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JP6420726B2 - レーザ増幅システム - Google Patents
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Description

本発明は、レーザ増幅システムに関する。
レーザ増幅システムには、種々の増幅方式がある。増幅方式の一つとして、励起光を用いてレーザ光を増幅する光励起方式が知られている。光励起方式では、例えば、励起光及びレーザ光がレーザ利得媒質に照射される。
励起光は、レーザ光を増幅するためのエネルギー源として用いられる。励起光の一部は、レーザ利得媒質に入射すると、レーザ利得媒質に吸収される。励起光の一部がレーザ利得媒質に吸収されることによって、レーザ利得媒質は、励起状態となる。そして、励起状態のレーザ利得媒質は、レーザ光と相互作用することにより、エネルギーをレーザ光に与える。
しかしながら、レーザ利得媒質に入射した励起光の全てがレーザ利得媒質に吸収されるわけではない。レーザ利得媒質に吸収されなかった励起光は、レーザ光の増幅に寄与することなく、レーザ利得媒質を透過する。
レーザ利得媒質を透過した励起光を有効に活用する方法の一つとして、特許文献1は、次のレーザシステムを開示している。特許文献1に開示されたレーザシステムは、励起源レーザと、主レーザと、帰還路とを備える。励起源レーザから出力された励起光は、主レーザに入射される。主レーザを透過した透過光は、帰還路を経由して励起源レーザに帰還する。
特開平1−95580号公報
本発明の目的は、レーザ利得媒質を透過した励起光を有効に活用することができるレーザ増幅システムを提供することである。
以下に、「発明を実施するための形態」で使用される符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの符号は、「特許請求の範囲」の記載と「発明を実施するための形態」との対応関係を明確にするために付加されたものである。これらの符号は、「特許請求の範囲」に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いられるものではない。
実施の形態におけるレーザ増幅システムは、
励起光源(1)と、
前記励起光源から出力された励起光(EL)が供給されるレーザ利得媒質(2)と、
前記励起光源と前記レーザ利得媒質との間に配置されている励起光供給経路(OPEL)と、
前記レーザ利得媒質を透過した励起光が帰還光(ELRE)として前記レーザ利得媒質へ帰還するための帰還経路(OPRE)と、
前記帰還経路に配置されており、前記帰還光の光学特性を変える光学特性変換器(3)と、
前記励起光供給経路に配置されており、前記励起光源から出力された前記励起光と、前記光学特性変換器によって光学特性が変化した前記帰還光とを合流させる励起光合流器(4)と
を有する。
前記光学特性変換器は、前記帰還光の偏光状態を第1偏光状態から第2偏光状態に変換する光偏光素子(30)を含んでいてもよい。
前記励起光合流器は、第1光学素子(40)を含んでいてもよい。
前記第1光学素子(40)は、
前記励起光源から出力された前記第1偏光状態の前記励起光と、前記光偏光素子によって変換された前記第2偏光状態の前記帰還光とのうちの一方を透過させるとともに、
前記励起光源から出力された前記第1偏光状態の前記励起光と、前記光偏光素子によって変換された前記第2偏光状態の前記帰還光とのうちの一方を反射させてもよい。
前記光学特性変換器は、前記帰還光の波長を第1波長から第2波長に変換する波長変換素子(31)を含んでいてもよい。
前記励起光合流器は、第2光学素子(41)を含んでいてもよい。
前記第2光学素子は、
前記励起光源から出力された前記第1波長の前記励起光と、前記波長変換素子によって変換された前記第2波長の前記帰還光とのうちの一方を透過させるとともに、
前記励起光源から出力された前記第1波長の前記励起光と、前記波長変換素子によって変換された前記第2波長の前記帰還光とのうちの一方を反射させてもよい。
前記レーザ増幅システムは、
前記励起光供給経路に配置されている第1偏波保持ファイバ(5)と、
前記励起光源と前記光学特性変換器との間に配置されており、前記励起光源から出力された前記励起光を前記第1偏波保持ファイバへ導入するための第1光学レンズ(6)と
を更に有していてもよい。
前記レーザ増幅システムは、
前記帰還経路に配置されている第2偏波保持ファイバ(5)と、
前記レーザ利得媒質を透過した励起光としての前記帰還光を前記第2偏波保持ファイバへ導入する第2光学レンズ(6)と
を更に有していてもよい。
前記光学特性変換器は、半波長板であってもよい。
前記励起光合流器は、偏光子であってもよい。
レーザ利得媒質を透過した励起光を有効に活用することができるレーザ増幅システムが提供される。
図1は、光励起方式においてレーザ利得媒質を透過する励起光を説明するための模式図である。 図2は、図1に示すレーザ利得媒質が適用されたレーザ増幅システムの一例を示すブロック図である。 図3は、レーザ増幅システムSYS1の構成例を示すブロック図である。 図4は、励起光の伝搬経路に着目したレーザ増幅システムSYS1のブロック図である。 図5Aは、帰還光ELREが帰還経路OPREを1回目に通る場合のレーザ増幅システムSYS1を示すブロック図である。 図5Bは、帰還光ELREが帰還経路OPREを2回目に通る場合のレーザ増幅システムSYS1を示すブロック図である。 図6は、レーザ増幅システムSYS1の具体的な構成例を示す模式図である。 図7は、レーザ増幅システムSYS1aの構成例を示す模式図である。 図8は、レーザ増幅システムSYS1bの構成例を示す模式図である。 図9は、レーザ増幅システムSYS1cの構成例を示す模式図である。 図10は、励起光の伝搬経路に着目したレーザ増幅システムSYS1dのブロック図である。 図11は、励起光の伝搬経路に着目したレーザ増幅システムSYS1eのブロック図である。 図12は、レーザ増幅システムSYS1が適用されたレーザシステムSYS2の構成例を示すブロック図である。 図13は、光共振器として用いられたレーザ増幅システムSYS1fの構成例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に関連づけて説明する。
