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JP6338479B2 - ポリスチレン系樹脂発泡体 - Google Patents
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JP6338479B2 - ポリスチレン系樹脂発泡体 - Google Patents

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Description

本発明は、表面に木目調などの筋状模様を有する、新規なポリスチレン系樹脂発泡体に関する。
ポリスチレン系樹脂発泡体、例えば、厚み0.5〜3mm程度の薄物のシート状のポリスチレン系樹脂発泡体(シート状発泡体)は、軽量性、断熱性に優れる上、熱成形性にも優れているため、トレイ容器、即席麺容器、弁当容器、納豆容器等の食品物流包装材等を加工するための熱成形用発泡シートとして広く利用されている。
また、厚み3〜10mmの厚物の板状ポリスチレン系樹脂発泡体(板状発泡体)は、軽量性、断熱性、剛性などに優れているため、弁当箱、菓子箱や折箱等の原反やサインボードとして広く利用されている。
さらに、これらの表面に筋状模様が施された発泡体は、意匠性に優れ、高級感も備えていることから、消費者のニーズが高く、現在大量に生産されている。
従来、このような発泡体としては、例えば、以下の(1)〜(3)のものが知られている。
(1)ポリスチレン系樹脂発泡体の表面に模様を直接印刷したもの(特許文献1)。
(2)ポリスチレン系樹脂発泡体の表面に、模様が印刷されたフィルムを接着剤等によりラミネートしたもの(特許文献2)。
(3)共押出法により、ポリスチレン系樹脂発泡体の表面に着色されたポリスチレン系樹脂発泡層を筋状又は帯状に積層したもの(特許文献3)。
特開2007−7966号公報 特開平5−38752号公報 特開2003−94896号公報
しかしながら、(1)のような、発泡体の表面に模様を直接印刷したものは、印刷面と被包装物が直接接触することがあるため、その用途が制限されるといった問題があった。
また、その製造には、発泡体の製造工程と、これに模様を印刷する工程の二工程が必要であるため、製造工程が煩雑になったり、製造コストがかかるといった問題もあった。
また、(2)のような、発泡体の表面に、模様が印刷されたフィルムを接着剤でラミネートしたものは、印刷面を発泡体に向けてフィルムが積層されるので、印刷面が直接食品に触れることはないものの、リサイクルが難しくなる場合があるなど、さらなる改善の余地を残すものであった。
また、その製造には、発泡体の製造工程、フィルムを製造する工程、フィルムに模様を印刷する工程、発泡体と模様が印刷されたフィルムとを貼り合わせる工程といった工程が必要であり、生産性や製造コストの点で課題を残していた。
また、(3)のような、発泡体芯層の外周面に着色された発泡層を筋状又は帯状に共押出したものは、発泡芯層の上に着色された発泡層が積層される構造となり、さらにその表面に凹凸を有するため、強く擦ると、着色された発泡層の一部が削り取られて脱落するおそれがあり、やはりその用途が制限されることがあった。
このように、従来の、筋状模様を有するシート状発泡体等のポリスチレン系樹脂発泡体には、それぞれに大きな問題点や解決すべき課題があり、このため、外観に優れるとともに、着色樹脂の脱落が抑制された、実用的なポリスチレン系樹脂発泡体の開発が切望されていたが、未だ満足すべき提案はなされていない。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、筋状に積層された着色樹脂による美麗な筋状模様を有するとともに、着色樹脂の脱離、脱落が抑制され、更に、その製造も簡便で安価な、新規なポリスチレン系樹脂発泡体を提供することを課題としている。
本発明によれば、以下の<1>から<5>に記載のポリスチレン系樹脂発泡体が提供される。
<1>ポリスチレン系樹脂発泡層の少なくとも片面に、ポリスチレン系樹脂と着色剤とを含む複数の着色樹脂組成物、発泡層の押出方向に沿って筋状に、かつ、互いに前記押出方向と直交する幅方向に隣り合って積層されたポリスチレン系樹脂発泡体であって、前記着色樹脂組成物はさらにエチレンとカルボキシル基を有するビニルモノマーとの共重合体を含み、前記着色樹脂組成物中の該共重合体の含有量が4〜40重量%であり、該共重合体中のカルボキシル基を有するビニルモノマー成分の含有量が10重量%以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡体。
<2>前記共重合体中のカルボキシル基を有するビニルモノマー成分の含有量が5重量%未満であることを特徴とする<1>に記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
