JP6320750B2 - 電子写真用トナー - Google Patents
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Description
〔1〕 結着樹脂として、ポリエステルとポリ乳酸との間でエステル交換反応をさせて得られる樹脂組成物と、
離型剤として、炭化水素系ワックスと
を含有する、電子写真用トナー、並びに
〔2〕 工程1:ポリエステルとポリ乳酸を140℃以上200℃以下で混合しエステル交換反応に供する工程、
工程2:工程1で得られた樹脂組成物と炭化水素系ワックスを含むトナー用原料混合物を溶融混練する工程、及び
工程3:工程2で得られた溶融混練物を粉砕し、分級する工程、
を含む、前記〔1〕記載の電子写真用トナーの製造方法
に関する。
トナーが空気中の水分を吸収しやすい高温高湿環境においても、トナーに十分な電荷を付与し現像性能を発揮させるためには、トナー粒子の疎水性を向上させる必要があるが、炭化水素系ワックスのように疎水性の高いワックスは、ポリエステルとの混合性が悪く、トナーの耐久性が悪化する。これに対し、本発明のトナーは、ポリエステルとポリ乳酸との間でエステル交換反応をさせて得られる樹脂組成物を含有することに特徴を有しており、かかる樹脂組成物中には、未反応のポリエステル及びポリ乳酸と、これらの間でのエステル交換反応により生成したポリエステル−ポリ乳酸共重合体が含まれる。ポリエステルとポリ乳酸は混合性が悪く、溶融混練しても分離したままであり、トナー化することができない。しかし、あらかじめポリエステルとポリ乳酸を混合しこれらの間で一部エステル交換反応させてポリエステル−ポリ乳酸共重合体が生成すると、混合物中のポリエステルとポリ乳酸の混合性が向上し、反応後の樹脂組成物は、ポリエステルとポリ乳酸の分離状態がなく、互いに緻密に混在した、強度の高い状態を形成する。そして、このポリエステル、ポリ乳酸及びポリエステル−ポリ乳酸共重合体を含有する樹脂組成物と炭化水素系ワックスを混練すると、撹拌シェアが上がるため、炭化水素系ワックスが結着樹脂中へ分散することが容易となり、トナー粒子間の成分組成のばらつきが低減されたトナー粒子となる。その結果、炭化水素系ワックスによる高温高湿環境下での現像性(カブリの抑制)の向上効果と、ポリエステルとポリ乳酸及びポリエステル−ポリ乳酸共重合体を含有する強度の高い樹脂組成物による耐久性の向上効果のいずれもが発揮されるものと考えられる。
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
工程1:ポリエステルとポリ乳酸を140℃以上200℃以下で混合しエステル交換反応に供する工程、
工程2:工程1で得られた樹脂組成物と炭化水素系ワックスを含むトナー用原料混合物を溶融混練する工程、及び
工程3:工程2で得られた溶融混練物を粉砕し、分級する工程
を含む方法により得られるものが好ましい。
(A) ポリエステルとポリ乳酸を混合し、加熱して溶融させる方法、
(B) 予めポリエステルを加熱して溶融させ、ポリ乳酸と混合する方法、及び
(C) 予めポリ乳酸を加熱して溶融させ、ポリエステルと混合する方法
のいずれであってもよいが、トナーにポリ乳酸を含有させトナーの耐久性を向上させる観点から、(B)の方法が好ましい。従って、工程1は下記の工程1−1及び工程1−2を含むことが好ましい。
工程1−1:ポリエステルを溶融させる工程
工程1−2:溶融したポリエステルとポリ乳酸を140℃以上200℃以下で混合する工程
離型剤として、炭化水素系ワックスと
を含有する、電子写真用トナー。
<3> 脂肪族ジオールの炭素数は、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、さらに好ましくは6以下、さらに好ましくは4以下である、前記<2>記載の電子写真用トナー。
<4> 脂肪族ジオールは、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールを含有することが好ましい、前記<2>又は<3>記載の電子写真用トナー。
<5> 第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールの炭素数は、3以上が好ましく、6以下が好ましく、4以下がより好ましい、前記<4>記載の電子写真用トナー。
<6> 第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールは、1,2-プロパンジオール及び/又は2,3-ブタンジオールが好ましく、1,2-プロパンジオールがより好ましい、前記<4>又は<5>記載の電子写真用トナー。
<7> 脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは実質的に100モル%である、前記<2>〜<6>いずれか記載の電子写真用トナー。
<8> 第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールの含有量は、アルコール成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは実質的に100モル%である、前記<4>〜<7>いずれか記載の電子写真用トナー。
<9> ポリエステルのカルボン酸成分は、芳香族ジカルボン酸化合物を含有することが好ましい、前記<1>〜<8>いずれか記載の電子写真用トナー。