1.本発明者によって認識された事項
初めに、レーザ利得媒質を透過する励起光について述べる。図1は、光励起方式においてレーザ利得媒質を透過する励起光を説明するための模式図である。図1(a)は、X−Y平面に配置されたレーザ利得媒質a1の上面図である。図1(b)は、図1(a)のX1−X1におけるレーザ利得媒質a1の断面図である。図1(a)及び(b)の説明では、励起光の照射方式として、端面励起型(End Pump)を例に挙げる。なお、以下の説明は、側面励起型(Side Pump)方式についても成り立つ。
図1(a)及び(b)に示すように、端面励起型では、例えば、励起光EL及びレーザ光Lが、レーザ利得媒質a1の入射面a11に同軸に照射される。レーザ光Lは、レーザ利得媒質a1に入射すると、レーザ利得媒質a1の中を直進し、出射面a12から出射する。レーザ光Lは、レーザ利得媒質a1において、励起光ELからエネルギーを受ける。その結果、レーザ光Lは、増幅される。言い換えれば、レーザ光は励起光と重なるレーザ利得媒質中の領域で増幅されると言える。レーザ光Lと同様に、励起光ELも、レーザ利得媒質a1に入射すると、レーザ利得媒質a1の中を進み、出射面a12から出射する。
レーザ光Lと比べると、励起を目的とする励起光ELには、高いビーム品質が要求されない。また、レーザ利得媒質a1に入射した励起光ELの全てがレーザ利得媒質a1に吸収されるわけではない。レーザ利得媒質a1に吸収されなかった励起光ELは、比較的高いエネルギーを持ったまま、レーザ利得媒質a1の出射面a12から出射する。
図2は、図1に示すレーザ利得媒質が適用されたレーザ増幅システムの一例を示すブロック図である。図2に示すレーザ増幅システムは、レーザ利得媒質a1を透過した励起光(ELRE)を再利用することができるように構成されている。具体的には、レーザ増幅システムは、例えば、レーザ利得媒質a1と、励起光源a2とを有する。
励起光源a2とレーザ利得媒質a1の入射面a11との間には、励起光供給経路OPaが配置されている。レーザ利得媒質a1の出射面a12と励起光源a2との間には、帰還経路OPが設けられている。レーザ光Lは、レーザ増幅システムの外部からレーザ利得媒質a1へ供給される。
図2に示すレーザ増幅システムは、次のように動作する。先ず、励起光源a2が励起光ELを発生させる。そして、発生された励起光ELがレーザ光Lとともに、レーザ利得媒質a1に供給される。レーザ利得媒質a1の中で増幅されたレーザ光Lは、レーザ利得媒質a1から出力される。
一方、レーザ利得媒質a1を透過した励起光は、帰還光ELREとして、帰還経路OPを経由して励起光源a2に導入される。即ち、帰還光ELREは、励起光源a2に帰還する。そして、励起光源a2は、新たに発生させた励起光とともに、帰還光ELREを出力する。
しかしながら、図2に示すレーザ増幅システムの場合、適用可能な励起光源a2の構成に制限がある。レーザ利得媒質a1を透過した励起光を再利用するため、励起光を導入できるように励起光源a2が構成されている。
例えば、励起光源a2として固体レーザ利得媒質を適用する場合を考える。固体レーザ利得媒質の場合、励起光を外部から固体レーザ利得媒質に導入することは、技術的に可能である。しかしながら、例えば、励起光源a2として半導体レーザ装置を適用する場合、励起光を外部から半導体レーザ装置に導入することは、技術的に困難である。その理由としては、半導体レーザ装置の構造上、活性領域に励起光を導入することが難しいためである。
図2に示すレーザ増幅システムの場合、たとえ、励起光自体を導入できるように励起光源a2が構成されていても、励起光源a2の照射精度が下がる場合がある。照射精度が下がる理由は、励起光源a2に帰還した励起光ELを、励起光源a2によって新たに発生された励起光と同軸及び同径で励起光源a2から出力することが難しいためである。
2.第1の実施の形態
2.1.概要
第1の実施の形態の概要について説明する。図3は、レーザ増幅システムSYS1の構成例を示すブロック図である。レーザ増幅システムSYS1は、励起光源1の構成に依存することなく、レーザ利得媒質2を透過した励起光(ELRE)を回収して再利用することができるレーザ増幅システムである。図3に示すように、レーザ増幅システムSYS1は、レーザ利得媒質2を透過した励起光(ELRE)が励起光源1ではなくレーザ利得媒質2へ帰還するように構成されている。
レーザ利得媒質2を透過した励起光が帰還光ELREとしてレーザ利得媒質2に帰還するためには、励起光源1とレーザ利得媒質2との間で、帰還光ELREが励起光源1から出力された励起光ELと合流すればよい。そのため、光学特性変換器3及び励起光合流器4が設けられている。
(構成)
レーザ増幅システムSYS1は、次のように構成されている。レーザ増幅システムSYS1は、励起光源1と、レーザ利得媒質2と、光学特性変換器3と、励起光合流器4と、励起光供給経路OPELと、帰還経路OPREとを有する。
レーザ増幅システムSYS1は、励起光を用いてレーザ光を増幅する光励起方式のレーザ増幅システムである。励起光の照射方式として、端面励起型を例に挙げる。なお、端面励起型の代わりに、側面励起型を用いてもよい。レーザ増幅システムSYS1は、例えば、連続発振方式である。
レーザ利得媒質2は、入射面21と、出射面22とを備える。入射面21は、レーザ光L、励起光EL(後述の帰還光ELREを含む)が入射する面である。出射面22は、レーザ光L、及びレーザ利得媒質2を透過した励起光が出射する面である。レーザ利得媒質2には、種光源から出力されたレーザ光Lと、励起光源1から出力された励起光ELとが供給される。
