの流れる方向で下流側に向かうほど流路断面積が漸次減少する管状に形成されている。この実施形態における絞り部36は、一定の傾斜角度で流路断面積が減少している。絞り部36は、例えば、内壁と外壁とからなる二重構造として、その間の空間に絞り部36の過熱を抑制するための冷却空気を流すようにしても良い。
直管部37は、一定の流路断面積を有する直管状に形成されている。この直管部37は、絞り部36の下流側の端部36aと収容支持部23との間を繋いでいる。より具体的には、直管部37は、絞り部36の下流側の端部36aから収容支持部23の収容空間Sの内部にまで延びている。この直管部37の下流側の端部37aは、試験片1の直ぐ上の位置に配される。この直管部37は、その軸線O1が、収容支持部23の内部に収容された試験片1の表面と直交するように配置されている。つまり、加速器24は、燃焼器21の内部空間S1と、収容支持部23の収容空間Sとを連通させている。
図4は、この発明の実施形態における加速器および塩供給部の説明図である。
図4に示すように、この実施形態における絞り部36の傾斜角度θは、燃焼ガスGの加速に必要な角度に形成されている。ここで、傾斜角度θは、軸線O1に垂直な水平面に対する角度である。
直管部37の内径D2は、燃焼器21の燃焼ガスGの量を基に、直管部37の出口における流速が、音速よりも低くなる大きさとされている。例えば、燃焼器21の負荷が100%のときの燃焼ガスGの量を「Q」(m/s)、燃焼ガスGの音速を「Vc」(m/s)とすると、内径D2は、以下の(1)式で求めることができる。
D2=(Q/Vc×4/Π)0.5・・・(1)
直管部37は、燃焼ガスGの流速(以下、ガス流速と称する)が目標値となるような長さLで形成される。
絞り部36のガス流速を「1」、直管部37のガス流速を「2」とすると、以下の(2)式が成り立つ。
1/2=D2/D1・・・(2)
塩供給部30は、燃焼ガスGに塩を供給する。燃焼ガスGに供給された塩は、溶融して溶融塩となり、更に蒸発してガス状に変化する。このガス状に変化した溶融塩が試験片1の表面、すなわちトップコート層13からボンドコート層12に向かって浸透する。
塩供給部30は、圧縮機40と、溶液タンク41と、定量ポンプ42と、二流体ノズル(供給ノズル)43と、供給管44と、を備えている。
圧縮機40は、一定の圧力で二流体ノズル43に向けて圧縮された空気を供給する。この圧縮機40は、上述した絞り部36に冷却空気を供給する圧縮機と共用するようにしても良い。
溶液タンク41は、塩の水溶液を貯留する。この実施形態における溶液タンク41は、例えば、硫酸ナトリウム(NaSO4)の水溶液を貯留している。ここで、溶液タンク41に貯留される水溶液の塩濃度は、0.1質量%から0.5質量%、更には0.25質量%から0.35質量%とすることができる。この実施形態においては、硫酸ナトリウムを0.3質量%含む水溶液を用いている。
定量ポンプ42は、溶液タンク41に貯留されている水溶液を、二流体ノズル43に向けて一定の体積流量で供給する。ここで、定量ポンプ42により二流体ノズル43に向かって供給される水溶液の体積流量は、0.5(L/h)から0.7(L/h)の範囲とすることができる。この実施形態においては、0.6(L/h)で水溶液を二流体ノズル43に供給している。
二流体ノズル43は、溶液タンク41から供給された水溶液を、圧縮機40から供給された圧縮空気を用いて例えば霧状に微粒化する。ここで、二流体ノズル43は、例えば、内部混合形、外部混合形、衝突形など、様々な形式の二流体ノズルを採用できる。ここで、この実施形態においては、溶液タンク41の水溶液を定量ポンプ42により供給する加圧方式を採用する場合について説明した。しかし、圧縮空気の力で水溶液を吸い上げて噴霧するいわゆるサクション方式の二流体ノズル43を採用しても良い。
供給管44は、二流体ノズル43によって微粒化された水溶液を、加速器24の内部に供給する。この実施形態における供給管44は、加速器24に接続されるため、例えば、耐熱性の観点でセラミック管を用いてもよい。この供給管44の内径は、5mmから7mmの範囲とすることができる。この実施形態における供給管44の内径は、5.5mmから6.5mmの範囲(例えば、6.0mm)とされている。
