JP6428616B2 - 化学強化ガラスの製造方法 - Google Patents
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Description
また、表面に特異なテクスチャ構造を持たせることによっても、低反射性を付与することができる(特許文献4)。
(1)ケイ素化合物と中空シリカゾルと金属キレート化合物とから、あらかじめコーティング液を調製する工程。
(2)ガラスへコーティング液を塗布する工程。
(3)ガラスを乾燥および熱処理する工程。
これらのため、従来の化学強化処理装置の他に設備の新規投資が必要となる。
<1>ガラス表面に、イオン交換した圧縮応力層を有する化学強化ガラスであって、前記圧縮応力層の表面を低密度化した低密度層を有し、前記低密度層の厚みが5nm以上200nm以下であり、かつ前記低密度層の密度(D1)とガラス中心部に存在し前記圧縮応力層に挟まれる中間層の密度(D3)との比(D1/D3)が0.5以上0.93未満である、化学強化ガラス。
<2>前記低密度層のH/(Na+K)モル比(C1)が前記中間層のH/(Na+K)モル比(C3)よりも大きい(C1>C3)、前記<1>に記載の化学強化ガラス。
<3>前記低密度層のH/(Na+K)モル比(C1)が1.0以上である、前記<1>又は<2>に記載の化学強化ガラス。
<4>前記ガラスがアルミノシリケートガラス又はソーダライムガラスである、前記<1>〜<3>のいずれか1に記載の化学強化ガラス。
<5>硝酸カリウムを含む溶融塩中にガラスを浸漬することによって、前記ガラス中のNaと前記溶融塩中のKとをイオン交換する化学強化ガラスの製造方法であって、前記溶融塩中にK2CO3、Na2CO3、KHCO3、NaHCO3、K3PO4、Na3PO4、K2SO4、Na2SO4、KOH及びNaOHからなる群より選ばれる少なくとも1の塩を添加する工程並びに前記イオン交換の後にガラスを洗浄する工程を含み、さらに、前記溶融塩におけるNa濃度を500重量ppm以上にする工程及び前記洗浄の後にガラスを酸処理する工程の少なくともいずれか一方の工程を含む、化学強化ガラスの製造方法。
<6>前記溶融塩におけるNa濃度を500重量ppm以上にする工程及び前記洗浄の後にガラスを酸処理する工程を共に含む、前記<5>に記載の化学強化ガラスの製造方法。
<7>前記溶融塩におけるNa濃度を500重量ppm以上にする工程が、前記溶融塩にNa塩を添加する工程を含む、前記<5>又は<6>に記載の化学強化ガラスの製造方法。
また、本発明に係る化学強化ガラスの製造方法によれば、一枚のガラスを原料とし、その表面に圧縮応力層及び低密度層を形成することで、低反射性の化学強化ガラスが得られることから、大面積のガラスやガラスの両面へ低反射処理を施すことができ、非常に有用である。
ここで、本明細書において“質量%”と“重量%”、“質量ppm”と“重量ppm”とは、それぞれ同義である。
また、本明細書において、「Na濃度」と表記した際は、Naとしての濃度を意味するものである。
本発明に係る化学強化ガラスは、ガラス表面に、イオン交換された圧縮応力層を有する化学強化ガラスであって、前記圧縮応力層の表面がさらに低密度化された低密度層を有する。
本明細書において「圧縮応力層」とは、原料であるガラスを硝酸カリウム等の無機カリウム溶融塩に浸漬することによって、ガラス表面のNaイオンと溶融塩中のKイオンとがイオン交換されることで形成される高密度層のことである。
本発明に係る化学強化ガラスを得るために用いられるガラス強化用溶融塩(以下、単に「溶融塩」と称することもある。)は、無機カリウム塩を含有する。無機カリウム塩としては化学強化を行うガラスの歪点(通常500〜600℃)以下に融点を有するものが好ましく、本発明においては硝酸カリウム(融点330℃)を主成分として含有する溶融塩が好ましい。硝酸カリウムが主成分であれば、ガラスの歪点以下で溶融状態であり、かつ使用温度領域においてハンドリングが容易となることから好ましい。ここで主成分とは溶融塩における含有量が50質量%以上であることを意味する。
