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JP6320715B2 - アルコール性脂肪肝予防・治療剤 - Google Patents
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Description

本発明は、アルコール性脂肪肝予防・治療剤に関する。
脂肪肝とは大量飲酒や過栄養(糖質や脂肪の大量摂取)により肝臓に中性脂肪(トリグリセリド)が過剰に蓄積した状態である。脂肪肝は肝炎や肝硬変へと進行するだけでなく、2型糖尿病発症のリスクが高まり様々な生活習慣病へと進展する。従って、脂肪肝の発症原因を解明し、その原因を取り除くための予防・治療法が明らかになれば、多くの生活習慣病を予防できる。
脂肪肝にはアルコール性と非アルコール性の2種類がある。アルコール性脂肪肝は肝細胞内でのNADH/NAD比の増加が脂肪酸のβ酸化を抑制することで生じる脂質代謝の異常が原因と考えられている。非アルコール性脂肪肝の原因は遊離脂肪酸(NEFA)の摂取及び生合成が過剰になるためであると考えられている。
これまでに本発明者らはアルコール性脂肪肝に関しては、マウスにアルコールを単回投与して生じる急性アルコール性脂肪肝は、前日に魚油を摂取すると、アルコール投与で生じる転写調節因子SREBP−1cの活性化を抑制し、脂肪肝発症に関連する遺伝子群の発現を低下させることを明らかにした(非特許文献1)。しかし、これ以外の食品成分に同様の働きを有する物質があるかは不明である。一方、非特許文献2では、魚油がマウスにおける脂肪過剰摂取による脂肪肝を悪化させることが示されている。このように、脂肪肝はその原因によって有効性が大きく異なる。
静岡県の特産物であるミカン等の柑橘類果皮に含まれるフラボノイドの一種、ノビレチンには、メタボリックシンドロームを抑制することを示唆するような知見が数多く蓄積されてきている。
特許文献1には、ミカン科カンキツ属果実の全果濃縮物、外皮付生果実の凍結乾燥粉砕物又は外皮付生果実の凍結乾燥粉砕物のアルコール抽出物からなる健康食品が開示されており、この健康食品を摂取することにより、過酸化脂質の生成が大幅に抑制され、肥満、動脈硬化、各種成人病要因を除去できることが開示されている。
特許文献2には、果汁を除去した柑橘類果実の粉末と緑黄野菜粉末を必須成分とする抗肥満食品が開示されており、実施例には柚子果汁を除去した凍結乾燥物とパセリの凍結乾燥物を混合した散剤を与えて、ラット及びヒトについて体重測定、トリグリセリド(TG)、コレステロール(TC)、トランスアミラーゼ(GOT、GPT)を測定した結果が開示されている。
特許文献3の請求項1には、ミカン科の植物を有効成分とする脂肪分解促進剤及びこれを含有する皮膚外用剤組成物が開示されており、請求項2には特にミカン科の植物を有効成分とする脂肪分解促進剤に、キサンチン誘導体、βアドレナリン作用興奮剤、αアドレナリン作用抑制剤及びビピリジン誘導体から選ばれる一種又は二種以上を配合した皮膚外用剤組成物が開示されており、脂肪組織に蓄積されたトリグリセリドの分解を促進し、肥満の抑制、防止及び改善効果が開示されている。
特許文献4には、ミカン科植物抽出物が脱共役蛋白質の発現を誘導して脱共役蛋白質を活性化させることにより、ATP合成に共役される化学エネルギーから熱エネルギーへの変換効率を向上させ、脂質及び炭水化物の代謝改善剤として特に有効に使用され得ると開示されている。
特許文献5には、ノビレチンとシネフリンとが相乗的に脂肪細胞に作用して、当該細胞中の脂肪をより効率的に分解することができ、副作用の影響を受けることもダイエットに伴うストレスを感じることもなく、容易に肥満の治療及び予防を達成し得ると開示されている。
特許文献6には、脂肪細胞における脂肪蓄積を、ノビレチン等の少なくとも一つのポリメトキシル化フラボンを含有する分画を含んでいる組成物を用いて管理するための方法及び、特定の態様において、重量減少を経験している被験者におけるリバウンドの重量増加を予防するための方法が開示されている。
特許文献7には、ノビレチンを含有するミカン科柑橘類の果皮抽出画分が、摂食量に影響を与えることなく体重の増加量の上昇を抑制する作用、骨格筋組織内又は骨格筋細胞内のマウスGLUT4及びそのホモログである糖輸送体遺伝子のタンパク質の発現を促進する作用、肥大化した内臓周辺白色脂肪組織の縮小を促進する作用、及び血中トリグリセリド濃度に影響を与えることなく、血中グルコース濃度を低下させる作用を有し、メタボリックシンドロームの治療薬として有効に使用され得ると開示されている。
特許文献8には、甘草ポリフェノールとそれ以外の有効成分(抗酸化成分、甘草ポリフェノール以外のポリフェノール、例えばノビレチン、又は脂質の吸収もしくは代謝にかかわる成分)を含有する組成物は、安全性が高く容易に製造することができ、健康食品や保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品)などの飲食品、又は医薬品、医薬部外品、化粧品などに利用することができること、また該組成物は、体脂肪蓄積抑制、体脂肪分解促進又はエネルギー産生促進効果を有し、肥満やメタボリックシンドローム等の治療に有用であることが開示されている。
