JP6426679B2 - デジタル測定を実施するための方法およびシステム - Google Patents
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Description
本願は、全ての目的で全体として本明細書に明示的に組み入れられた2011年1月20日出願の米国特許仮出願第61/434,670号の利益を主張するものである。
本発明は、デジタル測定を実施するための方法、デバイスおよびシステムに関する。より具体的には本発明は、様々な体積においてデジタル測定を実施するための方法、デバイスおよびシステムに関する。
本発明は、デジタル測定を実施するための方法、デバイスおよびシステムを提供する。より具体的には本発明は、様々な体積においてデジタル測定を実施するための方法、デバイスおよびシステムに関する。幾つかの態様において、本発明は、非限定的にデジタルPCR、デジタル等温核酸増幅(例えば、デジタルNASBAおよびデジタルLAMP)、デジタル蛋白質増幅(例えば、デジタルELISA)、デジタル一分子測定、および他の形態のデジタル測定をはじめとするデジタル測定のダイナミックレンジを増加させる方法および装置を提供する。
試料濃度勾配を生成すること;および/または
異なるサイズの試料体積を生成すること、
を含む、試料中のデジタル測定のダイナミックレンジを増加させる方法を提供する。
本発明は、デジタル測定を実施するための方法およびシステムを提供する。より具体的には本発明は、様々な体積においてデジタル測定を実施するための方法およびシステムに関する。
非限定的に、本発明は、可変的サイズの体積を生成させることによりデジタルアッセイのダイナミックレンジを増加させることに一部基づく。所与の試料濃度では、体積のサイズは、該当する1つ以上の分子(例えば、テンプレート分子)により占有される確率を定義することができる。増幅関連の技術の例において、体積サイズの変動を利用して、この占有の確率、つまり増幅を示すウェルまたは試料体積(例えば、液滴)の数を変化させることができる。とりわけ本発明は、単に一定サイズの体積の数を増加させることでダイナミックレンジを増加させる既存の技術よりも良好である。この利点は、本明細書に開示された方法およびシステムが、ダイナミックレンジを拡大するために必要となる体積を収容するのに大きな面積を要求せず、例えば幾つかのデジタル化体積が適切に形成しない、または他の欠点を有するチップ上の欠陥の見込みを高めるためである。加えて、体積の数を単に増加させると、デジタル化体積の全てを分析するのに必要となる時間も増加する。
一実施形態において、本発明は、デジタル測定および読出しと統合された濃度勾配を生成する方法を提供する。例えば、マイクロ流体勾配の生成を試料のデジタル化チップと統合してもよい。図1は、マイクロチャネルの入口を用いて形成された濃度勾配の例を示す。ダイナミックレンジを増加させる場合、対数的または指数関数的濃度勾配が好ましいが、現在はパワー関数、指数関数、誤差関数、ガウス関数、および立方根関数などの非線形勾配を含む複数の方法を、チップ上の濃度勾配の様々なタイプおよび形状を形成させるのに利用できる。図1は、被分析物の勾配濃度を含むデジタル化体積の生成を表す。
Wang, D.T. Chiu Anal. Chem. 82, 5707−5717)。
更に別の態様において、本発明は、デジタル測定を用いて試料の濃度を決定するためのシステムを提供する。該システムは、第一の体積分布を有する第一の複数の液滴を含むサンプルホルダーと;第一の複数の液滴の少なくとも1つを含む検出可能な薬剤を検出する検出器と;保存された実施可能な命令を含む記憶デバイスを含むコンピュータと、を含み得て、該命令は、プロセッサにより実施されると、プロセッサに、第一の体積分布と同一または異なる第二の体積分布を有する第二の複数の液滴を分析させて、検出可能な薬剤を含有する第二の複数の液滴の個々の体積および第二の複数の液滴の数を決定させ;ならびに検出可能な薬剤を含有する第二の複数の液滴の個々の体積および第二の複数の液体の数を利用させて試料の濃度を決定させ得る。幾つかの実施形態において、試料中の検出可能な薬剤の濃度を用いて、試料濃度を計算する。
