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JP6322276B2 - 波長変換装置 - Google Patents
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Description

本発明は、波長変換装置に関し、特に各種のレーザ加工に用いられるレーザ光源装置に組み込まれる波長変換装置に関する。
近年、レーザ光は様々な加工に用いられている。特に波長が532nmから1064nm付近のレーザ光はエネルギー強度が大きく、金属やガラス等の切断または溶接等の各種の加工に好適に用いられている。また、波長が200nmから350nm付近の深紫外線領域のレーザ光は、電子材料や複合材料の加工に用いられ、その加工効率を向上させるため、パルス幅が短く従ってピークパワーが大きなレーザ光が求められている。
このようなレーザ光を出力するレーザ光源装置は、近赤外域の波長のレーザ光を出力する種光源と、種光源から出力されるレーザ光を増幅する光増幅器と、光増幅器で増幅されたレーザ光の波長を目的とする波長に変換する非線形光学素子を備えて構成されている。
非線形光学素子として、例えば種光源から出力された波長1064nmのレーザパルス光を波長532nmに波長変換するLBO結晶(LiB)、波長532nmのパルス光を波長266nmに波長変換するCLBO結晶(CsLiB10)等が用いられる。
CLBO結晶のような非線形光学素子に長時間紫外線を照射し続けると、非線形光学素子の表面及び内部に光学損傷が生じて波長変換出力が低下するため、非線形光学素子を光軸と交差する平面上で移動させるステージを設けて、光学損傷が非線形光学素子に生じる前に、非線形光学素子への照射位置をずらすようにステージを移動させる波長変換装置が提案されている。
一例として、特許文献1には、基本波を発生する基本波光源と、基本波の照射を受けて基本波を通過させ、基本波の波長を変換する非線形光学素子と、非線形光学素子が配置され、非線形光学素子中を通過する基本波の通過経路が変更されるように、非線形光学素子を位相整合条件が乱されない平面内で連続移動させる移動部とを備えた波長変換装置が提案されている。
また、特許文献2には、出射側の光学窓での紫外線レーザの反射を低減させるために、光学ガラスに形成された反射防止膜が紫外線レーザにより劣化するという問題に対応して、紫外線レーザの出射側の光学窓をブリュースター角度に設置することで、出射側光学窓における紫外線レーザの反射を低減する構成が開示されている。
例えば、入射面が数mm角で光の伝播方向に十数mmの直方体形状の非線形光学素子に、数ナノ秒のパルス幅で0.2〜0.3mmのビーム径のレーザパルス光が入射し、入射スポット当り数千時間程度照射する場合には、数年で寿命となるので、数年単位で非線形光学素子を交換すればよい。
しかし、同じビーム径であっても数ピコ秒とパルス幅が短いレーザパルス光ではピークパワーがそれだけ増し、入射スポット当り数時間の照射で非線形光学素子に光学損傷が発生するようになるため、パルス幅が数ナノ秒のレーザパルス光と比較して極めて短い時間で寿命となり、非線形光学素子の交換頻度が増すという問題があった。尚、ピークパワーとはパルスエネルギーをパルス幅で割った値をいう。
そこで、本願発明者らは、非線形光学素子に入射するレーザパルス光のビーム径を拡径して、単位面積当たりのパワーを低減することによって、非線形光学素子の寿命を延ばすことを試行している。非線形光学素子の寿命が単位面積当たりのパワーと反比例するという特性を見出し、同じピークパワーのレーザパルス光であっても、単位面積当たりのパワーを下げることで非線形光学素子の寿命が飛躍的に延びると考えられるためである。
特開2010−128119号公報 特許第4517698号公報
しかし、このようにレーザパルス光のピークパワーを低下させても、ピコ秒オーダーの短いパルス幅のレーザパルス光であるため、依然としてそのピークパワーが相対的に大きく、出射光学窓に備えた光学ガラスを含む光学素子が波長変換後の紫外線領域のレーザパルス光の通過によって次第に劣化し、交換頻度が増すという問題があった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、出射光学窓に備えた光学素子が劣化する場合でも、出力パルス光に対する光学素子の透過率の低下を抑制しつつ、その交換頻度を低減することができる波長変換装置を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による波長変換装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の請求項1に記載した通り、入射レーザ光の波長を変換する非線形光学素子を備えている波長変換装置であって、前記非線形光学素子が収容された収容部と、前記非線形光学素子で波長変換された波長変換光を出射する光学素子が保持された出射光学窓とがケーシングに設けられ、前記光学素子は、前記波長変換光の光軸に対してブリュースター角だけ傾斜した傾斜姿勢で、前記波長変換光の通過位置が変位可能に前記出射光学窓に取り付けられ、前記ケーシングにパージガス供給部が設けられ、前記パージガス供給部から供給されたパージガスを前記ケーシングから排気する排気口が前記出射光学窓近傍に形成されるとともに、前記排気口から排気されたパージガスを前記光学素子に導く風洞が形成されている点にある。
