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JP6323110B2 - 液体噴射装置 - Google Patents
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Description

本発明は、ノズルから液体を噴射する液体噴射装置に関する。
ノズルから液体を噴射する液体噴射装置として、特許文献1には、ノズルからインクを噴射することによって印刷を行うインクジェット式記録装置が記載されている。特許文献1に記載の記録装置では、キャップで記録ヘッドのノズル面(ノズル面)を封止した状態で、キャップに接続された吸引ポンプを駆動することによって、ノズルから記録ヘッド内の増粘したインクなどを排出させる、クリーニング動作を行っている。そして、吸引ポンプの停止後、負圧解除時間が経過したときに、キャップをノズル面から離隔させている。また、特許文献1では、キャップに、キャップ内の圧力を検出するための、半導体センサ等の負圧センサが設けられている。そして、負圧解除時間設定用のクリーニングを行い、負圧解除時間設定用のクリーニングにおいて、吸引ポンプを停止させた後、負圧センサによって検出される圧力が一定となる(大気圧となる)までの時間を計測し、この時間を負圧解除時間に設定する。
特開2005−288769号公報
ここで、特許文献1では、上述したように、キャップに半導体センサ等の負圧センサを設けることで、キャップ内の圧力を検出している。この場合には、負圧センサを、キャップでノズル面を覆った状態で、キャップ内に位置する部分に設ける必要がある。一方で、負圧センサの検出結果の取得、キャップのノズル面に対する移動の制御を行うための回路等は、通常、キャップの外部に設けられる。そのため、特許文献1では、キャップがノズル面を覆っている状態でのキャップ内の密閉性を維持しつつ、キャップ内の負圧センサと、キャップの外部に配置された回路と接続を行う必要があり、装置の構造が複雑になってしまう虞がある。
本発明の目的は、より簡単な構成で、キャップがノズル面に接触することによって形成される密閉空間内の圧力を検出することが可能な液体噴射装置を提供することである。
第1の発明に係る液体噴射装置は、ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドの前記ノズルが開口したノズル面と接触可能に構成され、前記ノズル面と接触した状態で、前記液体噴射ヘッドとの間に前記ノズルを覆う密閉空間を形成し、少なくとも一部分が前記密閉空間内の圧力に応じて変形するキャップと、前記キャップと接続され、前記キャップが前記ノズル面と接触した状態で前記密閉空間と連通する吸引ポンプと、前記キャップの変形を検出する変形検出部と、を備え、前記キャップの所定部分が、周囲の部分よりも厚みの薄い薄肉部となっており、前記変形検出部は、前記所定部分の変位を検出する。
第4の発明に係る液体噴射装置は、ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドの前記ノズルが開口したノズル面と接触可能に構成され、前記ノズル面と接触した状態で、前記液体噴射ヘッドとの間に前記ノズルを覆う密閉空間を形成し、少なくとも一部分が前記密閉空間内の圧力に応じて変形するキャップと、前記キャップと接続され、前記キャップが前記ノズル面と接触した状態で前記密閉空間と連通する吸引ポンプと、前記キャップの変形を検出する変形検出部と、を備え、前記変形検出部が、前記所定部分の前記密閉空間の壁面と反対側の面に設けられた第1接点と、前記第1接点と対向して配置され、前記キャップが前記ノズル面と接触し、且つ、前記密閉空間内の圧力が大気圧である状態で、前記第1接点と接触する第2接点と、前記第1接点と前記第2接点とが導通しているか否かを検出する導通検出部と、を備えている。
本発明によると、キャップの変形を検出することによって、密閉空間内の圧力を検出している。これにより、密閉空間内の圧力に応じて、吸引ポンプの駆動を停止させた後、キャップをノズル面から離すまでの時間を、液体の粘度などに応じた適切な時間とすること等が可能となる。また、キャップの変形は、キャップの外部から検出可能であるため、変形検出部全体をキャップの外部に配置することができる。これにより、密閉空間内に圧力センサを設ける場合と比較して、装置の構成を簡単にすることができる。