以下、溶融塩の無機カリウム塩として硝酸カリウムを主成分とする「硝酸カリウム溶融塩」を例に挙げて説明する。
なお、共有結合を切断する度合いはガラス組成や用いる無機塩(融剤)の種類、ガラスを溶融塩に浸漬する温度、時間等の化学強化処理条件によっても異なるが、Siから伸びている4本の共有結合のうち、1〜2本の結合が切れる程度の条件を選択することが好ましいものと考えられる。
溶融塩は下記に示す工程により製造することができる。
工程1a:硝酸カリウム溶融塩の調製
工程2a:前記工程1aで調製した硝酸カリウム溶融塩への融剤の添加
工程1aでは、硝酸カリウムを容器に投入し、融点以上の温度に加熱して溶融することで、溶融塩を調製する。硝酸カリウムは融点が330℃、沸点が500℃なので、その範囲内の温度で溶融を行う。特に溶融温度を350〜470℃とすることが、ガラスに付与できる表面圧縮応力(CS)と圧縮応力層深さ(DOL)のバランスおよび強化時間の点からより好ましい。
工程2aでは、工程1aで調製した硝酸カリウム溶融塩中に、先述した融剤を添加し、温度を一定範囲に保ちながら、攪拌翼などにより、全体が均一になるように混合する。複数の融剤を併用する場合、添加順序は限定されず、同時に添加してもよい。
温度は硝酸カリウムの融点以上、すなわち330℃以上が好ましく、350〜500℃がより好ましい。また、攪拌時間は1分〜10時間が好ましく、10分〜2時間がより好ましい。
上記溶融塩の製造方法1では、硝酸カリウムの溶融塩の調製後に融剤を加える方法を例示したが、溶融塩はまた、下記に示す工程によっても製造することができる。
工程1b:硝酸カリウムと融剤の混合
工程2b:前記工程1bで得られた混合塩の溶融
工程1bでは、硝酸カリウムと融剤とを容器に投入して、攪拌翼等により混合する。複数の融剤を併用する場合、添加順序は限定されず、同時に添加してもよい。容器は上記工程1aで用いるものと同様のものを用いることができる。
工程2bでは、工程1bにより得られる混合塩を加熱して溶融する。硝酸カリウムは融点が330℃、沸点が500℃なので、その範囲内の温度で溶融を行う。特に溶融温度を350〜470℃とすることが、ガラスに付与できる表面圧縮応力(CS)と圧縮応力層深さ(DOL)のバランスおよび強化時間の点からより好ましい。攪拌時間は1分〜10時間が好ましく、10分〜2時間がより好ましい。
以上、上記工程1a及び2a又は工程1b及び2bにより、溶融塩を調製することができる。なお、以下、工程1a又は1bのことを単に「工程1」、工程2a又は2bのことを単に「工程2」と称することがある。
工程2’:溶融塩におけるNa濃度の調整
NaNO3に代表されるNa塩を、製造した溶融塩へ添加することにより、溶融塩におけるNa濃度を調整することができる。工程2’の詳細については後述する。
次に、化学強化処理方法を説明する。
化学強化処理は、ガラスを溶融塩に浸漬し、ガラス中の金属イオン(Naイオン)を、溶融塩中のイオン半径の大きな金属イオン(Kイオン)と置換することで行われる。このイオン交換によってガラス表面の組成を変化させ、ガラス表面が高密度化した圧縮応力層2を形成することができる。このガラス表面の高密度化によって圧縮応力が発生することから、ガラスを強化することができる[図1(a)〜(b)]。
なお実際には、化学強化ガラスの密度は、ガラスの中心に存在する中間層3の外縁から圧縮応力層表面に向かって徐々に高密度化してくるため、中間層3と圧縮応力層2との間には、密度が急激に変化する明確な境界はない。ここで中間層とは、ガラス中心部に存在し、圧縮応力層に挟まれる層を表す。この中間層は圧縮応力層とは異なり、イオン交換がされていない層である。
本発明における化学強化処理は、具体的には、下記工程3により行うことができる。
工程3:ガラスの化学強化処理
工程3では、ガラスを予熱し、前記工程1及び2又は前記工程1、2及び2’で調製した溶融塩を、化学強化を行う温度に調整する。次いで予熱したガラスを溶融塩中に所定の時間浸漬したのち、ガラスを溶融塩中から引き上げ、放冷する。なお、ガラスには、化学強化処理の前に、用途に応じた形状加工、例えば、切断、端面加工および穴あけ加工などの機械的加工を行うことが好ましい。