特許文献9には、柑橘類に含まれる化合物A:3’,4’,3,5,6,7,8−ヘプタメトキシフラボン、化合物B:5−ヒドロキシ−3’,4’,6,7,8−ペンタメトキシフラボン、化合物C:4’,5,6,7,8−ペンタメトキシフラボン(タンゲレチン)、化合物D:3’,4’,5,6,7,8−ヘキサメトキシフラボン(ノビレチン)、化合物E:3’,4’,5,6,7−ペンタメトキシフラボン(シネンセチン)及び化合物F:3’,4’,5,7,8−ペンタメトキシフラボンからなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物に脂肪細胞への脂肪蓄積を阻害する働きがあることが開示されている。
また、ノビレチンを含む餌(脂質エネルギー60%の餌)をマウスに与えると、脂肪酸のβ酸化を促進して肝臓へのトリグリセリド蓄積が抑制され、更に肝臓からのVLDL過剰産生が抑制されることにより脂質異常症や動脈硬化が抑制されることが報告されている(非特許文献3)。
以上のように、肥満や糖尿病、非アルコール性脂肪肝へのノビレチンならびにノビレチン等を含有する柑橘系果皮抽出物の効果については多くの報告があるにもかかわらず、アルコール性脂肪肝へのノビレチン等のポリメトキシフラボンの作用については報告されていない。
特開昭57−203014号公報 特開昭62−44145号公報 特開平8−81382号公報 特開2004−149432号公報 特開2004−137218号公報 特表2009−506057号公報 WO2010/134373 WO2008/143182 特開2008−273935号公報
Satoshi Wada, Tomomi Yamazaki, Yukari Kawano, Shinji Miura, Osamu Ezaki, "Fish oil fed prior to ethanol administration prevents acute ethanol-induced fatty liver in mice", Journal of Hepatology 49 (2008), pp. 441-450. Tomomi Yamazaki, Akiko Nakamori, Eriko Sasaki, Satoshi Wada, Osamu Ezaki, "Fish Oil Prevents Sucrose-Induced Fatty Liver But Exacerbates High-Safflower Oil-Induced Fatty Liver in ddY Mice", HEPATOLOGY, Vol. 46, No.6, 2007, pp. 1779-1790. Mulvihill EE et al., "Nobiletin attenuates VLDL overproduction, dyslipidemia, and atherosclerosis in mice with diet-induced insulin resistance", Diabetes, Vol. 60, pp. 1446-1457 (2011).
本発明の課題は、アルコールによって増加する肝臓トリグリセリドの濃度を低下させ、アルコール性脂肪肝の予防・治療に有効な薬剤を提供することである。
本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)ポリメトキシフラボン、又はポリメトキシフラボンを含有するミカン科カンキツ属の果皮もしくはその処理物を有効成分とするアルコール性脂肪肝予防・治療剤。
(2)ポリメトキシフラボンがノビレチン及びタンゲレチンの少なくとも1種である前記(1)に記載のアルコール性脂肪肝予防・治療剤。
(3)ポリメトキシフラボンがノビレチンである前記(1)に記載のアルコール性脂肪肝予防・治療剤。
(4)食品に添加するための前記(1)〜(3)のいずれかに記載のアルコール性脂肪肝予防・治療剤。
(5)アルコールによって増加する肝臓トリグリセリドの濃度低下剤である前記(1)〜(4)のいずれかに記載のアルコール性脂肪肝予防・治療剤。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載のアルコール性脂肪肝予防・治療剤を配合してなるアルコール飲料。
本発明のアルコール性脂肪肝予防・治療剤を、ヒト又はヒト以外の脊椎動物に投与することによって、アルコール摂取により誘導された肝臓トリグリセリド濃度の上昇を低下させたり、アルコール摂取により誘導された肝臓トリグリセリド濃度の上昇に起因する疾患、例えば、脂肪肝、代謝障害性肝障害、肝硬変、肝線維症等を予防・治療することができる。
図1は、ノビレチンを経口投与後にグルコース又はアルコールを経口投与したときの肝臓中のトリグリセリド量(mg/g肝臓)を示す図である。
本発明に用いるポリメトキシフラボンとは、2個以上、好ましくは4〜7個のメトキシ基で置換されたフラボンを意味する。ポリメトキシフラボンとしては、例えば5,6,7,4’−テトラメトキシフラボン、5,6,7,8,4’−ペンタメトキシフラボン(タンゲレチン)、5,6,7,3’,4’−ペンタメトキシフラボン(シネンセチン)、5,6,7,8,3’,4’−ヘキサメトキシフラボン(ノビレチン)、3,5,6,7,3’,4’−ヘキサメトキシフラボン、3,5,6,7,8,3’,4’−ヘプタメトキシフラボン、好ましくは5,6,7,8,4’−ペンタメトキシフラボン(タンゲレチン)、5,6,7,8,3’,4’−ヘキサメトキシフラボン(ノビレチン)が挙げられる。
