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JP6355371B2 - 個人認証装置および指静脈認証装置 - Google Patents
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JP6355371B2 - 個人認証装置および指静脈認証装置 - Google Patents

個人認証装置および指静脈認証装置 Download PDF

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Description

本発明は生体を用いた個人認証装置および指静脈認証装置に関し、特に、生体を透過した光を撮像して得られる血管パターンを利用して認証する技術に関する。
近年、個人情報に対するセキュリティが重要視されている。セキュリティを守る個人認証技術として、バイオメトリクス認証が注目されている。バイオメトリクス認証は、人間の生体情報を用いて認証する技術であり、利便性及び機密性に優れている。
従来のバイオメトリクス認証技術として、指紋、虹彩、音声、顔、手の甲の静脈又は指静脈を用いる認証が知られている。このうち、静脈を用いるバイオメトリクス認証では、生体の内部情報を用いるため、耐偽造性に優れている。
以下では、指の静脈を利用した個人認証装置について説明する。指静脈認証装置を用いて個人認証を行う際、利用者はまず、認証装置上に指を提示する。指静脈認証装置は、指に赤外光を照射する。赤外光は、指内部で散乱した後、外部へ透過する。そして、指静脈認証装置は、指の掌側に透過した赤外光を撮像する。このとき、血液中のヘモグロビンは、周囲の組織に比べて赤外光をより多く吸収する。そのため指の掌側に透過した光は、静脈部分を通り抜けたために減衰された弱い光と、静脈のない部分から抜け出た減衰していない強い光とのコントラスト差を持っている。よって、指静脈認証装置が撮像した画像には、指の掌側の皮下に分布する血管(指静脈)が暗い影のパターン(指静脈パターン)として可視化される。指静脈認証装置は、この指静脈パターンの特徴を予め登録しておき、認証時に提示された利用者の指静脈パターンと予め登録した特徴との相関を求めることによって、個人認証を行う。
この種の指静脈認証装置の従来例として、例えば特許文献1に記載の認証装置が知られている。この公報には、認証装置の薄型化のためにマイクロレンズアレイで撮影した画像を用いて個人認証を行う方法が記載されている。
また、特許文献2には、認証対象の指の左右の指を載置する左右指置き台を備え、左右指置き台内に照明用の光源を配置することが記載されている。また、光源として2種類の角度の光源素子を配置し、指毎に切り替えて点灯することが記載されている。
特開2008―036058号公報 特開2010−097483号公報
前述の通り、透過光を用いた生体認証装置において種々の大きさの生体に対し理想的な角度で光を照射する方法として、設置角度の異なる光源を配置する方法が知られている。
しかし、特許文献1、特許文献2には複数の光源の設置角度の決定方法が開示されていない。また、光源の設置角度を変えただけでは、撮影に悪影響を与える光が生体に照射されてしまったり、生体を撮影するために十分な量の光を照射できなくなったりなどの問題が残る。そのため鮮明な静脈画像を撮影できず認証性度が低下する。
本発明は、前記の課題を解決するための発明であって、種々の大きさの生体に対し最適な位置に光を照射し認証に適した画像を撮影できる個人認証装置および指静脈認証装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の個人認証装置は、指を載置させる載置面に開口部を有する筐体(例えば、指置き台5)と、筐体内に、指の長手方向に並び、かつ、斜めから指に照射する複数の光源と、筐体内に、指を透過した光源からの光を開口部を介して撮像する撮像部と、撮像部で取得された指の静脈画像から抽出された特徴と予め記憶された生体情報との照合を行う処理部(例えば、認証処理部10)と、を備え、載置面と同一面に、複数の光源からの光を遮光する遮光部を有し、各光源と遮光部との距離(例えば、図9(c)に示す距離k1、図9(d)に示す距離k2)が異なり、前記遮光部は、前記指の横幅方向に対し、前記開口部から同一距離まで遮光しており、前記複数の光源の位置を前記指の横幅方向に対し、異なる距離に配置することを特徴とする。
本発明によれば、種々の大きさの生体に対し最適な位置に光を照射し認証に適した画像を撮影できる。
第1の実施形態に係る指静脈認証システムを示す図であり、(a)は全体構成を示す図であり、(b)は指静脈認証システム内の記憶部であるメモリと記憶装置の内部の構成を示す図である。 第1の実施形態に係る指静脈データ取得装置を示す図であり、(a)は上面図、(b)は指を提示したとき(載置したとき)の上面図、(c)はA−A断面図であり、(d)はB−B断面図である。 光源と遮光部との関係を示す図である。 光源の設置角度が大きい場合の照射を示す図であり、(a)は太い指の場合、(b)は細い指の場合である。 光源の設置角度が小さい場合の照射を示す図であり、(a)は太い指の場合、(b)は細い指の場合である。 狭遮光光源ユニット(第1の光源ユニット)の例を示す図である。 広遮光光源ユニット(第2の光源ユニット)の例を示す図である。 指静脈データ取得装置の他の例を示す図であり、(a)は光源ごとに開口部を有している場合、(b)は多数の光源を配置した場合である。 第2の実施形態に係る指静脈データ取得装置を示す図であり、(a)は上面図、(b)は指を載置した場合の上面図、(c)はA−A断面図であり、(d)はB−B断面図である。 指静脈データ取得装置の他の例を示す図であり、(a)は遮光が十分でない場合、(b)は遮光が十分である場合である。 第3の実施形態に係る指静脈データ取得装置を示す図であり、(a)は上面図、(b)は指を載置した場合の上面図、(c)はA−A断面図であり、(d)はB−B断面図である。 登録処理を示すフローチャートである。 認証処理を示すフローチャートである。 光源選択処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る光量調整処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態に係る光量調整処理を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<<第1の実施形態>>
