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JP6400429B2 - 建築物の吸気構造及びこれを備える建築物、並びに建築物の吸気方法 - Google Patents
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建築物の吸気構造及びこれを備える建築物、並びに建築物の吸気方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は建築物の吸気構造及びこれを備える建築物、並びに建築物の吸気方法に係り、特に、建築物としての原子炉建屋に適用されたものに関する。
原子力プラントは、想定される外部人為事象に対して原子炉施設の安全性を損なわないように設計しなければならない。想定される人為事象の一つとして航空機の墜落があり、欧州等の一部の国においては、原子炉建屋への航空機の直接の衝突に伴う物理的な衝撃荷重に対して安全性を維持することが要求されている。この要求に対応するため、原子炉建屋の堅牢化を図る構造として、例えば特許文献1、2等が知られている。
他方、航空機が原子力施設内に墜落した場合、搭載燃料により火災が発生し、燃焼による煤や一酸化炭素等の有害物質が建屋外の大気中に拡散することが予想される。これは、原子炉施設近隣においてテロ行為等による爆発や火災、毒ガス等の有害物質が放出された場合も同様である。
原子炉建屋では、通常、内部の換気等を実施するためにHVAC(Heating, Ventilation and Air Conditioning;暖房、換気及び空調設備)が設置されており、その機能要求から給排気口は建屋壁を貫通する開口部となっている。このため、建屋外において火災が発生したり、有害物質が放出されると、この開口部を通じて火炎や有害物質が内部に流入し、原子炉の安全を維持するための機器の機や、運転員の作業に支障をきたす可能性がある。実際、IAEAのNuclear Safty Guide 3.1(IAEA−NS−G−3.1)(非特許文献1)では、航空機衝突の際に考慮すべき事象として、燃焼生成物の建屋内への侵入が明記されている。
特開2011−43439号公報 特開昭57−172289号公報
IAEA, External Human Induced Events in Site Evaluation for Nuclear Power Plants,IAEA−NS−G−3.1,2002
これまでに航空機等の衝突に対する原子炉建屋の安全性の確保を目的とした特許は、前述の特許文献1及び2等で示されるように、原子炉建屋への直接の衝突に対する衝撃への対応を目的としたものであり、建屋外の火災による燃焼生成物や、外部人為事象による有害物質がHVACの開口部を通じて建屋内に流入することによる安全性への影響に対応した構成とはなっていない。
一般に、有害物質の建屋内への流入を防止するためには、緊急時に防護扉等によって開口部を閉塞することが考えられる。ただし、航空機の搭載燃料はサイズにもよるが数十トン規模であり、火災は数時間にわたって継続する可能性があることから、開口部を閉塞している間は長時間にわたって換気および建屋内の温度調節ができない。このため、建屋内部の温度等の環境条件が徐々に厳しくなって、緊急時における運転員の行動制限や作業効率低下の要因となってしまう。
本発明における実施形態の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、建築物の屋外の状況にかかわらず、空調機器を継続して運転して建築物の屋内環境を良好に維持できる建築物の吸気構造及びこれを備える建築物、並びに建築物の吸気方法を提供することにある。
本発明に係る実施形態の建築物の吸気構造は、建築物の屋内に設置されてこの屋内の空調を実施する空調機器と、前記建築物に貫通して形成された吸気口と、この吸気口及び前記空調機器に接続され、消火・捕捉手段及び吸着手段を備えた流路とを有し、前記消火・捕捉手段は、前記吸気口から取り込まれる外気中の粒子状物質を捕捉して除去すると共に火炎を消火し、前記吸着手段は、前記外気中の有害物質を吸着して除去し、前記空調機器及び前記吸気口に、閉塞手段を備えた他の流路が接続され、前記閉塞手段が前記他の流路を閉塞したときに、外気が前記吸気口から、前記消火・捕捉手段及び前記吸着手段を備えた前記流路を経て前記空調機器へ供給されるよう構成されたことを特徴とするものである。