また、第1の発明によると、変位が検出される所定部分を薄肉部とすることにより、密閉空間内の圧力変動に対する所定部分の変位量を大きくすることができる。
また、第4の発明によると、密閉空間内の圧力が所定圧力未満のときには、所定部分の変位量が大きく、第1接点が第2接点から離れる。これにより、第1接点と第2接点とが導通しない状態となる。一方、密閉空間内の圧力が所定圧力以上のときには、所定部分の変位量が小さく、第1接点が第2接点から離れずに接触したままとなる。これにより、第1接点と第2接点とが導通した状態となる。これらのことから、第1接点と第2接点とが導通しているか否かによって、密閉空間内の圧力が所定圧力以上であるか否かを検出することができる。
第2の発明に係る液体噴射装置は、第1の発明に係る液体噴射装置において、前記所定部分が、前記密閉空間の前記液体噴射ヘッドと反対側の壁に位置する
密閉空間内の圧力が変動したときには、通常、キャップによって形成される密閉空間の壁のうち、液体噴射ヘッドと反対側の壁が最も大きく変形する。したがって、本発明では、この壁の所定部分の変位を検出することにより、キャップの変形を効率よく検出することができる。
第3の発明に係る液体噴射装置は、第2の発明に係る液体噴射装置において、前記所定部分が、前記密閉空間の前記液体噴射ヘッドと反対側の壁の中央部である。
密閉空間の液体噴射ヘッドと反対側の壁は、中央部において最も大きく変位する。したがって、本発明では、この壁の中央部の変位を検出することにより、キャップの変形を効率よく検出することができる。
の発明に係る液体噴射装置は、第1〜第のいずれかの発明に係る液体噴射装置において、前記キャップと前記ノズル面とが接触した状態と、前記キャップが前記ノズル面から離隔した状態との切り換えを行う切換部と、前記吸引ポンプ及び前記切換部の動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記切換部を動作させて、前記キャップを前記ノズル面に接触させた上で、前記吸引ポンプを所定時間駆動させる吸引動作を実行させ、前記吸引ポンプの停止後、前記変形検出部の検出結果から前記密閉空間内の圧力が所定圧力以上であるか否かを判定し、前記密閉空間内の圧力が所定圧力未満であると判定されている間は、前記切換部に、前記キャップを前記ノズル面に接触させた状態に維持させ、前記密閉空間内の圧力が所定圧力以上となったと判定されたときに、前記切換部に、前記キャップを前記ノズル面から離隔させる。
吸引ポンプの停止後、密閉空間内の圧力が所定圧力以上となったときに、キャップをノズル面から離隔させるため、液体噴射ヘッドから必要な量の液体が排出され、ノズルからのインクの排出が止まった後に、キャップをノズル面から離隔させることができる。さらに、吸引ポンプの停止後、キャップをノズル面から離隔させるまでの時間が不必要に長くなってしまうことがない。
の発明に係る液体噴射装置は、第の発明に係る液体噴射装置において、前記制御部が、前記吸引ポンプの停止後、所定の待機時間が経過した後も、前記密閉空間内の圧力が所定圧力未満であると判定されているときに、前記吸引ポンプの吸引力を強めて、再度前記吸引動作を実行させる。
ノズル内の液体の粘度が高い場合などには、吸引ポンプの停止後、ノズルから液体が排出されにくく、密閉空間内の圧力がほとんど上昇しないことがある。本発明では、吸引ポンプの停止後、所定待機時間が経過しても密閉空間内の圧力が所定圧力未満である場合に、吸引ポンプの吸引力を強めて、再度吸引パージを実行させることにより、増粘した液体を確実に排出させることができる。
本発明によれば、キャップの変形を検出することによって、密閉空間内の圧力を検出することができる。これにより、密閉空間内の圧力に応じて、吸引ポンプの駆動を停止させた後、キャップをノズル面から離すまでの時間を、液体の粘度などに応じた適切な時間とすることなどが可能となる。また、密閉空間内に圧力センサを設ける場合と比較して、装置の構成を簡単にすることができる。