<10> 芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは85モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上である、前記<9>記載の電子写真用トナー。
<11> ポリエステルのカルボン酸成分は、3価以上のカルボン酸化合物を含有していることが好ましい、前記<1>〜<10>いずれか記載の電子写真用トナー。
<12> 3価以上のカルボン酸化合物は、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)及び/又はその無水物が好ましく、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸の無水物(無水トリメリット酸)がより好ましい、前記<11>記載の電子写真用トナー。
<13> 3価以上のカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは5モル%以上、より好ましくは10モル%以上であり、好ましくは20モル%以下、より好ましくは15モル%以下である、前記<11>又は<12>記載の電子写真用トナー。
<14> ポリエステルの軟化点は、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、さらに好ましくは100℃以上であり、好ましくは160℃以下、より好ましくは140℃以下である、前記<1>〜<13>いずれか記載の電子写真用トナー。
<15> ポリエステルのガラス転移温度は、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上、さらに好ましくは60℃以上であり、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下、さらに好ましくは75℃以下である、前記<1>〜<14>いずれか記載の電子写真用トナー。
<16> ポリエステルの酸価は、好ましくは30mgKOH/g以下、より好ましくは20mgKOH/g以下であり、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは3mgKOH/g以上、さらに好ましくは5mgKOH/g以上である、前記<1>〜<15>いずれか記載の電子写真用トナー。
<17> ポリエステルは、軟化点が好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上異なる2種類以上のポリエステルを含有している、前記<1>〜<16>いずれか記載の電子写真用トナー。
<18> 2種類以上のポリエステルのうち、最も低い軟化点を持つ樹脂の軟化点は、好ましくは80℃以上、より好ましくは95℃以上、さらに好ましくは105℃以上であり、好ましくは135℃以下、より好ましくは120℃以下、さらに好ましくは115℃以下であり、最も高い軟化点を持つ樹脂の軟化点は、好ましくは110℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは130℃以上であり、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下、さらに好ましくは140℃以下である、前記<17>記載の電子写真用トナー。
<19> ポリエステルが2種類のポリエステルを含有し、高軟化点ポリエステルと低軟化点ポリエステルとの質量比(高軟化点ポリエステル/低軟化点ポリエステル)は、好ましくは1/9〜9/1、より好ましくは2/8〜8/2、さらに好ましくは5/5〜8/2である、前記<17>又は<18>記載の電子写真用トナー。
<20> ポリ乳酸を構成するモノマー中の乳酸の含有量は、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは実質的に100モル%である、前記<1>〜<19>いずれか記載の電子写真用トナー。
<21> ポリ乳酸は、乳酸のホモポリマーであることが好ましい、前記<1>〜<20>いずれか記載の電子写真用トナー。
<22> ポリ乳酸は、結晶性ポリ乳酸であることが好ましい、前記<1>〜<21>いずれか記載の電子写真用トナー。
<23> 結晶性ポリ乳酸の結晶化度は、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である、前記<22>記載の電子写真用トナー。
<24> ポリ乳酸の数平均分子量は、好ましくは60,000以上、より好ましくは100,000以上、さらに好ましくは150,000以上、さらに好ましくは180,000以上であり、好ましくは300,000以下、より好ましくは250,000以下、さらに好ましくは200,000以下である、前記<1>〜<23>いずれか記載の電子写真用トナー。
<25> ポリ乳酸の重量平均分子量は、好ましくは60,000以上、より好ましくは100,000以上、さらに好ましくは250,000以上、さらに好ましくは400,000以上、さらに好ましくは450,000以上であり、好ましくは700,000以下、より好ましくは550,000以下、さらに好ましくは500,000以下である、前記<1>〜<24>いずれか記載の電子写真用トナー。
