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JP6418752B2 - 波長変換装置、収容容器及び位相整合方法 - Google Patents
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JP6418752B2 - 波長変換装置、収容容器及び位相整合方法 - Google Patents

波長変換装置、収容容器及び位相整合方法 Download PDF

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本発明は、波長変換装置及び位相整合方法に関し、特に各種のレーザ加工に用いられるレーザ光源装置に組み込まれる波長変換装置、収容容器及びその位相整合方法に関する。
近年、レーザ光は様々な加工に用いられている。波長が532nmから1064nm付近のレーザ光はエネルギー強度が大きく、金属やガラス等の切断または溶接等の各種の加工に好適に用いられている。また、波長が200nmから350nm付近の深紫外領域のレーザ光は電子材料や複合材料の加工に用いられている。
近赤外領域よりも短い波長のレーザ光を出力するレーザ光源装置は、近赤外領域の波長のレーザ光を出力する種光源と、種光源から出力されるレーザ光を増幅する光増幅器と、光増幅器で増幅されたレーザ光の波長を目的とする波長に変換する非線形光学素子を備えて構成されている。
非線形光学素子として、例えば種光源から出力された波長1064nmのレーザパルス光を波長532nmに波長変換するLBO結晶(LiB)や、波長532nmのパルス光を波長266nmに波長変換するCLBO結晶(CsLiB10)等が用いられる。
CLBO結晶のような非線形光学素子に長時間紫外線を照射し続けると、非線形光学素子の表面及び内部に光学損傷が生じて波長変換出力が低下するため、非線形光学素子を光軸と交差する平面上で移動させるステージを設けて、光学損傷が非線形光学素子に生じる前に、非線形光学素子への照射位置をずらすようにステージを移動させる波長変換装置が提案されている。
一例として、特許文献1には、基本波を発生する基本波光源と、基本波の照射を受けて基本波を通過させ、基本波の波長を変換する非線形光学素子と、非線形光学素子が配置され、非線形光学素子中を通過する基本波の通過経路が変更されるように、非線形光学素子を位相整合条件が乱されない平面内で連続移動させる移動部とを備えた波長変換装置が提案されている。
特許文献2には、非線形光学素子の交換時間を大幅に短縮するとともに、アニール済の非線形光学素子を良好な状態で交換可能とすることを目的とした加工用レーザ装置が提案されている。
当該加工用レーザ装置は、非線形光学素子により高調波レーザ光を発生させ、該高調波レーザ光を被照射物に照射して、被照射物の孔あけ・マーキング等の除去作業を行うように構成され、非線形光学素子をアニールする機能を備え非線形光学素子を保持する結晶保持手段と、複数の結晶保持手段を支持し、該結晶保持手段をレーザ光の光路中に挿入、もしくはレーザ光の光路中から離脱させる挿入・離脱機構を備えていることを特徴とする複数の結晶保持装置を備えている。
特開2010−128119号公報 特開2001−66654号公報
例えば、入射面が数mm角で光の伝播方向に十数mmの直方体形状の非線形光学素子に、数ナノ秒のパルス幅で0.2〜0.3mmのビーム径のレーザパルス光が入射し、入射スポット当り数千時間程度照射する場合には、数年で寿命となるので、数年単位で非線形光学素子を交換すればよい。
しかし、同じビーム径であっても数ピコ秒とパルス幅が短いレーザパルス光ではピークパワーがそれだけ増し、入射スポット当り数時間の照射で非線形光学素子に光学損傷が発生するようになるため、パルス幅が数ナノ秒のレーザパルス光と比較すると極めて短い時間で寿命となり、非線形光学素子の交換頻度が増すという問題があった。尚、ピークパワーとはパルスエネルギーをパルス幅で割った値をいう。
そこで、本願発明者らは、非線形光学素子に入射するレーザパルス光のビーム径を拡径して単位面積当たりのパワーを低減させることで、非線形光学素子の寿命を延ばすような方法を試行している。非線形光学素子の寿命が単位面積当たりのパワーと反比例するという特性に基づいて、同じピークパワーのレーザパルス光であっても、単位面積当たりのパワーを下げることで非線形光学素子の寿命が飛躍的に延びると考えられるためである。
しかし、単位面積当たりのパワーが低減しても、パルス幅が数ナノ秒のレーザパルス光と比較して非線形光学素子の寿命が短くなることは避けられず、非線形光学素子の交換頻度が増すと、その際の光軸調整作業等の煩雑なメンテナンス作業が増すという問題があった。
上述の特許文献2に記載された結晶保持装置によれば、予め結晶保持装置に複数の非線形光学素子を配置することができるので、結晶交換のためのメンテナンス作業が軽減できると考えられる。
しかしながら、特許文献2に記載された結晶保持装置は、非線形光学素子が収容された結晶ホルダを扉で仕切られた筐体に個別に設置する必要があり、各扉を開けて使用済みの線形光学結晶を個別に交換し、位相整合角を個別に手動調整する必要があり、結晶交換のためのメンテナンス作業を軽減されるような構成ではなく、また複数の非線形光学素子が収容された結晶ホルダを設置するための大きな空間が必要となり、個々に温度調整用の加熱装置が必要になる等、装置が大型且つ複雑になるという問題があった。
本発明の目的は、上述した問題点に鑑み、大きなピークパワーのレーザパルス光を出力することを可能としながらも、非線形光学素子の交換頻度を低減するとともに交換作業が容易な小型の波長変換装置、収容容器及びその位相整合方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による波長変換装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の請求項1に記載した通り、入射レーザ光の波長を変換する非線形光学素子を備えている波長変換装置であって、変換波長が等しい複数の非線形光学素子を載置する載置部を備えた収容部と、前記収容部に収容された各非線形光学素子を前記入射レーザ光の光軸と直交する方向に移動させる移動機構と、を備え、前記収容部が前記移動機構を介して本体装置に着脱自在に取り付けられ、前記収容部に各非線形光学素子が収容された状態で、前記移動機構により前記入射レーザ光の波長を変換する非線形光学素子が何れかの非線形光学素子から他の非線形光学素子に切替使用可能に構成されるとともに当該複数の非線形光学素子が一括して取替可能に構成されている点にある。
上述の構成によれば、使用済みの複数の非線形光学素子が収容された収容部を装置本体から取り外し、未使用の複数の非線形光学素子が載置部に配置された収容部を装置本体に装着することによって、装置本体に設置される変換波長が等しい複数の非線形光学素子を一括して取り替えることができるようになり、交換作業が極めて容易になる。
同第二の特徴構成は、同請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記載置部は少なくとも各非線形光学素子を位置決め区画する金属製の区画部材を備え、前記区画部材に接触配置された熱源の熱が前記区画部材を介して各非線形光学素子に伝達可能に構成されている点にある。
上述の構成によれば、載置部に備えた金属製の区画部材によって区画された領域に複数の非線形光学素子が個別に位置決め配置され、さらに当該金属製の区画部材に接触配置された熱源によって、各非線形光学素子に温度ばらつきが発生しないように、各非線形光学素子が所定の温度にほぼ均一に加熱されるようになる。