本発明の実施の形態に係るプリンタの概略構成図である。 (a)図1のII−II線断面図であり、(b)がキャップがノズル面を覆っている状態の(a)相当の図である。 プリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。 吸引パージの手順を示すフローチャートである。 吸引パージの各段階における図2相当の図であり、(a)が吸引動作時の状態、(b)が吸引動作後の待機時の状態、(c)が空吸引時の状態をそれぞれ示している。 (a)が変形例1の図2(a)相当の図であり、(b)が変形例2の図2(a)相当の図である。 (a)が変形例3の図2(a)相当の図であり、(b)が変形例4の図2(a)相当の図であり、(c)が変形例4の図5(a)相当の図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るプリンタ1(本発明の「液体噴射装置」)は、キャリッジ2、インクジェットヘッド3(本発明の「液体噴射ヘッド」)、搬送ローラ4、メンテナンスユニット5等を備えている。また、プリンタ1の動作は、制御装置30(図3参照)によって制御されている。
キャリッジ2は、走査方向に延びた2本のガイドレール6に支持され、キャリッジモータ31(図3参照)に駆動されることで、ガイドレール6に沿って走査方向に往復移動する。なお、以下では、図1に示すように走査方向の右側及び左側を定義して説明を行う。インクジェットヘッド3は、キャリッジ2に搭載され、その下面であるノズル面3a(図2参照)に形成された複数のノズル10からインクを噴射する。搬送ローラ4は、走査方向と直交する搬送方向におけるキャリッジ2の両側に配置され、搬送モータ32(図3参照)に駆動されることで、記録用紙100を搬送方向に搬送する。
そして、プリンタ1では、搬送ローラ4により記録用紙100を搬送方向に搬送しつつ、キャリッジ2とともに走査方向に往復移動するインクジェットヘッド3からインクを噴射することによって、記録用紙100に印刷を行う。
メンテナンスユニット5は、キャップ11、吸引ポンプ12、廃液タンク13、切換バルブ14等を備えている。
キャップ11は、キャリッジ2がその移動範囲の右端に位置している状態で、インクジェットヘッド3のノズル面3aと対向する位置に配置されている。キャップ11は、ゴム材料等からなり、図2(a)、(b)に示すように、基部21とリップ部22とを備えている。基部21は、長方形の平面形状を有する板状となっている。また、基部21には、接続口21aが形成されている。リップ部22は、基部21の外縁部の上面から上方に突出しており、基部21の外縁部の全周にわたって延びている。また、キャップ11は、キャップ昇降機構24(図3参照)によって、昇降させることができるようになっている。
そして、プリンタ1では、図2(b)に示すように、キャリッジ2をノズル面3aがキャップ11と重なる位置まで右側に移動させた状態で、キャップ昇降機構24によってキャップ11上昇させると、リップ部22の上端部がノズル面3aに密着する。これにより、ノズル面3aがキャップ11に覆われ、インクジェットヘッド3とキャップ11との間に密閉空間20が形成される(キャッピング)。このとき、インクジェットヘッド3が密閉空間20の上側の壁を形成し、基部21が密閉空間20の下側の壁(本発明の「液体噴射ヘッドと反対側の壁」)を形成し、リップ部22が密閉空間20の側壁を形成している。なお、本実施の形態では、キャリッジ2とキャップ昇降機構24とを合わせたものが、本発明の「切換部」に相当する。
また、基部21の下面21b(本発明の「密閉空間と反対側の面」)の中央部には、第1接点26が設けられている。第1接点26は、その一部分が下方に突出するように折り曲げられている。一方、キャップ11の下方には、板状体25が配置されている。板状体25の上面25aの第1接点26と対向する部分には、第2接点27が設けられている。第2接点27は、第1接点26の突出した部分と対向する部分が上方に突出するように折り曲げられている。そして、キャップ11がノズル面3aを覆っていない状態、及び、キャップ11がノズル面3aを覆っており、且つ、密閉空間20内の圧力が大気圧である状態では、第1接点26と第2接点27とが接触することで導通している。また、第1接点26及び第2接点27は、第1接点26と第2接点27とが導通しているか否かを検出するための導通検出回路33(図3参照)に接続されている。