また、本発明に係る実施形態の建築物は、前記発明に係る実施形態の建築物の吸気構造を備えることを特徴とするものである。
更に、本発明に係る実施形態の建築物の吸気方法は、建築物の屋内に設置されてこの屋内の空調を実施する空調機器へ、前記建築物に貫通して形成された吸気口から外気を導入する際に、前記吸気口及び前記空調機器に接続される流路に備えられた消火・捕捉手段が前記外気中の粒子状物質を捕捉して除去すると共に火炎を消火し、前記流路に備えられた吸着手段が前記外気中の有害物質を吸着して除去し、前記吸気口及び前記空調機器に接続される他の流路に備えられた閉塞手段が前記他の流路を閉塞したときに、前記吸気口から前記流路を経て、前記粒子状物質及び前記有害物質が除去され且つ前記火炎が消火された外気を、前記空調機器へ供給することを特徴とするものである。
本発明の実施形態によれば、建築物の屋外の状況にかかわらず、空調機器を継続して運転して建築物の屋内環境を良好に維持できる。
第1実施形態に係る建築物の吸気構造としての原子炉建屋の吸気構造を示す構成図。 図1の原子炉建屋の吸気構造における非常時の動作を示す構成図。 第2実施形態に係る建築物の吸気構造としての原子炉建屋の吸気構造における非常時の動作を示す構成図。 第3実施形態に係る建築物の吸気構造としての原子炉建屋の吸気構造における非常時の動作を示す構成図。 第4実施形態に係る建築物の吸気構造としての原子炉建屋の吸気構造における非常時の動作を示す構成図。 第5実施形態に係る建築物の吸気構造としての原子炉建屋の吸気構造における非常時の動作を示す構成図。
以下、本発明を実施するための実施形態を図面に基づき説明する。
[A]第1実施形態(図1、図2)
図1は、第1実施形態に係る建築物の吸気構造としての原子炉建屋の吸気構造を示す構成図である。この図1に示す建築物としての原子炉建屋10は鉄筋コンクリート製であり、この原子炉建屋の壁11に吸気口12が貫通して形成される。この吸気口12により原子炉建屋10の屋外13と屋内14とが連通する。
また、原子炉建屋10の壁11には、吸気口12の周囲に防護カバー15が設置されている。原子炉建屋10または原子炉経建屋10の周囲に航空機等の飛来物が衝突したときに発生する破片は防護カバー15により遮蔽されて、吸気口12を経て屋内14へ侵入することが防止される。
原子炉建屋10の屋内14には、吸気口12に対応して空調機器16が設置される。この空調機器16は、原子炉建屋10の屋内14の空調、即ち換気及び温度調整を実施するものであり、HVAC(Heating, Ventilation and Air Conditioning;暖房、換気及び空調設備)の機能を果たす。
吸気口12と空調機器16とは、流路としての非常用系流路18によって接続され、更に他の流路としての常用系流路17によって接続される。常用系流路17は、通常運転時に原子炉建屋10の屋外13の外気を、矢印A(図1)の如く吸気口12から空調機器16へ供給する流路である。また、非常用系流路18は、原子炉建屋10またはその周辺に航空機等の飛来物が衝突したり、原子炉建屋10の屋外13に有害物質が放出されたり爆発や火炎等が発生した場合(非常事象発生時)に、原子炉建屋10の屋外13の外気を矢印B(図2)の如く吸気口12から空調機器16へ供給する流路である。
常用系流路17は、吸気口12と空調機器16とを直接接続する常用系ダクト20と、この常用系ダクト20内に配設された閉塞手段としてのダクト閉塞装置21と、を有して構成される。このダクト閉塞装置21は、原子炉建屋10に設置された地震計22からの検出値と、原子炉建屋10の壁11における吸気口12付近に設置されたセンサ23からの検出値と、運転員により操作された操作器24からの動作指令との少なくとも1つにより常用系ダクト20を閉塞して、原子炉建屋10の屋外13の外気を吸気口12から非常用系流路18を経て空調機器16へ供給する。
地震計22は、原子炉建屋10の振動を検出するものである。この地震計22の検出値が所定値以上のときに、航空機などの飛来物が原子炉建屋10またはその周辺に衝突したとして、ダクト閉塞装置21は常用系ダクト20の閉塞動作を実行する。
