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JP6424670B2 - 中間転写体、それを備えた画像形成装置、および、中間転写体の製造方法 - Google Patents
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JP6424670B2 - 中間転写体、それを備えた画像形成装置、および、中間転写体の製造方法 - Google Patents

中間転写体、それを備えた画像形成装置、および、中間転写体の製造方法 Download PDF

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本発明は、中間転写体、それを備えた画像形成装置、および、中間転写体の製造方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置においては、例えば、静電潜像担体(感光体ともいう)上に形成された潜像をトナーにより現像し、得られたトナー像を無端ベルト状の中間転写体(中間転写ベルトともいう)に一時的に保持させ、この中間転写体上のトナー像を紙などの記録材上に転写することが行なわれている。
ここで、中間転写体を構成する樹脂基材層に弾性体層を積層することで、中間転写体に弾性をもたせることができる。これにより、凹凸のある紙などに対して中間転写体の表面が追従できるため、転写性(転写率)の向上が期待される。
しかしながら、弾性体層は、表面が柔らかく、摩擦性が高いため、強度および耐久性が低い。このため、中間転写体の使用により弾性体層が紙や感光体などによって表面が削られることで、経時的に画像品質および転写性が悪くなってしまう。そこで、弾性体層に高い耐久性を有する表面コートを付与すべく、表面が硬く、摩擦性が低いポリイミド樹脂によって、弾性体層の表面を覆う層(表面層)を形成することが検討されている(たとえば、特開2010−217777号公報(特許文献1))。
特開2010−217777号公報
しかし、通常のポリイミド樹脂は、高沸点の非プロトン系極性溶剤(たとえば、N−メチル−2−ピロリドン。沸点:202℃)にしか溶けない。このような高沸点の溶剤にポリイミド樹脂を溶解した溶液を塗布して表面層を形成する場合、溶剤を蒸発させるために高温(たとえば、200℃以上)に加熱する必要がある。高温に加熱すると、弾性体層が劣化して硬化することで、転写性が悪くなってしまうという問題がある。また、高沸点の溶剤は弾性体を溶解し易く、弾性体が溶解すると表面層を構成できなくなってしまうという問題もある。
本発明は、このような状況に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、優れた転写性を有しながらも、高い耐久性を有する中間転写体、および、それを備えた画像形成装置を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねたところ、下記の化学式(1)で示す構成単位を有する特定のポリイミドは、低沸点(たとえば、150℃未満)の溶剤に溶解することを見出し、さらに検討を重ねることにより本発明を完成させたものである。このように本発明は、弾性体層上に特定のポリイミド樹脂からなる表面層を設けることで、優れた転写性を有しながらも、高い耐久性を有する中間転写ベルトの提供を可能としたものである。
すなわち、本発明の中間転写体は、静電潜像担体に担持されたトナー像を、中間転写体に1次転写した後、該トナー像を該中間転写体から記録材へ2次転写する画像形成装置に用いるものであって、無端ベルト状の形状を有し、かつ、少なくとも樹脂基材層と、上記樹脂基材層の外側に積層された弾性体層と、上記弾性体層の外側に積層された表面層とを含み、上記表面層は、化学式(1)で示される構成単位を有する特定のポリイミドを主成分として含むポリイミド樹脂からなることを特徴とする。なお、化学式(1)中、Xは7以上25以下の炭素を含む2価の基を示す。
Figure 0006424670
また、本発明は、静電潜像担体に担持されたトナー像を、中間転写体に1次転写した後、該トナー像を該中間転写体から記録材へ2次転写する画像形成装置に用いる該中間転写体であって、上記中間転写体は、無端ベルト状の形状を有し、かつ、少なくとも弾性材料を含む樹脂基材層と、上記樹脂基材層の外側に積層された表面層とを含み、上記表面層は、上記化学式(1)で示される構成単位を有する特定のポリイミドを主成分として含むポリイミド樹脂からなる、中間転写体にも係わる。
ここで、上記Xは2以上4以下のフェニレン基を含む2価の基であることが好ましい。
また、上記Xは化学式(2)で示される2価の基であることがより好ましい。なお、化学式(2)中、Yは2価の基または単結合を示す。
Figure 0006424670
ここで、上記Yは、分岐を有してもよい炭素数2〜4のアルキレン基、オキシレン基、置換基を有してもよいフェニレン基、カルボニル基、および、スルホニル基からなる群より選択される少なくとも1つの基を含むことが好ましい。
また、上記Yは、化学式(3)〜化学式(7)で示される2価の基であることがより好ましい。