実施例1
実施例の理論的枠組み
この実施例は、本明細書に記載された本発明の特定の態様を記載するために用いられ得る非限定的な理論的枠組みを記載する。この実施例に記載された方法が、本発明を用いて試料の濃度を決定するための多くの方法の1つであることは、理解されよう。この理論的枠組みの下では、標的分子が、分子/体積の単位あたり濃度Csで、試料中に存在するものと仮定する。試料は、可変的体積のデジタル体積に分布されており、液滴中の標的分子の分布は、ポアソン統計学に従う。デジタルアレイ中の各液滴について、および式1に示された通り、標的の平均数は、体積Vi、および初期試料濃度Csに依存する:
は、溶液中の標的分子の所与の濃度Csに対して、体積Viの液滴中にn個の分子を見出す確率である。増幅反応は、1つ以上の分子を含有する液滴を、例えば蛍光強度により、含有しない液滴と判別可能にする。この方法では、液滴が含有していないか、または占有されているか、のみが分かる。関連の確率を、式2に示す:
標的分子の濃度Csを決定するために、P(n>0、CsVi)は、各体積Viの十分に多数の液滴全体を合計する必要がある。
標的濃度Csが正確に決定され得ることを検証するために、デジタル増幅アッセイ、例えばデジタルPCR、デジタルLAMPまたはデジタルELISAのシミュレーションを、連続する可変的体積と共に記載する。
(式中、NEの最も可能性のある値を、C=Csのために得た)と比較する。Nd個の液滴の体積を用いれば、式(3)をNsに適合させて、その濃度の最良適合値を得ることができる(Cは、唯一の調整可能なパラメータである)。本発明者らは、ニュートン・ラプソン・アルゴリズムを用いて、Ns−NEのゼロを見出す。Cの初期値は、式(3)におけるVi‘を分布のメジアン体積と置き換えて、Cを求めることにより得る。その後、アルゴリズムは、典型的にはCの変更のために5〜11の繰り返しを行い、105分の1未満になる。そのポイントでのCの値は、Cの最良適合値となるように採用される。
を計算し、それを式(3)に置き換えて、測定体積に基づく占有液滴の予測数を得る。
は、実験者により測定された体積である。
典型的なシミュレーションセットの結果を、図4に示す。シミュレーションは、10,000個の液滴および6種の異なる濃度Cs(2.0×10−3、2.0×10−4、2.0×10−5、2.0×10−6、2.0×10−7、および2.0×10−8分子/fL)で実施した。液滴のサイズは、4.0〜190ミクロンの径の均一分布から取り出した。各シミュレーションでは、液滴を体積により分類し、最小体積の液滴をナンバー1とし、最大体積の液滴はナンバー10,000であった。図4には、占有された液滴の累積数をプロットしている。i番目の液滴で占有された累積数は、i以上の全ての液滴についての占有された液滴の合計である。
本明細書に記載された通り、本発明は、液滴サイズを個々に測定することを含む。液滴の体積は液滴が占有される確率に入るため、体積が非常に精密に測定されることが重要であると思われる。このシミュレーションの液滴サイズの範囲では、最小の液滴(ほぼ4ミクロン径)は、光学顕微鏡により液滴径を測定する際の典型的誤差(ほぼ1ミクロン標準偏差)よりも実質的に大きくならない。液滴体積の得られた相対誤差は、有意である可能性があり、この方法の精度を低下させると予測し得る。意外にもこれは、事実ではないと思われる。表1で、一連のシミュレーションに、式(3)を適合させた結果と、式(4)に適合させた結果とを比較している。各濃度で、100のシミュレーションを実施し、それぞれが2000個の液滴を含んだ。式(3)では、シミュレートされた体積Viを用いた。式(4)では、シミュレートされた測定体積
を用いた。問題点は、式(3)を用いたシミュレート結果を適合させた結果が、液滴の体積が完璧な精度によって分かっている場合にえられる最良適合濃度を表し、式(4)に適合させた結果が、液滴体積の測定における誤差の影響を含む、ということである。式(3)および(4)を用いた最良適合濃度の平均および標準偏差を、E1およびE2の両方について表1に列挙する。