同第三の特徴構成は、同請求項3に記載した通り、上述の第二の特徴構成に加えて、前記移動機構は、前記入射レーザ光の光軸と直交する方向に各非線形光学素子を移動させるステージを備え、前記ステージを介して前記収容部が前記装置本体に着脱自在に取り付けられ、前記ステージを基準にして各非線形光学素子のC軸と入射光の光軸との成す角度を機械的に調整可能な角度調整機構が設けられている点にある。
角度調整機構を介して収容部がステージに取り付けられることによって、収容部に収容された各非線形光学素子のC軸と入射光の光軸との成す角度が一体的に調整され、複数の非線形光学素子が入射光の光軸に対して直交する方向に移動可能になる。
同第四の特徴構成は、同請求項4に記載した通り、上述の第三の特徴構成に加えて、各非線形光学素子を位相整合させるための温度条件を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された温度条件に基づいて前記熱源を制御して、各非線形光学素子を位相整合させる制御部を備えている点にある。
各制御部は非線形光学素子が位相整合するための温度条件を記憶部から読み出して、入射光に対応する非線形光学素子の位相整合条件が満たされるように熱源を制御するので、使用する非線形光学素子が切り替わる際に位相整合角を機械的に調整するような時間の掛かる処理を行なう必要がなく、温度調整制御のみで速やかに非線形光学素子の位相整合条件を整えることができる。また、第三の特徴構成を備える場合には、例えば、角度調整機構を介して複数の非線形光学素子のそれぞれ異なる位相整合角の中間の角度に予め調整しておくことによって、さらに速やかに非線形光学素子の位相整合条件を整えることができる。
本発明による収容容器の特徴構成は、同請求項5に記載した通り、複数の非線形光学素子が収容され、上述した第一から第四の何れかの特徴構成を備えた波長変換装置に着脱可能に取り付けられる収容容器であって、一側面に光学素子を備えた入射光学窓が形成され、対向面に出射窓が形成されるとともに何れかの側面にパージガス通流口が形成され、前記パージガス通流口から流入したパージガスが前記出射窓から流出するように構成された収容部ケーシングと、前記収容部ケーシングを覆う蓋体と、前記入射光学窓と出射窓の間に複数の非線形光学素子が載置されるように、前記収容部ケーシングに着脱可能に固定された載置部と、前記出射窓及びパージガス通流口を開閉可能に閉塞する閉塞部材と、を備えている点にある。
収容部ケーシングに形成された入射光学窓と出射窓との間に複数の非線形光学素子が収容され、蓋体及び閉塞部材で密閉状態が実現できるので、湿度や外気の影響を受けやすい非線形光学素子であっても、それらの影響を受けることなく安全に輸送・運搬することができる。しかも波長変換装置に収容容器ごと着脱できるので非線形光学素子の交換作業が円滑に行なえ、波長変換装置に装着された後には、パージガス通流口から流入したパージガスが収容部ケーシング内を通流した後出射窓から流出するので常に非線形光学素子がクリーンな状態に維持される。
本発明による位相整合方法の第一の特徴構成は、同請求項6に記載した通り、上述した第四の特徴構成を備えた波長変換装置の位相整合方法であって、前記収容部を前記ステージに装着する装着工程と、前記特定の非線形光学素子に調整用のレーザ光を入射させてその波長変換出力が最大値を示すように前記熱源を調整する第1微調整工程と、他の非線形光学素子に前記調整用のレーザ光が入射するように前記ステージを移動させて、その波長変換出力が最大値を示すように前記熱源を調整する工程を、他の全ての非線形光学素子に適用する第2微調整工程と、前記第1微調整工程及び第2微調整工程で得られた調整温度を各非線形光学素子に対応付けて記憶部に記憶する記憶工程と、を含む点にある。
収容部をステージに装着した後に、第1微調整工程で波長変換出力が最大値を示すように前記熱源を調整する。第1微調整工程と同じ処理を他の非線形光学素子に対しても行なう第2微調整工程を実行し、得られた調整温度を各非線形光学素子に対応付けて記憶部に記憶することで、その後、実際に各非線形光学素子を用いる際に、記憶部に記憶された調整温度に調整すれば、各非線形光学素子で波長変換出力が最大値を示すように調整できるようになる。
同第二の特徴構成は、同請求項7に記載した通り、上述した第四の特徴構成を備えた波長変換装置の位相整合方法であって、前記収容部を前記ステージに装着する装着工程と、前記特定の非線形光学素子に調整用のレーザ光を入射させてその波長変換出力が最大値を示すように前記角度調整機構を調整する粗調整工程と、前記粗調整工程後の波長変換出力が最大値を示すように前記熱源を調整する第1微調整工程と、他の非線形光学素子に前記調整用のレーザ光が入射するように前記ステージを移動させて、その波長変換出力が最大値を示すように前記熱源を調整する工程を、他の全ての非線形光学素子に適用する第2微調整工程と、前記第1微調整工程及び第2微調整工程で得られた調整温度を各非線形光学素子に対応付けて記憶部に記憶する記憶工程と、を含む点にある。
収容部をステージに装着した後に、粗調整工程で波長変換出力が最大値を示すように角度調整機構を用いて機械的に位相整合角を粗調整し、さらに第1微調整工程で波長変換出力が最大値を示すように前記熱源を調整する。第1微調整工程と同じ処理を他の非線形光学素子に対しても行なう第2微調整工程を実行し、得られた調整温度を各非線形光学素子に対応付けて記憶部に記憶することで、その後、実際に各非線形光学素子を用いる際に、記憶部に記憶された調整温度に調整すれば、各非線形光学素子で波長変換出力が最大値を示すように調整できるようになる。事前に粗調整工程を実行することで、その後の熱源調整で速やかに位相整合状態を確保することができるようになる。
同第三の特徴構成は、同請求項8に記載した通り、上述の第一または第二の特徴構成に加えて、前記記憶工程の後に、前記熱源を介して任意の非線形光学素子を前記所定の目標温度に調整する第2温度調整工程と、各非線形光学素子に対応付けられた調整温度を前記記憶部から読み出す温度読み出し工程と、波長変換対象となる非線形光学素子を、前記熱源を介して前記温度読み出し工程で読み出された調整温度に調整する第3温度調整工程と、前記第3温度調整工程で温度が調整された後に当該非線形光学素子に入射光を入射させて波長変換する波長変換工程と、を含む点にある。
波長変換光を出力する際には、先ず、第2温度調整工程で各非線形光学素子が所定の目標温度に調整される。さらに、温度読み出し工程で上述の各調整工程を経て得られた各非線形光学素子に対する位相整合のための調整温度が記憶部から読み出され、第3温度調整工程では波長変換処理を行なう非線形光学素子の温度が温度読み出し工程で読み出された温度に調整され、位相整合条件が整えられる。その後、波長変換工程が実行される。従って、非線形光学素子を切替える際に、波長変換出力に基づく温度調整制御を行なう必要が無くなり、速やかに動作させることができるようになる。
以上説明した通り、本発明によれば、大きなピークパワーのレーザパルス光を出力することを可能としながらも、非線形光学素子の交換頻度を低減するとともに交換作業が容易な小型の波長変換装置、収容容器及びその位相整合方法を提供することができるようになった。
レーザ光源装置の機能ブロック構成図 (a)は非線形光学素子に入射するレーザ光の従来のビーム径及びビームの入射位置の移動軌跡の説明図、(b)はレーザ光のビーム径を長円または楕円形に拡径した場合のビーム径及びビームの入射位置の移動軌跡の説明図、(c)レーザ光のビーム径を真円に拡径した場合のビーム径及びビームの入射位置の移動軌跡の説明図、(d),(e)は複数の非線形光学素子に対するビーム径及びビームの入射位置の移動軌跡の説明図 (a)はケーシングに蓋体が取り付けられた状態の波長変換装置の平面図、(b)はケーシングから蓋体の一部が外された状態の波長変換装置の平面図 (a)はケーシングから全ての蓋体が外された状態の波長変換装置の平面図、(b)は波長変換装置に注入されるパージガスの通流経路の説明図 非線形光学素子の収容部から蓋体が外された状態の平面図 (a)は位相整合角の説明図、(b)はステージへの収容部の取付構造の説明図、(c)は位相整合角の角度調整機構の説明図 (a),(b)は非線形光学素子の載置部への収容構造の説明図 (a),(b)は出射用光学窓の説明図 位相整合方法を示すフローチャート (a),(b),(c),(d)は非線形光学素子の載置部への収容構造の別実施形態を示す説明図
