JP6411736B2 - 光線選択反射フィルムおよびディスプレイ用光線選択反射フィルム - Google Patents
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Description
このような積層フィルムは、多層積層し、選択的に反射または透過する光の波長を可視光領域とすれば、構造的な発色により意匠性に優れた、例えば玉虫色に見える真珠光沢を有するフィルムを得ることができる。
一方、液晶ディスプレイにおいて、バックライトの光利用効率を高くするために、バックライトから出射された青色光によって蛍光体層を励起することで、赤色光、緑色光を発光させて画像を得る方式のディスプレイが検討されている。
かかる光線選択反射フィルムとして、例えば特許文献2において、低屈折率材料と高屈折率材料とからなる多層積層膜から構成することができることが記載されており、厚さ約1μmのSiO2膜とNb2O5膜との多層積層膜が例示されている。しかしながら、このような無機物の積層は工程が煩雑になりやすい。
<積層構成>
本発明の光線選択反射フィルムは、層Aと層Bとが交互に積層され、積層数が161層以上のフィルムであって、層Aはエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート単位を主たる繰返し単位とする芳香族ポリエステルからなり、その層厚みが0.06〜0.3μmの範囲内にあり、層Bは全繰返し単位を基準としてエチレンテレフタレート単位の割合が50〜95モル%である共重合ポリエチレンテレフタレートからなり、その層厚みが0.06〜0.3μmの範囲内にあることにより、赤色光および緑色光を反射し、青色光を透過する。
本発明における層Aは、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート単位を主たる繰返し単位とする芳香族ポリエステルからなる。なおここでいう「主たる」とは、層Aにおける芳香族ポリエステルの全繰り返し単位を基準として、80モル%以上を占めることを意味し、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上であり、特に好ましくは共重合成分を含まないホモポリエステルである。エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート単位が80モル%未満の場合には、後述する第2の層との間に十分な屈折率差を付与し難くなって、十分な反射特性を発現させることが難しくなることがある。
なお、本発明の層Aには、本発明の目的を損なわない範囲で他のポリマーや添加剤を少量含有していてもよく、例えば不活性粒子などの滑剤、顔料、染料などの着色剤、安定剤、難燃剤、発泡剤、紫外線吸収剤などの添加剤が例示される。
本発明における層Bは、ポリエステルを構成する全繰返し単位を基準としてエチレンテレフタレート単位の割合が50〜95モル%、好ましくは60〜90モル%である共重合ポリエチレンテレフタレート(以下、ポリエステル(B)と称することがある。)からなる。エチレンテレフタレート単位の割合が上限を超える場合には、製膜時に結晶、配向化しやすくなって層Aとの間に屈折率差がつきにくくなり、反射特性が低下するので好ましくない。一方、エチレンテレフタレート単位の割合が下限未満の場合には、製膜時(特に押出時)の耐熱性や製膜性が低下するだけでなく、共重合成分が高屈折率性を付与する成分である場合には、屈折率増加によって層Aとの屈折率差が小さくなるというという問題も起こる。エチレンテレフタレート単位の割合が上記の範囲内にあることにより、良好な耐熱性、製膜性を維持しつつ、層Aとの屈折率差を確保することができ、十分な反射率を付与することができるようになる。
本発明における層Bは、結晶性であることが、得られるフィルムの熱寸法安定性の観点から好ましい。ここで結晶性とは、光線選択反射フィルムを昇温速度20℃/分でDSC測定したときに層Bに由来する融点が観察されることをいう。
本発明の層Bも、前述の層Aと同じく、本発明の目的を損なわない範囲で他のポリマーや添加剤を少量含有していてもよく、例えば不活性粒子などの滑剤、顔料、染料などの着色剤、安定剤、難燃剤、発泡剤、紫外線吸収剤などの添加剤が例示される。
本発明の光線選択反射フィルムには、発明の目的の範囲内で各種添加剤を用いてもよく、例えばフィルムの巻取り性を向上させるために、少なくとも一方の最外層に平均粒径が0.01〜2μmの不活性粒子を、層の重量を基準として0.001〜0.5重量%含有させてもよい。不活性粒子の平均粒径が下限値よりも小さいか、含有量が下限値よりも少ないと、フィルムの巻取り性を向上させる効果が十分に発現しないことがあり、他方、不活性粒子の含有量が上限値を超えるか、平均粒径が上限値を超えると、フィルムの光学特性の低下が生じることがある。