濃度の差を区別する方法の能力を、信頼度および統計力に関して記載することができる。(Lieber, R. L. (1990) ”Statistical Significance and Statistical Power in Hypothesis Testing”, J.Orthopaedic Research 8,
304−309)2つの異なる試料についての測定により、2つの異なる最良適合濃度(C1およびC2)が生じる場合、2つの試料の濃度が異なっていると主張することにおいて、およびそれらが異ならないと結論づけた場合に誤っている確率も、どれ程信頼できるかを知ることは有用となろう。偽陽性結果(I型誤差)のリスクは、その結果が必要な最小信頼度を有することを必要とすることにより制御され、偽陰性結果(II型誤差)のリスクは、その方法が必要な統計力を有することを必要とすることにより制御される。
より大きな規模で異なる最良適合濃度をもたらし得る確率である場合、(1−α)は、帰無仮説の拒絶に関連する信頼度である。(1−α)の許容される最小値は、偽陽性結果を抑制するように選択される。偽陰性結果に対して防御する統計力の使用を、以後に記載する。
95%の信頼区間は、一般的選択であり、Z>1.96を必要とする。Cnは、式(4)の最良適合結果であり、
は、Cnの測定に関連した分散である。
の扱いやすい解析方程式は、本発明者らの方法には存在しないと思われ、そのためシミュレーションにより
を推定する必要がある。その上、Z検定の追加の一限定は、測定結果が正規分布すると仮定することである。これは必ずしも事実ではないため、信頼度を推定する第二のシミュレーション法を実施して、Z検定結果と比較した。この後、2つの方法がZ法およびペアまたはP法を示す。
を式(2)に用いて、
のセットの占有された液滴の、Nz=1000個の追加のシミュレートされた総数を得た。これらは、その後、式(2)を用いてNzの最良適合濃度
を得る適合となる。
の標準偏差を、式(5)の
に用いられる。これは、実験者が有する情報に対応する。信頼度の推定値を、最良適合濃度Cnおよび
から計算することができる。信頼度のペア法推定では、帰無仮説は、2つの最良適合結果(C1およびC2)がそれぞれ、実際の濃度
を2つの最良適合濃度の平均とする試料から得られた、ということであると仮定する。液滴径のNp=500の追加のセットをシミュレートし、それぞれについて占有された液滴の数が濃度
についてシミュレートされ、測定誤差のE1サイズを用いてシミュレートされた測定体積を生成した。最良適合濃度
を、各セットについて得た。その後、値のMp=500のペアを無作為に選択して、
のセットから置き換えて、それらの差の絶対値
をΔC=C2−C1と比較した。ΔCよりも大きな
の割合は、濃度
の試料から実施された2つの測定が互いにΔCよりも大きく異なる確率αの推定値を提供する。αのP法推定値を用いて、(1−α)となる信頼度を計算する。
可変的体積で液滴を生成する実験的方法およびそのサイズの決定
可変的サイズの液滴を、様々な方法で作製することができる。1つの方法において、マイクロ流体を用いて、T字路またはフローフォーカシングデバイスで様々なサイズの敵的を生成することができる。これは専用チップを用い、水性試料が液滴形成によりデジタル化されるようになる前に、2つの構成要素(油相および水性試料)が最初にそのチップに加えられる。この実施例では、より簡単で、よりユーザーに分かり易い方法を用いており、そこで様々なサイズの液滴が無秩序に、即ち試験管または他の適切な容器内での乳化により、生成される。第一の実施形態において、反応混合物を含有する水相を、適当な油−界面活性剤混合物を予め充填した0.2mL PCR試験管にピペット注入した。本明細書に示された通り、油相は、73%Tegosoft(登録商標)、20%ライトミネラルオイルおよび7%ABIL WE 09界面活性剤からなり、それらを新たに混合して、使用前の少なくとも30分間に平衡にした。この混合物で形成されたエマルジョンは、標準のエマルジョンPCRの間に優れた熱安定性を示す傾向がある。水相を油混合物にピペット注入した後、約3000rpmで約10秒間ボルテックス処理することにより、可変的サイズの液滴を形成させた。混合物に小さな撹拌棒を加えることにより、乳化を更に増進して、その間にボルテックス処理により水相のより小さな液滴への分解を促進することができる。油中の界面活性剤の存在が、エマルジョンを安定化させるため、個々の水性液滴が融合しない。別の実施形態において、水相と油の混合物を、小さなステンレス鋼ビーズを含有する小さなコレクションマイクロチューブに添加した。そのチューブを、次に15〜17Hzで20秒間振とうして、エマルジョンを生成させた。エマルジョンは、その後、PCR反応を実施するために0.2mLPCR試験管に移し替えた。
