以下、本発明の低侵襲巾着縫合デバイスを実施するための形態の具体例を、添付図面を参照しながら説明する。
本発明の低侵襲巾着縫合デバイス1は、図16に示すように、自然開口部越管腔内視鏡手術(NOTES)において、サーキュラー吻合装置90を用い人体Mの例えば腸などの生体管Tの病巣部T3を切除して残る正常な生体管T1、T2の切断端部C1、C2双方同士を吻合する直前に、各切断端部C1、C2を把持して、図14、15に示すように、縫合針カートリッジ11(図19、25)の細長い第1及び第2縫合針11a、11bと縫合糸12とを用いて切断開口端部C1、C2に巾着縫合を施して一時的にその開口を塞ぐためのものである。
(実施形態1)
本発明の一実施形態(実施形態1)に係る低侵襲巾着縫合デバイス1は、図1〜図3に示すように、細長い直線状をなす断面略円筒状の挿入管部2と、挿入管部2の先端に接続され、生体管T1、T2の切断端部C1、C2に巾着縫合を施す際、各生体管T1、T2の切断端部C1、C2を径方向から把持する顎部3と、挿入管部2の後端に接続され、顎部3を操作する操作部4とを備えている。
ここで、図1における巾着縫合デバイス1の挿入管部3の主軸であるX軸を基準として、直交する3軸のX軸(挿入管部3の主軸、先端部又は前部・基端部又は後部方向)、Y軸(図示紙面内左右方向)、Z軸(図示紙面直交方向)を定義する。また、顎部3側を先端部又は前部、操作部4側を後端部又は後部と呼ぶ。
巾着縫合デバイス1を構成する各部材は、耐腐食性、耐薬品性を備えるとともに、加熱滅菌に耐え得る温度耐久性を備える医療適合性材料からなり、特に滅菌を容易にするため、後述するが、部品単位で分解可能に形成されることが望ましく、ケースバイケースで部品単位又は縫合針カートリッジなどを使い捨てとすることもできる。
挿入管部2及び顎部3は、状況に応じて手術に耐える外径及び長さに設定自在で様々な長さのものに交換可能で、挿入部は高剛性及び高弾力性を有する医療適合性材料の外径略12mm以下の長尺管状体(略円筒)である。
挿入管部2の先端周縁のY軸方向図示左側には、顎部3を支持するための第1支持突起2aがX軸前方向に突設される一方、挿入管部2の後端周りには、その他の領域(挿入部)よりも径が拡大(拡径)する環状把手部2bが設けられている。
挿入管部2における第1支持突起2aのX軸を挟んだ反対側の管壁には、図5(a)及び図7に示すように、X軸方向に延びる細い貫通孔2cが一対並設されている。
また、環状把手部2bにおける両貫通孔2cの並設方向一方側には、図5(a)に示すように、内周面に雌螺旋2eが螺刻された螺旋孔2dがX軸方向に貫通形成されている。
さらに、挿入管部2の後端側における第1支持突起2aに対応するY軸方向図示左側の管壁には、図8及び図10に示すように、X軸方向に延びて挿入管部2の後端に開口するスリット2fが形成されている。
顎部3は、挿入管部3のX軸に対して左右方向であるY軸方向に屈曲する屈曲動作を行うことができる。屈曲動作は、Y軸方向への屈曲動作に代えて、X軸に対して上下方向のZ軸方向に屈曲する屈曲動作とすることもできる。
顎部3は、図4、図6、図9及び図11に示すように、両貫通孔2cの並設方向(Z軸方向)に延びる第1支軸h1によって後端が第1支持突起2aに回動可能に軸支された第1顎5と、第1支軸h1に対して直交方向に延びる第2支軸h2によって後端近傍が第1顎5の後端近傍に第1顎5方向(Z軸方向)に回動可能に軸支された第2顎6とを備え、第2顎6は、第1顎5に対して第2支軸h2回りに回動し接近又は離間することにより第1顎5とで把持動作を行う構成である。
第1顎5は、図13(a)に示すように、その長手方向に見て断面略半円状に形成されており、図2に示すように、長手方向(Y軸方向)後端側に位置する回動支持部5aと、長手方向(Y軸方向)中途部から先端まで延びる第1把持部5bとで構成されている。
回動支持部5aの第1支軸h1と交差する幅方向の一方側(図13(b)のY軸方向図示右側)は、後端側の挿入管部2側に突出して断面略扇状支持片5cが形成され(図13(a)、(b))、図4及び図6に示すように、支持片5cが第1支軸h1により第1支持突起2aに回転可能に接続(軸支)されている。
また、回動支持部5aの反挿入管部2側(前側)には、図9に示すように、第2顎6側に開口する第1凹部51が凹陥形成されている。
第1把持部5bは、回動支持部5aの第1支軸h1と交差する幅方向他方側(図13(b)のY軸方向図示左側)から反挿入管部2側(図13(b)のX軸方向図示上側)に延びる断面略扇状(図13(a))をなし、図2に示すように、第2顎6に対向する側に複数の第1歯部52を有する櫛歯状に形成されている。
各第1歯部52は、図14及び図15に示すように、第2顎6側に行くにつれて各第1歯部52の並設方向(X軸方向)に互いに接近する一対の第1側面52aと、第1側面52aにおける第2顎6側の縁部を繋ぐ第1平坦面52bとで略台形の山形状に形成され、その先端には、第1凹条溝53が第1歯部52の並設方向(X軸方向)に延設されている。
第1凹条溝53は、図13(a)に示すように、第1縫合針11aを案内する断面略円形状の第1案内部53aと、第1案内部53aの第1歯部52先端側に開口するスリット状の第1開口部53bとで構成されている。
第2顎6は、図13(a)に示すように、その長手方向から見て断面略半円状に形成され、且つ、前記第1顎5と略対称形状をなしており、図2に示すように、長手方向一端(Y軸方向後端)外周に位置する縫合操作部6aと、長手方向中途部から先端(Y軸方向先端)まで延びる第2把持部6bとで構成されている。
第1顎5及び第2顎6を互いに接近させると、図13(a)に示すように、その長手方向から見て直径略12mm以下の略円形状になり、図示しない腹腔孔に設けられるトラカール(トロッカー又はトラッカールともいう)に挿通し易い形状になっている。
縫合操作部6aの第1支軸h1と交差する幅方向一方側(図9のZ軸方向図示左側)は、後端側の挿入管部2側に突出して断面略扇状支持片6cが形成されている。
また、縫合操作部6aの反挿入管部2側(前側)には、図9に示すように、第1顎5側に開口する第2凹部61が凹陥形成されている。
第2把持部6bは、第1把持部5bと同様に、縫合操作部6aの第1支軸h1と交差する幅方向他方側(図13(b)のY軸方向図示左側)から反挿入管部2側(図13(b)のX軸方向図示上側)に延びる断面略扇状(図13(a))をなし、図2に示すように、第1顎5に対向する側に複数の第2歯部62を有する櫛歯状形成されている。
各第2歯部62は、図14及び図15に示すように、第1顎5側に行くにつれて各第2歯部62の並設方向(X軸方向)に互いに接近する一対の第2側面62aと、第2側面62aにおける第1顎5側の縁部を繋ぐ第2平坦面62bとで略台形の山形状に形成され、第1顎5に対して第2顎6が接近して第1顎5及び第2顎6が閉じた状態になると、図12(b)に示すように、各第1平坦面52bと各第2平坦面62bとが略同一の平面状に位置するとともに、第2歯部62が第1歯部52の間にそれぞれ位置するように歯合する。