上述の構成によれば、光学素子が波長変換光の光軸に対してブリュースター角だけ傾斜した傾斜姿勢で取り付けられているので、波長変換光が光学素子に反射するようなことがない。また、当該光学素子は、波長変換光の通過位置が変位可能に出射光学窓に取り付けられているため、当該光学素子がある程度劣化して透過率が低下しても、波長変換光の通過位置を変位させることで、本来の光学素子の透過率で波長変換光を出力することができるようになる。従って、長期に渡り光学素子を交換する必要がないのである。
そして、潮解性を有する非線形光学素子の特性劣化を回避し、紫外線による各光学部材の劣化や汚れを回避するために、パージガス供給部からケーシングにアルゴンガスやクリーン・ドライ・エアー(以下、「CDA」とも記す。)のようなパージガスが供給される。そのようなパージガスが排気口から排気されると、風洞によって光学素子に導かれて吹き付けられるので、装置が設置されている雰囲気中の塵埃等が光学素子に付着したり、紫外線や雰囲気中のハロゲン化合物の付着の影響で結晶化して白濁するような現象を回避することができるようになる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記光学素子は、前記傾斜姿勢を保持した状態で回転可能に、且つ、前記波長変換光の光軸に対して前記光学素子の回転中心が偏在するように、前記出射光学窓に取り付けられている点にある。
上述の構成によれば、波長変換光の通過位置で光学素子に経時的な劣化が生じても、光学素子に入射する波長変換光の光軸を移動させる必要はなく、当該光学素子を僅かに回転させるというシンプルな操作を行なうのみで、波長変換光が光学素子の未使用の領域を通過するようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、出射光学窓に備えた光学素子が劣化する場合でも、出力パルス光に対する光学素子の透過率の低下を抑制しつつ、その交換頻度を低減することができる波長変換装置を提供することができるようになった。
図1は、レーザ光源装置の機能ブロック構成図である。 図2(a)は非線形光学素子に入射するレーザ光の従来のビーム径及びビームの入射位置の移動軌跡の説明図、図2(b)はレーザ光のビーム径を長円または楕円形に拡径した場合のビーム径及びビームの入射位置の移動軌跡の説明図、図2(c)レーザ光のビーム径を真円に拡径した場合のビーム径及びビームの入射位置の移動軌跡の説明図、図2(d),図2(e)は複数の非線形光学素子に対するビーム径及びビームの入射位置の移動軌跡の説明図である。 図3(a)はケーシングに蓋体が取り付けられた状態の波長変換装置の平面図、図3(b)はケーシングから蓋体の一部が外された状態の波長変換装置の平面図である。 図4(a)はケーシングから全ての蓋体が外された状態の波長変換装置の平面図、図4(b)は波長変換装置に注入されるパージガスの通流経路の説明図である。 図5は、非線形光学素子の収容部から蓋体が外された状態の平面図である。 図6(a)は位相整合角の説明図、図6(b)はステージへの収容部の取付構造の説明図、図6(c)は位相整合角の角度調整機構の説明図である。 図7(a),図7(b)は非線形光学素子の載置部への収容構造の説明図である。 図8(a),図8(b)は出射用光学窓の説明図である。
以下、本発明による波長変換装置が具現化されたレーザ光源装置の実施形態を説明する。図1には、レーザ光源装置1の一例となる構成が示されている。レーザ光源装置1は、光源部1Aと、ファイバ増幅部1Bと、固体増幅部1Cと、波長変換部1Dとが光軸Lに沿って配置され、さらに光源部1Aや波長変換部1D等を制御する制御部100を備えて構成されている。
光源部1Aには、種光源10と、種光源用のドライバD1と、光アイソレータISL1等を備えている。ファイバ増幅部1Bには、それぞれレーザダイオードで構成される励起用光源21,31及び合波器22,32を備えた二段のファイバ増幅器20,30と、光アイソレータISL2,ISL3と、光スイッチ素子40等を備えている。また、ファイバ増幅器20の後段にはバンドパスフィルタBPF1を備えている。
固体増幅部1Cには、固体増幅器50と、反射ミラーM1,M2,M3と、レンズL1,コリメータCL2等を備えている。波長変換部1Dは、第1波長変換部1E及び第2波長変換部1Fで構成され、それぞれに非線形光学素子60,70を備えている。第2波長変換部1Fは本発明による波長変換装置となる。
光源部1Aとファイバ増幅部1Bと固体増幅部1Cとがアルミ等で構成される一つの金属ケースに収容され、波長変換部1Dが別の金属ケースに収容され、さらに波長変換部1Dの金属ケースに第2波長変換部1Fがさらに別の金属ケースに収容されている。尚、各ケースに収容される機能ブロック1A〜1Dの区分けは特に制限されることはないが、第2波長変換部1Fは内部に収容される非線形光学素子の特性等によりパージガスによりパージ可能な金属ケースに収容されている必要がある。
種光源10から出力された波長1064nmのレーザパルス光(以下、単に「パルス光」とも記す。)が二段のファイバ増幅器20,30で増幅され、さらに一段の固体増幅器50で所望のレベルまで増幅される。固体増幅器50で増幅されたパルス光は非線形光学素子60で波長532nmに波長変換され、さらに非線形光学素子70で波長266nmに波長変換されて出力される。
種光源10として単一縦モードのレーザ光を出力する分布帰還型レーザダイオード(以下、「DFBレーザ」と記す。)が用いられ、ゲインスイッチング法を適用する制御部100から出力される制御信号によって、DFBレーザから単発または数メガヘルツ以下の所望の周波数で、数百ピコ秒以下の所望のパルス幅のパルス光が出力される。