以下、本発明による波長変換装置、収容容器及び位相整合方法が具現化されたレーザ光源装置の実施形態を説明する。図1には、レーザ光源装置1の一例となる構成が示されている。レーザ光源装置1は、光源部1Aと、ファイバ増幅部1Bと、固体増幅部1Cと、波長変換部1Dとが光軸Lに沿って配置され、さらに光源部1Aや波長変換部1D等を制御する制御部100を備えて構成されている。
光源部1Aには、種光源10と、種光源用のドライバD1と、光アイソレータISL1等を備えている。ファイバ増幅部1Bには、それぞれレーザダイオードで構成される励起用光源21,31及び合波器22,32を備えた二段のファイバ増幅器20,30と、光アイソレータISL2,ISL3と、光スイッチ素子40等を備えている。また、ファイバ増幅器20の後段にはバンドパスフィルタBPF1を備えている。
固体増幅部1Cには、固体増幅器50と、反射ミラーM1,M2,M3と、レンズL1,コリメータCL2等を備えている。波長変換部1Dは、第1波長変換部1E及び第2波長変換部1Fで構成され、それぞれに非線形光学素子60,70を備えている。第2波長変換部1Fは本発明による波長変換装置となる。
光源部1Aとファイバ増幅部1Bと固体増幅部1Cとがアルミ等で構成される一つの金属ケースに収容され、波長変換部1Dが別の金属ケースに収容され、さらに波長変換部1Dの金属ケースに第2波長変換部1Fがさらに別の金属ケースに収容されている。尚、各ケースに収容される機能ブロック1A〜1Dの区分けは特に制限されることはないが、第2波長変換部1Fは内部に収容される非線形光学素子の特性等によりパージガスによりパージ可能な金属ケースに収容されている必要がある。
種光源10から出力された波長1064nmのレーザパルス光(以下、単に「パルス光」とも記す。)が二段のファイバ増幅器20,30で増幅され、さらに一段の固体増幅器50で所望のレベルまで増幅される。固体増幅器50で増幅されたパルス光は非線形光学素子60で波長532nmに波長変換され、さらに非線形光学素子70で波長266nmに波長変換されて出力される。
種光源10として単一縦モードのレーザ光を出力する分布帰還型レーザダイオード(以下、「DFBレーザ」と記す。)が用いられ、ゲインスイッチング法を適用する制御部100から出力される制御信号によって、DFBレーザから単発または数メガヘルツ以下の所望の周波数で、数百ピコ秒以下の所望のパルス幅のパルス光が出力される。
種光源10から出力された数ピコジュールから数百ピコジュールのパルスエネルギーのパルス光が、ファイバ増幅器20,30及び固体増幅器50によって最終的に数十マイクロジュールから数十ミリジュールのパルスエネルギーのパルス光に増幅された後に、二段の非線形光学素子60,70に入力されることによって波長266nmの深紫外線に波長変換される。
種光源10から出力されたパルス光は、光アイソレータISL1を介して、初段のファイバ増幅器20で増幅される。ファイバ増幅器20,30として、所定波長(例えば975nm)の励起用光源21で励起されるイッテルビウム(Yb)添加ファイバ増幅器等の希土類添加光ファイバが用いられる。このようなファイバ増幅器20の反転分布の寿命はミリ秒の位数であるため、励起用光源21で励起されたエネルギーは1キロヘルツ以上の周波数のパルス光に効率的に転移されるようになる。
初段のファイバ増幅器20で約30デシベル増幅されたパルス光は、光アイソレータISL2を介して後段のファイバ増幅器30に入力されて約25デシベル増幅される。後段のファイバ増幅器30で増幅されたパルス光は、コリメータCL1によってビーム成形され、光アイソレータISL3,ISL4を通過した後に固体増幅器50に導かれて約25デシベル増幅される。
コリメータCL1と固体増幅器50との間には、音響光学素子が組み込まれ光スイッチ素子40として機能する音響光学変調器AOM(Acousto-Optic Modulator)、一対の反射ミラーM1,M2が配置され、反射ミラーM1,M2間には固体増幅器50で増幅されたパルス光を非線形光学素子60に導く光アイソレータISL4が配置されている。
尚、上述の光アイソレータISL1〜ISL4は、何れも磁気光学効果を利用して順方向と逆方向で偏光面を逆方向に回転させることで戻り光を遮断する偏光依存型の光アイソレータであり、光軸に沿って上流側に配置された各光学素子が、高強度の戻り光によって熱破壊されることを回避する等のために設けられている。
固体増幅器50としてNd:YVO4結晶やNd:YAG結晶等の固体レーザ媒体が好適に用いられる。発光波長808nmまたは888nmのレーザダイオードで構成される励起用光源51から出力され、コリメータCL2によってビーム成形された励起光によって固体レーザ媒体が励起されるように構成されている。
光スイッチ素子40を通過したパルス光は、反射ミラーM1,M2を経由して固体増幅器50に入射して増幅された後に、さらに反射ミラーM3で反射されて固体増幅器50に再入射して再度増幅される。つまり、固体増幅器50の往路及び復路でそれぞれ増幅されるように構成されている。尚、レンズL1はビーム整形用である。
固体増幅器50で増幅されたパルス光は反射ミラーM2、光アイソレータISL4で反射されて波長変換部1Dの非線形光学素子60,70に入射して所望の波長に変換された後に出力される。
第1波長変換部1Eには非線形光学素子60であるLBO結晶(LiB)が組み込まれ、第2波長変換部1Fには非線形光学素子70であるCLBO結晶(CsLiB10)が組み込まれている。種光源10から出力された波長1064nmのパルス光が非線形光学素子60で波長532nmに波長変換され、さらに非線形光学素子70で波長266nmに波長変換される。
反射ミラーM4,M8は非線形光学素子60から出力される波長1064nmのパルス光を分離するためのフィルタとして機能し、反射ミラーM6は非線形光学素子70から出力される波長532nmのパルス光を分離するためのフィルタとして機能し、分離されたパルス光はそれぞれ光ダンパで減衰される。
第2波長変換部1FにはCLBO結晶(CsLiB10)を光軸と直交する面内で移動させる走査機構であるステージ71が設けられている。紫外線が長時間同一箇所に照射されるとCLBO結晶(CsLiB10)に光学損傷が生じて強度分布の劣化と波長変換出力の低下を招くため、所定時期にCLBO結晶(CsLiB10)へのパルス光の照射位置をシフトするためである。
制御部100はFPGA(Field Programmable Gate Array)及び周辺回路等を備えた回路ブロックで構成され、予めFPGA内の記憶部に記憶したプログラムに基づいて複数の論理素子を駆動することにより、レーザ光源装置1を構成する各ブロックが例えばシーケンシャルに制御される。また、制御部100には、後述する位相整合方法を実行するために必要な記憶部が接続されている。
尚、制御部100はFPGAで構成される以外に、マイクロコンピュータと記憶部及びIO等の周辺回路で構成されていてもよいし、プログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC)等で構成されていてもよい。
具体的に、制御部100はゲインスイッチング法を用いて種光源10を発光させるべく、種光源10であるDFBレーザのドライバD1に所定パルス幅のトリガ信号を出力する。当該駆動回路からDFBレーザにトリガ信号に応じたパルス電流が印加されると緩和振動が発生し、緩和振動による発光開始直後の最も発光強度が大きな第1波のみからなり第2波以降のサブパルスを含まないパルス状のレーザ光が出力される。ゲインスイッチング法とは、このような緩和振動を利用した短いパルス幅でピークパワーが大きいパルス光を発生させる方法をいう。