Figure 0006424670
Figure 0006424670
Figure 0006424670
Figure 0006424670
Figure 0006424670
上記特定のポリイミドは、化学式(8)で示される2,3,3’,4’−オキシジフタル酸無水物と、化学式(9)で示されるオキシアニリンとから合成されるものであることが好ましい。なお、化学式(9)中、Arはフェニレン基を示し、Xは7以上25以下の炭素を含む2価の基を示す。
Figure 0006424670
Figure 0006424670
上記の中間転写体において、上記表面層の厚みは、0.5μm以上、5.0μm以下であることが好ましい。
また、本発明は、上記のいずれかに記載の中間転写体を備えた画像形成装置にも係わる。
また、本発明は、上記のいずれかに記載の中間転写体の製造方法であって、上記特定のポリイミドを150℃未満の沸点を有する溶剤に溶解させた溶液を塗布し、150℃未満の温度で加熱して上記溶剤を蒸発させることにより上記表面層を形成する工程を含む、製造方法にも係わる。
本発明の中間転写体は、沸点の低い溶剤に可溶なポリイミド樹脂を用いて形成された表面層を有することにより、弾性体層の硬化および溶解を抑制できるため、優れた転写性を有しながらも、高い耐久性を有するという優れた効果を示す。
実施形態1の中間転写体の一部を示す断面模式図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す模式図である。
以下、本発明に係わる実施の形態について、さらに詳細に説明する。なお、以下の実施の形態において図面を用いて説明する場合、同一の参照符号を付したものは、同一部分または相当部分を示している。
[実施形態1]
<中間転写体>
本実施の形態(以下単に「本実施形態」と記す)に係る中間転写体は、静電潜像担体に担持されたトナー像を、中間転写体に1次転写した後、該トナー像を該中間転写体から記録材へ2次転写する画像形成装置に用いるものである。なお、このような画像形成装置の詳細は後述する。
このような中間転写体21は、無端ベルト状の形状を有している(図2参照)。ここで、無端ベルト状の形状とは、この文字通りの形状を有するものであって、たとえば概念的(幾何学的)には一枚の長尺のシート状物の両端部を繋ぎ合わせて形成されるようなループ状の形状を意味するが、実際にはシームレスのベルト状または円筒状の形状とすることが好ましい。
また、中間転写体21は、内側から順に、少なくとも樹脂基材層21a、弾性体層21bおよび表面層21cを含んでいる(図1参照)。なお、図1では、中間転写体21の一部を切り出したものを示し、全体形状は示していないが、図1の下側が中間転写体(中間転写ベルト)の内側に相当する。
そして、このような中間転写体は、少なくとも樹脂基材層、弾性体層および表面層を含む限り、他の任意の構成を含むことができる。このような他の構成としては、接着層、補強層、中間層等を挙げることができる。
このような中間転写体は、樹脂基材層と表面層とが相乗的に作用することにより、電気的および物理的性能を担保するとともに、高度の耐久性を有していることが好ましい。
以下、中間転写体を構成する各構成について説明する。
<樹脂基材層>
本実施形態の中間転写体に含まれる樹脂基材層は、この種の用途に使用される従来公知のものを特に限定することなく使用することができる。たとえば、このような樹脂基材層は、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート、ポリフッ化ビニリデン、ポリアルキレンテレフタレート(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリアミド等の樹脂材料により構成することができる。これらの中でも、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン等の強度と耐久性を有するスーパーエンエンジニアリングプラスチックが好ましい。
このような樹脂基材層は、ナノインデンテーション法により測定したヤング率が5.0GPaを超えるものが好ましく、またその厚みを50〜200μmとすることが好ましい。
なお、このような樹脂基材層の材料として、上記の樹脂材料と弾性材料とをブレンドした材料を使用することも可能であるが、本実施形態の中間転写体は後述する弾性体層を有しているため、特に弾性材料をブレンドする必要はない。弾性材料としては、たとえば、後述する弾性体層の材料として使用される弾性材料を用いることができる。
このような樹脂基材層は、樹脂材料に導電性物質(導電性フィラー)を添加して、電気抵抗値(体積抵抗率)を10Ω・cm〜1011Ω・cmに調整したシームレスベルトやドラムが好ましい。
このような導電性物質としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブなどを使用することが出来る。カーボンブラックとしては、中性または酸性カーボンブラックを使用することが出来る。導電性物質の使用量は、使用する導電性物質の種類によっても異なるが中間転写体の体積抵抗値および表面抵抗値が所定の範囲になるように添加すればよく、通常、樹脂材料100体積部に対して10体積部〜20体積部、好ましくは10体積部〜16体積部である。