種光源10から出力された数ピコジュールから数百ピコジュールのパルスエネルギーのパルス光が、ファイバ増幅器20,30及び固体増幅器50によって最終的に数十マイクロジュールから数十ミリジュールのパルスエネルギーのパルス光に増幅された後に、二段の非線形光学素子60,70に入力されることによって波長266nmの深紫外線に波長変換される。
種光源10から出力されたパルス光は、光アイソレータISL1を介して、初段のファイバ増幅器20で増幅される。ファイバ増幅器20,30として、所定波長(例えば975nm)の励起用光源21で励起されるイッテルビウム(Yb)添加ファイバ増幅器等の希土類添加光ファイバが用いられる。このようなファイバ増幅器20の反転分布の寿命はミリ秒の位数であるため、励起用光源21で励起されたエネルギーは1キロヘルツ以上の周波数のパルス光に効率的に転移されるようになる。
初段のファイバ増幅器20で約30デシベル増幅されたパルス光は、光アイソレータISL2を介して後段のファイバ増幅器30に入力されて約25デシベル増幅される。後段のファイバ増幅器30で増幅されたパルス光は、コリメータCL1によってビーム成形され、光アイソレータISL3,ISL4を通過した後に固体増幅器50に導かれて約25デシベル増幅される。
コリメータCL1と固体増幅器50との間には、音響光学素子が組み込まれ光スイッチ素子40として機能する音響光学変調器AOM(Acousto-Optic Modulator)、一対の反射ミラーM1,M2が配置され、反射ミラーM1,M2間には固体増幅器50で増幅されたパルス光を非線形光学素子60に導く光アイソレータISL4が配置されている。
尚、上述の光アイソレータISL1〜ISL4は、何れも磁気光学効果を利用して順方向と逆方向で偏光面を逆方向に回転させることで戻り光を遮断する偏光依存型の光アイソレータであり、光軸に沿って上流側に配置された各光学素子が、高強度の戻り光によって熱破壊されることを回避する等のために設けられている。
固体増幅器50としてNd:YVO4結晶やNd:YAG結晶等の固体レーザ媒体が好適に用いられる。発光波長808nmまたは888nmのレーザダイオードで構成される励起用光源51から出力され、コリメータCL2によってビーム成形された励起光によって固体レーザ媒体が励起されるように構成されている。
光スイッチ素子40を通過したパルス光は、反射ミラーM1,M2を経由して固体増幅器50に入射して増幅された後に、さらに反射ミラーM3で反射されて固体増幅器50に再入射して再度増幅される。つまり、固体増幅器50の往路及び復路でそれぞれ増幅されるように構成されている。尚、レンズL1はビーム整形用である。
固体増幅器50で増幅されたパルス光は反射ミラーM2、光アイソレータISL4で反射されて波長変換部1Dの非線形光学素子60,70に入射して所望の波長に変換された後に出力される。
第1波長変換部1Eには非線形光学素子60であるLBO結晶(LiB)が組み込まれ、第2波長変換部1Fには非線形光学素子70であるCLBO結晶(CsLiB10)が組み込まれている。種光源10から出力された波長1064nmのパルス光が非線形光学素子60で波長532nmに波長変換され、さらに非線形光学素子70で波長266nmに波長変換される。
反射ミラーM4,M8は非線形光学素子60から出力される波長1064nmのパルス光を分離するためのフィルタとして機能し、反射ミラーM6は非線形光学素子70から出力される波長532nmのパルス光を分離するためのフィルタとして機能し、分離されたパルス光はそれぞれ光ダンパで減衰される。
第2波長変換部1FにはCLBO結晶(CsLiB10)を光軸と直交する面内で移動させる走査機構であるステージ71が設けられている。紫外線が長時間同一箇所に照射されるとCLBO結晶(CsLiB10)に光学損傷が生じて強度分布の劣化と波長変換出力の低下を招くため、所定時期にCLBO結晶(CsLiB10)へのパルス光の照射位置をシフトするためである。
制御部100はFPGA(Field Programmable Gate Array)及び周辺回路等を備えた回路ブロックで構成され、予めFPGA内の記憶部に記憶したプログラムに基づいて複数の論理素子を駆動することにより、レーザ光源装置1を構成する各ブロックが例えばシーケンシャルに制御される。また、制御部100には、位相整合等のために各種の制御情報を記憶する記憶部が接続されている。
尚、制御部100はFPGAで構成される以外に、マイクロコンピュータと記憶部及びIO等の周辺回路で構成されていてもよいし、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)等で構成されていてもよい。
具体的に、制御部100はゲインスイッチング法を用いて種光源10を発光させるべく、種光源10であるDFBレーザのドライバD1に所定パルス幅のトリガ信号を出力する。当該駆動回路からDFBレーザにトリガ信号に応じたパルス電流が印加されると緩和振動が発生し、緩和振動による発光開始直後の最も発光強度が大きな第1波のみからなり第2波以降のサブパルスを含まないパルス状のレーザ光が出力される。ゲインスイッチング法とは、このような緩和振動を利用した短いパルス幅でピークパワーが大きいパルス光を発生させる方法をいう。