また、制御部100は光スイッチ素子40である音響光学変調器AOMを駆動するRFドライバD2にゲート信号を出力する。RFドライバD2から高周波信号が印加されたトランスジューサ(ピエゾ変換素子)によって音響光学素子を構成する結晶に回折格子が生成され、音響光学素子に入射するパルス光の回折光が反射ミラーM1に入射する。RFドライバD2が停止すると音響光学素子に入射したパルス光は回折せずにそのまま通過し、反射ミラーM1に入射することはない。尚、RFドライバD2の停止時に音響光学素子を通過した光は光ダンパによって減衰されるように構成されている。
ゲート信号によって光スイッチ素子40がオンすると回折された光がファイバ増幅器30から固体増幅器50へ伝播し、ゲート信号によって光スイッチ素子40がオフするとファイバ増幅器30から固体増幅器50へ光の伝播が阻止される。
さらに、制御部100は所定時期にCLBO結晶(CsLiB10)へのパルス光の照射位置をシフトするためにステージ71を制御してステップ的に移動させる。例えば、制御部100は、波長変換された紫外線の強度をモニタし、モニタした強度の履歴が所定のパターンに一致するとステージ71を移動させてCLBO結晶(CsLiB10)へのパルス光の照射位置をシフトする。
パルス光の光軸に直交するX−Y平面でステージ71が移動可能となるように、ステージ71は制御部100によりモータドライバD3を介して制御されるX方向移動モータ及び/またはY方向移動モータに駆動連結されている。
種光源10から出力された中心波長1064nmの狭帯域のパルス光がファイバ増幅器20に導かれて増幅される過程で自己位相変調やラマン散乱等によって不必要にスペクトル幅が広がり、さらに自然放出光ノイズ(以下、「ASEノイズ(amplified spontaneous emission noise)」と記す。)が発生して光パルスのS/N比が低下する。そのようなパルス光が後段のファイバ増幅器30に導かれて増幅される過程でさらに広帯域化され、ASEノイズレベルが増大する。
波長変換部1Dで波長変換可能な波長範囲のパルス光を効率的に増幅して、所望の強度の深紫外のパルス光を得るために光スイッチ素子40が設けられている。制御部100は、種光源10からのパルス光の出力期間に光の伝播を許容し、種光源10からのパルス光の出力期間と異なる期間に光の伝播を阻止するように光スイッチ素子40を制御するように構成されている。
制御部100によって種光源10からのパルス光の出力期間と異なる期間に光スイッチ素子40がオフされると、その間は、後段の固体増幅器50へのASEノイズの伝播が阻止されるようになり、固体増幅器50の活性領域のエネルギーが無駄に消費されることが回避されるようになる。
光スイッチ素子40として、EO変調の強度変調を利用して電界により光をオンオフする電気光学素子を用いてもよく、マイクロマシーニング技術で製作した微少な搖動ミラー(MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)で構成されたミラー)を用いて、ファイバ増幅器30の出力が固体増幅器50に伝播するか否かを微少な搖動ミラーの搖動角度によって切り替えるように構成してもよい。また、偏光状態を動的に切替えて光の透過と遮断を制御可能な偏光デバイスを用いてもよい。つまり、光スイッチ素子は動的光学素子で構成されていればよい。
また、ファイバ増幅器30で増幅されたパルス光を狭帯域化してASEノイズを除去するボリューム・ブラッグ・グレーティング(Volume Bragg Grating)のような回折格子を光スイッチ素子40に代えて、或いは光スイッチ素子40とともに用いてもよい。
固体増幅器50で増幅されたパルス光は、光アイソレータISL4の入力側のエスケープポートから第1波長変換部1Eの非線形光学素子60であるLBO結晶に入射して波長532nmのパルス光に波長変換される。
さらに、パルス光はレンズL2,L3によって0.2〜0.3mmのビーム径が2〜3mm程度に拡径された後に、第2波長変換部1Fの非線形光学素子70であるCLBO結晶に入射して波長266nmのパルス光に波長変換され、複数の光学レンズを介して真円にビーム整形された後に出力される。尚、レンズL2,L3で拡径されたパルス光は、レーザ光源装置1の後段に配置された光学系で縮径され、単位面積当たりのパワーを増大した後に照射対象に照射される。
図2(a)に示すように、入射面が5mm角程度の非線形光学素子(CLBO結晶)70に0.2〜0.3mmのビーム径のパルス光を照射する場合、数ナノ秒のパルス幅のパルス光であれば、結晶の光学損傷の発生を回避するために照射位置をパルス光の光軸に直交するXY平面で移動させることで長期間継続して使用することができる。例えば、1スポット当り3000時間程度使用できる。
しかし、同じビーム径であっても数ピコ秒から数百ピコ秒とパルス幅が短いレーザパルス光ではピークパワーがそれだけ増し、同様の方法によれば極めて短時間で結晶を交換しなければならなくなるため、パルス光のビーム径を拡径して単位面積当たりのパワーを低減させている。
図2(b)には楕円または長円となるようにビーム径を拡径した例が示され、図2(c)には真円となるようにビーム径を拡径した例が示されている。何れの場合も、ビーム径を拡径することにより同一照射位置で光学損傷が発生するまでの照射時間を延ばすことができるが、入射面が5mm角程度と狭いため、一つの非線形光学素子70に対する寿命は相対的に短くなる。また、入射面のサイズが大きな非線形光学素子70を製作するにも限界がある。
そこで、第2波長変換部1F、即ち本発明による波長変換装置は複数の非線形光学素子70が収容可能に構成されている。
図2(d)に示すように、複数の非線形光学素子70A,70B,70Cを備えた構成によれば、ビーム径を拡径しながらも長期に渡り非線形光学素子を交換することなくレーザ光源装置1を稼働させることができる。
図2(e)に示すように、ビームの入射位置の移動方向に長くなるように、非線形光学素子70A,70B,70Cの入射面の形状を長方形に形成すると、無駄なく波長変換に利用できるようになる。
本実施形態では、非線形光学素子70の入射面が5mm角に形成され、レーザパルス光のビーム径が2mmに設定され、1スポット当り2000時間、1結晶当り4000時間の使用を可能にしている。
以下、第2波長変換部1Fについて詳述する。
図3(a),(b)及び図4(a),(b)に示すように、第2波長変換部1Fは、隔壁730を介して2領域R1,R2に領域分割され、一方の領域R1に入射窓720が設けられるとともに他方の領域R2に出射窓750が設けられたケーシング700に配置されている。ケーシング700を覆う蓋体770,780によって一方のみ開放可能に構成されている。つまり、蓋体770によって領域R2が覆われ、蓋体780によって領域R1が覆われ、蓋体780を取り外すことによって領域R1が開放されても、領域R2の被覆状態は維持されるように構成されている。
ケーシング700の一方の領域R1には、非線形光学素子70が収容された収容部80と、収容部80を着脱自在に固定するとともに入射窓720から入射したレーザ光の光軸と直交する方向に非線形光学素子70を収容部80と一体に移動させるステージ71が配置されている。収容部80が本発明の収容容器となる。
ケーシング700の他方の領域R2には、収容部80から出射して、隔壁730に形成された開口740を通過したレーザ光を出射窓750に導く光学系として反射ミラーM6,M5が配置され、出射窓750には波長変換されたレーザ光を外部に出射するとともに外気の流入を阻止する光学ガラスを含む光学素子610が保持された出射光学窓600がケーシング700に取り付けられている(図4(a)参照)。