ポリメトキシフラボンは、ミカン科カンキツ属(ミカン属)の果皮に多く含まれることから、前記果皮を微粉砕して粉末化した果皮粉末をそのまま用いてもよいが、ポリメトキシフラボンの含有量を高めた抽出物、その精製物等の処理物として用いることが好ましい。
ミカン科カンキツ属植物としては、例えばウンシュウミカン(C. unshiu)、タチバナ(C. tachibana)、チチュウカイマンダリン(C. deliciosa)、キシュウ(C. kinokuni)、コベニミカン(C. erythrosa)、ダンシータンジェリン(C. tangerina)、スンキ(C. sunki)、シークワーサー(Citrus depressa)、ギリミカン(C. tardiva)、ポンカン(C. retuculata)、ハナユ(C. hanayu)、カラマンシー(C. calamondin)が挙げられる。
ポリメトキシフラボンは、2個以上のメトキシ基を有し、また具体例として前記したポリメトキシフラボンは水酸基を有しない。従って、ポリメトキシフラボンは、高親油性であるので、この性質を利用して、抽出、必要に応じて更に精製することにより、ポリメトキシフラボンの含有量を高めることができる。ポリメトキシフラボンは一般に水及びエーテルには溶けにくいので、その他の有機溶媒を用いて抽出、溶出することが好ましい。
抽出溶媒としては、アルコール類、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール;エステル類、例えば酢酸エチル等の酢酸エステル;ケトン類、例えばアセトン等が挙げられる。
なお、抽出法の詳細について必要ならば、Polymethoxylated Flavonoids from the Peels of Citrus depressa(Yoshihiro Mimaki et al., Natural Medicines 54(6), 351(2000))を参照されたい。
分画された親油性ポリアルコキシフラボンを更に親油性溶媒で溶出処理することにより、高親油性ポリアルコキシフラボン(タンゲレチン、ノビレチン等)を高濃度で含有する溶出液を得ることができる。更にこの濃縮液を噴霧乾燥あるいは凍結乾燥することにより、粉末製剤を得ることができる。
更なる精製は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等を適宜組み合わせることにより行うことができる。
本発明のアルコール性脂肪肝予防・治療剤は、ポリメトキシフラボン、又はポリメトキシフラボンを含有するミカン科カンキツ属の果皮もしくはその処理物を公知の食品用担体又は医薬用担体と組合せて製剤化することができる。投与形態としては、特に制限はなく、必要に応じ適宜選択されるが、一般には錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤等の経口剤として使用される。また、本発明のアルコール性脂肪肝予防・治療剤は、食品、チューインガム、飲料等に添加して、いわゆる特定保健用食品とすることもできる。
本発明のアルコール性脂肪肝予防・治療剤は、飲酒前や、飲酒中に服用することによりアルコールによって増加する肝臓トリグリセリド濃度を低下させることができ、アルコール性脂肪肝を予防又は抑制することができる。
本発明のアルコール性脂肪肝予防・治療剤の投与量は、患者の年令、体重、疾患の程度、投与経路により異なるが、経口投与では、ポリメトキシフラボンとして、通常1日5〜300mgであり、投与回数は、通常、経口投与では1日1〜3回である。
経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩類等の賦形剤を用いて常法に従って製造される。
この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他に、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。
結合剤の具体例としては、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルメロースナトリウム、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、デキストリン、アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、プルラン、ポリビニルピロリドン、アミノアルキルメタクリレートコポリマーE、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマー、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、アラビアゴム末、寒天、ゼラチン、白色セラック、トラガント、精製白糖、マクロゴールが挙げられる。
崩壊剤の具体例としては、結晶セルロース、メチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチナトリウム、トラガントが挙げられる。
界面活性剤の具体例としては、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ポリソルベート、モノステアリン酸グリセリン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴールが挙げられる。