塩供給部30は、定量ポンプ42と溶液タンク41との間にバルブV1を備えている。同様に、塩供給部30は、圧縮機40と二流体ノズル43との間にバルブV2を備えている。バルブV1は、二流体ノズル43へ水溶液を供給する際に開弁され、それ以外は閉弁される。一方で、バルブV2は、常時開弁されており、例えば、メンテナンス時等に閉弁される。
次に、この実施形態における溶融塩浸透試験装置20による溶融塩浸透試験方法について図面を参照しながら説明する。
図5は、この発明の実施形態における溶融塩浸透試験方法のフローチャートである。
図5に示すように、まず、母材10の表面に遮熱コーティング層11を有する試験片1を作成する(ステップS01)とともに、塩の水溶液を作成する(ステップS02)。
その後、試験片1を支持部本体28にセットする(ステップS03)とともに、水溶液を溶液タンク41に貯留させる(ステップS04)。なお、溶液タンク41の中で塩と水とを混ぜて水溶液を作成しても良い。なお、ステップS01とステップS02との順番は逆にしたり、同時に行うようにしたりしても良く、同様に、ステップS04とステップS05との順番は、逆にしたり同時に行うようにしたりしても良い。
次いで、溶融塩浸透試験装置20を始動させる。
すると、燃焼器21において圧縮空気と燃料とが混合状態で燃焼されて、高温の燃焼ガスGが生成される。さらに、この高温の燃焼ガスGに対して、空気供給部25を介して圧縮空気が供給されて温度調整される。
一方で、収容支持部23の収容空間Sに配される試験片1に対して、冷却空気供給部31によって裏面から冷却空気が吹き付けられる。これにより、母材10の冷却が継続される。
さらに、塩供給部30のバルブV1,V2を開弁して、加速器24に霧化された水溶液の供給を開始する(ステップS06)。すると、燃焼ガスGにより水溶液に含まれる塩が加熱されて溶融塩となり、この溶融塩がさらにガス化する。ここで、水溶液に含まれる水は、加熱されて蒸発する。
このガス化された溶融塩を一定量含む燃焼ガスGは、加速器24によって目標速度となる流速にまで加速される。目標速度にまで加速された燃焼ガスGは、加速器24を介して収容空間Sで保持された試験片1の遮熱コーティング層11、より具体的にはトップコート層13に衝突する。この際、サーモビュアTVにより、試験片1の温度分布がユーザにより監視されて、実機と同等の温度分布となるように、燃焼ガスGの温度調整、および、冷却空気による試験片1の温度調整が行われる。
ユーザは、この状態を所定時間継続した後(ステップS07)、溶融塩浸透試験装置20を停止させて(ステップS08)、試験片1を収容支持部23から取り出し、トップコート層13の溶融塩の浸透状態などを評価する(ステップS09)。
したがって、上述した実施形態によれば、燃焼器21の燃焼ガスGを塩のキャリアガスとして用いることができる。そのため、試験片1の温度を、実機のタービン部材と同等の温度まで加熱することができる。さらに、塩を含む燃焼ガスGを、加速器24によって加速させた後に試験片1に衝突させることができる。これにより、小型の燃焼器21を用いつつ、実機の燃焼ガスと同等の流速まで、塩を含む燃焼ガスGの流速を高めることができる。つまり、試験片1の遮熱コーティング層11の境界条件を、実機における遮熱コーティングの境界条件と同等にすることができる。その結果、装置の大型化を抑制しつつ、試験片1の遮熱コーティング層11に対する溶融塩の浸透状態を正しく評価することが可能となる。
さらに、二流体ノズル43を備えていることで、燃焼ガスGに対して溶融塩を、より均一に混合させることができる。そのため、実機と同様の状態の燃焼ガスGを再現することができる。
さらに、冷却空気供給部31を備えていることで、遮熱コーティング層11で被覆された試験片1の母材10を冷却することができる。そのため、実機のタービン部材の厚さ方向の温度分布と同様の温度分布を、試験片1にも出現させることができる。その結果、試験片1の遮熱コーティング層11に対する溶融塩の浸透状態をより正確に評価することができる。