各第2歯部62の先端には、図13(a)〜図15に示すように、第2凹条溝63が各第2歯部62の並設方向(X軸方向)に延設され、第2凹条溝63は、第2縫合針11bを案内する断面略円形状の第2案内部63aと、第2案内部63aの第2歯部62先端側に開口するスリット状の第2開口部63bとで構成されている。
顎部3は、図2に示すように、一端側が第1凹部51に嵌挿される一方、他端側が第2凹部61に嵌挿された第1コイルバネ(付勢部材)13を有し、第1コイルバネ13の弾発力(付勢力)により第1顎5に対して第2顎6が離間して傾斜し開き状態の姿勢に保持されている。
操作部4と顎部3との間は、図1、図4及び図6に示すように、各貫通孔2cにX軸方向移動可能に挿通された一対の屈曲操作部材41を備えている。
この実施形態の屈曲操作部材41は、弾性変形可能な可撓性を有する保護スプリング付きチューブであり、一方の屈曲操作部材41の先端は、第1顎5における後端部に位置する第1凹条溝53に、他方の屈曲操作部材41の先端は、第2顎6における後端部に位置する第2凹条溝63にそれぞれ接続されている。
すなわち、各屈曲操作部材41の先端は、顎部3の後端に接続され、図1、図4及び図6に示すように、一対の屈曲操作部材41の移動動作による顎部3の後端に対する押圧又は引込動作により、顎部3を第1支軸h1周りに回動させて挿入管部2のX軸に対して一方向(Y軸方向)に顎部3の角度を変更し屈曲させる顎部屈曲駆動機構を有している。
この場合、顎部3は、X軸方向に延びる姿勢とX軸に対して直交する姿勢との間において、X軸に対して一方向(Y軸方向)に略90°回動し屈曲可能となっている。
また、この実施形態では、屈曲操作部材41全体が可撓性を有しているが、図4に示すように、少なくとも屈曲操作部材41の第1支軸h1に対応する支軸対応部41aに可撓性があればよい。
環状把手部2bの後部側には、一対の屈曲操作部材41の後端に連結される把手部材42が配設されている。この実施形態の把手部材42は、図3に示すように、屈曲操作部材41の後端から螺旋孔2dの開口周りまで延びる連結部42aと、連結部42aの螺旋孔2d側からX軸後方に延びる延出板42bとで略L字状に形成されている。
延出板42bの後端側には、L字金具43が取り付けられ、連結部42aの螺旋孔2dに対応する箇所には、図5(a)及び図7に示すように、貫通孔42cがX軸方向に貫通形成されている。L字金具43のX軸方向後端の屈曲部は、図示しない縫合針カートリッジ(図26(a)、(b)参照)の第1縫合針11a及び第2縫合針11bの後端部が当接するストッパとなる。
この実施形態の操作部4は、外周面に雄螺旋44bが螺刻された雄螺旋軸44aの後端部に連結されてこれを回転させるための手動回転駆動手段である顎部屈曲操作ノブ44を備え、雄螺旋軸44aを貫通孔42cに挿通させるとともに環状把手部2bの螺旋孔2d内の雌螺旋2eに雄螺旋44bが螺合される。
そして、屈曲操作ノブ44の正逆回転操作によるX軸方向への螺進又は螺退動作で把手部材42の連結部42aに連結された一対の屈曲操作部材41を挿入管部2のX軸方向に移動させて顎部3の角度変更(屈曲)動作を操作する構成となっている。
このように、実施形態1においては、屈曲操作部材41、螺旋孔2d、雄螺旋軸44a及び顎部屈曲操作ノブ44から顎部屈曲駆動機構が構成される。
挿入管部2の内部には、X軸方向に移動可能な開閉操作ロッド7が挿通され、開閉操作ロッド7は、X軸方向の先端側に位置する第1ロッド7aと、X軸方向の後方側に位置する第2ロッド7bとを備えている。
第1ロッド7aの先端側(顎部3側)には、X軸前方向に延びてその先端側が挿入管部2の開口から延出した状態の板状部71が設けられている。
この実施形態の板状部71先端の縫合操作部6aの支持片6c後端部(支持片5c向き側面の後端角部)に対向する部分には、図9(a)に示すように、先端に行くにつれて次第に支持片6cから離れるよう傾斜するガイド面71aが形成されている。
また、第1ロッド7aの後端側(反顎部3側)には、第1ロッド7aの後端に開口するとともにX軸に沿って延びる細長い嵌合凹部71bが凹陥形成されている。
一方、第2ロッド7bは、細長い略円筒状の第2ロッド本体72aと、第2ロッド本体72aの先端中央部分からX軸方向前方側に細長く延びて嵌合凹部71bにスライド可能に嵌挿されたスライド棒72bとを備え、第2ロッド本体72aの後端寄り外周面には、図10に示すように、底面の深さが浅い環状凹部72cが凹設されている。
そして、スライド棒72bには、第2コイルバネ73が巻装され、第2コイルバネ73の先端が第1ロッド7aの後端に、第2コイルバネ73の後端が第2ロッド本体72aの先端に当接していて、開閉操作ロッド7にX軸前方向の力が作用すると、第2コイルバネ73が縮んで衝撃を吸収する緩衝機能を有している。
この緩衝機能により、生体管T1、T2に過大な把持力が負荷するのを防止することで安全性が確保される。
また、挿入管部2の後端寄りには、手動操作による顎開閉操作手段である短筒状の顎開閉操作ノブ8がX軸方向にスライド可能に外嵌合している。
顎開閉操作ノブ8の先端側は、顎開閉操作ノブ8の中途部に比べて外径が小さい略テーパ状に縮径されており、環状の第1係合溝8a及び第2係合溝8bが外周先端側から順に並設されている。
第1及び第2係合溝8a、8bの断面形状は、略同一な断面略直角三角形状に形成されており、X軸前方側の面がX軸に直交する方向に延び、X軸後方側の面が後側に行くにつれて次第に拡径するテーパ面が形成されている。
一方、顎開閉操作ノブ8の後端には、顎開閉操作ノブ8の中途部の径方向外側に拡径されたフランジ状把手部8cが設けられている。
また、顎開閉操作ノブ8のX軸方向後端側における内周面には、径方向内側(Y軸方向右向き)に突出するとともにX軸方向に延びる連結プレート8dが設けられている。
連結プレート8dは、スリット2f内を通過してその先端部分が開閉操作ロッド7の環状凹部72cに嵌合している。
また、挿入管部2後端寄りの外周面におけるスリット2fの延長線上には、図10に示すように、第2支持突起2gが径方向外側(Y軸方向左向き)に突設され、第2支持突起2gには、X軸方向に延びるフック9の中程が第1支軸h1と同方向(Z軸方向)に延びる第3支軸h3により回動可能に軸支されている。
フック9の後端側には、第1及び第2係合溝8a、8bに係脱可能な係合突起9aが顎開閉操作ノブ8の先端部外周面に向かって突設される一方、フック9の先端側の挿入管部2との対向面には、第3コイルバネ9bの一端が固着されている。
また、当該挿入管部2の外周面には、第3コイルバネ9bの他端が固着され、第3コイルバネ9bは、フック9を顎開閉操作ノブ8先端部外周面側(Y軸方向図示右向き)に回動付勢してフック9をX軸方向に延びる姿勢に保持するように構成されている。
