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JP6320109B2 - 心疾患識別装置 - Google Patents
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Description

本発明は、心疾患識別装置、プログラム、媒体及び心疾患識別方法に関する。
図1は、心臓200を正面から見た内部構造を示す。心臓200の内部は、右心室202、左心室204、右心房206、左心房208の4室に仕切られた構造を有する。右心室202、左心室204、右心房206、左心房208の各室の出口には、逆流を防ぐために、肺動脈弁210、大動脈弁212、三尖弁214、僧帽弁216がそれぞれ設けられる。
図2は、2心拍分の心音信号の波形の一例を示す。横軸は時刻、縦軸は心音データの強度を示す。通常、健常者の心音信号には、I音およびII音が含まれる。I音は、三尖弁214および僧帽弁216が閉じる際に生じる心音である。II音は、肺動脈弁210および大動脈弁212が閉じる際に生じる心音である。
心音信号の波形は、I音とII音との間の収縮期、および、II音と次の心拍のI音との間の拡張期を有する。心疾患のある患者の心音は、各弁の周辺で血液の乱流が生じるため、収縮期または拡張期に心雑音が生じる。例えば、心疾患には、弁が十分に開かなくなる狭窄症、弁が完全に閉鎖せずに逆流を生じる閉鎖不全症、右心房206と左心房208を隔てる壁に穴が存在する心房中隔欠損症、右心室202と左心室204を隔てる壁に穴が存在する心室中隔欠損症等がある。
心雑音は、心疾患の種類により発生する期間(即ち、収縮期及び拡張期)が異なる。例えば、収縮期に心雑音が生じる心疾患には、僧帽弁閉鎖不全、大動脈弁狭窄、心房中隔欠損、心室中隔欠損等がある。一方、拡張期に心雑音が生じる心疾患には、大動脈弁閉鎖不全、僧帽弁狭窄等がある。なお、心疾患の種類により心雑音の生じる周波数もそれぞれ異なる。
従来の心音情報処理装置は、心音からI音、II音を検出し、収縮期区間から心音を抽出して時間領域で解析する(例えば、特許文献1参照)。従来の心雑音自動診断装置は、心疾患毎に、あらかじめ基準となる収縮期雑音のフーリエ解析データをメモリに記憶しておき、その基準フーリエ解析データと、収縮期心音のフーリエ解析データとを照合して、いずれかの基準フーリエ解析データに相関するか否かを判断する(例えば、特許文献2参照)。従来の心音解析装置は、1心音周期分を1周期心音データとしてスペクトルパワーに変換し、正規化した後に、信号強度が最大になる周波数Fmaxと、設定された複数個の信号強度閾値THVi(i=1〜n)に対する周波数幅Fwidthiを求め、周波数Fmax、信号強度閾値THVi及び周波数幅Fwidthiに基づいて、心疾患を識別する(例えば、特許文献3参照)。
特許文献1 特開2013−34670号公報
特許文献2 特開昭63−252136号公報
特許文献3 特開2009−240527号公報
特許文献1の技術は、心雑音の判定のみで心疾患の識別には対応していない。特許文献2の技術は、心疾患ごとに用意された基準となる心雑音の周波数パターンと、患者の周波数バターンとを比較しているが、同一心疾患でも患者毎に異なる周波数パターンが存在するとともに、異なる心疾患の周波数パターンが重なることもあるので、十分な識別性能を得ることができない。特許文献3の技術は、患者の周波数パターンの信号強度が最大となる周波数Fmax及び複数個の信号強度閾値THViに対する周波数幅Fwidthiという少ない特徴量で心疾患を識別しているが、周波数パターンに基づいているので、十分な心疾患の識別性能を得ることができない。
本発明の第1の態様においては、生体の心音におけるI音及びII音の間の心音データを取得する心音データ取得部と、取得した前記心音データを周波数領域に変換する変換部と、周波数領域の前記心音データのモーメントに基づいて、前記生体の心疾患を識別する心疾患識別部と、を備える心疾患識別装置、プログラム、媒体及び心疾患識別方法を提供する。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
心臓200を正面から見た内部構造を示す。 2心拍分の心音信号の波形の一例を示す。 心疾患識別システム100の全体構成図である。 心疾患識別装置10による心疾患識別処理のフローチャートである。 心音データの波形である。 図5に示す心音データの1心拍分の心音データである。 周波数領域に変換した心音データの対数パワースペクトルである。 複数の対数パワースペクトル及びその平均である。 平均化及び正規化された収縮期の対数パワースペクトルである。 平均化及び正規化された拡張期の対数パワースペクトルである。 収縮期の平均と歪度による心疾患の識別を説明する図である。 収縮期の尖度と歪度による心疾患の識別を説明する図である。 収縮期の平均周波数と歪度による心疾患の識別を説明する図である。 拡張期の平均と歪度による心疾患の識別を説明する図である。 