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JP6393165B2 - 付着物測定システム - Google Patents
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Description

本発明は、洗浄した被洗浄物に残留する付着物を測定する付着物測定システムに関する。
従来、例えば機械加工部品などの被洗浄物の洗浄後に残留した付着物を測定する場合、次のような測定方法が一般的であった。
洗浄後の被洗浄物を洗浄液で洗い流し、その採取液をフィルタを介して別の容器に吸引ポンプを用いて吸引し、フィルタ上に被洗浄物の付着物が残留する。付着物の付いたフィルタを乾燥機で乾燥したのち、フィルタの重量を重量測定器で測定する。付着物付きのフィルタの重量からフィルタ自体の重量を差し引いて、付着物の総重量を求める。また、顕微鏡でフィルタ上の付着物を観察し、付着物の大きさを一定の基準で分別し、基準大きさごとの個数を書き出して統計を取る。大きさとは、例えば最大径をいう。
また、画像解析等を用いて上記手順を自動化し、付着物の大きさ、面積、重量などを測定して、被洗浄物の清浄度判定を行う測定装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
また、付着物の大きさ、面積、重量に加えて、付着物の材質を判定する付着物の測定装置が開示されている(例えば特許文献2参照)。
特許第3967813号公報 特許第5095440号公報
しかしながら、上記した従来の測定方法は、全ての作業を手作業で行うために測定に時間がかかる。また、作業者の勘や経験によるところが大きく、測定結果にばらつきが生じうる。また、重量測定器、乾燥機、採取液の吸引装置、顕微鏡などを個々に準備しなければならず、猥雑であるし、広いスペースも必要となる。
また、特許文献1及び特許文献2の測定装置は、いずれもスタンドアロンであるため、複数の工場等に測定装置を導入する場合、装置全体を1台ずつ導入しなければならない。また、測定装置にはパラメータの設定が必須であるため、個々の工場で同型式の部品を製造する場合にも、異なったパラメータの設定がなされる可能性がある。そうすると、同型式の部品でも工場毎に異なる測定結果となるおそれがあり、安定・統一した清浄度での管理ができなくなる可能性も内在している。
また、各測定装置の画像処理を行うコンピュータの性能が低い場合や、OSが古い場合など、測定処理時間が長くなったり、高度な演算処理が行えなかったり等の問題が生じる可能性も内在している。
本発明は上述の点に鑑みなされたもので、加工部品や加工製品の表面の各残留付着物について材質まで判定することができる残留付着物の測定方法と同測定装置を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するために本発明に係る付着物測定システムは、被洗浄物の表面に付着した残留付着物を洗浄液で洗い流し、その採取液をフィルタに通過させ、該フィルタに残留する付着物を測定する付着物測定システムであって、付着物を測定する測定装置と、前記測定装置に接続されるサーバコンピュータと、前記サーバコンピュータとネットワーク回線で接続される端末と、前記端末に接続される、対象を撮像又は走査可能な画像取得装置と、を備え、前記画像取得装置は、前記フィルタ及び該フィルタ上の付着物を撮像又は走査するカメラと、を有し、前記端末は、前記画像取得装置により取得した画像データを記憶するメモリと、前記画像データを前記サーバコンピュータに出力する手段と、を有し、前記サーバコンピュータは、前記画像データを記憶するメモリと、該画像データを前記測定装置に出力する手段と、該測定装置から測定結果データを入力する手段と、を有し、前記測定装置は、前記画像データを記憶するメモリと、該画像データを画素分析し画素数として読み取るとともに、各付着物の画素情報を用いて各付着物の平面形状に基づき大きさ及び面積の少なくとも一方を算出する手段と、各付着物の大きさデータ及び面積データの少なくとも一方を前記端末に出力する手段と、を有する。