この実施形態の第1及び第2縫合針11a、11bは、ニッケルチタン合金などの超弾性合金やSUSなどの不銹鋼からなり、第1縫合針11aが一方の屈曲操作部材41に、第2縫合針11bが他方の屈曲操作部材41にそれぞれ挿通可能となっている。
第1縫合針11aの全長は、一方の屈曲操作部材41に第1顎5を加えた全長より長く、第2縫合針11bの全長は、他方の屈曲操作部材41に第2顎6を加えた全長より長くなっている。
そして、図8〜図11に示すように、例えば顎部3が挿入管部2のX軸方向に延びる姿勢で、且つ、フック9の係合突起9aが第1係合溝8aに係合する状態で顎開閉操作ノブ8をX軸方向の前方側(X1方向)にスライド移動させると、連結プレート8dを介して開閉操作ロッド7(72a、7b、73、72b、7a)がX軸方向の前方(X2方向)に移動し、開閉操作ロッド7の移動動作によりガイド面71aが縫合操作部6aの支持片6c後端部の第1顎5側角部に摺接して当該部分を次第に押圧することで第2顎6を第1コイルバネ13の付勢力に抗して第1顎5側へと回動させて(X3方向)第1顎5及び第2顎6を接近させ、第1顎5及び第2顎6で生体管T1、T2の切断端部C1、C2(図16)を把持するように構成されている。
また、顎開閉操作ノブ8をX軸方向の前方側にスライド移動させると、第1係合溝8aにおけるX軸方向の後方の面がフック9の係合突起9a先端側を押圧し、係合突起9aが第1係合溝8aに摺接しながらフック9が第3コイルバネ9bの付勢力に抗して回動するとともに、係合突起9aが第2係合溝8bに対応すると、フック9は、第3コイルバネ9bの復元力により回動して係合突起9aが第2係合溝8bに係合し、挿入管部2に対する顎開閉操作ノブ8の位置が保持されるように構成されている。
さらに、図14及び図15に示すように、第1顎5及び第2顎6で生体管T1、T2の切断端部C1、C2(図16)を把持して生体管T1、T2の切断端部C1、C2の肉壁が第1歯部52及び第2歯部62に倣って断面波状となるように重なった状態で、縫合糸12の一端12aが接続された第1縫合針11aを各第1凹条溝53に、縫合糸12の他端12bが接続された第2縫合針11bを各第2凹条溝63にそれぞれ順に挿入管部2側からX5、X6方向に通過させることにより巾着縫合が施される巾着縫合機構を有している。
一方、第1顎5及び第2顎6が接近した状態で、フック9の先端側を第3コイルバネ9bの付勢力に抗して挿入管部2側(Y軸方向右側)に押圧することによりフック9を回動させて係合突起9aと第2係合溝8bとの係合を解除し、顎開閉操作ノブ8をX軸方向後方側にスライド移動させると、連結プレート8dを介して開閉操作ロッド7がX軸方向後方側に移動し、開閉操作ロッド7の移動動作によりガイド面71aが縫合操作部6aの支持片6c後端部に対する押圧を解除することで第2顎6を第1コイルバネ13の復元力で反第1顎5側へと回動させて第1顎5及び第2顎6を離間させ開き状態になるように構成されている。
なお、第1顎5及び第2顎6の把持動作は、顎部3が挿入管部2のX軸方向に延びる直線状態の姿勢でなく、屈曲状態でも行うことができる。すなわち、図1及び図4に示すような挿入管部2に対して顎部3が直交する屈曲姿勢で顎開閉操作ノブ8をX軸前方向にスライドさせると、図12(a)、(b)に示すように、開閉操作ロッド7のX軸前方向への移動動作により、ガイド面71aが縫合操作部6aの支持片6c後端部の第1顎5側角部に摺接して当該部分を次第に押圧することで第2顎6を第1コイルバネ13の付勢力に抗して第1顎5側へと回動させて(X4方向)第1顎5及び第2顎6を接近させ、第1顎5及び第2顎6で生体管T1、T2の切断端部C1、C2(図16)を把持するように構成されている。
つまり、この実施形態における巾着縫合デバイス1では、挿入管部2に対する顎部3の角度が如何なる場合であっても、開閉操作ロッド7の移動動作時にガイド面71aが第2顎6の縫合操作部6aの支持片6c後端部に摺接して第1及び第2顎5、6を開閉させることができる。
このように、実施形態1においては、第1顎5と第2顎5の間に設けられる付勢部材13と、X軸方向に移動可能な開閉操作ロッド7と、開閉操作ロッド7の板状部71先端部に第2顎6の支持片6c後端部に対向し形成されたガイド面71aとで第2顎を第1顎に対して開閉動作させる顎開閉ガイド機構と、フック9及び顎開閉操作ノブ8と、から顎開閉駆動機構が構成される。
なお、ガイド面71aは、この実施形態の図9(a)に示すような略平面状に替えて、図9(b)に示すような曲面状に形成してもよい。
次に、低侵襲巾着縫合デバイス1を用いた生体管T1、T2の切断端部C1、C2(図16)に対する巾着縫合手術の手順の要点について説明する。
まず、手術者は、低侵襲巾着縫合デバイス1を予め顎部3が挿入管部2のX軸方向に延びる直線姿勢で、且つ、フック9の係合突起9aが第1係合溝8aに係合する、顎部3の閉じ状態にしておく。
次に、人体に形成された腹腔孔に設けられるトラカール(図示しない)に低侵襲巾着縫合デバイス1を顎部3から差し込むとともに、生体管T1、T2の切断端部C1、C2の巾着縫合を施す部位に対して顎部3が適切な姿勢となるよう、屈曲操作ノブ44を操作し挿入管部2に対して屈曲させる。
第1顎5及び第2顎6が、生体管T1、T2の切断端部C1、C2に対して略直交姿勢にするとともにフック9の先端側を押圧して係合突起9aと第2係合溝8bとの係合を解除し、顎開閉操作ノブ8をX軸方向後方にスライド移動させてガイド面71aが第2顎6の支持片6c後端部に対する押圧を解除し、第2顎6を第1コイルバネ13の復元力で第1顎5及び第2顎6を開き状態にした後、生体管T1、T2の切断端部C1、C2が第1及び第2顎5、6の間に位置するようにして、顎開閉操作ノブ8をX軸方向前方にスライド移動させる。すると、開閉操作ロッド7がX軸方向前方に移動してガイド面71aが第2顎6の支持片6c後端部に摺接し、第2顎6が第1顎5側に回動して第1及び第2顎5、6で生体管T1、T2の切断端部C1、C2を径方向から把持する。
次いで、手術者は、縫合針カートリッジ11の第1縫合針11a及び第2縫合針11bの後端部に連結される縫合操作部11c(図26参照)を操作して押し込み、図14及び図15に示すように、第1縫合針11aを各第1凹条溝53に、第2縫合針11bを各第2凹条溝63にそれぞれ挿入管部2側から通過させる。この場合、予め縫合糸12は、一端12aが第1縫合針11aの先端部に設けられた一対又は1つの縫合糸挿通口11a2に、他端12bが第2縫合針11bの先端部に設けられた一対又は1つの縫合糸挿通口11b2にそれぞれ挿通されている。
しかる後、第1縫合針11aの縫合糸挿通口11a2及び第2縫合針11bの縫合糸挿通口11b2から後方にそれぞれ縫合糸12の両端12a、12bを引抜いて取り外し、縫合糸12の一端12a側と他端12b側とを牽引しながら結紮して切断端部C1、C2の巾着縫合処置を完了する。