拡張期の尖度と歪度による心疾患の識別を説明する図である。 拡張期の平均周波数と歪度による心疾患の識別を説明する図である。 本実施形態に係るコンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図3は、心疾患識別システム100の全体構成図である。心疾患識別システム100は、生体の心音における心音データを周波数領域に変換した、周波数領域の心音データのモーメントである歪度、平均及び尖度のいずれかに基づいて、生体BDの心疾患を識別することにより、識別性能を向上させる。生体BDの一例は、人間の被検者である。心疾患識別システム100は、心音検出部102と、入力信号処理部104と、心疾患識別装置10と、表示部106とを備える。心疾患識別装置10が、心音検出部102と、入力信号処理部104と、表示部106とを内部に備えてもよい。
心音検出部102は、生体BDの胸部を伝播する心音振動を検出する。心音検出部102は、検出した心音振動を電気信号の心音データに変換する。心音検出部102は、マイクロフォン型、加速度センサ型、圧力センサ型等の振動に応じた電気信号を出力できる装置を適用できる。心音検出部102は、入力信号処理部104へと心音データを出力する。
入力信号処理部104は、心音検出部102が検出した心音データに対して所定の信号処理を行って心音データを心疾患識別装置10へ出力する。例えば、入力信号処理部104は、フィルタ回路、増幅器及びA/D変換器を有する。フィルタ回路は、心音データに含まれるDC周波数成分、及び、エイリアシングを引き起こす可能性のある高周波帯域の成分、及び、心音解析に不要な高周波帯域の成分を取り除く。また、増幅器は、A/D変換器の入力レンジに合わせて心音信号を増幅する。A/D変換器は、増幅器が増幅したアナログの心音データをデジタル信号に変換して、心疾患識別装置10へ出力する。
心疾患識別装置10の一例は、マイクロコンピュータ等のコンピュータである。心疾患識別装置10は、心音検出部102、入力信号処理部104及び表示部106と直接的または間接的にデータを送受信可能に接続されている。心疾患識別装置10は、制御部12と、記憶部14とを備える。
制御部12の一例は、CPU(Central Processing Unit)等を含む演算処理装置である。制御部12は、心音データ取得部20と、変換部22と、統計量算出部24と、心疾患識別部26とを有する。制御部12は、記憶部14またはネットワークから心疾患識別用のプログラムを読み込んで実行することにより、心音データ取得部20と、変換部22と、統計量算出部24と、心疾患識別部26として機能するように構成してもよい。また、心音データ取得部20、変換部22、統計量算出部24、及び、心疾患識別部26の一部または全部を回路等のハードウェアによって構成してもよい。
心音データ取得部20は、入力信号処理部104を介して、心音検出部102と接続されている。心音データ取得部20は、生体BDの心音におけるI音及びII音との間の心音データを心音検出部102から取得する。尚、I音及びII音との間とは、I音からII音までの間の収縮期と、II音からI音までの間の拡張期とを含む。心音データ取得部20は、取得した心音データを変換部22へと出力する。尚、心音データ取得部20は、予め測定されて外部の記憶装置等に記憶された心音データを、ネットワーク等を介して取得してもよい。また、心音データ取得部20は、入力信号処理部104の処理の一部を実行してもよい。
変換部22は、少なくともI音とII音との間の心音データを心音データ取得部20から取得する。変換部22は、取得した心音データを周波数領域に変換する。例えば、変換部22は、心音データを周波数領域の対数パワースペクトルに変換する。変換部22は、周波数領域に変換した心音データを統計量算出部24へと出力する。
統計量算出部24は、周波数領域に変換された心音データを変換部22から取得する。統計量算出部24は、取得した周波数領域の心音データのモーメントを算出する。統計量算出部24が算出する周波数領域の心音データのモーメントの一例は、周波数領域の対数パワースペクトルの平均m、平均周波数m、歪度γ、及び、尖度βである。統計量算出部24は、算出した心音データのモーメントを心疾患識別部26へと出力する。
心疾患識別部26は、周波数領域の心音データのモーメントを統計量算出部24から取得する。心疾患識別部26は、心音データのモーメントである平均m、平均周波数m、歪度γ、及び、尖度βのいずれかに基づいて、生体BDの心疾患を識別する。心疾患識別部26は、識別した心疾患を記憶部14または画像情報に変換して表示部106へと出力する。
記憶部14は、ハードディスク等であって、心疾患識別処理に必要なデータを記憶する。例えば、記憶部14は、心疾患識別処理用のプログラムを記憶する。また、記憶部14は、心疾患識別処理に必要なパラメータを記憶する。
表示部106は、制御部12から取得した画像情報に基づいて画像を表示する。例えば、表示部106は、心疾患識別部26から取得した心疾患を示す画像を表示する。表示部106の一例は、液晶表示装置、または、有機EL表示装置等である。