吸引ポンプ12は、チューブポンプ等であって、チューブ16を介してキャップ11の接続口21aと接続されている。また、吸引ポンプ12は、キャップ11と反対側において、チューブ17を介して廃液タンク13に接続されている。廃液タンク13は、後述の吸引パージによって排出されたインク等を貯留するためのものである。切換バルブ14は、チューブ16の途中部分に設けられ、キャップ11と吸引ポンプ12との接続とその遮断とを切り換える。
そして、メンテナンスユニット5では、キャップ11でノズル面3aを覆うとともに、切換バルブ14を開いてキャップ11と吸引ポンプ12とを接続した状態で、吸引ポンプ12を駆動することによって、ノズル10からインクジェットヘッド3内の増粘したインクなどを排出させる、いわゆる吸引パージを行う。なお、吸引パージの詳細については後ほど詳細に説明する。
次に、プリンタ1の動作を制御する制御装置30について説明する。制御装置30は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit )等からなり、図3に示すように、インクジェットヘッド3、吸引ポンプ12、切換バルブ14、キャップ昇降機構24、キャリッジモータ31、搬送モータ32等の動作を制御する。ここで、図3では、キャップ昇降機構24を、制御装置30により直接制御されるものとして図示しているが、これには限られない。キャップ昇降機構24は、キャリッジ2がキャップ11に近づいたときにキャリッジ2に押圧されることで上昇するなど、キャリッジ2の移動に連動して昇降するものであってもよい。そして、この場合には、制御装置30は、キャリッジ2を移動させることにより、間接的にキャップ昇降機構24の動作を制御することになる。
なお、制御装置30は、CPUを1つだけ備え、この1つのCPUが処理を一括して行うようになっていてもよいし、制御装置30がCPUを複数備え、これら複数のCPUが処理を分担して行うようになっていてもよい。また、制御装置30は、ASICを1つだけ備え、この1つのASICが処理を一括して行うようになっていてもよいし、制御装置30がASICを複数備え、これら複数のASICが処理を分担して行うようになっていてもよい。
次に、上述の吸引パージについて詳細に説明する。吸引パージは、図4に示すフローチャートに沿った手順で行われる。吸引パージを行うためには、まず、キャリッジ2を移動範囲の右端まで移動させた上で、キャップ昇降機構24を上昇させることによって、図2(b)に示すように、キャップ11でノズル面3aを覆う(ステップS101)。なお、以下では、「ステップS101」を単に「S101」とするなど「ステップ」を省略する。
次に、図5(a)に示すように、切換バルブ14を開いた上で(S102)、吸引ポンプ12を駆動させる(S103)。すると、密閉空間20内の圧力が低下し、ノズル10からインクジェットヘッド3内のインクが排出される。また、このとき、密閉空間20内の圧力が低下することにより、密閉空間20内の圧力とキャップ11の外部の圧力である大気圧との間に圧力差が生じ、この圧力差によってキャップ11の基部21が密閉空間20側に凸となるように変形する。密閉空間20内の圧力が低くなるほど基部21の変形量は大きくなり、密閉空間20内の圧力が所定圧力よりも低くなったときに、第1接点26が第2接点27から離れて、第1接点26と第2接点27とが導通しなくなる。また、このとき、変形する基部21は、中央部(本発明の「所定部分」)において最も大きく変位するため、上記所定圧力を、大気圧に近い圧力とすることができる。
そして、所定の駆動時間が経過するまで(S104:NO)、吸引ポンプ12の駆動を継続し、駆動時間が経過したときに(S104:YES)、吸引ポンプ12を停止させ(S105)、続いて、切換バルブ14を閉じて、キャップ11と吸引ポンプ12との接続を遮断する(S106)。なお、本実施の形態では、S102〜S106の動作が、本発明の「吸引動作」に相当する。
そして、この後、所定の待機時間が経過するまでの間においては(S107:NO)、第1接点26と第2接点27とが導通するまで待機し(S108:NO)、第1接点26と第2接点27とが導通したときに、キャップ11をノズル面3aから離隔させる(S109、キャップリリース)。そして、この後、切換バルブ14を開いた状態で吸引ポンプ12を駆動することによって、キャップ11に溜まったインクを排出させる、いわゆる空吸引を行ってから(S110)動作を終了する。