センサ23は、吸気口12付近の温度を検出する温度センサ、吸気口12付近の圧力を検出する圧力センサ、吸気口12付近の煤の濃度を検出する煤濃度センサ、吸気口12付近の有害物質の濃度を検出する有害物質濃度センサの少なくとも1つの機能を有する。このセンサ23の検出値が所定値以上のときに、原子炉建屋10周辺に爆発等が生じて温度や圧力が上昇し、または原子炉建屋10の周辺に火災が発生して煤が多量に生じ、または有毒ガスなどの有害物質が原子炉建屋10周辺に放出されたなどとして、ダクト閉塞装置21は常用系ダクト20の閉塞動作を実行する。
また、非常用系流路18は、第1非常用系ダクト25、第2常用系ダクト26、消火・捕捉手段としてのスクラビングプール27、及び吸着手段としての吸着器28を有して構成される。
スクラビングプール27は、液体としての水30が貯溜されたプールであり、第1非常用系ダクト25は、吸気口12とスクラビングプール27内の水面31の下方領域とを連通する。従って、吸気口12からの外気は、第1非常用系ダクト25を経てスクラビングプール27の水30中に導入される。このため、このスクラビングプール27の水30によって、外気中の火炎(火の粉)が消火され、且つ外気中の粒子状物質(例えば煤などの燃焼生成物)が捕捉されて除去される。
また、第2非常用系ダクト26は、スクラビングプール27の水面31上方空間と空調機器16とを連通すると共に、吸着器28を内包する。この吸着器28は、プカライト(一酸化炭素吸着材)、活性炭、ゼオライトなどの吸着材料が容器内に充填されたものであり、第2非常用系ダクト26内に導入された外気中の有害物質を吸着材料により吸着して除去する。この吸着手段は、吸着器28に代えて、プカライト、活性炭、ゼオライトなどの吸着材料が表面に付着されたハニカム流路であってもよい。
次に、作用を説明する。
原子炉建屋10の屋内14内に設置された空調機器16に原子炉建屋10の吸気口12から外気を導入する際に、通常運転時には、常用系流路17の常用系ダクト20を通って外気を空調機器16へ供給する。
原子炉建屋10またはその周辺に航空機等の飛来物が衝突したり、原子炉建屋10の屋外13に有害物質が放出されたり爆発や火炎などが発生した非常事象の場合に、この非常事象が地震計22もしくはセンサ23により検出され、または運転員により操作器24が操作されることで、常用系流路17のダクト閉塞装置21が常用系ダクト20を閉塞して、吸気口12からの外気を非常用系流路18へ導く。
非常用系流路18では、スクラビングプール27内の水30が、非常用系流路18に導入された外気中の火炎を消火し、且つ燃焼生成物などの粒子状物質を捕捉して除去し、吸着器28が外気中の一酸化炭素等の有害物質を吸着して除去する。
その後、非常用系流路18は、粒子状物質及び有害物質が除去され且つ火炎が消火された外気を空調機器16へ供給する。これにより、空調機器16は、非常事象発生時の場合であっても通常運転時と同様に、継続して運転を実行することが可能になる。
従って、本第1実施形態によれば、次の効果(1)を奏する。
(1)原子炉建屋10の屋外13の外気が燃焼生成物等の粒子状物質や有毒ガスなどの有害物質により汚染された状況にあっても、原子炉建屋10の吸気口12及び空調機器16に接続された非常用系流路18のスクラビングプール27が、このスクラビングプール27内の水30を用いることで、外気中の粒子状物質を捕捉して除去すると共に火炎を消火し、また、非常用系流路18の吸着器28が、外気中の有害物質を吸着して除去する。この結果、外気が上述の如く汚染された場合であっても吸気口12からの外気を空調機器16へ供給できるので、この空調機器16を継続して運転することができ、従って、原子炉建屋10の屋内14の環境を長時間に亘り良好に維持できる。
[B]第2実施形態(図3)
図3は、第2実施形態に係る建築物の吸気構造としての原子炉建屋の吸気構造における非常時の動作を示す構成図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、常用系流路35における常用系ダクト20の長手方向に沿って所定間隔でダクト閉塞手段が複数台、例えば2台(第1ダクト閉塞装置36A及び第2ダクト閉塞装置36B)設置された点である。
これらの第1ダクト閉塞装置36A及び第2ダクト閉塞装置36Bは、第1ダクト閉塞装置36Aが常用系ダクト20の上流側(吸気口12側)に配置され、第2ダクト閉塞装置36Bが常用系ダクト20の下流側(空調機器16側)に配置される。そして、これらの第1ダクト閉塞装置36A及び第2ダクト閉塞装置36Bのそれぞれは、第1実施形態のダクト閉塞装置21と同様に、地震計22の検出値が所定値以上になった場合、センサ23の検出値が所定値以上になった場合、運転員の操作により操作器24から動作指令が出力された場合の少なくとも1つの場合に、常用系ダクト20を同時に閉塞させる。