この巾着縫合作業の際に、図15に示す縫合糸12のUターン部12cが第1凹条溝53の第1開口部53b及び第2凹条溝63の第2開口部63bを通り抜けることにより顎部3の先端から縫合糸12が抜き出される。
その後、フック9の先端側を第3コイルバネ9bの付勢力に抗して挿入管部2側に押圧するとともに、顎開閉操作ノブ8をX軸後方向にスライドさせる。すると、開閉操作ロッド7がX軸後方向に移動してガイド面71aが縫合操作部6a後端部の押圧を解除し、第1コイルバネ13の復元力で第1及び第2顎5、6が離間し開き状態となり、巾着縫合された生体管T1、T2の切断端部C1、C2が開放される。
そして、再度顎部3を閉じ状態とするとともに挿入管部2のX軸方向に延びる直線姿勢に戻して腹腔孔のトラカール(図示しない)から低侵襲巾着縫合デバイス1を顎部3まで取り出して巾着縫合手術を終了する。
(実施形態2)
本発明の実施形態2に係る低侵襲巾着縫合デバイス1Aは、操作部4Aの顎開閉駆動機構及び顎部屈曲駆動機構の構成が、図17に示すように、前記実施形態1の巾着縫合デバイス1における操作部4の顎開閉駆動機構及び顎部屈曲駆動機構の構成とは、自動操作化するために一部変更される相異点を除いて、その他の構成は前記実施形態1の低侵襲巾着縫合デバイス1と同様である。
したがって、図17において、前記実施形態1と同じ機能・構成を有する部材には、一部形状が異なっていても説明を簡明化するため図1〜16の構成部材と同一の符号を付し(あるいは実施形態1と同一の符号にAを付記し)、実施形態1の操作部4の顎開閉駆動機構及び顎部屈曲駆動機構以外の操作部4、挿入管部2、顎部3と全く同様の機能・構成を有するので、これらの詳細な説明は省略する。
実施形態2の顎開閉駆動機構は、環状把手部2bに突設された取付金具2Afに本体81が固設され、ロッド82先端部が顎開閉操作ノブ8のフランジ状把手部8c後端面に連結され、顎開閉操作ノブ8を開閉操作ロッド7と共にX軸方向に前進又は後退させることにより、自動的にいずれも図示しない第2顎を第1顎に対して閉じ又は開き動作を行なう電動マイクロリニアアクチュエータ80を備えている。
電動マイクロリニアアクチュエータ80は、ボールねじなどの螺旋機構を減速機付小型モータで駆動しロッド82を軸方向に移動させる、例えば「ロボシリンダー」などの商品名で市販されている公知の小型電動シリンダー等を適用することができる。
また、実施形態2の顎部屈曲駆動機構は、把手部材42の連結部42aに設けられた取付金具42dに本体46が固着され、雄螺旋軸44aの後端部に回転軸47が連結され、雄螺旋軸44aを正逆回転させてX軸方向への螺進又は螺退動作で連結部42aに連結された一対の屈曲操作部材41を挿入管部2のX軸方向に移動させて図示しない顎部の角度変更(屈曲)動作を行なう減速機付小型電動モータ45を備えている。
(実施形態3)
本発明の実施形態3に係る低侵襲巾着縫合デバイス1Bは、操作部4Bの顎開閉駆動機構及び顎部屈曲駆動機構の構成が、図18(a)〜(c)、図19及び図20に示すように、前記実施形態1の低侵襲巾着縫合デバイス1における操作部4の顎開閉駆動機構及び顎部屈曲駆動機構の構成とは、スマート化するために一部変更される相異点を除いて、その他の構成は前記実施形態1の低侵襲巾着縫合デバイス1と同様である。
したがって、図18(a)〜(c)、図19及び図20において、前記実施形態1と同じ機能・構成を有する部材には、一部形状が異なっていても説明を簡明化するため図1〜16の構成部材と同一の符号を付し(あるいは実施形態1と同一の符号にBを付記し)、実施形態1の操作部4の顎開閉駆動機構及び顎部屈曲駆動機構以外の操作部4、挿入管部2、顎部3と全く同様の機能・構成を有するので、これらの詳細な説明は省略する。
実施形態3の顎開閉駆動機構は、挿入管部2Bの後端部に連結する環状把手部2Bbの後端部2BdにX軸周りの回転が拘束されてX軸方向移動可能に配置され、開閉操作ロッド7Bの後端部7Bbに連結され、且つ、外周面に雄螺旋8Bdが螺刻された環状雄螺旋部材8Bcと、雄螺旋8Bdに螺合する雌螺旋が螺刻された螺旋孔8Bbを有し、環状把手部2Bbの後端部2Bdに止めねじ8Bgを介して外嵌合し固着されたストッパ8BfによりX軸方向移動が拘束されてX軸周りに回転可能に設けられ、正逆回転することにより環状雄螺旋部材8Bcを開閉操作ロッド7Bと共にX軸方向に螺進又は螺退させ、いずれも図示しない第2顎を第1顎側への閉じ方向又は反第1顎側への開き方向に回動させる手動操作式回転駆動手段の顎開閉操作手段である顎開閉操作ノブ8Bと、を備えている。
環状雄螺旋部材8Bcの後端面には、環状雄螺旋部材8Bcより拡径されたストッパ7Bcが止めねじ7Bdを介して固着されている。ストッパ7Bcは、顎開閉操作ノブ8BのX軸後方への抜け止め機能も有している。
また、実施形態3の顎部屈曲駆動機構は、挿入管部2Bの後端部2Bb近傍の環状把手部2BbにX軸周りの回転が拘束されてX軸方向移動可能に設けられ、一対の屈曲操作部材41の後端部に止めねじ44Beを介して連結され、且つ、外周面に雄螺旋44Bdが螺刻された環状雄螺旋部材44Bcと、環状雄螺旋部材44Bcに螺合する雌螺旋が螺刻された螺旋孔44Bbを有し、環状把手部2Bbに停めねじ44Bg、44Biを介してそれぞれ外嵌合し固着されたストッパ44Bf、44BhによりX軸方向移動が拘束されてX軸周りに回転可能に設けられており、正逆回転することにより環状雄螺旋部材44BcをX軸方向に螺進又は螺退させることで屈曲操作部材41をX軸方向前進又は後退させて図示しない顎部の屈曲角度変更動作を行なう手動操作式回転駆動手段の屈曲角度操作手段44Bと、を備えている。
屈曲角度操作手段44Bは、指で握り易い複数の突起部44Baが形成されている。
実施形態3の環状把手部2Bbは、図18(a)〜(c)、図19に示すように、スリット2Beがストッパ44Bfの前端部から環状把手部2Bbの後端部2BdまでX軸に沿って形成されており、スリット2Be内に、一対の第1、第2縫合針11a、11bの後端部が止めねじ11dを介して連結する、縫合操作部11cがX軸方向移動可能に設けられている。この場合、縫合操作部11cは後端面がストッパ8Bfの先端面に当接するまでX軸後方向への後退移動が可能である。屈曲角度操作手段44Bの環状雄螺旋部材44Bc及び顎開閉操作手段(顎開閉操作ノブ)8Bの環状雄螺旋部材8BcがX軸方向に移動する区間近傍部位のスリット2Beは、それぞれY軸方向に貫通し形成されている。
一対の縫い針11a、11bは、図26(a)〜(d)に示すように、尖鋭状先端部11a1、11b1に連結する後方部が例えばSUS製ワイヤなどの可撓性部材又はニッケルチタン合金などの超弾性合金からなり、それぞれ例えばSUS製などの薄肉細径カバーパイプ14内にX軸方向移動可能に収容されており、カバーパイプ14の後端部が止めねじ11eを介して縫い針操作部11cに連結されている。すなわち、一対の第1、第2縫合針11a、11b、縫合糸12(図15、図26(d)参照)、一対のカバーパイプ14及び縫合操作部11cから縫合針カートリッジ11が構成される。