液滴内の増幅産物の存在を視覚化するために、アンプリコンの存在を特異的に認識する蛍光プローブを、反応混合物に添加する。ほとんどの例で、これは、分子ビーコン、即ち、増幅された標的DNAにハイブリダイズすると、蛍光が閉鎖立体配座で高度にクエンチされて、強度が上昇されるヘアピン構造、または標的DNAハイブリダイズして、次の増幅ステップの間にプローブDNAから蛍光レポーターを切断させるTaqman(登録商標)プローブ、のいずれかである。
となり、他の式と類似の変動を伴う。これにより、該方法を拡張して、他の方法で可能であった液滴サイズ分布よりも高濃度で精密に測定することができる。
デジタル等温DNA増幅の実施例
この実施例は、PCRに基づくDNA増幅に適用されるだけでなく、当該技術分野で一般に知られるあらゆる種類のデジタルアッセイにも適する方法を記載する。該方法の簡便性およびロバスト性により、この実施例は、専用のベンチトップ設備の利用可能性が限定され得るポイント・オブ・ケアおよび資源が限られる設定では特に有用になる。
デジタル化LAMPチップを、一連の長方形キャビティとして設計して、液滴を保持し、試料送達に用いられるより小さな長方形チャネルに沿って配置させた(図12)。チップの配列を設計して、液滴の安定性および付着、充填プロセスの自動化、ならびに高温での操作を改善した。メインチャネルとサイドキャビティーの高さ比を1/3まで低減すると、チャンバー間の相互干渉の機会が減少する。サイドチャンバーの深さは、液滴の付着が改善されることが見出された400μmにまで拡大した。空気圧で調整された流れを利用して、自動充填の再現性およびロバスト性を確実にした。より高温での水性液滴の蒸発は、様々な測定により最小化された:a)チャンバーを高密度のアレイに配列して、PDMSの薄い最上と最下層の間だけに埋め込んだ。b)追加の捨て水チャネルを、アレイの周囲に配置させる。c)粘着フィルムをチップの最上部に蒸気バリアとして添加した。
充填後に、チップを65℃で70分間インキュベートして、等温DNA増幅を実施した。より高温では、ナノリットルサイズのコンパートメントは、PDMSによる水の蒸発および水の油相への分配を受け易い。これは、試薬濃度、例えばイオン強度の増加をもたらし、反応の阻害を誘発する場合がある。
より小さな液滴は、1つ以上の鋳型分子を含む確率がより低く、陽性事象がより小さな液滴で起こる可能性は低く、つまり分析においてより重視されるべきである。そのような手順がLAMP活性コンパートメントの直接の計数により得られた結果と異なるかを検査するために、3つの異なる初期テンプレート濃度(ci=c0/150(A)、ci=c0/430 (B)およびci=c0/1300(C))の3つの代表的チップについて、これらの2つの分析スキームを比較した。表4にその結果を要約する。最初の例では、LAMP活性チャンバーの係数f0を、最初の液滴サイズにかかわらず陽性液滴の試料係数から推測した。これを、最初の液滴体積に基づいて近似させた「効果的」係数feffと比較した。feffは、全ての陽性液滴の相対体積分率の逆数の合計として計算した。言い換えると、RVF50%を有した液滴は、フルサイドチャンバーを占有する液滴の2倍量を寄与した。その後、分析された3つのチップの間のf0とfeffの比を解析した。本発明者らのシステムでは、両方の分析スキームで、全てのパラメータで類似の結果を与えることが見出された。f0を超えるfeffのおよそ10%の上昇は、初期液滴サイズの10〜15%の変動を表す。この比較から、本発明者らの実験において初期液滴サイズの均一性が、直接の計数法を確証するのに十分良好であると結論づけられた。