図1は、第1の実施形態に係る指静脈認証システムを示す図であり、(a)は全体構成を示す図であり、(b)は指静脈認証システム内の記憶部であるメモリと記憶装置の内部の構成を示す図である。指静脈認証システム80(個人認証装置)は、個人認証に必要な画像を取得するための指静脈データ取得装置2、画像入力部18、認証処理部10、記憶装置14、表示部17、情報入力部19、音声出力部6及び電源部15を含む。
指静脈データ取得装置2は、指静脈撮影用の光源50、撮像部4、指を提示するための載置面を有する指置き台5(筐体、指載置台)から構成される。光源50は、例えば、赤外線発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)であり、指置き台5上に提示された指1に赤外光を照射する。指置き台5には、赤外線を遮光する遮光部22(図2において詳細に説明する。)を有している。撮像部4は、例えば、CMOSセンサであり、提示された指1を撮像する。
画像入力部18は、撮像部4で撮像された画像を、処理部として機能する認証処理部10へ入力する。なお、画像入力部18において、撮像部4で撮像された画像から血管パターン画像を抽出する処理を行い、抽出した血管パターン画像を認証処理部10に入力する構成としてもよい。
また、この画像入力部18と指静脈データ取得装置2とを一体として、静脈画像抽出装置として構成してもよいし、画像入力部18は認証処理部10と一体として構成されていてもよいことは言うまでもない。
認証処理部10は、CPU(Central Processing Unit)11(中央処理部)、メモリ12、種々のインタフェース(IF:Interface)13を含む。CPU11は、メモリ12に記憶されているプログラム(例えば、登録プログラム100(図12参照)、認証プログラム120(図13参照))を実行することによって各種処理を行う。メモリ12は、CPUが実行するプログラムを一時的に記憶する。また、メモリ12は、画像入力部18から入力された画像を記憶する。インタフェース13は、認証処理部10の外部の装置と接続されている。具体的には、インタフェース13は、指静脈データ取得装置2、記憶装置14、表示部17、情報入力部19、音声出力部6、画像入力部18などと接続する。
記憶装置14は、利用者の登録データ30と登録プログラム100、認証プログラム120を予め記憶している。登録データ30は、利用者を照合するための情報であり、例えば、指静脈パターンの画像などである。指静脈パターンの画像は、指の掌側の皮下に分布する血管(指静脈)を暗い影のパターンとして撮像した画像である。
表示部17は、例えば、液晶ディスプレイなどであり、認証処理部10から受信した情報を表示する。情報入力部19は、例えば、キーボードなどであり、利用者から入力された情報を認証処理部10に送信する。音声出力部6はスピーカなどであり、認証処理部10から受信した情報を、音声で発信する。電源部15は、乾電池や外部電源であり、指静脈データ取得装置2や認証処理部10が駆動するための電力を供給する。
指静脈認証システム80では、利用者が指静脈データ取得装置2に指1を提示すると、静脈撮影用の光源50が点灯し、指の静脈画像が撮影される。光源50は指1に対して光を照射する。照射された光は指1の内部で散乱し、指1を透過した光が撮像部4に入射する。入射した光は撮像部4により電気信号に変換され、画像として認証処理部10に取り込まれる。取り込まれた画像はメモリ12に記憶される。
次に、図1(b)に示すように、記憶装置14に保存されている登録データ30と登録プログラム100、認証プログラム120が記憶装置14よりメモリ12に格納される。また、CPU11はメモリ12に格納された認証プログラム120に従って、入力画像から認証データ40を作成し、登録データ30との照合を行う。
照合処理では、認証処理部10で求めた指提示位置の結果を元に、登録データと認証データとの位置ずれを補正する。その後、登録データと認証データとの相関を求める。求めた相関の値に応じて登録されているデータと一致するかを判定する。この判定結果を利用して個人を認証する。認証結果は表示部17に表示を行う、または音声出力部6から音声で知らせる。
図2は、第1の実施形態に係る指静脈データ取得装置を示す図であり、(a)は上面図、(b)は指を提示したとき(載置したとき)の上面図、(c)はA−A断面図であり、(d)はB−B断面図である。
指静脈データ取得装置2には、利用者が認証対象の指を提示するための指置き台5が設けられている。指置き台5には、中央に指の載置用の開口部20、開口部20の両側部に、光源50用の開口部26を有している。開口部26には、指静脈撮影用の光源50が複数設置されている。
開口部20には、開口部20を覆うように赤外透過フィルタ(図示せず)を設置してもよい。赤外透過フィルタを設けることで、赤外光以外の不要な光が装置内に進入するのを防ぐことができる。また、ほこりやごみなどの異物が装置内に入るのを防ぐことができる。赤外透過フィルタは指置き台5よりも数ミリ程度低い位置に設置し、指1と赤外透過フィルタが接触しないようにするとよい。これにより、指の押し付けによって血管パターンが消えたり、変形したりするのを防ぐことができる。また赤外透過フィルタに汚れが付着するのを防ぐことができる。