本発明に係る化学強化ガラスは、圧縮応力層2の表面が低密度化された低密度層1をさらに有する[図1(b)〜(c)]。
低密度層とは、圧縮応力層の最表面からNaやKが抜け(リーチングし)、代わりにHが入り込む(置換する)ことによって形成されるが、先述した工程2’及び次の工程5の少なくともいずれか一方によって行うことができる。なお、工程5の詳細については後述するが、工程5の前に下記工程4を行う。
工程4:ガラスの洗浄工程5:工程4を経た後のガラスの酸処理
工程4では工水、イオン交換水等を用いてガラスの洗浄を行う。中でもイオン交換水が好ましい。洗浄の条件は用いる洗浄液によっても異なるが、イオン交換水を用いる場合には0〜100℃で洗浄することが付着した塩を完全に除去させる点から好ましい。
低密度層の密度はX線反射率法(X−ray−Reflectometry:XRR)によって測定した臨界角(θc)により求めることができる。また、XRRによって測定した周期(Δθ)によって低密度層の厚みを求めることができる。なお、簡易的には走査型電子顕微鏡(SEM)でガラスの断面を観察することによって、低密度層の形成と層の厚みを確認することも可能である。また、中間層の密度は、圧縮応力層を研磨、エッチング等で除去することによって、同様に求めることができる。
工程2’では、必要に応じて前記工程3の化学強化処理に用いる溶融塩中のNa濃度を500重量ppm以上に調整する。
溶融塩におけるNa濃度を500重量ppm以上にすることで、ガラス最表面のネットワークの切断、低密度化処理が進行しやすくなり、低密度層が深化する。
工程5では、工程4で洗浄したガラスに対して、さらに酸処理を行う。
工程4の後に工程5を行う場合には、洗浄した化学強化ガラスを酸処理することにより、化学強化ガラスの圧縮応力層最表面の低密度化が促進される。また、工程2’によりNa濃度が調整された溶融塩で化学強化処理を行った後に工程5を行う場合には、低密度層のさらなる深化が可能となる。
溶液は酸性であれば特に制限されず、用いられる酸が弱酸であっても強酸であってもよく、そのpHに左右されない。具体的には塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、炭酸及びクエン酸等の酸が好ましい。これらの酸は単独で用いても、複数を組み合わせて用いてもよい。
酸処理を行う時間は、用いる酸の種類や濃度、温度によっても異なるものの、10秒〜5時間が生産性の点から好ましく、1分〜2時間がより好ましい。
酸処理を行う溶液の濃度は、用いる酸の種類や時間、温度によって異なるものの、容器腐食の懸念が少ない濃度が好ましい。
低密度層の厚みによって、ガラスを透過する光の最大透過波長が決まることから、化学強化ガラスの用途に応じて、酸処理条件を適宜決定すればよい。
これらを踏まえて、酸処理条件を状況に合わせて適宜決定する。
本発明で使用されるガラスはナトリウムを含んでいればよく、成形、化学強化処理による強化が可能な組成を有するものである限り、種々の組成のものを使用することができる。具体的には、例えば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ホウ珪酸ガラス、鉛ガラス、アルカリバリウムガラス、アルミノホウ珪酸ガラス等が挙げられる。
(ii)モル%で表示した組成が、SiO2を50〜74%、Al2O3を1〜10%、Na2Oを6〜14%、K2Oを3〜11%、MgOを2〜15%、CaOを0〜6%およびZrO2を0〜5%含有し、SiO2およびAl2O3の含有量の合計が75%以下、Na2OおよびK2Oの含有量の合計が12〜25%、MgOおよびCaOの含有量の合計が7〜15%であるガラス
(iii)モル%で表示した組成が、SiO2を68〜80%、Al2O3を4〜10%、Na2Oを5〜15%、K2Oを0〜1%、MgOを4〜15%およびZrO2を0〜1%含有するガラス