デジタルDNA増幅の重要な適用例は、試料中の絶対鋳型濃度の定量である。次に、試料中のDNA鋳型の系列希釈を用いてdLAMPチップの性能を分析した。平均で1未満の鋳型を液滴内に閉じ込めれば、LAMP競合チャンバーの数がDNA濃度とほぼ直線的に拡大縮小すると予測される。DNA対照試料からなる鋳型を、LoopAmp(登録商標)キットと共に提供した。最初に、DNA原液中の鋳型濃度を推定するためのUV吸収分光法を実施した。DNAの量が過度に少なく、260nmで定量可能な吸収を提供することができなかった。それゆえ、インター化レーティング色素を用いて、DNA定量を試行した。この実験では、標的鋳型をキチ濃度のλ相DNAの系列希釈と比較した。全ての試料を、インター化レーティング色素(Evagreen(登録商標)、Biotium、 Hayward, CA, USA)と共に30分間インキュベートした。各試料の蛍光シグナルを、その後、Typhoon(商標)イメージャで定量した。λ相DNAの濃度および長さは公知であるため(48502bp)、鋳型溶液中に存在するbp数の少なくとも1つの精密な推定を得た。未知の試料からの強度は、1μlあたりλ相105未満の溶液からの強度に匹敵した。この濃度領域では低コントラストであるため、その濃度を更に狭くすることはできなかった。プラスミドが全λ相DNAに匹敵するサイズであると仮定し、こうして1μlあたり鋳型104〜105個の濃度を推定する。
化学物質および試薬
LoopAmp(登録商標)DNA増幅キットおよびカルセイン蛍光指示薬キットを、SA Scientific (San Antonio, TX, USA)から購入した。陽性対照DNAおよび対応するプライマーのセットが、キットに含まれていた。ライトミネラルオイル、モノオレイン酸ソルビタン(SPAN−80)、ウシ血清アルブミン(BSA)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)およびイソプロピルアルコールを、Sigma Aldrich(St. Louis, MO,
USA)から得た。ポリジメチルシロキサン(PDMS、Sylgard 184キット)を、Dow Corning(Midland, MI, USA)から購入した。
GTGGCAAGGGTAATGAGG−3’(配列番号1)、バックワード内部プライマー(BIP):5’−GGAGGTTGAAGAACTGCGGCAGTCGATGG
CGTTCGTACTC−3’(配列番号2)、フォワード外部プライマー(F3):5’−GAATGCCCGTTCTGCGAG−3’(配列番号3)、バックワード外部プライマー(B3):5’−TTCAGTTCCTGTGCGTCG−3’(配列番号4)、ループフォワードプライマー(LF),5’−GGCGGCAGAGTCATAAAGCA−3’(配列番号5)、およびループバックワードプライマー(LB):5’−GGCAGATCTCCAGCCAGGAACTA−3’(配列番号6))。全てのプライマーを、IDT(San Diego, CA, USA)から購入した。
デジタルLAMP用のマイクロ流体チップを、標準のソフトリソグラフィーを用いてポリジメチルシロキサン(PDMS)中で複製した。マイクロ流体チャネルのネットワークおよびサイドチャンバーを、AutoCAD(Autodesk, San Rafael, CA, USA)で設計し、Mylar photomask (Fineline Imaging, Colorado Springs CO, USA)に印刷した。マスクを用いて、2層SU−8オン・シリコンマスターを組み立てた。各層について、以下のステップを実施した:SU−8フォトレジスト(SU−8 2050, MicroChem, Newton, MA, USA)を、新たに洗浄されたシリコンウェーハ上にスピンコートした。ソフトベークの後、ウェーハおよびフォトマスクを心合わせして、市販のマスクアライナー(Newport, Irvine CA, USA)内でUVに暴露した。UV暴露により、フォトマスクの透明領域の下のSU−8に架橋が誘導された。硬化の後、非暴露SU−8をPGMEAに溶解し、イソプロピルアルコールで洗浄して、155℃で10分間ハードベークした。マスターの陽性対象物の高さを自作の干渉計で測定すると、およそ75μmであった。複製の間にPDMSがウェーハ上に貼り付くのを避けるために、気相成膜により、ウェーハを(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリクロロシラン(Gelest, Morrisville, PA, USA)でコーティングした。