尚、本実施形態で使用する「光学素子」との用語は、非晶質である光学ガラスのみならず結晶質であるフッ化カルシウムやフッ化マグネシウム等を材料とする素子をも含めた概念である。
非線形光学素子70で波長変換された後、波長266nmのパルス光が反射ミラーM6で反射され、さらに反射ミラーM5で反射されて出射窓750から出力される。非線形光学素子70から出力された波長532nmのパルス光は反射ミラーM6を透過して光ダンパ(図示せず)で減衰される。
反射ミラーM5と出射窓750との間にサンプラーとなる反射ミラーM10が配置され、波長266nmのパルス光のごく一部(0.5%程度)が反射されるように構成されている。反射ミラーM10からの反射光はさらに反射ミラーM9で反射されて受光素子PS1に入射する。受光素子PS1によってそのパワーが検出される。受光素子PS1で検出されたパワーは制御部100に入力され、その値に基づいて非線形光学素子70の位相整合条件等が調整される。
反射ミラーM10,M9に対するパルス光の入射角は、10°以下に設定されていることが好ましく、6°以下に設定されていることがさらに好ましい。一般に、非線形光学素子を含めてミラーやレンズ等の光学素子は、深紫外光が照射される過程で次第に劣化する。深紫外光は通常は直線偏光しており、反射ミラーM10,M9にはP偏光もしくはS偏光の何れかのみの成分をもつ光が入射される。
しかし、光学素子の劣化と共に偏光が徐々に解消される現象が生じ、P偏光とS偏光の両方の偏光成分をもつ光が入射するようになる。反射ミラーM10,M9への入射角度が大きい場合には、受光素子PS1に入射するパワーが偏光解消と共に変化してしまうという問題がある。そこでP偏光とS偏光の差が少なく、偏光解消が生じても正しくそのパワーを検出できるように、上述の入射角に設定されている。
図には示していないが、反射ミラーM6と反射ミラーM5との間に平凹レンズを配置し、反射ミラーM5と反射ミラーM10との間に平凸レンズを配置することにより、非線形光学素子70からの出力光のビーム歪を補正するように構成されている。
非線形光学素子70としてCLBO結晶(CsLiB10)を用いる場合には、従来のBBO結晶よりもウォークオフが小さいという特性を利用して、非線形光学素子70の上流側にビーム整形のためのレンズを配置することもできる。深紫外光による光学レンズの劣化の問題が生じないため、後者の構成の方が好ましい。
図7(a),(b)には、収容部80に収容される三つの非線形光学素子70(70a,70b,70c)が載置部に固定されている状態が示されている。載置部は区画部材840と熱源870とを備えて構成されている。載置部は少なくとも各非線形光学素子70a,70b,70cを位置決め区画する金属製の区画部材840を備え、区画部材840の下方に接触配置された熱源870の熱が区画部材840を介して各非線形光学素子70a,70b,70cに伝達可能に構成されている。
区画部材840として無電解ニッケルメッキ等の表面処理を施した無酸素銅が用いられ、熱源870としてセラミックヒータが用いられ、区画部材840と非線形光学素子70(70a,70b,70c)との接触部には非線形光学素子70(70a,70b,70c)の温度を計測する単一または複数の温度センサが配置されている。
区画部材840に形成された各区画は非線形光学素子70a,70b,70cと略同サイズに形成され、非線形光学素子70a,70b,70cは、各区画に収容された後に上方から同じく無電解ニッケルメッキ等の表面処理を施した無酸素銅で形成された固定板850で被覆され、ボルト860で固定される。非線形光学素子70a,70b,70cと区画部材840とが当接して、熱源870からの熱伝達が良好に行なえるように構成されている。
その結果、各非線形光学素子70a,70b,70cに温度ばらつきが発生しないように、所定の温度にほぼ均一に加熱されるようになる。尚、区画部材840は、3つの非線形光学素子70a,70b,70cを互いに当接して配置するように、幅広の一区画のみの区画に形成することも可能である。また、本実施形態では、載置部に3つの非線形光学素子70a,70b,70cが載置される例を示しているが、載置部に載置される非線形光学素子70の数は複数であればよく、その数が制限されることはない。
図5に示すように、非線形光学素子70(70a,70b,70c)が固定された載置部は、収容部80を構成する金属製の収容部ケーシング800の底部に設けられた固定部830に左右一対の側板880で挟みつけられた状態でボルト固定される。
収容部ケーシング800のうち、非線形光学素子70の入射面側に光学ガラスを含む光学素子を配した入射光学窓820が形成され、非線形光学素子70の出射面側に開放状態の出射窓825が形成されている。
図6(b),(c)に示すように、収容部80は、ステージ71により入射光の光軸に直交するX軸方向に移動可能に、天板81、側板82、底板83の3つの部材で構成される保持部を介してステージ71に着脱自在に取り付けられている。未使用の複数の非線形光学素子70が収容された収容部80を準備しておけば、複数の非線形光学素子70が収容部80に収容された状態で一括して取替できるようになる。
ステージ71は、基台711と、基台711上に配置された一対のガイドレール713と、一対のガイドレール上をスライド移動する移動盤712を備えている。移動盤712には、上述の保持部の底板83がボルト固定されている。
基部が移動盤712に固定された一対のL字アーム717の先端側に、内周部に斜歯が形成されたウォームホイール716が固定され、基台711に設置されたモータ714の出力軸に形成されたウォーム715とウォームホイール716とが噛合するように構成されている。
制御部100によって制御されるモータ714が回転することにより、移動盤712がガイドレール上をスライド移動する。即ち、図2(d)で説明したように、非線形光学素子70に照射されるパルス光の位置がパルス光の光軸に直交するXY平面上のX方向に移動するように構成されている。
収容部80の一側面が保持部の側板82にボルト85a,85bで固定され、天板81に備えた調整用ビス84a,84bでその取付角度を調整可能に構成されている。
側板82に固定されたピンPが収容部80の一側面に形成された穴に嵌め込まれた状態で、ボルト85a,85bを仮止めし、左右の調整用ビス84a,84bの締付加減によってピンP周りに収容部80が搖動するように構成されている。そして、調整後にボルト85a,85bが締め付けられる。
つまり、保持部と、ピンPと、調整用ビス84a,84bによって、ステージ71を基準にして非線形光学素子70のC軸と入射レーザ光の光軸Lとの成す角度を機械的に調整可能な角度調整機構が構成されている。
非線形光学素子70で波長変換する際に高い変換効率を得るためには、入力光と波長変換光の位相ベクトルが一致している必要があり、このずれが大きくなると変換効率が急激に低下する。非線形光学素子70のC軸の角度を調整し、非線形光学素子70の温度を調整することによって、両位相ベクトルを一致させる、つまり位相整合させることができる。
図6(a)には、非線形光学素子の結晶の光軸(C軸)と入射レーザ光の光軸との成す角度θとの関係が示されている。この角度を調整するために、上述の角度調整機構が設けられている。
深紫外光へ波長変換するCLBO結晶のような非線形光学素子70は潮解性を示し、空気中に放置すると水分を吸収してダメージを受ける。また、上述したように、非線形光学素子70及びレンズ、ミラー、窓部材等の光学素子に深紫外光が照射されるとその影響を受けて次第に劣化する。例えば、光学素子に雰囲気中の塵埃等が付着すると汚れが生じ、また深紫外光の影響で白濁することがある。
そこで、ケーシング700に収容された波長変換素子70及び光学素子の劣化を回避するために波長変換装置1Fにパージガス供給機構を設け、アルゴンガスやCDA(Clean Dry Air)のようなパージガスを供給するように構成されている。