<26> ポリ乳酸の融点は、好ましくは155℃以上、より好ましくは160℃以上であり、好ましくは180℃以下、より好ましくは175℃以下である、前記<1>〜<25>いずれか記載の電子写真用トナー。
<27> エステル交換反応に供するポリエステルとポリ乳酸の質量比(ポリエステル/ポリ乳酸)は、好ましくは90/10〜30/70、より好ましくは80/20〜35/65、さらに好ましくは70/30〜40/60、さらに好ましくは60/40〜45/55である、前記<1>〜<26>いずれか記載の電子写真用トナー。
<28> ポリ乳酸を基準とするエステル交換率は、好ましくは0.1%以上、より好ましくは1.0%以上、さらに好ましくは3.0%以上、さらに好ましくは7.0%以上であり、好ましくは35%以下、より好ましくは30%以下、さらに好ましくは25%以下、さらに好ましくは20%以下、さらに好ましくは15%以下、さらに好ましくは10%以下である、前記<1>〜<27>いずれか記載の電子写真用トナー。
<29> 樹脂組成物の含有量は、結着樹脂中、好ましくは2質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは8質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上であり、好ましくは100質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である、前記<1>〜<28>いずれか記載の電子写真用トナー。
<30> 結着樹脂が、エステル交換反応に供するポリエステルに加えて、さらにポリエステルを含有し、エステル交換反応に供するポリエステルとエステル交換反応に供しないポリエステルとの質量比(エステル交換反応に供するポリエステル/エステル交換反応に供しないポリエステル)は、好ましくは90/10〜1/99、より好ましくは70/30〜3/97、さらに好ましくは60/40〜5/95、さらに好ましくは50/50〜10/90、さらに好ましくは45/55〜10/90である、前記<1>〜<29>いずれか記載の電子写真用トナー。
<31> 樹脂組成物の含有量、又はさらにポリエステルを含有する場合は、樹脂組成物とポリエステルの総含有量は、結着樹脂中、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは実質的に100質量%、さらに好ましくは100質量%である、前記<1>〜<30>いずれか記載の電子写真用トナー。
<32> 炭化水素系ワックスは、好ましくはポリプロピレン、α−オレフィン系重合体、パラフィンワックス及びフィッシャートロプシュワックスからなる群より選ばれた少なくとも1種を含有し、より好ましくはポリプロピレン、α−オレフィン系重合体及びパラフィンワックスからなる群より選ばれた少なくとも1種、さらに好ましくはα−オレフィン系重合体を含有する、前記<1>〜<31>いずれか記載の電子写真用トナー。
<33> α−オレフィン系重合体は、炭素数22以上30以下のα−オレフィンを含有するモノマーを重合して得られるα−オレフィン系重合体が好ましい、前記<32>記載の電子写真用トナー。
<34> α−オレフィン系重合体の原料モノマー中の炭素数22以上30以下のα−オレフィンの含有量は、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは実質的に100モル%である、前記<33>記載の電子写真用トナー。
<35> α−オレフィン系重合体の原料モノマー中の炭素数26以上28以下のα−オレフィンの含有量は、好ましくは60モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは97モル%以上である、前記<33>又は<34>記載の電子写真用トナー。
<36> 炭化水素系ワックスの融点は、好ましくは60℃以上、より好ましくは64℃以上、さらに好ましくは68℃以上、さらに好ましくは72℃以上であり、好ましくは140℃以下、より好ましくは130℃以下、さらに好ましくは120℃以下、さらに好ましくは100℃以下である、前記<1>〜<35>いずれか記載の電子写真用トナー。
<37> トナー中の炭化水素系ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1.5質量部以上、さらに好ましくは2.5質量部以上、さらに好ましくは4.0質量部以上であり、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは8.0質量部以下である、前記<1>〜<36>いずれか記載の電子写真用トナー。
<38> 離型剤中の炭化水素系ワックスの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である、前記<1>〜<37>いずれか記載の電子写真用トナー。
<39> 工程1:ポリエステルとポリ乳酸を140℃以上200℃以下で混合しエステル交換反応に供する工程、
工程2:工程1で得られた樹脂組成物と炭化水素系ワックスを含むトナー用原料混合物を溶融混練する工程、及び
工程3:工程2で得られた溶融混練物を粉砕し、分級する工程、
を含む、前記<1>〜<38>いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法。