(iv)モル%で表示した組成が、SiO2を67〜75%、Al2O3を0〜4%、Na2Oを7〜15%、K2Oを1〜9%、MgOを6〜14%およびZrO2を0〜1.5%含有し、SiO2およびAl2O3の含有量の合計が71〜75%、Na2OおよびK2Oの含有量の合計が12〜20%であり、CaOを含有する場合その含有量が1%未満であるガラス
上記洗浄を終えたガラスを、化学強化処理の前記工程3に適用する。
工程1:硝酸カリウム溶融塩の調製(1a)又は硝酸カリウムと融剤の混合(1b)
工程2:前記工程1aで調製した硝酸カリウム溶融塩への融剤の添加(2a)又は前記工程1bで得られた混合塩の溶融(2b)
工程2’:溶融塩におけるNa濃度の調整
工程3:ガラスの化学強化処理
工程4:ガラスの洗浄工程5:前記工程4を経た後のガラスの酸処理
<評価方法>
本実施例において、合成した化合物の構造は以下に示す分析方法により行った。
(ガラスの評価:透過率)
ガラスの透過率は、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ社製 U−4100)を用いて300nm〜1000nmの波長領域の透過スペクトルを測定し、該波長範囲における透過率の最大値Tmaxを算出した。
ガラス表面に形成された改質層の密度および膜厚の測定にはX線回折装置(リガク社製:ATX−G、X線源:Cu−Kα)を利用し、X線反射率法(XRR)により求めた。X線反射率パターンの臨界角(θc)より密度を、干渉周期(Δθ)より層の厚みを算出した。解析にはGlobalFit Ver.1.3.3(Rigaku社)を用いて算出した。
圧縮応力層を研磨、エッチング等で除去した基板を用意し、前記X線反射率法により中間層の密度D3を算出した。
ガラス表面に形成された改質層のNa/SiおよびK/Siモル比の測定にはX線光電子分光法(X−ray Photoelectron Spectroscopy:XPS)を用いた。XPS分析は、同装置に取り付けられているC60イオンスパッタ銃を用いて試料の表面汚染を除去した後に、実施した。
H/Siモル比の測定にはラザフォード後方散乱(Rutherford Backscattering Spectrometry:RBS)−弾性反跳検出法(Elastic Recoil Detection Analysis:ERDA)を用いた。RBS−ERDA分析にてH/Siモル比を求める場合、有機物による表面汚染の影響を考慮する必要がある。ここでは、表面汚染有機物量を3×1015atoms/cm2、表面汚染有機物の密度を10×1022atoms/cm3と仮定した。
なお、ERDA分析中に経時的にHカウントが低下する現象が認められる場合は、これを考慮した補正が必要である。XPS分析により得られたNa/Siモル比およびK/Siモル比、RBS−ERDA分析により得られたH/Siモル比から、H/(Na+K)モル比を求めた。XPSおよびRBS−ERDA分析の分析条件は以下の通りである。
装置:PHYSICAL ELECTRONICS社製ESCA5500
X線源:Al Kα
パスエネルギー:93.9eV
エネルギーステップ:0.8eV/step
検出角:試料面の法線に対して15°
表面汚染除去に用いたスパッタ銃のイオン種:C60イオン
解析ソフト:MultiPak Ver.9.3.0.3
装置:National Electrostatics Corporation製Pelletron 3SDH
入射イオン:He++
入射イオンのエネルギー:2.3MeV
RBS散乱角:160度
ERDA散乱角:30度
入射角:試料面の法線に対して75度
試料電流:2nA
照射量:10μC
圧縮応力層を研磨、エッチング等で除去した基板を用意し、上述した低密度層のH/(Na+K)モル比C1の測定と同様にしてXPS分析およびRBS−ERDA分析を行い、中間層のH/(Na+K)モル比C3を算出する方法が望ましい。しかしながら、ここでは後述する、ガラス組成から算出する方法を用いてC3を求めた。ガラス組成が既知であり、かつ低密度層より深い領域におけるH濃度がERDA分析の検出下限以下(1モル%以下)であることを確認すれば、圧縮応力層を研磨、エッチング等で除去した基板を準備しなくとも、C3の値を容易に推定することができる。