開口部20の直下には、撮像部4が設置されている。指1が提示されると、複数の光源素子から成る光源50が指1に赤外光を照射する。照射された光は指内部に到達するとあらゆる方向に散乱する。指内部で散乱した光の一部は開口部20の上方付近に到達し、さらにその一部は指の内部から指の外部に向け進行する。この光は開口部20、赤外透過フィルタを通り抜け、撮像部4によって撮影される。この光は指1の内部から指1の掌側の表面を透過しているため、静脈部分を通り抜けたために減衰された弱い光と、静脈のない部分から抜け出た減衰していない強い光とのコントラスト差を持っている。従って、この光を撮像すると、その映像には開口部20の真上に位置する部分領域の指静脈パターン画像が映し出される。
開口部20の上方に位置する指1の部分領域、すなわち被撮像部分の指静脈パターンを鮮明に撮影するためには、以下の光学的な条件を満たす必要がある。まず、指外部から被撮像部分の皮膚表面に照射された光の反射光が撮影されないようにすること、すなわち、指静脈の存在する深さまで到達していない散乱光が撮影されないようにすることである。この条件が満たされない場合、指静脈パターンの情報を持たない光が指静脈部分とそれ以外の生体組織とのコントラストを低下させる。さらに、指表面のしわなどの不要な映像が鮮明に映り込んでしまうため指静脈パターンが見えにくくなる。そこで、静脈パターンをより鮮明に撮影するためには、光源50から出る光が撮影対象である生体の高い位置(例えば、指の甲側に近い位置)のみに照射できるように、光源の配置を調整する必要がある。
本実施形態において、静脈撮影用の光源50の設置位置は、指1の提示される領域(指の長軸方向)の左右側である。設置する高さは、指置き台5の上面と同じ高さまたは指置き台5よりも低い位置とする。また光源50の設置角度αは0度から90度の範囲とし、斜め上に向けて光を照射する(図2(c)参照)。さらに、図2(a)に示すように、開口部20と開口部26との間の部位は、光源50の光を遮断できる部材で作成する(以下、遮光部22という)。
図2(a)に示すように、遮光部22は、A−A断面の部分において遮光部分の幅が狭く、B−B断面部分において遮光部分が広くなっている。詳細については、後記するが、図6において狭遮光する狭遮光光源ユニット65(第1の光源ユニット)が形成され、図7において広遮光する広遮光光源ユニット66(第2の光源ユニット)が形成されている。
本実施形態では、光源50の設置位置を低くすることで装置を薄型にすることができる。例えば、指静脈データ取得装置2の大きさは、横30mm、縦30mm、高さ5mm程度である。また、光源50を斜め上に傾けて設置することで、指の高い位置に対し、強い光を照射できる。さらに、光源50と指1との間に遮光部22を設置することにより、光源50から放出される光のうち低い方向に進む光を遮り、高い方向に進む光のみを指1に照射することができる。これにより、鮮明な静脈画像が撮影できる。
図3は、光源と遮光部との関係を示す図である。図4は、光源の設置角度が大きい場合の照射を示す図であり、(a)は太い指の場合、(b)は細い指の場合である。図5は、光源の設置角度が小さい場合の照射を示す図であり、(a)は太い指の場合、(b)は細い指の場合である。
図3において、以降では、光源50と遮光部22とをまとめて光源ユニット60と呼ぶ。光源50の設置角度αは、光源50の光軸61(照射軸)と指置き台5の上面(載置面)とのなす角度である。また、図3において、光源50の視野角βとし、遮光部22で光源50からの照射光が遮光される部分が発生する。この際に、遮光される部分について、指置き台5の上面(載置面)とのなす角度を遮光角度θと呼ぶ。なお、視野角βの領域を所定領域とする。また、複数の光源50の設置角度αは、同一角度であってもよいし、所定値αとして、α±αであってもよい。
より鮮明な画像を撮影するためには、指の掌側の遮光角度θを大きくし、指の甲側に照射するため、光が照射される照射位置h(載置面からの高さ)(図4、図5参照)を高くする必要がある。しかし、種々の太さの指に対して十分な量の光が当たり、かつ光の照射位置hを高く保つことができるような設置角度αは存在しない。
例えば、図4(a)で示すように、太い指に対し十分高い位置に光が当たるように設置角度αをα1(>α2)とし、設置角度α1を大きくした場合は、太い指撮影時は鮮明な画像が撮影できるが、細い指を撮影すると画質が低下する。これは、細い指の上端(指の甲側)よりもさらに上方に光が照射されてしまい(図4(b))、指に対し十分な量の光が照射されないためである。
一方、図5(b)で示すように、細い指に対して十分な量の光が照射されるように、設置角度αをα2とし、設置角度α2を小さくした場合は、図5(a)で示すように、太い指に対する光の照射位置hLFが低くなるため、太い指を撮影した際の静脈画像が不鮮明になる。
以上のように、撮像対象に斜め方向から光を照射する形状の指静脈データ取得装置2では、設置角度αを大きくすると細い指撮影時に画質が劣化し、設置角度αを小さくすると太い指撮影時に画質が劣化するという問題が発生する。
そこで、本実施形態では、設置角度αを一定とし、遮光角度θの異なる2種類の光源ユニットを設けることで、様々な大きさの指で鮮明な静脈画像を撮影できるようにすることが特徴である。
図6は、狭遮光光源ユニット(第1の光源ユニット)の例を示す図である。図7は、広遮光光源ユニット(第2の光源ユニット)の例を示す図である。図6、図7を用いて、光源ユニット60内の光源50と遮光部22の位置関係について、適宜図2、図3を参照して説明する。図6は、図2(c)のA−A断面図、図7は、図2(d)のB−B断面図である。なお、光源50について、狭遮光光源ユニット65(第1の光源ユニット)の光源50を光源51(第1の光源)とし、広遮光光源ユニット66(第2の光源ユニット)の光源50を光源52とする。
指静脈データ取得装置2は、遮光角度θが小さい狭遮光光源ユニット65と、遮光角度θが大きい広遮光光源ユニット66を備える。狭遮光光源ユニット65の光源51と広遮光光源ユニット66の光源52は、ともに同一の設置角度αで設置されている。また、開口部20の中心軸を基準とした光源50の距離d1、d2も同じである。