図4は、心疾患識別装置10による心疾患識別処理のフローチャートである。図5は、心音データの波形である。図6は、図5に示す心音データの1心拍分の心音データである。図7は、周波数領域に変換した心音データの対数パワースペクトルである。図8は、複数の対数パワースペクトル及びその平均である。図9は、平均化及び正規化された収縮期の対数パワースペクトルである。図10は、平均化及び正規化された拡張期の対数パワースペクトルである。図11は、収縮期の平均と歪度による心疾患の識別を説明する図である。図12は、収縮期の尖度と歪度による心疾患の識別を説明する図である。図13は、収縮期の平均周波数と歪度による心疾患の識別を説明する図である。図14は、拡張期の平均と歪度による心疾患の識別を説明する図である。図15は、拡張期の尖度と歪度による心疾患の識別を説明する図である。図16は、拡張期の平均周波数と歪度による心疾患の識別を説明する図である。制御部12は、記憶部14に記憶された心疾患処理用のプログラムを読み込み実行することによって、心疾患識別処理を実行する。
心疾患識別処理では、まず、心音データ取得部20は、入力信号処理部104を介して、心音検出部102から生体の心音データを取得して、当該心音データからI音とII音との間の心音データを抽出して取得する(S10)。
例えば、心音データ取得部20は、図5に示すような複数心拍数に対応する心音データを取得する。図5に示す心音データは、患者の10心拍分の心音を加速度センサの心音検出部102で集音及び検出して電気信号に変換した心音データを、入力信号処理部104が、2kHzでサンプリングして、16ビットでデジタル化した波形である。図5に示す横軸は例えば左端を0秒とする時刻[秒]であって、縦軸は心音データの強度である。尚、入力信号処理部104は、サンプリング処理及びデジタル化処理に加えて、100Hzから500Hzの周波数成分を透過するバンドパスフィルタによって当該心音データをフィルタ処理してもよい。これにより、入力信号処理部104は、心音データに含まれる心雑音を強調できる。
心音データ取得部20は、図6の上図に示す取得した1心拍分の心音データから、図6の左下に示すI音とII音との間の心雑音を含む収縮期の心音データを1心拍毎に抽出する。また、心音データ取得部20は、取得した1拍分の心音データから、図6の右下に示すII音とI音との間の心雑音を含む拡張期の心音データを1心拍毎に抽出する。例えば、心音データ取得部20は、心音データから、複数の極大点を抽出して、当該極大点からI音及びII音の極大点を抽出する。更に、心音データ取得部20は、I音とII音との時間間隔と、II音とI音との時間間隔との違いからI音とII音とを識別する。心音データ取得部20は、I音とII音との間の収縮期及びII音とI音との間の拡張期の少なくとも一方の心音データを抽出する。心音データ取得部20は、これらの抽出処理を複数心拍分に対して実行して、複数心拍分の収縮期及び拡張期の心音データを取得する。心音データ取得部20は、抽出した複数心拍分、例えば、10心拍分の収縮期及び拡張期の心音データを変換部22へ出力する。
変換部22は、心音データ取得部20から取得した収縮期及び拡張期の心音データを周波数領域に変換して、変換した心音データの対数パワースペクトルを算出する(S12)。例えば、変換部22は、2kHzでサンプリングした1心拍分の収縮期の心音データに対して、128ミリ秒のハミング窓関数を掛けて、取得した256サンプルをフーリエ変換することにより、心音データを周波数領域へと変換する。変換部22は、周波数領域に変換した心音データの周波数fにおける対数パワースペクトル値P(f)を次の式に従って算出する。
P(f)=log10S(f)
尚、S(f)は、周波数領域の周波数fにおける心音データの強度である。変換部22が、算出した対数パワースペクトルを図7に示す。図7において横軸は周波数[Hz]、縦軸は対数パワースペクトル値である。図7に示す対数パワースペクトルは、図5における最初の収縮期の心音データに対応する。
変換部22は、複数の心拍分の各収縮期及び各拡張期の心音データに対して、対数パワースペクトルを算出する。例えば、変換部22は、図8の薄細線で示すように、10心拍分の収縮期の対数パワースペクトルを算出する。次に、変換部22は、複数心拍分の収縮期の対数パワースペクトルを平均化する。例えば、変換部22は、図8の太線で示す、10心拍分の対数パワースペクトルの平均を算出する。この平均化により、変換部22は、図7に示すように、1心拍の対数パワースペクトルでは背景ノイズ等の影響でランダムに発生するような局所的な変動を抑制して、正確な周波数特性を表現できる。
変換部22は、平均化した対数パワースペクトルを正規化する。具体的には、変換部22は、対数パワースペクトルが最も大きくなる低周波数領域と、対数パワースペクトルが最も小さくなる高周波数領域とにおいて、それぞれの対数パワースペクトル値の平均が予め定められた設定値となるように正規化する。