実験の前に、入口および出口の穴に適合する一組の小さなトラフを、PDMS内に複製して、両面テープでチップに付着させた。各トラフは、およそ50μlのリザーバを提供した。チップを真空下に20〜30分間静置して、嵩高のPDMSから過剰な空気を除去した。0.025%w/w SPAN−80を補充したライトミネラルオイル40μlを、メインチャネルの入口に入れて、チップに下塗りした。空気圧を加えて、空気をチップから追い出すまで油の流れを保持した。下塗りの後、チップを接着性PCRシーラントフィルム(Bio−Rad, Hercules, CA, USA)の小片で覆い、インキュベーションの間の水蒸発を低減した。
加熱式インキュベーションの前後で、全てのチップを可変モードのイメージャ(Typhoon FLA9000, GE Healthcare, Pittsburgh,
PA, USA)でスキャンした。チャンバー内部のカルセイン蛍光色素を473nm
で励起し、ロングパスフィルター(510LP)を通して10μmピクセル解像度および光電子倍増管に加えられた電圧350Vで、映像を撮影した。次の映像解析を、ImageJ (rsbweb.nih.gov)で実施して、離散化体積の数およびサイズ分布、ならびにDNA増幅を示したチャンバー数を定量した。更なるデータ解析は、IGOR
Pro (WaveMetrics, Lake Oswego, OR, USA)を用いて実施した。最初は、カルセイン蛍光色素を高度にクエンチしたが、残留発光は、チャンバーの初期液滴サイズを決定するTyphoonイメージャで依然としてモニタリングすることができた。初期液滴サイズの分布を、液滴面積とサイドチャンバー面積との比として推定された、保持された体積分率(RVF)に関して定量した。液滴中のカルセイン蛍光色素の平均ピクセル強度の1/3と等しい閾値を利用して、バックグランドと識別した。少なくとも0.15のRVFを有する液滴のみが、更なる分析を考慮された。
本願の出願当初の特許請求の範囲に係る発明の内容は、以下の通りである。
[1] デジタル測定を用いて試料の濃度を決定する方法であって、
第一の体積分布を有する第一の複数の液滴であって、前記第一の複数の液滴の少なくとも1つが試料からの内容物を含有する、第一の複数の液滴を生成すること;
第一の体積分布と同一または異なる第二の体積分布を有する第二の複数の液滴を分析して、検出可能な薬剤を含有する第二の複数の液滴の個々の体積および第二の複数の液滴の数を決定すること;ならびに
検出可能な薬剤を含有する第二の複数の液滴の個々の体積および第二の複数の液体の数を利用して試料の濃度を決定すること、
を含む、方法。
[2] 第一および第二の体積分布が、連続体積分布である、[1]に記載の方法。
[3] 第二の体積分布が、前記生成ステップの前に定義されていない、[1]に記載の方法。
[4] 第一の複数の液滴が、不混和流体との組合せによりエマルジョン中に生成される、[1]に記載の方法。
[5] 不混和流体が水および油を含む、[4]に記載の方法。
[6] エマルジョンが界面活性剤を含む、[4]に記載の方法。
[7] 前記複数の液滴の第二の体積分布が、約100ナノリットル(nL)〜約1フェムトリットル(fL)、約10nL〜約10fL、約1nL〜約100fL、約100nL〜約1ピコリットル(pL)、約10nL〜約10pL、約1nL〜約1pLの範囲内の体積を有する、[1]に記載の方法。
[8] 検出可能な薬剤が蛍光性である、[1]に記載の方法。
[9] 検出可能な薬剤が、核酸分子、ペプチド、蛋白質、またはそれらの組み合わせに会合している、[8]に記載の方法。
[10] ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ローリングサークル増幅法(RCA)、核酸配列に基づく増幅法(NASBA)、ループを介した増幅法(loop−mediated amplification)、またはそれらの組み合わせを実施することを更に含む、[1]に記載の方法。