縫合針カートリッジ11は、図18(b)、図19に示すように、挿入管部2B内に設けられた一対の貫通孔2c内にX軸方向移動可能に挿通されたチューブ状の屈曲操作部材41内にX軸方向移動可能に挿通される。また、縫合糸12は、挿入管部2B内に設けられた縫合糸挿通孔2g内に挿通される。
貫通孔2c、縫合糸挿通孔2g及び縫合針カートリッジ11の構成は、上記実施形態1、2に係る低侵襲巾着縫合デバイス1、1Aにおいても同様である。
また、チューブ状屈曲操作部材41後端部内に縫合針カートリッジ11の一対の縫合針11a、11b先端部を挿入する際に、図27(a)、(b)に示すように、一対の縫合針11a、11bが挿通される一対のチューブ状屈曲操作部材41後端部に対応する位置にX軸方向に沿って穿設され、縫合針11a、11bがそれぞれ嵌入可能な一対のスリット溝81b及びスリット溝81bに連設し図示Y軸上方向に拡がるテーパ面81aからなる開口ガイド溝81と、開口ガイド溝81の外面の図示Y軸下半部が環状把手部2Bbのスリット2Be内に一時的に着脱可能に嵌合する予備装着部82と、を有する縫合針カートリッジセッティング治具80が好適に適用される。
この縫合針カートリッジセッティング治具80を環状把手部2Bbのスリット2Be内に予備装着部82を嵌合し一時的に装着して用いることにより、細いチューブ状屈曲操作部材41後端部に対してスリット溝81bにより位置合せされた一対の縫合針11a、11b先端部を屈曲操作部材41内に容易に挿入することができ、縫合針カートリッジ11の環状把手部2Bbへのセッティングが容易化する。縫合針カートリッジ11の環状把手部2Bbへのセッティングの後には、縫合針カートリッジセッティング治具80は環状把手部2Bbのスリット2Be内から取り外される。
また、環状雄螺旋部材8Bcは、図18(c)に示すように、軸対称に外面が2ヶ所カットされて環状把手部2Bbのスリット2Be内に摺動可能に嵌合するガイド面8Bhが形成されており、これによりX軸周りの回転が拘束されてX軸方向移動可能に構成されている。
環状雄螺旋部材44Bcも、図18(b)に示すように、環状雄螺旋部材8Bcと同様に、軸対称に外面が2ヶ所カットされてスリット2Be内に摺動可能に嵌合するガイド面44Bjが形成されており、これによりX軸周りの回転が拘束されてX軸方向移動可能に構成されている。
(実施形態4)
本発明の実施形態4に係る低侵襲巾着縫合デバイス1Cは、操作部4Cの顎開閉駆動機構及び顎部屈曲駆動機構の構成が、図21に示すように、前記実施形態3の巾着縫合デバイス1Bにおける操作部4Bの顎開閉駆動機構及び顎部屈曲駆動機構の構成とは、自動操作化するために一部変更される相異点を除いて、その他の構成は前記実施形態3の低侵襲巾着縫合デバイス1Bと同様である。
したがって、図21において、前記実施形態3と同じ機能・構成を有する部材には、一部形状が異なっていても説明を簡明化するため図18(a)〜(c)及び図19の構成部材と同一の符号を付し(あるいは実施形態3と同一の符号にBに替えてCを付記し)、実施形態3の操作部4Bの顎開閉駆動機構及び顎部屈曲駆動機構以外の操作部4B、挿入管部2B、顎部3Bと全く同様の機能・構成を有するので、これらの詳細な説明は省略する。
実施形態4の顎開閉駆動機構は、環状把手部2Bbの後端部2BdにX軸周りの回転が拘束されてX軸方向移動可能に設けられ、開閉操作ロッド7Bの後端部7Bbに止めねじ8Beを介して連結された環状操作ロッド駆動部材8Ccと、環状把手部2Bbの後端部2Bdに突設された取付金具2Ceに本体8Caが固着され、ロッド8Cb先端部が環状操作ロッド駆動部材8Ccの外面に突設された取付金具8Cdに連結されて環状操作ロッド駆動部材8Ccを開閉操作ロッド7Bと共にX軸方向前進又は後退させることより図示しない第2顎を第1顎側への閉じ方向又は反第1顎側への開き方向に回動させる自動操作式の顎開閉操作手段である電動マイクロリニアアクチュエータ8Cと、を備えている。
また、実施形態4の顎部屈曲駆動機構は、挿入管部2Bの後端部近傍の環状把手部2BbにX軸周りの回転が拘束されてX軸方向移動可能に設けられ、一対の屈曲操作部材41の後端部に止めねじ44Beを介して連結された環状屈曲操作部材駆動部材44Ccと、環状屈曲操作部材駆動部材44Cc近傍の把手部2Bbに突設された取付金具2Cfに本体44Caが固着され、ロッド44Cb先端部が環状操作ロッド駆動部材44Ccの外面に突設された取付金具44Cdに連結されて環状屈曲操作部材駆動部材44CcをX軸方向に螺進又は螺退させることで屈曲操作部材41をX軸方向前進又は後退させて図示しない顎部の屈曲角度変更動作を行なう自動操作式屈曲角度操作手段である電動マイクロリニアアクチュエータ44Cと、を備えている。
また、環状操作ロッド駆動部材8Cc及び環状屈曲操作部材駆動部材44Ccは、それぞれ軸対称に外面が2ヶ所カットされてスリット2Be内に摺動可能に嵌合するガイド面8Ch、44Cjが形成されており、これにより両者8Cc、44CcはX軸周りの回転が拘束されてX軸方向移動可能に構成されている。
(実施形態5)
本発明の実施形態5に係る低侵襲巾着縫合デバイス1Dは、顎部3Dの顎開閉駆動機構の顎開閉ガイド機構の構成が、図22(a)、(b)に示すように、前記実施形態1の低侵襲巾着縫合デバイス1における顎部3の顎開閉ガイド機構の構成とは一部変更される相異点を除いて、その他の構成は前記実施形態1の低侵襲巾着縫合デバイス1と同様である。
したがって、図22(a)、(b)において、前記実施形態1と同じ機能・構成を有する部材には、一部形状が異なっていても説明を簡明化するため図9(a)、(b)及び図11の構成部材と同一の符号を付し(あるいは実施形態1と同一の符号にDを付記し)、実施形態1の顎開閉ガイド機構以外の顎部3、操作部4、挿入管部2と全く同様の機能・構成を有するので、これらの詳細な説明は省略する。
実施形態5の顎開閉ガイド機構は、第1顎5と第2顎6Dの間に設けられ、両者が離間して傾斜し開き姿勢に保持する第1コイルバネ(付勢部材)13と、第2顎6Dの縫合操作部6aの支持片6Dcの第1顎5の支持片5cに対向する側面の後端部に形成されたガイド面6Ddと、を有している。
そして、顎部3DのX軸に対する任意の屈曲角度において、開閉操作ロッド7DのX軸方向前進動作により板状部71Dの先端角部が第2顎6の支持片6Dc後端のガイド面6Ddに摺接してガイド面6Ddが次第に押圧されることで第2顎6Dを第1コイルバネ13の付勢力に抗して第1顎5側への閉じ方向に回動させる。
一方、当該閉じ状態で、開閉操作ロッド7DのX軸方向後退動作により板状部71Dの先端角部が第2顎6Dの支持片6Dc後端のガイド面6Ddに対する押圧が解除されることで第2顎6Dを第1コイルバネ13の復元力で反第1顎5側への開き方向に回動させるように構成されている。