励起光供給経路OPELは、励起光源1とレーザ利得媒質2との間に配置されている。言い換えれば、励起光供給経路OPELは、励起光源1からレーザ利得媒質2の入射面21までの光路である。
帰還経路OPREは、レーザ利得媒質2を透過した励起光が帰還光ELREとしてレーザ利得媒質2へ帰還するための経路の一部である。具体的には、帰還経路OPREは、レーザ利得媒質2の出射面22から光学特性変換器3を経由した励起光合流器4までの光路である。
光学特性変換器3は、帰還経路OPREに配置されており、帰還光ELREの光学特性を変える。
励起光合流器4は、励起光供給経路OPELに配置されており、励起光源1から出力された励起光ELと、光学特性変換器3によって光学特性が変化した帰還光ELREとを合流させる。
(動作)
レーザ増幅システムSYS1は、次のように動作する。図3に示すように、励起光源1は、励起光ELを励起光供給経路OPELに供給している。レーザ利得媒質2には、種光源から出力されたレーザ光Lと、励起光源1から出力された励起光ELとが励起光供給経路OPELを通って供給される。レーザ光Lは、レーザ利得媒質2で増幅され、レーザ利得媒質2から出力される。
一方、励起光ELの一部は、レーザ利得媒質2を励起する。励起光の一部は、レーザ利得媒質2を透過する。レーザ利得媒質2を透過した励起光は、帰還光ELREとして帰還経路OPREに供給される。光学特性変換器3は、帰還光ELREを受光し、受光した帰還光ELREの光学特性を変える。そして、励起光合流器4は、励起光源1から出力された励起光ELと、光学特性変換器3によって光学特性が変化した帰還光ELREとを合流させる。そして、帰還光ELREは、励起光合流器4で合流した励起光ELとともに、レーザ利得媒質2に供給される。つまり、レーザ利得媒質2を透過した励起光が帰還経路OPREを通ってレーザ利得媒質2に帰還する。
(効果)
上述のように、レーザ増幅システムSYS1は、レーザ利得媒質2を透過した励起光が励起光源1ではなくレーザ利得媒質2に帰還するように構成されている。そのため、励起光源1の構成に依存することなく、レーザ利得媒質2を透過した励起光を回収することができる。更には、レーザ利得媒質2を透過した励起光が励起光源1に帰還しないので、励起光源1の照射精度が下がることが抑制される。
2.2.光学特性変換器・励起光合流器
励起光は光である。したがって、励起光は、光学特性を持っている。光学特性は、例えば、偏光状態、又は波長を含む。励起光源とレーザ利得媒質との間で、帰還光が励起光源から出力された励起光と合流するために、光学特性変換器、及び励起光合流器が配置される。
以下に、光学特性変換器、及び励起光合流器の構成について説明する。図4は、励起光の伝搬経路に着目したレーザ増幅システムSYS1のブロック図である。なお、図4の説明では、レーザ光に関する説明を省略する。
(構成)
始めに、光学特性変換器3、及び励起光合流器4の構成について述べる。図4に示すように、光学特性変換器(3)は、例えば、光偏光素子30である。光偏光素子30は、光の光学特性を変える素子である。第1の実施の形態では、光偏光素子30は、帰還光ELREの偏光状態を変える。具体的には、光偏光素子30は、帰還光ELREの偏光状態を第1偏光状態(例えば、縦偏光)から第2偏光状態(例えば、横偏光)に変える。光偏光素子30は、例えば、半波長板(λ/2板)である。
励起光合流器(4)は、例えば、第1光学素子40である。第1光学素子40は、特定の光学特性を持つ光を透過させ、他の光学特性を持つ光を反射させる素子である。簡単に言えば、第1光学素子40は、特定の光学特性を持つ光を透過させるフィルタの役目と、他の光学特性を持つ光を反射させるミラーの役目を併せ持つ。第1の実施の形態では、第1光学素子40は、励起光源1から出力された第1偏光状態(例えば、縦偏光)の励起光ELを透過させ、光偏光素子30によって変換された第2偏光状態(例えば、横偏光)の帰還光ELREを反射させる。即ち、第1光学素子40は、励起光源1から出力された励起光ELの偏光状態と同じ偏光状態の励起光だけを透過させ、他の偏光状態の励起光を反射させる。具体的には、光偏光素子30は、例えば、偏光子で構成されている。第1光学素子40は、励起光供給経路OPELと帰還経路OPREとの交点において、反射された帰還光ELREがレーザ利得媒質2へ供給されるように配置されている。
(第1光学素子40の機能)
第1光学素子40の機能について述べる。第1光学素子40は、励起光供給経路OPELと帰還経路OPREとの交点に配置されている。したがって、励起光合流器4としては、次の特性を持っている素子が望ましい。一つ目は、励起光源1から出力された励起光ELを透過させることである。二つ目は、帰還光ELREを反射させて励起光供給経路OPELへ供給することである。2つの特性を持つ素子としては、第1光学素子40(例えば、偏光子)が好適である。
(光偏光素子30の機能)
光偏光素子30の機能について述べる。上述のように、第1光学素子40は、励起光源1から出力された励起光ELの偏光状態と同じ偏光状態の励起光だけを透過させ、他の偏光状態の励起光を反射させる。もし、光偏光素子30が設けられていない場合、帰還光ELREが第1光学素子40によって反射されない。帰還光ELREが反射されない理由は、帰還光ELREの偏光状態が励起光ELの偏光状態と同じだからである。したがって、帰還光ELREが第1光学素子40によって反射されるためには、帰還光ELREの偏光状態を変えることが必要である。
以下に、具体例を挙げて、光偏光素子30の機能について説明する。ただし、以下の説明では、レーザ増幅システムSYS1を次のように単純化する。第1に、励起光源1がレーザダイオード(半導体レーザ)で構成されている場合を例示する。この場合、一般に励起光ELは、直線偏光である。第2に、励起光ELの偏光状態が直線偏光である場合を例に挙げる。第3に、第1光学素子40が縦偏光の励起光を透過させ、他の偏光状態の励起光を反射させる場合を例に挙げる。ここで、縦偏光は、例えば、Y軸に沿った方向の偏光である。図4において示される記号「↑」及び「↓」は、縦偏光を表している。他の偏光状態は、縦偏光以外の偏光であって、例えば、横偏光である。横偏光は、例えば、X軸に沿った方向の偏光である。図4において示される記号「→」及び「←」は、横偏光を表している。