[11] 検出可能な薬剤の濃度が、少なくとも3桁のダイナミックレンジを超えて決定される、[1]に記載の方法。
[12] 検出可能な薬剤の濃度が、少なくとも6桁のダイナミックレンジを超えて決定される、[1]に記載の方法。
[13] 第一の体積分布の体積が2倍を超えて変動する、[1]に記載の方法。
[14] 第一の体積分布の体積が10倍を超えてまたは100倍を超えて変動する、[1]に記載の方法。
[15] デジタル測定を用いて試料の濃度を決定するシステムであって、
第一の体積分布を有する第一の複数の液滴を含有するサンプルホルダーと;
第一の複数の液滴の少なくとも1つを含有する検出可能な薬剤を検出する検出器と;
その上に保存された実施可能な命令を有する記憶デバイスを含むコンピュータと、を含み、該命令がプロセッサにより実施されると、プロセッサに、
第一の体積分布と同一または異なる第二の体積分布を有する第二の複数の液滴を分析して、検出可能な薬剤を含有する第二の複数の液滴の個々の体積および第二の複数の液滴の数を決定すること;ならびに
検出可能な薬剤を含有する第二の複数の液滴の個々の体積および第二の複数の液体の数を利用して試料の濃度を決定させる、
システム。
[16] 第一および第二の体積分布が連続体積分布である、[15]に記載のシステム。
[17] 第二の体積分布が前記生成ステップの前に定義されていない、[15]に記載のシステム。
[18] 第一の複数の液滴が、不混和流体との組合せによりエマルジョン中に生成される、[15]に記載のシステム。
[19] 不混和流体が水および油を含む、[18]に記載のシステム。
[20] 検出可能な薬剤が蛍光性である、[15]に記載のシステム。
[21] 検出可能な薬剤が、核酸分子、ペプチド、蛋白質、またはそれらの組み合わせに会合している、[20]に記載のシステム。
[22] 第一の複数の液滴の少なくとも1つが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ローリングサークル増幅法(RCA)、核酸配列に基づく増幅法(NASBA)、ループを介した増幅法、またはそれらの組み合わせからの増幅産物から成る、[15]に記載のシステム。
[23] 検出可能な薬剤の濃度が、少なくとも3桁のダイナミックレンジを超えて決定される、[15]に記載のシステム。
[24] 検出可能な薬剤の濃度が、少なくとも6桁のダイナミックレンジを超えて決定される、[15]に記載のシステム。
[25] 第一の体積分布の体積が、2倍を超えて変動する、[15]に記載のシステム。
[26] 第一の体積分布の体積が、10倍を超えてまたは100倍を超えて変動する、[15]に記載のシステム。
[27] 試料のデジタルでのループを介した増幅法を実施する方法であって、
試料の複数の液滴のうち少なくとも1つの液滴が核酸分子を含む、試料の該複数の液滴を、マイクロ流体デバイス上で生成すること;および
少なくとも1つの液滴中でループを介した増幅を実施して、核酸分子の増幅産物を生成すること、
を含む、方法。
[28] 増幅産物を検出することを更に含む、[27]に記載の方法。
[29] 増幅産物を含む複数の液滴中の液滴の数を決定すること;および
核酸分子を含有する複数の液滴の個々の体積および複数の液滴の数を用いて、試料中の前記核酸分子の濃度を計算すること、
を更に含む、[28]に記載の方法。
[30] マイクロ流体デバイスが、複数の液滴を形成するように構成された複数のチャンバーを含む、[27]に記載の方法。
Claims (22)
- デジタル測定を用いて試料中の被分析物分子の濃度を決定する方法であって、前記方法は、
複数の液滴を生成することであって、ここで前記複数の液滴のうちの少なくとも1つの液滴が試料からの被分析物分子及び検出可能な薬剤を含有し、前記複数の液滴が複数の体積サイズを有する、ことと;
前記複数の液滴の、少なくとも第一の部分の液滴を測定して、複数の液滴の第一の部分の液滴中の、液滴の個々の体積を決定すること;
前記複数の液滴の、少なくとも第二の部分の液滴を解析して、複数の液滴の第二の部分の液滴中の、被分析物分子及び検出可能な薬剤を含有する液滴の数を決定すること;そして