ここで、端末とは、例えばクライアントコンピュータ、タブレット、スマートホンなど、サーバコンピュータとデータの送受が可能な端末をいう。画像取得装置とは、例えばデジタルカメラ、スキャナ、顕微鏡、拡大鏡などをいう。また、端末は、画像取得装置が端末内部で接続され、画像取得装置が一体となった端末でもよい。また、測定装置は、サーバコンピュータが測定装置内部に配され、測定装置とサーバコンピュータが一体となったものでもよい。また、付着物の大きさとは、付着物の最大長さ又は最大径をいう。
好ましくは、この付着物測定システムは、前記端末及び前記画像取得装置を複数備え、前記画像取得装置に載置されるフィルタが同じ大きさであり、前記測定装置は、前記端末から取得した画像データを、所定の画素数に変換する手段を更に有する。この構成によれば、異なる画像取得装置を用いて撮像又は走査した画像データを略均一の画素の画像データに変換して測定するので、安定した測定精度を得られる。
好ましくは、この付着物測定システムは、前記測定装置が前記画像データにおける前記フィルタのエッジを検出して、該フィルタの外形を取得する手段と、前記フィルタの外形内の画素数と、該フィルタのサイズから、1画素分の分解能を算出する手段と、を更に有する。ここで分解能とは、画像データの最小単位である1画素の大きさをいい、具体的には、1画素におけるX方向及びY方向の長さをいう(例えば○○μ/1画素)。
この構成によれば、各画像取得装置のレンズの倍率、拡大率、焦点距離によって、画像データに占めるフィルタの映り込みの大きさが異なる場合にも、1画素の大きさが算出できるので、フィルタ上の付着物の大きさや面積を算出でき、安定した測定精度を得られる。
好ましくは、前記画像データにおける前記フィルタのエッジを検出して、該フィルタの外形を取得する手段は、前記画像データのX方向及びY方向における前記フィルタのエッジを検出する手段と、前記エッジの座標から中心座標を求め、該中心座標からエッジを検出して相当円を算出する手段と、を備える。
また、この付着物測定システムは、前記端末及び前記画像取得装置を複数備え、複数の前記画像取得装置に用いる前記フィルタが所定サイズ以上の大きさであり、前記端末は、前記フィルタの寸法データを出力する手段を更に備え、前記測定装置は、前記端末から取得した画像データを所定の画素数に変換する手段と、前記端末から取得したフィルタの寸法データが所定サイズより大きい場合に、同所定サイズ分のフィルタの画像データを切り取る手段と、を更に有する構成としてもよい。この構成によれば、異なる画像取得装置を用いて撮像する時に、サイズが異なるフィルタを用いた場合にも、安定した測定精度を得られる。
好ましくは、この付着物測定システムは、前記測定装置が、前記画像データにおける前記フィルタのエッジを検出して、該フィルタの外形を取得する手段と、前記フィルタの外形内の画素数と、該フィルタの寸法データから、1画素分の分解能を算出する手段と、を更に有する。この構成によれば、フィルタのサイズが異なる場合に、各画像取得装置のレンズの倍率、拡大率、焦点距離によって、画像データに占めるフィルタの映り込みの大きさが異なるときにも、1画素の大きさが算出できるのでフィルタ上の付着物の大きさや面積を算出でき、安定した測定精度を得られる。
好ましくは、この付着物測定システムは、前記画像取得装置の前記カメラは、カラーカメラであり、前記測定装置は、前記メモリに、被洗浄物に応じて予め設定した所定の付着物の少なくとも色調データが記憶されたデータベースと、各付着物の画像データを平滑化処理し、同処理済みの画像データにおいて各付着物の画像データから所定サイズ以上の各付着物の画像データを切り出す手段と、切り出された各付着物の画像データごとにピクセル面積を正規化し、正規化した画像データごとにRGBの輝度値及び出現頻度をヒストグラム処理し、所定の出現頻度値にてレベル切りすることにより出現頻度の低い輝度値成分をカットした後にRGBの各重心位置又は各中央位置の輝度値をそれぞれの代表輝度値に設定し、各付着物の画像データについてRGBの前記各代表輝度からH(色相)・S(彩度)・V(明度)に変換する手段と、HV相関又はHSV相関の座標系上で、各付着物の画像データと前記データベースとをパターンマッチング度を算出することによって、前記各付着物の材質を判定する手段と、を有する。この構成によれば、付着物の大きさに加えて、付着物の材質を判定できる。