さらに、加速器24において、絞り部36の流路断面積が漸次減少することで、円滑に燃焼ガスの流速を高めることができる。さらに、直管部37を設けることで、絞り部36により流速が高められた燃焼ガスGを整流して、燃焼ガスGをより加速させることができる。その結果、燃焼ガスGの流速を十分に高めつつ試験片1に対して効率よく溶融塩を含む燃焼ガスGを衝突させることができる。
さらに、燃焼ガスGに温度調整用の空気を供給して、燃焼ガスGの温度を低下させることができる。そのため、温度調整用の空気の供給量を増減することで、試験片1の遮熱コーティング層11の温度を、所望の温度に容易に調整することができる。
さらに、観察窓部35を介してエロージョン試験中の試験片1の状態を観察することができる。そのため、試験片1の境界条件と、実機の境界条件との間にずれが生じることを抑制できる。
この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態においては、支持部本体28が試験片1を冷却する冷却部を兼ねる場合について説明した。しかし、この構成に限られず、例えば、試験片1を保持する機構と、冷却空気を供給する機構とを個別に設けるようにしても良い。
さらに、上述した実施形態においては、冷却空気供給部が空気供給管33と、箱体34とを備える場合について説明した。しかし、空気供給管33の開口部が試験片1に向くように空気供給管33を曲げて、試験片1に対して空気供給管33から直接冷却空気を吹き付けるようにしても良い。
1 試験片
10 母材
11 遮熱コーティング層
12 ボンドコート層
13 トップコート層
20 溶融塩浸透試験装置
21 燃焼器
21a 噴射口
21b 容器
23 収容支持部
24 加速器
25 空気供給部
26 架台
27 チャンバー
27a 側壁
28 支持部本体
29 壁部
30 塩供給部
31 冷却空気供給部
32 支持環部
33 空気供給管
34 箱体
34a 上壁
35 観察窓部
36 絞り部
36a 端部
37 直管部
37a 端部
40 圧縮機
41 溶液タンク
42 定量ポンプ
43 二流体ノズル(供給ノズル)
44 供給管
G 燃焼ガス
O1 軸線
S 収容空間
S1 内部空間
TV サーモビュア
V1 バルブ
V2 バルブ

Claims (6)

  1. 圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させることで燃焼ガスを得る燃焼器と、
    前記燃焼ガスに塩を供給する塩供給部と、
    遮熱コーティングにより表面が被覆された試験片を収容して支持する収容支持部と、
    前記塩が供給された前記燃焼ガスを加速させて前記試験片に衝突させる加速器と、
    前記試験片の裏面に冷媒を吹き付けて冷却する冷却部と、
    を備え
    前記冷却部は、
    外部から供給された冷媒が流れる供給管と、
    前記供給管からの冷媒を上方に向かって噴出させる複数の孔を有した上壁と、
    を少なくとも備える溶融塩浸透試験装置。
  2. 前記塩供給部は、
    前記加速器に対して前記塩を供給する供給ノズルを備える請求項1に記載の溶融塩浸透試験装置。
  3. 前記加速器は、
    前記燃焼器に接続され、前記燃焼ガスの流れる方向で下流側に向かうほど流路断面積が漸次減少する管状の絞り部と、
    一定の流路断面積を有する直管状に形成され、前記絞り部の下流側端部と前記収容支持部との間を繋ぐ直管部と、を備える請求項1又は2に記載の溶融塩浸透試験装置。
  4. 前記燃焼器は、
    燃焼ガスに対して温度調整用の空気を供給可能な空気供給部を備える請求項1からの何れか一項に記載の溶融塩浸透試験装置。
  5. 前記収容支持部は、前記試験片を収容する収容空間に通じる観察窓を備える請求項1からの何れか一項に記載の溶融塩浸透試験装置。
  6. 外部から供給された冷媒を複数の孔から上方に向かって噴出させて、遮熱コーティングが施された試験片の裏面に前記冷媒を吹き付けて冷却する一方で、
    圧縮空気と燃料とを混合して燃焼させた燃焼ガスに塩を供給し、この塩を含む燃焼ガスの流速を流路断面積の漸減により加速させた後に、前記試験片に衝突させる溶融塩浸透試験方法。
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