<3>前記共重合体がエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、及びエチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体から選択される少なくとも一種であることを特徴とする<1>又は<2>に記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
<4>前記着色樹脂組成物の積層量がポリスチレン系樹脂発泡体の片面あたり3〜50g/mの範囲内にあることを特徴とする<1>から<3>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
<5>見掛け密度が0.04〜0.35g/cmであり、厚みが0.5〜10mmであることを特徴とする<1>から<4>のいずれかに記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
本発明のポリスチレン系樹脂発泡体は、発泡層の少なくとも片面側に筋状に積層された着色樹脂による筋状模様を有するとともに、過酷な摩擦条件下におかれても、該着色樹脂層の剥離や脱落が防止、抑制されたものである。
また、従来品と異なり、製造工程も極めて簡便なものであり、製造コストも大幅に下げることができる。
従って、本発明のポリスチレン系樹脂発泡体は、トレイ容器、即席麺容器、弁当容器、納豆容器や丼等の食品物流包装材等の熱成形用のシート(シート状発泡体)として、或いは弁当箱や菓子箱、折箱等の原反(板状発泡体)等として、広くその需要が見込まれる。
本発明の代表的なポリスチレン系樹脂発泡体の説明図である。 本発明のポリスチレン系樹脂発泡体の概略断面図である。 本発明のポリスチレン系樹脂発泡体の概略断面図である。 本発明の代表的なポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法の説明図である。
<ポリスチレン系樹脂発泡体>
図1は、本発明に係る代表的なポリスチレン系樹脂発泡体1(以下、単に発泡体1と略称する)の説明図であり、図2は本発明に係るポリスチレン系樹脂発泡体の概略断面図である。
発泡体1は、例えば図1に示すように、ポリスチレン系樹脂発泡層2(以下、単に発泡層2と略称する)の片面に、筋状に積層された、ポリスチレン系樹脂と着色剤とを含む着色樹脂3(以下、単に着色樹脂3と略称する)による筋状模様を有する。
ここで、本発明において筋状とは、例えば、図1に示すように、発泡体の長手方向(押出方向)に沿って、一定の幅を有する又は幅が変化する線状であることを意味し、発泡層と発泡層に筋状に積層された着色樹脂との色相や色調の違いにより、発泡体に筋状模様、例えば木目模様やストライプ模様が付与される。
<発泡層2>
発泡層2は、ポリスチレン系樹脂、物理発泡剤、必要に応じて気泡調整剤及びその他の添加剤を配合した発泡層形成用溶融物を押出発泡させることにより形成することができる。以下に、発泡層2を形成するために用いる材料の各成分について詳述する。
(ポリスチレン系樹脂)
ポリスチレン系樹脂としては、従来のポリスチレン系樹脂発泡体に用いられるポリスチレン系樹脂であれば特に制限なく用いることができ、例えば、ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリスチレン−ポリフェニレンエーテル共重合体等やこれらの混合物が例示される。
また、本発明では、発泡層には、上記ポリスチレン系樹脂以外に、所望の目的に応じて、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂、スチレン−共役ジエンブロック共重合体やその水添物などの熱可塑性エラストマー、エチレン−プロピレンゴム、ブタジエンゴムなどのゴム等の重合体を配合することができる。その割合は、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して40重量部以下であることが好ましく、20重量部以下であることがより好ましく、10重量部以下であることがさらに好ましい。また、発泡体の耐熱性を高める観点から、発泡層には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)などのポリフェニレンエーテル系樹脂を配合することができる。その割合は、ポリスチレン系樹脂100重量部に対して5〜100重量部とすることが好ましく、10〜80重量部とすることがさらに好ましい。
(物理発泡剤)
物理発泡剤としては、例えば、エタン、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、イソヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタンなどの炭素数2以上7以下の脂肪族炭化水素、塩化メチル、塩化エチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタンなどの炭素数1以上4以下のハロゲン化脂肪族炭化水素、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどの炭素数1以上4以下の脂肪族アルコール、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテルなどの炭素数2以上8以下の脂肪族エーテル等の有機物理発泡剤、窒素、二酸化炭素、水等の無機物理発泡剤が挙げられる。