例えば、原子炉建屋10またはその周辺に航空機等が衝突して爆発が発生した非常事象では、その衝突による原子炉建屋10の振動を検出する地震計22の検出値が所定値以上になることで、第1ダクト閉塞装置36A及び第2ダクト閉塞装置36Bは常用系ダクト20を同時に閉塞させる。また、この非常事象では、爆発による外気温度の上昇、外気圧力の上昇、煤濃度の上昇、有害物質濃度の上昇の少なくとも1つを検出するセンサ23の検出値が所定値以上になることで、第1ダクト閉塞装置36A及び第2ダクト閉塞装置36Bは、常用系ダクト20を同時に閉塞させる。
以上のように構成されたことから、本第2実施形態においても、第1実施形態の効果(1)と同様な効果を奏するほか、次の効果(2)を奏する。
(2)外気を吸気口12から空調機器16へ供給する常用系流路35では、常用系ダクト20の長手方向に沿って所定間隔で複数のダクト閉塞装置(第1ダクト閉塞装置36A及び第2ダクト閉塞装置36B)が設置され、これらの第1ダクト閉塞装置36A及び第2ダクト閉塞装置36Bが常用系ダクト20を同時に閉塞するよう構成されている。
従って、吸気口12を通過する外気の流速が非常に速く、上流側の第1ダクト閉塞装置36Aが常用系ダクト20を閉塞する前に、外気が常用系ダクト20内を流動する場合であっても、下流側の第2ダクト閉塞装置36Bが、上流側の第1ダクト閉塞装置36Aと同時に常用系ダクト20を閉塞することで、常用系ダクト20内での外気の流れを遮断できる。この結果、火炎や有害物質などを含む外気が空調機器16に到達することを防止できるので、空調機器16の健全性及び原子炉建屋10の屋内14の安全性を確保できる。
[C]第3実施形態(図4)
図4は、第3実施形態に係る建築物の吸気構造としての原子炉建屋の吸気構造における非常時の動作を示す構成図である。この第3実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、非常用系流路40に複数台、例えば2台のスクラビングプール(第1スクラビングプール41A、第2スクラビングプール41B)が、中間非常用系ダクト42を用いて互いに連続して設置された点である。
これらの第1スクラビングプール41A及び第2スクラビングプール41Bは、液体としての水30を貯溜するプールである。この水30は、複数のスクラビングプールのうち少なくとも1つ、例えば第1スクラビングプール41Aで酸性溶液であり、少なくとも他の1つ、例えば第2スクラビングプール41Bでアルカリ性溶液であることが好ましい。
また、第1非常用系ダクト25は、吸気口12と第1スクラビングプール41Aの水面31の下方領域とを連通する。中間非常用系ダクト42は、第1スクラビングプール41Aの水面31の上方空間と第2スクラビングプール41Bの水面31の下方領域とを連通する。第2非常用系ダクト26は、第2スクラビングプール41Bの水面31の上方空間と空調機器16とを連通し、第1実施形態と同様に吸着器28を内包する。
従って、吸気口12からの外気は、第1非常用系ダクト25を経て第1スクラビングプール41Aの水30中に導入され、更に、中間非常用系ダクト42を経て第2スクラビングプール41Bの水30に導入される。この過程で、第1スクラビングプール41A及び第2スクラビングプール41Bの水30により外気中の火炎が消火され、粒子状物質が捕捉されて除去される。また、外気中の有害物質が酸性である場合には例えば第2スクラビングプール41Bの水30によって、アルカリ性である場合には例えば第1スクラビングプール41Aの水30によってそれぞれ中和処理される。
以上により構成されたことから、本第3実施形態においても、第1実施形態の効果(1)と同様な効果を奏するほか、次の効果(3)及び(4)を奏する。
(3)吸気口12からの外気が第1スクラビングプール41Aの水30、第2スクラビングプール41Bの水30を順次通過することから、これらの水30によって外気中の火炎を確実に消火でき、且つ外気中の燃焼生成物等の粒子状物質を確実に捕捉して除去することができる。