一方、第1接点26と第2接点27とが導通することがなく(S108:NO)、所定の待機時間が経過したときには(S107:YES)、吸引ポンプ12の回転速度の設定値を増大させた上で(S111)、S102に戻る。
ここで、S106で吸引ポンプ12を停止させた直後には、密閉空間20内の圧力は負圧であるため、図5(b)に示すように、ノズル10からのインクの排出は継続され、インクの排出量が増加するにつれて、密閉空間20内の圧力が上昇して大気圧に近づく。密閉空間20内の圧力が大気圧に近づくと、基部21の変形量が小さくなって、第1接点26が下方に移動する。そして、密閉空間20内の圧力が大気圧に近い上記所定圧力以上となったときに、ノズル10からのインクの排出が止まるとともに、第1接点26が第2接点27に接触して、第1接点26と第2接点27とが導通する。なお、第1接点26が第2接点27と導通するときの密閉空間20内の圧力である上記所定圧力は、ノズル10からのインクの排出が止まるときの密閉空間20内の圧力よりも若干高い圧力であってもよい。
このとき、インクジェットヘッド3内のインクの粘度が高いほど、ノズル10からのインクの流出速度が遅いため、密閉空間20内の圧力が所定圧力になるまでの時間が長くなる。そのため、S106の後、一律の時間が経過したときに、キャップ11をノズル面3aから離すようにすると、上記一律の時間をインクジェットヘッド3内のインクの粘度が低い場合に合わせて短くすると、インクジェットヘッド3内のインクの粘度が高い場合に、必要な量の液体を排出させることができない虞がある。一方、上記一律の時間を、インクジェットヘッド3内のインクの粘度が高い場合に合わせて長くすると、インクジェットヘッド3内のインクの粘度が低い場合に、密閉空間20内の圧力が大気圧に戻った後、不必要にキャップ11がノズル面3aに接触した状態で待機することになる。
そこで、本実施の形態では、上述したように、第1接点26と第2接点27とが導通しているか否かによって、密閉空間20内の圧力が所定圧力以上であるか否かを検出し、第1接点26と第2接点27とが導通するまでの間(密閉空間20内の圧力が所定圧力未満の間)は、キャップ11でノズル面3aを覆った状態を維持する。そして、第1接点26と第2接点27とが導通したとき(密閉空間20内の圧力が所定圧力以上となったとき)に、キャップ11をノズル面3aから離隔させている。これにより、インクジェットヘッド3から十分な量のインクが排出され、ノズル10からのインクの排出が止まってから、キャップ11をノズル面3aから離隔させることができる。また、キャップ11でノズル面3aを覆った状態を維持する時間を必要以上に長くする必要もない。
一方、インクジェットヘッド3内のインクの粘度が高い場合などには、S106の後、キャップ11でノズル面3aを覆った状態を維持しても、ノズル10からインクがほとんど排出されず、密閉空間20内の圧力がほとんど上昇しないことがある。そこで、本実施の形態では、吸引ポンプ12の停止後、所定の待機時間が経過しても、第1接点26と第2接点27とが導通しない場合に、吸引ポンプ12の回転速度を増大させて(本発明の「吸引力を強めて」)、再度、S102〜S106の吸引動作を行っている。これにより、インクジェットヘッド3内のインクの粘度が高い場合であっても、確実に、インクジェットヘッド3内の増粘したインクを排出させることができる。
ここで、本実施の形態とは異なり、密閉空間20内に圧力センサを設けることで、密閉空間20内の圧力を検出することも考えられる。しかしながら、この場合には、圧力センサを、密閉空間20内に設けることになるため、キャップ11でノズル面3aを覆った状態で、密閉空間20の密閉性を保ちつつ、密閉空間20内の圧力センサと、キャップ11の外部に配置された制御装置30等とを接続する必要がある。その結果、装置が複雑になってしまう虞がある。