前記複数の液滴の第一の部分の液滴の個々の体積と、前記複数の液滴の第二の部分の被分析物分子及び検出可能な薬剤を含有する液滴の数とを用いて、試料中の被分析物分子の濃度を決定することと
を含み、
前記複数の液滴の第一の部分と前記複数の液滴の第二の部分が同じである、
前記方法。 - 前記複数の液滴が、体積分布を有する、請求項1に記載の方法。
- 前記複数の液滴が、不混和流体との組合せによりエマルジョン中に生成される、請求項1に記載の方法。
- 不混和流体が水および油を含む、請求項3に記載の方法。
- エマルジョンが界面活性剤を含む、請求項3に記載の方法。
- 前記複数の液滴の体積分布が、100ナノリットル(nL)〜1フェムトリットル(fL)、又は10nL〜10fL、又は1nL〜100fL、又は100nL〜1ピコリットル(pL)、又は10nL〜10pL、又は1nL〜1pLの範囲内の体積を有する、請求項2に記載の方法。
- ポリメラーゼ連鎖反応、ローリングサークル増幅法、核酸配列に基づく増幅法、ループを介した増幅法、またはそれらの組み合わせを実施することを更に含む、請求項1に記載の方法。
- 等温増幅を実施することを更に含む、請求項1に記載の方法。
- 被分析物分子の濃度が、少なくとも3桁のダイナミックレンジ或いは少なくとも6桁のダイナミックレンジを超えて決定される、請求項1に記載の方法。
- 体積分布の体積が2倍、10倍または100倍を超えて変動する、請求項2に記載の方法。
- デジタル測定を用いて試料中の被分析物分子の濃度を決定するシステムであって、
試料由来の複数の液滴を含有するサンプルホルダーであって、前記複数の液滴が複数の体積サイズを有している、サンプルホルダーと;
前記複数の液滴の少なくとも1つの液滴中に含まれる、検出可能な薬剤のシグナルを検出する検出器であって、前記少なくとも1つの液滴がさらに被分析物を含む、検出器;及び
その上に保存された実施可能な命令を有する記憶デバイスを含むコンピュータと;を含み、該命令がプロセッサにより実施されると、プロセッサに、
前記複数の液滴の、少なくとも第一の部分の液滴を測定して、複数の液滴の第一の部分の液滴中の、液滴の個々の体積を決定し;
前記複数の液滴の、少なくとも第二の部分の液滴を解析して、複数の液滴の第二の部分の液滴中の、被分析物分子及び検出可能な薬剤を含有する液滴の数を、検出可能な薬剤のシグナルに基づき、決定すること;そして
前記複数の液滴の第一の部分の液滴の個々の体積と、前記複数の液滴の第二の部分の検出可能な薬剤を含有する液滴の数とを用いて、試料中の被分析物分子の濃度を決定すること
を実施させ、
前記複数の液滴の第一の部分と前記複数の液滴の第二の部分が同じである、
前記システム。 - 複数の液滴が、体積分布を有する、請求項11に記載のシステム。
- 複数の液滴が、不混和流体との組合せによりエマルジョン中に生成される、請求項11に記載のシステム。
- 複数の液滴の少なくとも1つが、ポリメラーゼ連鎖反応、ローリングサークル増幅法、核酸配列に基づく増幅法、ループを介した増幅法、またはそれらの組み合わせからの増幅産物を含む、請求項11に記載のシステム。
- 等温増幅からの増幅産物を含む、請求項11に記載のシステム。
- 被分析物分子の濃度が、少なくとも3桁のダイナミックレンジ或いは少なくとも6桁のダイナミックレンジを超えて決定される、請求項11に記載のシステム。
- 前記複数の液滴中の個々の液滴の体積が2倍、10倍または100倍を超えて変動する、請求項11に記載のシステム。
- サンプルホルダーがウェルアレイである、請求項11に記載のシステム。
- サンプルホルダーがマイクロ流体チップである、請求項11に記載のシステム。
- さらに、被分析物を検出可能な薬剤に会合させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
- 被分析物が、共有結合的相互作用、非共有結合的相互作用或いはその組み合わせで、検出可能な薬剤に会合している、請求項20に記載の方法。
- 会合ステップが、解析ステップの前になされる、請求項20に記載の方法。
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