なお、このような導電性物質の樹脂材料中での分散性を良好とするために、分散剤を添加することも可能である。このような分散剤としては、ナイロンコンパウンド等を挙げることができる。
樹脂基材層は、従来公知の一般的な方法により作製することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押出機により溶融し、環状ダイを使用したインフレーション法により筒状に成形した後、輪切りにすることで環状の無端ベルト状の樹脂基材層を作製することが出来る。
<弾性体層>
本実施形態の中間転写体に含まれる弾性体層は、樹脂基材層上(樹脂基材層の外側)に形成される。なお、弾性体層は樹脂基材層上に直接接して形成される場合だけに限られず、たとえば樹脂基材層上に形成された他の層上に形成されてもよい。
弾性体層は、弾性材料により構成される。弾性材料としては、たとえば、熱硬化性エラストマーが挙げられる。熱硬化性エラストマーとしては、ゴム、熱硬化性樹脂系エラストマー等が挙げられる。ゴムとしては、クロロプレンゴム、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、水素添加ニトリルブタジエンゴム(HNBR)、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。熱硬化性樹脂系エラストマーとしては、水素添加ポリブタジエン、ポリウレタン、塩素化ポリイソプレン等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。弾性材料は、特に硬度、耐久性等の観点から、クロロプレンゴムまたはHNBRを含むことが好ましい。
なお、本実施形態の中間転写体の効果は、弾性体層が高温(たとえば150℃以上)で劣化し固化するものである場合において、特に有効である。
このような弾性体層の厚みは、特に限定されないが、機械的強度、画質、製造コストなどを考慮し、100〜500μmであることが好ましい。
<表面層>
本実施形態の中間転写体に含まれる表面層は、弾性体層上(弾性体層の外側)に形成される。なお、表面層は弾性体層上に直接接して形成される場合だけに限られず、たとえば弾性体層上に形成された他の層上に形成されてもよい。
ここで、表面層は、弾性体層の表面の全面を被覆するようにして形成されることが好ましい。この場合、弾性体層の表面とは、トナー像が転写(形成)される側の表面を意味する。ただし、弾性体層の表面の一部が表面層により被覆されていない場合であっても、前述のような効果が示される限り、本実施形態を逸脱するものではない。
このような表面層は、主成分として特定のポリイミドを含むポリイミド樹脂からなり、該特定のポリイミドは、化学式(1)で示される構成単位(繰り返し単位)を有する。
Figure 0006424670
上記化学式(1)中、Xは7以上25以下の炭素を含む2価の基を示す。Xに含まれる炭素数は、好ましくは12以上19以下である。
なお、化学式(1)の両末端において、一方に何も結合していない結合手(直線)は、同様の構成単位または他の構成単位と結合手となることを示している。また、Xの両側の酸素原子とそれに隣接するベンゼン環との結合手は、ベンゼン環のいずれかの炭素と結合していることを示しており、これらのベンゼン環における2つの置換基(結合)の位置がオルト位、メタ位またはパラ位のいずれかであることを意味する。
本明細書において、「主成分」とは、材料中に最も多く含まれる成分であり、好ましくは含有率が50重量%より多い成分であり、より好ましくは含有率が70重量%以上の成分であり、さらに好ましくは含有率が90重量%以上の成分である。なお、主成分が100重量%であってもよい(ポリイミド樹脂が上記特定のポリイミドのみからなるものであってもよい)。
表面層を構成するポリイミド樹脂は、分子量(重合度)が異なる特定のポリイミドを含んでいてもよく、特定のポリイミドの質量平均分子量は、好ましくは1万〜10万であり、より好ましくは、2万〜7万であり、さらに好ましくは3万〜5万である。質量平均分子量が1万未満である場合、表面層の硬度が不十分となる虞があり、質量平均分子量が10万より大きい場合、低沸点の溶剤に対して溶け難くなる虞がある。
表面層を構成するポリイミド樹脂に含まれる特定のポリイミドがこのような構成を有することにより、次のような作用を示すものと推測される。すなわち、ポリイミドが、上記化学式(1)で示される構成単位が化学式(1)のXの部分において所定の長さの鎖を有していることにより、ポリイミドの立体構造に溶剤の分子が入り込み易くなったため、低沸点の溶剤に可溶となったものと推測される。
そして、本実施形態の中間転写体は、このような沸点の低い溶剤に可溶な特定のポリイミド樹脂を用いて形成された表面層を有することにより、弾性体層の硬化および溶解を抑制でき、以って優れた転写性(紙の凹凸等への追従性)と高い耐久性(耐摩耗性)との両者を実現したものである。
また、本実施形態の表面層は、上記特定のポリイミドの上記化学式(1)で示される構成単位が化学式(1)のXの部分において所定の長さの鎖を有していることにより、柔軟性が付与されるため、屈曲性が向上し、転写性が向上すると考えられる。