これらの物理発泡剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、ポリスチレン系樹脂との相溶性、発泡効率の観点からノルマルブタン、イソブタン又はこれらの混合物を主成分とするものを好適に用いることができる。
物理発泡剤の添加量は、発泡体の見かけ密度などに応じて適宜調整することができるが、通常、発泡層2を形成するための発泡層形成用樹脂溶融物1kg中に0.15〜1.8molの割合となるように物理発泡剤を添加することが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5mol、さらに好ましくは0.4〜1.2molである。なお、発泡剤として、物理発泡剤以外に化学発泡剤を併用して用いることもできる。
(気泡調整剤)
気泡調整剤としては、有機系又は無機系のいずれのものを用いることができる。無機系の気泡調整剤としては、ホウ酸亜鉛、ホウ酸マグネシウム、硼砂等のホウ酸金属塩、塩化ナトリウム、水酸化アルミニウム、タルク、ゼオライト、シリカ、炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム等を挙げることができる。
また、有機系の気泡調整剤としては、リン酸−2,2−メチレンビス(4,6−tert−ブチルフェニル)ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸アルミニウム、ステアリン酸ナトリウム等を挙げることができる。また、クエン酸と重炭酸ナトリウム、クエン酸のアルカリ塩と重炭酸ナトリウム等を組み合わせたもの等も用いることができる。これらの気泡調整剤は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
気泡調整剤の添加量は、発泡層形成用樹脂100重量部に対して、好ましくは0.05重量部以上10重量部以下、より好ましくは0.2重量部以上5重量部以下の範囲である。
(その他の添加剤)
発泡層2を成形するための材料成分としては、上記成分の他、各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、紫外線吸収剤、難燃剤、無機充填剤、抗菌剤、着色剤等が挙げられる。なお、着色剤を配合する場合には、発泡体の質感を向上させる観点から、着色樹脂よりも淡色となるように着色剤の種類、配合量を調整することが望ましい。
<着色樹脂3>
発泡体1は、上記発泡層2の少なくとも片面側に筋状に積層された着色樹脂3を有する。該着色樹脂3は、ポリスチレン系樹脂を基材樹脂とし、着色剤とともに、エチレンとカルボキシル基を有するビニルモノマーとの共重合体を含む。
着色樹脂3は、発泡状態であっても、非発泡状態であってもよいが、着色樹脂3による明瞭な模様を有する発泡体とするためには、非発泡状態であることが好ましい。なお、非発泡状態の着色樹脂3には、局所的には一部気泡が形成されていても構わない。
また、発泡体の幅方向端部は、熱成形用のシート状発泡体である場合には熱成形されることがなく、また、板状発泡体として用いる場合には切断されて、製品として使用されない場合がある。従って、本発明の所期の目的を達成できれば、着色樹脂3は発泡層2の片面側が全面にわたって積層されている必要はない。また、筋状模様が発現されていれば、隣り合う着色樹脂3間に非積層部を有していても、隣り合う着色樹脂3の端部どうしが接するなどして連続していてもよい。端部どうしが接している場合には、連続する着色樹脂3の発泡体幅方向の厚みの変化による色の濃淡により筋状模様が発現していることが好ましい。
着色樹脂3は、ポリスチレン系樹脂、特定のエチレンとカルボキシル基を有するビニルモノマーとの共重合体(以下、単にエチレン−ビニルモノマー共重合体ともいう)及び着色剤、さらに好ましくは相溶化剤、発泡剤、可塑剤及びその他の添加剤を配合した着色樹脂形成用樹脂溶融物を間隔を隔て筋状に共押出ダイ内で前記発泡層形成用樹脂溶融物に積層合流させ、共押出させることにより形成されることが好ましい。着色樹脂3は、表面平滑性の観点から、図2に示すように、着色樹脂3が発泡層2に埋め込まれるような形で形成されることが望ましい。
以下に、着色樹脂3を成形するために用いる材料の各成分について詳述する。
(ポリスチレン系樹脂)
着色樹脂3を形成するポリスチレン系樹脂としては、発泡層を形成するポリスチレン系樹脂と同様のものを使用することができる。