例えば、変換部22は、最も大きくなる低周波数領域の対数パワースペクトル値の平均が1となるように正規化する。また、変換部22は、最も小さくなる高周波数領域の対数パワースペクトル値の平均が0となるように正規化する。これにより、変換部22は、図9に示す平均化及び正規化された生体の収縮期の対数パワースペクトルを生成する。図9における横軸は周波数領域に変換された心音データの予め定められた軸の一例である周波数であり、縦軸は周波数領域に変換された心音データの予め定められた軸の一例である正規化された対数パワースペクトル値である。図9に示す対数パワースペクトルは、3名の健常者及び12名の心疾患患者を含む15名分である。12名の心疾患患者は、僧帽弁閉鎖不全患者5名、大動脈弁狭窄患者2名、心房中隔欠損症患者3名、及び、心室中隔欠損症患者2名を含む。当然に、変換部22は、心疾患の識別対象が1名の場合、当該1名の生体の正規化された対数パワースペクトルを算出する。
同様に、変換部22は、図10に示す平均化及び正規化された生体の拡張期の対数パワースペクトルを生成する。図10に示す横軸及び縦軸は、図9に示す横軸及び縦軸と同じである。図10に示す対数パワースペクトルは、3名の健常者及び6名の大動脈弁閉鎖不全の心疾患患者を含む9名分である。尚、図9及び図10のいずれにおいても、各生体の10心拍分を平均した正規化対数パワースペクトルを用いている。この結果、変換部22は、生体の違いまたは測定条件の違い等により生じる対数パワースペクトルのレベルの大きさの違いによる影響を低減できる。ここで、各正規化対数パワースペクトルは単調に減少する曲線であるが、健常者及び疾患患者は、正規化対数パワースペクトルが互いに異なり、同じ心疾患同士は似た傾向となることが図9及び図10からわかる。変換部22は、平均化及び正規化した対数パワースペクトルを統計量算出部24へ出力する。
統計量算出部24は、周波数領域の心音データのモーメントとして、平均化及び正規化された対数パワースペクトルのモーメントを算出する(S14)。例えば、統計量算出部24は、平均化及び正規化された対数パワースペクトルを確率分布と見なして、1次のモーメントである平均と、3次のモーメントである歪度と、4次のモーメントである尖度とを算出する。
統計量算出部24は、対数パワースペクトルを周波数に沿ってN個に分割して、離散的なN個の対数パワースペクトル値P(i)をサンプルとして生成する。i=1、2、・・、Nであり、iを周波数サンプルと呼ぶ。例えば、対数パワースペクトル値P(1)は、周波数が0Hzの平均化及び正規化された対数パワースペクトル値である。P(i)は、i番目に小さな周波数サンプルの平均化及び正規化された対数パワースペクトル値である。統計量算出部24は、iを確率変数と見なして、式(1)から1次のモーメントである平均mを算出する。
次に、統計量算出部24は、式(2)に基づいて、標準偏差σを算出する。
次に、統計量算出部24は、式(3)に基づいて、3次のモーメントである歪度γを算出する。
尚、Eは期待値である。μは、確率変数iの期待値である。μは、期待値のまわりのn次モーメントである。κはr次のキュムラントである。
次に、統計量算出部24は、式(4)に基づいて、4次のモーメントである尖度βを算出する。
次に、統計量算出部24は、式(5)に基づいて、1次のモーメントの別例である対数パワースペクトルの平均周波数mを算出する。
式(5)において、Nは、サンプル数である。iは、周波数サンプルで、i=1、2、・・、Nである。i(j)は、j番目に小さな平均化及び正規化された対数パワースペクトル値を与える周波数サンプルである。F(i)は、i番目の周波数サンプルの周波数で、F(1)=0Hzである。P(i)は、i番目の周波数サンプルの平均化及び正規化された対数パワースペクトル値である。
統計量算出部24は、算出した各モーメントを心疾患識別部26へ出力する。尚、統計量算出部24は、式(2)における標準偏差σを算出することなく、直接、歪度γ及び尖度βを算出してもよい。
心疾患識別部26は、周波数領域の心音データにおけるモーメントである、平均m、歪度γ、及び、尖度βに基づいて、生体の心疾患の有無、及び、心疾患の種類の識別を実行する(S16)。例えば、心疾患識別部26は、変換部22により変換された周波数領域の心音データにおける複数のモーメントの値が、複数の領域のいずれに属するかに基づいて、生体の心疾患を識別する。ここでいう複数の領域とは、次数が異なる複数のモーメントにより表される多次元空間を分割することによって形成される。複数の領域は、予め取得された健常及び心疾患の生体の複数のモーメントによって設定される。心疾患識別部26は、複数の領域に関するデータを記憶部14から取得する。心疾患識別部26による複数の心疾患識別方法について説明する。
(心疾患識別方法1)