化学強化するガラスには、下記組成のソーダライムガラス及びアルミノシリケートガラスの2種類のガラスを用いた。
ソーダライムガラス(モル%で表示した組成):SiO2 72.0%、Al2O3 1.1%、Na2O 12.6%、K2O 0.2%、MgO 5.5%、CaO 8.6%
アルミノシリケートガラス(モル%で表示した組成):SiO2 64.4%、Al2O3 8.0%、Na2O 12.5%、K2O 4.0%、MgO 10.5%、CaO 0.1%、SrO 0.1%、BaO 0.1%、ZrO2 0.5%
ステンレススチール(SUS)製のカップに硝酸カリウム2568g、炭酸カリウム321g、硝酸ナトリウム111gを加え、マントルヒーターで450℃まで加熱して炭酸カリウム8mol%、Na濃度が10000重量ppmの溶融塩を調製した。調製した溶融塩を撹拌モーター、4枚プロペラ翼を用いて2時間撹拌し、全体を均一に混合させた。
50mm×50mm×0.7mmのアルミノシリケートガラスを、200℃〜400℃に予熱した後、450℃の溶融塩に2時間浸漬して化学強化処理を行った。強化処理した後、ガラスを50℃〜90℃のイオン交換水で2回洗浄し、室温のイオン交換水で流水洗浄し、60℃で2時間乾燥した。
得られたガラスの諸物性の測定を行い、D1/D3およびC1を算出した。測定結果及び算出結果を表2に示す。
SUS製のカップに硝酸カリウム402g、炭酸カリウム47.9gを加え、マントルヒーターで450℃まで加熱して炭酸カリウム8mol%の溶融塩を調製した。調製した溶融塩を撹拌モーター、4枚プロペラ翼を用いて2時間撹拌し、全体を均一に混合させた。
実施例1と同様にしてアルミノシリケートガラス(実施例2)又はソーダライムガラス(実施例12)を強化処理、洗浄及び乾燥した後、酸処理を以下の手順で行った。
1mol/L(1M)の塩酸をビーカーに用意し、ウォーターバスを用いて40℃に温度調整を行った。化学強化したガラスを調製した塩酸中に5分間浸漬させることで酸処理を行い、その後イオン交換水で3回洗浄した後、60℃で2時間乾燥した。
得られたガラスの諸物性の測定を行い、D1/D3を算出した。測定結果及び算出結果を表2に示す。
実施例1と同様にしてアルミノシリケートガラスを強化処理、洗浄及び乾燥した後、実施例2と同様にして酸処理を行った。
得られたガラスの諸物性の測定を行い、D1/D3およびC1を算出した。測定結果及び算出結果を表2に示す。
SUS製のカップに硝酸カリウム2568g、炭酸カリウム321g、硝酸ナトリウム111gを加え、マントルヒーターで450℃まで加熱して炭酸カリウム8mol%、Na濃度が10000重量ppmの溶融塩を調製した。調製した溶融塩を撹拌モーター、4枚プロペラ翼を用いて2時間撹拌し、全体を均一に混合させた。
化学強化処理時間を0.5時間(実施例4)、1.0時間(実施例5)とした以外は実施例1と同様にして、アルミノシリケートガラスを強化処理、洗浄及び乾燥した。
得られたガラスの諸物性の測定を行い、D1/D3を算出した。測定結果及び算出結果を表2に示す。
SUS製のカップに硝酸カリウム385g、炭酸カリウム48g、硝酸ナトリウム17gを加え、マントルヒーターで450℃まで加熱して炭酸カリウム8mol%、Na濃度が10000重量ppmの溶融塩を調製した。調製した溶融塩を撹拌モーター、4枚プロペラ翼を用いて2時間撹拌し、全体を均一に混合させた。
化学強化処理温度を430℃(実施例6)、470℃(実施例7)とした以外は実施例1と同様にして、アルミノシリケートガラスを強化処理、洗浄及び乾燥した。
得られたガラスの諸物性の測定を行い、D1/D3を算出した。測定結果及び算出結果を表2に示す。
SUS製のカップに硝酸カリウム394g、炭酸カリウム48g及び硝酸ナトリウム8g(実施例8)、硝酸ナトリウム33g(実施例9)を加え、マントルヒーターで450℃まで加熱して炭酸カリウム8mol%、かつ、Na濃度がそれぞれ5000重量ppm(実施例8)、20000重量ppm(実施例9)の溶融塩を調製した。それ以外は実施例1と同様にして、アルミノシリケートガラスを強化処理、洗浄及び乾燥した。