以上のように、本発明に係る付着物測定システムによれば、安定した測定精度を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る付着物測定システムの概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る測定装置の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係る付着物測定のフロー図である。 付着物の画像データを二値化処理した状態を示す図である。 付着物の画像データをラベリング処理した状態を示す図である。 各付着物を切り出して正規化した状態を示す図である。 各付着物の画像データをRGB輝度値と出現頻度によりヒストグラム処理した図である。 各材質の付着物片の色素データ(H,V)をプロットしたH−V相関図である。 付着物のパターンマッチング度を算出する説明図である。 本発明の一実施形態に係る付着物測定における画像データの画素数変換の説明図1である。 本発明の一実施形態に係る付着物測定における画像データの画素数変換の説明図2である。 本発明の一実施形態に係る付着物測定における画像データの分解能を算出する説明図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づき説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。特に、下記実施形態の端末や画像取得装置等の種類や数は一例であり、本発明は下記実施形態に限定されない。
<実施形態>
[1.付着物測定システムの構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る付着物測定システムの概略構成を示す図である。図1に示すように、付着物測定システム1は、サーバコンピュータ2と、測定装置3と、複数のクライアントコンピュータ4及び画像取得装置5と、を備える。
サーバコンピュータ2は、測定装置3と接続されている。複数のクライアントコンピュータ4は、それぞれ画像取得装置5と接続されている。サーバコンピュータ2は、複数のクライアントコンピュータ4と、ネットワーク回線100を介して接続されている。なお、本実施形態のネットワーク回線100は、一例としてインターネット回線であるが、イントラネット回線でもよく、インターネット回線とイントラネット回線の複合でもよい。
サーバコンピュータ2は、CPU21とメモリ22とデータ入出力インターフェース23と、を備える。測定装置3は、CPU31とメモリ32とデータ入出力インターフェース33と、を備える。メモリ22又はメモリ32には、測定処理用のアプリケーションデータ、画像データ、測定結果データ、付着物データベースなどが記憶されている。各種データはメモリ22及びメモリ32の双方に記憶されてもよいし、各データの種類に応じて、いずれかに記憶されてもよい。
また、CPU31は、該画像データを画素分析し画素数として読み取るとともに、各付着物の画素情報を用いて各付着物の平面形状に基づいて大きさを算出する演算、画像データを、所定の画素数に変換する演算と、前記画像データを画素分析し画素数として読み取るとともに、各付着物の画素情報を用いて各付着物の平面形状に基づいて面積を算出する演算、切り出された各付着物の画像データごとにピクセル面積を正規化し、正規化した画像データごとにRGBの輝度値及び出現頻度をヒストグラム処理し、所定の出現頻度値にてレベル切りすることにより出現頻度の低い輝度値成分をカットした後にRGBの各重心位置又は各中央位置の輝度値をそれぞれの代表輝度値に設定し、各付着物の画像データについてRGBの前記各代表輝度からH(色相)・S(彩度)・V(明度)に変換する演算、HV相関又はHSV相関の座標系上で、各付着物の画像データと前記データベースとをパターンマッチング度を算出することによって、前記各付着物の材質を判定する演算、などを行う。また、これらの演算はCPU21が行う構成としてもよく、CPU31がCPU21とともに演算を行う構成としてもよい。