一方、遮光部22の大きさは光源ユニット毎に異なっており、狭遮光光源ユニット65内の遮光部22の幅w1は、広遮光光源ユニット66内の遮光部22の幅w2より小さい。その結果として、狭遮光光源ユニット65内の遮光部22と光源50間の距離k1は、広遮光光源ユニット66内の遮光部22と光源50間の距離k2より大きくなるため、狭遮光光源ユニット65の遮光角度θ1が、広遮光光源ユニット66の遮光角度θ2より小さくなる。
図6、図7で示したように遮光部22の大きさを変えることで、照射光の下限の位置が、載置面から低い位置に光が照射される狭遮光光源ユニット65と、載置面から高い位置に光が照射される広遮光光源ユニット66の、2種類の光源ユニットを実現できる。
なお、前述の通り、狭遮光光源ユニット65内の光源51と、広遮光光源ユニット66内の光源52の設置角度αは同じ値である。よって、光源51,52は同一面状に配置することができるため、光源を支えるための部材を共用でき、指静脈データ取得装置2内の部品点数を減らしたり、部品形状をより単純な形になる利点がある。
次に、認証処理部10の処理内容について説明する。
図12は、登録処理を示すフローチャートである。図12を用いて、CPU11が実行する登録プログラム100で実施される登録処理手順について説明する。登録処理では、はじめに、CPU11は、装置に指が提示されたか(載せられたか)否かを判定する指提示検知処理(S101)を実施する。その後、CPU11は、撮影対象の指に対し適切な光量を光源50から照射するための光量調整処理(S103)を実施する。光量の調整完了後、CPU11は、パターン抽出処理(S108)、特徴データ作成処理(S109)を行う。最後に、特徴データを記憶装置14に保存し、登録処理が完了する。
図12の登録処理の詳細について次に説明する。
はじめに、指提示検知処理(S101)について説明する。指提示検知処理は、指置き台5に指が乗せられたか否かを判定する処理である。判定の方法には、指置き台5内部に設置されたタッチセンサを用いる方法や、画像処理による方法、タッチセンサと画像処理を組み合わせる方法などを用いることができる。
ここでは画像処理による方法の一例について述べる。画像処理による方法は、指検知専用のセンサが不要になるため部品点数を減らしコスト削減ができる利点がある。まず、指静脈パターン撮影の照明として用いられる前述の光源50を一定周期で点滅させる。指置き台5の上に指1が提示されていない場合、光源50が点灯しても消灯しても、光を散乱する物体が無いため、光源50から発せられた光は撮像部4に映り込むことはない。従って、光源50が点灯している状態と消灯している状態における撮像部4の画像の比較を行った場合、その輝度値には大きな変化はない。
一方、指1が装置上に提示された場合、光源50から照射された光は指1により散乱し撮像部4に映り込む。従って、光源50が点灯している状態と消灯している状態との画像の輝度値に大きな変化が生じる。そこで、指静脈データ取得装置2が点灯時と消灯時に撮影した画像を、画像入力部18を介して認証処理部10に送り、CPU11において画像の変化量を計算し保持することで、指の提示を検知することが可能である。
指提示検知処理(S101)が完了すると、光源50から静脈撮影の照明用の光が出力される。このとき、指置き台5上に提示される指の太さや皮膚の厚みなどによって、静脈撮影時に点灯すべき光源や撮影に必要な光量は異なる。そこで、最も鮮明な画像が得られるように光源の選択処理を行い(S102)、選択された光源の光量を調整する処理(S103)を行う。
はじめに、光源選択処理(S102)について概要を説明する。前述の通り、太い指を撮影する場合は広遮光光源(広遮光光源ユニット66の光源52)のみを点灯することが望ましい。これは、広遮光光源を点灯することで、指1の載置面からの高い位置に光が照射され、鮮明な画像を撮影できるためである。一方、細い指を撮影する際は、広遮光光源の光だけでは十分な明るさの画像が得られないため、狭遮光光源(狭遮光光源ユニット65の光源51)を選択することが望ましい。つまり、光源選択処理(S102)は、指置き台5上に提示された指1の大きさを判定し、撮影対象の指1の大きさに合う光源を選択する処理である。
本実施形態では、指1の太さの判別には、広遮光光源を点灯した時に撮影した画像を用いる。広遮光光源を点灯したときに得られる画像の輝度値が提示される指の太さによって変化するためである。具体的には、太い指を提示した場合は輝度が高くなり、細い指を提示した場合は輝度が低くなるため、撮影した画像の輝度値が一定値以上か否かを判定すればよい。
図14は、光源選択処理を示すフローチャートである。光源選択処理(S102)では、はじめに、CPU11は、広遮光光源(光源52)のみを最大強度で点灯指令する(S1021)。その後、撮像部4で画像が撮影される(S1022)。CPU11は、画像の平均輝度値を算出する(S1023)。平均輝度値が事前に決めた閾値以上であるか否かを判定する(S1024)。CPU11は、平均輝度値が閾値以上であった場合(S1024,Yes)、広遮光光源(光源52)を選択し(S1025)、平均輝度値が閾値未満であった場合(S1024,No)、狭遮光光源(光源51)を選択し(S1026)、光源選択の処理が終了する。以上の手順により、撮影対象の指に適した光源が選択される。
図12に戻り、次に、光量調整処理(S103)について説明する。指静脈の撮影では、撮像画像の平均輝度値が輝度階調の中心付近の値になっている場合に、鮮明な静脈の画像を得ることができる。
例えば、撮影画像の平均輝度値が低すぎるときは、血管とそれ以外のコントラストが悪いため、鮮明ではない。逆に平均輝度値が高すぎるときは、飽和している部分が発生し血管パターンを抽出できない。つまり、光量調整処理(S103)では、輝度階調の中央値を目標輝度値とし、撮像画像の平均輝度値が目標値に近づくように光量を調整する。この光量調整手法として、本実施形態では、撮影画像の平均輝度値を常に監視し、その値に応じて光量をフィードバック制御しながら目標輝度値に近づける手法を用いる。