(4)外気が通過する第1スクラビングプール41Aの水30と第2スクラビングプール41Aの水30との一方が酸性溶液、他方がアルカリ性溶液である場合には、外気中に含まれる有害ガスなどの有害物質が酸性またはアルカリ性のいずれであっても中和処理を施すことができる。この結果、吸着器28及び空調機器16の損傷を防止して、その信頼性を保持できる。
[D]第4実施形態(図5)
図5は、第4実施形態に係る建築物の吸気構造としての原子炉建屋の吸気構造における非常時の動作を示す構成図である。この第4実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第4実施形態が第1実施形態と異なる点は、常用系流路17の常用系ダクト20に第1空調機器45が接続され、非常用系流路18の第2非常用系ダクト26に第2空調機器46が接続され、これらの第1空調機器45及び第2空調機器46が互いに独立した別個の空調機器として構成された点である。
通常運転時には、常用系流路17の常用系ダクト20がダクト閉塞装置21により閉塞されていないので、吸気口12からの外気は常用系流路17の常用系ダクト20内を流れる。このため、この通常運転時には第1空調機器45が作動し、第2空調機器46は停止する。また、航空機衝突などの非常事象発生時には、ダクト閉塞装置21が常用系流路17の常用系ダクト20を閉塞して、吸気口12からの外気は非常用系流路18を流れる。このため、この非常事象発生時には第2空調機器46が作動し、第1空調機器45は停止する。
以上のように構成されたことから、本第4実施形態によれば、第1実施形態の効果(1)と同様な効果を奏するほか、次の効果(5)を奏する。
(5)常用系流路17に第1空調機器45が、非常用系流路18に第2空調機器46がそれぞれ接続され、これらの空調機器45、46が互いに独立した別個の空調機器として構成されている。従って、これらの第1空調機器45、第2空調機器46のそれぞれを、常用系流路17と非常用系流路18のそれぞれに必要な換気量や出力に応じた空調機器として構成することができる。
[E]第5実施形態(図6)
図6は、第5実施形態に係る建築物の吸気構造としての原子炉建屋の吸気構造における非常時の動作を示す構成図である。この第5実施形態において、第1実施形態と同様な部分については、同一の符号を付すことにより説明を簡略化し、または省略する。
本第5実施形態が第1実施形態と異なる点は、非常用系流路50に設けられる消火・捕捉手段を、第1実施形態のスクラビングプール27に代えてスプレイ室51とした点である。
このスプレイ室51は、天井部に、液体としての水滴を噴射可能なスプレイ52が設置されている。吸気口12から第1非常用系ダクト25を経てスプレイ室50内に導かれた外気に、スプレイ52から水滴53が噴射されることで、外気中の火炎が消火され、且つ燃焼生成物等の粒子状物質が捕捉される。水滴53に捕捉された粒子状物質は、水滴53と共にスプレイ室51内を落下し、このスプレイ室51内の底部に滞留する。
以上のように構成されたことから、本第5実施形態においも、第1実施形態の効果(1)と同様な効果を奏するほか、次の効果(6)を奏する。
(6)非常用系流路50に設けられて、外気中の火炎を消火し且つ粒子状物質を捕捉して除去する消火・捕捉手段が、水滴53を噴射可能なスプレイ52を備えたスプレイ室51であることから、このスプレイ室51を含む非常用系流路50内を流れる外気の流動抵抗を、スクラビングプール27を備えた非常用系流路18の場合よりも格段に低下させることができる。この結果、外気を吸引する空調機器16の出力を大幅に低減できる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、本実施形態では、建築物は原子炉建屋10の場合を述べたが、原子力発電プラントの他の建屋、または化学プラント等の他のプラントにおける建屋などであってもよい。
10 原子炉建屋(建築物)
12 吸気口
13 屋外
14 屋内
16 空調機器
17 常用系流路(他の流路)
18 非常用系流路(流路)
20 常用系ダクト
21 ダクト閉塞装置(閉塞手段)
22 地震計
23 センサ
24 操作器
25 第1非常用系ダクト
26 第2非常用系ダクト
27 スクラビングプール(消火・捕捉手段)
28 吸着器(吸着手段)
30 水(液体)
35 常用系流路(他の流路)
36A 第1ダクト閉塞装置(閉塞手段)
36B 第2ダクト閉塞装置(閉塞手段)
40 非常用系流路(流路)
41A 第1スクラビングプール(消火・捕捉手段)
41B 第2スクラビングプール(消火・捕捉手段)