次に、本実施形態に用いた測定装置3の詳細な構成について説明する。図2の測定装置3の概略構成図に示すように、測定装置3は、ケーシング34と、ケーシング34内にフィルタFを載置する測定台35とカメラ36とを備える。カメラ36は、測定台35の上方に、下向きに配されている。また、測定装置3は、ディスプレイ37とキーボード38とを更に備える。
カメラ36は、一例としてCCDカラー映像素子を有するライン・センサ・カラーである。また、測定台35の下方には図示しない移動機構が配され、測定台35は移動機構の走査部上に設置されている。移動機構は、図示しないサーボモータで回転するボールネジを備え、サーボモータの回転によりボールネジを介して測定台35が移動する。これにより測定台35上の測定対象物をカメラ36に対し特定方向に走査させながら、測定対象物を撮像できるようになっている。なお、サーボモータは、ステッピングモータなどの制御モータを用いてもよい。また、測定台35上の測定対象物を照射するために、図示しないLED照明器が測定台35の上方に配置されている。なお、測定台35が移動する構成にかえて、カメラ36が移動して測定対象物を走査する構成としてもよい。
また、図1に示すように、測定装置3の近くに、付着物をフィルタFに採取するための付着物採取装置6が配されている。付着物採取装置6は、洗浄後の洗浄液を注入する容器61と、その下方に容器61と接続されるタンク62と、更に下方に吸引ポンプ63とを備える。容器61は洗浄液を注入する上方開口と、フィルタFをセットする下方開口を備える。この構成により、洗浄後の洗浄液を容器61の上方開口から注入し、吸引ポンプ63を作動させると、容器61内の洗浄液がフィルタFを介してタンク62に排出されて、フィルタFに洗浄液内の付着物が捕集される。
なお、付着物採取装置6は、測定装置3と一体の構成としてもよい。また、本実施形態の付着物測定システム1において、この付着物採取装置6は、各クライアントコンピュータ4の各画像取得装置5にそれぞれ配している。これにより、付着物採取の方法が一定となり、付着物測定が安定する。
クライアントコンピュータ4は、CPU41とメモリ42とデータ入出力インターフェース43と、を備える。メモリ42には、画像取得装置5が撮像又は走査した画像データが記憶される。なお、クライアントコンピュータ4は、端末の一例であり、これに限られず、タブレットやスマートホンなどを用いてもよい。
本実施形態の画像取得装置5は、一例としてデジタルカメラ51とフィルタFを載置する載置台52を備えるものと、顕微鏡53と、スキャナ54である。以下、画像取得装置5としてデジタルカメラ51とフィルタFを載置する載置台52を備えるもので説明する。載置台52にフィルタFを載置して、デジタルカメラ51により画像データを取得する。なお、画像取得装置5は、上記例示以外に拡大鏡などを用いてもよい。
[2.付着物測定システムを用いた付着物測定]
図3は、付着物測定システムを用いた付着物測定のフロー図である。図3に基づいて、付着物測定のフローを説明する。以下のフローは、付着物の材質判定を含む測定手順である。なお、付着物の材質判定するデータベースの作成手順については測定手順と分けて説明する。なお、本実施形態の付着物測定システム1は、一例として各付着物の材質判定、大きさ、面積及び付着物の総個数について測定するものである。なお、サーバコンピュータ2側で行う手順をサーバ側とし、クライアントコンピュータ4側で行う手順をクライアント側とする。図3においては、サーバ側を(S)、クライアント側を(C)と表示する。
(1.サーバ側)
測定前処理として、各付着物のデータベースを予め作成しておく。これについては詳細を後述する(A)。
(2.クライアント側)