なお、「ポリイミド」とは、構成単位(繰り返し単位)にイミド結合を含む高分子の総称であるが、化学式(1)で示される構成単位を含む特定のポリイミドは、芳香族化合物が直接イミド結合で連結された芳香族ポリイミドである。
また、化学式(1)のXは、2以上4以下のフェニレン基を含む2価の基であることが好ましい。Xに含まれるフェニレン基の数は、より好ましくは2以上3以下である。この場合、上記のような効果が特に顕著となる。なお、「2以上のフェニレン基を含む2価の基」とは、後述の化学式(2)で示される2価の基だけでなく、化学式(2)の2つのフェニレン基の両端側(Yの反対側)の少なくとも一方にさらに2価の基を含んでいてもよい。
化学式(1)のXは化学式(2)で示される2価の基であることが好ましい。
Figure 0006424670
化学式(2)中、Yは2価の基または単結合を示す。なお、Yが単結合である場合、化学式(2)で示される2価の基はビフェニレン基であるが、このビフェニレン基なども上記の「2以上のフェニレン基を含む2価の基」に含まれる。
上記化学式(2)において、Yは、分岐を有してもよい炭素数2〜4のアルキレン基、オキシレン基、置換基を有してもよいフェニレン基、カルボニル基、および、スルホニル基からなる群より選択される少なくとも1つの基を含むことが好ましい。
上記化学式(2)において、Yは、例えば、化学式(3)〜化学式(7)で示される2価の基である。
Figure 0006424670
Figure 0006424670
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Figure 0006424670
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上記の化学式(1)で示される構成単位を含む特定のポリイミドは、化学式(8)で示される2,3,3’,4’−オキシジフタル酸無水物と、化学式(9)で示されるオキシアニリンとから合成することができる。
Figure 0006424670
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化学式(9)中、Arはフェニレン基を示し、Xは7以上25以下の炭素を含む2価の基を示す。Xに含まれる炭素数は、好ましくは12以上19以下である。
上記化学式(1)で示される構成単位を有する特定のポリイミドの合成法としては、従来公知の方法を特に制限することなく採用することができるが、たとえば、化学イミド化反応(たとえば、特許第5495464号公報参照)または熱イミド化反応を用いた合成法が挙げられる。
なお、本実施形態で用いられる特定のポリイミドは、化学式(1)で示される構成単位のみを含むものに限られず、他の構成単位を含む共重合体であっても良い。共重合体である場合、重合体全体に対する化学式(1)で示される構成単位の比率は、80質量%以上であることが好ましい。
また、特定のポリイミドが他の構成単位を含む場合、他の構成単位としては、たとえば、(メタ)アクリル酸誘導体、芳香族ビニル単量体、オレフィン系炭化水素単量体、ビニルエステル単量体、ビニルハライド単量体、ビニルエーテル単量体などに由来する構成単位が挙げられる。なお、このような他の構成単位は、1種だけに限られず、2種以上であってもよい。
本実施形態における表面層の厚みは、0.5〜5.0μmであることが好ましい。表面層の厚みが厚すぎると、弾性体層の弾性による転写性の向上効果を十分に発揮することができなくなってしまう。一方、表面層の厚みが薄すぎると、表面層による耐久性の向上効果を十分に発揮することができなくなってしまう。
このような表面層は、たとえば上記の特定のポリイミドを主成分として含むポリイミド樹脂(表面層)の構成成分を溶剤に溶解させた溶液(表面層形成用塗布液)を、無端ベルト状の樹脂基材層上に形成された弾性体層の外周面上に塗布することによって、形成することができる。
具体的には、例えば、該外周面上に塗布装置を使用して表面層形成用塗布液を浸漬塗布方法によって塗布する。塗布条件は、例えば、乾燥後の表面層の厚みが0.5〜5.0μmとなるように調整される。その後、この塗膜を加熱して、該塗膜中の溶剤を蒸発させ、ポリイミド樹脂を硬化させることによって、表面層を形成することができる。なお、塗膜の加熱は、例えば、電磁誘導加熱によって行なうことができる。
表面層形成用塗布液の溶剤(溶媒)としては、たとえば、プロトン系極性溶剤が挙げられる。プロトン系極性溶剤としては、たとえば、テトラヒドロフラン(沸点:66℃)、メチルイソブチルケトン(沸点:116℃)等を好適に用いることができる。
溶剤の沸点は、好ましくは150℃未満であり、より好ましくは100℃以下であり、さらに好ましくは90℃以下である。溶剤の沸点が150℃未満である場合、表面層形成用塗布液から溶剤を蒸発させて表面層を形成する際に、加熱温度が低温(150℃未満)でよいため、加熱による弾性体層の硬化を抑制することができる。なお、一般に弾性体層は150℃以上の温度で加熱すると劣化し、硬化してしまう傾向がある。