本発明の着色樹脂3には、上記ポリスチレン系樹脂とともに特定のエチレン−ビニルモノマー共重合体が添加配合される。エチレン−ビニルモノマー共重合体を配合することにより、過度の擦れや接触等によっても該着色樹脂3の脱落を防止することができる。
本発明で用いられるエチレン−ビニルモノマー共重合体としては、エチレンとα,β不飽和カルボン酸またはその誘導体との共重合体やエチレン−酢酸ビニル共重合体の1種又は2種以上の重合体を挙げることができる。
上記α,β不飽和カルボン酸成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ケイヒ酸等、その誘導体としてはこれらのアルキルエステル等を挙げることができ、これらの中でも汎用性の面からアクリル酸、メタクリル酸、又はこれらの炭素数1〜4のアルキルエステルがより好ましい。
上記エチレン−α,β不飽和カルボン酸系共重合体としては、具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体等が挙げられる。なお、本発明において、アクリル酸とメタアクリル酸とを併せて(メタ)アクリル酸ということがある。
上記エチレンとカルボキシル基を有するビニルモノマーとの共重合体中のカルボキシル基を有するビニルモノマー成分の含有率は、着色樹脂3の脱落を抑制するという観点から、上限値は10重量%以下、特に5重量%未満であることが好ましい。下限値は、着色樹脂の脱落を抑制するという観点からは特に限定されるものではないが、概ね0.1重量%程度である。なお、酢酸ビニルなどのカルボキシル基を有するビニルモノマー成分の含有率は、JIS K7192(1999)に記載された赤外分光法(対照試験法)により測定することができる。
本発明において、上記エチレン−ビニルモノマー共重合体の配合量は、着色樹脂の全重量に対して、4〜40重量%の範囲である。エチレン−ビニルモノマー共重合体の配合量が前記範囲内であると、過剰に擦った場合においても、着色樹脂の削れによる脱落を効果的に抑制することが可能となる。エチレン−ビニルモノマー共重合体の配合量の下限は、より好ましくは5重量%である。一方、エチレン−ビニルモノマー共重合体を40重量%を超えて配合しても着色樹脂の脱落抑制効果は頭打ちとなり、配合量が多すぎると着色樹脂の積層状態が悪くなり発泡体の外観が悪くなるおそれがある。かかる観点から、エチレン−ビニルモノマー共重合体の配合量の上限は、好ましくは30重量%、より好ましくは20重量%、さらに好ましくは15重量%である。
(相溶化剤)
本発明において、着色樹脂には、ポリスチレン系樹脂へのエチレン−ビニルモノマー共重合体の親和性や分散性を高めるために、相溶化剤を用いることが好ましい。このような相溶化剤としては、ポリスチレン系樹脂とエチレン系共重合体とを相溶化し得るものであればよく、従来公知の各種のものを用いることができる。このようなものとしては、特にスチレン−共役ジエンブロック共重合体やその水添物、部分水添物などのスチレン系熱可塑性エラストマーの使用が好ましい。
このスチレン系熱可塑性エラストマーには、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体や、スチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−ブチレンブロック共重合体等が包含される。これらの共重合体は、ハードセグメントであるポリスチレンブロックを両末端に有することが好ましい。すなわち、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体や、スチレン−エチレン−ブチレンブロック−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−ブチレン−スチレンブロック共重合体が好ましい。
相溶化剤の配合量は特に制限はないが、通常、着色樹脂の全重量に対して2〜10重量%程度である。
(着色剤)
着色樹脂3に配合させる着色剤としては、例えば、茶色、黒色、灰色、黄色、赤色、桃色、緑色、青色等の無機系又は有機系の顔料や染料を用いることができる。有機顔料としては、例えば、モノアゾ系、クロモフタールレッド等の縮合アゾ系、アンスラキノン系、イソインドリノン系、複素環系、ペリノン系、キナクリドン系、ペリレン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、フタロシアニン系、ニトロソ系、フタロシアニン顔料、有機蛍光顔料等を挙げることができる。
無機顔料としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、チタンイエロー、酸化鉄、群青、コバルトブルー、焼成顔料、メタリック顔料、マイカ、パール顔料、亜鉛華、沈降性シリカ、カドミウム赤等を挙げることができる。