部品等を洗浄した後の洗浄液を付着物採取装置6の容器61に入れ、フィルタFを所定の吸引口63にセットした後、吸引ポンプ8を作動して採取液をろ過する。なお、本実施形態において、フィルタFはφ47mmのフィルタに統一する。
(3.クライアント側)
ろ過によりフィルタF上に捕集された付着物及びフィルタFをヒータ等の乾燥装置により乾燥させた後、画像取得装置5の載置台52にフィルタFを載置して、カメラ51により、フィルタF及び付着物を撮像又は走査する。
(4.クライアント側)
画像取得装置5により取得した画像データがクライアントコンピュータ4に送られ、クライアントコンピュータ4からネットワーク回線100を介して、画像データをサーバコンピュータ2に送信する。
(5.サーバ側)
クライアントコンピュータ4から送信された画像データをサーバコンピュータ2が受信して、画像データを測定装置3に送信する。
(6.サーバ側)
測定装置3は、受信した画像データを所定の画素数に変換する。画素数の変換処理については詳細を後述する(B)。
(7.サーバ側)
測定装置3は、画素数変換された画像データを、予め設定した輝度値に基づいて二値化処理する(図4参照)。
(8.サーバ側)
二値化された画像データについて、同色(例えば黒色)の画素が連続する範囲を1ブロックとしてラベリング処理し(図5参照)、付着物ごとに画像を抜き出す。このとき、付着物ごとの画像について、ラベリング処理により特定した画像内部に、例えば白色部分が点在しているような場合は、これらを黒色に塗りつぶす処理をする。
(9.サーバ側(大きさと面積の測定))
付着物ごとの画像について、大きさ(最大長さ又は最大径)及び面積を、画素数に基づき測定する。また、必要に応じ、各付着物の大きさを比較し、付着物の大きさ順に計測データを並べる。これにより、洗浄液に含まれる付着物の個数、各付着物の大きさ、面積が測定できる。また、これらのデータにより、洗浄された被洗浄物の清浄度を判定する。清浄度の判定については一例を後述する(C)。
(10.サーバ側(材質の判定))
また、前記した画像データのラベリング処理後に、各付着物の画像データを平滑化処理する。これにより、画像データの色ムラ・とげとげしさなどを取り除くことができ、色情報としてのRGB輝度値のバラつきを少なくし、判定精度を高める。
(11.サーバ側)
平滑化処理後の各付着物の画像データとラベルに基づき、各付着物の画像データをそれぞれ切り出し、各付着物の画像データごとに、例えば、塗りつぶし処理などを施すことにより、ピクセル面積を正規化する(図6参照)。
(12.サーバ側)
正規化された各付着物の画像データごとに、RGB輝度値(X軸)とその出現頻度(Y軸)によりヒストグラム処理する。ここで出現頻度とは、付着物の総面積(総画素数)に対する所定のRGB輝度値を持つ画素が占める面積(画素数)の割合をいう。
(13.サーバ側)
RGBの色要素ごとに、所定の出現頻度(例えば20〜50%で調整)でレベル切りを行い、出現頻度の低い輝度値成分はカットする(図7参照)。
(14.サーバ側)
RGBの色要素ごとにレベル切りを行ったのちの有効輝度成分の重心又は中央位置のR,G,Bの輝度値を各残留付着物の色素データ(R,G,B)の代表値(代表輝度値)とし、抽出する。
(15.サーバ側)
抽出した色素データ(R,G,B)ごとの代表輝度値を、以下の式1を用いて、HSV表色系の色素データ(H,S,V)に変換する。
Figure 0006393165
(16.サーバ側)
抽出された各付着物の色素データ(H,S,V)のうち、(H,V)を取り出し、後述する材質ごとの色素データ(H,V)があらかじめプロットされたH−V相関の座標系、例えばビットマップグラフ上に、付着物の色素データ(H,V)をプロットする(図8参照)。そして、H−V相関の座標系上で、各付着物の色素データ(H,V)に一番近い付着物片サンプルデータを算出し、その距離をしきい値Sで割り算した値に100を乗じた数値(%)が、各付着物のパターンマッチングの評価値としてメモリに保存される。
(17.サーバ側)