これに対して、本実施の形態では、上述したように、導通検出回路33で第1接点26と第2接点27とが導通しているか否かを検出するによって、基部21の第1接点26が設けられた部分が所定量以上変位しているか否かを検出し、これにより、密閉空間20内の圧力が所定圧力以上であるか否かを検出している。また、第1接点26、第2接点27及び導通検出回路33は、いずれもキャップ11の外部に配置されたものである。そのため、第1接点26及び第2接点27と導通検出回路33との接続を容易に行うことができ、密閉空間20内に圧力センサを設ける場合よりも、装置の構成を簡単にすることができる。
次に、本実施の形態に種々の変更を加えた変形例について説明する。
上述の実施の形態では、基部21の下面21bの中央部に設けた第1接点26と第2接点27とが導通しているか否かによって、基部21の中央部の変位を検出し、これにより、基部21の変形を検出したが、これには限られない。変形例1では、図6(a)に示すように、第1接点26が、基部21の下面21bの中央部から搬送方向下流側にずれた部分に設けられている。この場合でも、第1接点26と第2接点27とが導通しているか否かによって、基部21の中央部からずれた部分の変位量を検出することができ、これにより、基部21の変形を検出することができる。なお、この場合には、基部21の第1接点26と重なる部分が、本発明の「所定部分」に相当する。
さらには、基部21の変形を検出することにも限られない。例えば、リップ部22の一部分が、密閉空間20内の圧力に応じて変形するようになっており、リップ部22の変位を検出することによって、密閉空間20内の圧力を検出する等、キャップ11の基部21以外の部分の変形を検出することによって、密閉空間20内の圧力を検出してもよい。
また、上述の実施の形態では、第1接点26と第2接点27とが導通しているか否かによって、基部21が所定量以上変形しているか否かを検出したがこれには限られない。変形例2では、図6(b)に示すように、第1接点26及び第2接点27の代わりに、基部21の下面21bの中央部に歪ゲージ41が接合されている。また、歪ゲージ41は、抵抗値検出回路42に接続されている。抵抗値検出回路42は、歪ゲージ41の抵抗値を検出する。この場合には、基部21が変形したときに歪ゲージ41の抵抗値が変わるため、抵抗値検出回路42で歪ゲージ41の抵抗値の変化を検出することによって、基部21の変形を検出することができる。
また、この場合でも、歪ゲージ41及び抵抗値検出回路42が、密閉空間20の外部に配置されているため、歪ゲージ41と抵抗値検出回路42との接続を容易に行うことができ、装置の構成が簡単になる。なお、変形例2では、歪ゲージ41と抵抗値検出回路42とを合わせたものが、本発明の「変形検出部」に相当する。
また、上述の実施の形態は、キャップ11の基部21の変形を検出することによって、密閉空間20内の圧力を検出するものであるが、基部21の変形量は、キャップ11の材質や基部21の厚み等によって変わってくる。そのため、上述の実施の形態において、キャップ11の材質や基部21の厚みなどによっては、密閉空間20内の圧力が低下しても、基部21がそれほど変形しないこともある。そこで、キャップ11の材質や基部21の厚み等によっては、以下に説明するようにして、基部21を変形しやすくしてもよい。
変形例3では、図7(a)に示すように、キャップ11の基部21の上面の、第1接点26の突出した部分と重なる部分に、凹部21cが形成されている。これより、基部21の第1接点26の突出した部分と重なる部分が、周囲の部分よりも厚みの薄い薄肉部21dとなっている。この場合には、基部21に薄肉部21dが形成されていることにより、上述の実施の形態の場合よりも、密閉空間20の圧力低下に対する基部21の変形量を大きくすることができる。
また、キャップ11に設けられる薄肉部は変形例3のものには限られない。変形例4では、図7(b)に示すように、キャップ11の基部21の中央部に、周囲の部分よりも厚みが薄くなった薄肉部21eが設けられている。薄肉部21eは、中央部において、上側に凸となるように湾曲し、外縁部において下側に凸となるように湾曲した形状となっている。また、薄肉部21eの上側に凸となるように湾曲した部分の下面には歪ゲージ51が接合されている。歪ゲージ51には、抵抗値検出回路52が接続されている。