<40> 工程1において、ポリエステルとポリ乳酸を混合する温度は、好ましくは140℃以上、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは160℃以上であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは190℃以下、さらに好ましくは180℃以下である、前記<39>記載の電子写真用トナーの製造方法。
<41> 工程1における混合時間は、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは2時間以上、さらに好ましくは4時間以上であり、好ましくは15時間以下、より好ましくは13時間以下、さらに好ましくは11時間以下、さらに好ましくは9時間以下、さらに好ましくは6時間以下である、前記<39>又は<40>記載の電子写真用トナーの製造方法。
<42> 工程1で混合するポリエステルとポリ乳酸の質量比(ポリエステル/ポリ乳酸)は、好ましくは90/10〜30/70、より好ましくは80/20〜35/65、さらに好ましくは70/30〜40/60、さらに好ましくは60/40〜45/55である、前記<39>〜<41>いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法。
<43> 工程1は、
工程1−1:ポリエステルを溶融させる工程、及び
工程1−2:溶融したポリエステルとポリ乳酸を140℃以上200℃以下で混合する工程
を含むことが好ましい、前記<39>〜<42>いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法。
<44> 工程2において、さらにポリエステルも溶融混練することが好ましい、前記<39>〜<43>いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法。
<45> 工程2において、着色剤、荷電制御剤及び離型剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の添加剤をともに溶融混練することが好ましい、前記<39>〜<44>いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法。
<46> 着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である、前記<45>記載の電子写真用トナーの製造方法。
<47> 溶融混練に、オープンロール型混練機を用いることが好ましい、前記<39>〜<46>いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法。
フローテスター「CFT-500D」(島津製作所社製)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計「Q-100」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却した。次に試料を昇温速度10℃/minで昇温し測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
粉末X線回折(XRD)測定装置「Rigaku RINT 2500VC X-RAY diffractometer」(リガク社製)を用いて、X線源:Cu/Kα−radiation、管電圧:40kV、管電流:120mA、測定範囲:回折角(2θ)5〜40°、走査速度は5.0°/minで連続スキャン法によりピーク強度を測定する。なお、試料は、粉砕した後、ガラス板に詰めて測定する。得られたX線回折より、下記式より算出される値をポリ乳酸の結晶化度とする。
示差走査熱量計「DSC Q20」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、ポリ乳酸0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、昇温速度10℃/minで20℃から200℃まで昇温する。得られた融解吸熱カーブから観察される吸熱の最高ピーク温度をポリ乳酸の融点とする。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定し、数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、試料を、クロロホルムに、25℃で溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ0.2μmのフッ素樹脂フィルター「DISMIC-25JP」(ADVANTEC社製)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてクロロホルムを、毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー社製のA-500(Mw 5.0×102)、A-1000(Mw 1.01×103)、A-2500(Mw 2.63×103)、A-5000(Mw 5.97×103)、F-1(Mw 1.02×104)、F-2(Mw 1.81×104)、F-4(Mw 3.97×104)、F-10(Mw 9.64×104)、F-20(Mw 1.90×105)、F-40(Mw 4.27×105)、F-80(Mw 7.06×105)、F-128(Mw 1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー社製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(東ソー社製)