なお、パターンマッチング度の評価値は以下の式2で算出され、この値が100%以内の場合に材質が特定され、100%より大きい値となる場合には材質不明と判断される(図9参照)。また、上記により得られた各付着物の画像データ、大きさ、面積及びパターンマッチング度の評価値及び判別された材質名等の計測データは、ディスプレイ37に表示して確認できる。
Figure 0006393165
(18.サーバ側)
以上の工程により得られた各付着物の画像データ、大きさ、面積及びパターンマッチング度の評価値及び判別された材質名等の計測データを、サーバコンピュータ2に送信される。サーバコンピュータ2は計測データを受信して記憶し、ネットワーク回線100を介してクライアントコンピュータ4に送信する。
(19.クライアント側)
クライアントコンピュータ4は、サーバコンピュータ2より受信した計測データを記憶して、計測データをクライアントコンピュータ4のディスプレイに表示する。これにより、クライアントコンピュータ4の操作者は、洗浄後の被洗浄物に付着した付着物の個数、各付着物のデータ、清浄度を確認することができる。すなわち、クライアントコンピュータ4がサーバコンピュータ2及び測定装置3と離れた位置にあっても、安定した精度でこれらのデータを取得することができる。
なお、材質の判定が不要な場合、上記工程10−17を除く工程としてもよい。一方、材質の判定のみが必要な場合、上記工程9を除く工程としてもよい。
(A.付着物サンプルデータの作成)
(1)測定装置3に、各付着物のサンプルデータを作成するため、複数の付着物片をフィルタFに置き、これらを測定台35に載置する。そして、上記の工程7から工程17までと同様の手順により、各付着物片の画像データ、計測データ及び色素データ(H,V)を抽出する。
(2)抽出された各付着物片の色素データ(H,V)をH−V相関の座標系上にプロットし(図10参照)、各付着物片の色データごとに材質名を入力する。なお、必要数の付着物片のサンプルデータが得られるまで、これらの工程を繰り返し行う。これは、付着物ごとのばらつきに対応するため、1種類の付着物片につき複数の計測データを取得してサンプルデータを作成する。
(3)H−V相関座標系上にプロットされた材質ごとに付着物片のサンプルデータを統計処理(正規分布)して、分散度(標準偏差)σを算出し、しきい値を求める。これらより、材質ごとにサンプルデータを作成する。なお、材質ごとのサンプルデータは、複数の付着物片のサンプルデータをそれぞれ中心にしてしきい値を半径とする円を描く。これらの円内に付着物の色データが入れば、その円の中心の材質を付着物の材質と判定する(図9参照)。
なお、材質ごとのしきい値Sは、分散度σに所定の定数を乗じて設定する。また、材質ごとの付着物片の数が少なく、十分な分散度σが得られない場合には、手動により任意にしきい値を設定することも可能である。
(B.画素数の変換処理)
(1)上記工程6において、一例として画像取得装置5で取得される画像データの画素数が200万画素、測定装置3における所定の画素数を800万画素の場合について説明する。測定装置3は、200万画素の画像データを受信して記憶したのち、1ピクセル単位の画素を十字に4分割する。このとき、分割された画素の色データは、一例として周囲の画素の色データの平均値とする(図10A参照)。具体的に、分割後のピクセルAの色データを周囲の8つのピクセルBの平均値とする。なお、これにかえて、分割後の1ピクセルの色データに、分割前の1ピクセルの色データをそのまま用いることもできる。
また、上記工程6において、画像取得装置5で取得される画像データの画素数が3200万画素、測定装置3における所定の画素数を800万画素の場合については以下の手順となる。測定装置3は、3200万画素の画像データを受信して記憶したのち、1ピクセル単位の画素を4つ統合する。このとき、統合された画素の色データは、一例として4つのピクセルCの色データの平均値とする(図10B参照)。
(2)また、付着物の大きさや面積を算出するためには、1ピクセル単位の画素のXY2次元の分解能(○○μ/1ピクセル)を演算する必要がある。なぜなら、画像取得装置5によるフィルタFの画像は、撮像又は走査を行う光学系により被写体遠近距離が異なる場合があるためである。すなわち、レンズの倍率、拡大率、焦点距離によって、同じ被写体であっても1枚の画像の被写体の映り込みの大きさが異なるためである。