この場合には、図7(c)に示すように、密閉空間20内の圧力を低下させたときに、上述の実施の形態と同様、基部21が密閉空間20側に凸となるように湾曲する。さらに、このとき、基部21に薄肉部21eが設けられているため、基部21の変形量は、上述の実施の形態の場合よりも大きくなる。また、このとき、薄肉部21eは、下側に凸となるように湾曲した外周部分が中央部に近づくように変形し、この変形によって歪ゲージ51の抵抗値が変わる。したがって、抵抗値検出回路52で歪ゲージ51の抵抗値の変化を検出することによって、基部21の変形を検出することができる。
また、上述の実施の形態では、密封空間20内の圧力が大気圧に近い所定圧力以上であるか否かによって、第1接点26と第2接点27とが導通するか否かが切り換わるようになっていたが、これには限られない。密閉空間20内の圧力が上記所定圧力よりも低い別の圧力以上であるか否かによって、第1接点26と第2接点27とが導通するか否かが切り換わるようになっていてもよい。
この場合には、例えば、S105で吸引ポンプ12を停止させてから、第1接点26と第2接点27とが導通するまでの時間を測定する。そして、測定した時間に基づいて、吸引ポンプ12を停止させてから、密閉空間20内の圧力が上記所定圧力となるまでの時間を推定する。そして、第1接点26と第2接点27とが導通した後、吸引ポンプ12を停止させてからの経過時間が、推定した時間となるまでは、さらにキャップ11でノズル面3aを覆った状態を維持する。そして、吸引ポンプ12を停止させてからの経過時間が、推定した時間となったときに、キャップ11をノズル面3aから離隔させる。
また、上述の実施の形態では、S106の後、第1接点26と第2接点27とが導通することなく(S108:NO)、所定の待機時間が経過した場合に(S107:YES)、吸引ポンプ12の回転速度を増大させて、再度、S102〜S106のインク吸引動作を行ったがこれには限られない。例えば、吸引ポンプ12の回転速度は変更せずに、再度、S102〜S106のインク吸引動作を行ってもよい。あるいは、プリンタ1の図示しない表示部等に、再度吸引パージを行うことを促すメッセージ等を表示させた上で、キャップ11をノズル面3aから離隔させ、動作を終了するなどしてもよい。
また、以上では、吸引パージにおける吸引ポンプ12の停止後、密閉空間20内の圧力が所定圧力以上となったときに、キャップ11をノズル面3aから離隔させる場合について説明したが、これには限られない。
例えば、プリンタ1では、通常、電源をオフにしたときに、キャップ11が、ノズル面3aを覆う位置まで移動するが、キャップ11の移動が完了するまでの間に、プリンタ1のコンセントが抜かれてしまった場合等には、キャップ11がノズル面3aから離れた状態で長期間放置されることになる。この場合には、キャップ11やチューブ16などに付着したインクが乾燥しやすく、チューブ16に増粘したインクが詰まってしまう虞がある。チューブ16に増粘したインクが詰まってしまうと、S103、S104で吸引ポンプ12を所定駆動時間だけ駆動しても、密閉空間20内の圧力が所定圧力未満とならないことがある。
そこで、上記S105の段階で、第1接点26と第2接点27とが導通しているか否かを判定することによって、上述したようなチューブ16に詰まりが生じているか否かを判定してもよい。なお、チューブ16に詰まりが生じていると判断された場合には、吸引ポンプ12の回転速度を増大させて、再度、S102〜S105の吸引動作を行わせることによって、ノズル10からインクジェットヘッド3内のインクを排出させるとともに、密閉空間20内及びチューブ16内の圧力を上昇させて、詰まったインクを排出させる。あるいは、例えば、プリンタ1が、インクジェットヘッド3よりも上流側に、インクジェットヘッド3内のインクに正圧を付与する正圧付与部を備えたものである場合に、正圧付与部によってインクジェットヘッド3内のインクに正圧を付与することによって、ノズル10からインクジェットヘッド3内のインクを排出させるとともに、密閉空間20内及びチューブ16内の圧力を上昇させて、詰まったインクを排出させてもよい。
また、以上では、ノズルからインクを噴射するインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタに本発明を適用した例について説明したが、これには限られない。インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドを備えた、インクジェットプリンタ以外の液体噴射装置に本発明を適用することも可能である。