図15は、第1の実施形態に係る光量調整処理を示すフローチャートである。光量調整処理(S103)では、まず、CPU11は、あらかじめ設定しておいた初期光量値(L0)で光源選択処理(S102)で選択された光源50(光源51または光源52)に点灯指令する(S1031)。初期光量値(L0)は、標準的な指を置いたときに目標輝度値の画像が撮影可能になる光量値を予め測定し、その値を設定しておく。次に、撮像部4で画像が撮影される(S1032)。CPU11は、この画像の平均輝度値(V0)を算出する(S1033)。算出した平均輝度値(V0)が、目標輝度値であるか判別する(S1034)。目標輝度値に達していない場合は(S1034,No)、CPU11は、次の光量値を算出・再設定し(S1035)、光源50に点灯指令する(S1036)。次の光量値の算出は、光量値と撮像画像の平均輝度値とが比例関係にあるという特徴を利用して行なう。光量値再設定後、画像が撮影され(S1032)、CPU11は、平均輝度値算出(S1033)、平均輝度値の判定(S1034)を再度実施する。このフローを繰り返し、目標の輝度値に近づけていく。S1034の平均輝度値の判定で目標輝度値に達した場合は(S1034,Yes)、光量調整の処理が終了する。
図12に戻り、次に、血管パターンの抽出処理を実施する(S108)。血管パターンの抽出処理(S108)とは、撮像部4で撮影した画像から、認証に不要な情報(ノイズやしわなど)を除外し、血管パターン部分のみを検出する処理である。血管パターンの抽出方法として、線分を強調するエッジ強調フィルタやマッチドフィルタを用いる方法、線成分を追跡することで線パターンを抽出する方法、画像の断面プロファイルにおける輝度値の局所的な窪み位置を抽出する方法などを用いることができる。
その後、CPU11は、抽出処理した結果から特徴データ作成処理を実施する(S109)。特徴データとして、抽出処理した結果の画像そのものを特徴量とする方法、分岐点や端点を検出する方法などを用いることができる。画像そのものを特徴量とする場合は、データサイズを小さくするために、抽出処理した後の画像に縮小処理を適用してもよい。
特徴データの保存処理(S110)では、特徴データ作成処理(S109)で生成した特徴データと、指提示検知処理(S101)で算出した指の提示位置情報とが記憶装置14に保存される。指の位置情報としては、指の右側の輪郭位置と左側の輪郭位置とを保存してもよいし、輪郭位置情報をもとに算出した指の中心位置を保存してもよい。また、保存する前に特徴データに対し暗号化処理を施してもよい。
図13は、認証処理を示すフローチャートである。図13を用いて、認証プログラム120で実施される認証処理手順について説明する。認証処理では、指提示検知処理(S101)、光源選択処理(S102)、光量調整処理(S103)、パターン抽出処理(S108)、特徴データ作成処理(S109)を行う。その後、事前に登録されている特徴データとの照合処理(S112)を実施し、認証対象の指が登録されている指か否かを判定する。
前記の認証処理の処理手順のうち、指提示検知処理(S101)、光源選択処理(S102)、光量調整処理(S103)、パターン抽出処理(S108)、特徴データ作成処理(S109)の5つの処理は、登録処理と同様の手法を用いる。以下では照合処理(S112)について説明する。
照合処理(S112)では、認証処理中の特徴データ生成処理(S109)で生成した特徴データと、登録時に作成、保存した特徴データとが比較照合される。画像そのものを特徴データとしている場合は、画像同士を重ね合わせ、画素値同士の比較を実施して一致率を計算する。分岐点や端点を特徴データとしている場合は、それらの個数、分岐線の角度、相対的な距離などの情報を比較することで一致率を算出する。
CPU11は、ここで得られた一致率を用いて、同一指であるか別指であるか(一致率が高いか否か)を判定する(S113)。判定するための認証閾値は、事前に統計的に算出しておくことが可能である。認証閾値よりも高い一致率となった場合は(S113,Yes)、登録者と判定し、認証後の処理をする(S114)。登録者であると判定された場合は、認証後の処理として例えばロックの解除等を行う。認証閾値よりも高い一致率でなかった場合は(S113,No)、登録されていない指が提示されたとみなし認証を拒否する。
図12の登録処理および図13の認証処理において、言い換えるなら、CPU11は、特徴抽出手段、特徴照合手段のみならず、光源選択手段、光量制御手段、指の位置を測定する手段としても機能する処理部である。
本実施形態では、複数の光源として、狭遮光光源ユニット65内の光源51(第1の光源)と、広遮光光源ユニット66内の光源52(第2の光源)を有している。認証処理部10は、指が載置された場合、第2の光源を点灯し、指が細い指であると判定された場合、第1の光源を点灯するとよい。
本実施形態では光源50が2種の場合について説明したが、設置角度の異なる光源50を3種以上利用してもよい。また、遮光部22と指置き台5は同一の部材用いて、同一部品として作成可能である。同一部品として作成することにより装置の部品点数を減らし、装置のコストを低減させる効果がある。
図8は、指静脈データ取得装置の他の例を示す図であり、(a)は光源ごとに開口部を有している場合、(b)は多数の光源を配置した場合である。図2(a)の場合、指静脈データ取得装置2は、開口部20の両側に、4個の光源50からなる複数光源を開口部26に配置していた。これに対し、図8(a)の場合、開口部26aに対し、狭遮光光源ユニット65(図6参照)を配置し、開口部26bに対し、広遮光光源ユニット66(図7参照)を配置した。また、狭遮光光源ユニット65と広遮光光源ユニット66の間に遮光部材を配置し、2種類の光源ユニットが独立してもよい。
図8(b)の場合、図2(a)と同様の開口部26に、2種類の光源ユニットを結合させて、8個の光源50からなる複数光源を配置することも可能である。図8(b)で示す複数光源の配置により、光源50から十分な発光量を得ることができる。
<<第2の実施形態>>