また、有機染料としては、例えば、アンスラキノン系、複素環系、ペリノン系、塩基性染料、酸性染料、媒染染料等を挙げることができる。これらの中で、無機顔料を用いることで安価に製造できるため好ましい。また、着色剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、着色剤としては、酸化鉄、又は酸化鉄を含有する茶系の着色剤、例えば、酸化鉄、カーボンブラック、酸化チタンの混合物からなる着色剤を用いることが好ましい。このような着色剤を用いることにより、樹脂層3が茶系の色を呈し、木目調又は柾目調の模様が形成され、より意匠性の高い高級感を有する発泡体1を得ることができる。
また、食品容器に用いる場合には、上記の中からポリオレフィン等衛生協議会登録品を選択して用いることが好ましい。
着色剤の配合割合は特に制限されるものではないが、通常0.1〜3重量%の範囲である。
(可塑剤)
共押出により、非発泡状態の着色樹脂3を成形するには、可塑剤を添加するのが好ましい。可塑剤を添加することにより、着色樹脂形成用溶融物と発泡層形成用溶融物とを共押出する際に、適正発泡温度での着色樹脂層形成用溶融物の溶融伸びを著しく向上させることができ、着色樹脂形成用溶融物の伸びをポリスチレン系樹脂発泡層形成用樹脂溶融物の伸びに対応させることができる。
上記の可塑剤としては、揮発性可塑剤を使用することが好ましい。揮発性可塑剤は、着色樹脂形成用樹脂溶融物中に存在している状態ではポリスチレン系樹脂の溶融粘度を低下させて、共押出に適する着色樹脂形成用樹脂溶融物を形成することが可能となるとともに、押出発泡後には着色樹脂から揮散して、着色樹脂から容易に除去することが可能となり、可塑剤が残存することにより着色樹脂層3の剛性を低下させるおそれもない。なお、揮発性可塑剤を使用する場合には気泡調整剤を添加しないことが好ましい。
揮発性可塑剤は、着色樹脂形成用樹脂溶融物1kg中に0.1〜1.5molとなるように添加することが好ましい。
なお、着色樹脂を構成するポリスチレン系樹脂の物性低下を生じない程度の添加量であれば、通常の可塑剤を用いることもでき、その添加量は、好ましくは3質量%未満、より好ましくは2%未満である。
揮発性可塑剤としては、炭素数2以上7以下の脂肪族炭化水素、炭素数1以上4以下のハロゲン化脂肪族炭化水素、炭素数1以上4以下の脂肪族アルコール、炭素数2以上8以下の脂肪族エーテル等から選択される1種、又は2種以上で構成されるものを好適に用いることができる。
揮発性可塑剤の沸点は、着色樹脂からの揮発性の観点から、好ましくは120℃以下、より好ましくは80℃以下である。揮発性可塑剤の沸点がこの範囲であれば、揮発性可塑剤は、共押出し直後の熱により着色樹脂から揮散し、また、室温下で養生することによっても自然に揮散して自然に除去される。沸点の下限値は−50℃程度である。
以下に、上記発泡層2の片面側に筋状に積層された着色樹脂3による筋状模様が付与された発泡体1について詳述する。
(発泡体1の見掛け密度)
発泡体1の見掛け密度は0.04〜0.35g/cmであることが好ましい。該見掛け密度が前記範囲内であると、軽量性と強度とのバランスに優れたものとなる。発泡層上に着色樹脂が筋状に薄く積層されることにより、ソリッドシートに比べて着色樹脂の脱落が生じやすくなっているものと考えられる。着色樹脂の脱落をより効果的に抑制するという観点からは、発泡体1の見掛け密度の下限は、より好ましくは0.05g/cm、さらに好ましくは0.07g/cmである。一方、該見掛け密度の上限は、より好ましくは0.21g/cm、さらに好ましくは0.15g/cmである。
(発泡体1厚み)
発泡体1の厚みは特に制約されないが、0.5〜10mmが好ましい。この厚みの範囲のうち、厚みを0.5〜3mmとした発泡体(シート状発泡体)は、熱成形されて筋状模様が付与された高級感溢れる意匠性の高いトレイ容器、即席麺容器、弁当容器、納豆容器、冷凍容器や丼等の食品容器等として好適に用いることができる。
また、厚みを3〜10mmとした板状の発泡体(板状発泡体)は、折箱、ディスプレイ芯材等として好適に用いることができる。
ポリスチレン系樹脂発泡体の厚みは下記方法により求めることができる。発泡体の厚み(mm)を発泡体の全幅にわたって等間隔に10点測定し、測定した各点における発泡体の厚み(mm)の算術平均値を発泡体の厚み(mm)とする。
次に、共押出による本発明の発泡体の製造方法の一実施形態を図3に示す。本発明の発泡体の製造方法は、図3に示すように、まず、先に説明した発泡層2を形成するための材料である、ポリスチレン系樹脂9、その他必要に応じて添加される気泡調整剤等の添加剤を第1押出機13に供給して加熱混練し、物理発泡剤10を圧入して更に混練し、第1押出機12内で発泡層形成用樹脂溶融物11とする。
また同時に、先に説明した着色樹脂3を形成するための材料である、ポリスチレン系樹脂4、エチレン−ビニルモノマー共重合体5及び着色剤6、その他必要に応じて添加される添加剤等を第2押出機12に供給して混練し、揮発性可塑剤7を供給して更に混練し、第2押出機12内で着色樹脂形成用樹脂溶融物8とする。