先ず、励起光源1から出力された励起光ELがレーザ利得媒質2へ供給されるまでの過程に着目する。励起光ELの偏光状態が縦偏光である場合、第1光学素子40は、縦偏光の励起光ELを透過させる。したがって、励起光ELは、励起光供給経路OPELを通ってレーザ利得媒質2へ供給される。
次に、レーザ利得媒質2を透過した励起光(帰還光ELRE)が、励起光源1から出力された励起光ELと合流するまでの過程に着目する。レーザ利得媒質2を透過した励起光の偏光状態は、縦偏光のままである。即ち、帰還光ELREの偏光状態は、縦偏光である。もし、光偏光素子30が設けられていない場合、第1光学素子40は、縦偏光の帰還光ELREを受光する。第1光学素子40は、縦偏光の励起光を透過させるフィルタの役割を持つ。したがって、帰還光ELREは、第1光学素子40透過する。そのため、帰還光ELREが励起光ELと合流することができない。即ち、帰還光ELREがレーザ利得媒質2へ帰還しない。
以上のことから、帰還光ELREが励起光ELと合流するために、光偏光素子30は、帰還光ELREの偏光状態を変化させる機能を有する。例えば、光偏光素子30は、縦偏光の帰還光ELREを横偏光の帰還光ELREに変換する。したがって、光偏光素子30によって変換された帰還光ELREを第1光学素子40が反射することができる。その結果、帰還光ELREは、レーザ利得媒質2へ帰還する。
2.3.励起光の回収
図4に示すレーザ増幅システムSYS1の場合、レーザ利得媒質を透過した励起光は、一度だけレーザ利得媒質に回収される。つまり、帰還光は、レーザ利得媒質2へ一度だけ帰還する。励起光の回収について、図5A及び図5Bを参照しながら説明する。
図5Aは、帰還光ELREが帰還経路OPREを1回目に通る場合のレーザ増幅システムSYS1を示すブロック図である。図5Bは、帰還光ELREが帰還経路OPREを2回目に通る場合のレーザ増幅システムSYS1を示すブロック図である。図5A及び5Bにおいて示される記号「↑」及び「↓」は、縦偏光を表している。記号「→」及び「←」は、横偏光を表している。なお、図5A及び図5Bの説明では、レーザ光に関する説明を省略する。
(1回目)
先ず、図5Aを参照して、帰還光ELREが帰還経路OPREを1回目に通る場合について説明する。励起光源1から出力された励起光ELの偏光状態が縦偏光である場合について考える。この場合、励起光ELは、第1光学素子40を透過してレーザ利得媒質2へ供給される。レーザ利得媒質2を透過した励起光の偏光状態は、縦偏光のままである。即ち、帰還光ELREは、縦偏光である。縦偏光の帰還光ELREは、帰還経路OPREを通って光偏光素子30へ供給される。光偏光素子30は、帰還光ELREの偏光状態を縦偏光から横偏光に変換する。そして、第1光学素子40は、光偏光素子30によって変換された横偏光の帰還光ELREを反射させて励起光供給経路OPELへ導入する。横偏光の帰還光ELREは、励起光供給経路OPELを通ってレーザ利得媒質2へ帰還する。
(2回目)
次に、図5Bを参照して、帰還光ELREが帰還経路OPREを2回目に通る場合について説明する。帰還光ELREがレーザ利得媒質2へ帰還した後に、レーザ利得媒質2を透過する励起光には、2種類ある。一つは、横偏光の励起光である。横偏光の励起光は、第1光学素子40で反射された帰還光ELREである。もう一つは、縦偏光の励起光である。縦偏光の励起光は、励起光源1から出力された励起光ELである。ここでは、説明を簡単にするために、第1光学素子40で反射された帰還光ELRE、即ち、横偏光の帰還光ELREに着目する。
横偏光の帰還光ELREは、帰還経路OPREを通って光偏光素子30へ導入される。光偏光素子30は、帰還光ELREの偏光状態を横偏光から縦偏光に変換する。帰還光ELREの偏光状態が横偏光から縦偏光に変換されたので、第1光学素子40は、光偏光素子30によって変換された縦偏光の帰還光ELREを透過させる。言い換えれば、光偏光素子30は、同じ帰還光ELREの偏光状態を2度目に変える場合、帰還光ELREの偏光状態を元に戻す。そして、第1光学素子40は、光偏光素子30によって偏光状態が元の偏光状態に戻った帰還光ELREを透過させる。したがって、縦偏光の帰還光ELREは、レーザ利得媒質2へ帰還しない。
以上のことから、図4(図5A及び図5B)に示すレーザ増幅システムSYS1の場合、レーザ利得媒質を透過した励起光が、一度だけレーザ利得媒質に回収されることが分かる。励起光の役割は、レーザ利得媒質の原子を励起(ポンピング)することである。したがって、励起光を有効に活用するという観点では、励起光を一度でもレーザ利得媒質に回収することができれば、有益である。また、横偏光及び縦偏光の励起光がレーザ利得媒質に供給されても、励起光の役割の観点からは、レーザ増幅システムに悪影響をもたらすことはない。
2.4.具体的な構成
図6は、レーザ増幅システムSYS1の具体的な構成例を示す模式図である。図6に示すように、レーザ増幅システムSYS1は、励起光源1と、レーザ利得媒質2と、光偏光素子30と、第1光学素子40と、励起光供給経路OPELと、帰還経路OPREとに加え、第1偏波保持ファイバ5を有する。
レーザ増幅システムSYS1は、第1光学レンズ6と、第2光学レンズ6と、第3光学レンズ6と、第4光学レンズ6と、第1ダイクロイックミラー7と、第2ダイクロイックミラー7と、第1ミラー8と、第2ミラー8とのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。レーザ利得媒質2は、レーザ増幅器(AMP)20に包含されている。なお、光偏光素子30及び第1光学素子40の構成については、説明を省略する。