また、ガイド面6Ddは、この実施形態の図21(a)に示すような略平面状に替えて、図22(b)に示すような曲面状に形成してもよい。
なお、実施形態5のガイド面6Ddの開閉操作ロッド7DのX軸方向前進動作(顎部3D閉じ動作)時において、板状部71Dの先端角部が当接するガイド面6Ddの先端部6Deと第2顎6Dの開閉時回動中心となる第2支軸h2の中心との間の距離が、前記実施形態1の支持片6c後端角部が当接するガイド面71aの後端部71cと第2支軸h2の中心との間の距離より短くなるので、その分、第2顎6Dを第1コイルバネ13の付勢力に抗して第1顎5側へと回動させための駆動力が増大する。この点では、前記実施形態1の顎開閉ガイド機構の方が、実施形態3の顎開閉ガイド機構より勝ると言える。
(実施形態6)
本発明の実施形態6に係る低侵襲巾着縫合デバイス1Eは、操作部4Eの顎開閉駆動機構の構成が、図23に示すように、前記実施形態3の巾着縫合デバイス1Bにおける操作部4Bの顎開閉駆動機構の構成とは、一部変更される相異点を除いて、その他の構成は前記実施形態3の低侵襲巾着縫合デバイス1Bと同様である。
したがって、図23において、前記実施形態3と同じ機能・構成を有する部材には、一部形状が異なっていても説明を簡明化するため図18(a)〜(c)及び図19の構成部材と同一の符号を付し(あるいは実施形態3と同一の符号にBに替えてCを付記し)、実施形態3の操作部4Bの顎開閉駆動機構以外の操作部4B、挿入管部2B、顎部3Bと全く同様の機能・構成を有するので、これらの詳細な説明は省略する。
実施形態6の顎開閉駆動機構は、図23に示すように、図示しない挿入管部の後端部に連結する環状把手部の後端部2Ebから図示Z軸下方部に設けられた把持ハンドル2Eaを有する固定ハンドル構造2Edと、固定ハンドル構造2Edの後端部に支持ピン8Epによりピボット連結され、開閉操作ロッド7Eの後端部7Ebと連携して図示しない顎部を開閉させる、可動把持ハンドル8Eaを有する手動操作式の顎開閉操作手段である顎開閉操作ハンドル8Eと、を備えている。
顎開閉操作ハンドル8Eの操作に伴い、開閉操作ロッド7EをX軸方向に前進又は後退させることができる。
この実施形態においては、開閉操作ロッド7Eは、図23に示すように、後端部7Ebに顎開閉操作ハンドル8Eがピボット連結される支持ピンEpの図示Z軸上方に離隔してX軸上に形成された凹溝8Eb内に滑動自在に嵌合する球状体7Ecを備え、固定ハンドル構造2Edの上端部に連結する環状把手部の後端部2EbにX軸に沿って形成されたガイド孔2Ef内をスライド可能に挿通されている。
そして、顎開閉操作ハンドル8Eを固定ハンドル構造2Edの把持ハンドル2Ea方向(図示実線矢印方向)への閉操作又はこれと反対方向(図示破線矢印方向)の開操作に伴って、開閉操作ロッド7EをX軸方向に後退又は前進させ、図示しない第2顎の開き又は閉じ動作を行なう。
顎開閉操作ハンドル8E、固定ハンドル構造2Edの形状及び機構等は上記に限定されるものではなく、公知の各種内視鏡外科手術用鉗子等の操作部及び可動ハンドル、固定ハンドル構造の構成を選択的に適用することができる。
(実施形態7)
本発明の実施形態7に係る低侵襲巾着縫合デバイス1Fは、顎部3の顎開閉駆動機構の構成が、図24(a)、(b)、図25(a)に示すように、前記実施形態1の低侵襲巾着縫合デバイス1の顎開閉駆動機構の構成とは一部変更される相異点を除いて、その他の構成は前記実施形態1、3の低侵襲巾着縫合デバイス1、1Bと同様である。
したがって、図24(a)、(b)、図25(a)において、前記実施形態1、3と同じ機能・構成を有する部材には、一部形状が異なっていても説明を簡明化するため図1、2、図9(a)、(b)、図11あるいは図18(a)〜(c)及び図19の構成部材と同一の符号を付し(あるいは実施形態1、3と同一の符号に直接又はBに替えてFを付記し)、実施形態1、3の顎開閉駆動機構関連部以外の顎部3、操作部4、4B、挿入管部2、2Bと全く同様の機能・構成を有するので、これらの詳細な説明は省略する。
実施形態7の顎開閉駆動機構は、図24(a)、(b)に示すように、第1顎5と第2顎6の間に設けられ、両者が離間して傾斜し開き姿勢に保持する第1コイルバネ(付勢部材)13と、開閉操作ロッド7Fの先端部71FにX軸方向前方に延設され、第2顎6の支持片6c後端部の第1顎5の支持片5cに対向する側面に接触可能にX軸に対して偏心し配置された曲面71Fbが形成された任意断面例えば円柱状ガイド部材71Faを備える顎開閉ガイド機構と、を有している。
この実施形態の顎開閉ガイド機構は、顎部3のX軸に対する任意の屈曲角度において、開閉操作ロッド7FのX軸回り一方向への回転動作によりガイド部材71Faのガイド部71Fbが第2顎6の支持片6c後端部の側面に摺接して当該側面が次第に押圧されることで第2顎6を第1コイルバネ13の付勢力に抗して第1顎5側への閉じ方向に回動させる。
一方、当該閉じ状態で、開閉操作ロッド7FのX軸回り相対的な一方向又は反対方向への所定角度例えばこの実施形態では略180°回転動作によりガイド部材71Faのガイド部71Fbが第2顎の支持片6c後端部の側面に対する押圧が解除されることで第2顎6を第1コイルバネ13の復元力で反第1顎5側への開き方向に回動させるように構成されている。
また、ガイド部材71Faは、例えば図24(c)に示すようなおむすび形断面あるいは図示しない任意の多角形断面状に形成することができる。
この実施形態の操作部4Fにおける顎開閉駆動機構は、図25(b)に示すように、挿入管部2F(図24(a))の後端部に連結する環状把手部2Fbの後端部2FdまでX軸周りに回転可能に挿通される開閉操作ロッド7Fの後端部7Fdに連結されてX軸周りに回転可能に設けられ、正逆回転することにより開閉操作ロッド7FをX軸回りに回転させ、第2顎6を第1顎5側への閉じ方向又は反第1顎3側への開き方向に回動させる手動操作式回転駆動手段の顎開閉操作手段である顎開閉操作ノブ8Fを備えている。
(実施形態8)
本発明の実施形態8に係る低侵襲巾着縫合デバイス1Gは、操作部4Gにおける顎開閉駆動機構の構成が、図25(b)に示すように、前記実施形態8の低侵襲巾着縫合デバイス1Fの操作部4Fにおける顎開閉駆動機構の構成とは一部変更される相異点を除いて、その他の構成は前記実施形態7の低侵襲巾着縫合デバイス1Fと同様である。
したがって、図25(b)において、前記実施形態7と同じ機能・構成を有する部材には、一部形状が異なっていても説明を簡明化するため図25(a)の構成部材と同一の符号を付し(あるいは実施形態7と同一の符号にFに替えてGを付記し)、実施形態7の顎開閉駆動機構関連部以外の顎部3、操作部4F、挿入管部2Fと全く同様の機能・構成を有するので、これらの詳細な説明は省略する。