心疾患識別部26は、収縮期の平均m及び歪度γに基づいて、生体が、健常、僧帽弁閉鎖不全または心房中隔欠損、大動脈弁狭窄、及び、心室中隔欠損のいずれかであるかを識別する。図11に横軸を収縮期の平均mとして、縦軸を収縮期の歪度γとした場合の3名の健常者及び12名の心疾患患者を含む15名分の生体の平均m及び歪度γをプロットしたグラフを示す。尚、12名の心疾患患者には、僧帽弁閉鎖不全、心房中隔欠損、大動脈弁狭窄、及び、心室中隔欠損が含まれる。図11に示すように、健常、僧帽弁閉鎖不全または心房中隔欠損、大動脈弁狭窄、及び、心室中隔欠損を、平均m及び歪度γの空間上の領域で分類することができる。従って、心疾患識別部26は、各領域が境界線によって平均m及び歪度γの空間に設定されていると、生体の平均m及び歪度γに基づいて、生体が健常、僧帽弁閉鎖不全または心房中隔欠損、大動脈弁狭窄、及び、心室中隔欠損のいずれかであるかを識別できる。心疾患識別部26は、境界線によって分割される各領域を適宜設定してもよく、予め設定されて記憶部14に記憶されている領域を取得してもよい。例えば、心疾患識別部26は、サポートベクターマシン等によってプロットされた各点のマージンが最大となる境界線によって各領域を設定してもよい。この場合、心疾患識別部26は、新たに測定された生体の平均m及び歪度γが入力され、当該生体の心疾患の状態が指定される毎に、複数の領域及び境界線を学習して更新して記憶部14に記憶させてもよい。
(心疾患識別方法2)
心疾患識別部26は、収縮期の尖度β及び歪度γに基づいて、生体が、健常、心房中隔欠損、僧帽弁閉鎖不全、及び、大動脈狭窄または心室中隔欠損のいずれかであるかを識別する。図12に横軸を収縮期の尖度βとして、縦軸を収縮期の歪度γとした場合の3名の健常者及び12名の心疾患患者を含む15名分の生体の尖度β及び歪度γをプロットしたグラフを示す。尚、図12における15名の生体は、図11における15名の生体と同じである。12名の心疾患患者には、心房中隔欠損、僧帽弁閉鎖不全、大動脈狭窄、及び、心室中隔欠損が含まれる。図12に示すように、健常、心房中隔欠損、僧帽弁閉鎖不全、及び、大動脈狭窄または心室中隔欠損を、尖度β及び歪度γの空間上の領域で分類することができる。従って、心疾患識別部26は、各領域が境界線によって尖度β及び歪度γの空間に設定されていると、生体の尖度β及び歪度γに基づいて、生体が健常、心房中隔欠損、僧帽弁閉鎖不全、及び、大動脈狭窄または心室中隔欠損のいずれかであるかを識別できる。本識別方法においても、心疾患識別部26は、境界線及び複数の領域を学習して更新して記憶部14に記憶させてもよい。
(心疾患識別方法3)
心疾患識別部26は、収縮期の平均m、尖度β及び歪度γに基づいて、生体が、健常、心房中隔欠損、僧帽弁閉鎖不全、大動脈狭窄、及び、心室中隔欠損のいずれかであるかを識別する。即ち、心疾患識別部26は、心疾患識別方法1及び心疾患識別方法2を組み合わせて生体の心疾患を識別する。換言すれば、心疾患識別部26は、平均m、尖度β及び歪度γを含む3次元のモーメント空間を分割することにより、上述の心疾患を識別する。これにより、心疾患識別部26は、心疾患識別方法1では、識別が困難であった僧帽弁閉鎖不全と心房中隔欠損との識別を、僧帽弁閉鎖不全と心房中隔欠損とが分離している尖度β及び歪度γの空間を用いた心疾患識別方法2によって識別することにより、識別の精度を向上できる。また、心疾患識別部26は、心疾患識別方法2では、識別が困難であった大動脈狭窄と心室中隔欠損との識別を、大動脈狭窄と心室中隔欠損とが分離している平均m及び歪度γの空間を用いた心疾患識別方法1によって識別することにより、識別の精度を向上できる。
(心疾患識別方法4)
心疾患識別部26は、収縮期の平均周波数m及び歪度γに基づいて、生体が、健常、心房中隔欠損、僧帽弁閉鎖不全、大動脈狭窄、及び、心室中隔欠損のいずれかであるかを識別する。図13に横軸を収縮期の平均周波数mとして、縦軸を収縮期の歪度γとした場合の3名の健常者及び12名の心疾患患者を含む15名分の生体の平均周波数m及び歪度γをプロットしたグラフを示す。尚、図13における15名の生体は、図11における15名の生体と同じである。図13及び図11を比較するとわかるように、平均周波数mと歪度γに基づいてプロットした場合でも、平均mと歪度γに基づいてプロットした場合と同様の傾向が見られる。従って、心疾患識別部26は、収縮期の平均周波数m及び歪度γに基づいて、生体が、健常、僧帽弁閉鎖不全または心房中隔欠損、大動脈弁狭窄、及び、心室中隔欠損のいずれかであるかを識別できる。尚、心疾患識別部26は、心疾患識別方法3において、心疾患識別方法2と心疾患識別方法4とを組み合わせても、同様に心疾患の識別の精度を向上させることができる。本識別方法においても、心疾患識別部26は、境界線及び複数の領域を学習して更新して記憶部14に記憶させてもよい。
(心疾患識別方法5)