励起光源1は、例えば、レーザダイオードである。励起光源1は、励起光ELを発生させて、励起光供給経路OPELに供給する。励起光ELの波長は、レーザ光Lの波長と異なる。なお、励起光源1の構成は、任意である。例えば、励起光源1が固体レーザ利得媒質で構成されていてもよい。
レーザ利得媒質2には、レーザ光Lの波長に適した物質が使用される。レーザ利得媒質2に固体のレーザ利得媒質を適用する場合、固体としては、例えば、イッテルビウム3価イオン(Yb3+)を含んだイットリウムアルミニウムガーネット(YAG)が挙げられる。レーザ利得媒質2に液体のレーザ利得媒質を適用する場合、液体としては、例えば、蛍光性の有機色素(例えば、オキサジン系色素)が溶剤(例えば、アルコール)に融解した液体が挙げられる。なお、レーザ利得媒質2に気体のレーザ利得媒質を適用してもよいし、あるいはファイバ形式のレーザ利得媒質を適用してもよい。
レーザ増幅器20は、種光としてのレーザ光Lが増幅するように構成されている。レーザ増幅器20は、レーザ利得媒質2に加え、種々の光学部品を備えていてもよい。種々の光学部品は、例えば、レーザ増幅器20に供給されたレーザ光及び励起光をレーザ利得媒質2へ同軸に導くためのミラーを含んでいる。レーザ増幅器20は、レーザ利得媒質2によって増幅されたレーザ光Lと、レーザ利得媒質2を透過した励起光(帰還光ELRE)とを出力する。なお、レーザ光Lの強度は、任意である。
第1偏波保持ファイバ5は、入力端51と、出力端51とを備える。第1偏波保持ファイバ5は、励起光供給経路OPELに配置されている。第1偏波保持ファイバ5は、導入された光の偏光状態(偏波面の状態)が保持されたまま出力されるように構成されている。つまり、第1偏波保持ファイバ5から出力された光の偏光状態は、第1偏波保持ファイバ5に導入された光の偏光状態と同じである。図6の例では、入力端51に励起光ELが導入される。第1偏波保持ファイバ5に導入された励起光ELは、偏光状態を保持したまま出力端51に出力される。
図6に示すように、第1偏波保持ファイバ5が設けられる場合、帰還光ELREを励起光ELと同軸にすることが容易となる。その上、帰還光ELREの径を励起光ELの径と同じにすることも容易となる。
更には、第1偏波保持ファイバ5が用いられることにより、次の効果も得られる。光路(例えば、励起光供給経路OPEL)はできるだけ単純である方が良い。しかしながら、光路は、レーザ増幅システムSYS1の構成の制約を受けやすい。そのため、例えば、励起光源1及びレーザ増幅器20の双方を直線状の光路に配置することが難しい場合がある。そこで、第1偏波保持ファイバ5が設けられている。第1偏波保持ファイバ5は、光ファイバのような柔軟性を持つ。その上、第1偏波保持ファイバ5には、外部から振動(衝撃)が加わっても、偏光状態が保持されるという特色がある。そのため、例えば、非直線状の光路に励起光源1及びレーザ増幅器20の双方を配置することができる。つまり、レーザ増幅システムSYS1の設計の自由度が高まる。
第1光学レンズ6は、励起光供給経路OPELにおいて、励起光源1と第1光学素子40との間に配置されている。第1光学レンズ6は、励起光源1から出力された励起光ELを集光して第1偏波保持ファイバ5の入力端51に導入する。なお、第1光学レンズ6は、励起光ELが第1偏波保持ファイバ5の入力端51に導入されるように、第1光学素子40と第1偏波保持ファイバ5の入力端51との間に配置されていてもよい。
第2光学レンズ6は、帰還経路OPREにおいて、第2ダイクロイックミラー7と第1ミラー8との間に配置されている。なお、図6の例では、第2光学レンズ6は、例えば、帰還経路OPREにおいて、第1ミラー8と第2ミラー8との間に配置されていてもよい。また、図6の例では、第2光学レンズ6は、設けられていなくてもよい。
第3光学レンズ6は、励起光供給経路OPELにおいて、第1偏波保持ファイバ5と第1ダイクロイックミラー7との間に配置されている。第3光学レンズ6は、第1偏波保持ファイバ5の出力端51から出力された励起光ELを受光し、励起光ELを第1ダイクロイックミラー7へ導入する。簡単に言えば、第3光学レンズ6は、第1偏波保持ファイバ5から出力された励起光ELをレーザ利得媒質2へ導入する。
第4光学レンズ6は、帰還経路OPREにおいて、光偏光素子30と第1光学素子40との間に配置されている。第4光学レンズ6は、光偏光素子30から出力された帰還光ELREを受光し、帰還光ELREを集光して第1光学素子40へ導入する。なお、第4光学レンズ6は、設けられていなくてもよい。
第1ダイクロイックミラー7について述べる。基本的に、励起光ELの波長は、レーザ光Lの波長と異なる。また、図6の例では、レーザ光Lは、励起光供給経路OPELに対して垂直にY軸の正方向から負方向の向きに入射する。種光源から出力されたレーザ光Lと、励起光源1から出力された励起光ELとをレーザ増幅器20(レーザ利得媒質2)へ供給するためには、光学素子としてダイクロイックミラーが好適である。ダイクロイックミラーは、特定の波長の光を透過させ、他の波長の光を反射させる。
第1ダイクロイックミラー7は、レーザ光Lをレーザ増幅器20へ供給し、励起光ELを透過させる役割を持つ。具体的には、第1ダイクロイックミラー7は、第1偏波保持ファイバ5から出力された励起光ELを透過させ、種光源から出力されたレーザ光Lを反射させる。第1ダイクロイックミラー7は、レーザ光LがX軸の正方向に反射するように、励起光供給経路OPELに配置されている。
第2ダイクロイックミラー7は、第1ダイクロイックミラー7と同様に、特定の波長の光を透過させ、他の波長の光を反射させる。ただし、第2ダイクロイックミラー7は、第1ダイクロイックミラー7と次の点で異なる。第2ダイクロイックミラー7は、帰還光ELREをレーザ増幅器20へ帰還させる役割を持つ。そのため、第2ダイクロイックミラー7は、帰還光ELREがY軸の負方向に反射するように、帰還経路OPREに配置されている。第2ダイクロイックミラー7は、レーザ増幅器20から出力されたレーザ光Lを透過させる。更に、第2ダイクロイックミラー7は、励起光としての帰還光ELREを第1ミラー8へ向けて反射させる。