図9は、第2の実施形態に係る指静脈データ取得装置を示す図であり、(a)は上面図、(b)は指を載置した場合の上面図、(c)はA−A断面図であり、(d)はB−B断面図である。第1の実施形態では、遮光部22の大きさを変化させて、遮光角度θを変化させたが、第2の実施形態では、光源50の位置を変化させて、遮光角度θを変化させている。第2の実施形態の指静脈データ取得装置2は、遮光角度θが小さい(θ1)狭遮光光源ユニット65(図9(c)参照)と、遮光角度θが大きい(θ2)広遮光光源ユニット66(図9(d)参照)を備える。
図9(a)に示すように、開口部26cに光源50(光源51,52)が配置されており、開口部20と開口部26cとの間に遮光部71を有する。図9(c)は、A−A断面図であり、狭遮光光源ユニット65を示す。図9(d)はB−B断面で広遮光光源ユニット66の断面図である。狭遮光光源ユニット65の光源51と広遮光光源ユニット66に含まれる光源52は、ともに同一の角度αで設置されている。また、狭遮光光源ユニット65の遮光部71の幅w1と広遮光光源ユニット66の遮光部71の幅w2は同一の幅である。しかし、開口部20の中心軸を基準とした光源50の距離d1,d2は異なり、距離d1より距離d2のほうが小さい。その結果として、狭遮光光源ユニット65内の遮光部71と光源51(第1の光源)間の距離k1は、広遮光光源ユニット66内の遮光部71と光源52(第2の光源)間の距離k2より大きくなるため、狭遮光光源ユニット65の遮光角度θ1が、広遮光光源ユニット66の遮光角度θ2より小さくなる。本実施形態のように光源の距離d1,d2を変えることで、遮光角度θの異なる複数の光源ユニットを実現できる。
第2の実施形態において、光源50からの遮光が優れている点について図10を参照して説明する。図10は、指静脈データ取得装置の他の例を示す図であり、(a)は遮光が十分でない場合、(b)は遮光が十分である場合である。図3で示したように、一般にLEDなどの光源素子から出た光は視野角βで一定の範囲に広がりながら進む。
このため、図10(a)に示す開口部26dに光源52を配置した場合、広遮光光源ユニット66(図7参照)の光源52から出力された光は、視野角βで照射される。そのうち、図10(a)の符号82で示す領域に進む光は、広遮光光源ユニット66(図7参照)内の遮光部22を通過するため所定の量の光が遮光できる。しかし、図10(a)の符号81で示す領域の光は狭遮光光源ユニット65(図6参照)内の遮光部22を通過してしまうため、遮光が不十分である。そのため、指への光の載置面からの下限の照射位置が低くなり、太い指を対象に撮影する際の画質が劣化する。
一方、図10(b)に示す場合、図10(a)のような問題は生じない。第2の実施形態の場合は、図9で示す通り、狭遮光光源ユニット65と広遮光光源ユニット66の遮光部22(図9の遮光部71)の幅が同じ大きさであるため、前記のような問題は起こらない優れた特徴を有する。
<<第3の実施形態>>
図11は、第3の実施形態に係る指静脈データ取得装置を示す図であり、(a)は上面図、(b)は指を載置した場合の上面図、(c)はA−A断面図であり、(d)はB−B断面図である。第2の実施形態では、光源50の位置を指の幅方向に変化させて、遮光角度θを変化させたが、第3の実施形態では、光源50の位置を指の高さ方向に変化させて、遮光角θを変化させている。第3の実施形態の指静脈データ取得装置2は、遮光角度θが小さい狭遮光光源ユニット65(図11(c)参照)と、遮光角度θが大きい広遮光光源ユニット66(図11(d)参照)を備える。
図11(a)に示すように、開口部26eに光源50が配置されており、開口部20と開口部26eとの間に遮光部72を有する。図11(c)は、A−A断面図であり、狭遮光光源ユニット65を示す。図11(d)はB−B断面で広遮光光源ユニット66の断面図である。狭遮光光源ユニット65と広遮光光源ユニット66に含まれる光源50は、ともに同一の角度αで設置されている。また、開口部20の中心軸を基準とした光源50の距離d1,d2(すなわち、W1=W2、k1=k2)は同じである。しかしながら、図11(d)に示す光源50は、指置き台5の載置面から、指に高さ方向にd6だけ低い位置に設置されている。その結果として、狭遮光光源ユニット65の遮光角度θ1が、広遮光光源ユニット66の遮光角度θ2より小さくなる。本実施形態のように光源の高さ方向の距離d6を変えることで、遮光角度θの異なる複数の光源ユニットを実現できる。
<<第4の実施形態>>
第4の実施形態では、光量調整処理(S103)の別の実施形態について説明する。第1の実施形態の光量調整処理(S103)は、光源選択処理(S102)を行ったのちに光量調整処理(S103)を行っていた。これに対し、第4の実施形態の光量調整処理(S103)は、光源選択処理(S102)を必要としない。このため、第1の実施形態の光源選択処理および光量調整処理と比較して登録処理や認証処理の処理時間を短くできる、光量調整処理過程で指の提示位置が動いた場合でも、最適な光量を点灯し続けることができる、という特長を有する。
さらに、第1の実施形態では、光量調整処理(S103)において、広遮光光源ユニット66の光源52または狭遮光光源ユニット65の光源51のいずれか片方のみの光量を調整していた。これに対し、第4の実施形態の処理は、2種類の光源51,52の光量を同時に調整することができるため、撮影対象の指に対しより最適な光量を算出することができる。
例えば、中程度の太さの指を撮影する際に第1の実施形態の光量調整(S103)を適用した場合は、光源51だけを点灯すると遮光不足のために画質が不鮮明になり、光源52だけでは遮光量が多すぎて十分な明るさの画像を得られないというケースが想定される。このような指を撮影する場合は、どちらか片方のみを点灯するよりも、まずは光源52を最大光量で点灯し、明るさが不足する分のみを光源51の光量で補うようにすることで、指の載置面からの低い位置に向かう光を少なくすることができ、鮮明な画像を撮影できる。第4の実施形態の光量調整は、2種類の光源を組み合わせて制御することで、より鮮明な画像を撮影する手法である。