42 中間非常用系ダクト
45 第1空調機器
46 第2空調機器
50 非常用系流路(流路)
51 スプレイ室(消火・捕捉手段)
52 スプレイ
53 水滴(液体)

Claims (10)

  1. 建築物の屋内に設置されてこの屋内の空調を実施する空調機器と、
    前記建築物に貫通して形成された吸気口と、
    この吸気口及び前記空調機器に接続され、消火・捕捉手段及び吸着手段を備えた流路とを有し、
    前記消火・捕捉手段は、前記吸気口から取り込まれる外気中の粒子状物質を捕捉して除去すると共に火炎を消火し、
    前記吸着手段は、前記外気中の有害物質を吸着して除去し、
    前記空調機器及び前記吸気口に、閉塞手段を備えた他の流路が接続され、
    前記閉塞手段が前記他の流路を閉塞したときに、外気が前記吸気口から、前記消火・捕捉手段及び前記吸着手段を備えた前記流路を経て前記空調機器へ供給されるよう構成されたことを特徴とする建築物の吸気構造。
  2. 前記閉塞手段は、建築物に設置されてこの建築物の振動を検出する地震計と、吸気口付近に設置されてこの吸気口付近の温度を検出する温度センサと、前記吸気口付近に設置されてこの吸気口付近の圧力を検出する圧力センサと、前記吸気口付近に設置されてこの吸気口付近の煤の濃度を検出する煤濃度センサと、前記吸気口付近に設置されてこの吸気口付近の有害物質の濃度を検出する有害物質濃度センサとの少なくとも1つの検出値に基づいて、または運転員の操作によって動作するよう構成されたことを特徴とする請求項に記載の建築物の吸気構造。
  3. 前記消火・捕捉手段は、液体が貯溜されたプールであり、吸気口からの外気が前記プール内の液体中に導入され、この液体により火炎が消火され且つ粒子状物質が捕捉されるよう構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の建築物の吸気構造。
  4. 前記消火・捕捉手段は、液滴を噴射可能なスプレイを備えたスプレイ室であり、吸気口から前記スプレイ室に導かれた外気に前記スプレイから液滴が噴射されることで、この液滴により火炎が消火され且つ粒子状物質が捕捉されるよう構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の建築物の吸気構造。
  5. 前記吸着手段は、プカライト、活性炭、ゼオライトの少なくとも1つの吸着材料が充填された吸着器、または前記吸着材料が表面に装着されたハニカム流路であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の建築物の吸気構造。
  6. 前記閉塞手段は他の流路に、この他の流路の長手方向に沿って所定間隔で複数設置され、これらの閉塞手段が同時に閉塞可能に構成されたことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の建築物の吸気構造。
  7. 前記消火・捕捉手段は流路に、互いに連続して複数設置されたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の建築物の吸気構造。
  8. 前記消火・捕捉手段に用いられる液体は、複数の前記消火・捕捉手段のうち少なくとも1つで酸性溶液、少なくとも他の1つでアルカリ性溶液であることを特徴とする請求項に記載の建築物の吸気構造。
  9. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の建築物の吸気構造を備えることを特徴とする建築物。
  10. 建築物の屋内に設置されてこの屋内の空調を実施する空調機器へ、前記建築物に貫通して形成された吸気口から外気を導入する際に、
    前記吸気口及び前記空調機器に接続される流路に備えられた消火・捕捉手段が前記外気中の粒子状物質を捕捉して除去すると共に火炎を消火し、
    前記流路に備えられた吸着手段が前記外気中の有害物質を吸着して除去し、
    前記吸気口及び前記空調機器に接続される他の流路に備えられた閉塞手段が前記他の流路を閉塞したときに、
    前記吸気口から前記流路を経て、前記粒子状物質及び前記有害物質が除去され且つ前記火炎が消火された外気を、前記空調機器へ供給することを特徴とする建築物の吸気方法。
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