また、低沸点の溶剤は弾性体層を溶解させ難いため、弾性体層上に表面層形成用塗布液を用いて表面層を形成することが可能となる。さらに、低沸点の溶剤は一般に粘度が低いため、表面層形成用塗布液の粘度が低下することで、塗布の操作性が向上するという利点もある。
<添加剤>
上記の樹脂基材層、弾性体層、表面層、および、他の層は、それぞれ添加剤を含むことができる。そのような添加剤としては、光硬化開始剤、導電性粒子(導電性フィラー)、各種フィラー(主として強度向上を目的とするもの)、各種改質剤(グラフト共重合体など)、有機溶剤、光安定剤、紫外線吸収剤、触媒、着色剤、帯電防止剤、滑材、レベリング剤、消泡剤、重合促進剤、酸化防止剤、難燃剤、赤外線吸収剤、界面活性剤、表面改質剤等を挙げることができる。
<画像形成装置>
本実施形態の画像形成装置は、上記で説明した中間転写体を備えたものであり、このような中間転写体を備える限り、その他の構成は従来公知の構成を特に制限することなく採用することができる。
以下、図2に基づき本実施形態の画像形成装置について説明する。図2は、本実施形態の画像形成装置の一例を示す模式図である。
図2の画像形成装置1は、公知の電子写真方式により記録材上に画像を形成するものであり、画像プロセス部10と、転写部20と、給紙部30と、定着部40および制御部45を備え、ネットワーク(例えばLAN)を介して外部の端末装置(不図示)から受け付けたプリントジョブに基づき、カラーおよびモノクロのプリントを選択的に実行する。
画像プロセス部10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の現像色に対応した作像部10Y,10M,10C,10Kを有する。作像部10Yは、静電潜像担体である感光体ドラム11と、その周囲に配された帯電器12、露光部13、現像部14、1次転写ローラ15、クリーナ16などを備えている。帯電器12は、矢印Aで示す方向に回転する感光体ドラム11の周面を帯電させる。
露光部13は、帯電された感光体ドラム11をレーザー光により露光走査して、感光体ドラム11上に静電潜像を形成する。現像部14は、内部にトナーを含む現像剤が収容され、感光体ドラム11上の静電潜像をトナーで現像し、これにより感光体ドラム11上にY色のトナー像が作像される。すなわち、これにより静電潜像担体にトナー像が担持される。
1次転写ローラ15は、感光体ドラム11上のY色トナー像を中間転写体21上に静電作用により転写させる。すなわち、上記のトナー像が中間転写体に1次転写される。クリーナ16は、転写後に感光体ドラム11上に残った残留トナーを清掃する。他の作像部10M〜10Kについても作像部10Yと同様の構成であり、同図では符号が省略されている。また、転写部20は、駆動ローラ24と従動ローラ25に張架されて矢印方向に循環走行される中間転写体21を備える。当該中間転写体21は、シームレスベルト形状(すなわち無端ベルト状の形状)であって、設計で決まる所望の周長になるように樹脂材料を射出成型もしくは遠心成型した円筒状のものである。
なお、カラーのプリント(カラーモード)を実行する場合には、作像部10M〜10K毎に、対応する色のトナーが感光体ドラム11上に作像され、その作像されたトナー像それぞれが中間転写体21上に転写される。このY〜Kの各色の作像動作は、各色のトナー像が、走行する中間転写体21の同じ位置に重ね合わせて転写されるように上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
給紙部30は、上記の作像タイミングに合わせて、給紙カセットから記録材であるシートSを1枚ずつ繰り出して、繰り出されたシートSを搬送路31上を2次転写ローラ22に向けて搬送する。2次転写ローラ22に搬送されたシートSが2次転写ローラ22と中間転写体21の間を通過する際に、中間転写体21の上に形成された各色トナー像が2次転写ローラ22の静電作用によりシートSに一括して2次転写される。すなわち、該トナー像が、該中間転写体から記録材へ2次転写されることになる。
各色トナー像が2次転写された後のシートSは、定着部40まで搬送され、定着部40において加熱、加圧されることにより、その表面のトナーがシートSの表面に融着して定着された後、排紙ローラ32によって排紙トレイ33上に排出される。このようにして、記録材上にトナー像に対応した画像が形成される。
なお、上記では、カラーモードを実行する場合の動作を説明したが、モノクロ、例えばブラック色のプリント(モノクロモード)を実行する場合には、ブラック色用の作像部10Kだけが駆動され、上記と同様の動作によりブラック色に対する帯電、露光、現像、転写、定着の各工程を経てシートSにブラック色の画像形成(プリント)が実行される。
なお、中間転写体21上の、シートSに転写しきれなかったトナーやトナーパターンは、中間転写体21を挟んで従動ローラ25に対向する位置に配されたクリーニングブレード26により除去される。また、作像部10Kの、中間転写体21走行方向の下流側には、例えば、反射型の光電センサからなる濃度検出センサ23が配されており、中間転写体21に形成されたトナーパターンの濃度を検出する。