第1ミラー8は、例えば、全反射ミラーである。第1ミラー8は、帰還経路OPREにおいて、第2ダイクロイックミラー7からY軸の負方向へ所定の距離を隔てた位置に配置されている。第1ミラー8は、第2ダイクロイックミラー7によって反射された帰還光ELREを受光し、帰還光ELREを第2ミラー8へ向けて反射させる。
第2ミラー8は、例えば、全反射ミラーである。第2ミラー8は、帰還経路OPREにおいて、第1ミラー8からX軸の負方向へ所定の距離を隔てた位置に配置されている。第2ミラー8は、第1ミラー8によって反射された帰還光ELREを受光し、帰還光ELREを光偏光素子30へ向けて反射させる。
2.5.動作
励起光に着目し、レーザ増幅システムSYS1の動作を説明する。励起光源1から出力された励起光ELは、第1光学レンズ6を通過して第1光学素子40に導入される。そして、励起光ELは、第1光学素子40を透過して、第1偏波保持ファイバ5に導入される。第1偏波保持ファイバ5に導入された励起光ELは、偏光状態が保持されたまま出力される。第1偏波保持ファイバ5から出力された励起光ELは、第3光学レンズ6を通過して第1ダイクロイックミラー7へ導入される。そして、励起光ELは、第1ダイクロイックミラー7を透過して、レーザ増幅器20(レーザ利得媒質2)へ供給される。
レーザ利得媒質2を透過した励起光は、帰還光ELREとしてレーザ増幅器20から出力される。帰還光ELREは、第2ダイクロイックミラー7によって反射され、帰還経路OPREに導入される。そして、帰還光ELREは、第1ミラー8及び第2ミラー8によって反射され、光偏光素子30へ導入される。例えば、帰還光ELREの偏光状態が縦偏光の場合、光偏光素子30は、帰還光ELREの偏光状態を縦偏光から横偏光に変換する。そして、第1光学素子40は、光偏光素子30によって変換された横偏光の帰還光ELREを反射させて励起光供給経路OPELへ導入する。その後、帰還光ELREは、上述の励起光ELが辿った経路と同様の経路をたどり、レーザ利得媒質2へ帰還する。
第1の実施の形態によれば、励起光源1の構成に依存することなく、レーザ利得媒質2を透過した励起光(ELRE)を回収して再利用することができる。
3.第2の実施の形態
第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、励起光の偏光状態を利用することにより、励起光を回収する例を挙げた。励起光の回収にあたっては、励起光の偏光状態の代わりに、励起光の波長を利用することができる。
図7は、レーザ増幅システムSYS1aの構成例を示す模式図である。図7に示すように、レーザ増幅システムSYS1aでは、図6に示す光偏光素子30の代替手段として、波長変換素子31が設けられている。更に、図6に示す第1光学素子40の代替手段として、第2光学素子41が設けられている。言い換えれば、図3に示す光学特性変換器(3)は、波長変換素子31を含む。図3に示す励起光合流器(4)は、第2光学素子41を含む。
励起光源1によって発生された励起光ELの波長は、励起光源1の仕様によって決まっている。以下の説明では、励起光ELが第1波長を持つと仮定する。
波長変換素子31は、帰還光ELREの波長を第1波長から第2波長に変換する。第2波長は、第1波長より長くてもよいし、第1波長より短くてもよい。第2波長は、第1波長と異なる波長であればよい。
第2光学素子41は、励起光源1から出力された第1波長の励起光を透過させるとともに、波長変換素子31によって変換された第2波長の帰還光ELREを反射させる。
第1の実施の形態と同様に、帰還光ELREの光学特性を変えることにより、帰還光ELREが励起光源1から出力された励起光ELと合流する。その結果、レーザ利得媒質2には、2種類の励起光が供給される。一つは、第1波長の励起光である。もう一つは、第2波長の帰還光ELREである。レーザ利得媒質2は、2種類の励起光の各々と相互作用することで励起される。
第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、励起光源1の構成に依存することなく、レーザ利得媒質2を透過した励起光を回収して再利用することができる。
4.第3の実施の形態
第3の実施の形態について説明する。第1の実施の形態で説明したように、偏波保持ファイバは、レーザ増幅システムの設計の自由度を高めることに貢献する。第3の実施の形態では、レーザ増幅システムの設計の自由度が更に高まるレーザ増幅システムについて説明する。
図8は、レーザ増幅システムSYS1bの構成例を示す模式図である。図8に示すように、レーザ増幅システムSYS1bは、第2偏波保持ファイバ5を更に備える。第2偏波保持ファイバ5が帰還経路OPRE設けられたので、第1ミラー8及び第2ミラー8は、不要である。
第2偏波保持ファイバ5は、入力端52と、出力端52とを備える。第2偏波保持ファイバ5の構造自体は、第1偏波保持ファイバ5の構造と同じである。ただし、第2偏波保持ファイバ5は、帰還経路OPREに配置されている。
第2光学レンズ6は、レーザ利得媒質2を透過した励起光を帰還光ELREとして、第2偏波保持ファイバ5の入力端52に導入する。
第4光学レンズ6は、第2偏波保持ファイバ5の出力端52から出力された帰還光ELREを受光し、帰還光ELREを第1光学素子40へ導入する。簡単に言えば、第4光学レンズ6は、第2偏波保持ファイバ5から出力された帰還光ELREを第1光学素子40へ導入する。
第3の実施の形態によれば、帰還経路OPREの一部が第2偏波保持ファイバ5で構成されている。したがって、励起光供給経路OPELにおいて、帰還光ELREを励起光ELと同軸にすることが更に容易となる。その上、励起光供給経路OPELにおいて、帰還光ELREの径を励起光ELの径と同じ径にすることも容易となる。また、レーザ増幅システムの設計の自由度を更に高めることができる。言うまでもなく、第1の実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。