心疾患識別部26は、拡張期の平均m及び歪度γに基づいて、生体が、健常及び大動脈弁閉鎖不全のいずれかであるかを識別してもよい。図14に横軸を拡張期の平均mとして、縦軸を拡張期の歪度γとした場合の3名の健常者及び6名の心疾患患者を含む9名分の生体の平均m及び歪度γをプロットしたグラフを示す。6名の心疾患の生体には、健常及び大動脈弁閉鎖不全が含まれる。図14に示すように、健常及び大動脈弁閉鎖不全を、平均m及び歪度γの空間上の領域で分類することができる。従って、心疾患識別部26は、各領域が境界線によって平均m及び歪度γの空間に設定されていると、生体の平均m及び歪度γに基づいて、生体が健常及び大動脈弁閉鎖不全のいずれかであるかを識別できる。心疾患識別部26は、各領域を区切ることができる境界線を適宜設定してもよく、予め設定されて記憶部14に記憶されている境界線を取得してもよい。本識別方法においても、心疾患識別部26は、境界線及び複数の領域を学習して更新してもよい。
(心疾患識別方法6)
心疾患識別部26は、拡張期の尖度β及び歪度γに基づいて、生体が、健常及び大動脈弁閉鎖不全のいずれかであるかを識別する。図15に横軸を拡張期の尖度βとして、縦軸を拡張期の歪度γとした場合の3名の健常者及び6名の心疾患患者を含む9名分の生体の尖度β及び歪度γをプロットしたグラフを示す。尚、図15における9名の生体は、図14における9名の生体と同じである。6名の心疾患の生体には、健常及び大動脈弁閉鎖不全が含まれる。図15に示すように、健常及び大動脈弁閉鎖不全を、尖度β及び歪度γの空間上の領域で分類することができる。従って、心疾患識別部26は、各領域が境界線によって尖度β及び歪度γの空間に設定されていると、生体の尖度β及び歪度γに基づいて、生体が健常及び大動脈弁閉鎖不全のいずれかであるかを識別できる。心疾患識別部26は、各領域を区切ることができる境界線を適宜設定してもよく、予め設定されて記憶部14に記憶されている境界線を取得してもよい。本識別方法においても、心疾患識別部26は、境界線及び複数の領域を学習して更新してもよい。
(心疾患識別方法7)
心疾患識別部26は、拡張期の平均周波数m及び歪度γに基づいて、生体が、健常及び大動脈弁閉鎖不全のいずれかであるかを識別する。図16に横軸を拡張期の平均周波数mとして、縦軸を拡張期の歪度γとした場合の3名の健常者及び6名の心疾患患者を含む9名分の生体の平均周波数m及び歪度γをプロットしたグラフを示す。図16及び図14を比較するとわかるように、平均周波数mと歪度γに基づいてプロットした場合でも、平均mと歪度γに基づいてプロットした場合と同様の傾向が見られる。従って、心疾患識別部26は、拡張期の平均周波数m及び歪度γに基づいて、生体が、健常及び大動脈弁閉鎖不全のいずれかであるかを識別できる。本識別方法においても、心疾患識別部26は、境界線及び複数の領域を学習して更新してもよい。
心疾患識別部26は、識別した心疾患の識別結果を画像情報及びテキストに変換して表示部106へ出力するとともに、識別結果を記憶部14へ出力して記憶させる(S18)。尚、心疾患識別部26は、1つの心疾患に特定できない場合、複数の心疾患名を出力してもよい。
上述したように、心疾患識別装置10は、心疾患の特徴を表現するのに有効な心音データのモーメントの平均m、平均周波数m、歪度γ及び尖度βのいずれかに基づいて、心疾患の有無、及び、心疾患の種類を識別している。これにより、心疾患識別装置10は、心疾患の識別の精度を向上させることができる。更に、心疾患識別装置10は、2つのモーメントによる2次元座標の領域を区切る境界によって、心疾患の識別を実行している。これにより、心疾患識別装置10は、境界等の少ないデータに基づいて演算すればよいので、少ない記憶容量及び演算量によって、心疾患の識別の精度を向上させることができる。
上述の実施形態の各構成の機能、数値、及び、接続関係等は適宜変更してよい。
例えば、心疾患識別部26は、上述した複数の心疾患識別方法を組み合わせて、心疾患を識別してもよい。
統計量算出部24は、対数パワースペクトルのモーメントを算出したが、対数でないパワースペクトルのモーメントを算出してもよい。
心疾患識別部26は、2つの異なる次数のモーメントによる2次元空間を分割して、心疾患を識別したが、3つ以上の次数の異なるモーメントによる3次元以上の空間を分割して、心疾患を識別してもよい。
図17は、本実施形態に係るコンピュータ1900のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ1900は、心疾患識別装置10の一例である。コンピュータ1900は、ホスト・コントローラ2082により相互に接続されるCPU2000、RAM2020、グラフィック・コントローラ2075、及び表示部2080を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ2084によりホスト・コントローラ2082に接続される通信インターフェイス2030、及び、ハードディスクドライブ2040を有する入出力部と、入出力コントローラ2084に接続されるROM2010、メモリドライブ2050及び入出力チップ2070を有するレガシー入出力部とを備える。