実施形態8の操作部4Gにおける顎開閉駆動機構は、図25(b)に示すように、挿入管部2Fの後端部に連結する環状把手部2Fbの後端部2Fdに設けられた取付金具2Geに本体8Gaの先端フランジ8Gbが固着され、環状把手部2Fbの後端部2FdまでX軸周りに回転可能に挿通される開閉操作ロッド7Fの後端部7Fdに回転軸の先端部8Gcが連結され、正逆回転することにより開閉操作ロッド7FをX軸回りに回転させ、第2顎6を第1顎5(図24(a))側への閉じ方向又は反第1顎3側への開き方向に回動させる自動操作式回転駆動手段の顎開閉操作手段である減速機付小型電動モータ8Gを備えている。
(実施形態9)
本発明の実施形態9に係る低侵襲巾着縫合デバイス1Hは、挿入管部2H及び巾着縫合機構の構成が、図28(a)、(b)に示すように、前記実施形態3の低侵襲巾着縫合デバイス1Bの挿入管部2B及び巾着縫合機構の構成とは一部変更される相異点を除いて、その他の構成は前記実施形態3の低侵襲巾着縫合デバイス1Bと同様である。
したがって、図28(a)、(b)において、前記実施形態3と同じ機能・構成を有する部材には、一部形状が異なっていても説明を簡明化するため図18(a)〜(c)、図19、20、26(a)〜(d)の構成部材と同一の符号を付し(あるいは実施形態3と同一の符号にBに替えてHを付記し)、実施形態3の挿入管部2B及び巾着縫合機構との相違する関連部以外の顎部3B、操作部4B、挿入管部2Bと全く同様の機能・構成を有するので、これらの詳細な説明は省略する。
実施形態9の巾着縫合機構は、図28(a)、(b)に示すように、細径薄肉中空管状体からなり、後端に縫合操作部11Hcが連結され、先端が尖鋭状に形成された尖鋭端11a1、11b1を有し、尖鋭端11a1、11b1近傍に縫合糸12の両端12a、12bがそれぞれ挿通する縫合糸挿通口11a2、11b2が1個又は2個開設された一対の第1縫合針11a及び第2縫合針11bと、一対の第1縫合針11a及び第2縫合針11bが着脱可能に挿通される一対の細径薄肉中空管状部14aが連通して連結される薄肉スリット状連通部14bからなる縫合針ケース14と、を有する縫合針カートリッジ11Hと、一端12aが第1縫合針11aの、他端12bが第2縫合針11bの縫合糸挿通口11a2、11b2にそれぞれ挿通され、中間部12cが縫合糸ケース14のスリット状連通部14b内に収容される縫合糸12と、挿入管部2HのX軸方向後端面から先端部に亘り開設され、縫合針カートリッジ11Hが着脱可能に挿通される縫合針カートリッジ挿通孔2Hcと、から構成される。
縫合操作部11Hcは、図28(b)に示すように、反顎部屈曲方向である図示Y軸上方向側が凹面状に形成された把手部11Hcaを有する。縫合操作部11Hcは、後述するが、任意の形状に選択的に形成される。
縫合針カートリッジ挿通孔2Hcは、縫合針カートリッジ11Hの一対の中空管状部14aが挿通するための一対の円筒状孔2Hc1と、一対の円筒状孔2Hc1が連通して連結され、縫合針カートリッジ11Hのスリット状連通部14bが挿通するためのスリット状連通孔2Hc2とから形成される。
縫合針カートリッジ11Hは、安全衛生をキープするため、全体又は一対の第1縫合針11a及び第2縫合針11bから取り外した縫合操作部11Hcを除いて単回使用で廃棄される。
実施形態9の挿入管部2Hは、図28(a)に示すように、X軸方向に沿って断面Y軸方向に2分割に縦断される一対の分割体2Ha、2Hbから構成され、ねじ部材2HFにより分解可能に一体的に組み付けられる。挿入管部2Hの断面Y軸方向の分割形状は、縫合針カートリッジ11H、開閉操作ロッド7B、屈曲操作部材41J等の挿入管部2H内に挿通される構成部材の配置状況に応じて種々の形状に選択的に変更することができる。
また、いずれも図示しないが、前記実施形態3と同様に構成される環状把手部を含む操作部は挿入管部2Hの後端部に着脱可能に連結され、前記実施形態1、3等と同様に構成されるいずれも図示しない第1支軸は挿入管部2Hの先端部及び第1顎の後端部に、第2支軸は第1顎及び第2顎の後端部にそれぞれ着脱可能に挿通されることにより、挿入管2H内に挿通される縫合針カートリッジ11H、開閉操作ロッド7B等の構成部材及び図示しない顎部の構成部材の消毒洗浄が容易に行なえるように解体可能に構成される。
また、図28(c)に図28(a)のN部に相当する部分の変形実施形態を示すように、縫合針ケース14の外面及び縫合針カートリッジ挿通孔2Hcの内面形状を平面形状とし簡素化することもできる。すなわち、縫合針ケース14の外面は一対の中空管状部14aの外面と薄肉スリット状連通部14bの外面とが平面形状に連接され、同様に、縫合針カートリッジ挿通孔2Hcの内面は一対の円筒状孔2Hc1の内面とスリット状連通孔2Hc2の内面とが平面形状に連接され形成される。
図28(c)に示す変形実施形態においては、縫合針カートリッジ11Hを挿入管部2Hの縫合針カートリッジ挿通孔2Hc内に挿通した状態で、挿入管部2Hを2分割に解体してそのまま挿入管部2Hの縫合針カートリッジ挿通孔2Hcの2分割内面から取り出すことができる。図28(a)の実施形態9においては、先に縫合針カートリッジ11Hを挿入管部2Hの縫合針カートリッジ挿通孔2Hc内から後方に引抜いた後で挿入管部2Hを2分割に解体する必要がある。
(実施形態10)
本発明の実施形態10に係る低侵襲巾着縫合デバイス1Jは、縫合針カートリッジ11J、顎部3J及び顎部屈曲駆動機構の構成が、図29(a)、図30に示すように、前記実施形態9の縫合針カートリッジ11H及び実施形態1、3の顎部屈曲駆動機構の構成とは一部変更される相異点を除いて、その他の構成は前記実施形態9及び実施形態1、3の低侵襲巾着縫合デバイス1H及び低侵襲巾着縫合デバイス1、1B等と同様である。
したがって、図29(a)、図30において、前記実施形態9及び実施形態1、3と同じ機能・構成を有する部材には、一部形状が異なっていても説明を簡明化するため図28(a)〜(c)及び図1〜15、18(a)〜(c)、図19の構成部材と同一の符号を付し(あるいは実施形態9及び実施形態1〜3と同一の符号にHに替えてJを付記し)、実施形態9及び実施形態1〜3の縫合針カートリッジ11H、顎部3J及び顎部屈曲駆動機構との相違する関連部以外の顎部3、操作部4B、挿入管部2Hと全く同様の機能・構成を有するので、これらの詳細な説明は、省略する。
実施形態10の縫合針カートリッジ11Jは、図29(a)に示すように、縫合操作部11Jcの把手部11Jcaを含む全体形状が実施形態9の把手部11Hcaとは異なる。
また、第1縫合針11Ja及び第2縫合針11Jbは、ニッケルチタン合金などの超弾性形状記憶合金からなり、顎部3Jの第1支軸h1の外周面に対応する先端近傍区域が顎部3Jの屈曲する方向に屈曲形成されている。
縫合操作部11Jcに替えて、図29(b)、(c)、(d)に示すように、把手部11Kca、11Lca、11Mcaの形状が異なる各種変形形態の縫合操作部11Kc、11Lc、11Mcを選択的に採用することができる。