本実施形態においては、一例としてフィルタFのサイズをφ47mmで統一しているので、以下の方法で分解能を算出する。まず、画像データのX方向及びY方向におけるフィルタFのエッジを各2点ずつ検出する。各2点ずつの座標から、中心座標を算出して、この中心座標よりフィルタFのエッジを追跡していくと相当円が検出される。この相当円がφ47mmのフィルタFと一致する(図11参照)。
これにより、相当円の画素数が、φ47mmのフィルタFの画素数となるので、1ピクセル分の分解能が算出でき、これによりフィルタF上の付着物の大きさや面積を算出できる。
(C.清浄度の判定)
(1)上記に各付着物の大きさ、面積、材質等の計測データによる清浄度の判定について、一例を説明する。まず、例えば機械加工部品などの被洗浄物における清浄度の合格基準となるデータ(例えば、大きさ○○mm以上の付着物が□□個以下)を測定装置3に入力しておく。そして、機械加工部品を専用の洗浄機により洗浄した後に、その洗浄液を採取して測定し、上記清浄度の合格基準の数値をクリアしているか否かを判定する。これにより、被洗浄物の清浄度を即座に判定することができる。なお、清浄度の合格基準をクリアしない場合、クリアする判定がでるまで被洗浄物を洗浄する。
(2)また、付着物の大きさや個数といった清浄度の合格基準データに、材質データを加えて清浄度の合格基準を設定することも可能である。これにより、さらに精度の高い清浄度の判定をすることができる。具体的には、例えば大きさ○○mm以上の鉄の付着物が□□個以下、大きさ△△mm以上の銅の付着物が☆☆個以下という設定とする。このようにすれば、従来の清浄度基準では精密機械部品を組み込む時など、大きさは合格基準を満たしていながら、高硬度の金属片が干渉して精密機械加工部品が損傷するような場合も、付着物の材質を清浄度の要件基準に設定することで、そのようなケースを回避することが可能となる。
<その他の実施形態>
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。例えば、端末はクライアントコンピュータに限られず、タブレットやスマートホンなどでもよい。また、画像取得装置は、デジタルカメラに限られず、スキャナ、顕微鏡、拡大鏡などでもよく、付着物の材質が不要な場合などカラーに限定されない。
また、端末は、画像取得装置が端末内部で接続され、端末と画像取得装置が一体となったものでもよい。また、測定装置は、サーバコンピュータが測定装置内部に配され、測定装置とサーバコンピュータが一体となったものでもよい。また、上記実施形態における端末や画像取得装置等の種類や数は一例であり、これに限定されない。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
1 付着物測定システム
2 サーバコンピュータ
21 CPU
22 メモリ
23 データ入出力インターフェース
3 測定装置
31 CPU
32 メモリ
33 データ入出力インターフェース
34 ケーシング
35 測定台
36 カメラ
37 ディスプレイ
38 キーボード
4 クライアントコンピュータ
41 CPU
42 メモリ
43 データ入出力インターフェース
5 画像取得装置
51 デジタルカメラ
52 載置台
53 顕微鏡
54 スキャナ
6 付着物採取装置
61 容器
62 タンク
63 吸引ポンプ
100 ネットワーク回線
F フィルタ

Claims (7)

  1. 被洗浄物の表面に付着した残留付着物を洗浄液で洗い流し、その採取液をフィルタに通過させ、該フィルタに残留する付着物を測定する付着物測定システムであって、
    付着物を測定する測定装置と、前記測定装置に接続されるサーバコンピュータと、前記サーバコンピュータとネットワーク回線で接続される端末と、前記端末に接続される、対象を撮像又は走査可能な画像取得装置と、を備え、
    前記画像取得装置は、
    前記フィルタ及び該フィルタ上の付着物を撮像又は走査するカメラと、を有し、