そして、上記発泡層形成用樹脂溶融物11と着色樹脂形成用樹脂溶融物8とを共押出用のダイ14に導入して合流積層させ共押出することにより発泡体1を得る。
以下に、発泡層形成用樹脂溶融物11及び着色樹脂形成用樹脂溶融物8の共押出について詳述する。
例えば、図3、図4に示すように、上記発泡層形成用樹脂溶融物11及び着色樹脂形成樹脂溶融物8を、それぞれ適正温度に調整してから、共押出用のダイ14に導入する。ダイ14内で発泡層形成用樹脂溶融物11の片面側に、孔状の出口を有する多数の内部リップを介して着色樹脂層形成用樹脂溶融物8を間隔を隔て多数の筋状となるように合流積層させてから、該積層物の共押出を行うとともに、発泡層形成用樹脂を発泡させることにより、発泡層2の表面に着色樹脂3が形成された積層発泡体を製造する。なお、着色樹脂形成用樹脂溶融物8は発泡層形成用樹脂溶融物11の両面側に積層することもできる。
共押出用のダイとして環状ダイを用いた場合、筒状に押出された積層発泡体を切り開くことによりシート状の発泡体1を得ることができる。また、この筒状の積層発泡体をピンチロールにて挟み込んで発泡層2の内面同士を接合させることにより板状の発泡体1を得ることができる。
なお、共押出法では、発泡層形成用樹脂溶融物11と着色樹脂形成用樹脂溶融物8との温度をできるだけ近づけることにより、独立気泡率の高い発泡体が得られ望ましい。
(着色樹脂3の総積層量)
着色樹脂3の総積層量は、発泡層2の表面に押出方向に着色樹脂3による筋状模様が表出されるように調整することにより適宜設定されるが、通常3〜50g/m、好ましくは5〜40g/m、より好ましくは10〜30g/mの範囲である。積層量を上記範囲とすることにより、非発泡の着色樹脂3を形成させることが可能となる。なお、着色樹脂3の総積層量とは、発泡体の片面側に存在する、発泡体表面における単位面積あたりの着色樹脂3の合計積層量をいう。
着色樹脂3の総積層量は、着色樹脂3の押出機吐出量をL(kg/hr)、発泡体引取速度M(m/min)、発泡体全幅N(m)として、以下の式(1)により求めることができる。
着色樹脂の総積層量(g/m)=L×10/(M×N×60)・・・(1)
(着色樹脂3の1本当たりの平均積層量)
発泡層形成用樹脂溶融物11に、着色樹脂形成用樹脂溶融物8を筋状に積層し共押出する際に、積層される各着色樹脂1本当たりの平均積層量が押出方向1m当たり0.01〜0.6g、好ましくは0.02〜0.5g、より好ましくは0.03〜0.4gとなるように、着色樹脂形成用樹脂溶融物8を筋状に合流積層させることが好ましい。
前記積層量を上記範囲内とすることにより、より厚みムラの小さい発泡体を得ることができる。
前記各着色樹脂3の1本当たりの、押出方向1m当たりの平均積層量は、着色樹脂層形成用樹脂溶融物8の吐出量をX(kg/hr)、発泡体の引取速度をY(m/min)、発泡体全幅当たりの着色樹脂形成用樹脂溶融物8の本数Zとして、以下の式(2)により求めることができる。
着色樹脂の平均積層量(g/m)=(X×10)/(Y×Z×60)・・・(2)
(着色樹脂3の平均中心間距離)
着色樹脂3において、筋状に積層された隣り合う着色樹脂間の平均中心間距離は、発泡体の押出方向に筋状模様が明瞭に表出されるように、好ましくは2〜30mm、より好ましくは2〜25mm、さらに好ましくは3〜15mmの範囲である。
着色樹脂3の平均中心間距離は、隣り合う内部リップ間の中心間距離と、押出された筒状積層発泡体の拡幅比との関係から調整することができる。着色樹脂形成用樹脂溶融物11と発泡層形成用樹脂溶融物8の積層部分における、隣り合う内部リップ間の平均中心間距離は、1〜12mmとすることが好ましく、2〜11mmとすることがより好ましい。
ダイ内に加工される、着色樹脂3形成用の前記内部リップについては、発泡層形成用樹脂溶融物の外周面に着色樹脂形成用樹脂溶融物を筋状に合流積層できるのであれば、形状等特に限定されるものではない。内部リップの出口の断面形状としては、矩形状、三角形状、半円状、円状などが例示できる。また、内部リップの出口の最大幅は0.4〜6.0mmとすることが好ましく、0.5〜5.0mmとすることがより好ましく、0.6〜4.0mmとすることがさらに好ましい。
以下、本発明のポリスチレン系樹脂発泡体を実施例により更に詳細に説明する。ただし、本発明は実施例に限定されるものではない。
(製造装置)
製造装置として、バレル内径90mmの押出機と、該押出機の下流側に接続されたバレル内径120mmの押出機とからなるタンデム型の発泡層形成用第1押出機の出口に共押出用環状ダイ(リップ径67mm、リップ間隙0.6mm)を取付け、さらに該共押出用環状ダイに着色樹脂形成用第2押出機(内径65mm)を連結させた共押出装置を用いた。
(共押出用環状ダイ:内部リップの形状と配置)
発泡層形成用樹脂溶融物の流路の円周外縁上に、幅(円周方向)0.8mm、高さ(幅方向と直交する方向)1.9mmの断面略矩形状の内部リップが、平均中心間距離2.0mmで163箇所配された共押出環状用ダイを用いた。