好ましい不活性粒子の平均粒径は、0.02〜1μm、特に好ましくは0.1〜0.3μmの範囲である。また、好ましい不活性粒子の含有量は、0.02〜0.2重量%の範囲である。
なお、不活性粒子は、本発明の目的を奏する限りにおいて、最外層以外に含有させてもよく、たとえば最外層と同じ樹脂で構成される内部の層中に含まれていてもよい。
本発明の光線選択反射フィルムは、上述の層Aおよび層Bを交互に積層したものであるが、積層数を161層以上とすることで所望の光の反射率を向上させることができる。積層数は好ましくは231層以上、より好ましくは275層以上である。積層数が多くなるに従って、多重干渉による選択反射が大きくなり、反射率を高めていくことができるが、得ようとする反射特性が得られれば、生産性を高めたり薄いフィルムを得るためには積層数を減らしてもよく、例えば2001層以下、好ましくは1001層以下であってもよい。
本発明における層Aの層厚みは0.06〜0.3μmの範囲内にあることが必要であり、かつ層Bの層厚みも0.06〜0.3μmの範囲内にあることが必要である。
層Aおよび層Bに、上述のポリエステルをそれぞれ用い、かつ各層の厚みを0.06〜0.3μmの範囲内にすることで、青色光を透過し、赤色光および緑色光を反射する光線選択反射フィルムを得ることができる。下限未満の層厚みの層が存在すると反射波長が青色光領域となり、青色光の透過率が低下するため、青色光を透過する機能を有する光線選択反射フィルムを得ることが難しくなる。また、上限を超える層厚みの層が存在すると、以下に述べる厚み比の調整によって2次ピーク(主反射ピークの1/2の波長)を除去しても、3次ピーク(主反射ピークの1/3の波長)が青色光領域に生じるため、青色光の透過率が損なわれ、青色光を透過する機能を有する光線選択反射フィルムを得ることが難しくなる。
該光線選択反射フィルムの反射波長は、隣り合った層Aと層Bの光学厚みの合計の2倍に対応する。かかる光学厚みは、各層の屈折率と各層の厚みの積で表される。
また本発明の光線選択反射フィルムにおいて、隣接する層Aと層Bについて層Aの光学厚みに対する層Bの光学厚みの比が1.0の場合には、高次のピークのうち、2次(主反射ピークの1/2波長)、4次(主反射ピークの1/4波長)を除去することができる。
この関係は積層フィルムの層の大部分について成立していればよく、積層構成部の総層数の70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上について成立していればよい。
本発明の光線選択反射フィルムのフィルム厚みは、取り扱い性等を考慮し、下限は10μm以上、さらには20μm以上であることが好ましく、上限は200μm以下、さらには151μm以下であることが好ましい。
本発明の光線選択反射フィルムは、少なくとも一軸方向に延伸された延伸フィルムであることが好ましく、さらに二軸方向に延伸された二軸延伸フィルムであることが好ましい。延伸フィルムとすることにより、延伸方向における層Aの屈折率を高めることができ、層Aと層Bの層間の屈折率差をより高めることができ、層数を減らすことができるため、十分な反射特性を備えながらフィルム厚みを薄くすることができる。
本発明の光線選択反射フィルムには、フィルムの滑り性を確保する観点から、フィルムの少なくとも片面に易滑性の塗布層を設けることが好ましい。
該塗布層を構成する樹脂成分として例えばポリエステル樹脂やアクリル樹脂が挙げられ、また易滑性を付与するために滑剤(フィラー、ワックス)を添加することが好ましい。
塗布層の形成方法として、塗布層を構成する組成物を含む水性塗液をフィルム製膜の任意の段階でフィルム上に塗布する方法が挙げられる。
本発明の光線選択反射フィルムは、赤色光および緑色光を反射し、青色光を透過する光学特性を有する。ここで赤色光は近赤外領域の波長を含んでいてもよい。
本発明の光線選択反射フィルムは、赤色から緑色の範囲での平均反射率は70%以上であることが好ましく、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。赤色光および緑色光両方の反射率を高く保つことで、バックライトとして青色光を用い、蛍光体層による励起によって赤色光、緑色光を発光させて画像を得る方式のディスプレイの反射フィルムとして用いた場合に、蛍光体からバックライト側に発せられた光を効率よく反射してディスプレイ外部に光を出射させ、ディスプレイの光利用効率を上げることができる。
本発明の光線選択反射フィルムは、このように特定の波長範囲について選択的に高透過特性と高反射特性を備えることにより、バックライトとして青色光を用い、蛍光体層による励起によって赤色光、緑色光を発光させて画像を得る方式のディスプレイの反射フィルムとして好適に用いることができ、ディスプレイの光利用効率を上げることができる。