    前記端末は、
    前記画像取得装置により取得した画像データを記憶するメモリと、前記画像データを前記サーバコンピュータに出力する手段と、を有し、
    前記サーバコンピュータは、
    前記画像データを記憶するメモリと、該画像データを前記測定装置に出力する手段と、該測定装置から測定結果データを入力する手段と、を有し、
    前記測定装置は、
    前記画像データを記憶するメモリと、該画像データを画素分析し画素数として読み取るとともに、各付着物の画素情報を用いて各付着物の平面形状に基づき大きさ及び面積の少なくとも一方を算出する手段と、各付着物の大きさデータ及び面積データの少なくとも一方を前記端末に出力する手段と、を有する、
    付着物測定システム。
  2. 前記端末及び前記画像取得装置を複数備え、
    複数の前記画像取得装置に用いる前記フィルタが同じサイズであり、
    前記測定装置は、
    前記端末から取得した画像データを、所定の画素数に変換する手段を更に有する、
    請求項1に記載の付着物測定システム。
  3. 前記測定装置は、
    前記画像データにおける前記フィルタのエッジを検出して、該フィルタの外形を取得する手段と、
    前記フィルタの外形内の画素数と、該フィルタのサイズから、1画素分の分解能を算出する手段と、を更に有する、
    請求項2に記載の付着物測定システム。
  4. 前記画像データにおける前記フィルタのエッジを検出して、該フィルタの外形を取得する手段は、
    前記画像データのX方向及びY方向における前記フィルタのエッジを検出する手段と、
    前記エッジの座標から中心座標を求め、該中心座標からエッジを検出して相当円を算出する手段と、を備える、
    請求項3に記載の付着物測定システム。
  5. 前記端末及び前記画像取得装置を複数備え、
    複数の前記画像取得装置に用いる前記フィルタが所定サイズ以上の大きさであり、
    前記端末は、前記フィルタの寸法データを出力する手段を更に備え、
    前記測定装置は、
    前記端末から取得した画像データを所定の画素数に変換する手段と、前記端末から取得したフィルタの寸法データが所定サイズより大きい場合に、同所定サイズ分のフィルタの画像データを切り取る手段と、を更に有する、
    請求項1に記載の付着物測定システム。
  6. 前記測定装置は、
    前記画像データにおける前記フィルタのエッジを検出して、該フィルタの外形を取得する手段と、
    前記フィルタの外形内の画素数と、該フィルタの寸法データから、1画素分の分解能を算出する手段と、を更に有する、
    請求項5に記載の付着物測定システム。
  7. 前記画像取得装置の前記カメラは、カラーカメラであり、
    前記測定装置は、
    前記メモリに、被洗浄物に応じて予め設定した所定の付着物の少なくとも色調データが記憶されたデータベースと、
    各付着物の画像データを平滑化処理し、同処理済みの画像データにおいて各付着物の画像データから所定サイズ以上の各付着物の画像データを切り出す手段と、
    切り出された各付着物の画像データごとにピクセル面積を正規化し、正規化した画像データごとにRGBの輝度値及び出現頻度をヒストグラム処理し、所定の出現頻度値にてレベル切りすることにより出現頻度の低い輝度値成分をカットした後にRGBの各重心位置又は各中央位置の輝度値をそれぞれの代表輝度値に設定し、各付着物の画像データについてRGBの前記各代表輝度からH(色相)・S(彩度)・V(明度)に変換する手段と、
    HV相関又はHSV相関の座標系上で、各付着物の画像データと前記データベースとをパターンマッチング度を算出することによって、前記各付着物の材質を判定する手段と、を有する、
    請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の付着物度測定システム。
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