制御部45は、ネットワークを介して外部の端末装置から受け付けたプリントジョブのデータに基づき各部を制御して円滑なプリント動作を実行させる。なお、画像形成装置1の装置本体の正面側かつ上側であり、ユーザの操作し易い位置に、操作パネル35が配置されている。操作パネル35は、ユーザからの各種指示を受け付けるボタンやタッチパネル式の液晶表示部などを備えており、当該受け付けた指示内容を制御部45に伝えることができる。
このような画像形成装置としては、複写機、プリンタ、デジタル印刷機、簡易印刷機等の電子写真方式の画像形成装置を挙げることができ、乾式または湿式のいずれであっても良いが乾式の画像形成装置とすることが好ましい。
このような本実施形態の中間転写体を備えた画像形成装置は、長期間にわたって画像品質の高い画像を形成することができるという優れた効果を示す。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
(1)弾性体層の形成
クロロプレンゴム(弾性材料)と、カーボンブラック(導電性フィラー)の混合物をトルエンに溶解し、弾性体層形成用塗布液を調製した。樹脂基材層(画像形成装置の中間転写体に一般的に使用されているポリイミド製ベルト)の外周面に、該弾性体層形成用塗布液を用い、ディッピング塗布法で膜厚200μmの弾性体層を作製した。
(2)表面層の形成
機械式震盪器、温度計および窒素ガス導入管を備えた5000mL容の丸底4ツ口フラスコに、310g(1mol)の2,3,3’,4’−オキシジフタル酸無水物(上記化学式(8)で示される化合物)、200gの上記化学式(9)で示されるオキシアニリン(ここで、化学式(9)中のXは下記化学式(10)で示される2価の基である)、および、2200mLのDMAC(ジメチルアセトアミド)を投入し、4時間反応させてポリイミド酸溶液を調製した。
Figure 0006424670
次に、1050gの無水酢酸、260gのトリエチルアミン、および、220gのトルエンを添加して1時間反応させることによりイミド化を完了させ、ポリイミド粉末を濾別し、続いて該粉末を1000mLのアセトンで3回洗浄し、濾過後、2時間乾燥させ、220〜280℃における2〜5時間の熱処理を経て426.6gのポリイミド粉末を調製した。
なお、得られたポリイミドは、化学式(1)においてYが上記化学式(10)で示される2価の基である構成単位を有する特定のポリイミドに相当する。また、得られたポリイミド粉末の数平均分子量(Mn)は33000、重量平均分子量(Mw)は65000であった。
このポリイミド粉末をプロトン系極性溶剤であるテトラヒドロフラン(THF、沸点:66℃)に溶解させることで、該特定のポリイミドを15質量%含有するTHF溶液(表面層形成用塗布液)を調製した。
上記の弾性体層の外周面上に、表面層形成用塗布液を、ディップ方式で乾燥膜厚が0.6μmとなるように塗布することによって、塗膜を形成した。
この塗膜を電磁誘導加熱により、100℃の温度で加熱し、溶剤を蒸発させて塗膜を硬化させることで、表面層を形成した。これにより、中間転写体を得た。
<実施例2、3>
表面層の厚みを表1に示すように変更した点以外は、実施例1の中間転写体と同様にして、実施例2、3および比較例1〜4の中間転写体を作製した。
<比較例1〜3>
比較例1〜3では、実施例1〜3で用いた上記化学式(9)で示されるオキシアニリンに代えて、上記化学式(9)で示されるオキシアニリン(ここで、化学式(9)中のXはフェニル基である)を用いた。また、比較例1〜3のそれぞれの表面層の厚みを表1に示す厚みとした。それ以外の点はすべて実施例1〜3と同様にして、比較例1〜3の中間転写体を作製した。
<比較例4>
上記化学式(9)で示されるオキシアニリンにおいて、化学式(9)中のXがn−ヘキシレン基に変更された点以外は、すべて比較例2の中間転写体と同様にして、比較例4の中間転写体を作製した。
[評価]
上記で作製した実施例1〜3および比較例1〜4の中間転写体に関して、以下の評価1〜3を行なった。
<評価1:THF溶解性>
テトラヒドロフラン(THF)80gに、実施例および比較例の各中間転写体の表面層を形成するために用いた各種のポリイミド粉末20gを加え、一昼夜撹拌後のTHF溶液の溶状を確認した。そして、以下の基準でTHF溶解性を評価した。その結果を表1(「THF溶解性」の項)に示す。
A:無色澄明である。
B:沈降物はないが溶状は濁っている。
C:沈降物がある。
<評価2:転写性>
フルカラーデジタル印刷システム(商品名:「bizhub PRESS C8000」、コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に実施例および比較例の各中間転写体をセットして、露光量等を適正化し、20℃、50%RHで、青色のベタ画像(シアン、マゼンタの2色重ね)、記録材であるプリンタ用紙(エンボス紙)(商品名:レザック66 302g、特種東海製紙株式会社製)に10枚印刷した。
紙に転写する前の中間転写ベルト上のトナーの質量(転写前トナー量)と、紙に転写した後に中間転写ベルト上に残った画像トナーの質量(残存トナー量)を秤量によって計測し、下記の数式(1)により転写率を算出した。