本発明の光線選択反射フィルムは、層Aおよび層Bに前述のポリエステルを用いることで、熱寸法安定性が良好なものとなり、ディスプレイ使用時のフィルムの変形を小さくすることができる。
具体的には、本発明の光線選択反射フィルムの長手方向(連続製膜方向、縦方向、MD方向と称することがある)および幅方向(横方向、TD方向と称することがある)において、40℃〜100℃における熱膨張率は26ppm/℃以下であることが好ましく、より好ましくは25ppm/℃以下である。本発明の光線選択反射フィルムが延伸処理されたものである場合には、この延伸方向について、かかる熱膨張率を達成しやすくなるので好ましい。
以下に、本発明の光線選択反射フィルムを製造する方法について、二軸延伸フィルムを例として説明する。
本発明の光線選択反射フィルムを得るには、エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート単位を主たる繰返し単位とする芳香族ポリエステル(層A用樹脂)と、全繰返し単位を基準としてエチレンテレフタレート単位の割合が50〜95モル%である共重合ポリエチレンテレフタレート(層B用樹脂)とを、溶融状態で所望の積層数に重ね合わせた状態で押出し、積層未延伸フィルム(シート状物とする工程)とする。このとき、層Aおよび層Bの膜厚みが、それぞれについてフィルムの厚み方向に段階的または連続的に変化するように積層させることが好ましい。
このときの延伸方法は、棒状ヒータによる加熱延伸、ロール加熱延伸、テンター延伸など公知の延伸方法を用いることができるが、ロールとの接触によるキズの低減や延伸速度などの観点から、テンター延伸が好ましい。また、延伸後にさらに熱固定処理を施すことが好ましい。
ポリマー試料またはフィルムサンプルを10mgサンプリングし、DSC(TAインスツルメンツ社製、商品名:DSC2920)を用い、20℃/minの昇温速度で、融点およびガラス転移温度(Tg)を測定した。
フィルムサンプルをフィルム長手方向2mm、幅方向2cmに切り出し、包埋カプセルに固定後、エポキシ樹脂(リファインテック(株)製エポマウント)にて包埋した。包埋されたサンプルをミクロトーム(ライカマイクロシステムズ社製「ULTRACUT」(登録商標)UCT)でフィルム幅方向に垂直に切断し、5nm厚の薄膜切片にした。透過型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製S−4300)を用いて加速電圧100kVにて観察撮影し、写真から各層の厚みを測定した。
また、得られた各層の厚みをもとに、層Aにおける最小層厚みに対する最大層厚みの比率、層Bにおける最小層厚みに対する最大層厚みの比率をそれぞれ求めた。
また、得られた各層の厚みをもとに、層Aの平均層厚み、層Bの平均層厚みをそれぞれ求め、層Aの平均層厚みに対する層Bの平均層厚みを算出した。
なお、最外層または交互積層中に0.5μmを超える厚みの厚膜層が存在する場合は、それらは層A、層Bから除外した。
フィルムサンプルをスピンドル検出器(アンリツ(株)製K107C)にはさみ、デジタル差動電子マイクロメーター(アンリツ(株)製K351)にて、異なる位置で厚みを10点測定し、平均値を求めフィルム厚みとした。
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaSO4白板を100%とした時の反射率を波長300〜1300nmにわたって測定した。測定条件は、スキャン速度200nm/秒、スリット幅20nm、サンプリングピッチ2.0nmとした。得られたチャートより2nm間隔で反射率を読み取り、500〜800nmの範囲で平均値を求めた。
分光光度計(島津製作所製、MPC−3100)を用い、各波長での硫酸バリウム積分球に対する相対分光透過率を波長300nmから1300nmの範囲で測定した。得られたチャートより2nm間隔で透過率を読み取り、400〜490nmの範囲で平均値を求めた。
得られたフィルムを、フィルムの製膜方向または幅方向が測定方向となるようにそれぞれ幅4mmに切り出し、真空理工製TMA3000にセットし、チャック間距離を20mmとし、空気雰囲気下で測定を行った。フィルム厚み50μmあたり49mNの荷重をかけた状態で30℃から170℃まで5℃/minで昇温したあと、170℃で30分保持した後、その後室温まで降温させる。その後30℃から170℃まで2℃/minで昇温して、次式より温度膨張係数(αt:ppm/℃)を算出し、これを熱膨張率とした。
αt={(L100−L40)}/(L×△T)}×106+0.5
ここで、上記式中のL40は40℃のときのサンプル長(mm)、L100は100℃のときのサンプル長(mm)、Lは20mm(=チャック間距離)、△Tは60(=100−40)℃、0.5は石英ガラスの温度膨張係数(ppm/℃)である。