5.第4の実施の形態
第4の実施の形態について説明する。偏波保持ファイバを励起光供給経路ではなく、帰還経路に配置することもできる。
図9は、レーザ増幅システムSYS1cの構成例を示す模式図である。図9に示すように、レーザ増幅システムSYS1cは、第2偏波保持ファイバ5を更に備える。第2偏波保持ファイバ5が帰還経路OPREに設けられている。なお、図9の例では、第1光学レンズ6及び第3光学レンズ6(図6参照)が、設けられていない。無論、第1光学レンズ6及び第3光学レンズ6が励起光供給経路OPELに設けられていてもよい。
第2偏波保持ファイバ5は、帰還経路OPREに配置されている。第2光学レンズ6は、レーザ利得媒質2を透過した励起光を帰還光ELREとして第2偏波保持ファイバ5へ導入する。第4光学レンズ6は、第2偏波保持ファイバ5から出力された帰還光ELREを第1光学素子40へ導入する。
第4の実施の形態によれば、帰還経路OPREの一部が第2偏波保持ファイバ5で構成されている。したがって、レーザ増幅システムの設計の自由度を高めることができる。言うまでもなく、第1の実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。
6.第5の実施の形態
第5の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、励起光の回収にあたって、励起光源から出力された励起光が透過し、レーザ利得媒質2から出力された帰還光が反射される場合を例示した。第5の実施の形態では、励起光源から出力された励起光が反射し、レーザ利得媒質から出力された帰還光が透過する場合について説明する。
図10は、励起光の伝搬経路に着目したレーザ増幅システムSYS1dのブロック図である。図10において示される記号「↑」及び「↓」は、縦偏光を表している。記号「→」及び「←」は、横偏光を表している。
図10に示すレーザ増幅システムSYS1dの構成は、図4に示すレーザ増幅システムSYS1の構成と次の点で異なる。なお、以下の説明では、図4の説明と同様に、励起光源1から出力された励起光ELの偏光状態が縦偏光であるとする。
一つ目は、光偏光素子30aの機能である。光偏光素子30aは、例えば、帰還光ELREの偏光状態を縦偏光から横偏光に変換する。二つ目は、第1光学素子40aの機能である。第1光学素子40aは、光偏光素子30aによって変換された横偏光の帰還光ELREを透過させ、励起光源1から出力された縦偏光の励起光を反射させる。三つ目は、励起光源1の配置である。励起光源1から出力された励起光ELが第1光学素子40aによって反射され、反射された励起光ELが励起光供給経路OPELへ供給される位置に励起光源1は配置されている。
レーザ増幅システムSYS1dの動作は、次の通りである。励起光源1から出力された縦偏光の励起光ELは、第1光学素子40aによって反射されて励起光供給経路OPELへ供給される。そして、縦偏光の励起光ELは、レーザ利得媒質2へ供給される。レーザ利得媒質2を透過した帰還光ELREは、縦偏光のままである。縦偏光の帰還光ELREは、帰還経路OPREを通って、光偏光素子30aへ導入される。光偏光素子30aは、帰還光ELREの偏光状態を縦偏光から横偏光に変換する。光偏光素子30aによって変換された横偏光の帰還光ELREは、第1光学素子40aへ導入される。第1光学素子40aは、横偏光の帰還光ELREを透過させる。第1光学素子40aを透過した横偏光の帰還光ELREは、レーザ利得媒質2へ帰還する。
第5の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、励起光源1の構成に依存することなく、レーザ利得媒質2を透過した励起光を回収して再利用することができる。
7.第6の実施の形態
第6の実施の形態について説明する。第6の実施の形態では、励起光の波長を利用することで、励起光源から出力された励起光が反射し、レーザ利得媒質から出力された帰還光が透過する場合について説明する。
図11は、励起光の伝搬経路に着目したレーザ増幅システムSYS1eのブロック図である。図11に示すように、レーザ増幅システムSYS1eでは、図10に示す光偏光素子30aの代替手段として、波長変換素子31aが設けられている。更に、図10に示す第1光学素子40aの代替手段として、第2光学素子41aが設けられている。以下の説明では、励起光源1によって発生された励起光ELが第1波長を持つとする。
波長変換素子31aは、帰還光ELREの波長を第1波長から第2波長に変換する。第2光学素子41aは、励起光源1から出力された第1波長の励起光を反射させるとともに、波長変換素子31aによって変換された第2波長の帰還光ELREを透過させる。
第6の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、励起光源1の構成に依存することなく、レーザ利得媒質2を透過した励起光を回収して再利用することができる。
8.第7の実施の形態
第7の実施の形態は、レーザ増幅システムが適用されたレーザシステムに関する。図12は、レーザ増幅システムSYS1が適用されたレーザシステムSYS2の構成例を示すブロック図である。
図12に示すように、レーザシステムSYS2は、レーザ増幅システムSYS1と、種光源9とを有する。種光源9は、レーザ光Lの発生源である。種光源9は、発生させたレーザ光Lをレーザ利得媒質2へ供給する。選択的に、第2から第6の実施の形態におけるレーザ増幅システムSYS1a−SYS1eのうちのいずれかをレーザシステムSYS2に適用してもよい。
第7の実施の形態によれば、励起光源の構成に依存することなく、レーザ利得媒質を透過した励起光を回収して再利用するレーザシステムを提供することができる。
9.第8の実施の形態