滑沢剤の具体例としては、コムギデンプン、コメデンプン、トウモロコシデンプン、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、タルク、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ロウ類、水素添加植物油、ポリエチレングリコールが挙げられる。
流動性促進剤の具体例としては、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムが挙げられる。
また、本発明のアルコール性脂肪肝予防・治療剤は、液剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤として投与する場合には、矯味矯臭剤、着色剤を含有してもよい。
また、本発明のアルコール性脂肪肝予防・治療剤をアルコール飲料に配合すると、飲酒と同時に本発明のアルコール性脂肪肝予防・治療剤を服用することになるので、肝臓トリグリセリド濃度が増加しにくく、アルコール性脂肪肝になりにくいアルコール飲料とすることができる。
本発明において、アルコール飲料とは、アルコールを含む飲料、いわゆる酒類のことを意味し、例えば清酒、合成清酒、焼酎、みりん、ビール、果実酒類(果実酒と甘味果実酒)、ウイスキー類(ウイスキーとブランデー)、スピリッツ類、リキュール類、雑酒が挙げられる。
本発明のアルコール飲料とは、本発明に従って「配合」する「ポリメトキシフラボン、又はポリメトキシフラボンを含有するミカン科カンキツ属の果皮もしくはその処理物」を含有するアルコール飲料をいい、カンキツ属等の果汁を含有しても、含有しなくてもよいが、通常の「ミカン酒」のように果汁を用いただけで、「ポリメトキシフラボン、又はポリメトキシフラボンを含有するミカン科カンキツ属の果皮もしくはその処理物」を配合していない果実酒等は包含しない。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]ノビレチン前投与のアルコール性脂肪肝発症に対する影響
(試験方法)
ラット、マウス等の実験動物にアルコールを1回投与するだけで、脂肪肝を引き起こし、この動物モデルは、アルコール多飲者と類似の生理学的特徴を有する(Satoshi Wada, Tomomi Yamazaki, Yukari Kawano, Shinji Miura, Osamu Ezaki, “Fish oil fed prior to ethanol administration prevents acute ethanol-induced fatty liver in mice”, Journal of Hepatology 49 (2008), pp. 441-450; Carson EJ, Pruett SB, “Development and characterization of a binge drinking model in mice for evaluation of the immunological effects of ethanol”, Alcohol Clin Exp Res, Vol. 20, pp. 132-138 (1996))。従って、アルコール1回投与による肝臓中のトリグリセリド量の増加を抑制する薬物は、一般的にアルコール性脂肪肝の発症を抑制すると考えられる。そこで、以下の方法に従って、試験を行った。
ノビレチン(0〜1,000μg/マウス)をマウスに経口投与し、2時間絶食させた後にアルコール又はグルコースを経口投与した。アルコールはエタノール3mg/g体重になるように投与した。溶液には40%エタノール水溶液を用い、0.15ml/20g体重の割合で投与した。グルコース投与群は、アルコール投与群と同じカロリーのグルコースを投与した。溶液には40%グルコース水溶液を用い、0.27ml/20g体重の割合で投与した。エタノール及びグルコース投与後から解剖までは絶食、水は自由摂取で飼育した。アルコール投与4時間後にエーテル麻酔下屠殺後、肝臓を摘出して肝臓中のトリグリセリド量を測定した。
(結果)
図1に示すように、肝臓中のトリグリセリド量はノビレチン投与量が増加するほど低下した。従って、飲酒前のノビレチン摂取は飲酒による肝臓へのトリグリセリド蓄積を有意に抑制することが示唆された。

Claims (7)

  1. ポリメトキシフラボン、又はポリメトキシフラボンを含有するミカン科カンキツ属の果皮もしくはその処理物を有効成分とし、飲酒前に服用されるアルコール性脂肪肝予防剤。
  2. 飲酒前に単回服用される請求項1記載のアルコール性脂肪肝予防剤。
  3. 飲酒前2時間以内に単回服用される請求項1記載のアルコール性脂肪肝予防剤。
  4. ポリメトキシフラボンがノビレチン及びタンゲレチンの少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルコール性脂肪肝予防剤。
  5. ポリメトキシフラボンがノビレチンである請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルコール性脂肪肝予防剤。
  6. 食品に添加するための請求項1〜のいずれか1項に記載のアルコール性脂肪肝予防剤。
  7. アルコールによって増加する肝臓トリグリセリドの濃度低下剤である請求項1〜のいずれか1項に記載のアルコール性脂肪肝予防剤。
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