層A用として融点267℃、固有粘度(オルトクロロフェノール、35℃で測定)0.62dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)、層B用として融点224℃、固有粘度(オルトクロロフェノール、35℃で測定)0.65dl/gのイソフタル酸成分12モル%共重合ポリエチレンテレフタレート(IA12PET)を用い、それぞれを乾燥させた後に押出機に供給し、PENは300℃、IA12PETは280℃まで加熱して溶融状態とし、層A用PENを90層、層B用IA12PETを91層に分岐させた後、層Aと層Bとが交互に積層するような多層フィードブロック装置を使用して積層し、その積層状態を保持し、さらに第3の押出機よりPENを供給して、総数181層の積層状態の溶融体の両側に保護層をさらに積層した。その際、層Aおよび層Bは、それぞれの層の最大層厚みと最小層厚みの比が最大/最小で1.7倍まで連続的に変化するように、かつ、層Aと層Bとの膜厚比が0.9:1になるように調整した。また、保護層は全体の30%となるよう第3の押出機の供給量を調整した。
その積層状態のままダイへと導き、キャスティングドラム上にキャストして層Aと層Bとが交互に積層された総数181層(上記保護層は数えず)の未延伸積層フィルムを作成した。この未延伸積層フィルムを130℃の温度で製膜方向に4.5倍延伸し、さらに135℃の温度で幅方向に4.5倍に延伸し、235℃で30秒間熱固定処理を行い、厚み29μmの二軸延伸積層フィルム(光線選択反射フィルム)を得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
積層数並びに層A、層Bおよび保護層の厚みを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
延伸倍率を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
層A、層Bおよび保護層の厚みを表1に示すように変更した以外は、実施例2と同様にして二軸延伸積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
層B用の樹脂としてポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いる以外は、実施例2と同様にして二軸延伸積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
層Aおよび層Bの厚みを表1に示すように変更した以外は、実施例3と同様にして二軸延伸積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
保護層、層Aおよび層Bの厚みを表1に示すように変更した以外は、実施例2と同様にして二軸延伸積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
積層数並びに層A、層Bおよび保護層の厚みを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸積層フィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
Claims (4)
- 層Aと層Bとが交互に積層され、積層数が161層以上のフィルムであって、層Aはエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを主たる繰返し単位とする芳香族ポリエステルからなり、その層厚みが0.06〜0.3μmの範囲内にあり、層Bは全繰返し単位を基準としてエチレンテレフタレート単位の割合が50〜95モル%である共重合ポリエチレンテレフタレートからなり、その層厚みが0.06〜0.3μmの範囲内にあり、該フィルムの40℃から100℃における熱膨張率がフィルムの長さ方向および幅方向の両方向において26ppm/℃以下であり、該フィルムは赤色光および緑色光の平均反射率が70%以上であり、青色光の平均透過率が82%以上であることを特徴とする二軸延伸光線選択反射フィルム。
- 層Aおよび層Bにおける、それぞれの層での最大厚みと最小厚みの比(最大/最小)がいずれも1.2〜2.9である、請求項1に記載の光線選択反射フィルム。
- 層Aが、全繰返し単位を基準としてエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート単位が90モル%以上を占める芳香族ポリエステルからなる、請求項1または2に記載の光線選択反射フィルム。
- ディスプレイ用である、請求項1〜3のいずれかに記載の光線選択反射フィルム。
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