レーザ増幅システムを光共振器(レーザ発振器)として用いることができる。図13は、光共振器として用いられた場合のレーザ増幅システムSYS1fの構成例を示すブロック図である。図13に示すように、レーザ増幅システムSYS1fは、ミラー23と、ハーフミラー24とを更に備えていてもよい。例えば、ミラー23は、レーザ利得媒質2の端部に配置されている。ハーフミラー24は、ミラー23と対向するように、レーザ利得媒質2の他端部に配置されている。なお、図13において、ミラー23及びハーフミラー24の配置は、説明の便宜を図るために簡略化されて図示されている。
図13に示すように、レーザ増幅システムを光共振器として用いる場合、レーザ光をレーザ利得媒質2へ導入する必要は無い。励起光ELがレーザ利得媒質2へ導入されると、励起光ELの一部はレーザ利得媒質2に吸収される。その結果、自然放射によって、レーザ利得媒質2から光が発生する。発生した光は、ミラー23及びハーフミラー24の間を何度も反射する。発生した光がミラー23及びハーフミラー24の間を何度も往復することにより、コヒーレントな光、つまりレーザ光が生成される。以上のように、レーザ増幅システムSYS1fを光共振器として用いることができる。
以上、全ての実施の形態について説明した。本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、本発明に種々の変更を加えることができる。例えば、帰還経路を工夫することによって、レーザ利得媒質を透過した励起光を2回以上回収することができる。
技術的な矛盾が生じない範囲内で、全ての実施の形態を好適に組み合わせることができる。例えば、第2の実施の形態を第3の実施の形態と組み合わせてもよい。
1…励起光源、2…レーザ利得媒質、3…光学特性変換器、4…励起光合流器、5…第1偏波保持ファイバ、5…第2偏波保持ファイバ、6…第1光学レンズ、6…第2光学レンズ、6…第3光学レンズ、6…第4光学レンズ、7…第1ダイクロイックミラー、7…第2ダイクロイックミラー、8…第1ミラー、8…第2ミラー、9…種光源、20…レーザ増幅器、30…光偏光素子、31…波長変換素子、40…第1光学素子、41…第2光学素子、EL…励起光、ELRE…帰還光、L…レーザ光、OPEL…励起光供給経路、OPRE…帰還経路、SYS1、SYS1a、SYS1b、SYS1c…レーザ増幅システム、SYS2…レーザシステム

Claims (4)

  1. 励起光を出力する励起光源と、
    帰還励起光と前記励起光源からの前記励起光を合成して合成励起光を生成する励起光合成器と、
    前記合成励起光を用いる励起によりレーザビームを増幅し、増幅されたレーザビームと励起後の前記合成励起光とを出力するレーザ利得媒質と、
    前記励起光合成器と前記レーザ利得媒質との間に配置され、前記励起光合成器からの前記合成励起光と、前記レーザビームとを受け、前記合成励起光が前記レーザビームの幅よりも広い幅を有し、且つ前記合成励起光の幅内に前記レーザビームを含むように、前記合成励起光と前記レーザビームを前記レーザ利得媒質に供給する励起光供給経路と、
    前記レーザ利得媒質からの出力から前記合成励起光を取り出し、前記帰還励起光として前記励起光合成器に供給する帰還励起光経路と
    を有し、
    前記励起光供給経路は、
    第1偏波保持ファイバと、
    前記レーザビームを反射し、また前記第1偏波保持ファイバからの前記合成励起光を透過することにより、前記レーザビームと前記合成励起光を前記レーザ利得媒質に供給する第1ダイクロイックミラーと、
    前記第1偏波保持ファイバと前記第1ダイクロイックミラーの間に設けられ、前記第1偏波保持ファイバから出力される前記合成励起光を、前記レーザビームより広い幅を持つように、且つ前記レーザビームを含むように、前記第1ダイクロイックミラーを介して前記レーザ利得媒質に集光する第3のレンズと
    を含み、
    前記励起光合成器は、
    前記励起光を前記励起光源から前記励起光供給経路に透過し、前記帰還励起光を前記励起光供給経路に反射することにより前記合成励起光を生成する第1光学素子と、
    前記励起光を前記第1偏波保持ファイバの入射口に、前記第1光学素子を介して集光する第1レンズと、
    前記帰還励起光経路からの前記帰還励起光を、前記励起光と同じ径で前記第1光学素子により反射されて前記第1偏波保持ファイバの入射口に集光する第2レンズと
    を含み、
    前記帰還励起光経路は、
    前記レーザ利得媒質の出力光から励起後の前記合成励起光を前記帰還励起光として取り出す第2ダイクロイックミラーを有する
    レーザ増幅システム。
  2. 前記励起光合成器は、
    前記帰還励起光経路からの前記帰還励起光の偏光状態を第1偏光状態から第2偏光状態に変換する光偏光素子を更に含み、
    記第1光学素子は、
    前記励起光源から出力された前記第1偏光状態の前記励起光を前記励起光源から前記励起光供給経路に透過るとともに、
    記光偏光素子からの前記第2偏光状態の前記帰還励起光を前記励起光供給経路に反射
    請求項1に記載のレーザ増幅システム。
  3. 前記励起光合成器は、
    前記帰還励起光経路からの前記帰還励起光の波長を第1波長から第2波長に変換する波長変換素子を更に含み、
    記第光学素子は、
    前記励起光源から出力された前記第1波長の前記励起光を前記励起光源から前記励起光供給経路に透過るとともに、
    記波長変換素子からの前記第2波長の前記帰還励起光を前記励起光供給経路に反射
    請求項1に記載のレーザ増幅システム。
  4. 前記帰還励起光経路は、
    2偏波保持ファイバと、
    前記第2ダイクロイックミラーから出力される前記帰還励起光を前記第2偏波保持ファイバへ導入する第2光学レンズと
    を更に有する
    請求項1からのいずれか一項に記載のレーザ増幅システム。
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