図3(b),図4(b)に示すように、ケーシングの一方の領域R1にパージガス供給部910が設けられ、パージガス供給部910に供給されたパージガスは、流量調整用のオリフィス915により3系統に流量調整された後に、2系統のガス供給管920,930を介して収容部80に供給され、1系統のガス供給管940を介して他方の領域R2に供給されるように構成されている。ガス供給管920,930の他端は収容部ケーシング800の側壁に形成されたパージガス通流口801,802(図5参照)に接続され、ガス供給管940の他端はケーシング700の隔壁730に形成されたパージガス通流口790に接続される。
パージガス供給部910には、外部からパージガスを供給するガス管を連結する装着部が設けられ、ガス管を離脱した際に装着部を密閉する蓋体が設けられている。
また、収容部80と隔壁730に形成した開口740とが蛇腹状の金属製のフレキシブルチューブ800で接続され、収容部80に供給されたパージガスがフレキシブルチューブ800を介してケーシング700の他方の領域R2に供給されるように構成されている。
非線形光学素子70を交換するためにケーシング700から蓋体780を外しても、ケーシング700の一方の領域R1のみ大気開放され、蓋体770で覆われた他方の領域R2が外気に極力触れないような状態に維持される。
その結果、他方の領域R2に配置されている光学素子が外気に晒されることが殆ど無く、その状態でフレキシブルチューブ800を収容部80の口金810から離脱させて、使用済みの非線形光学素子70が収容された収容部80及び保持部81,82,83をステージ71から取り外し、新たな非線形光学素子70が収容された収容部80及び保持部81,82,83をフレキシブルチューブ800と接続した後にステージ71に装着すれば非線形光学素子70それ自体も外気に晒されることが殆ど無い。つまり、収容部80は角度調整機構と一体で交換される。
その状態でパージガス供給部910から収容部80にパージガスを供給すると、パージガスは収容部80からフレキシブルチューブ800を介してケーシング700の他方の領域R2に流出し、非線形光学素子70を含む重要な光学素子が外気に晒されることが無い状態で主要な交換作業を終了することができる。
また、収容部80をフレキシブルチューブ800と接続しているため、ステージ71への収容部80の取付作業時に、外気が流入することが殆ど無い状態で収容部80の姿勢を自由に変化させることができるようになり良好な作業性が確保できる。
さらに、収容部80を取り替えた後、パージガス供給部910から収容部80にパージガスを供給した状態で、上述の角度調整機構によって非線形光学結晶70のC軸と入射レーザ光の光軸との成す角度を調整できるようになり、仮にそのための調整時間が長くなっても非線形光学結晶を含む重要な光学素子が外気に晒されることなく、潮解の問題や劣化の問題も解消される。
他方の領域R2には、フレキシブルチューブ80を介して開口740から供給されたパージガスを反射ミラーM6の表裏両面に導くガイド板G3と、ガス供給管940から供給されたパージガスを反射ミラーM5の表裏両面に導くガイド板G4が設置されている。これら2枚のガイド板G3,G4によって案内されたパージガスによって当該他方の領域R2に配置された各光学素子がクリーンに保たれる。
収容部80の交換手順を詳述する。予めパージガスを供給した状態でケーシング700に形成された排気口760をシールネジで閉塞しておき、使用済みの収容部80に接続されている一方のガス供給管920を取り外してパージガス通流口801をシールネジで閉塞する。真空パックから取り出した交換用の収容部80のパージガス通流口801のシールネジを緩めて当該ガス供給管920を接続する。
次に、フレキシブルチューブ800を使用済みの収容部80の口金810から離脱させて当該収容部80の出射窓825を蓋で閉塞し、他方のガス供給管930を取り外してパージガス通流口802をシールネジで閉塞する。さらに収容部80を保持部81,82,83と一体でステージ71から離脱させる。その結果、使用済みの収容部80は、大気が流入することなく密閉される。
交換用の収容部80の他方のパージガス通流口802のシールネジを緩めてガス供給管930を接続し、当該収容部80の出射窓825の蓋を取り外して、フレキシブルチューブ800を接続固定し、排気口760のシールネジを緩め、その後信号線を接続する。
図5に示すように、収容部80には、ガス供給管920から収容部80に供給されたパージガスを非線形光学素子70の入射面に導くガイド板G3と、ガス供給管930から収容部80に供給されたパージガスを非線形光学素子70の出射面に導くガイド板G4を備えている。
ガス供給管920,930から供給されたパージガスは、案内板G3,G4によって非線形光学素子70の入射面及び出射面に効率的に分配され、出射窓825から流出する。
以上説明したように、本発明の収容容器つまり収容部80は、一側面に光学素子を備えた入射光学窓820が形成され、対向面に出射窓825が形成されるとともに何れかの側面にパージガス通流口801,802が形成され、パージガス通流口801,802から流入したパージガスが出射窓825から流出するように構成された収容部ケーシング800と、収容部ケーシング800を覆う蓋体と、入射光学窓820と出射窓825の間に複数の非線形光学素子が載置されるように、収容部ケーシング800に着脱可能に固定された載置部と、出射窓820及びパージガス通流口801,802を開閉可能に閉塞する閉塞部材としてのシールネジとを備えて構成されている。
図8(a),(b)に示すように、ケーシング700に形成された出射窓750に取り付けられた出射光学窓600は、円盤状の光学素子610と、光学素子610を保持する傾斜面を備えた光学素子保持部630で構成されている。光学素子610は傾斜面に形成された開口の段差部に回転可能に嵌め込まれ、上方から留金620で固定されている。
この状態で光学素子610は、波長変換光の光軸Lに対してブリュースター角(図中、符号φで示す。)だけ傾斜した傾斜姿勢となる。また、波長変換光の通過位置Loが光学素子610の中心位置Lcに対して下方に偏在するように配置されている。光学素子610は、傾斜姿勢を保持した状態で回転可能に、且つ、波長変換光の光軸Lに対して光学素子の回転中心が偏在するように取り付けられている。
光学素子610が波長変換光の光軸に対してブリュースター角だけ傾斜した傾斜姿勢で取り付けられているので、波長変換光が光学素子610に反射するようなことがない。
また、光学素子610を回転させることにより、波長変換光の通過位置が変位可能になるため、光学素子610がある程度劣化して透過率が低下しても、波長変換光の通過位置を変位させることで、本来の光学素子610の透過率で波長変換光を出力することができるようになる。
尚、光学素子610は、波長変換光の通過位置が変位可能になる態様で取り付けられていればよく、上述のような構成に限るものではない。
さらに、パージガスをケーシング700から排気する排気口760が出射窓750の上部近傍に形成され、排気口760から排気されたパージガスが光学窓600の光学素子610に導く風洞650が配置されている。
排気口760は、ケーシング700の外側から回転操作可能なシールネジ機構660によって開閉操作可能に構成されている。シールネジ機構660の操作部を反時計周りに回転操作すると排気口760が開放され、シールネジ機構660の操作部を時計回りに回転操作すると、弁体660aによって排気口760が閉塞される(図8(a)に二点鎖線で示されている。)
風洞650の外部にシールネジ機構660の操作部が設けられているので、風洞650を取り外すことなくパージガスの流量を調整することができ、またパージガスの供給が停止した場合でも速やかにケーシング700を密閉状態に操作することができる。