なお、光量調整処理(S103)は、具体的には、光源51,52に流す電流量を制御する処理であるため、前述した画像の鮮明度への影響のほかにも、認証装置の消費電力への影響も考慮する必要がある。
ここで、光量調整処理(S103)の要件について改めて整理する。照明用の光源を制御する処理は、次の3つの要件を満たすことが重要である。
要件1は、消費電力を一定値以下にすることである。本発明に記載の小型な指静脈認証システム80(個人認証装置)は、タブレット端末やスマートフォンなどの情報端末向けの個人識別用途で利用される。小型の情報端末は消費電力を小さくする必要があるため、認証装置の消費電力も抑える必要があり、認証装置の光源に流す電流量も制限される。
要件2は、認証に適した画像を撮影できるように光量を調整することである。認証に適した画像には二つの条件がある。
要件2−1:第1の条件は、画像の平均輝度が、輝度階調の中央値であるという条件である。
要件2−2:第2の条件は、狭遮光光源ユニット65(図6参照)に用いる狭遮光光源(第1の光源)より広遮光光源ユニット66に用いる広遮光光源(第2の光源)を優先して点灯させて撮影するという条件である。広遮光光源を優先して点灯すると、指の上方に光が照射されるため、静脈画像のコントラストが上がり認証精度が向上する。
これらの二つの条件のうち要件2−1の方が、要件2−2よりも認証精度向上の効果が高い。よって、まずは要件2−1を満たすことを優先し、要件2−1を満たす光量の組み合わせが複数存在する場合に限り、要件2−2を満たすことを目標とする。
要件3は、指の位置が変化した場合でも最適な光量値を算出できることである。図15のフローでも示す通り、光量調整処理は、数フレームの画像を撮影する。その間に利用者の提示する指の位置が変化することがあるため、そのような状況でも、認証に最適な画像を撮影し続ける必要がある。
これらの要件を定式化すると次のようになる。
まず、広遮光光源(光源52(第2の光源))と狭遮光光源(光源51(第1の光源))の光量値をそれぞれP、Pとし、光源素子のLEDの定格より定まる光量値の最大値をPmaxとおくとP、Pは以下の条件式を満たす。
0≦P≦Pmax,0≦P≦Pmax (1)
要件1で示した広遮光光源と狭遮光光源の使用電流制限により定まる光量値の合計の上限をPとすると、要件1は
+P≦P (2)
となる。
画像の平均輝度値は光量値によって定まるため、これを関数I(P,P)と定義する。ここで、Iを、I(P,P)の目標値とすると、
要件2−1は
δI=|I(P,P)−I| (3)
(3)式で定義されるδIが最小となるP,Pを求めることに相当する。また、要件2−2からPはできるだけ大きいことが望ましいので、上記の条件を満たす範囲で最大に調整するべきである。
ここで、I(P,P)の関数形が分かれば、P,Pを容易に決定できるが、実際にはこの関数形を認証開始前に求めておくことはできない。なぜなら、I(P,P)の関数形は、指の形状や光透過率、指が置かれた位置によって異なるためである。すなわち、光量調整処理とは、認証時に計測された情報を用いて、I(P,P)の関数形を推定し、式(1)、式(2)の条件を満たしながら式(3)に定義されたが最小となるような最適な光量値P,Pを求めることと定義できる。
図16は、第4の実施形態に係る光量調整処理を示すフローチャートである。図16を用いて、CPU11が実行する光量調整処理(S103)を説明する。光量調整処理では、CPU11がはじめに任意の初期光量値(L0)で光源の点灯指令をし(S1031)、画像を撮影する(S1032)。初期光量値は平均的な太さの指に対する最適値として、平均輝度が目標の値になり、かつ広遮光光源の光量値が高くなるよう事前に評価した値を用いることができる。次に、CPU11は撮影された画像の平均輝度値(V0)を算出する(S1033)。続いて、CPU11は平均輝度値が目標値に到達していない場合(S1034,No)、CPU11は最適光量値算出の処理を実行する(S1040)。この処理は、過去数フレーム分の平均輝度値と撮影時の光量値を用いて、次のフレームを撮影する際の光量値を決定する処理である。次に、CPU11は最適光量算出の処理(S1040)により算出された光量値で光源を点灯指令し(S1036)、その後、S1032の処理に戻る。このフローを繰り返すことで、撮影される画像の平均輝度値が目標輝度値Iに近い状態を継続することができる。すなわち、S1034において、平均輝度値が目標値に到達した場合(S1034,Yes)、光量調整を終了する。以降では、図16に示すフローのうち、最適光量値算出の処理(S1040)について述べる。
光量値P,Pを共に0にしたときに撮影される画像の平均輝度値は、撮影対象の指に依らず一定である。本装置では光量値を0にしたときの平均輝度値は0であるため、
I(0,0)=0
となる。
また、各光源の光量値P,Pを増やしたときに撮影される画像の輝度値は、光量値を増やす前より高くなる。したがって、平均輝度I(P,P)は、光量値P,Pに対してそれぞれ単調増加な関数であると考えられる。本実施形態では、輝度値がそれぞれの光量値に比例する、つまり
I(P,0)=aP,I(0,P)=bP
と仮定する。ここで、a、bはそれぞれの比例係数である。また、各光源の光量値による輝度への寄与は加法的であると想定される。すなわち、
I(P,P)=I(P,0)+I(0,P) (4)
と書くことができる。
以上のことから、I(P,P)の関数形は
I(P,P)=aP+bP (5)
となる。
ここで、図6に示す狭遮光光源ユニット65から出力された光は、遮光角度θ1が小さいと、ほぼ全てが撮影対象の指に照射されるのに対し、図7に示す広遮光光源ユニット66から出力される光は、遮光角度θ2が大きいため、画像の輝度値への寄与率が低くなる。よって、広遮光光源(光源52(第2の光源))の光量値の増加による輝度値の上昇率の方が、狭遮光光源(光源51(第1の光源)による輝度値の上昇率より低い。従って、係数a,bの間には以下の関係が成立する。
a<b (6)