以下の方法により、13C-NMR法によりポリ乳酸のエステル結合のカルボニル炭素の変化量を定量し、ポリ乳酸を基準とするエステル交換率を求める。
(1) 試料溶液の調製
樹脂組成物0.15gを1gのクロロホルム-D(和光純薬工業社製、D,99.8%、0.05v/v%TMS含有)に溶解させて試料溶液とする(試料濃度:12質量%)。
(2) 13C-NMRスペクトル測定
前記試料溶液を、NMR測定管(日本精密化学社製、内径5mm、長さ210mm)に、溶液の量が管の底から5cmになるように入れて、下記条件にて13C-NMRスペクトルを測定する。
<測定条件>
装置:400MR(Agilent Technologies社製)
磁場:400MHz
Pulse program:CARBON (s2pul)
積算回数:20000
45°pulse:4.35μs
Relaxation delay:1s
Receiver gain:60
TEMP:25℃
(3) エステル交換率の算出
169.5ppm〜169.6ppmに観測されるポリ乳酸のエステル結合のカルボニル炭素に由来するピーク(a)の積分強度と、168ppm〜176ppmに観測されるエステル交換反応により新たに生じたポリエステルとポリ乳酸間のエステル結合のカルボニル炭素に由来するピーク(b)の積分強度より、下記式より算出される値を、ポリ乳酸を基準とするエステル交換率とする。
示差走査熱量計「DSC Q20」(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温し、その温度から降温速度5℃/minで-10℃まで冷却する。次に試料を昇温速度10℃/minで180℃まで昇温し測定する。そこで得られた融解吸熱カーブから観察される吸熱の最高ピーク温度を離型剤の融点とする。
ブルックフィールド法によりB型粘度計(日本STジョンソン社製 LVT)を用いて、測定試料を加熱し、離型剤の溶融温度以上の温度である100℃において測定する。
一次粒子の体積平均粒径を下記式より求める。
平均粒径(nm)=6/(ρ×比表面積(m2/g))×1000
式中、ρは外添剤の真比重であり、例えば、シリカの真比重は2.2である。比表面積は、窒素吸着法により求められたBET比表面積である。なお、上記式は、粒径Rの球と仮定して、
比表面積=S×(1/m)
m(粒子の重さ)=4/3×π×(R/2)3×真比重
S(表面積)=4π(R/2)2
から得られる式である。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5質量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させる。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mlに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
表1に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、200℃に昇温して6時間反応させた。さらに210℃に昇温した後、無水トリメリット酸を添加し、常圧(101.3kPa)にて1時間反応させ、さらに40kPaにて所望の軟化点に達するまで反応させ、ポリエステルを得た。得られたポリエステルの物性を表1に示す。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。
表1に示す原料モノマー及びエステル化触媒を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、200℃に昇温して6時間反応させた。さらに210℃に昇温した後、常圧(101.3kPa)にて1時間反応させ、さらに40kPaにて軟化点が108℃に達するまで反応させ、ポリエステルを得た。得られたポリエステルの物性を表1に示す。
「リニアレン26+」(出光興産社製、主として炭素数26以上のα−オレフィンの混合体)を減圧下(0.1kPa)で蒸留し、留出温度200〜300℃の留分であるモノマーAを得た。この留分の組成比は、C(炭素数、以下同様)24:1モル%、C26:59モル%、C28:38モル%、C30:2モル%であった。
次に、窒素雰囲気下で、モノマーA及びトルエンを、乾燥窒素及び活性アルミナにて脱水処理した後、室温(25℃)にて、均一な上澄み溶液を抽出し、モノマーAのトルエン溶液(濃度23質量%)を得た。
加熱乾燥した内容積200mlのシュレンク瓶に、得られたモノマーAのトルエン溶液50mlを入れ、トリイソブチルアルミニウム0.5mmol、(1,2’-ジメチルシリレン)(2,1’-ジメチルシリレン)ビス(3-トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウムジクロライド2μmol及びジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート8μmolを加え、85℃で水素を0.15MPa張り込み、60分間重合した。重合反応終了後、沈殿した反応物を室温(25℃)で分離し、トルエン及びアセトンにて洗浄した後、加熱・減圧下で、乾燥処理することにより、α−オレフィン共重合体(離型剤1)を得た。得られた離型剤1の融点は76℃、100℃における溶融粘度は200mPa・sであった。