エチレン−ビニルモノマー共重合体として下記表1の樹脂を用いた。なお、表1中、共重合体の融点は、JIS K7121(1987)に基づき、試験片の状態調節の条件として(2)の「一定の熱処理を行った後、融解温度を測定する場合」を採用し、加熱速度10℃/分で測定された値である。
また、着色剤として下記表2の着色剤マスターバッチを用いた。なお、表3中の着色剤の配合量の値は、着色剤のみの配合量である。
また、相溶化剤としては、旭化成ケミカルズ社製タフテックP2000(SBBS:スチレン/ブタジエン・ブチレン比(重量比)=67/33)を用いた。
(実施例1)
発泡層形成用のポリスチレン系樹脂としてポリスチレン(PSジャパン社製GX154、溶融粘度1430Pa・s)100重量部と気泡調整剤としてのタルク1.2重量部とを第1押出機に供給して加熱、混練し、これに物理発泡剤としてのイソブタンを0.80mol/kg(発泡層形成用樹脂溶融物1kgに対するモル数)圧入してさらに混練し、第1押出機中で151℃に調整して、発泡層形成用樹脂溶融物とし、吐出量108kg/hrで共押出用環状ダイ中に導入した。
同時に、着色樹脂形成用のポリスチレン系樹脂としてポリスチレン(PSジャパン社製680、溶融粘度930Pa・s)と、表3に示す種類、量のエチレン−ビニルモノマー共重合体及び着色剤、さらに相溶化剤とを第2押出機に供給して、加熱、混練した後、揮発性可塑剤としての混合ブタン0.49mol/kg(着色樹脂形成用樹脂溶融物1kgに対するモル数)圧入してさらに混練し、第2押出機中で155℃に調整して、着色樹脂形成用樹脂溶融物とし、吐出量7.7kg/hrで共押出用環状ダイに導入した。
共押出用環状ダイ中で、発泡層形成用樹脂溶融物と、断面矩形状の孔状の出口を有する内部リップから間隔を隔てて押出された着色樹脂形成用樹脂溶融物とを合流させて、発泡層形成用樹脂溶融物の外周面に着色樹脂形成用樹脂溶融物を筋状となるように積層してから筒状に共押出して筒状積層発泡体を形成し、筒状積層発泡体の内面を直径270mmのマンドレル(ブローアップ比4)に沿わせて14.8m/minの速度で引取り、切開いて、発泡層の片面に着色樹脂が非発泡状態で間隔を隔て筋状に積層され、該着色樹脂による筋状模様を有するシート状のポリスチレン系樹脂発泡体を得た。なお、得られた発泡体の見掛け密度は0.088g/cm、厚みは1.7mm、片面あたりの着色樹脂の総積層量は10g/m、着色樹脂1本あたりの平均積層量は0.061g/m、隣り合う着色樹脂の平均中心間距離は5.2mmであった。
なお、ポリスチレン系樹脂の溶融粘度は、JIS K7199(1999)に基づき、キャピログラフ1D((株)東洋精機製作所製の流動特性測定機)を用いて、温度200℃、せん断速度100秒−1の条件で測定した値である。
(実施例2)
実施例1において、EVA1(エチレン−酢酸ビニル共重合体)の配合量を10重量%とし、着色剤として着色剤2を用い、その配合量を0.9重量%とし、さらに相溶化剤を除いた以外は同様にして発泡体を得た。
(実施例3)
実施例1において、EVA1(エチレン−酢酸ビニル共重合体)をEMAA1(エチレン−メタアクリル酸共重合体)に代え、着色剤として着色剤2を用い、その配合量を0.9重量%とした以外は同様にして発泡体を得た。
(実施例4)
実施例1において、EVA1(エチレン−酢酸ビニル共重合体)をEMAA2(エチレン−メタアクリル酸共重合体)に代えた以外は同様にして発泡体を得た。
(実施例5)
実施例3において、EMAA1(エチレン−メタアクリル酸共重合体)の配合量を5重量%とし、相溶化剤の配合量を2重量%とした以外は同様にして発泡体を得た。
(比較例1)
実施例1において、EVA1(エチレン−酢酸ビニル共重合体)と相溶化剤を添加しない以外は同様にして発泡体を得た。
(比較例2)
実施例2において、EVA1(エチレン−酢酸ビニル共重合体)を添加しない以外は同様にして発泡体を得た。
(比較例3)
実施例1において、EVA1(エチレン−酢酸ビニル共重合体)をEVA2(エチレン−酢酸ビニル共重合体)に代えた以外は同様にして発泡体を得た。
(比較例4)
実施例1において、EVA1(エチレン−酢酸ビニル共重合体)をEVA3(エチレン−酢酸ビニル共重合体)に代えた以外は同様にして発泡体を得た。
(比較例5)
実施例1において、EVA1(エチレン−酢酸ビニル共重合体)をEMAA3(エチレン−メタアクリルメチル共重合体)に代えた以外は同様にして発泡体を得た。
(比較例6)
実施例1において、EVA1(エチレン−酢酸ビニル共重合体)の配合量を3重量%とした以外は同様にして発泡体を得た。
(比較例7)
実施例1において、EVA1(エチレン−酢酸ビニル共重合体)を添加せず、相溶化剤の配合量を10重量%とした以外は同様にして発泡体を得た。
実施例1〜5及び比較例1〜7で得られた発泡体の着色樹脂の組成、および摩擦試験による着色樹脂の脱落性評価結果を表3に示す。
なお、表3において各特性等は以下のようにして測定評価した。