本実施形態での最適輝度の算出手法は、上述の制約式を満たす範囲で光量値P,Pを変化させたときの輝度値I(P,P)を推定する方法である。過去に照射した光量値とその時の平均輝度値から上述の式(5)の係数a,bを推定することにより、任意の光量値P,Pに対応する平均輝度I(P,P)を求めることができる。この手法は、係数a,bの推定結果を用いて、I(P,P)=IとなるP,Pの組み合わせを求める処理である。
係数a,bの決定方法としては、たとえば、最小二乗法を用いることが可能である。最小二乗法はモデル関数と測定結果との誤差を最小にする最適化手法として広く用いられている手法である。以下では係数の決定方法の一例として、最小二乗法を用いて係数a,bを求める方法を説明する。過去のNフレーム分の平均輝度値I,I,…,Iとし、そのときの光量を
(Ph,1,Pl,1),(Ph,2,Pl,2),…,(Ph,N,Pl,N)
とおくと、二乗誤差s
Figure 0006355371
となる。最小二乗法ではこのsが最小となるa,bを求める。求めた結果は、以下のようになる。
Figure 0006355371
ここで、<>は平均値を意味する。このように求めたa,bの値を用いることで、任意の光量値P,Pに対応する平均輝度I(P,P)を推定できる。つぎに、上記のa,bを用いて最適な光量値P,Pを決定する。
最適光量値は、I(P,P)=Iを満たすP,Pであるが、I(P,P)は二変数関数であるためI(P,P)=Iを満たすP,Pの組み合わせは複数個存在する。ここで、要件2−2で示したPが最大となるという条件を考慮すればP,Pの値が一意に決まる。すなわち、I(P,P)=Iを満たすP,Pの組み合わせの中で、式(1)、式(2)の条件式を満たし、かつPが最大になるP、Pの組み合わせが最適光量値となる。
このように最適光量を算出することで、前述の要件を満たせる。また、本手法において、最適光量を算出する際は、最適光量値算出の処理(S1040)の直前の2フレーム分のデータがあれば処理を実行可能であるため、仮に、指の位置がずれても、その後2フレーム分のデータを取るだけで正しい光量値を算出できるようになる。
本実施形態によれば、高精度かつ小型な個人認証装置を実現することができる。個人認証装置は、種々の大きさの生体に対し最適な位置に光を照射し認証に適した画像を撮影できる。また、個人認証装置は、撮影対象の生体の大きさや提示位置に依らず鮮明な静脈画像を撮影することができる。これにより高精度な認証を可能とする。
本実施形態の個人認証装置では、静脈画像を撮影すると説明したが、これに限定されるわけではない。例えば、動脈を含め血管画像を撮影するとしてもよい。また、遮光部22は、指置き台5の内壁、筐体の内壁で構成されていてもよい。
1 指
2 指静脈データ取得装置
4 撮像部
5 指置き台(筐体、指載置台)
6 音声出力部
10 認証処理部
11 CPU(中央処理部)
12 メモリ
13 インタフェース(IF)
14 記憶装置
15 電源部
17 表示部
18 画像入力部
19 情報入力部
20,26 開口部
22,71,72 遮光部(遮光手段)
30 登録データ
40 認証データ
50 光源
51 光源(第1の光源、狭遮光光源)
52 光源(第2の光源、広遮光光源)
60 光源ユニット
61 光軸(照射軸)
65 狭遮光光源ユニット(第1の光源ユニット)
66 広遮光光源ユニット(第2の光源ユニット)
80 指静脈認証システム(個人認証装置)
100 登録プログラム
120 認証プログラム

Claims (5)

  1. 指を載置させる載置面に開口部を有する筐体と、
    前記筐体内に、指の長手方向に並び、かつ、斜めから前記指に照射する複数の光源と、
    前記筐体内に、前記指を透過した前記光源からの光を前記開口部を介して撮像する撮像部と、
    前記撮像部で取得された前記指の静脈画像から抽出された特徴と予め記憶された生体情報との照合を行う処理部と、を備え、
    前記載置面と同一面に、前記複数の光源からの光を遮光する遮光部を有し、前記各光源と前記遮光部との距離が異なり、
    前記遮光部は、前記指の横幅方向に対し、前記開口部から同一距離まで遮光しており、
    前記複数の光源の位置を前記指の横幅方向に対し、異なる距離に配置する
    ことを特徴とする個人認証装置。
  2. 前記複数の光源の光軸は、前記載置面に対し、同一角度である
    ことを特徴とする請求項1に記載の個人認証装置。
  3. 前記複数の光源は、
    前記光源と前記遮光部との距離が長い第1の光源と、
    前記光源と前記遮光部との距離が短い第2の光源とを有し、
    前記処理部は、前記指が載置された場合、前記第2の光源を点灯し、
    前記指が細い指であると判定された場合、前記第1の光源を点灯する
    ことを特徴とする請求項1に記載の個人認証装置。
  4. 前記個人認証装置は、前記光源の光量を制御する光量制御手段を有し、
    前記光量制御手段は、前記撮像された静脈画像の平均輝度値を算出し、
    前記平均輝度値が所定の目標値に達しない場合、前記第1の光源および前記第2の光源を点灯するとともに、前記平均輝度値が所定の目標値を満たす前記第1の光源および前記第2の光源の光量値を算出する
    ことを特徴とする請求項に記載の個人認証装置。
  5. 認証対象の指を載置させる載置面に開口部を有する筐体と、
    前記筐体内に、指の長手方向に並び、かつ、斜めから前記指に照射する複数の光源と、
    前記筐体内に、前記指を透過した前記光源からの光を前記開口部を介して、前記認証対象の指静脈の画像を撮像する撮像部と、
    前記撮像部で取得された前記指の静脈画像から抽出された特徴と予め記憶された生体情報との照合を行う処理部と、を備え、
    前記載置面と同一面に、前記複数の光源からの光を遮光する遮光部を有し、前記各光源と前記遮光部との距離が異なり、
    前記遮光部は、前記指の横幅方向に対し、前記開口部から同一距離まで遮光しており、
    前記複数の光源の位置を前記指の横幅方向に対し、異なる距離に配置する
    ことを特徴とする指静脈認証装置。
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