表2に示す所定量のポリエステルを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、表2に記載の温度に加熱して、ポリエステルを溶融させた。その後、表2に示す所定量のポリ乳酸を添加して、表2に示す所定時間、撹拌した。得られた樹脂組成物を40℃以下に冷却した後、ロートプレックス(ホソカワミクロン社製)により粗粉砕し、目開きが2mmのふるいを用いて粒径が2mm以下のポリエステル−ポリ乳酸共重合体を含有する樹脂組成物(RC−1〜RC−6)を得た。
実施例1〜15、比較例1〜3
表4に示す所定量の樹脂組成物、ポリエステル及び離型剤と、着色剤「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー(P.B.15:3))3.0質量部及び負帯電性荷電制御剤「ボントロン E-84」(オリヱント化学工業社製)1.0質量部をヘンシェルミキサー(日本コークス工業社製)を用いて1分間混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
実施例1において、トナー原料をヘンシェルミキサーにて混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
得られた溶融混練物を実施例1と同様に粗粉砕、微粉砕を行い、分級処理してトナー母粒子を得た。
表4に示す所定量のポリエステル、ポリ乳酸及び離型剤と、着色剤「ECB-301」(大日精化社製、フタロシアニンブルー(P.B.15:3))4.0質量部及び負帯電性荷電制御剤「ボントロン E-304」(オリエント化学工業社製)0.5質量部を、ヘンシェルミキサーを用いて1分間混合後、実施例1と同様に溶融混練し、粉砕・分級を行ったが、得られた粒子は、ポリエステルとポリ乳酸が相溶せず、分離しており、トナーとして使用可能なものではなかった。
表4に示す所定量のポリエステル及びポリ乳酸をヘンシェルミキサーにて混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
非磁性一成分現像装置「OKI MICROLINE 5400」(沖データ社製)にトナーを実装し、30℃/80%RH環境下にて6時間放置した後に、標準の現像バイアスで印字率1%の画像を10枚印刷した。印刷前後の白色度を画像濃度測定器「GRETAG SPM50」(GRETAG社製)を用いて測定し、印刷前後の白色度の差(ΔE)の平均値を紙面上のカブリの指標とした。数値が小さいほどカブリの発生が抑制されていることを示す。結果を表4に示す。
現像ローラを目視で見ることができるように改造したIDカートリッジ「ML-5400用、イメージドラム」(沖データ社製)にトナーを実装し、温度30℃、湿度50%の条件下で、70r/min(36ppm相当)で空回し運転を行い、現像ローラフィルミングを目視にて観察した。フィルミング発生までの時間を耐久性の指標とした。現像ローラフィルミング発生までの時間が長いほど、耐久性に優れることを示す。結果を表4に示す。
Claims (8)
- 結着樹脂として、ポリエステルと重量平均分子量が450,000以上700,000以下のポリ乳酸との間でエステル交換反応をさせて得られる樹脂組成物と、
離型剤として、炭化水素系ワックスと
を含有する、電子写真用トナー。 - ポリ乳酸を基準とするエステル交換率が、0.1%以上35%以下である、請求項1記載の電子写真用トナー。
- ポリ乳酸が結晶性ポリ乳酸である、請求項1又は2記載の電子写真用トナー。
- 樹脂組成物の含有量が、結着樹脂中、2質量%以上100質量%以下である、請求項1〜3いずれか記載の電子写真用トナー。
- エステル交換反応に供するポリエステルとポリ乳酸の質量比(ポリエステル/ポリ乳酸)が90/10〜30/70である、請求項1〜4いずれか記載の電子写真用トナー。
- ポリエステルが、アルコール成分とカルボン酸成分とを重縮合させて得られ、該アルコール成分が第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールを含有する、請求項1〜5いずれか記載の電子写真用トナー。
- 炭化水素系ワックスが、炭素数22以上30以下のα−オレフィンを80モル%以上含有するモノマーを重合して得られるα−オレフィン系重合体である、請求項1〜6いずれか記載の電子写真用トナー。
- 工程1:ポリエステルと重量平均分子量が450,000以上700,000以下のポリ乳酸を140℃以上200℃以下で混合しエステル交換反応に供する工程、
工程2:工程1で得られた樹脂組成物と炭化水素系ワックスを含むトナー用原料混合物を溶融混練する工程、及び
工程3:工程2で得られた溶融混練物を粉砕し、分級する工程、
を含む、請求項1〜7いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法。
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