設備が計画停電等で停止し、パージガスを供給することができない場合や熱源870によって非線形光学素子を100℃以上に加熱した乾燥状態に維持できない場合には、シールネジ機構660によって排気口760を閉塞し、パージガス供給部910に備えた装着部に蓋体を装着すれば、湿度の影響を受けやすい非線形光学素子であっても確実に乾燥状態に保つことができる。
風洞650によって出射光学窓600を構成する光学素子610の外面にパージガスが案内されるので、例えば波長変換された紫外線レーザパルス光が当該光学素子610を通過する場合でも外気に含まれる有害成分等の影響で白濁するような事態の発生を効果的に阻止することができるようになる。
ケーシング700に形成された出射窓750に取り付けられた出射光学窓600が単一である態様以外に、ケーシング700に複数の出射光学窓600が構成される態様であっても同様である。例えば、ケーシング内部に設けた光学素子で紫外線レーザパルス光が複数に分岐され、それぞれが個別の出射光学窓600から出射されるような場合等には、それぞれの出射光学窓600から出力される紫外線レーザパルス光の波長の異同は問わず、それぞれの出射光学窓600に対して、排気口760から排気されたパージガスが導かれるように構成すればよい。
この場合、ケーシング700に形成された同じ出射窓750から複数本の紫外線レーザパルス光が出力されるような構成であってもよいし、ケーシング700に形成された複数の出射窓750からそれぞれ紫外線レーザパルス光が出力されるように構成されていてもよく、各出射光学窓600に導かれるパージガスは、同一の排気口760から排気されたパージガスであってもよいし、ケーシング700の異なる位置に形成された排気口760から排気されたパージガスが夫々の出射光学窓600に導かれるように構成されていてもよい。また、各出射光学窓600を覆う風洞650も個別に設けられていてもよいし、共用されていてもよい。
ケーシング700に設けられたパージガス供給部910の下方にコネクタが配置され、制御部100と第2波長変換部1Fとを接続する信号線や給電線が接続される。当該コネクタと収容部80との間を接続する信号線SCによって温度センサの信号が制御部100に出力され、制御部から熱源870に制御信号が出力される。また、当該コネクタからステージ71のモータ714に制御信号が出力され、ステージ71が移動制御される。
以下に、収容部80を交換した後の各非線形光学素子70(70A,70B,70C)に対する位相整合方法を説明する。
図9に示すように、初期の段階の位相整合方法は、装着工程S1と、第1温度調整工程S2と、粗調整工程S3と、第1微調整工程S4と、第2微調整工程S5と、記憶工程S6の各工程を備えて構成されている。
装着工程S1は、上述したように新たな収容部80をステージ71に装着する工程である。第1温度調整工程S2は、熱源870を介して特定の非線形光学素子70を所定の目標温度、本例では150℃に調整する工程である。尚、所定の目標温度は、使用する非線形光学素子により予め設定されている温度で、良好な波長変換効率を示す温度であればよい。例えば、常温を含む低温状態で非線形光学素子にレーザ光を入射させても問題が無ければ、第1温度調整工程S2は不要である。この場合、粗調整工程S3と同時、粗調整工程S3の実行中またはその後に熱源870を介して特定の非線形光学素子70を加熱すればよい。但し、第1温度調整工程S2を経ることによって非線形光学素子の寿命が長くなるという利点がある。
特定の非線形光学素子として、3つの非線形光学素子70A,70B,70CのうちC軸の目標値とのずれが最大、最小の間の中間値を示す結晶を選択することが好ましい。尚、設置された温度センサが一つの場合には、その温度センサの出力が150℃になるように熱源870を制御する。
粗調整工程S3では、特定の非線形光学素子70に調整用のレーザ光を入射させてその波長変換出力が最大値を示すように角度調整機構を調整する。波長変換出力とは上述した受光素子PS1で検出されたパワーであり、信号線を介して制御部100に入力されている。「調整用のレーザ光」とは、調整のために発振させたレーザ光という意味であり、調整用の特別のレーザ光源を使用するのではなく、装置に組み込まれている種光源10からのレーザ光を用いて調整するという意味である。このときに種光源10から出力されるレーザ光の強度等も通常の使用状態と同様でよい。
制御部100には、位相整合方法を実行するための入出力装置が接続可能に構成され、入出力装置を介してステージ71の移動、熱源870の制御等の操作が可能に構成され、温度センサによる検出温度や受光素子PS1による検出パワーが入出力装置に表示可能に構成されている。
オペレータは、入出力装置に表示された受光素子PS1による検出パワーに基づいて調整用ビス84a,84b(図6(c)参照)を操作して、検出パワーが最大となる状態に調整し、ボルト85a,85bを締め付けてステージ71に収容部80を固定する。
第1微調整工程S4では、粗調整工程後の波長変換出力が最大値を示すように熱源870を調整する。第1温度調整工程等で例えば150℃に調整された特定の非線形光学素子70に対して、さらにその温度を調整することにより、位相整合状態を微調する。具体的に、入出力装置を介して特定の非線形光学素子70を例えば0.1℃ずつ上昇または下降させながら受光素子PS1による検出パワーの状態を確認する。
温度上昇に伴って検出パワーが増大する場合、検出パワーが低下する迄温度を上昇させ、温度下降に伴って検出パワーが増大する場合、検出パワーが低下する迄温度を下降させる。そして、検出パワーが最大となる温度を確認する。
第2微調整工程S5では、他の非線形光学素子70に調整用のレーザ光が入射するようにステージ71を移動させて、その波長変換出力が最大値を示すように熱源を調整する工程を、他の全ての非線形光学素子に適用する。
記憶工程S6は、第1微調整工程及び第2微調整工程で得られた調整温度を各非線形光学素子70に対応付けて記憶部に記憶する工程である。その後、実際に各非線形光学素子70を用いる際に、記憶部に記憶された調整温度に調整すれば、各非線形光学素子70で波長変換出力が最大値を示すように調整できるようになる。事前に粗調整工程を実行することで、その後の熱源調整で速やかに位相整合状態を確保することができるようになるのである。
非線形光学素子70の製作精度がよく、ばらつきが少ないような場合には、粗調整工程S3は不要である。その場合には、治具等で収容部80とステージ71の角度を所定角度に調整してボルト85a,85bを締め付ければよい。
上述の初期の段階の各調整工程の終了後、レーザ光源装置1を稼働させる場合の位相整合方法を説明する。
熱源870を介して任意の非線形光学素子70を所定の目標温度、つまり150℃に調整する第2温度調整工程(S7)と、各非線形光学素子70に対応付けられた調整温度を記憶部から読み出す温度読み出し工程(S8)と、波長変換対象となる非線形光学素子70を、熱源870を介して温度読み出し工程(S8)で読み出された調整温度に調整する第3温度調整工程(S9)と、第3温度調整工程で温度が調整された後に当該非線形光学素子70に入射光を入射させて波長変換する波長変換工程(S10)とが制御部によって実行される。尚、第2温度調整工程を省略して、直ちに非線形光学素子70を第3温度調整工程で調整温度に調整するように構成してもよい。全ての非線形光学素子が使用されると(S10,Y)、新しい非線形光学素子に交換すべく、上述のステップS1からの処理が繰り返される。
制御部100は、非線形光学素子が位相整合するための温度条件を記憶部から読み出して、入射光に対応する非線形光学素子の位相整合条件が満たされるように熱源を制御するように構成されているので、使用する非線形光学素子が切り替わる際に位相整合角を機械的に調整するような時間の掛かる処理を行なう必要がなく、温度調整制御のみで速やかに非線形光学素子の位相整合条件を整えることができる。