また、制御部100は光スイッチ素子40である音響光学変調器AOMを駆動するRFドライバD2にゲート信号を出力する。RFドライバD2から高周波信号が印加されたトランスジューサ(ピエゾ変換素子)によって音響光学素子を構成する結晶に回折格子が生成され、音響光学素子に入射するパルス光の回折光が反射ミラーM1に入射する。RFドライバD2が停止すると音響光学素子に入射したパルス光は回折せずにそのまま通過し、反射ミラーM1に入射することはない。尚、RFドライバD2の停止時に音響光学素子を通過した光は光ダンパによって減衰されるように構成されている。
ゲート信号によって光スイッチ素子40がオンすると回折された光がファイバ増幅器30から固体増幅器50へ伝播し、ゲート信号によって光スイッチ素子40がオフするとファイバ増幅器30から固体増幅器50へ光の伝播が阻止される。
さらに、制御部100は所定時期にCLBO結晶(CsLiB10)へのパルス光の照射位置をシフトするためにステージ71を制御してステップ的に移動させる。例えば、制御部100は、波長変換された紫外線の強度をモニタし、モニタした強度の履歴が所定のパターンに一致するとステージ71を移動させてCLBO結晶(CsLiB10)へのパルス光の照射位置をシフトする。
パルス光の光軸に直交するX−Y平面でステージ71が移動可能となるように、ステージ71は制御部100によりモータドライバD3を介して制御されるX方向移動モータ及び/またはY方向移動モータに駆動連結されている。
種光源10から出力された中心波長1064nmの狭帯域のパルス光がファイバ増幅器20に導かれて増幅される過程で自己位相変調やラマン散乱等によって不必要にスペクトル幅が広がり、さらに自然放出光ノイズ(以下、「ASEノイズ(amplified spontaneous emission noise)」と記す。)が発生して光パルスのS/N比が低下する。そのようなパルス光が後段のファイバ増幅器30に導かれて増幅される過程でさらに広帯域化され、ASEノイズレベルが増大する。
波長変換部1Dで波長変換可能な波長範囲のパルス光を効率的に増幅して、所望の強度の深紫外のパルス光を得るために光スイッチ素子40が設けられている。制御部100は、種光源10からのパルス光の出力期間に光の伝播を許容し、種光源10からのパルス光の出力期間と異なる期間に光の伝播を阻止するように光スイッチ素子40を制御するように構成されている。
制御部100によって種光源10からのパルス光の出力期間と異なる期間に光スイッチ素子40がオフされると、その間は、後段の固体増幅器50へのASEノイズの伝播が阻止されるようになり、固体増幅器50の活性領域のエネルギーが無駄に消費されることが回避されるようになる。
光スイッチ素子40として、EO変調の強度変調を利用して電界により光をオンオフする電気光学素子を用いてもよく、マイクロマシーニング技術で製作した微少な搖動ミラー(MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)で構成されたミラー)を用いて、ファイバ増幅器30の出力が固体増幅器50に伝播するか否かを微少な搖動ミラーの搖動角度によって切り替えるように構成してもよい。また、偏光状態を動的に切替えて光の透過と遮断を制御可能な偏光デバイスを用いてもよい。つまり、光スイッチ素子は動的光学素子で構成されていればよい。
また、ファイバ増幅器30で増幅されたパルス光を狭帯域化してASEノイズを除去するボリューム・ブラッグ・グレーティング(Volume Bragg Grating)のような回折格子を光スイッチ素子40に代えて、或いは光スイッチ素子40とともに用いてもよい。
固体増幅器50で増幅されたパルス光は、光アイソレータISL4の入力側のエスケープポートから第1波長変換部1Eの非線形光学素子60であるLBO結晶に入射して波長532nmのパルス光に波長変換される。
さらに、パルス光はレンズL2,L3によって0.2〜0.3mmのビーム径が2〜3mm程度に拡径された後に、第2波長変換部1Fの非線形光学素子70であるCLBO結晶に入射して波長266nmのパルス光に波長変換され、複数の光学レンズを介して真円にビーム整形された後に出力される。尚、レンズL2,L3で拡径されたパルス光は、レーザ光源装置1の後段に配置された光学系で縮径され、単位面積当たりのパワーを増大した後に照射対象に照射される。
図2(a)に示すように、入射面が5mm角程度の非線形光学素子(CLBO結晶)70に0.2〜0.3mmのビーム径のパルス光を照射する場合、数ナノ秒のパルス幅のパルス光であれば、結晶の光学損傷の発生を回避するために照射位置をパルス光の光軸に直交するXY平面で移動させることで長期間継続して使用することができる。例えば、1スポット当り3000時間程度使用できる。
しかし、同じビーム径であっても数ピコ秒から数百ピコ秒とパルス幅が短いレーザパルス光ではピークパワーがそれだけ増し、同様の方法によれば極めて短時間で結晶を交換しなければならなくなるため、パルス光のビーム径を拡径して単位面積当たりのパワーを低減させている。
図2(b)には楕円または長円となるようにビーム径を拡径した例が示され、図2(c)には真円となるようにビーム径を拡径した例が示されている。何れの場合も、ビーム径を拡径することにより同一照射位置で光学損傷が発生するまでの照射時間を延ばすことができるが、入射面が5mm角程度と狭いため、一つの非線形光学素子70に対する寿命は相対的に短くなる。また、入射面のサイズが大きな非線形光学素子70を製作するにも限界がある。
そこで、第2波長変換部1F、即ち本発明による波長変換装置は複数の非線形光学素子70が収容可能に構成されている。