得られたガラスの諸物性の測定を行い、D1/D3を算出した。測定結果及び算出結果を表2に示す。
実施例1と同様にしてアルミノシリケートガラスを強化処理、洗浄及び乾燥した後、酸処理を以下の手順で行った。
1mol/L(1M)のHNO3(実施例10)、クエン酸(実施例11)をビーカーに用意し、ウォーターバスを用いて40℃に温度調整を行った。化学強化したガラスを調製した塩酸中に5分間浸漬させることで酸処理を行い、その後イオン交換水で3回洗浄した後、60℃で2時間乾燥した。
得られたガラスの諸物性の測定を行い、D1/D3を算出した。測定結果及び算出結果を表2に示す。
化学強化処理をしない、研磨後のアルミノシリケートガラス(比較例1)、未研磨のソーダライムガラス(比較例5)の諸物性の測定を行い、D1/D3を算出した。ガラス基板の測定及び算出結果を表2に示す。ここで、低密度層の密度D1とはアルミノシリケートガラス最表面の密度であり、中間層の密度D3とは[圧縮応力層に挟まれる中間層/前記ガラス中心部に存在する(イオン交換されていない)中間層]の密度である。
SUS製のカップに硝酸カリウム450gを加え、マントルヒーターで450℃まで加熱して炭酸カリウム及びNa濃度が共に0の溶融塩を調製した。それ以外は実施例1と同様にして、アルミノシリケートガラス(比較例2)又はソーダライムガラス(比較例6)を強化処理、洗浄及び乾燥した。
得られたガラスの諸物性の測定を行い、D1/D3を算出した。また、比較例2についてはC1も算出した。測定結果及び算出結果を表2に示す。
比較例2と同様にしてアルミノシリケートガラスを強化処理、洗浄及び乾燥した後、酸処理を以下の手順で行った。
1mol/L(1M)の塩酸をビーカーに用意し、ウォーターバスを用いて40℃に温度調整を行った。化学強化したガラスを調製した塩酸中に5分間浸漬させることで酸処理を行い、その後イオン交換水で数回洗浄した後、60℃で2時間乾燥した。
得られたガラスの透過率、低密度層の密度D1の測定を行い、D1/D3を算出した。
SUS製のカップに硝酸カリウム402g、炭酸カリウム47.9gを加え、マントルヒーターで450℃まで加熱して炭酸カリウム8mol%の溶融塩を調製した。調製した溶融塩を撹拌モーター、4枚プロペラ翼を用いて2時間撹拌し、全体を均一に混合させた。
実施例1と同様にしてアルミノシリケートガラスを強化処理、洗浄及び乾燥した。
得られたガラスの諸物性の測定を行い、D1/D3およびC1を算出した。測定結果及び算出結果を表2に示す。
なお、表2に示す実施例1、3および比較例2、4のC3の値は、XPSおよびRBS−ERDA分析によって得られた実測値ではなく、以下に説明する方法で求めた。
これより、中間層の(Na+K)/Siモル比は0.51と見積もることができる。
また、例として、図2にRBS−ERDA分析によって得られた実施例1の表面から500nmまでの深さ領域のHおよびSiプロファイルを示す。RBS−ERDA分析によって得られたプロファイルの横軸を深さで表記するためには、密度あるいは膜厚を仮定する必要がある。ここでは、密度を7.97×1022atoms/cm3と仮定した。低密度層より深い領域のHは検出下限以下(1モル%以下)である。
文献(S.Ilievski et al.,Glastech.Ber.Glass Sci.Technol.,73(2000)39.)に示される通り、一般的なガラスのバルク中のH濃度は1モル%以下である。従って、中間層のH濃度も1モル%以下と考えられる。上記の通り、ガラス中のSiは21.1モル%であるから、H/Siモル比は0.05以下と見積もることができる。
以上より、実施例1、3および比較例2、4における中間層のH/(Na+K)モル比は0.1以下と言える。
2 圧縮応力層
3 中間層
Claims (11)
- 硝酸カリウムを含む溶融塩中にガラスを浸漬することによって、前記ガラス中のNaと前記溶融塩中のKとをイオン交換する化学強化ガラスの製造方法であって、