転写率(%)=[(転写前トナー量)−(残存トナー量)]/(転写前トナー量)
・・・数式(1)

そして、以下の基準で転写性を評価した。その結果を表1(「転写性」の項)に示す。
S:転写率が95−100%である。
A:転写率が93−95%である。
B:転写率が90−93%である。
C:転写率が90%以下である。
なお、上記のフルカラーデジタル印刷システムは、レーザー露光および反転現像方式を採用するものであり、静電潜像担体に担持されたトナー像を、中間転写体に1次転写した後、該トナー像を該中間転写体から記録材へ2次転写する画像形成装置であって、模式的には図2で示されるものである。
<評価3:Rz(耐久性)>
実施例1〜3および比較例1〜4の中間転写体に対して、600k(60万)枚の印字耐久試験を実施した。そして、初期(耐久試験前)および耐久性試験後の中間転写体(中間転写ベルト)の表面のRz(平均粗さ)を測定した。
なお、Rzの測定においては、中間転写ベルトを円管状にしたときの円管の軸を中心に90°毎の4方向の各々において、中間転写ベルトの軸方向(幅方向)に4か所(計16か所)について、表面層の表面における粗さ曲線の平均線からの標高の絶対値を測定し、それらの測定値の平均値としてRzを求めた。
そして、以下の基準でRzを評価した。その結果を表1(「Rz(耐久性)」の項)に示す。
A:Rzが1μm未満である。
B:Rzが1μm以上、2μm未満である。
C:Rzが2μm以上である。
Figure 0006424670
表1より明らかなように、比較例の中間転写体の表面層に用いられるポリイミドは、低沸点の溶剤(THF、沸点:66℃)に可溶でないのに対して、実施例の中間転写体の表面層に用いられる特定のポリイミドは、低沸点の溶剤(THF)に可溶であることが分かる。そして、実施例の中間転写体は、比較例の中間転写体に比し、優れた転写性を有しながらも、高い耐久性を有することが確認できた。すなわち、本発明の中間転写体は、本発明の構成を有することにより、優れた転写性を有しながらも、高い耐久性を有するという優れた効果を示すことが明らかである。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 画像形成装置、10 画像プロセス部、11 感光体ドラム、12 帯電器、13 露光部、14 現像部、15 1次転写ローラ、16 クリーナ、20 転写部、21 中間転写体、21a 樹脂基材層、21b 弾性体層、21c 表面層、22 2次転写ローラ、23 濃度検出センサ、24 駆動ローラ、25 従動ローラ、26 クリーニングブレード、30 給紙部、31 搬送路、32 排紙ローラ、33 排紙トレイ、35 操作パネル、40 定着部、45 制御部。