図2(d)に示すように、複数の非線形光学素子70A,70B,70Cを備えた構成によれば、ビーム径を拡径しながらも長期に渡り非線形光学素子を交換することなくレーザ光源装置1を稼働させることができる。
図2(e)に示すように、ビームの入射位置の移動方向に長くなるように、非線形光学素子70A,70B,70Cの入射面の形状を長方形に形成すると、無駄なく波長変換に利用できるようになる。
本実施形態では、非線形光学素子70の入射面が5mm角に形成され、レーザパルス光のビーム径が2mmに設定され、1スポット当り2000時間、1結晶当り4000時間の使用を可能にしている。
以下、第2波長変換部1Fについて詳述する。
図3(a),(b)及び図4(a),(b)に示すように、第2波長変換部1Fは、隔壁730を介して2領域R1,R2に領域分割され、一方の領域R1に入射窓720が設けられるとともに他方の領域R2に出射窓750が設けられたケーシング700に配置されている。ケーシング700を覆う蓋体770,780によって一方のみ開放可能に構成されている。つまり、蓋体770によって領域R2が覆われ、蓋体780によって領域R1が覆われ、蓋体780を取り外すことによって領域R1が開放されても、領域R2の被覆状態は維持されるように構成されている。
ケーシング700の一方の領域R1には、非線形光学素子70が収容された収容部80と、収容部80を着脱自在に固定するとともに入射窓720から入射したレーザ光の光軸と直交する方向に非線形光学素子70を収容部80と一体に移動させるステージ71が配置されている。
ケーシング700の他方の領域R2には、収容部80から出射して、隔壁730に形成された開口740を通過したレーザ光を出射窓750に導く光学系として反射ミラーM6,M5が配置され、出射窓750には波長変換されたレーザ光を外部に出射するとともに外気の流入を阻止する光学ガラスを含む光学素子610が保持された出射光学窓600がケーシング700に取り付けられている(図4(a)参照)。
尚、本実施形態で使用する「光学素子」との用語は、非晶質である光学ガラスのみならず結晶質であるフッ化カルシウムやフッ化マグネシウム等を材料とする素子をも含めた概念である。
非線形光学素子70で波長変換された後、波長266nmのパルス光が反射ミラーM6で反射され、さらに反射ミラーM5で反射されて出射窓750から出力される。非線形光学素子70から出力された波長532nmのパルス光は反射ミラーM6を透過して光ダンパ(図示せず)で減衰される。
反射ミラーM5と出射窓750との間にサンプラーとなる反射ミラーM10が配置され、波長266nmのパルス光のごく一部(0.5%程度)が反射されるように構成されている。反射ミラーM10からの反射光はさらに反射ミラーM9で反射されて受光素子PS1に入射する。受光素子PS1によってそのパワーが検出される。受光素子PS1で検出されたパワーは制御部100に入力され、その値に基づいて非線形光学素子70の位相整合条件等が調整される。
反射ミラーM10,M9に対するパルス光の入射角は、10°以下に設定されていることが好ましく、6°以下に設定されていることがさらに好ましい。一般に、非線形光学素子を含めてミラーやレンズ等の光学素子は、深紫外光が照射される過程で次第に劣化する。深紫外光は通常は直線偏光しており、反射ミラーM10,M9にはP偏光もしくはS偏光の何れかのみの成分をもつ光が入射される。
しかし、光学素子の劣化と共に偏光が徐々に解消される現象が生じ、P偏光とS偏光の両方の偏光成分をもつ光が入射するようになる。反射ミラーM10,M9への入射角度が大きい場合には、受光素子PS1に入射するパワーが偏光解消と共に変化してしまうという問題がある。そこでP偏光とS偏光の差が少なく、偏光解消が生じても正しくそのパワーを検出できるように、上述の入射角に設定されている。
図には示していないが、反射ミラーM6と反射ミラーM5との間に平凹レンズを配置し、反射ミラーM5と反射ミラーM10との間に平凸レンズを配置することにより、非線形光学素子70からの出力光のビーム歪を補正するように構成されている。
非線形光学素子70としてCLBO結晶(CsLiB10)を用いる場合には、従来のBBO結晶よりもウォークオフが小さいという特性を利用して、非線形光学素子70の上流側にビーム整形のためのレンズを配置することもできる。深紫外光による光学レンズの劣化の問題が生じないため、後者の構成の方が好ましい。
図7(a),(b)には、収容部80に収容される三つの非線形光学素子70(70a,70b,70c)が載置部に固定されている状態が示されている。載置部は区画部材840と熱源870とを備えて構成されている。載置部は少なくとも各非線形光学素子70a,70b,70cを位置決め区画する金属製の区画部材840を備え、区画部材840の下方に接触配置された熱源870の熱が区画部材840を介して各非線形光学素子70a,70b,70cに伝達可能に構成されている。
区画部材840として無電解ニッケルメッキ等の表面処理を施した無酸素銅が用いられ、熱源870としてセラミックヒータが用いられ、区画部材840と非線形光学素子70(70a,70b,70c)との接触部には非線形光学素子70(70a,70b,70c)の温度を計測する単一または複数の温度センサが配置されている。