前記溶融塩中にK2CO3、Na2CO3、KHCO3、NaHCO3、K3PO4、及びNa3PO 4 からなる群より選ばれる少なくとも1の塩を、前記溶融塩を使用する温度における飽和溶解度以下となる量添加する工程並びに前記イオン交換の後にガラスを洗浄する工程を含み、
さらに、前記溶融塩におけるNa濃度を500重量ppm以上にする工程及び前記洗浄の後にガラスを酸処理する工程の少なくともいずれか一方の工程を含む、化学強化ガラスの製造方法。 - 前記溶融塩におけるNa濃度を500重量ppm以上にする工程及び前記洗浄の後にガラスを酸処理する工程を共に含む、請求項1に記載の化学強化ガラスの製造方法。
- 前記溶融塩におけるNa濃度を500重量ppm以上にする工程が、前記溶融塩にNa塩を添加する工程を含む、請求項1又は2に記載の化学強化ガラスの製造方法。
- 前記溶融塩は、硝酸カリウムの含有量が50質量%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
- 前記イオン交換を、350℃以上前記ガラスの歪点以下で行う、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
- 前記溶融塩にNa塩を添加して、前記溶融塩のNa濃度を500重量ppm以上に調整する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
- 前記Na塩はNaNO 3 である、請求項6に記載の化学強化ガラスの製造方法。
- 前記溶融塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウムの少なくとも1の物質を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
- 前記酸処理の工程は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、炭酸及びクエン酸から選ばれる少なくとも1つの酸を用いる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
- 前記酸処理の工程は100℃以下で行う、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
- 前記ガラスは、モル%で表示した組成で、下記(i)〜(iv)のいずれかである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の化学強化ガラスの製造方法。
(i)SiO 2 を50〜80%、Al 2 O 3 を2〜25%、Li 2 Oを0〜10%、Na 2 Oを0〜18%、K 2 Oを0〜10%、MgOを0〜15%、CaOを0〜5%およびZrO 2 を0〜5%を含むガラス
(ii)SiO 2 を50〜74%、Al 2 O 3 を1〜10%、Na 2 Oを6〜14%、K 2 Oを3〜11%、MgOを2〜15%、CaOを0〜6%およびZrO 2 を0〜5%含有し、SiO 2 およびAl 2 O 3 の含有量の合計が75%以下、Na 2 OおよびK 2 Oの含有量の合計が12〜25%、MgOおよびCaOの含有量の合計が7〜15%であるガラス
(iii)SiO 2 を68〜80%、Al 2 O 3 を4〜10%、Na 2 Oを5〜15%、K 2 Oを0〜1%、MgOを4〜15%およびZrO 2 を0〜1%含有するガラス
(iv)SiO 2 を67〜75%、Al 2 O 3 を0〜4%、Na 2 Oを7〜15%、K 2 Oを1〜9%、MgOを6〜14%およびZrO 2 を0〜1.5%含有し、SiO 2 およびAl 2 O 3 の含有量の合計が71〜75%、Na 2 OおよびK 2 Oの含有量の合計が12〜20%であり、CaOを含有する場合その含有量が1%未満であるガラス
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