Claims (10)

  1. 静電潜像担体に担持されたトナー像を、中間転写体に1次転写した後、該トナー像を該中間転写体から記録材へ2次転写する画像形成装置に用いる該中間転写体であって、
    前記中間転写体は、無端ベルト状の形状を有し、かつ、少なくとも樹脂基材層と、前記樹脂基材層の外側に積層された弾性体層と、前記弾性体層の外側に積層された表面層とを含み、
    前記表面層は、化学式(1)で示される構成単位を有する特定のポリイミドを主成分として含むポリイミド樹脂からなる、中間転写体。
    Figure 0006424670

    [化学式(1)中、Xは7以上25以下の炭素を含む2価の基を示す。]
  2. 静電潜像担体に担持されたトナー像を、中間転写体に1次転写した後、該トナー像を該中間転写体から記録材へ2次転写する画像形成装置に用いる該中間転写体であって、
    前記中間転写体は、無端ベルト状の形状を有し、かつ、少なくとも弾性材料を含む樹脂基材層と、前記樹脂基材層の外側に積層された表面層とを含み、
    前記表面層は、化学式(1)で示される構成単位を有する特定のポリイミドを主成分として含むポリイミド樹脂からなる、中間転写体。
    Figure 0006424670

    [化学式(1)中、Xは7以上25以下の炭素を含む2価の基を示す。]
  3. 前記Xは2以上4以下のフェニレン基を含む2価の基である、請求項1または2に記載の中間転写体。
  4. 前記Xは化学式(2)で示される2価の基である、請求項3に記載の中間転写体。
    Figure 0006424670

    [化学式(2)中、Yは2価の基または単結合を示す。]
  5. 前記Yが、分岐を有してもよい炭素数2〜4のアルキレン基、オキシレン基、置換基を有してもよいフェニレン基、カルボニル基、および、スルホニル基からなる群より選択される少なくとも1つの基を含む、請求項4に記載の中間転写体。
  6. 前記Yが、化学式(3)〜化学式(7)で示される2価の基である、請求項4に記載の中間転写体。
    Figure 0006424670

    Figure 0006424670

    Figure 0006424670

    Figure 0006424670

    Figure 0006424670
  7. 前記特定のポリイミドは、化学式(8)で示される2,3,3’,4’−オキシジフタル酸無水物と、化学式(9)で示されるオキシアニリンとから合成される、請求項1または2に記載の中間転写体。
    Figure 0006424670

    Figure 0006424670

    [化学式(9)中、Arはフェニレン基を示し、Xは7以上25以下の炭素を含む2価の基を示す。]
  8. 前記表面層の厚みが0.5μm以上、5.0μm以下である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の中間転写体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の中間転写体を備えた画像形成装置。
  10. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の中間転写体の製造方法であって、
    前記特定のポリイミドを150℃未満の沸点を有する溶剤に溶解させた溶液を塗布し、150℃未満の温度で加熱して前記溶剤を蒸発させることにより前記表面層を形成する工程を含む、製造方法。
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