区画部材840に形成された各区画は非線形光学素子70a,70b,70cと略同サイズに形成され、非線形光学素子70a,70b,70cは、各区画に収容された後に上方から同じく無電解ニッケルメッキ等の表面処理を施した無酸素銅で形成された固定板850で被覆され、ボルト860で固定される。非線形光学素子70a,70b,70cと区画部材840とが当接して、熱源870からの熱伝達が良好に行なえるように構成されている。
その結果、各非線形光学素子70a,70b,70cに温度ばらつきが発生しないように、所定の温度にほぼ均一に加熱されるようになる。尚、区画部材840は、3つの非線形光学素子70a,70b,70cを互いに当接して配置するように、幅広の一区画のみの区画に形成することも可能である。また、本実施形態では、載置部に3つの非線形光学素子70a,70b,70cが載置される例を示しているが、載置部に載置される非線形光学素子70の数は複数であればよく、その数が制限されることはない。
図5に示すように、非線形光学素子70(70a,70b,70c)が固定された載置部は、収容部80を構成する金属製の収容部ケーシング800の底部に設けられた固定部830に左右一対の側板880で挟みつけられた状態でボルト固定される。
収容部ケーシング800のうち、非線形光学素子70の入射面側に光学ガラスを含む光学素子を配した入射光学窓820が形成され、非線形光学素子70の出射面側に開放状態の出射窓825が形成されている。
図6(b),(c)に示すように、収容部80は、ステージ71により入射光の光軸に直交するX軸方向に移動可能に、天板81、側板82、底板83の3つの部材で構成される保持部を介してステージ71に着脱自在に取り付けられている。未使用の複数の非線形光学素子70が収容された収容部80を準備しておけば、複数の非線形光学素子70が収容部80に収容された状態で一括して取替できるようになる。
ステージ71は、基台711と、基台711上に配置された一対のガイドレール713と、一対のガイドレール上をスライド移動する移動盤712を備えている。移動盤712には、上述の保持部の底板83がボルト固定されている。
基部が移動盤712に固定された一対のL字アーム717の先端側に、内周部に斜歯が形成されたウォームホイール716が固定され、基台711に設置されたモータ714の出力軸に形成されたウォーム715とウォームホイール716とが噛合するように構成されている。
制御部100によって制御されるモータ714が回転することにより、移動盤712がガイドレール上をスライド移動する。即ち、図2(d)で説明したように、非線形光学素子70に照射されるパルス光の位置がパルス光の光軸に直交するXY平面上のX方向に移動するように構成されている。
収容部80の一側面が保持部の側板82にボルト85a,85bで固定され、天板81に備えた調整用ビス84a,84bでその取付角度を調整可能に構成されている。
側板82に固定されたピンPが収容部80の一側面に形成された穴に嵌め込まれた状態で、ボルト85a,85bを仮止めし、左右の調整用ビス84a,84bの締付加減によってピンP周りに収容部80が搖動するように構成されている。そして、調整後にボルト85a,85bが締め付けられる。
つまり、保持部と、ピンPと、調整用ビス84a,84bによって、ステージ71を基準にして非線形光学素子70のC軸と入射レーザ光の光軸Lとの成す角度を機械的に調整可能な角度調整機構が構成されている。
非線形光学素子70で波長変換する際に高い変換効率を得るためには、入力光と波長変換光の位相ベクトルが一致している必要があり、このずれが大きくなると変換効率が急激に低下する。非線形光学素子70のC軸の角度を調整し、非線形光学素子70の温度を調整することによって、両位相ベクトルを一致させる、つまり位相整合させることができる。
図6(a)には、非線形光学素子の結晶の光軸(C軸)と入射レーザ光の光軸との成す角度θとの関係が示されている。この角度を調整するために、上述の角度調整機構が設けられている。
深紫外光へ波長変換するCLBO結晶のような非線形光学素子70は潮解性を示し、空気中に放置すると水分を吸収してダメージを受ける。また、上述したように、非線形光学素子70及びレンズ、ミラー、窓部材等の光学素子に深紫外光が照射されるとその影響を受けて次第に劣化する。例えば、光学素子に雰囲気中の塵埃等が付着すると汚れが生じ、また深紫外光の影響で白濁することがある。
そこで、ケーシング700に収容された波長変換素子70及び光学素子の劣化を回避するために波長変換装置1Fにパージガス供給機構を設け、アルゴンガスやCDA(Clean Dry Air)のようなパージガスを供給するように構成されている。
図3(b)、図4(b)に示すように、ケーシングの一方の領域R1にパージガス供給部910が設けられ、パージガス供給部910に供給されたパージガスは、流量調整用のオリフィス915により3系統に流量調整された後に、2系統のガス供給管920,930を介して収容部80に供給され、1系統のガス供給管940を介して他方の領域R2に供給されるように構成されている。ガス供給管920,930の他端は収容部ケーシング800の側壁に形成されたパージガス通流口801,802(図5参照)に接続され、ガス供給管940の他端はケーシング700の隔壁730に形成されたパージガス通流口790に接続される。
パージガス供給部910には、外部からパージガスを供給するガス管を連結する装着部が設けられ、ガス管を離脱した際に装着部を密閉する蓋体が設けられている。
また、収容部80と隔壁730に形成した開口740とが蛇腹状の金属製のフレキシブルチューブ800で接続され、収容部80に供給されたパージガスがフレキシブルチューブ800を介してケーシング700の他方の領域R2に供給されるように構成されている。