また、第1温度調整工程S2で、特定の非線形光学素子として3つの非線形光学素子70A,70B,70CのうちC軸の目標値とのずれが最大、最小の間の中間値を示す結晶を選択すると、粗調整工程で中間値を示す結晶に対する角度が調整されるので、その後他の非線形光学素子に切り替えたときに温度変化幅が小さくなり、速やかに位相整合条件を整えることができる。
以下、本発明の別実施形態を説明する。
上述した実施形態では、3つの非線形光学素子70が入射レーザ光の光軸と直交するX,Y平面上でX軸方向に並設された例を説明したが、図10(a)に示すように、複数の非線形光学素子70をY軸方向に並設してステージ71をY軸方向に移動可能に構成してもよい。
また、図10(b)に示すように、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ複数の非線形光学素子70を並設してステージ71をX軸方向及びY軸方向に移動可能に構成してもよい。
さらに、図10(c)に示すように、回転軸Pa周りに複数の非線形光学素子70を同心円上に配置してもよい。入射ビームが円形の場合、図10(d)に示すように、非線形光学素子70の矩形の入射面の対角線が回転軸Paと直交するように配置すると、限られた入射面を有効に活用できる。
非線形光学素子70の入射面の形状は既述したように正方形であってもよいし、ビームの照射位置の移動方向に長く形成した長方形であってもよい。また、ビーム径以上であれば一片の長さも適宜設定することができる。さらに、ビーム径に比べて十分に大きな長さの矩形の入射面形状を備えた大型の非線形光学素子70を構成すれば、各非線形光学素子に対してビームをX軸方向及びY軸方向に移動させて波長変換することも可能である。
上述した実施形態では、収容容器に複数の非線形光学素子が収容される態様を説明したが、本発明による収容容器は、単一の非線形光学素子が収容される態様も含まれる。
本発明による波長変換装置が組み込まれるレーザ光源装置は、発振波長が1064nmとなる種光源に限定されるものでもなく、例えば、1030nm、1550nm、976nm等、用途によって適宜異なる波長の種光源を選択することが可能である。さらに、非線形光学素子を介してこれらの波長を基本波とする高調波、和周波、差周波を発生させることも可能である。非線形光学素子として、上述以外の非線形光学素子を用いることも可能である。例えば、CLBO結晶に代えて、BBO結晶、KBBF結晶、SBBO結晶、KABO結晶、BABO結晶等を用いることができる。
上述した複数の実施形態は、何れも本発明の一実施態様の説明であり、該記載により本発明の範囲が限定されるものではない。また、各部の具体的な回路構成や回路に使用する光学素子は、本発明の作用効果が奏される範囲で適宜選択し、或いは変更設計可能であることはいうまでもない。
1:レーザ光源装置
1F:波長変換装置
10:種光源
20,30:ファイバ増幅器
40:光スイッチ素子
50:固体増幅器
60:非線形光学素子(LBO結晶)
70:非線形光学素子(CLBO結晶)
71:ステージ
80:収容部
840:区画部材
870:熱源

Claims (8)

  1. 入射レーザ光の波長を変換する非線形光学素子を備えている波長変換装置であって、
    変換波長が等しい複数の非線形光学素子を載置する載置部を備えた収容部と、
    前記収容部に収容された各非線形光学素子を前記入射レーザ光の光軸と直交する方向に移動させる移動機構と、
    を備え、
    前記収容部が前記移動機構を介して本体装置に着脱自在に取り付けられ、
    前記収容部に各非線形光学素子が収容された状態で、前記移動機構により前記入射レーザ光の波長を変換する非線形光学素子が何れかの非線形光学素子から他の非線形光学素子に切替使用可能に構成されるとともに当該複数の非線形光学素子が一括して取替可能に構成されている波長変換装置。
  2. 前記載置部は少なくとも各非線形光学素子を位置決め区画する金属製の区画部材を備え、前記区画部材に接触配置された熱源の熱が前記区画部材を介して各非線形光学素子に伝達可能に構成されている請求項1記載の波長変換装置。
  3. 前記移動機構は、前記入射レーザ光の光軸と直交する方向に各非線形光学素子を移動させるステージを備え、
    前記ステージを介して前記収容部が前記装置本体に着脱自在に取り付けられ、前記ステージを基準にして各非線形光学素子のC軸と入射光の光軸との成す角度を機械的に調整可能な角度調整機構が設けられている請求項2記載の波長変換装置。
  4. 各非線形光学素子を位相整合させるための温度条件を記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された温度条件に基づいて前記熱源を制御して、各非線形光学素子を位相整合させる制御部を備えている請求項3記載の波長変換装置。
  5. 複数の非線形光学素子が収容され、請求項1から4の何れかに記載の波長変換装置に着脱可能に取り付けられる収容容器であって、
    一側面に光学素子を備えた入射光学窓が形成され、対向面に出射窓が形成されるとともに何れかの側面にパージガス通流口が形成され、前記パージガス通流口から流入したパージガスが前記出射窓から流出するように構成された収容部ケーシングと、
    前記収容部ケーシングを覆う蓋体と、
    前記入射光学窓と出射窓の間に複数の非線形光学素子が載置されるように、前記収容部ケーシングに着脱可能に固定された載置部と、
    前記出射窓及びパージガス通流口を開閉可能に閉塞する閉塞部材と、
    を備えている収容容器。
  6. 請求項4記載の波長変換装置の位相整合方法であって、
    前記収容部を前記ステージに装着する装着工程と、
    前記特定の非線形光学素子に調整用のレーザ光を入射させてその波長変換出力が最大値を示すように前記熱源を調整する第1微調整工程と、
    他の非線形光学素子に前記調整用のレーザ光が入射するように前記ステージを移動させて、その波長変換出力が最大値を示すように前記熱源を調整する工程を、他の全ての非線形光学素子に適用する第2微調整工程と、
    前記第1微調整工程及び第2微調整工程で得られた調整温度を各非線形光学素子に対応付けて記憶部に記憶する記憶工程と、
    を含む波長変換装置の位相整合方法。
  7. 請求項4記載の波長変換装置の位相整合方法であって、
    前記収容部を前記ステージに装着する装着工程と、
    前記特定の非線形光学素子に調整用のレーザ光を入射させてその波長変換出力が最大値を示すように前記角度調整機構を調整する粗調整工程と、
    前記粗調整工程後の波長変換出力が最大値を示すように前記熱源を調整する第1微調整工程と、
    他の非線形光学素子に前記調整用のレーザ光が入射するように前記ステージを移動させて、その波長変換出力が最大値を示すように前記熱源を調整する工程を、他の全ての非線形光学素子に適用する第2微調整工程と、
    前記第1微調整工程及び第2微調整工程で得られた調整温度を各非線形光学素子に対応付けて記憶部に記憶する記憶工程と、
    を含む位相整合方法。
  8. 前記記憶工程の後に、前記熱源を介して任意の非線形光学素子を前記所定の目標温度に調整する第2温度調整工程と、
    各非線形光学素子に対応付けられた調整温度を前記記憶部から読み出す温度読み出し工程と、
    波長変換対象となる非線形光学素子を、前記熱源を介して前記温度読み出し工程で読み出された調整温度に調整する第3温度調整工程と、
    前記第3温度調整工程で温度が調整された後に当該非線形光学素子に入射光を入射させて波長変換する波長変換工程と、
    を含む請求項6または7記載の位相整合方法。
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