さらに、実施形態10の顎部屈曲駆動機構は、図30に示すように、実施形態1、3等における一対のチューブ状屈曲操作部材41に替えて、縫合針カートリッジ挿通孔2Hcに平行配置されX軸方向に開設された一本の貫通孔2Hg内にX軸方向移動可能に挿通され(図28(a)参照)、且つ、先端部に第1顎5の支持片5J後端部に突設された連係部材5Jdに形成されたスライドガイド孔5Jeにスライド可能に係合する小ロッド状係合部41Jaがスライドガイド孔5Jeに向けて突設された一本のロッド状屈曲操作部材41Jと、屈曲操作部材41Jの後端部を連結してX軸方向前進又は後退させ連係部材5Jdのスライドガイド孔5Jeに対する押圧又は引込動作を行うことにより、顎部3Jを第1支軸h1周りに回動させてX軸に対する一方向への顎部3Jの屈曲角度を変更させる顎部屈曲駆動機構(実施形態3と同様で、図示しない)と、を有する。
したがって、実施形態10の顎部屈曲駆動機構においては、第1縫合針11Ja及び第2縫合針11Jbの第1支軸h1の外周面に対応する先端近傍区域が顎部3Jの屈曲する方向に屈曲形成されるので、第1縫合針11Ja及び第2縫合針11Jbを実施形態1、3における一対のチューブ状屈曲操作部材41内に挿通する必要性が無く、縫合針カートリッジ11Jを直に挿入管部2Hの縫合針カートリッジ挿通孔2Hc内に挿通するとともに、実施形態1、3の一対のチューブ状屈曲操作部材41に替えて一本のロッド状操作部材41Jを適用する好適な構成とすることにより、顎部屈曲駆動機構の信頼性を一層向上させることができる。
以上から、本発明の実施形態1〜10に係る低侵襲巾着縫合デバイス1〜1Jによると、顎部3、3D、3Jの挿入管部2、2B、2D、2F、2Hに対する屈曲角度がいかなる場合であっても、開閉操作ロッド7、7B、7D、7E、7FのX軸方向移動動作又はX軸回り回転動作だけで顎部3、3D、3Jの把持動作及び被縫合体の巾着縫合動作が行われるので、把持動作の際、特許文献1に記載の巾着縫合用器具のような、顎部3、3B、3D、3Jと開閉操作ロッド7、7B、7D、7E、7Fとの間の構成部材が挿入管部2、2B、2D、2F、2Hの径方向外側に大きく張り出すようなことはなく、手術時に人体内部に広いスペースが無いような場合であっても、把持動作により低侵襲巾着縫合デバイス1〜1Jの一部が人体に不意に接触するようなことが抑制され、安全に巾着縫合作業を行うことができる。
また、顎部3、3B、3D、3Jと挿入管部2、2B、2D、2F、2Hとの間には、特許文献1のようなリンク機構がなく、軽量、コンパクトでシンプルな構成であるので、経年変化等により把持動作がスムースに行われなくなり手術者の使用感を損ねる等の問題点を改善することができる。
また、第1凹条溝53及び第2凹条溝63にそれぞれ第1及び第2縫合針11a、11bを通過させるだけで生体管T1、T2の切断端部C1、C2に巾着縫合がなされるので、巾着縫合作業の時間を短縮して手術時の人体への負担も少ない低侵襲化を実現することができる。
さらに、特許文献1のような複雑なリンク機構がなく、最少部品数によるコンパクトでシンプルな顎開閉ガイド機構又は連係部材5Jdの構成により顎部3、3B、3D、3Jの回動動作を行えるようになり、経年劣化等による非平滑な動きのため顎部3、3D、3Jの角度変更(開閉)動作の時間が長くなることなどで手術者の使用感が損なわれる等の従来の問題点が改善される。
それに加えて、屈曲操作部材41又は及び第1縫合針11a、11Ja及び第2縫合針11b、11Jbは可撓性を有しているので、顎部3、3D、3Jの回動による屈曲動作が滑らかになり、手術者の使用感をさらに良好にすることができる。
また、顎部3、3B、3D、3Jで行われる巾着縫合作業を手術者が人体から離れた屈曲操作部材41、41Jの環状把手部2b、2Bb側で行えるようになるので、手術の安全性をさらに高めることができる。
また、顎部3、3B、3Dの屈曲動作を操作する屈曲操作部材41を利用して顎部3にまで第1及び第2縫合針11a、11bを到達させることができるので、第1及び第2縫合針11a、11bを顎部3、3Dにまで到達させるための構造を別途挿入管部2、2B、2D、2F内部に設ける必要がなく、最少部品数による軽量、コンパクトでシンプルな構成となることから、低コストの低侵襲巾着縫合デバイスを提供することができる。
さらに、屈曲操作ノブ44、44B又は減速機付小型電動モータ45によるX軸方向の螺進退動作により、挿入管部2、2Bに対する屈曲操作部材41の移動量を細かく調整できるので、顎部3の挿入管部2に対する所望の屈曲角度を細かく変更できる。
また、実施形態2、4及び8における顎開閉駆動機構及び顎部屈曲駆動機構に電動マイクロリニアアクチュエータ8C、44Cや減速機付小型電動モータ45、8Gなどの自動式操作手段を用いたパワーアシスト機構を構成する場合は、顎部の顎開閉及び顎部屈曲操作をすべて自動制御化できるので、巾着縫合手術の省力化、容易化及び操作性等を向上させる。
なお、本発明の実施形態1等では、巾着縫合作業を行う対象を腸などの生体管T1、T2の切断端部C1、C2にしているが、その他の生体管などの柔軟性管状体に対して巾着縫合作業を行う際にも低侵襲巾着縫合デバイス1〜1Jを好適に適用できる。
また、前記実施形態1〜10において、顎部3、3B、3D、3Jの開閉動作は、第1顎5、5Bが非開閉固定部として構成され第2顎6が開閉可動部として構成されているが、第1顎5、5Bあるいは、例えば公知の鉗子などに見られるように、両万の第1顎5、5B及び第2顎6を開閉可動部として構成することもできる。
さらに、前記第1顎5、5B、5J及び第2顎6、6D、前記挿入管部2、2B、2D、2F、前記開閉操作ロッド7、7B、7D、7E、7F等の生体内の挿入される構成部材は、いずれも適宜な剛性及び強度を有する医療適合性硬質樹脂材料から形成し、前記第1顎及び第2顎は第1支持軸h1及び第2支持軸h2をそれぞれ着脱可能に構成し、前記挿入管部や開閉操作ロッドは、図5(b)、図18(a)、図19、図21等に示すように、前記操作部4、4A、4B、4C、4E、4F、4Gにおけるそれぞれ環状把手部2b、2Bb、2Fbや把手部材42、環状雄螺旋部材8Bcあるいは環状操作ロッド駆動部材8Cc等との連結部2k、2Bkや7k、7Bkをそれぞれ着脱可能な、例えば嵌合機構又螺合機構により、構成することでいずれも分解可能とし、これらの構成部材は、一回又は複数回の前記巾着縫合処置後に選択的に廃棄(使い捨て)可能(ディスポ化)にすることができる。
このディスポ化構成により、巾着縫合デバイスの衛生管理の信頼性が一層向上する。
本発明の特定の実施形態についての前記説明は、例示を目的として提示したものである。それらは、網羅的であったり、記載した形態そのままに本発明を制限したりすることを意図したものではない。数多くの変形や変更が、前記の記載内容に照らして可能であることは当業者に自明である。