非線形光学素子70を交換するためにケーシング700から蓋体780を外しても、ケーシング700の一方の領域R1のみ大気開放され、蓋体770で覆われた他方の領域R2が外気に極力触れないような状態に維持される。
その結果、他方の領域R2に配置されている光学素子が外気に晒されることが殆ど無く、その状態でフレキシブルチューブ800を収容部80の口金810から離脱させて、使用済みの非線形光学素子70が収容された収容部80及び保持部81,82,83をステージ71から取り外し、新たな非線形光学素子70が収容された収容部80及び保持部81,82,83をフレキシブルチューブ800と接続した後にステージ71に装着すれば非線形光学素子70それ自体も外気に晒されることが殆ど無い。つまり、収容部80は角度調整機構と一体で交換される。
その状態でパージガス供給部910から収容部80にパージガスを供給すると、パージガスは収容部80からフレキシブルチューブ800を介してケーシング700の他方の領域R2に流出し、非線形光学素子70を含む重要な光学素子が外気に晒されることが無い状態で主要な交換作業を終了することができる。
また、収容部80をフレキシブルチューブ800と接続しているため、ステージ71への収容部80の取付作業時に、外気が流入することが殆ど無い状態で収容部80の姿勢を自由に変化させることができるようになり良好な作業性が確保できる。
さらに、収容部80を取り替えた後、パージガス供給部910から収容部80にパージガスを供給した状態で、上述の角度調整機構によって非線形光学結晶70のC軸と入射レーザ光の光軸との成す角度を調整できるようになり、仮にそのための調整時間が長くなっても非線形光学結晶を含む重要な光学素子が外気に晒されることなく、潮解の問題や劣化の問題も解消される。
他方の領域R2には、フレキシブルチューブ80を介して開口740から供給されたパージガスを反射ミラーM6の表裏両面に導くガイド板G3と、ガス供給管940から供給されたパージガスを反射ミラーM5の表裏両面に導くガイド板G4が設置されている。これら2枚のガイド板G3,G4によって案内されたパージガスによって当該他方の領域R2に配置された各光学素子がクリーンに保たれる。
収容部80の交換手順を詳述する。予めパージガスを供給した状態でケーシング700に形成された排気口760をシールネジで閉塞しておき、使用済みの収容部80に接続されている一方のガス供給管920を取り外してパージガス通流口801をシールネジで閉塞する。真空パックから取り出した交換用の収容部80のパージガス通流口801のシールネジを緩めて当該ガス供給管920を接続する。
次に、フレキシブルチューブ800を使用済みの収容部80の口金810から離脱させて当該収容部80の出射窓825を蓋で閉塞し、他方のガス供給管930を取り外してパージガス通流口802をシールネジで閉塞する。さらに収容部80を保持部81,82,83と一体でステージ71から離脱させる。その結果、使用済みの収容部80は、大気が流入することなく密閉される。
交換用の収容部80の他方のパージガス通流口802のシールネジを緩めてガス供給管930を接続し、当該収容部80の出射窓825の蓋を取り外して、フレキシブルチューブ800を接続固定し、排気口760のシールネジを緩め、その後信号線を接続する。
図5に示すように、収容部80には、ガス供給管920から収容部80に供給されたパージガスを非線形光学素子70の入射面に導くガイド板G3と、ガス供給管930から収容部80に供給されたパージガスを非線形光学素子70の出射面に導くガイド板G4を備えている。
ガス供給管920,930から供給されたパージガスは、案内板G3,G4によって非線形光学素子70の入射面及び出射面に効率的に分配され、出射窓820から流出する。
図8(a),(b)に示すように、ケーシング700に形成された出射窓750に取り付けられた出射光学窓600は、円盤状の光学素子610と、光学素子610を保持する傾斜面を備えた光学素子保持部630で構成されている。光学素子610は傾斜面に形成された開口の段差部に回転可能に嵌め込まれ、上方から留金620で固定されている。
この状態で光学素子610は、波長変換光の光軸Lに対してブリュースター角(図中、符号φで示す。)だけ傾斜した傾斜姿勢となる。また、波長変換光の通過位置Loが光学素子610の中心位置Lcに対して下方に偏在するように配置されている。光学素子610は、傾斜姿勢を保持した状態で回転可能に、且つ、波長変換光の光軸Lに対して光学素子の回転中心が偏在するように取り付けられている。
光学素子610が波長変換光の光軸に対してブリュースター角だけ傾斜した傾斜姿勢で取り付けられているので、波長変換光が光学素子610に反射するようなことがない。
また、光学素子610を回転させることにより、波長変換光の通過位置が変位可能になるため、光学素子610がある程度劣化して透過率が低下しても、波長変換光の通過位置を変位させることで、本来の光学素子610の透過率で波長変換光を出力することができるようになる。
尚、光学素子610は、波長変換光の通過位置が変位可能になる態様で取り付けられていればよく、上述のような構成に限るものではない。
さらに、パージガスをケーシング700から排気する排気口760が出射窓750の上部近傍に形成され、排気口760から排気されたパージガスが光学窓600の光学素子610に導く風洞650が配置されている。