(着色樹脂の脱落性:摩擦試験)
着色樹脂の脱落性は以下の通り評価した。
40mm×45mmサイズに切り出した積層発泡体の着色樹脂積層面に、白い布を乗せ、さらにその上に450g/cmの荷重をかけて積層発泡体上を100往復させた。着色樹脂層の脱落性を摩擦試験前後の布のLの変化量である色差値ΔL、Δa、Δbを測定することにより評価した。なお、色差値の値が小さいほど、布への色移りが少ないこと、すなわち着色樹脂の脱落が少ないことを意味する。
は明るさの指標:値が大きくなるほど明るいことを示す。
は赤・緑の指標;値が大きくなるほど赤が強いことを示す。
は黄・青の指標;値が大きくなるほど黄が強いことを示す。
なお、Lの測定は、日本電色工業製、分光式色彩計品番SE2000を用いて、反射法により測定した。
(発泡体の厚み)
発泡体の厚みは、発泡体を幅方向に沿って、一方の端部から他方の端部に至るまで等間隔に10点の地点について測定される厚み(mm)の算術平均値として求めた。
(発泡体の見かけ密度)
発泡体の見掛け密度は、発泡体の全幅にわたり、無作為に選択した5箇所から切り出した、10cm×10cm×(発泡体厚み)の試験片の重量(g)を、該試験片の体積(cm)で除して各サンプルの見掛け密度を求め、得られた値の平均値を見掛け密度とした。
上記の結果より、実施例1〜5の発泡体は、発泡層の表面に着色樹脂が筋状に積層され、木目調の外観を有するものであった。しかも、着色樹脂の脱落もほとんどみられない良好な発泡体であった。
これに対して、比較例1〜7の発泡体は、荷重をかけ往復100回擦るという過酷な条件ではあるが、着色樹脂の脱落が観測された。
(参考例1、2)
なお、参考例1として、比較例1における着色樹脂のみからなる厚み200μmの着色ソリッドシート(非発泡シート)を作製し、また、参考例2として、比較例3における着色樹脂のみからなる着色ソリッドシート(非発泡シート)を作製し、実施例、比較例と同様にして摩擦試験による着色樹脂の脱落性を評価した例を例示する。実施例および参考例1と2から、本発明に係るポリスチレン系樹脂発泡体においては、着色樹脂に前記した特有なエチレン−ビニルモノマー共重合体を添加しないと着色樹脂の脱落を抑制できないが、参考例に係るソリッドシート(非発泡シート)は元々着色樹脂の脱落が少なく、さらに本発明の範囲外のエチレン−ビニルモノマー共重合体を添加した場合においても、着色樹脂の脱落が抑制されていることがわかる。これは、発泡層に着色樹脂が筋状に積層されたポリスチレン系樹脂発泡体と、それ自体が着色されたソリッドシートとでは、着色樹脂の脱落に関してその抑制機構や効果が明確に異なっていることを示すものである。
1 ポリスチレン系樹脂発泡体(発泡体)
2 ポリスチレン系樹脂発泡層(発泡層)
3 着色樹脂
4 着色樹脂を形成するためのポリスチレン系樹脂
5 着色樹脂に添加されるエチレン−ビニルモノマー共重合体
6 着色樹脂に添加される着色剤
7 揮発性可塑剤
8 着色樹脂形成用樹脂溶融物
9 発泡層を形成するためのポリスチレン系樹脂
10 物理発泡剤
11 発泡層形成用樹脂溶融物
12 第1の押出機
13 第2の押出機
14 共押出環状ダイ

Claims (5)

  1. ポリスチレン系樹脂発泡層の少なくとも片面に、ポリスチレン系樹脂と着色剤とを含む複数の着色樹脂組成物、発泡層の押出方向に沿って筋状に、かつ、互いに前記押出方向と直交する幅方向に隣り合って積層されたポリスチレン系樹脂発泡体であって、
    前記着色樹脂組成物はさらにエチレンとカルボキシル基を有するビニルモノマーとの共重合体を含み、
    前記着色樹脂組成物中の該共重合体の含有量が4〜40重量%であり、
    該共重合体中のカルボキシル基を有するビニルモノマー成分の含有量が10重量%以下であることを特徴とするポリスチレン系樹脂発泡体。
  2. 前記共重合体中のカルボキシル基を有するビニルモノマー成分の含有量が5重量%未満であることを特徴とする請求項1に記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
  3. 前記共重合体がエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、及びエチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
  4. 前記着色樹脂組成物の積層量がポリスチレン系樹脂発泡体の片面あたり3〜50g/mの範囲内にあることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
  5. 見掛け密度が0.04〜0.35g/cmであり、厚みが0.5〜10mmであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のポリスチレン系樹脂発泡体。
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