ホスト・コントローラ2082は、RAM2020と、高い転送レートでRAM2020をアクセスするCPU2000及びグラフィック・コントローラ2075とを接続する。CPU2000は、ROM2010及びRAM2020に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等がRAM2020内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得し、表示部2080上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ2075は、CPU2000等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
入出力コントローラ2084は、ホスト・コントローラ2082と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェイス2030、ハードディスクドライブ2040を接続する。通信インターフェイス2030は、ネットワークを介して他の装置と通信する。ハードディスクドライブ2040は、コンピュータ1900内のCPU2000が使用する表示プログラム等のプログラム及びデータを格納する。
また、入出力コントローラ2084には、ROM2010と、メモリドライブ2050、及び入出力チップ2070の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM2010は、コンピュータ1900が起動時に実行するブート・プログラム、及び/又は、コンピュータ1900のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。メモリドライブ2050は、メモリカード2090から例えば表示プログラム等のプログラム又はデータを読み取り、RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供する。入出力チップ2070は、メモリドライブ2050を入出力コントローラ2084へと接続すると共に、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ2084へと接続する。
RAM2020を介してハードディスクドライブ2040に提供されるプログラムは、メモリカード2090、又はICカード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。表示プログラム等のプログラムは、記録媒体から読み出され、RAM2020を介してコンピュータ1900内のハードディスクドライブ2040にインストールされ、CPU2000において実行される。
コンピュータ1900にインストールされ、コンピュータ1900を心疾患識別装置10として機能させるプログラムは、心音データ取得モジュール、変換モジュール、統計量算出モジュール、及び、心疾患識別モジュールとを備える。これらのプログラム又はモジュールは、CPU2000等に働きかけて、コンピュータ1900を、心音データ取得モジュール、変換モジュール、統計量算出モジュール、及び、心疾患識別モジュールとしてそれぞれ機能させる。
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1900に読込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である心音データ取得モジュール、変換モジュール、統計量算出モジュール、及び、心疾患識別モジュールとして機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1900の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の心疾患識別装置10が構築される。
一例として、コンピュータ1900と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU2000は、RAM2020上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェイス2030に対して通信処理を指示する。通信インターフェイス2030は、CPU2000の制御を受けて、RAM2020、ハードディスクドライブ2040、又はメモリカード2090等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェイス2030は、DMA(ダイレクト・メモリ・アクセス)方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU2000が転送元の記憶装置又は通信インターフェイス2030からデータを読み出し、転送先の通信インターフェイス2030又は記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