1 プリンタ
2 キャリッジ
3 インクジェットヘッド
3a ノズル面
10 ノズル
11 キャップ
12 吸引ポンプ
20 密閉空間
24 キャップ昇降機構
21d、21e 薄肉部
26 第1接点
27 第2接点
30 制御装置
33 導通検出回路
41、51 歪ゲージ
42、52 抵抗値検出回路

Claims (6)

  1. ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドの前記ノズルが開口したノズル面と接触可能に構成され、前記ノズル面と接触した状態で、前記液体噴射ヘッドとの間に前記ノズルを覆う密閉空間を形成し、少なくとも一部分が前記密閉空間内の圧力に応じて変形するキャップと、
    前記キャップと接続され、前記キャップが前記ノズル面と接触した状態で前記密閉空間と連通する吸引ポンプと、
    前記キャップの変形を検出する変形検出部と、を備え
    前記キャップの所定部分が、周囲の部分よりも厚みの薄い薄肉部となっており、
    前記変形検出部は、前記所定部分の変位を検出することを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記所定部分が、前記密閉空間の前記液体噴射ヘッドと反対側の壁に位置することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記所定部分が、前記密閉空間の前記液体噴射ヘッドと反対側の壁の中央部であることを特徴とする請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. ノズルから液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドの前記ノズルが開口したノズル面と接触可能に構成され、前記ノズル面と接触した状態で、前記液体噴射ヘッドとの間に前記ノズルを覆う密閉空間を形成し、少なくとも一部分が前記密閉空間内の圧力に応じて変形するキャップと、
    前記キャップと接続され、前記キャップが前記ノズル面と接触した状態で前記密閉空間と連通する吸引ポンプと、
    前記キャップの変形を検出する変形検出部と、を備え
    前記変形検出部が、
    前記所定部分の前記密閉空間の壁面と反対側の面に設けられた第1接点と、
    前記第1接点と対向して配置され、前記キャップが前記ノズル面と接触し、且つ、前記密閉空間内の圧力が大気圧である状態で、前記第1接点と接触する第2接点と、
    前記第1接点と前記第2接点とが導通しているか否かを検出する導通検出部と、を備えていることを特徴とする液体噴射装置。
  5. 前記キャップと前記ノズル面とが接触した状態と、前記キャップが前記ノズル面から離隔した状態との切り換えを行う切換部と、
    前記吸引ポンプ及び前記切換部の動作を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記切換部を動作させて、前記キャップを前記ノズル面に接触させた上で、前記吸引ポンプを所定時間駆動させる吸引動作を実行させ、
    前記吸引ポンプの停止後、前記変形検出部の検出結果から前記密閉空間内の圧力が所定圧力以上であるか否かを判定し、
    前記密閉空間内の圧力が所定圧力未満であると判定されている間は、前記切換部に、前記キャップを前記ノズル面に接触させた状態に維持させ、
    前記密閉空間内の圧力が所定圧力以上となったと判定されたときに、前記切換部に、前記キャップを前記ノズル面から離隔させることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の液体噴射装置。
  6. 前記制御部が、
    前記吸引ポンプの停止後、所定の待機時間が経過した後も、前記密閉空間内の圧力が所定圧力未満であると判定されているときに、前記吸引ポンプの吸引力を強めて、再度前記吸引動作を実行させることを特徴とする請求項に記載の液体噴射装置。
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