排気口760は、ケーシング700の外側から回転操作可能なシールネジ機構660によって開閉操作可能に構成されている。シールネジ機構660の操作部を反時計周りに回転操作すると排気口760が開放され、シールネジ機構660の操作部を時計回りに回転操作すると、弁体660aによって排気口760が閉塞される(図8(a)に二点鎖線で示されている。)
風洞650の外部にシールネジ機構660の操作部が設けられているので、風洞650を取り外すことなくパージガスの流量を調整することができ、またパージガスの供給が停止した場合でも速やかにケーシング700を密閉状態に操作することができる。
設備が計画停電等で停止し、パージガスを供給することができない場合や熱源870によって非線形光学素子を100℃以上に加熱した乾燥状態に維持できない場合には、シールネジ機構660によって排気口760を閉塞し、パージガス供給部910に備えた装着部に蓋体を装着すれば、湿度の影響を受けやすい非線形光学素子であっても確実に乾燥状態に保つことができる。
風洞650によって出射光学窓600を構成する光学素子610の外面にパージガスが案内されるので、例えば波長変換された紫外線レーザパルス光が当該光学素子610を通過する場合でも外気に含まれる有害成分等の影響で白濁するような事態の発生を効果的に阻止することができるようになる。
ケーシング700に形成された出射窓750に取り付けられた出射光学窓600が単一である態様以外に、ケーシング700に複数の出射光学窓600が構成される態様であっても同様である。例えば、ケーシング内部に設けた光学素子で紫外線レーザパルス光が複数に分岐され、それぞれが個別の出射光学窓600から出射されるような場合等には、それぞれの出射光学窓600から出力される紫外線レーザパルス光の波長の異同は問わず、それぞれの出射光学窓600に対して、排気口760から排気されたパージガスが導かれるように構成すればよい。
この場合、ケーシング700に形成された同じ出射窓750から複数本の紫外線レーザパルス光が出力されるような構成であってもよいし、ケーシング700に形成された複数の出射窓750からそれぞれ紫外線レーザパルス光が出力されるように構成されていてもよく、各出射光学窓600に導かれるパージガスは、同一の排気口760から排気されたパージガスであってもよいし、ケーシング700の異なる位置に形成された排気口760から排気されたパージガスが夫々の出射光学窓600に導かれるように構成されていてもよい。また、各出射光学窓600を覆う風洞650も個別に設けられていてもよいし、共用されていてもよい。
ケーシング700に設けられたパージガス供給部910の下方にコネクタが配置され、制御部100と第2波長変換部1Fとを接続する信号線や給電線が接続される。当該コネクタと収容部80との間を接続する信号線SCによって温度センサの信号が制御部100に出力され、制御部から熱源870に制御信号が出力される。また、当該コネクタからステージ71のモータ714に制御信号が出力され、ステージ71が移動制御される。
本発明による波長変換装置が組み込まれるレーザ光源装置は、発振波長が1064nmとなる種光源に限定されるものでもなく、例えば、1030nm、1550nm、976nm等、用途によって適宜異なる波長の種光源を選択することが可能である。さらに、非線形光学素子を介してこれらの波長を基本波とする高調波、和周波、差周波を発生させることも可能である。非線形光学素子として、上述以外の非線形光学素子を用いることも可能である。例えば、CLBO結晶に代えて、BBO結晶、KBBF結晶、SBBO結晶、KABO結晶、BABO結晶等を用いることができる。
尚、本発明は、複数の波長変換素子70が収容された波長変換装置以外に、単一の波長変換素子70が収容された波長変換装置にも適用可能であることは言うまでもない。
上述した複数の実施形態は、何れも本発明の一実施態様の説明であり、該記載により本発明の範囲が限定されるものではない。また、各部の具体的な回路構成や回路に使用する光学素子は、本発明の作用効果が奏される範囲で適宜選択し、或いは変更設計可能であることはいうまでもない。
1:レーザ光源装置
1F:波長変換装置
10:種光源
20,30:ファイバ増幅器
40:光スイッチ素子
50:固体増幅器
60:非線形光学素子(LBO結晶)
70:非線形光学素子(CLBO結晶)
71:ステージ
80:収容部
600:出射光学窓
610:光学素子

Claims (2)

  1. 入射レーザ光の波長を変換する非線形光学素子を備えている波長変換装置であって、
    前記非線形光学素子が収容された収容部と、前記非線形光学素子で波長変換された波長変換光を出射する光学素子が保持された出射光学窓とがケーシングに設けられ、
    前記光学素子は、前記波長変換光の光軸に対してブリュースター角だけ傾斜した傾斜姿勢で、前記波長変換光の通過位置が変位可能に前記出射光学窓に取り付けられ、
    前記ケーシングにパージガス供給部が設けられ、前記パージガス供給部から供給されたパージガスを前記ケーシングから排気する排気口が前記出射光学窓近傍に形成されるとともに、前記排気口から排気されたパージガスを前記光学素子に導く風洞が形成されている波長変換装置。
  2. 前記光学素子は、前記傾斜姿勢を保持した状態で回転可能に、且つ、前記波長変換光の光軸に対して前記光学素子の回転中心が偏在するように、前記出射光学窓に取り付けられている請求項1記載の波長変換装置。
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