また、CPU2000は、ハードディスクドライブ2040、メモリドライブ2050(メモリカード2090)等の外部記憶装置に格納されたファイルまたはデータベース等の中から、全部または必要な部分をDMA転送等によりRAM2020へと読み込ませ、RAM2020上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU2000は、処理を終えたデータを、DMA転送等により外部記憶装置へと書き戻す。このような処理において、RAM2020は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM2020および外部記憶装置等をメモリ、記憶部、または記憶装置等と総称する。本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なお、CPU2000は、RAM2020の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM2020の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM2020、メモリ、及び/又は記憶装置に含まれるものとする。
また、CPU2000は、RAM2020から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索・置換等を含む各種の処理を行い、RAM2020へと書き戻す。例えば、CPU2000は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数または定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、等しい等の条件を満たすかどうかを判断し、条件が成立した場合(又は不成立であった場合)に、異なる命令列へと分岐し、またはサブルーチンを呼び出す。また、CPU2000は、記憶装置内のファイルまたはデータベース等に格納された情報を検索することができる。
以上に示したプログラム又はモジュールは、外部の記録媒体に格納されてもよい。記録媒体としては、メモリカード2090の他に、DVD又はCD等の光学記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶装置を記録媒体として使用し、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ1900に提供してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 心疾患識別装置、 12 制御部、 14 記憶部、 20 心音データ取得部、 22 変換部、 24 統計量算出部、 26 心疾患識別部、 100 心疾患識別システム、 102 心音検出部、 104 入力信号処理部、 106 表示部、 200 心臓、 202 右心室、 204 左心室、 206 右心房、 208 左心房、 210 肺動脈弁、 212 大動脈弁、 214 三尖弁、 216 僧帽弁、 1900 コンピュータ、 2000 CPU、 2010 ROM、 2020 RAM、 2030 通信インターフェイス、 2040 ハードディスクドライブ、 2050 メモリドライブ、 2070 入出力チップ、 2075 グラフィック・コントローラ、 2080 表示部、 2082 ホスト・コントローラ、 2084 入出力コントローラ、 2090 メモリカード

Claims (7)

  1. 生体の心音におけるI音及びII音の間の心音データを取得する心音データ取得部と、
    取得した前記心音データを周波数領域のパワースペクトルに変換する変換部と、
    前記パワースペクトルのモーメントである平均、平均周波数および尖度の少なくとも一つと、歪度とを算出する統計量算出部と、
    前記パワースペクトル前記平均、前記平均周波数および前記尖度の前記少なくとも一つと、前記歪度とに基づいて、前記生体の心疾患を識別する心疾患識別部と、
    を備える心疾患識別装置。
  2. 次数が異なる複数の前記モーメントにより表される多次元空間を分割した複数の領域を記憶する記憶部を有し、
    前記心疾患識別部は、前記変換部により変換された周波数領域の前記心音データにおける前記複数のモーメントの値が前記複数の領域のいずれに属するかに基づいて、前記生体の心疾患を識別する、
    請求項に記載の心疾患識別装置。
  3. 前記心疾患識別部は、前記複数の領域を学習して更新して前記記憶部に記憶させる請求項に記載の心疾患識別装置。
  4. 前記周波数領域に変換された心音データの予め定められた軸は、パワースペクトル値に対応する軸である請求項1からのいずれか1項に記載の心疾患識別装置。
  5. 前記周波数領域に変換された心音データの予め定められた軸は、周波数に対応する軸である請求項1からのいずれか1項に記載の心疾患識別装置。
  6. 前記I音と前記II音との間の前記心音データは、収縮期または拡張期の前記生体の心音におけるデータである請求項1からのいずれか1項に記載の心疾患識別装置。
  7. 前記心疾患識別部は、複数の心拍分について平均化した周波数領域の前記心音データの前記モーメントに基づいて前記生体の心疾患を識別する請求項1からのいずれか1項に記載の心疾患識別装置。
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